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CJLSG 1104 ver 1.3 (2013年7月22日改訂

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中日本呼吸器臨床研究機構

Central Japan Lung Study Group (CJLSG)

CJLSG1104

高齢者未治療進展型小細胞肺癌に対する

アムルビシン単剤療法の臨床第

II 相試験実施計画書

ver 1.3

Phase II Study of First-line Amrubicin

in Elderly Patients with Extensive Disease Small-Cell Lung Cancer

CJLSG 理事長:齋藤 博 愛知県がんセンター愛知病院 研究代表者:齋藤 博 愛知県がんセンター愛知病院 呼吸器内科 〒444-0011 岡崎市欠町栗宿18 TEL: 0564-21-6251, FAX: 0564-26-1340 E-mail: [email protected] 研究事務局 高橋 孝輔 愛知県がんセンター愛知病院 呼吸器内科 〒444-0011 岡崎市欠町栗宿18 TEL: 0564-21-6251, FAX: 0564-26-1340 E-mail: [email protected] 2012 年 4 月 9 日 ver 1.0 2012 年 8 月 9 日 ver 1.1 2012 年 10 月 1 日 ver 1.2 2012 年 11 月 5 日プロトコール審査委員会承認 2012 年 11 月 19 日理事会承認 2012年12月17日UMIN登録(UMIN000009548) 2013 年 7 月 22 日 ver 1.3

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3 注意:本試験を実施する場合はプロトコール本文を熟読後施行してください。

0.0. 概要

0.1. 試験シェーマ *Day 8 より少なくとも 4 日間併用投与する 0.2. 目的 塩酸アムルビシンは単剤で小細胞肺癌に有効な薬剤であるが、高齢者の未治療進展型小細胞肺癌における塩 酸アムルビシン単剤療法の有用性は確定していない。このため高齢者未治療進展型小細胞肺癌に対する塩酸 アムルビシン単剤療法の有効性と安全性を評価する。 ●主要エンドポイント: 腫瘍縮小効果(奏効率)

●副次エンドポイント: 無増悪生存期間(Progression free survival: PFS) 全生存期間(Overall survival: OS)

安全性(有害事象発現割合) 0.3. 対象 適格規準 以下のすべての項目を満たすものとする。 ① 細胞学的または組織学的に小細胞肺癌と診断された症例 ② 根治的な胸部放射線照射併用療法の適応とならない進展型小細胞肺癌の症例 ③ 年齢 75 歳以上(上限なし。同意取得日時点の年齢とする) ④ PS(ECOG):0~2

⑤ RECIST 規準(ver 1.1)に則った測定可能病変を少なくとも 1 つ以上有する症例(注:RECIST v1.1 の 定義に従い、放射線照射野内の再発については測定可能病変としない。) ⑥ 小細胞肺癌に対する化学療法、放射線治療のいずれの既往もない症例 ただし転移巣に対する姑息的な放射線療法、手術療法を行っている場合は、治療終了後14 日間以上 経過していれば適格とする 組織診または細胞診で診断された未治療進展型小細胞肺癌 75 歳以上 PS:0-2 登録 塩酸アムルビシン投与 35 mg/m2 Days 1-3、3 週毎投与 G-CSF 併用を行う*

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4 ⑦ 主要臓器機能が維持されている患者。 (登録日から14日以内のデータ。登録日の2週間前の同一曜日は可) 白血球数 ≧ 3,000/mm3 好中球数 ≧ 1,500/mm3 ヘモグロビン ≧ 9.0 g/dL 血小板数 ≧ 100,000 /mm3 AST ≦ 100 IU/L ALT ≦ 100 IU/L 総ビリルビン ≦ 1.5 mg/dL 血清クレアチニン ≦ 1.5 mg/dL SpO2 ≧ 92%(室内気) 心エコー EF ≧ 60% ⑧ 投与開始予定日より 3 ヶ月以上の生存が期待できる症例 ⑨ 治療に対し文書で患者本人の同意の得られている症例 0.4. 治療 塩酸アムルビシン35 mg/m2Day1、2、3 に投与し、3 週毎に繰り返す。4 サイクル以上、最大 6 サイクル施行 を目標とする。G-CSF を Day 8 より少なくとも 4 日間併用投与する。 0.5. 予定登録数と研究期間 予定登録症例数は29例とする。 登録期間: 2年 (2013年1 月~2014年12月) 追跡期間: 1 年 (2015 年 1 月~2015 年 12 月) 総研究期間: 3 年(2013 年 1 月~2015 年 12 月) 0.6. 問い合わせ先 適格規準、治療変更規準など臨床的判断を要するものや、登録手順、記録用紙(CRF)記入など:研究事務局 愛知県がんセンター愛知病院 呼吸器内科 高橋 孝輔 〒444-0011 岡崎市欠町栗宿 18 TEL: 0564-21-6251 FAX: 0564-26-1340 E-mail: [email protected] 有害事象報告:CJLSG 効果・安全性評価委員会事務局 名古屋大学医学部 呼吸器内科 長谷川 好規 〒466-8560 名古屋市昭和区鶴舞町 65 TEL: 052-744-2167 FAX: 052-744-2176 E-mail: [email protected]

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目次

0.0. 概要 ... 3 0.1. 試験シェーマ ... 3 0.2. 目的 ... 3 0.3. 対象 ... 3 0.4. 治療 ... 4 0.5. 予定登録数と研究期間 ... 4 0.6. 問い合わせ先 ... 4 1.0. 目的 ... 10 2.0. 背景と試験計画の根拠 ... 11 2.1. 対象 ... 11 2.2. 対象に対する標準治療 ... 11 2.3. 治療計画設定の根拠 ... 11 2.3.1. 塩酸アムルビシン ... 11 2.3.2. 本臨床試験の治療レジメン ... 12 2.4. 試験デザイン ... 13 2.4.1. 計画されている次相の臨床試験(本試験後の展開) ... 13 2.4.2. エンドポイントの設定根拠 ... 13 2.4.3. 臨床的仮説と登録数設定根拠 ... 13 2.4.4. 患者登録見込み ... 13 2.5. 試験参加に伴って予想される利益と不利益の要約 ... 13 2.5.1. 予想される利益 ... 13 2.5.2. 予想される危険と不利益 ... 14 2.6. 本試験の意義 ... 14 3.0. 本試験で用いる規準・定義 ... 15 3.1. 進展型小細胞肺癌 ... 15 3.2. 病期分類 ... 15 3.3. 有害事象の判定規準 ... 16 3.4. Performance Status(PS)の評価 ... 17 4.0. 患者選択規準 ... 18 4.1. 適格規準 ... 18 4.2.除外規準 ... 18 5.0. 登録 ... 20 5.1. 登録の手順 ... 20 5.2. 登録に際しての注意事項 ... 20 6.0. 治療計画と治療変更規準 ... 21 6.1. プロトコール治療 ... 21

