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山岸文庫蔵『なくさみ草 麓のちり』解題・翻刻 (調査報告32)

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Academic year: 2021

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(1)

本学山岸文庫には﹃なくさゑ草麓のちり﹄と題する写本︵同文庫分類番号一三五’六三六九、江戸中期書写︶を蔵す る。正徹作﹃なぐさゑ草﹄と、作者不明の紀行文﹃麓のちり﹄を合わせた冊子本で、表紙右上に山岸氏により﹁九条家 本﹂と墨書されている。おそらく九条家旧蔵本を山岸氏が購入したものであろう。この写本におさめられた二書を調査し た結果、この山岸文庫本﹃なくさみ草﹄︵以下山岸本とも称す︶は、現在までに紹介されている﹃なぐさみ草﹄︵または ﹃なぐさめ草﹄︶の伝本とは別系統の本文であり、﹃麓のちり﹄も他に伝本を見ない新出作品であることが判明した。そ こで、本稿では、この山岸文庫本﹃なくさぷ草麓のちり﹄翻刻本文を、略解題を付して紹介することとする。 調査報告三十二 山岸文庫本﹃なくさみ草麓のちり﹄は袋綴写本一冊。縦二十六・九糎、横十九・七糎。青純色楮紙の表紙で、左上に

山岸文庫蔵﹁なくさみ草麓のちり﹄解題・翻刻

Tl聿日詮叩

奥田勲片岡伸江

− 6 1 −

(2)

題篭録泳塞必草﹂、扉題として録啄霊峰草正徹作﹂とある。また、﹃なぐさみ草﹄には翻刻に見られるように﹁なくさ轟早﹂という内 題が存するが﹁麓のちり﹄には内題・尾題ともに存しない。墨付二十八丁、一頁十二行書、一行に大略二十五字程度を有し ている。両作品とも同筆で、十六丁表より﹃麓のちり﹄が始まる。奥書・識語の類はない。落丁と思われる部分は特にない。

のなくさゑ草

この作品の伝本は、従来群書類従巻第三百三十四﹃なくさめ草﹄︵以下類従本と称す︶、早稲田大学図書館蔵﹃源氏奇少 々なくさぷ草﹄︵同じく早大本︶、島原松平文庫本﹃慰草﹄︵同じく松平本︶の三本が知られており、稲田利徳氏により、 類従本と早大本は同一系統に立ち、特に早大本が成立当初の姿を伝え、松平本は別系統で後に作者自身の手が加えられた ︵注一︶ ものとの見解が示されている。稿者も、稲田氏の見解にほぼ賛同するものであるが、ここではそれら二系統の伝本と山岸 本の関係について、校合結果を元に大まかに考察しておきたい。 まず、稲田氏により松平本系統の加筆が指摘された﹃源氏物語﹄に取材した連歌や和歌を例示した部分を、山岸・類従 ・松平本の三本について見る︵松平本の本文は三浦三夫編﹃慰草︵松平文庫本︶﹄︵昭和“、私家版に依る︶。 つかふ人にそはしたものあると云句に 初瀬ちやおなしやとりの中へたて

Ⅱ本文解題

︿山岸本﹀ − 6 2 −

(3)

な く さ 承 草 麓 の ち り 三 十 二 夕霧のうへに雲井のかりなきて これ皆心をまはせりと申ぬくし。唯今おもひいだす計也。證歌いくらもありぬくし。又彼物がたりの歌をとれる歌も あり。おく山の松のとぽそを稀にあけてといふ歌を。定家卿。 足引の山桜戸を稀にあけて花こそあるし誰を待らむ 如此一首を申さば。なずらへてこ入ろえ給ふくしなど語り侍るに。さては不審はれぬ。さるにてもけふ翌は。よの中 足引の山桜戸をまれに明て花こそあるし誰を待らん 如此の聿也一首を申さはなすらへて心え給ふへしなとかたり侍にさては不審はれぬさるにてもけふあすは世の中す入 しからぬほとにて︵後略︶ 『帥 ツ│ニニリ といふ句に。 といふ句やらんに。 これみな心をまはせると申ぬへし又彼物語の奇をとれる奇もありおく山の松の戸ほそをまれにあけてといふ奇を定家 夕霧の上に雲ゐの鳫なきて 子としておやのいさめたかふなと云句に はつ瀬路やおなしやとりの中へたて ︿類従本﹀ つかふひとにそはしたものある − 6 3

(4)

︿松平本﹀ つかふ人にそはしたものあると云句に 初瀬路やおなしやとりの中へたて 子としておやの義にそしたかふと云句に 夕霧のうへに雲井の雁なきて さかなもとむる酒の盃とやらんありしに 梵灯 こゆるきのいそかしからてくらす日に 是承なこLろをまはすと申ぬへきや忠今おもひ出るはかり也証歌いくらも有へし 又かの物語のこと葉をとれるかと覚る歌も有 定家卿 足引の山桜戸を稀に明て花こそあるしたれを待らむ 彼松の戸ほそをまれにあけての歌によれる哉亦後撰集に 俊成卿女 さけは散花のうき世と思ふにも猶うとまれぬ山さくらかな 袖ぬる上露のゆかりおもふにもなをうとまれぬやまとなてしこ此歌をとれるにこそなとかたり待るつゐてにさるにて すい︽しからぬほとにて。︵後略︶ − 6 4 −

(5)

なぐさみ草麓のちり 三 十 二 山岸本︹︺の部分は松平本には存在するが、類従本・早大本には見られない。鏡山・黒田の詠も、山岸本︵松平本ほ ぼ同文︶と松平本の承が以下のような記述を持つ。 山岸本は、二番目の連歌の前句を持つ分、類従本よりも整い、連歌の付合が二種類、和歌が一首で、松平本のような後 ろ︵﹁世の中す坐しからぬほとにて﹂︶とのつながりが不自然になるような無理な補入はない。︵ただ他本にある﹁唯今お もひいだす計也。證歌いくらもありぬくし。﹂の部分が山岸本にの承ないのは、山岸本独自の整備ゆえか。︶ここを見る限 り、山岸本は松平本の改変以前の本文を有している。 ところが、旅中各所で詠まれた和歌の、詠出状況の説明部分のうち、類従本と松平本が相違する鏡山、犬上の里、黒田 等の描写を見ると山岸本は松平本に近い。犬上での詠を見る。 もけふあすは世の中すt︽しからぬほとにて︵後略︶ いぬかみとこの山いさや川なとゑち行ふりに尋てそ見し 日数ふる花はちるともつもらしをありとやはらふ床の山風 いさや河いさや我名をもらすとも誰かはしらんしる人もなし ︹犬かみの名もしるく里ひたる犬ともの旅人にむかひておとろj、しくとかむるもおかし︺ 暮いまに人なとかめそ犬かみの里はありとも宿はからしを ︿山岸本﹀ − 6 5 −

(6)

恋敵の存在について 山岸本・松平本は、類従本系統よりも、より詳細で物語的情緒をも加えた場面説明をしているといえよう。 また、旅の童形との交際部分では、類従本・早大本に記されていた激しい感情の表白が、松平本において削除され、読 者の目を意識し体裁を整えた形になったのであるが、この点でも山岸本は松平本に一致している。二人の交際について をのづからぬれぎぬ立出る人も有くし。 今一かたは少遠けれど。あはれしれる夕ぐれえんなるあけぼの。月の夜ひるまに言傳へていひかはすに。ひともし らずうき名もながれずと。ほのき入はべるもうらやましく・さりとてひとにはわれしりがほにかたるべき事かは。天 にくちなしといへども。ひとのいはざるはとくなるべし。︵引用は類従本。早大本もほぼ同文。︶ との不満の独白が、山岸本・松平本には全くないのである。更に、童形との交情が描かれた山岸本十一丁表から十三丁表 にかけての本文は、松平本との校異はめだって少なく、類従本系統とは明らかに相違することを示している。 以上の検討から、山岸本も、成立当初の本文に加筆改変のあった後の伝本であると考えられる。その改変傾向として は、詠歌状況の物語的演出、童形へのあからさまな私的感情の削除が見うけられた。ただ、松平本と比較した場合、類従 ︿山岸本︵鏡山︶﹀ さるはやうノー老のねふりにやともおほゆ年へぬる身はなとなかむるほとありあけの月さしいてぬ ︿山岸本︵黒田︶﹀ 庭の木の本に卯花のほのかにさきたりときしりかほにおかしき夕に − 6 6 −

(7)

