Title
画像処理による骨破壊の評価 -- ラット・アジュバント関節
炎モデルを用いて --( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
高木, 宣雄
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)乙 第1019号
Issue Date
1995-12-20
Type
博士論文
Version
publisher
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/15258
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氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員
高
木 重 雄(岐阜県) 博 士 (医学) 乙第1019 号 平成 7 年12 月 20 日 学位規則第4条第2項該当 画像処理lこよる骨破壊の評価 -ラット・アジュパント関節炎モデルを用いて-(主査)教授 岡伸
光 (副査)教授 植 松 俊 彦 教授 松 永 隆 信 論 文内
容 の 要 旨 骨破壊が進行する疾患を評価するためにはl骨破壊の程度を非侵襲的に定量化することが必要とされる。近年, 種々の定量的骨診断装置が開発され,骨粗怒症のような全身的骨疾患の診断に応用されているが,顎骨など局所 の骨破壊を評価するには適当とは言い難い。またⅩ線写真像から間接的に骨塩量の変化を知る目的で画像の黒化 度を定量化することも試みられているが,複数のⅩ線写真間の比較精度は低く,また測定可能な部位も限定され る0現在,写真画像をコンピューターを用いて解析する技術は広範に使用されており,骨変化の客観的評価に応 用できる可能性が考えられた。ここでは一般的なマイクロコンピューターと画像処理汎用ソフトウエアで構成さ れている画像処理装置を用い,軟Ⅹ線写真の画像解析から骨破壊を密度変化と形態変化の両面から定量的に解析 する簡便な評価法の開発を試みた。 材料と方法 実験動物はSD系ラットを5週齢にて購入し,1週間予備飼育した後実験に供した。無処置群,アジエバント 関節炎群およびデキサメタゾン投与群(0.1mg/kg/day)の3群,各12匹で構成した。それぞれにおいて(1) Arthritisscore,(2)大腿骨の生化学的検査,(3)大腿骨中のCa,P,Mg,Cu,Zn(以下金属と略)量の測定(4) 軟Ⅹ線写真撮影(5)Bonedamagescore(6)画像処理をおこなった。アジエバント注射後25日目に大腿骨を取り 出し,矢状方向に2等分割して冷生理食塩水噴射にて洗浄した。その一方を生化学的検査に使用し,他方を金属 定量に用いた。生化学的検査は,超音波共鳴方式の多目的検体生物試料処理装置にて抽出し,アルカリフォスファ ターゼ活性,DNA量およびタンパク質濃度を測定した。金属定量は,シーケンシャル形高周波プラズマ発光分 析装置にて,金属の定量をおこなった。 アジエバント注射後14日目と24日目の下肢の軟Ⅹ線写真をアルミニウムステップとともに撮影し,B。ne damagescoreと画像処矧こ用いた。画像処理は透過照明装置にⅩ線写真をのせ,マクロレンズを装着した高解 像度モノクロームCCDビデオカメラを用いて画像解析処理装置に取り込んだ。骨破壊評価のパラメーターとし て,踵骨および大腿骨の一定部位における輝度分布(ヒストグラム),また一定線上の輝度変化(パターン)を 検討した。ついで鍾骨において骨周囲の軟組織の影響,像の重なり成分を除去する目的で画像処理をおこない, 2値化したのち,細線化処理をおこなった。同時に2値化画像の面積,細線化画像の総長を求めた。 結 果 1)アジュバント関節炎群ではALP活性は無処置対照群に比し有意に上昇していた。ヂキサメタゾン投与は ALP活性をさらに上昇させた。DNA量は,アジュバント関節炎群は無処置対照群と有意な差を認めず,デキサ メタゾン投与群では無処置対照群より低下していた。 2)25日目における大腿骨中のCa,P,Mg量は,いずれの群においても変化は認められなかった。アジュバン ト関節炎群においてCu,Zn量が無処置対照群にくらべ増加し,デキサメタゾン投与群ではZn量は変化しなかっ 119たが,Cu量は有意に減少していた。 3)輝度ヒストグラムにおいて,無処置群にくらベアジュバント関節炎群は輝度分布の不規則性を示し,デキサ メタゾン投与群は低輝度領域への偏位がみられた。ライン上輝度パターンではアジュバント関節炎群,デキサメ タゾン投与群ともに海綿骨部の輝度低下を示した。 4)画像解析では,2値化画像において,アジエバント関節炎群は無処置群に比し面積率が増加した。細線化画 像においては,無処置群に比しアジエバント関節炎群では細線総長が増加を示し,デキサメタゾン投与群では低 下を示した。 考 察 非侵襲的な骨変化の定量化は,経時的な程度の変化を客観的に把達するため有用である。一般的に骨変化の評 価に用いられているⅩ線写真は一高い濃度分解能および空間分解能を有しており,その情報をデジタル化するに は種々の方法があるが,比較的小範囲のⅩ線写真においては,光学的に拡大可能であり,顕微鏡にも接続可能な CCDカメラが適当と考えられた。輝度ヒストグラム,ライン上の輝度パターンはⅩ線写真の黒化度をよく反映 していたが,定立的に複数の写真を比較することは,撮影,現像,アナログーデジタル変換などの諸条件に影響 されやすく,ひとっのパターンとして把達したはうが良いと思われた。画像解析により得られた2値化画像の面 積は形態的変化を定圭的に反映していたが,さらに細線化によりⅩ線画像のポケなどの影響が減少し,各群の差 が明確となり,細線化画像の総長は形態変化を示す数値として有用と考えられた。したがって,これらの評価法 は臨床的に硬組織疾患の病態把嵐特に顎骨など小範囲の骨において,病変の拡がり,進展方向,治療効果など の診断に応用可能であることが示唆された。