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6 6.1.1. 薬物療法 ... 21 6.2. プロトコール治療中止・完了規準 ... 22 6.2.1. プロトコール治療完了の定義 ... 22 6.2.2. プロトコール治療中止の規準 ... 22 6.2.3. 有害事象観察期間 ... 22 6.3. 治療変更規準 ... 22 6.3.1. コース開始規準 ... 22 6.3.2. 減量規準 ... 23 6.3.3. 治療変更に関する相談 ... 23 6.4. 併用療法・支持療法 ... 23 6.4.1. 推奨される併用療法・支持療法 ... 23 6.4.3. 許容されない併用療法・支持療法 ... 24 6.5. 後治療 ... 24 7.0. 予期される有害反応 ... 25 7.1. 塩酸アムルビシンで予期される薬物有害反応(添付文書より抜粋) ... 25 7.1.1. 重大な有害事象 ... 25 7.1.2. 重大な有害事象(類薬)... 25 7.1.3. その他の有害事象 ... 25 7.2. G-CSF で予期される薬物有害反応(グラン添付文書より抜粋) ... 26 7.2.1. 好中球減少症の対象患者における有害事象 ... 26 7.2.2. 重大な有害事象 ... 26 7.2.3. その他の有害事象 ... 26 7.3. 併用化学療法により予期される有害反応 ... 27 7.4. 有害事象/有害反応の評価 ... 27 8.0. 評価項目・臨床検査・評価スケジュール ... 28 8.1. 登録前評価項目 ... 28 8.2. 治療期間中の検査と評価 ... 28 8.2.1. 週 1 回評価する安全性評価項目(CTCAE v4.0 日本語訳で記載) ... 28 8.2.2. コース毎に評価する安全性評価項目 ... 29 8.2.3. 有効性評価項目 ... 29 8.3. 治療終了後の検査と評価項目 ... 29 8.3.1. 治療終了後の安全性評価 ... 29 8.3.2. 追跡期間中の評価項目と評価スケジュール ... 29 8.4. スタディカレンダー ... 31 9.0.データ収集 ... 32

9.1. 症例調査票(Case Report Form: CRF) ... 32

9.2. CRF の送付方法 ... 32

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7 10.1. 報告義務のある有害事象 ... 33 10.1.1. 報告義務のある有害事象(重篤な有害事象) ... 33 10.2. 各参加医療機関での報告に関する手順 ... 33 10.2.1. 一次報告 ... 33 10.2.2. 二次報告 ... 33 10.2.3. 追加報告 ... 34 10.2.4. 転帰報告 ... 34 10.3. CJLSG 事務局の対応に関する手順 ... 34 10.3.1. 詳細報告追加および転帰報告 ... 34 10.3.2. 緊急対応の判断 ... 34 10.3.3. 効果・安全性評価委員会への報告 ... 34 10.4. 効果・安全性評価委員会の責務 ... 35 10.5. CJLSG 効果・安全性評価委員会事務局 ... 35 11.0. 効果判定とエンドポイントの定義 ... 36 11.1. 効果判定 ... 36 11.1.1. ベースライン評価 ... 36 11.1.2. 測定可能病変の定義 ... 36 11.1.3. 標的病変の選択とベースライン記録... 37 11.1.4. 非標的病変のベースライン記録 ... 37 11.1.5. 腫瘍縮小効果の判定 ... 37 11.1.6. 標的病変の効果判定規準 ... 37 11.1.7. 非標的病変の効果判定基準 ... 38 11.1.8. 新病変出現の有無 ... 39 11.1.9. 総合効果(Overall response) ... 39

11.1.10. 最良総合効果(Best Overall Response) ... 40

11.2. 解析対象集団の定義 ... 41 11.2.1. 全登録例 ... 41 11.2.2. 全適格例 ... 41 11.2.3. 全治療例 ... 41 11.3. エンドポイントの定義 ... 41 11.3.1. 奏効率 ... 41

11.3.2. 無増悪生存期間(Progression free survival) ... 41

11.3.3. 全生存期間(Overall Survival) ... 42 11.3.4. 有害事象(有害反応)発生割合 ... 42 12.0. 統計的事項 ... 43 12.1. 主たる解析と判断規準 ... 43 12.1.1. 主要エンドポイントの解析 ... 43 12.2. 予定登録数・登録期間・追跡期間 ... 43

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8 12.2.1. 目標症例数とその算定根拠 ... 43 12.2.2. 登録期間・追跡期間 ... 43 12.3. 中間解析と試験の早期中止 ... 43 12.3.1. 中間解析の目的 ... 43 12.3.2. 中間解析の方法 ... 44 12.3.3. 中間解析結果の報告と審査 ... 44 12.4. 副次エンドポイントの解析 ... 44 12.4.1. 無増悪生存期間の解析 ... 44 12.4.2. 全生存期間の解析 ... 44 12.4.3. 安全性(有害事象)の解析 ... 44 12.5. 中止症例、欠測値などのデータの取扱い ... 44 12.5.1. 全生存期間および無増悪生存期間の補填 ... 44 13.0. 倫理的事項 ... 45 13.1. 患者の保護 ... 45 13.2. インフォームド コンセント ... 45 13.2.1. 患者への説明 ... 45 13.2.2. 同意 ... 46 13.3. 個人情報の保護と患者識別 ... 46 13.3.1. CJLSG が従う法令、規範 ... 46 13.3.2. プライバシーの保護 ... 47 13.3.3. データの二次利用について ... 47 13.3.4. 一般的な問い合わせおよび苦情の受付 ... 47 13.4. 安全管理責任体制 ... 47 13.5. プロトコールの遵守 ... 47 13.6. 医療機関の倫理審査委員会の承認 ... 47 13.6.1. 試験参加開始時の承認 ... 47 13.6.2. 各医療機関の承認の年次更新 ... 47 13.7. プロトコールの内容変更について... 48 13.7.1. プロトコールの内容変更の区分 ... 48 13.7.2. プロトコール改正/改訂時の医療機関の承認 ... 48 13.7.3. CRF の修正 ... 48 13.8.臨床研究に関わる者の利益相反(COI)の管理について ... 48 13.8.1. 利益相反の管理 ... 48 13.8.2.本研究に関する CJLSG の利益相反事項 ... 49 14.0.モニタリングと監査 ... 50 14.1.定期モニタリング ... 50 14.2.モニタリングの項目 ... 50 14.3.プロトコール逸脱・違反 ... 50