な ぐ さ み 草 麓 の ち り 三 十 二 途切れている。 当らず、新出の孤本である。 ものであろう。﹃国害総目銅 内容は、中世文人がよく一 ﹃なくさゑ草﹄と合綴されている﹃麓のちり﹄は、おそらく正徹と近い関係にある僧によって書かれたと思われる紀行 文である。題名は、冒頭の一文の﹁遠き所はいてたつあしもとよりはしまりてこ千里の月のまへにいたりたかき山はふも とのちりひちよりなりて三万丈の空のうへにのほりさるはかのふしの山見侍らまほしき事は⋮⋮﹂とある箇所から取った ものであろう。﹃国害総目録﹄﹃古典籍総合目録﹄による限りにおいては、同名の害でこの紀行文の伝本を持つものは見 その他、山岸本の象に見られる誤写︵山岸本四丁表三行﹁みの︲︽中山﹂は正しくは﹁みの上山中﹂とあるべき所。松平 本に﹁みの上中山はなをひかし也﹂と記すのは、﹁みの︲︽中山﹂と誤った山岸本系統の伝本を見ての補入とも考えられる︶ は、山岸本の本文の従来の三本の本文からの独自性を思わせる。稿を改めていずれ詳しく論じたいと思う。 付けることができよう。 本・早大本に従う部分も多く、類従本系統から松平本系統へと本文が性格を変えていく、その中間形態を示す伝本と位置 内容は、中世文人がよく試桑た富士遊覧の旅行記であるが、富士見物後に鎌倉・下総国古川︵古河︶に足をのばしてい る。記述によれば、永享三年九月十四日夕刻に都を出立、垂井・墨俣・清洲等で知人を尋ね、駿河の国府で富士見物を果 たして九月末日に島田着。三嶋で伊豆守宅に滞在、藤沢を経て十月十日すぎに鎌倉に到着した︵日時は不審な箇所もあり 必ずしも正確でない︶。鎌倉から下総国に到り、黒髪山︵日光男体山︶の霊場参拝を計画した時点で年末となり、文章も 筆者は、尾張国のりたげでは、正徹と交際深い畠山︵右馬頭︶持純に世話になっている。文中、正徹の﹃なぐさ象草﹄ の旅に言及していることと合わせ、正徹と筆者との共通の交友圏がうかがわれよう。また、小野を通過中、﹁けふはかの <2> 麓のちり − 6 7 −

(8)

とある記述が追認できよう。 で、特に文学的才能に恵まれた人物ではなかったようである。 中﹁桑門﹂とある︶でもあった。ただ、和歌は著名な古歌をふまえた通り一遍の作が多く、多用される対句表現も平凡 家の歌の会侍る日なりける都に侍らはその座にあらまし物を﹂とひとりごちており、冷泉家に親しく出入りした歌僧︵文 なお、関心が持たれるのは、尾張国清洲に住む知人について﹁此十とせあまりがさきに徹公外書禅師この城中竹陰軒に 座せられしついてに光源氏物語なとうか坐ひ聞てをろそかならぬすき人﹂と述べている条である。﹁十とせあまりがさき﹂ という年代把握は幅がありすぎ不正確であるが、この箇所は正徹の﹃なぐさみ草﹄の旅での源氏物語講読を明らかにさ し、松平文庫本﹃慰草﹄末尾﹁応永廿とせあまり五のとし秋七月十八日尾張国情すの城中竹陰軒にしてしるす事しか也﹂ ﹁山岸文庫本﹃なくざ拳草麓のちり﹄翻刻にあたり、﹃なくさ象草﹄には、類従本、早大本、松平本との校異を付した。そ の場合、山岸本に存在する箇所に生じた校異は、山岸本の該当箇所を示した後校異を付し、山岸本に存在しない箇所 に生じた校異には便宜上本文内に*印を描入して示した上で、*印の後に校異を付した。諸本の略号は、群、早、松。 一、丁移りは﹂の記号で示し、表裏はオ又はウとカタカナで示した。 一、、原則として改行、字体は底本のままとした。 ︵注一︶稲田利徳﹁正徹の﹁なぐさめ草﹂の諸本と成立﹂︵﹃岡山大学教育学部研究集録﹄第四十九号一九七八・七︶

Ⅲ凡例

− 6 8 −

(9)

三 十 二 な く さ ゑ 草 麓 の ち り 2 いにしへやよひのすゑかとよねにかへりふるすをいそぐ 3 花鳥の身さへ跡とむへきかたなくなりぬれはさそふ 水のあはれむよすかにまかせつ上都をさすらひいて些 関のこなたまてまょひこしかなもとよりか上る世すて 4 人はいつくかはこ生とさたむへき宿もあらましをすみ 5

67

8 の衣の色あさはかにた上えひすのすかたにあらぬはかり 9

11 01

2 1 にてかうほりの烏にもねすぷにもあらさるかことく* 3 1 4 1 してあるひは玉の卿のたつときに*のそみあるひは民屋 1 5 のいやしきにいたりつ呉世のありさましたひきぬれは四十 の波身にか上るまて都のうちをさらぬことになりぬる 6 1 なるへししかあれは四方の国のさかへ遠き里にはしれる な/\さ承草 1いにしへ’三本いにし2のl松ナシ3とむ1群と堂む早松と上む4いつくかl早松いつ か5の色I早松の群ナシ6た坐I群て7ひl早び8にあらぬl松をのかる具群にあら ざる早にあらさる9かうほりl松かはほりmさる1群早い皿かl松ナシ理*1群旱に ミセ消 過してI松ならし皿*l松に巧世のありさましたひきぬれは四十の波身にか上るまて’松ナシ 一 オ − 6 9 −

(10)

たつきもなくして行末心ほそしともいひぬへし関の 岩かとけふそふみならし侍る 心こそ跡にひかるれ旅人の駒たになつむ関の岩かと 志賀の浦はにうちいて上染れはひえの大たけなからの 2 3 4 山た坐此麓にかす象にみえつ臭きてそこはかとなく

567

けふりわたれる四方の木のめ*春の嵐になを雪と ちりくる花も春をさそひかほに浪のうへにちりしき 8 たるまことにこき行舟の跡見ゆるはかりなり 9 山風も桜はよきよにほの海に春行浪の跡はありとも 0 1 もる山といふ所はいたく心もと入まらす森のかけの一むら 里にて市女あき人の物さはかしぎの象なり時雨も 1 1 いたくなとおほゆるもいまは時ならすや 群世のことわざにしたがひきぬれば。四十年のな桑身にか︲︽るまで。早世のことわざにしたかひき ぬれは四十年のな采身にか上るまて皿さかへ1群境 1きl早ぎ2に’三本の3ゑえ’三本ナシ4そこはかとなく1群ナシ5*’三本の6春 のl群早ナシ7になをl群早より8まことにI松まま9跡’三本花、とl早なと、やl 松ナシ ﹂一ウ − 7 0 −

(11)

強 く さ み 草 麓 の ち り 三 十 二 1 2 君か代に身こそもれぬれもる山の下葉残らぬ春のめぐみを 3 4 5 こょひはか具象の山ちかくやとりとりぬならはい旅にや

67

おもふかたの夢をたに承すさるはやう,ノ、老のねふり にやともおほゆ年へぬる身はなとなかむるほと ありあけの月さしいてぬ 8 鏡山春の旅ねの有明に月も老ぬる影そかすめる むさの宿とかやを過てゑち川にか坐り侍に道のかたはら 9 にけしき木たかき杉むらにかうノ、しき鳥居なと 10 1 1 たてるあり小田かへすしつのおにとへは老その森といふ*け 2 1 3 1 1 4 に四十年のさか*くるしきゑちなれはしはしうちやす承つ上 5 1 名を間も袖こそぬるれ今は身にか上る老その杜の下露 6 1 7 1 いぬか桑とこの山いさや川なとゑち行ふりに尋てそ見*し 1君か代にl松露なから2をl松に3のl松ナシ4とりl松ナシ5旅’三本旅と6を1 群旱ナシ7ゑすさるはやう,I、老のねふりにやともおほゆ年へぬる身はなとなかむるほとありあ けの月さしいてぬl群早もなし松ゑせさるはやう,I、老のねふりにやともおほゆへし年へぬる身 はなとなかむるほとあり明の月さし出ぬ8そかすめるl早やかすまん9に1群ナシ、たてl 早まて皿*l群早に哩*’三本も過しはしI早しはjl、皿すI松ナシ過AI群はおふ l早ぶⅣ*l群早侍り松侍 ﹂ニオ ” イ ー イ 上 一

(12)

1 日数ふる花はちるともつもらしをありとやはらふ床の山風 いさや河いさや我名をもらすとも誰かはしらんしる人もなし 2 犬か象の名もしるく里ひたる犬ともの旅人にむかひ ておとろJ1∼しくとかむるもおかし 暮いまに人なとかめそ犬か永の里はありとも宿はからしを 3 4 5 *されことなるへし小野といふ所を過るに古冷泉新大納言 6 78 為尹卿は和寄*道の長者にていませしかとも時うつり世 9 0 1 1 1 くたれるにや此道*すたれはてぬるを三とせはかりのさきにて 2 1 3 1 侍しやらん内大臣家より千首の吾*たてまつらしめ給ふ 14 へきよしおほせられたりしに述懐の吾の中に 5 1 いかにせんをの入山柴ことたえて猶たてかぬる宿の煙を 6 1 おほけなき身のねかひにはあらしかしいつかむすはん細川の水﹂ニウ 1ちる1群松塵早ちり2犬かみの名もしるく里ひたる犬ともの旅人にむかひておとろj、しく とかむるもおかしl群早ナシ3*l群早なと4なるへしI群早になりぬ5古冷泉新I群故新 .シン タメマサノ 早故新松故冷泉6為尹l早為尹7*1群早の8道l松ナシ9くたれる1群くだりぬる ナイ 早くたりぬるm*’三本も皿三とせはかりのさきにて侍しやらん1群ナシ哩内大臣家l早内 當御所ヴケ 大臣家過*l早松を皿たりし’三本たる鴫えl早ら唾き’松む − 7 2 −

