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多成分対応乾式ガス精製システムの開発―水銀除去剤、ハロゲン化物吸収剤の提案―

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Academic year: 2021

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主要な研究成果

背 景

バイオマスや廃棄物を発電用燃料として利用するため、当所ではそれらをガス化した燃料ガス(ガス化ガス) 中のダスト、重金属類(Hg 等)、ハロゲン化物(HCl、HF)、硫黄化合物(H2S 等)の不純物を除去する高温 乾式ガス精製システムの開発を進めている(図 1)* 1。本システムでは、ガス化ガスの温度を極端に下げるこ となく、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)に適用可能な清浄度まで精製するが、その実現には高性能な除去剤、 吸収剤の開発が不可欠である。水銀除去剤としては活性炭がゴミ焼却施設や LNG 製造プラント等で利用され ているものの、その適用温度が 60 ℃以下であるため高温のガス化ガスへの適用性は不明である。また、これ までハロゲン化物を除去するアルミン酸ナトリウム(NaAlO2)を見出した* 2が、反応器に充填可能な強度と 除去性能との両立が必要である。

目 的

バイオマス/廃棄物ガス化ガス用の乾式ガス精製システムの実現に向け、水銀除去剤としての活性炭の適用 性を明らかにするとともに、ハロゲン化物除去性能と吸収剤強度を兼ね備えた成形吸収剤を開発する。

主な成果

1.水銀除去剤としての活性炭の適用性評価 水銀、酸性ガス、ダイオキシン類、一般臭気の除去を用途とする計 8 種類の市販活性炭のうち、水銀除去 用の添着活性炭* 31 種が 120 ∼ 160 ℃の模擬ガス化ガスでも水銀除去できることを明らかにした。この添着 活性炭は、ガス中に共存する H2S の濃度が高くなるにつれて水銀吸収容量が減少する。使用温度が低いほど 活性炭の吸着能が向上し、高濃度(500ppm)の H2S を含む場合でもこの添着活性炭が本システムに適用で きることを解明した(図 2)。 2.成形ハロゲン化物吸収剤の開発 ペレット状のハロゲン化物吸収剤を NaAlO2の合成手順、添加材、成形法を変えて試作し、吸収剤の強度 と模擬ガス化ガス中の HCl、HF 除去性能を評価した。その結果、NaAlO2の原料である炭酸ナトリウムとア ルミナゾルに高比表面積アルミナ粉末を添加して押出成形することによって、反応器に充填可能な強度を有 し、かつ HCl、HF を同時に低濃度まで除去できる実用性の高い成形吸収剤を開発した(図 3)。 以上の二つを組み合わせることにより、乾式ガス精製システムの開発実用化の可能性が高いと判断した。 これらの研究の一部は、独立行政法人新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)との共同研究として実施 した。

今後の展開

2006 年度設置予定の高温乾式ガス精製設備(処理ガス量: 200m3 N/h)を用いて、水銀除去剤ならびにハロ ゲン化物吸収剤の実ガス化ガスからの除去性能を実証し、実用化への確度を向上させる。 主担当者 エネルギー技術研究所 燃料・燃焼工学領域 主任研究員 布川 信、秋保 広幸 関連報告書 「多成分対応乾式ガス精製システムの開発―水銀除去用活性炭のスクリーニングと H2S/HCl 共存の影響評価―」電力中央研究所報告: M05005(2006 年 8 月) 「多成分対応乾式ガス精製システムの開発―成形ハロゲン化物吸収剤の製造法策定と適用性 評価―」電力中央研究所報告: M05017(2006 年 9 月) 46

多成分対応乾式ガス精製システムの開発

―水銀除去剤、ハロゲン化物吸収剤の提案―

* 1 :電力中央研調査報告 M04009「バイオマス/廃棄物ガス化 MCFC 発電システムの構築」 * 2 :特許第 3571219 号「ハロゲン化物吸収剤の製造方法」 * 3 :水銀と反応して化合物を形成する物質を添加した活性炭で、天然ガス中の水銀除去などに利用されている。

(2)

C.エネルギーと環境の調和

47 0 2 4 6 8 10 12 14 16 0 200 400 600 800 1000 1200 塩化水素濃度 フッ化水素濃度 反応器 出 口 の ハ ロ ゲ ン 化物濃度 [p p m ] 反応時間[min] 除去目標 開発した成形吸収剤 0 5 10 15 20 25 30 水銀吸収容量 ※1 [μ g /g-活性炭 ] 吸収容量 64.8 10.4 7.7 3.6 3.2 1.2 0.8 2.7 11 0 100 200 500 500 500 500 500 100 100 100 100 50 0 100 500 100 100 140 140 140 140 140 140 160 140 120 1 2 3 4 5 6 7 8 9 65以上 65※2 10.4 7.7 3.6 3.2 1.2 0.8 2.7 11.0 H2S濃度変化 HCl濃度変化 温度変化 H2S(ppm) HCl(ppm) 温度(℃) 温度:120∼160℃ 圧力:常圧 流量:1000ml/min 空間速度(SV):5000h-1

CO:17% CO2:8.5% H:25% H2 2O:28% N2:balance

H2S:0∼500ppm HCl:0∼100ppm Hg0:47∼62μg/m3N 温度:300℃ 圧力:常圧 ガス流量:1000ml/min 空間速度(SV):3000h-1 CO:17% CO2:8.5% H2:25% H2O:28% HCl:500ppm HF:500ppm N2:Balance ※1:活性炭充填層出口の水 銀濃度が、供給量の5%に達 するまでに吸収した水銀量 ※2:100時間で吸収した水 銀量(H2Sが0ppmの場合、 100時間が経過しても、活性 炭充填層の出口から水銀は 検出されなかった。) 図1 当所が提案する高温乾式ガス精製システムの構成 ガス化ガスは、①ハロゲン化物の粗取り、②ダスト除去、③重金属類除去、④ハロゲン化物の精密除去、⑤硫 黄化合物の精密除去の順に処理され、清浄度の高いガスに精製される。 水銀吸収容量は、共存するH2Sの濃度が高いほど減少し、HClの共存によって若干増加する。また、温度を下 げることによっても水銀吸収容量が増加する。 開発した成形吸収剤は、模擬ガス化ガスに共存する塩化水素とフッ化水素を同時に1ppm以下まで除去でき ることがわかる。 図2 共存不純物濃度ならびに温度変化時における添着活性炭の水銀吸収容量 図3 NaAlO2を含有する成形吸収剤の塩化水素・フッ化水素の同時除去特性  ハロゲン化物 除去剤 重金属類 除去装置 高性能 脱硫装置 120∼ 160℃ 120∼ 160℃ 250∼ 450℃ 250∼450℃ バイオマス 発電装置 (溶融炭酸塩形燃料電池, ハロゲン化物 除去剤 高性能ハロゲン化物 除去装置 重金属類 除去装置 高性能 脱硫装置 バグフィルター 120∼ 160℃ 120∼ 160℃ 250∼ 450℃ 250∼450℃ バイオマス ガス化炉 発電装置 (溶融炭酸塩形燃料電池、 ガスエンジンなど)

参照

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