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9 14.4.施設訪問監査 ... 51 15.0. 特記事項 ... 52 15.1. 試験の終了、中止、中断 ... 52 15.1.1. 試験の終了 ... 52 15.1.2. 試験の中止、中断 ... 52 15.2. 腫瘍縮小効果の施設外判定 ... 52 15.3. 研究成果の発表 ... 52 15.4. 公開データベースへの登録 ... 52 16.0.研究組織 ... 53 16.1. 研究グループ代表者 ... 53 16.2. 研究代表者 ... 53 16.3. 研究事務局 ... 53 16.4. プロトコール作成者 ... 53 16.5. プロトコール審査委員 ... 53 16.6. 統計解析責任者 ... 53 16.7. 効果・安全性評価委員会(敬称略、順不同) ... 54 17.0.文献 ... 55 付表 ヘルシンキ宣言

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1.0. 目的

塩酸アムルビシンは単剤で小細胞肺癌に有効な薬剤であるが、高齢者の未治療進展型小細胞肺癌における塩 酸アムルビシン単剤療法の有用性は確定していない。このため高齢者未治療進展型小細胞肺癌に対する塩酸 アムルビシン単剤療法の有効性と安全性を評価する。 ●主要エンドポイント: 腫瘍縮小効果(奏効率)

●副次エンドポイント: 無増悪生存期間(Progression free survival: PFS) 全生存期間(Overall survival: OS)

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2.0. 背景と試験計画の根拠

2.1. 対象 肺癌は全癌死の第1 位を占め、その多くは進行癌のため有効な化学療法の開発が急務である。小細胞肺癌 は全肺癌中の約15%を占め、非常に予後不良の悪性腫瘍として知られている。小細胞肺癌は進行の程度によ り限局型と進展型に分類されるが、化学療法の進歩にもかかわらず進展型小細胞肺癌の予後は、生存期間中 央値9~12 ヵ月、2 年生存率 5~20%程度であり、より有効な化学療法の開発が必要とされている。 さらに本邦では高齢者の肺癌患者が増加しており、75 歳以上の患者の割合は 2005 年では全罹患数の 45.5%、全死亡数の 53.4%を占めている1, 2。このため、高齢者患者の特性にあった治療法を開発する必要が ある。 2.2. 対象に対する標準治療 進展型小細胞肺癌の化学療法は従来シスプラチン+エトポシド併用療法(PE 療法)が広く行われてきたが、進展 型小細胞肺癌を対象とした本邦の比較試験(JCOG)でシスプラチン+イリノテカン併用療法(IP 療法)は PE 療 法と比べ有意に生存期間が延長されることが示された(生存期間中央値12.8 ヵ月 vs 9.4 ヵ月、2 年生存率 19.5% vs 5.2%, p=0.002)3。しかし、海外での第III 相試験では IP 療法は PE 療法と比べて生存期間の延長 は認められなかった4, 5。現在本邦では進展型小細胞肺癌に対する標準的治療はIP 療法又は PE 療法と考え られている。しかし、本邦で行われたPE 療法や IP 療法の治療成績は、全身状態の良好な 70 歳未満の患者を 対象にした臨床試験に基づくものである。70 歳以上の高齢者における分割 PE 療法(生存期間中央値 10.1 ヵ 月、2 年生存率 13%)やカルボプラチン+エトポシド併用療法(CE 療法)(生存期間中央値 10.8 ヵ月、2 年生存 率11%)の有用性は示されているが6、75 歳以上の高齢者の進展型小細胞肺癌に対する標準的治療は確立し ていない。 2.3. 治療計画設定の根拠 2.3.1. 塩酸アムルビシン 塩酸アムルビシンは、本邦で開発されたアントラサイクリン系に属する塩酸ドキソルビシンの誘導体である。塩 酸アムルビシンは生体内で変換されアムルビシノールとなる。ヒト腫瘍細胞株に対するin vitroの細胞増殖抑 制作用では、塩酸アムルビシンは塩酸ドキソルビシンの約1/130~1/2 の活性であるのに対して、アムルビシノ ールは塩酸アムルビシンと比べて約5~200 倍強い細胞増殖抑制作用を示し、塩酸ドキソルビシンと比べると約 1/3 程度から 10 倍強い活性を示すことから、主としてアムルビシノールが抗腫瘍活性をもつとされる。 (1) 薬効分類:アントラサイクリン系抗腫瘍剤 (2) 特徴・作用機序:塩酸アムルビシン及び活性代謝物アムルビシノールは、DNA インターカレーション活性、 トポイソメラーゼII阻害作用、トポイソメラーゼIIによるcleavable complexの安定化を介し たDNA切断作用、ラジカル産生作用を示す。主な作用機序は、トポイソメラーゼIIによる cleavable complexの安定化を介したDNA切断作用である。 (3) 適応症:非小細胞肺癌、小細胞肺癌 (4) 用法・用量:通常、成人には塩酸アムルビシンとして45 mg(力価)/m2(体表面積)を約20 mLの日局生理 食塩液あるいは5%ブドウ糖注射液に溶解し、1日1回3日間連日静脈内に投与し、3~4週間休 薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

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12 (5) 薬物動態: 塩酸アムルビシン45 mg/m23 日間連日静脈投与したときの未変化体(塩酸アムルビシン)は、血漿、血球の いずれにおいても速やかに消失したが、活性代謝物(アムルビシノール)は血漿、血球中とも持続的な推移を示 した。また、アムルビシノールの濃度は、血漿に比べて血球中で高かった。分布は動物実験において広範な組 織への分布が確認されている。中枢神経系への移行は血漿と同レベルがそれ以下であった。代謝は、ヒト肝ミク ロソーム及びサイトゾルを用いたin vitro試験において、塩酸アムルビシン及びアムルビシノールの代謝に関す る酵素は、NADPH-P450 還元酵素、NAD(P)H-キノン還元酵素、ケトン還元酵素が主なものであり、チトクロム P450(CYP 酸化酵素)による寄与は少ないとされている。排泄は、5 日間連日静脈内投与したときの 5 日目の 24 時間までの尿中排泄率は、未変化体が 0.22~1.71%、アムルビシノールが 2.1~17.8%であった。 (6) 併用注意:(併用注意すること) 薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 潜在的に心毒性を有する抗 悪性腫瘍剤 (アントラサイクリン系薬剤な ど) これらの薬剤による前治療歴がある場合、あ るいは併用療法を行う場合は、心筋障害が増 強されるおそれがあるので、患者の状態を観 察しながら、減量するなど用量に注意するこ と。 心筋障害が増強される可能 性がある。 投与前の心臓部あるいは縦 隔への放射線照射 心筋障害が増強するおそれがあるので、患者 の状態を観察しながら、減量するなど用量に 注意すること。 抗悪性腫瘍剤 放射線照射 骨髄機能抑制等の副作用が増強するおそれ があるので、併用療法を行う場合には、患者 の状態を観察しながら、減量するなど用量に 注意すること。 ともに骨髄機能抑制作用を 有する。 2.3.2. 本臨床試験の治療レジメン 小細胞肺癌に対して良好な抗腫瘍効果を持つことが、本邦及び欧米で行われた単剤もしくはシスプラチンとの 併用の臨床試験で報告されている7-12。現在、実地臨床においても、塩酸アムルビシンは小細胞肺癌の二次も しくは三次治療薬として単剤で多用されている。このように塩酸アムルビシンは小細胞肺癌に有効な薬剤である が、高齢者の未治療進展型小細胞肺癌における塩酸アムルビシン単剤療法の有用性は確定していない。 そのため本邦では高齢者未治療進展型小細胞肺癌を対象として、塩酸アムルビシン単剤とカルボプラチン+ エトポシド(CE)療法を比較する第 III 相試験が施行された13。塩酸アムルビシンの投与量は70~74 歳までが 45 mg/m2、75 歳以上が 40 mg/m2であったが治療関連死が2 例みられたために途中で投与量が 40 mg/m2 に統一された。しかし、その後も発熱性好中球減少症は塩酸アムルビシン群で34%にみられ、さらに治療関連 死3 例(敗血症 2 例、間質性肺炎 1 例)がみられたためにこの試験は中止となった。途中中止ではあるが、奏効 率は塩酸アムルビシン単剤 74.2%、CE 療法 60.0%とアムルビシンのほうが優れており、生存期間中央値は塩 酸アムルビシン単剤が10.9 ヵ月、CE 療法が 11.3 ヵ月と、両群間でほぼ同等であった。