(13)

な ぐ さ み 草 碗 の ち り 三 十 二 あふみのをの上庄はりまの細川は和寄所の永領にて 2内J 五条*三品よりかはらさりしかとも道のおとろへにしたかひ 4 5 6 て武家のはんせいなといふこと上やらんになりつ些家の 7 8 風もよはり*さまなるを此ついてにきこえあけたまひ 9 割10 勺上 司1 ワ︺ ご上 けるなるへしそのとしの冬かとよ*細川の庄をかへしつけ 3 1 られてやかて小野をもいまかたつかたわたさるへしなとの 1 4 御あらましありときこえしまことにょろつをめく承 15 給御心さしかたしけなくうけたまはりし也時の管領 6 1 17 8 1 9 1 2 0 右京兆入道殿より旅行にそへて歌をつかはさる上贈答な 2 1 2 2 ワ︾3 と*ありしをこなたかなたよりつきたてまつりしかとも*

22 45

かたちもおぼえすなりいやかて正三位の大納言にあかり

なとし給て和吾の道を二たひおこし給かと見しほと﹂三オ

シヤウ

俊成卿也フヶ

ー庄l早庄2*’三本の3三品I早三品4武家l早武家5はんせい’群わむせ井松わん ホン せい6上やらんl群早ナシ7*1群行松早ゆく8たまひけるl松給ふ9かとょ’三本か の、*l松かの、のI群ナシ辺つけられてl群早つかはされて週いまかたつかた’群早ナ 細川法名道歓 シ皿くl早ぐ過給I群松給ふ早給蝿右兆京I早右京兆Ⅳ入道殿l松ナシ超旅行1群 イブケイテウ ソウタウ 知行早しぎやう松施行廻歌をつかはさるAI群早ナシ恥贈答l早贈答型*I群早の躯 より1群松取早とり記*1群歌の早寄の型三l早松二妬の’三本ナシ 一 ワ Q − d J

(14)

ワヨ 山風*なをあらましくそ入るさむき心ちして夜もす 旬○ から火なとたきあかしてまとろます かす象とへた入り給にしこそあはれにかなしかりしかいま にあくる年の春の花の夢にさきたちて雲ときえ ワ︼

34

このてすさみにかきくはへ侍るにつけても懐旧のなゑた 5 6 水くぎにそひ侍るかなすりはりをこえしにそ都の山も かくれはてぬる 今は上や目にもか入らす古郷の都の山は雲かくれつ上 7 8

9m

はんはさめかひなといふ所より*山ふところなる里つ上きに 1 1 て水のなかれ心ぼそくときは木にみとりそへたる若葉

11 23

のかけこくらく松の藤浪岸の山吹えもいはいはるを 14 のこしかほ也 岩ねもるし水に春の面かけをとめてやかへる松の藤波 ﹃lFa こょひは山中にとLまりいやょひの末なれ*とも所からにや﹂三ウ ミセ消 1に1群松ナシ2ゑl松ひ3もI松ナシ4のl松のの5にl松ナシ6かな1群なり7 はI早ぱ8かl早が9*l松は、ふl早ぶ、木l早ぎ理けl早げ過くl早ぐ型かl 早が巧*l早なれ 句 4 − / 坐 一

(15)

なぐさみ草麓のちり 三 十 二 12 命あらは花にかへらん春草の青野か原をけふは行とも 3 1 1 4 すのまた河はみのおはりのさかひとかや河岸にうちのそ承 5 1 たれは舟はむかひにあるほとにて時うつるまてなかめゐぬとは 67 11 89 11 かりありて里の子のせりかなにそとかたぷにつ承もちたる 4

56

春なからいふきおろしは夜さむにてま柴折たくみの畠中山*

789

関の藤川あさわたりして不破の関につきぬ 昔たにあれぬと聞きし宿なからいかてすむらんふはの関守 1 0 11 野上といふ所は里もかすかにしてうかれめもなし青野か はらに出たれは国のさかひはるかに南のかたはる,J1と山も マ皐浜え︽3 1 2 三四人おきなの老か上まり*なとそのりくしてきたるわら

34

5 はへの舟よりおりかね侍を子にやむまこにやたすけおほ 1*’三本も2夜もすから火なとたきあかして1群ナシ3まとろますI群早まとろまれす松 ナシ4ふl早ぶ5中山’三本山中6*l松象のの中山はなをひかし也7て’三本つ上8 の関’三本ナシ9つきぬI群つく、と1群など早松なと、して1群ナシ哩春I群青過 子 さかひl早さかへ皿河1群ナシ巧なかめl群誘ひ坊子l早こⅣのI群ナシ喝そ1群か 早ぞ四と’三本ナシ ﹂四オ 局 戸 一 / O 一

(16)

6 し*てわれもい糸しうくるしけなるもなにとなくあは

78

れにそ見侍し水鳥ともの河すにむらかり*ゐたる いとおもしろし 9 1 0 舟人も*子を思ふ道そ水鳥のすのまた河は浪心せよ 1 1 あしかをよひなともおなしやうにこえ過ぬくろたといふ 2 1 3 1 所にいにしへ拳とりこのほとより桑つわく象*し人の今は 1 4 まことのおやのよすかにてありと間し道より*尋へき 5 1 16 17 家のやう人にとひなとしてあないし*たるにかぎりなく き上よるこひつ呉さるはおやめく人も都にあるほとなりし ︵ひq︾

11

2 0 をわかき心にとかくいたはりなくさめなとしつ上*ふるにたつき﹂四ウ

子孫

1*’三本たる2くl早ぐ3子l早こ4むまこ’早むまこ5おほし’三本おろし6*I 群早なとし7かI早が8*l松て9*1群猶早なを、道そl群早ナシ皿もl松ナシ哩 承つわく承1群はぐく承早はく上み松見はく入承過*l群早に皿*’三本も巧家のやう ミセ消 I群所早ところ松家ゐのやう蝿人にl松ナシⅣ*l松に喝つ上1群あり四*I早松あ り如きl早ぎ 1

234

いてきぬる心ちして都の物語*してあけくらし侍しも 5 あはれなりかくてやう,j、卯月になりぬこの所のさままへ − 7 6 −

(17)

三 十 二 な く さ 承 草 麓 の ち り 6 もうしろも田面にて林は軒ちかくいさ坐むら竹めくれり 7 8 民の家所ノ、*かやか軒あしのかきほさへさなから夏その 9 1 0 かけにかくされょもきむくらに門をとちたり都よりあつま 1 1 2 1 へ行か*ふ旅人のすぐる道のつ上きもた入このかきほのほか 3 1 なれはむらかりとをる駒のあしをとも物さはかしぎおり 4 1 もあるへしわさ田におりたつ田子のこゑJ1にうたひ夜 5 1 6 1 はかはつの耳かしかましなとめつらしき心ちそせし 7 1 8 1 庭の木の本に卯花のほのかにさきたりときしりかほ におかしき夕に よもすから光は象せよむは玉のくろたの里にさける卯花 す象染のくろたの早苗取しつや夕をかけて袖ぬらす 1ぬl松た2*l群早なと3てl群早つ上4あけ1群明し5かくて’松おもひ立ぬれはあ つまの果まてもとおもひしかとも髪にと坐められつ上6軒l松斬7*l松に8軒l松斬9 けl早げ、ちI早ぢ皿*l松よ画道のつ上きI群堤の道早つ生みのゑち松道のつLみ 週かl早が皿にうたひ夜はかはつのI松ナシ巧かしかまし1群かしがましき松かしかましき 早がしかましき妬そl早ぞⅣ木の本l群早木下松木のした喝たりときしりかほにおかしき 夕にl群早たるを松出たるときしりかほにおかしき夕に ﹂五オ 一 ワ ワ ー J 』

(18)

