220 (97) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
ソ ネ ヤス ユキ曽 根 康 之
博士(医学) 乙第1261号平成4年2月21日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
パラフルオロケミカルを用いたラット保存肺機能評価モデルの開発 (主査)教授 新田 澄郎 (副査)教授 小柳 仁,田村 敦子論 文 内 容 の 要 旨
目的 系統的肺保存研究には,血液成分の影響を受けるこ となく,ガス交換も含めた保存前後の肺機能が測定可 能な小動物による実験系が必要である.人工血液(パ ラフルオロケミカル)を灌流液に用いたラット摘出肺 標本による,保存肺機能評価モデルを開発し,温阻血 肺肺機能の定量的評価を試みた. 方法 小動物用人工呼吸器(94.5%02+5.5%CO2,60回/ 分),人工肺(5%02+6%CO2+89%N2),熱交換器 (37℃),送液ポンプ,リザーバー,恒温槽(37℃)よ り構成される自家開発の換気灌流装置を用いた.また, 灌流網には,20.0%(W/V)perduorotributylamine, 3。0%(W/V)牛血清アルブミン加Krebs-Ringer重炭 酸ナトリウム緩衝液を用いた, 恒温槽内の懸架ラット摘出肺は,20分間の定圧換気 灌流(終末吸気圧10および13cmH20,終末呼気圧2 cmH20,平均肺動脈圧8および13mmHg,平均肺静脈 圧一2mmHg)を行い,1回換気量:,灌流量,肺静脈滞 流液酸素分圧を対照値とし,下記条件下に37℃単純保 存を行った.保存後,再び同条件の定圧換気士流を行 い,対照値と比較し,各々の回復率で評価した.また, 実験終了後,湿乾重量比を求めた.1群:対照群,保 存時間無し(n芝6),II群:同心流液保存,虚脱,30分 保存(n=6).III群:II群と同条件下,60分保存(n= 4).IV群:ユーロコリンズ液保存,含気,30分保存(n= 6).V群:乳酸加リンゲル液保存,含気,30分保存(n= 6). 結果 1.1群の換気灌流前20分値と後20分値に差は認め なかった(1回換気量97±3%,灌流量98±5%,肺 静脈源流液酸素分圧103±5%). 2.1,II, III群では肺コンプライアンス回復率,肺 血管抵抗回復率,ガス交換能回復率,湿乾重量:比,い ずれも保存時間と相関した. 3.IV, V群間では全ての指標に差は認めず,両三と も肺血管抵抗回復率が他の指標より低値であった. 4.保存後,肺血管抵抗の上昇が認められ,時間とと もに回復傾向を示した. 考察 このモデルは,20。0%(W/V)perHuorotributy- lamine灌流液と94.5%酸素の換気により,ヘマトク リット35%の血液と同等のガス交換能評価が可能であ り,系統的肺保存研究に有用である.阻血肺血管塞縮 は,血液成分の関与なしでも起こることが示された. 結論 1.定量的肺機能評価が可能な,パラフルオロケミカ ルを用いたラット保存肺機能評価モデルを開発した. 2.37℃保存肺機能は経時的に低下し,保存時間30分 で約10~40%障害された. 3.血液成分の影響にない条件下で,再灌流直後の肺 血管墓縮が認められた. 一824一221