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13 1~3 投与に G-CSF を Day 8 から少なくとも 5 日間併用投与すると、奏効率は 43%、発熱性好中球減少症の 頻度は10%で治療関連死はみられなかったと報告した14。この結果は、塩酸アムルビシンの投与量を35 mg/m2に減量してG-CSF を併用すれば、高齢者でも安全に投与ができる可能性を示唆している。 以上より、本試験では75 歳以上の未治療の進展型小細胞肺癌を対象とし、塩酸アムルビシンの投与量を 35 mg/m2 Days 1~3 として原則 G-CSF を併用投与することで安全性を高めるレジメンの有効性と安全性を検討 する。 2.4. 試験デザイン 2.4.1. 計画されている次相の臨床試験(本試験後の展開) 2.3.2.で記載したように、高齢者進展型小細胞肺癌を対象とした塩酸アムルビシン単剤と CE 療法を比較する第 III 相試験は途中中止となった。本臨床試験におけるレジメンでの塩酸アムルビシン単剤療法の有効性および 安全性が示されれば、再度CE 療法と比較する第 III 相試験による検証を進めていく。 2.4.2. エンドポイントの設定根拠 本試験は単群の第II相試験であり有効性を評価することが主要エンドポイントである。したがって従来より用い られている奏効率を主要エンドポイントとした。 2.4.3. 臨床的仮説と登録数設定根拠 前述(2.3.2)したように本邦で行われた第 III 相試験での塩酸アムルビシン単剤の奏効率は 74.2%であった13 海外ではEORTC が塩酸アムルビシン単剤(45 mg/m2 D1-3)、シスプラチン(60 mg/m2 D1)+塩酸アムルビシン (40 mg/m2 D1-3) (PA)療法、シスプチン(75 mg/m2 D1)+エトポシド(100 mg/m2 D1-3) (PE)療法の 3 群を比較 するランダム化第II 相試験を行い、奏効率はそれぞれ 61%, 77%, 63%であった15。未治療ED-SCLC を対象 として塩酸アムルビシンの投与量を35 mg/m2にして有効性を検討した報告はない。塩酸アムルビシン単剤はま た再発小細胞癌例にも有効である。Inoue ら再発小細胞癌を対象として塩酸アムルビシン単剤(40 mg/m2 D1-3)とトポテカン(100 mg/m2 D1-5)のランダム化第 II 相試験を行いアムルビシンの奏効率は 38%と報告して いる10。Kaira らは塩酸アムルビシンの投与量を 35 mg/m2に減量して再発小細胞癌での有効性を検討し、奏 効率は44.8%と報告している16 本試験では対象患者の年齢が75 歳以上であり、また安全性に配慮して塩酸アムルビシンの投与量を 35 mg/m2に減量しているため、予想される奏効率は従来の報告よりも低い可能性がある。このため期待奏効率を 65%、閾値奏効率は再発小細胞癌での奏効率を下回らない数値である 40%として、有意水準 0.05(片側検定)、 検出力0.8 とすると、Simon two stage theory (Minimax model)による第 1 段階として必要症例数は 12 例と なる。12 例中 6 例の有効例があれば、第 2 段階として 14 例の追加を行い、26 例中 15 例以上奏効であれば本 治療法は有効であると判断する。約10%の不適格例を見込んで予定登録数を 29 例とした。 2.4.4. 患者登録見込み CJLSG 理事会でおこなった症例登録見込みのアンケートでは、全体で年間 20 例以上の症例集積が見込める 予測であった。よって試験登録期間を2 年とする。 2.5. 試験参加に伴って予想される利益と不利益の要約 2.5.1. 予想される利益 塩酸アムルビシンのdose intensity を高めることで、より高い有効性を示せる可能性がある。

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14 費用に関しては、試験参加患者の試験期間中の薬剤費を含む診療費はすべて患者の保険および患者自己 負担により支払われるため、日常診療に比して患者が本試験に参加することで得られる特別な診療上、経済上 の利益はない。 2.5.2. 予想される危険と不利益 骨髄抑制、特に好中球減少に伴う発熱や感染が予想される危険、不利益であるが、それを最小化するために塩 酸アムルビシンの投与量を35 mg/m2とし、G-CSF の併用投与を行う。 2.6. 本試験の意義 本試験の治療レジメンが有効で安全であることを示すことができれば、今後増加が予測される高齢者進展型小 細胞肺癌患者の治療に対し貢献することができる。

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3.0. 本試験で用いる規準・定義

3.1. 進展型小細胞肺癌

従来、小細胞肺癌については、限局型 (limited disease:LD) および進展型 (extended disease:ED) という 分類が使用されてきたが、悪性胸水症例の扱いなどを巡り、本邦においてもいまだ定義が統一されていない。 IASLC では、TNM 分類(第 7 版)を用いて小細胞肺癌切除例の予後を解析した結果、TNM 分類の有用性を 報告し、限局型、進展型という分類を推奨していない。しかしながら、本プロトコールでは、本試験結果と他試験 との比較のために便宜上下記の通り、限局型と進展型を定義する。 限局型:一側胸郭内と対側縦隔、同側および対側鎖骨上窩に病変がとどまるもの。ただし、悪性胸水もしくは 悪性心嚢水の貯留を伴う症例は進展型として扱う。 進展型:限局型の範囲を超えて病変の進展が認められるもの。悪性胸水症例、悪性心嚢水症例は進展型と して扱う。 3.2. 病期分類 TNM 分類[T:Tumor,N:Nodes,M:Metastasis](UICC 第 7 版)に基づき肺がんの病期を潜伏がん、0 期、IA 期、IB 期、IIA 期、IIB 期、IIIA 期、IIIB 期、IV 期に分類する。