らん 2 此所はふかき吾枕なと*よめる歌みえすくろた河はあれと 3 も柔の皇国とかやたつぬへし都の風のたよりにこなた 4 5 かなたより文なとことって侍るにあはれしるはかりの奇 6 7 8 なともありしかともわさとかきつけすつれ,J1なるま上に 9 1 O ちかき寺に地蔵のおはしますにまいり老僧のむかし物 1 1 2 1 語するなとにかたらひよりて日をくらすをこのたのもし 1 3 くおもひつる宿もりさへと承の事とて京へのほりにし 1 4 5 1 かはすへてしれる人もなしさらはまつこれより伊勢の 6 1 かたへと心さして太神宮に参詣し侍しそかし道 7 1 112 890 すからのひなのなかち*おとろへしありさまはあまのたく 2 1 2 2 2 3 なはなか71、しけれは心しつかに叉かきぐはふへし十日 1ふかき’三本ふるき2*I群早にも松に3つl旱づ4ことって1群言傳て旱ことって 上松ことつけて5るに’三本し6もl松ナシ7とl早ど8つけl群早いれ松入9地 蔵のおはします1群おはします地蔵早をはします地蔵mまいりl松参る皿に1群ナシ旭を 1群ナシ過く’三本人と皿れl群早ナシ過まつこれI群こ坐早まつこ入略にl松ナシ Ⅳの’三本ナシ焔かl早が四ちl早ぢ鋤*’三本に虹かl早が配つI早づ詔くはふI 群候 ﹂五ウ − 7 8 −

(19)

三 十 二 吃虞くさみ草麓のちり

12

あまりにてもとの所へかへりきぬかくて*たつきなきにて 3 あかしくらす卯月の下の四日れいの御堂にまいり たるに夕つかたなれはにや人もいたくまいらす燈明か入く 4 5 る人もなく不断*香のけふりもかすかに心ほそし此仏 6 7 の御事は都にてもき上つたへたてまつりしにいにしへ 8 9 はあゆぷをはこふ人もおほく御堂のかさりもきらj、 0 1 1 1 2 1 しかりしとかや明徳の比いぐさの庭になりて*かたもなく

34

勺11△ 勺上勺上画.、︵b なりぬるとそ人の語し世中の盛衰*ほとけの御うへ にもいましげりとあはれになん正面の東の間に心し 7 1

8911

つかに念珠しゐたるに年のよはひ六十にちか入らんと 2 0 2 1 みゆる翁すかたのか承*しろくいたくからめきたるかこまの 2 2 3 2 しろき色の衣にきなるほうしひき入てすゑ二また なる 1*l群早も2きl早ぎ3のl松ナシ4*’三本の5もI群早ナシ6はl早ナシ7つ メイトク たへ1群侍8ゆl早松よ9さl早ざ、明徳I早明徳、庭1群ぱ狸*’三本より週とI シヤウスイ 松ナシ皿のl群早も巧盛衰I早盛衰蝿*’三本はⅣ年のょはひl松ナシ喝六十l早六十 年囚ちか上らん1群ちかかるらむ早ちか異るらん松ちかLむ鋤かl早が虹*1群ひげ 早松ひけ翠色のl群早ナシ記ほI早ぽ ﹂六オ − 7 9 −

(20)

1 2 かせ杖にか上りつ上庭の灯濾のもとに立てうちおかむ 3 4 あり此あたりにてはみなれすあやしうもろこし人なと にやと思ひなから念珠しはてL御堂よりおりてなに 5 6 7 となくあゆぷちかつきて象れは都にてたひ71、あひたて 8 まつりし優婆塞なりさるは年久しくして一心の本源 9 0 1 明也とかやいまたかひに手をうちて大咲すさるにても 1 1 1 2 1 3 14 いかにとしてこ入にはいますにかととひ給にみやこよりうか れ出しやうあらJ1、こたふひなのすまひのならはす 1−, 6 1 7 1 して*いかにしてかなとなのめならすとふらひ給にかつう 8 1 9 1 れしき心ちすこ上にてことっくへきにあらされは此旅 2 0 のやとりにいさなひつ上かへりきてかたらひ暮すされとも 1 2 2223

つたなぎ身のありさまもとより学せされは一文につう﹂六ウ

灯炉 1灯憾I群灯燗早ところ松と上る2うちl群早ふし3柔なれ1群早みならは4なと’松 ミセ消 ナシ5ちかつきl早ちかづき松ちかへつき6ひl早ぴ7たてまつりl松承て8さるは1 群宗旨の志ふかく。虚を参禅の早宗旨の心さしふかく虚L参禅の松宗旨の心さしふかく処を坐 アカ タイセウ 禅の9明l早明、大咲i早大咲、と’三本ナシ哩いますにか1群住か週とひ給ふl松と ふ型より’三本を巧*’三本は略してかなとl松やとⅣとふらひ給l群訪ひ給松とふら はれ侍る喝へきに1群くうも早松へうも均されはl松す日も暮ぬさらはとて別とl早ど − 8 0 −

(21)

な ぐ さ み 草 麓 の ち り 三 十 二

12

せす道心なけれは*法門の心をうか上ひしることもなし たL一かうに世上の物語の承してこよひは枕をならへて 3 いたつらにふしぬいかはかりかの心にも峨槐ありけんと 4 5 はつかしかりきされはそれよりのちひたふるにそひたて まつりぬれはいまは中,I、あけくれにつけて不善の心 6 をもかつうは病にをかされておきふしのわつらひあるをも 7

89

かへりてあはれ糸給らんと心やすくさへそ侍るその次の日 10

11 12

より此人にさそはれたてまつる事ありて国の*中なる やうの所にいたれりこ上は家ゐもさるかたにるいひろく 3 14 国郡の政をおこなひ百姓のかへり承朝暮にすたれ さりしかは門前市をなせるやうにて都のほかの心ち 5 1 もせす十日はかりや侍けんか入る*非人の身にあまるまて ザンギ ー*1群一句の早一勺の2門’三本文3徴塊l早繊槐4されは’三本さるは5そひたて まつりI松此翁にのゑうちそふことに成6をl松と7給I松おもはる8さへl群早ナシ9 侍るl松おもひなりぬるmたてまつる事ありてl群奉て早たてまつりて松侍る事有てn国 グム ハクセイ ー群田面哩*l早松も過郡I早郡皿百姓l早百性過*l群賤き早いやしき松賤しき カク モン 型学l早学松学を塑文l早文認につうせす1群二道を論ぜず ﹂牛]オ − 8 1 −

(22)

2 のめくゑにあつかりなさけのかすを見たてまつる事かた はし申さは中J1、かたはらいたくなんそれより此所にうつ るひぬこ入は玉ほこの道遠からぬほとなからさすかに人 3 音しけからす東には江川はるかになかれいてぬ緑竹 4 5 6 浪をおほひて朝日影をうかへす南には真砂のやま

78

9 ところノ、に象えたり松風夢をやふり夜*月霜をか 0 1 11 さぬるかとおほゆ西には野さはたえノー、に一むら里に 2 1 3 1 14 11 56 つLきあししけり*ぬなは鶚はひひろこれる池とめくれり 1 7

8911

をしかもにほとり*こ人をすみかとせり*ねぐらとするかさ 2 O さきむらかれり蓮の花のみたれさきて此比おもしろし 2 1 22 3 2 家ゐのさまはさなから山の中の心ちして万木四方に 2 4 つらなり流水左右にた上へたり岸たかくして又くたれり 1のめくゑにあつかりl早のめぐゑにあつかり松ナシ2たてまつるl松侍3いてぬ1群出て 早いて上4を1群ナシ5す1群き松る6の’三本ナシ7に1群ナシ8たり1群わたり 9*1群早のmに’三本ナシuたえノ、にI群だんj、狸*l早◎過*はひI群ナシ早。 皿こ’早ご咽と1群北に早きたに叩めくれり1群めぐり刀*1群など早なと喝*1群 堤の柳岸の杉むら/、しげりて早っ些承のやなききしのすぎむらとしふりて松つ些翠の柳きし の杉むら年ふりて四くl早ぐ別の’三本ナシ型家l松宮配まl松き配の1群ナシ型左 ﹂セウ − 8 2 −

(23)

三 十 二 な ぐ さ み 草 麓 の ち り す上の下道す上ろに遠しやくらありし上かきあり 2 たやすくつは物のいぐさをふせきしら浪のおそれあら

34

5 せしとなりすへて弓の庭鞠のか坐りなとうちに入ては 6 7 8 なをゆほひかなり*しんてん*にらうつ入きたるかたに一 9 11 01 宇あり竹張と号す補陀大士のおはします両方に 2 1 3 1 床あり江下旧参の衲僧をこ上にあつめて坐禅参 14 1 5 6 1 学をはけまんと*此比夏中なれはにやさやうの人も こ上にはおはしまさ上りしかはかの翁なと両三人こ上を 17 8 1 1 9 しめたり予かていたしく経録をあかめをくへき机には 0 2 1 2 2 2 2 3 和吾の抄物をか*さねふとん*座すへき床の上には枕 2 4 5 2 2 6 をたつさへてよこたはりふせる炎天にたへすしてけさ 2 7 衣をわすれ非時食をほしきま上にして酒にくの中 サイフ 右l早左右 1らl松し2たやすくI群暫3せl松さ4なりI松なるへし5に1群ナシ6ゆほひか’

寛ヒロキ心也カゥス

群寛意早ゆほびか7*I松や8*1群の西早のにし9竹張と号すI群號竹陰早号竹 クィン ツ エケキウザム 陰と松竹陰と号す、士l早士皿の’三本ナシ哩江下旧参1群會下久参早會下久参松会 ノウソウ 下久参過衲僧I早納僧松袖僧理はげまんとI松つとむとかや胆*1群なり早也躯人I ﹂八オ − 8 3 −

