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バッハの神学文庫連続講座「マタイ受難曲」

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Academic year: 2021

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(1)

東京音楽大学リポジトリ Tokyo College of Music Repository

バッハの神学文庫連続講座「マタイ受難曲」

著者

東京音楽大学付属図書館

雑誌名

ライブラリーレポート

4

ページ

65-67

発行年

2016

出版者

東京音楽大学付属図書館

ISSN

2188-4706

著者版フラグ

publisher

URL

http://id.nii.ac.jp/1300/00001253/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

(2)

図書館では、東京音楽大学元講師で音楽評論家の丸山桂介先生からバッハの神学に関する 資料の寄贈1を受け、それを期に丸山先生を講師に迎え 2015 年 11 月1日に『バッハの神学文 庫-J.S. バッハ 響きの〝謎〟を探る』、その続編として 2016 年2月 27 日に『バッハの神学文庫 -J.S. バッハ 響きの〝謎〟を探る2』というライブラリー・セミナーを開催しました。 その2つの講座が好評だったため、今年度からバッハの代表的な宗教曲である『マタイ受難 曲』をテーマに選び、連続講座として『バッハの神学文庫連続講座-マタイ受難曲-』を開催 することになりました。 講座は原則として5月・9月・1月の3回、土曜日の午後1時から3時間、図書館の5階で開 催し、特に終期を決めずに来年度以降も開催される予定です。 2016 年5月 28 日に第1回目が開催され、9月 17 日に第2回目、2017 年1月 28 日に第3回目 が開催されました。『バッハの神学文庫-J.S. バッハ 響きの〝謎〟を探る』の参加者を中心に 応募があり、平均して 30 名程度の参加者がありました。 今年度は、原則として3回全ての講座に出席できる人を年度始めに募集し、途中参加は基本 的にキャンセル待ちという形で募集しました。残念ながら欠席される方も多く、全3回全てに出 席した参加者は 15 名でした。 尚、来年度は、1回の講座ごとに参加希望の申し込みを募るという方法に変更して開催します。 さて、講座の内容は、第1回目は『マタイ受難曲』の第 1 曲目を取り上げ、バッハの自筆譜ファ クシミリを見ながら講義が進められました。自筆譜の書き込みの中でも、特に児童合唱のパー トにバッハが自筆で「organo」と記入している点に注目し、その部分を既成の CD 演奏に、デ ジタル処理でオルガンの音源を足し、バッハが意図したと思われる形で試聴しました。音源の 製作は丸山先生の指導の下、バッハの学校のサイト2を管理されている馬場隆さんが担当され ました。

-65-バッハの神学文庫連続講座「マタイ受難曲」

  

 

1 バッハの神学文庫については、http://tokyo-ondai-lib.jp/collection/bacharchive/ を参照 2 バッハの学校は全国各地で丸山先生が行っている講義。公式サイト http://www.scholabachen.com

(3)

-66-この音源処理について、当日、馬場さんから作業概要の解説がありました。

第2回目は、第1回目の時に参加者から質問があった「三全音」について丸山先生から解説 がありました。その後に音型論についての講義がありました。特に、『ヨハネ受難曲』第1曲目 の解釈に重要な音型である「カタバシス(Katabasis)」と「パッスス ドゥリウスクールス(Passus duriusculus)」、「シンコパティオまたはリガトゥーラ(Syncopatio order Ligatura)」が取り上げ られました。 その後、『ヨハネ受難曲』の第1曲目のテキストに関して神学的な解釈の説明がありました。 第3回目は、前回に引き続き『ヨハネ受難曲』の第1曲目について、神学的な解釈を交えて 講義がなされました。特に、聖書のテキストの解釈を通じて、『ヨハネ受難曲』と『マタイ受難曲』、 また『ロ短調ミサ曲』との関連があるかについての解説が為されました。 『ヨハネ受難曲』の試聴にはリヒター(Karl Richter)の録音3が主に使われました。丸山先 生は、リヒターが演奏する『ヨハネ受難曲』はとても良い演奏と仰っていましたが、第1曲目の テンポに関しては先生の解釈と違い、もう少し早いものだと考えているそうです。この考えに基 づき、馬場さんがリヒター演奏にデジタル処理を施してテンポを速めようと試みたのですが、そ の結果、演奏解釈や残響音の関係でかえって不自然になることが判明したため、丸山先生と協 議のうえ断念したとのこと。代わりにヘレベッヘ(Philippe Herreweghe)が演奏した CD4のテ ンポを速めたものを試聴しました。 楽曲分析の講義で、講義内容が従来の演奏解釈と違っていた場合、講義内容と連動して、 演奏解釈の実例を演奏家が実際に演奏して聴くこと出来れば、より理解を深めることができま すが、実際にはなかなか難しい面があります。ですが、デジタル技術を駆使することによって、 ある程度理想通りの演奏を作り出して聴くことが出来るようになれば、理解を助けることになり ます。馬場さんの協力の下、丸山先生の講義と連動した理想の演奏を毎回その場で聴くことが 出来るという点が、この講座の特徴になりつつあります。 来年度は、講義と連動したコンサートも予定されています。また、違った意味で講義と連動 した理想の演奏が聴けることを楽しみにしています。 3 東京音楽大学付属図書館所蔵 CD の請求番号は A1882 4 東京音楽大学付属図書館所蔵 CD の請求番号は A4970 5 これらの資料は、図書館で随時閲覧できますが、複写は出来ません。

(4)

-67-講義では、バッハの神学文庫に収録されている資料やその他先生がお持ちの資料を基に先 生が作成した資料が配布されます。また、先生が行った講義をまとめた論文が販売されており ます5。これらの資料も、「バッハの神学文庫」と共に、今後の研究に活かされることを願って

参照

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