TNM の定義 T:Tumor (原発腫瘍) TX: T0: Tis: T1: T2: T3: T4: 原発腫瘍の存在が判定できない、あるいは画像上または気管 支鏡的には観察できないが喀痰または気管支洗浄液中に悪性 細胞が存在する 原発腫瘍を認めない 上皮内がん(Carcinoma in situ) 腫瘍の最大径が 3cm以下で、肺組織または臓側胸膜に囲ま れており、気管支鏡的にがん浸潤が葉気管支より中枢に及ば ないもの(即ち主気管支に及んでいない) T1a:腫瘍最大径が 2cm以下 T1b:腫瘍最大径が 2cm より大きく 3cm 以下 腫瘍最大径が3 cm より大きく 7 cm 以下あるいは,以下のいず れかであるもの(もし腫瘍径が5 cm 以下であれば T2a に分類 される) ・主気管支に浸潤が及ぶが,腫瘍の中枢側が気管分岐部より 2 cm 以上離れている ・臓側胸膜に浸潤が及んでいる ・肺門に及ぶ病変により無気肺あるいは閉塞性肺炎があるが, 一側肺全体に及ばない T2a: 腫瘍最大径が 3 cm より大きく 5 cm 以下 T2b: 腫瘍最大径が 5 cm より大きく 7 cm 以下 腫瘍径が 7 cm より大きいあるいは,大きさと無関係に隣接臓

器,即ち胸壁(superior sulcus tumor を含む),横隔膜,横隔 神経,縦隔胸膜,壁側心膜のいずれかに直接浸潤する腫瘍; または,腫瘍が気管分岐部から2 cm 未満に及ぶが,気管分岐 部に浸潤のないもの;または,無気肺あるいは閉塞性肺炎が 一側肺全体に及ぶか,あるいは,同一肺葉内に独立した腫瘍 結節(群)があるもの 大きさと無関係に縦隔,心臓,大血管,気管,反回神経,食 道,椎体,気管分岐部に浸潤の及ぶ腫瘍;原発巣と同側の異 なる肺葉内に散在する腫瘍結節 N:Nodes NX: 所属リンパ節が判定できない

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16 (所属リンパ節) N0: N1: N2: N3: 所属リンパ節転移なし 同側気管支周囲および/または同側肺門リンパ節および肺内リ ンパ節転移で、原発腫瘍の直接浸潤を含む 同側縦隔リンパ節転移および/または気管支分岐部リンパ節転 移 対側の縦隔,対側肺門,同側あるいは対側の前斜角筋,鎖骨 上窩リンパ節転移 M:Metastasis (遠隔転移) MX: M0: M1: 遠隔転移が判定できない 遠隔転移なし 遠隔臓器転移(肺・脳・骨・肝臓・副腎など)あり M1a:対側の他肺葉に存在する独立した腫瘍結節(群);胸膜 結節または悪性胸水(あるいは心嚢水)をともなう腫瘍 M1b:遠隔転移 T 因子 N 因子 M 因子 潜伏癌 TX N0 M0 0 期 Tis N0 M0 IA 期 T1a,b N0 M0 IB 期 T2a N0 M0 IIA 期 T1a,b N1 M0 T2a N1 M0 T2b N0 M0 IIB 期 T2b N1 M0 T3 N0 M0 IIIA 期 T1a,T1b N2 M0 T2a N2 M0 T2b N2 M0 T3 N2 M0 T3 N1 M0 T4 N0 M0 T4 N1 M0 IIIB 期 Any T N3 M0 T4 N2 M0

IV 期 Any T Any N M1a,b

3.3. 有害事象の判定規準

有害事象/有害反応の評価には、「有害事象共通用語規準 v4.0 日本語訳 JCOG/JSCO 版(“National Cancer Institute Common Terminology Criteria for Adverse Events(NCI-CTCAE) v4.0 の日本語訳)」 を用いる。

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17 3.4. Performance Status(PS)の評価

ECOG scale を用いる。

Grade Performance Status

0 無症状で社会活動ができ,制限を受けることなく発病前と同等にふるまえる。 1 軽度の症状があり,肉体労働は制限を受けるが,歩行,軽労働や坐業はできる。例えば軽い 家事,事務など。 2 歩行や身の回りのことはできるが,時に少し介助がいることもある。軽労働はできないが,日 中の50%以上は起居している。 3 身の回りのある程度のことはできるが,しばしば介助がいり,日中の 50%以上は就床してい る。 4 身の回りのこともできず,常に介助がいり,終日就床を必要としている。

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4.0. 患者選択規準

以下の適格規準をすべて満たし、除外規準のいずれにも該当しない患者を登録適格例とする。 4.1. 適格規準 ① 細胞学的または組織学的に小細胞肺癌と診断された症例 ② 根治的な胸部放射線照射併用療法の適応とならない進展型小細胞肺癌の症例 ③ 年齢 75 歳以上(上限なし。同意取得日時点の年齢とする) ④ PS(ECOG):0~2

⑤ RECIST 規準(ver 1.1)に則った測定可能病変を少なくとも 1 つ以上有する症例(注:RECIST1.1 の定 義に従い、放射線照射野内の再発については測定可能病変としない。) 測定可能病変の定義 1; リンパ節病変以外の病変 5mm 以下のスライス厚の CT 又は MRI にて最長径 10mm 以上 5mm を超えるスライス厚の CT 又は MRI にて最長径がスライス厚の 2 倍以上 2;リンパ節病変 5mm 以下のスライス厚の CT にて短径で 15mm 以上の病変 ⑥ 小細胞肺癌に対する化学療法、放射線治療のいずれの既往もない症例 ただし転移巣に対する姑息的な放射線療法、手術療法を行っている場合は、治療終了後14 日間以上 経過していれば適格とする ⑦ 主要臓器機能が維持されている患者。 (登録日から14日以内のデータ。登録日の2週間前の同一曜日は可) 白血球数 ≧ 3,000/mm3 好中球数 ≧ 1,500/mm3 ヘモグロビン ≧ 9.0 g/dL 血小板数 ≧ 100,000 /mm3 AST ≦ 100 IU/L ALT ≦ 100 IU/L 総ビリルビン ≦ 1.5 mg/dL 血清クレアチニン ≦ 1.5 mg/dL SpO2 ≧ 92%(室内気) 心エコー EF ≧ 60% ⑧ 投与開始予定日より 3 ヶ月以上の生存が期待できる症例 ⑨ 治療に対し文書で患者本人の同意の得られている症例 4.2.除外規準 ① 塩酸アムルビシンの投与が禁忌である症例 ② 局所療法が優先する癌性心膜炎,癌性胸膜炎,癌性腹膜炎のある症例。但し,コントロールでき局所 療法から2 週間以上経過すれば,登録可能である。(排液などのためにドレーンを挿入していた場合は、 ドレーン抜去後から2 週間以上経過すれば登録可能である。癒着術に使用する薬剤は、ピシバニール、