(24)

1 にたはふるこれのみにかきらす無徴放逸のとか二六時 2 3 4 中にたふる事なししかれともよきをえらはすあしき 5 をすてさる慈悲のあまりこれをこと上もしたまはす 6

78

9m

ひたふる*心にあはれ承*給ふほとにか上るなさけ*かけを 1 1 2 1 たのむ木の本にて露の命秋をまちかほなりかくて

345111

6 1 17 五月*なかはになりぬるに日いよ,J\なかくつれノく、にてなに 8 となく*らうのかたに立いて入しん殿の南おもてをかいま 1290 2 1 2 2 2 3 象すれは此ほと*象もならはい俗人四五人わらはすかたの 22 45 きよけにあけまきのほともた上ならぬ二人はかり見え 6 2 侍に都おもひいて上ゆかしきに此らうの戸にいてき たる人にとひ侍しかは東のかたよりこしの国へまかる 2 7 旅人の此あたりにしはしと入まるへき事ありてなんと 1かl早が2ふI群松ゆ3しかれ’三本しかあれ4すI早ず5したまはすI松せす6* 七ウモツ 松僧ⅣていたしくI群たらく早松ていたらく娼経録1群禅録珀机l早机卯抄物l早抄物

ミセ消シンス

型*l松き理*’三本に配枕1群枕双子早枕子松枕子塑つl早づある1群松り妬 けさ衣l松威儀幻非時食をほしきま上にして酒にくの中にたはふるこれの承にかきらすl早ひし シユ しきをほしきま坐にして酒にくのなかにたはふるこれの承にかきらす松ナシ ﹂八ウ − 8 4 −

(25)

な く さ ぷ 草 麓 の ち り 三 十 二 2 3 こたふるに旅なる人ときくも身にしられひなのなか 4 ち*いか上ととはまほしけれとうちつけなる心ちして 5

67

89

此戸口より帰きいかくて過行にある時此あるしの

0111

11 23 きこゆるやうさても光源氏の物語といふ事*人 14 11 56 にたつねしりたりとなんき上をよひ給ふる年久し 1 7 くなましひに連歌の道にすぎ侍にしをある時は 8 1 9 世事にさはりある時はすきことならすしてことは 2 0 2 1 の花色すぐなく心のいつ象象なか象ともしきの象 2 2 3 2 にてちかくはこれをと上まりにきさ*あれとも*物語の 24 ゆへ聞侍たきひまあらはかたはしにてもいか入なとあり 5622 o﹄7 予か云まことに連歌の道の事近年天下一同 8 2 にこのことはさになりぬと也しかれとも先達象なうせ I松に7*I群はぐく承早はぐ上柔松はて上承8ほとにI松ナシ9*’三本の サ 早げ、秋I群ナシ理かI早が過五I早五型*1群松の巧はl早ぱ妬かl早が ンソ ー松なるあまりに焔*l松此過*’三本は鋤桑1群みえ虹俗人1群俗早ぞく人 松は認かl早が鯉けl早げ坊にl松なる配てl早で”あたりl松わたり 1こたふるl松こたふ2なるl群早ナシ3かI早が4*1群は5きl群早ナシ松さり ﹂九オ 2 2 1 7 1 0 わ に け ’ て I − 8 5 −

(26)

2 3 て彼道よこさまになりもてゆきつ入いまは風雅の 4 戸、

67

8 幽なるましろひにはあらす詳論のかまひすしきを 9 ことLし侍とかやしかあれはましろひにくしさし

01

勺’八可上 り白 勺I上 いてかたきことおほかるへし*此事灯上人朝夕のう 3 1 14 5 1 ら承にかたられ侍しなり予も若年の時もしも 6 1 7 1 8 1 まなひしる事もやと思ひ給しかとも生得*不堪の 9 うへかやうのをそれあるによりて掛酌をくはへきさ 2 0 2可上 れとも老後の友さるへき物をや抑光源氏の物語 2 2 2 3 は五条三品入道釈阿河内守源光行等もつほら

22 45

これをもてあそはれけるとかや此人々*より両流になり 6 2 2 7 8 ,/ご て*定家卿のあをひやうし河内守か本なといふことに*

9023

3 1 なりぬた上いさ上か註を存せることのかはれるはかりか紫 6過行にl群早ナシ7ある時l松ナシ8るl早る9のI群ナシ、てl早るu光源氏l早 ヒカルケソシ 光源氏皿*l群早よく松を過人にl松ナシ皿り’三本る喝ひl早ぴ恥給ふる1群たま セイシ ひぬる早給ぬる松給ふること有Ⅳにl松ナシ喝世事1群世の中早世事岨すきl早・す き。”つl早づ虹か象’三本もと亜*i三本は鍋*l群早この型ひまあらはl松ことい トウ にしへよりのほいありあかI早が沁云’三本いはく野同l早同詔に1群と ﹂九ゥ − 8 6 −

(27)

な ぐ さ み 草 麓 の ち り 三 十 二

12

3 4 式部かことの葉として藤氏の長者御堂関白殿 5

678

御筆をくはへ給けるなりきはめて儀ふかく理はあさ し物語のこと葉Lその時世にいひしれることをあり 9 のま上にかきたりしかとも世すゑになり行は人のことは 10 1 1 もしたかひてかはり侍にや今は人のなへてはしらぬ事

11 23

のやうになりぬされとも和吾の道にはこと葉人の 1 4 1 5 6 1 耳にた上す心田夫のいやしきも間うるやうにと 1 7 8 1 こそ先達も侍れ殊更此物語は心の用ふかけれは 9 1 0 2 これを心底にうかへはをのつから風骨となりて詞のほか フウカ −よこさま1群邪早よこしま松よこしま2もて1群ナシ3風雅l早風雅4しl早じ5 イウ 幽1群直早幽6はl群早ナシ7すl松て8ひl早び9し’三本たる、*l松と、灯 上人l松梵灯庵主皿の’三本ナシ昭に1群ナシuもl松か巧もl群早ナシおしるl群早 フカン うるⅣひ給1群ひ喝*不堪1群の不堪早の不堪四かやうのl群此早この卯さる’三本 ホン カハウチノカ︾、、 たる型物をや1群物かな早物哉松ことわさなるへし塑早品羽河内守源光行1早河内守 ミッユキラ イ 光行等型*l松の後妬両流l群早ふたつのながれ松二なかれ配*1群あるひは早或は チウ ”ひやうし1群くうし早へうし松へうし詔*l松し羽註l早注鋤せ’群松ナシ早す 皿れl松ナシ − 8 7 −

(28)

1 2

222 234

に心さしをみえぬへきおやと愚意に存はかりなり 一︲、 、乙 戸b再j ワ﹄n乙 只︺ ワム 故伊与入道了俊在世の時此物語*よみとかすしらさ 2 9 る事の承おほかりしかは十余年かほとちかつき尋 1 2 3 たてまつりしかとももとより心物こと,J1くと坐まらす*

456

風の樹頭にすぐるかことしいはんや人なゑに尺門に 7 8 9 いりし後はさすかに人めをかさる方はかりにてもさのぷ こと上する事なけれはかたのやうにもおぼえすかた 10 はらいたき事おほかるへしとていな承侍しかとも 1 1 2 1 かたはらよりす上めたまふ人なともありてのかれかたく 13 4 1 してたLつれj\なるま上にたかひのいとまをのゑかきり トウシ ー部l早ぶ2ことの葉l松撰作3藤氏l早藤氏4御堂関白殿l早御堂/関白殿5御’三本ナ シ6ふかくl松ナシ7理l早理8はあさし1群あさし松あさきににてふかし9とl早ど ロテソフ mかl早が、へl早く皿の1群ナシ週にl群早ナシ型心田夫l早心田夫松田夫喝うる センタツ 用 I群早うる松さる略とl松ナシⅣ先達l早先達唱用l早ゆふ岨へはl早くは松へ鋤 プウコツ クイ 風骨l早風骨型を’三本ナシ躯おやI群かな早松哉謁愚意l早愚意型存1群松存る早 。ノーヨノ 存するお故伊与I群故伊豫守早故伊与恥*’三本の”よみとかすl松よみとかれす窮さ ’早ざ羽かl早が ﹂十オ − 8 8 −

(29)

虻くさみ草麓のちり 三 十 二

23

侍らんと我はつかしきかなまことやかの旅人の童形 4 も連歌の道をたしなみ手跡も行末たのもし なと間しにあはせてこなたに立いて坐たえすとひき上 5 6 なとせられ侍に心はつかしぐなむやまとうたの心もと 7 なきをもつねにいかにそとあるにをろかなるこ上ろの 5 1 1 6 につ上しりよみ侍るほとに此秋まてになりて 1 7

890112

2 1 やう,I、*はてぬへし*彼註とてはしるせる物の一帖も 22 2 3 なくつ上きをたにもおほえすして間人よりもたと 2 4 れるなりされともたちかへりしる人もなくひろく世の 2 5 2 6 2 7 8 2 き入桑上あるましきをかたことにていかに空ことおほく 1心物ことj、く1群心はものごとに早松心物ことに2坐l早営3*l群早して4樹頭l シユトウニ 早樹頭5にl早ナシ松を6くl早ぐ7かl早が8さl早ざ9てl早つ、てl松ナシ ヲ nかたはら’群片端早かたはら皿すよめたまふI松す上むる週かl早が皿の承かきりに1 群かたり早かぎりに松かきりに巧入l早堂略てl早で刀*1群事早松こと喝*I群 チウ テ・ワ 早さるは四註l早注卯はl群早ナシ虹帖l早帖型もl群早ナシ記とl早ど型たちかへ りしるl群立まじる早たちまじる松立ましる弱みLl松に妬し’早じ”ことI群人早 うど松うと魂こ’早ご ﹂十ウ − 8 9 −

(30)

8 9 をよふはかりは物語しなとするほとにをのつからやうl、 0 1 1 1 2 1

3411

まめことをも*へたてなくなりつ坐さるはかり*のをのょ 1 5 ならしはのなれのみまされは和寄のうらはのすて 6 1

11 78

舟もつゐにいかなるえにかひかれん関守のうちぬる 9 1 2 0 よゐの月かけ*身をしる雨の夕暮をとふらふにはて 1 2 は夏衣かさねぬ夜はをうらぶすかむしろなか坐らぬ 時をかこち侍ぬへしさはかり身を雲水にまかせ山林に 名をかくすへきほとならすともなにそは露のあたし心* 2 色にそむへきそやくつれたちなはまことに立田の川 3 4 のにこり*すまぬ名をやなかさむとおもひかへすも*心の もよほしなりや トウキヤウ ーとl群早ナシ2旅人I松ナシ3童形l早荒形4もl群也5つl早づ6もと1群得7 にそl早にぞ松上そ8し1群ナシ9をのつからl群早ナシ、まめこと1群真、*1群あ だ事をも早あだことをも松あた事をも狸つ坐1群行に。をのづからぬれぎぬ立出る人も有く し。早ゆくにをのつからぬれぎぬたちいつる人もありぬへし過*1群場早ぱ松は皿をの上 モリ ー群ナシ巧はl早ぱ妬え1群ところ〃んl群早けん唱守l早守過*1群早又幻はては 1群をのづから早をのつから虹かl早が ﹂十一オ − 9 0 −

(31)

な ぐ さ み 草 麓 の ち り 三 十 二 夜の月に河ちかくさそひいて上 2 3 深にけりなかる坐月も河波もぎょすにすめる短夜の空 4 5 此所をぎょすといふなるへし彼吾に 67 夏のよの月のきよすにすむ鶴の霜のふりはの色そ寒 けき 5 涙川はやくうき名やなかれまし人めつ入承も朽あへいまに とかこちぬへし 泪川あさきもしらすたのみきてうきたる名をや友になかさん 6 7 かくて*しほやき衣なれぬれはある時はけはしき道に 8 9 駒なへて行ある時は遠きなかれに舟のうちをおなし くす又ゆくゑなき野原の露に承しか夜の月をおし承

0111

涼風*暁にともなひて木の下やみのほたるをあはれむ 12 3 1 あしたになれ*夕にむつれて五月六月を呉くるある 1*’三本の2くつれたちなはまことに1群くつるたづなは早くづれたちなは3*1群に 4*’三本心と5あへl群果早はて6*1群早猶松なを7ある時は1群あるひは早あ 駒ナラヘテ也 るいは8駒なへてl早こまなめて松駒なめて9ある時はI群あるひは早あるいは、*l サミナ 群の皿にl群早ナシ哩*1群行魁五月六月l早五月六月 ﹂十一ウ − 9 1 −

(32)

8 9 みな月のはしめになりてあはれしらる人夕つくよに杉の 1 0 戸口にやすらひてかりそめの物まうてとかやとて 立帰あひ承ん中と思へとも世のならひこそさためかた けれ とあるをいなはの山のとたにとひあへすあはた坐しきほと也 1 1 かきりある命なりとも旅衣かへらんまての身をやいのらん 2 1 3 1 1 4 1 5 みな月のつこもりにゆふにかきてしのひて 1 6 君かため神しうけよと柔な月のゑそきにはあらぬみそぎをやせん

返し﹂十二オ

に也 1月l松暁2深1群松更早ふけ3にl松み4いふ1群早申5彼寄に1群彼歌早かの吾 松童6のl松は7色そ寒けきI群早色のさむけさ8の1群ナシ9杉’三本まき、て’三

身をいのらん祓也

本つ上、身をやいのらんl早我身ともかな狸のつこもりに1群御祓の日早みそぎの日過ゆ シテ心 ふl早ゆふ皿かきl松つけ班しのひてl群早ナシ蝿はl松ナシ 神に今うけよと祈る承そきこそうき瀬しらる上契なり 2 けれ 3 4 又衣てかれし夜をかさぬる比かれより 5 よそなから音はかはらぬ松風をうはの空にや人のきくらん − 9 2 −

(33)

三 十 二 な く さ ゑ 草 麓 の ち り 67 おもひなぐさむもはかなしや*返し 8 身の上に露をはかけぎたか上たに今夜は松のねをかは しけん 9 11 01 これのみならす*つらき嵐のこゑにしほれてなと夕くれ 2 1 3 1 をとかこち*待夜なからのありあけに鴫のはねかきを

11 45

6 1 かそへみしか夜の枕の上におもひねの夢をたとるあく 17 るをつくるかねのこゑに夕をしらぬ契をうたかひ又 8 1 9 1 うつせ象のむなしきほとをなきくらし夜は夏むしの 0 2 2 1 身をいたつらにもなすことをかなしゑつ呉夏も過秋に も成ぬいと上しく一葉ちる風のこゑに涙のたまをくた

れ也ムナシキ也

1瀬l松を2けれ’群けり松けり3かl早か4かさぬる比1群重て早かさねて5 に’三本と6やl群早ナシ7*1群今一かたは少遠けれど。あはれしれる夕ぐれえんなるあけ ぼの。月の夜ひるまに言傅へていひかはすに。ひともしらずうき名もながれずと。ほのき上はべる もうらやましく・さりとてひとにはわれしりがほにかたるべき事かは。天にくちなしといへども。 ひとのいはざるはとくなるべし。早いまひとかたはすこしほととをけれとあはれしれる夕くれゑむ 言加 なるあけほの月のよひるまにことつけてことかはすに人もしらすうき名もながれすとほのきふ侍も うらやましくさりとて人に我しりがほにかたるへきことかは天にくちなしといへとも人のいばさる は徳なるへし8たか入たl早たからた9これI群早しか、*1群あるときは早ある時は ﹂十二ウ − 9 3

(34)

き二のほしのゆきあひにねかひのいとのこ上ろをひく 2 夕の空におもひつ上けて* 墨染に年ふる袖の色なれはかすともうけし天つひこ ほし 3 こそのけふことはの露を象かきてし故をよそなるかちの玉つさ 4 5 京へ文なとつかはし侍しついてなるへし筆を取て* 6 ほすひまも秋の一夜の天津ひれふかき涙と又やなら まし 7 なとすさ承事もありし也かくてやう,j\なけきなから* 8 9 月日をかさねきこのま︲︽*ひたふるにしらぬ山路を尋て* 1 0 跡たえなまほしけれとももろこしのよしの皇山にこもるとも 1 1 2 1 なををくるへき心にもあらす後の世をなけく涙といひ 3 1

11

45

なすともしぼれん袖の色朶えぬへしいか上はせんとて叉 6 1 1 7 8 1 1 9

し*るよすかと思ひ立侍るにかれ又こしの旅にいそぐ﹂十三オ

、つらき嵐のこゑにしほれてなと夕くれをとかこち1群ナシ狸*I早あるときは理かl早が 皿へI群早ふ巧か1群ナシ照る’三本りⅣ又I群早ナシ超ほとl群早ね松音過くらし 夜はI群早ナシ別も’三本ナシ皿つふ1群ナシ − 9 4 −

(35)