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19 ミノマイシン、タルクなどは許容されるが、シスプラチンやその他の抗癌剤は許容されない。) ③ 放射線治療中の症例。放射線治療終了後に 4-1 適格規準の⑥を満たす場合は登録可能 ④ 症状を有する脳転移のある患者(ただし中枢神経症状を伴わない症例は除外しない。また脳転移に対 して本試験中もステロイド投与を要する患者は除外する) ⑤ 上大静脈症候群を有する患者(姑息的放射線治療後に適格基準⑥を満たす場合は登録可能) ⑥ 心機能異常(心電図で治療を要する異常を認める)又は登録前 6 ヶ月以内に心筋梗塞の既往のある症 例。コントロール不良の狭心症や心不全を合併している症例。 ⑦ 胸部単純レントゲンにて明らかな間質性肺炎又は肺線維症がある症例(放射線照射部位に限局した放 射線肺臓炎の症例は組み入れ可) ⑧ コントロール不良な糖尿病を合併している症例(1 日 40 単位を超えるインスリンの継続使用が必要な症 例。もしくは1 日 40 単位以下のインスリンの継続的使用又は未使用であっても HbA1c 値が 8.0%以 上の症例) ⑨ 活動性の重複癌(上皮内癌及び 5 年以上再発を認めない重複癌を除く)のある症例 ⑩ 感染症を合併している症例,又は 38℃以上の発熱を有し感染症の疑われる症例 ⑪ 重篤な薬物アレルギーの既往を有する症例 ⑫ 妊婦、妊娠している可能性のある症例、又は適切な避妊手段を講じず避妊の意思のない症例。授乳中 の症例 ⑬ その他,重篤な合併症などにより試験責任医師または分担医師により本試験の遂行が困難と推定され る症例

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20

5.0. 登録

5.1. 登録の手順 担当医は、対象患者が適格規準をすべて満たし、且つ、除外規準のいずれにも該当しないことを確認し、患者に 対して文書での同意を取得する。原則としてWeb で登録する。登録は CJLSG ホームページ(http://cjlsg.jp)よ り会員専用ページに入り,画面左上の「臨床研究」を選択し28. CJLSG1104 の項の「症例登録画面」から症例 登録を行う。Web 登録には登録施設に割当てられたアカウント名とパスワードが必要である。適格性が確認され た後、「症例登録確認通知」が発行され、FAX およびメールにて通知される。これをもって登録完了とする。 FAX で症例登録する場合は、「登録・適格性確認票」に必要事項を全て記入した上で、研究事務局(愛知病院) にFAX で送付する。研究事務局は登録作業を代行し、「症例登録確認通知」が登録施設に FAX およびメール で通知される。これをもって登録完了とする。FAX で症例登録を行った場合も以後の CRF データ入力は Web にて行う。 「症例登録確認通知」には登録番号も表示されるので適切に保存する。 試験担当医師は登録を行った後、2 週間以内(登録日と同一曜日は可)に治療を開始する。 【登録の連絡先とFAX 登録の受付時間】 愛知県がんセンター愛知病院治験事務局 〒444-0011 岡崎市欠町栗宿18 TEL: 0564-21-6251 FAX: 0564-26-1340 担当;武山 久美、山本 麻衣子 受付時間 : 平日 9:30~16:30 (土、日、祝日及び12/29~1/3 を除く) ※時間外のFAX 送付は翌受付日の登録受付となる。 5.2. 登録に際しての注意事項 1) 参加施設は 1 例目の登録までに IRB の承認書を研究事務局へ郵送または FAX にて通知しなければなら ない。 2) プロトコール治療開始後の登録は例外なく許容されない。 3) 登録登録適格性確認票の内容確認が不十分な時は、すべて満たされるまで登録は受け付けられない。 4) 適格性が確認された後に、登録番号が発行されたことをもって、登録完了とする。 5) 登録完了後に「登録確認通知」が FAX およびメールにて試験担当医師に送付されるので保管すること。 6) データの研究利用の拒否を含む同意撤回があった場合を除いて、一度登録された患者は登録取り消し(デ ータベースから抹消)はなされない。重複登録の場合は、いかなる場合も初回の登録情報(登録番号)を採用 する。 7) 誤登録・重複登録が判明した際には速やかに研究事務局に連絡すること。

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21

6.0. 治療計画と治療変更規準

患者の安全が脅かされない限りにおいて、治療および治療変更は本章の記述に従って行う。 プロトコールに従えば医学的に危険と判断される場合は担当医の医学的判断に従って治療変更を行う。その 場合は、「プロトコール逸脱」となるが、医学的に妥当と判断された場合は「臨床的に妥当な判断」とされる (「14.3. プロトコール逸脱・違反」参照)。有効性を高めるなど、安全性以外の意図で行われた逸脱は「臨床的 に妥当な逸脱」とはしない。 6.1. プロトコール治療 本試験で用いられる抗悪性腫瘍薬の有害事象や予想される危険性については「7. 予期される有害反応」に記 載される。投与量変更などの適切な治療変更については「6.3. 治療変更規準」に記載されるが、第 1 コース開 始時には適用されない。 6.1.1. 薬物療法 1) 本試験で用いられる抗悪性腫瘍薬 商品名:カルセド注射用 一般名:アムルビシン塩酸塩 剤形・含量:黄赤色の粉末又は塊(注射剤)。20 mg と 50 mg のバイアルがあり、それぞれ1バイアル中にア ムルビシン塩酸塩20 mg(力価)、50 mg(力価)を含有 貯法:室温保存 製造販売元:大日本住友製薬株式会社 発売元:日本化薬株式会社 調製方法:塩酸アムルビシンを生理食塩液または5%ブドウ糖液約 20 mL~100 mL に溶解する。 投与方法:各施設の投与方法に従い、約5 分間~15 分間かけて静脈内投与を行う。 2) 薬物療法 投与スケジュール 下記に示す薬物療法を3 週 1 コースとして、試験中止規準に抵触しない限り 4 コース以上、最大 6 コースを目標 に継続する。G-CSF を Day 8 より少なくとも 4 日間併用投与すること。 体表面積から実投与量を計算する際には、小数点以下は切り捨てとする。 治療開始後の体重変動については、登録時の体重に比して±10%以内の場合は投与量の補正は行わない が、±10%を超える体重変動がみられた場合は、体表面積を再計算して投与量を再度決定する。 Day 1,2,3 ・・・・・8 22・・・ (次コース day1) AMR(35 mg/m2) ○ ○ ○ ○ ○ ○ G-CSF ○ ○ ○ ○ (・・) ○ ○ ○ ○ (・・)