三 十 二 なぐさみ草麓のちり 2 3 日かすのまちかきをいへりある時かの人のい*はくまことや 4 5 彼光源氏の物語は歌にも連歌にも詞をとりて 6 心をとらすと云人あり此事いか上と予か云此物語 7 8 は心詞幽玄をきはむことには和寄*難題連歌の 9 1 0 11 つけにくぎはふるき物*の心をまはす事一躰なるへし 1 2 いはゆる生田*川の鳥のゐはといひしちのはしかきかき 1 3 1 4 つめてと云かことし源氏の心をよめる歌古来おほ 15 し證吾空におほえす テ ーかl早が2*1群手ずさ承に早手すさみに3こそのけふことはの露をみかきてし友をよそ なるかちの玉つさ京へ文なとつかはし侍しついてなるへしl群早ナシ4筆を取てl松ナシ5* 1群おなじ帝に早おなしか象に6ほすひまも秋の一夜の天津ひれふかき涙と又やならましなと すさみ事もありし也1群ほすひまは秋の一夜のあまつひれ古き涙とまたやならましなど。なをざり ごともありしなり。早ほすひまは秋の一夜のあまつひれふるき涙と又やならましなとなをさりこ ともありしなり松ナシ7*I群早の8*’三本も9*l群早もmな’松ナシuなをl 群早ナシ理いひなすとも︵中略︶つかふ人にそはしたものあると云句にl早ナシ過しほれ1群し ぼら松しほら皿は1群ナシ妬と1群に略*l群れⅣと1群へ松へと鴫るにI松り 廻又1群はた − 9 5 −

(36)

6 1 後京極摂政殿 白露のなさけをきけることのはやほのj、ゑえし夕かほの花 ちかぎ世には等思両人恋といふ題にて 7 1 故大膳大夫高秀 あやにくに雲ゐの鳫のくる秋や落葉の露も袖ぬらす

らん﹂十三ウ

ミセ消 1ましかき’松ましかさ2かの人の1群かれ松わらはの3*l松そ4彼I群この5は ミセ消 l松そ6云1群申7は1群ナシ8*I群松の9はl松ナシ、*1群がたり皿なるへ しl松也とかや狸*1群松の週かI松ナシ型をl松ナシ巧空にI群所有に酪殿1群ナシ Ⅳ故1群松ナシ 如此なるへし又故陸奥守入道殿 つかふ人にそはしたものあると云句に 2 初瀬ちやおなしやとりの中へたて* 3 子としておやのいさめたかふなと云句に 4 夕霧の上に雲ゐの鳫なきて* 5

67

8 これみな心をまはせると申ぬへし*又彼物語の吾 9 10 をとれる*吾もありおく山の松の戸ほそをまれに − 9 6 −

(37)

三 十 二 な く さ ゑ 草 麓 の ち り

123

此物語の吾をなんうつしと︲今めて見侍たきかたノI‘と筆 1 1 あけてといふ奇を定家卿 足引の山桜戸をまれに明て花こそあるし誰を待らん

2311

如此の事也一首を申さはなすらへて心え給ふへし なとかたり侍にさては不審はれぬさるにてもけふあす は世の中す上しからぬほとにてなやましかるへけれとも 1又故陸奥守入道殿1群故法音寺入道殿。勘解由小路殿。法名道将。早又法音寺三位入道松又法音寺三 位入道2*1群といふ句やらんに。3子としておやのいさめたかふなと云句に1群ナシ早小野 といふ句やらむに松子としておやの義にそしたかふと云句に4*l松さかなもとむる酒の盃と やらんありしに梵灯こゆるきのいそかしからてくらす日に5まはせるI群まはせり松まは す6へしl松へきや7*1群唯今おもひいだす計也。證歌いくらもありぬくし。早た上いまお セウカ もひいだすはかりなり證吾いくらもありぬへし松忠今おもひ出るはかり也証歌いくらも有へし 8寄l松こと葉9*l松かと覚るmおく山の松の戸ほそをまれにあけてといふ寄をl松ナシ u定家卿l早定家卿錘蜘銅坤中納言哩如此の事也一首を申さはなすらへて心え給ふへしなとかたり 侍にさては不審はれぬl松彼松の戸ほそをまれにあけての歌によれる哉亦後撰集に俊成卿女さ けは散花のうき世と思ふにも猶うとまれぬ山さくらかな袖ぬる坐露のゆかりおもふにもなをうと まれぬやまとなてしこ此歌をとれるにこそなとかたり侍るつゐてに週の事也l群早ナシ ﹂十四オ − q ワ ーン Ⅱ

(38)

4 とりなむやとあるにいな象かたくしのはるへきふしには あらすともかくはかりわかき心にすける人も世にあり 5

67

8 かたくなりぬれはいと上しくす上め侍たきことそかし 9 1 0 とか上まほしけれとも烏の跡をもてにきえ水くぎのな 1 1 2 1 3 1 かれうたかたにあらしをとおもひたゆたひ侍しかとも よしや筆の海はあさくともふかき心さしは承えぬへし 4 1 5 1 6 1 とこれをかことにてしるし侍る也ぬきかきの吾は所々 7 1 8 におほかるへきをさやうの本もなけれは歌はかりをと 9 1 0 2 1 2 思侍なからあまり行末しりかたきことあるへけれは或 2 2 2 3 2 4 彼物語の*ことはをひろひあるひは十か一の心をあら 2 5 はしてしるしつけぬもとよりやまひをもき身に 1と生めてl松ナシ2たき1群たく松はや3かたJ、と1群かうj\も早からj\も松 からからも4み1群ぴ5かl早が6す上めl群早す上みても申7侍l松ナシ8そl旱ぞ 9か入まほしけれともl松おもひなから畑をもてにl松空しくuかl早が狸しl早じ週と 加言 もl早ども松と皿かことI早かこと過侍る也l松侍りぬ恥かl早がⅣにI早ナシ喝る ミセ消 1群ナシ囚かl早が別行末’三本にゆへ幻ことある’|||本なる塑彼l松後詔*I松空 理かl早が妬やまひI早やまう ﹂十四ゥ − 9 8

(39)

な ぐ さ み 草 麓 の ち り = + = いと入しきあつさ*も一かたならす承たれ心にてわかみる 2 3 4 中にたにひか*ことおほく侍かなよくγ11なをしつけて 5 6 7 うるはしき手あらは*きよめ*られさふらふへし* 8 忘しよわするなとたにことのはにいはぬを残す水くぎの跡 いきて世にめくりあはすはいく秋かむなしき空の月にうれへん 9 はかなしとみるに涙もうかふあはのうたかたきゆるもしのうらな承

11 01

1 2 さてもかやうのあたことともかきつけ侍るをかたはらいた 3 1 くは具かりなきにしもあらすしかはあれとも此源

11 45

1 6 17 氏*の吾さうしのおくにことはりを一筆のせてと 8 1 のそ象のあるにまかせて筆をとり侍るつゐてに 9 1 20 都よりうつりかはりし*ありさまね覚のなくさ采 1 2

くさともなりぬるをおぼえすしるし侍なるへしいま﹂十五オ

1外l松を2中’三本うち3*1群める4つけl松ナシ5*1群かならず早かならす 6*I群松か上せ早からせ7*l松と也8にI群の9はかなしとみるに涙もうかふあはの うたかたきゆるもしのうらな承l松ナシ、たI早だ皿とl松ナシ型を1群松事早こと喝 はl早口皿*I群物語巧さl早ざ照ことはりl松言葉刀筆l早ふで喝の’三本ナシ四 *1群早身の刈承1群早め虹なるI松ナシ − 9 9 −

(40)

遠き所はいてたつあしもとよりはしまりてこ千里 の月のまへにいたりたかき山はふもとのちりひちより なりて三万丈の空のうへにのほりさるはかのふしの山 見侍らまほしき事はた坐あらましの象にてすき侍 しを此ころあやにくなる心にもよほされ侍て永享 三とせの秋九月十四日夕つかたになりてそ都のうちを はいてはなれ侍しあふさか山にか上るほとおもへは霧 1 2 3 はかの心さしにはあらす丙丁童子につたへ侍へし 4 5 6 應永廿とせあまり五の年秋七月十八日しるす 78 ことしかり* 9 0 1 かくはかりなぐさみ草のたれよりも 1 1

いかてさくらん物おもひの花*﹂十五ウ

ヒヤウチヤウトウシ ︿タ イツ、 1丙丁童子l早丙丁童子2にI松にそ3へしl松へき4廿l早廿5五l早五6しるす カク −群これを書早これを書松尾張国情すの城中竹陰軒にしてしるす7り1群なり松也8* イ ー早山陽陰士︵花押︶9承1群松め皿もl群早は、*I群花洛清巌山科正徹汁八歳敷嶋の 道をつたへてひさしかれ千代のしら菊松のよるつ代 − 1 0 0 −

(41)

三 十 二 な く さ 承 草 蔵 の ち り なへたてそとなかめをこさんふる郷人もなしまして 旅の空にはことかはすへきとも異侍らす こえ行くは猶しる人も長月の秋風はけし関の岩かと けふはまつ都ちかく旅ねもせまほしくて のほりおほちなる所にと坐まりぬ おもひやれ旅ねも今夜初霜の置まよふ秋の草の枕に たれをかこつともなき心あてなるへしつとめて大津の 浜にうちいて上承れはひらの山しかの海霧わたりて そこはかとなきに漕ゆく舟ともまことになに上 たとへんとみゆ 秋霧を吹おろすひらの山風に舟路やまよふしかの浦人 あはつのはらをうち過て石山寺にまうつ圓通大士のち かひの海をはさることにてかのむらさき式部かこの御 堂にて書けるなる六十巻のことはそいたりふかう おもひいて侍し 水くぎの跡をそしたふ紫のゆかりもふかき海をなかめて 人にかり侍し馬なとをはこれより返してせたのなか はしかちよりそうちわたる l 十 六 ウ 一一一、一 ﹂41ニノ﹃々 − 1 0 1 −