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22 6.2. プロトコール治療中止・完了規準 6.2.1. プロトコール治療完了の定義 本試験ではプロトコール治療を中止規準に抵触せず、4 コース以上最大 6 コースまで行った場合に治療完了と 定義する。 6.2.2. プロトコール治療中止の規準 以下のいずれかの場合、プロトコール治療を中止する。 1) 治療開始後に原病の増悪を認め、プロトコール治療が無効と判断した場合 2) 有害事象によりプロトコール治療が継続できない場合 ① Grade 4 の非血液毒性が認められた場合 ② Grade 2 以上の肺臓炎が認められた場合 ③ 3 回目の減量規準に抵触した場合 ④ 「6.3.1. コース開始規準」を満たさず、投与予定日より 14 日以内に次コースを開始できなかった場合 ⑤ 「6.3. 治療変更規準」でのプロトコール治療中止の規定に該当した場合 ⑥ 治療変更規準以外で、有害事象により、担当医がプロトコール治療中止を要すると判断した場合 3) 有害事象との関連が否定できない理由により、患者がプロトコール治療の中止を申し出た場合 4) 有害事象との関連が否定できる理由により、患者がプロトコール治療の中止を申し出た場合 5) プロトコール治療中の死亡 6) その他、登録後治療開始前の増悪(急速な増悪によりプロトコール治療が開始できなかった)、プロトコール 違反が判明、登録後の病理診断変更などにより不適格性が判明した場合など 6.2.3. 有害事象観察期間 プロトコール中止から 30 日間は有害事象の観察を行い、重篤な有害事象が発現した場合には「10. 有害事象 の報告」に従い報告しなければならない。 6.3. 治療変更規準 6.3.1. コース開始規準 第 2 コース以降、コース開始当日またはその前日に以下の条件をすべて満たすことを確認の上、各コースを開 始する。自他覚症状は投与前 24 時間の症状で判断する。ただし、担当医師が当日の投与を不適当と判断した 場合は、延期してもよい。その場合は症例報告書に延期理由を明記すること。 一つでも条件を満たさない場合、コース開始規準を満たすまで日単位で投与を延期する。コース開始が15 日 以上延期した場合はプロトコール治療を中止する。 項目 規準 PS 0~2 白血球数 3,000/mm3以上 好中球数(ANC) 1,500/mm3以上 血小板数 100,000/mm3以上 感染 感染を伴う38℃以上の発熱がない 総ビリルビン 1.5 mg/dL 以下

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23 AST/ALT 100 IU/L 以下 クレアチニン 1.5 mg/dL 以下 肺臓炎 Grade 1 以下 その他の自他覚所見および 一般臨床所見(低Na 血症は除く) Grade 2 以下 SpO2(室内気) 92%以上 6.3.2. 減量規準 前コースで以下のいずれかの毒性がみられた場合、塩酸アムルビシンの用量レベルを 1 段階(5 mg/m2)減量 する。レベル-1(30 mg/m2)またはレベル-2(25 mg/m2)にて以下の毒性がみられない場合でも再増量は行 わない。またコース内での減量は行わない。3 回目の減量を要する場合には試験中止とする。 ① 発熱性好中球減少症:好中球数<1,000/mm3で、かつ1 回でも 38.3℃を超える、または 1 時間を超え て持続する38.0℃以上の発熱 ② 感染を伴う好中球減少症:好中球数<1,000/mm3で感染巣を伴う(血液培養陽性も含む) ③ 好中球数の最低値が 500/mm3未満(Grade 4)になり、発現日も含めて 3 日間以内に 500/mm3以上 に回復しない場合。(発現日から 3 日目が休日などで好中球数が測定できない施設は、白血球数の半 数を好中球数として代用し判断する。) ④ 血小板が 25,000/mm3未満(Grade 4)になった場合。 ⑤ 食欲不振・悪心・嘔吐・低 Na 血症・便秘・高血糖を除く Grade3 の非血液毒性 6.3.3. 治療変更に関する相談 治療変更に関する疑問点がある場合は、「16.3. 研究事務局」に問い合わせる。 研究事務局連絡先 高橋 孝輔 愛知県がんセンター愛知病院 呼吸器内科 〒444-0011 岡崎市欠町栗宿18 TEL: 0564-21-6251、 FAX: 0564-26-1340 E-mail: [email protected] 6.4. 併用療法・支持療法 6.4.1. 推奨される併用療法・支持療法 以下の併用・支持療法が推奨される。ただし行わなくてもプロトコール逸脱とはしない。 1) G-CSF プロトコール治療で規定された以外でも、G-CSF は以下に示す好中球減少と発熱が観察された場合は投与す る。ただしプロトコール治療以外の予防的投与は行わない。 開始時期 ・ 好中球 1,000/mm3未満で発熱(原則として38℃以上)が認められた時点 ・ 好中球 500/mm3未満が観察された時点 中止時期

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24 ・ 好中球が最低値を示す時期を経過後、5,000/mm3以上に達した場合は投与を中止する。 ・ 好中球が 2,000/mm3以上に回復し、感染症が疑われる症状がなく、本剤に対する反応性から患者の安全 性が確保できると判断した場合には、本剤の中止を検討する。 6.4.2. 許容される併用療法・支持療法 以下の併用・支持療法は必要に応じて行ってもよい。ただし行わなくてもプロトコール逸脱とはしない。 1) 皮膚障害に対する支持療法:ジフェンヒドラミン、コルチコステロイド等の局所薬およびテトラサイクリン、ミノ サイクリン等の経口抗菌薬。 2) 抗菌薬:38.0℃以上の発熱を伴う Grade 3 以上の白血球・好中球減少があれば、直ちに適切な抗菌薬治 療を開始する。 3) 輸血:血小板数 20,000/mm3 以下あるいは出血傾向を認めた場合や、Hb 7.0 g/dL 未満の貧血を認めた 場合など担当医が必要と判断した場合輸血を行ってもよい。 4) ビスフォスフォネート製剤については特に制限をもうけない。 5) その他の支持療法:悪心・嘔吐に対しては、5HT3受容体拮抗剤(グラニセトロン等)、ステロイド、メトクロプ ラミド、ドンペリドンの併用投与等を行い、症状緩和に努める。その他、合併症および有害事象の対症療法 を目的とした薬剤は投与してよい。 6.4.3. 許容されない併用療法・支持療法 試験期間中は、本プロトコール治療以外のがんに対する化学療法 (抗がん薬、分子標的薬を含む)、免疫療法、 放射線療法、手術などは許容されない。従っていない場合、プロトコール逸脱または違反となる。 6.5. 後治療 プロトコール治療中止後、増悪や再発を認めるまで原則として無治療で観察する。 ただし、試験の途中で「6.2.2. プロトコール治療中止の規準 2)、3)、4)、6)」に抵触しプロトコール治療が中止 となった場合は、増悪や再発を待たずに後治療を開始してもよい。 プロトコール治療中止後の治療、および完了後の増悪や再発後の治療は規定しない。