(42)

ふゑならす駒こそなけれかち人に哀はかけよせたの橋守 野路のL原くさつのすぐも過ぬもる山にか上るほと 雨すこしうちそよぐ 衣手はぬるともゆかむ守山の下葉のこすな露も時雨も 承か承のたけをめにかけてやす河をわたれはまことに いく瀬ともおほえす里ちかくなりては市かり屋なと うちならへて人の音なひもいとらうかはし すみ捨し我身ひとつや里人の渡る浮世をやす河の水 篠原といふ所を承れはつ入承の霧遠くそひけ むらのけふりほそくのほれり田夫は黄柳のかけをたの 承野人は青松の本をしめたりといへともはかノーしく行 客のたちとまるへき屋とりもなしか上みのすぐにゆきぬ れはくれはてぬ十五夜の月はなやかにさしいてたるも 所からかとみれはなをた上ならす あかす象ん都の夜はの面影もさらぬ鏡の山のはの月 あくれはよこせきむさなといふところも過ぬ道のかた はらに大きなる鳥居ありとへは諏方の明神お はしますおいその森と云なり L−− 十 七 弓一 /」 −102.−

(43)

三 十 二 な ぐ さ み 草 麓 の ち り 杜となる木入もおいそのそのかみや諏方の御やしるうつし そめけん ゑち河四十九ゐんなとも過ぬいぬかみをは行過て床の 山いさや河なとは尋見侍りぬ 床の山よ上へし水のみなか象をとへともいさや川風そ吹 哀にもたかねし床の山こえて我宿ならぬ道いそぐ らん 和寄所の永領をの呉庄をも過ぬけふはかの家の 歌の会侍る日なりける都に侍らはその座にあらま し物をわれをはおもひいつる人も侍らしとをしはかり 思ひ出る都の人に我身けふこえぬとつけよをの上山風 すりはり山をこゆれははんはとかやさめか井といふ所 をゑれは木のした水ひや黒かになかれて岩ねのしら ぎくさかりにひらけたり仙家に入ぬるにやと覚て ひそかに吾を老彰に比す 旅人もむすは上こLに千世やへんきくさく秋の山の井の水 しつくもあかぬ心ちして此桑きはのやとにあかし侍つ秋 霧とともに立いて侍れはあつさかはらなといふ所は行 さきもゑえす嶺の猿ともをよはひふもとの鹿妻を こふ思ひいと切也かしは原と云所より秋の雨しのにふる ﹂十七ウ ﹂十八オ 103−

(44)

立ぬる上木の下露のやとりをもたれかかしはか原そ過行 美濃の山中こえ過て関の藤河うちわたる年老た る関守を柔るもかしらの雪いとすさまし もりわひて幾秋風を身にしめき人もふりぬる不破の関哉 野かみといふ所はいたうあれて人里もなし 承すしらぬ昔の里の跡ふりて秋の野か象と今そ成ぬる たる井といふ所にいさ上かたつぬへき人ありて立よりぬ けふはここにやすらふほとに出すなりぬ此上なる山は承の上 を山なりときくもたくひなき身の心ちす うかれきいみの入を山の待人もあらしな我身友なしにして 明る日のひるいてぬあを野かはらあか坂の宿くいせ川 なとも過いすのまたといふ所にしる人あり此家にと上ま りぬいなは山を見わたせは松は霧間よりほのj、見え たるにかりの一行こえてゆくなとそ旅の空にな承た す上むここちし侍し 天津鳫誰か待とてか秋の田の稲葉の山を越て行らん 此まへなる川こぎわたれは尾張の国とかやあしかおょひ ︵ママ︶ なといふ川とも些過ぬくろ田一の宮なとをもすくれはあるい ﹂十八ウ − 1 0 4 −

(45)

な く さ ゑ 草 麓 の ち り 三 十 二 は原のす上き澤のあし征馬のあゆみをさまたけあるひ はむらの竹岡の松行人の心をやしなふおり津をも過 てきよすといふ所にいたるこ上にあひしれる朋友ありたつ ねよりてそのいにしへの事をもこの比のめつらかなるふし をもたかひにかたりつ上くるほとに日も暮ぬ此所のある しは前筑前守なる人なりけりたのもしき人にて尋 よれる朋友も都よりこ上にうつりすぶてもろともに 旅のやうにこそは此家ゐとてもをろそかに侍れと なにかはくるしきとてまねき入てひなの長路の行末 の事まてこまやかにとふらひなとす又しる人そ侍り けるこれは此十とせあまりかさきに徹公外書禅師 この城中竹陰軒に座せられしついてに光源氏 物語なとうか上ひ間てをろそかならぬすき人なれは われをさへあはれと思ひ侍るにやあまたかたらひ人侍る ま入にうちいてん空もわすれて三日はかりやらん と上まり侍つこ坐もとちかくのりたけといふ所あり 右馬頭持純領せらる上所なりゆく末の乗物なとの 事此あつかりのもとへ申くたされしかはさやうの事 ﹂十九ウ ﹂十九オ − 1 0 5 −

(46)

をは申つかはしてそてうし侍しさてあったの宮に まうて上おかみありけは社頭はしん,I、として神ます かことく海上まん711としてほとりなきににたる夜に 入てこのたかき神殿よりみれはこきいつるあまを舟 ともいさり火の影にしるく桑ゆるにさむくして 浪を宿とひとりくちすさみて いさり火もかすかに成ぬはる上夜のほしさき遠く出る舟人 山田庄といふは象ちのつゐてにはあらいをかならす きたるへきよしかのあつかり申をこせしほとにかく ふりはへ侍るつかひをひとり返し侍らむもねむなかる へうおほえしかはかしこへゆくにこ入は此比民の服せ さること侍て承たりかはしとてたか田といふところに まちとる石たて木うへなとして心ふかうす象なせる 家のうちにきは上しぐさへそ見えしその日はと坐まりて 夜ふかくたちいて侍りかの山田のたちをすぐれはやくら かいたてなといふ物ともかまへていときひしけなりしかは なをおとるき侍ぬにやあらむあたりちかくなくもきこゆ もののふの山田のを鹿暁の弓張月にいまそなくなる ﹂二十オ − 1 0 6 −

(47)

三 十 二 な ぐ さ み 草 麓 の ち り はるけき野原を分ゆけは露のみそぎらノ、とみえし 露ふかぎ秋の野鹿の有明に月をそわくるしの皇めの道 人為なる象のうらちかくをくりてうちかへる名残いとさひ しくて野辺のす上むししほひの千鳥をのみそ

たひのともかともき上侍し﹂二十ウ

なるゑ方友なし千鳥秋風のさそふいつくに浦つたふらん てんかくかくほくつかけなといふ所をすきて三川の八 橋にゆきつきぬむかし在中将こLにいたりてかれいま かなひなとしけるあとなれはあはれもふかくおほえし かとも心はとまるへき所にもあらす分ゆく道はさ上の くまのむつかしけなる中にていかなるひまにかあらん けふあふ人もなし心あてなる木すゑを目にかけてゆく ほとにやはきといふ所にいたりぬ左衛門佐持有の政 所けいしなる人のもとをたのむやとりとす暁おきい て上ぷれは空は月ほそくして山は風すさまし旅の おもひ秋のなさけとりあつめたる心ちしてしはj\なかめ

侍つ﹂二十一オ

おとろへぬ空行月もあまさかるひなの長路のなかき夜ことに − 1 0 7 −

(48)

分てこし野への松風旅ねする此里まてや夜寒成るらん 日たけて此所をいつ山中あか坂なといふ所をも過ぬわた うつとかやいふ跡より雨あらくふりて旅人おほく行 とまる立やすらふうちに日も暮侍しかはこ上をやかて 一夜のやとりとすあしを垣にしかやを軒とせり雨は よ上ともるねん床もなきにそ古郷の草庵おもひ出侍し 我庵やいかにもるらん草結ふ枕も跡も露そあらそふ やうノーあけ行ははれまなき空にたちいてぬいまはしの すぐおほ岩の関なとも過ぬ桑やちの山をはあとにしこ むら山をはかたはらにすたかし原ときこゆるは三河と 遠江とをかけていとはるかなりゆき,I、て直下と見おろす﹂二十一ウ 三嶋眼前にあり五湖脚下にありしほ象坂といふは これなりけり都より富士象にくたる人おほくはこれより かへりのほるなるにけふは雨なをそほふりて見え侍す これも天吾にあたへさるならむかし をろかなる目にはをよはぬ山とてやふしの高ねも雲うつむらん 此坂をくたれはしらすかとなり民屋はなぎさにつらなり 漁舟は奥にた上よへりはまちを過行は山と海とのあい − 1 0 8 −

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