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7.0. 予期される有害反応

7.1. 塩酸アムルビシンで予期される薬物有害反応(添付文書より抜粋) 7.1.1. 重大な有害事象 1) 骨髄機能抑制 汎血球減少(頻度不明)、白血球減少(90%以上)、好中球減少(発熱性好中球減少症を含む)(90%以上)、貧血 (80%以上)、血小板減少(40%以上)等があらわれることがあるので、末梢血液の観察を十分に行い、異常が認 められた場合には、減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、高度な骨髄機能抑制に起因する重篤な感染症 (敗血症、肺炎等)の発現による死亡例が報告されているので、投与中に感染徴候に十分留意し、異常が認めら れた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 2) 間質性肺炎(0.1~5%未満) 間質性肺炎が発現することがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮 質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。 3) 胃・十二指腸潰瘍(頻度不明) 吐血(0.1~5%未満)、下血、穿孔を伴う胃・十二指腸潰瘍があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観 察すること。異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 7.1.2. 重大な有害事象(類薬) 心筋障害 他のアントラサイクリン系薬剤では、心筋障害、更にうっ血性心不全等の症状があらわれることがあるとの報告 があるので、心機能に対する観察を十分に行い、異常が認められた場合には、休薬又は投与を中止すること。 特に他のアントラサイクリン系薬剤等心毒性を有する薬剤による前治療歴のある患者に投与する場合には十分 注意すること。 7.1.3. その他の有害事象 種類 副作用発現頻度 5% 以上 0.1 ~ 5 % 頻度不明 心臓 心電図異常(T 波平坦化, QT 延長, 心房細動, 心室性期外収縮, 上室性期外収縮, ST 低下等) 不整脈, 動悸, 左室駆 出率低下, 血圧低下 心拡大*1), 心膜滲出液*1) 肝臓 ALT(GPT)上昇(≧20%), AST(GOT)上昇(≧10%), LDH 上昇(≧10%), ALP 上昇、総ビリルビン上昇 ウロビリノーゲン陽性 腎臓 尿蛋白陽性, BUN 上昇, クレアチニン上昇 消化器 食欲不振(≧60%), 悪心・嘔吐(≧50%), 口内炎(≧10%), 下痢(≧10%) 便秘, 口角炎, 歯周炎, 軟便, 下血 呼吸器 肺炎, 気胸 咽頭痛 精神神経 系 頭痛, 手足のしびれ, 末梢・知覚神経障害 頭重*1)、めまい・ふらつき、不眠 過敏症 皮疹, 発疹

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26 その他 脱毛(≧70%), 発熱(≧20%),白血球分画異常 (≧30%),血清総蛋白低下(≧20%), 血沈亢進 (≧20%),A/G 比異常(≧10%),電解質異常 (Na,K,Cl,Ca), 血清アルブミン低下(≧10%),尿潜血 全身倦怠, 飛蚊症, 尿 糖陽性, 鼻出血, 体力 喪失, 静脈炎, 注射部 反応, 色素沈着 耳鳴*1), 出血傾向*1), 顔 面浮腫*1), 胸内苦悶感*1), 感染*1), 血管痛*1), 尿沈渣白血球陽性*1), 血清アミラーゼ上昇*2), CRP 上昇*2)、吃逆、味覚異 常、血小板増加、体重減少、 背部痛、白血球増加 *1) 承認外の用法(単回投与等)においてのみ報告された副作用につき頻度不明 *2) 臨床試験において評価項目として設定していなかったため頻度不明 7.2. G-CSF で予期される薬物有害反応(グラン添付文書より抜粋) 7.2.1. 好中球減少症の対象患者における有害事象 延べ7,175 例中 935 例(13.0%)に副作用(臨床検査値異常変動を含む)が認められた。主な副作用は 骨痛(胸部、腰部、骨盤部等)124 件(1.7%)、発熱 117 件(1.6%)、腰痛 108 件(1.5%)、肝機能 異常40 件(0.6%)等であった。主な臨床検査値異常変動は LDH 上昇 348 件(4.9%)、Al-P 上昇 264 件(3.7%)、ALT(GPT)上昇 89 件(1.2%)、AST(GOT)上昇 68 件(0.9%)、CRP 上昇 45 件(0.6%) 等であった。[再審査終了時] 注意すること。 7.2.2. 重大な有害事象 (1)ショック(頻度不明) ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切 な処置を行うこと。 (2)間質性肺炎(頻度不明) 間質性肺炎が発現又は増悪することがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、呼吸困難及び胸部X 線検査異常等が認められた場合には、本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置 を行うこと。 (3)急性呼吸窮迫症候群(頻度不明) 急性呼吸窮迫症候群が発現することがあるので観察を十分に行い、急速に進行する呼吸困難、低酸素血 症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X 線異常等が認められた場合には本剤の投与を中止し、呼吸管理 等の適切な処置を行うこと。 注意すること。 7.2.3. その他の有害事象 種類 副作用発現頻度 5% 以上又は頻度不明 1 ~ 5 %未満 1%未満 皮膚 好中球浸潤・有痛性紅斑・発熱を伴う皮膚 障害(Sweet 症候群等) 発疹、発赤

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27 筋・骨格 骨痛、腰痛 胸痛、関節痛 消化器 悪心・嘔吐 肝臓 ALT(GPT)上昇 肝機能異常、AST(GOT)上昇 血液 血小板減少 その他 LDH 上昇、脾腫、浮腫 発熱、Al-P 上昇 頭痛、倦怠感、動悸、尿酸上昇、血清 クレアチニン上昇、CRP 上昇 7.3. 併用化学療法により予期される有害反応 該当なし。 7.4. 有害事象/有害反応の評価 有害事象/有害反応の評価には、「有害事象共通用語規準 v4.0 日本語訳 JCOG/JSCO 版(“National Cancer Institute Common Terminology Criteria for Adverse Events(NCI-CTCAE) v4.0 の日本語訳)」 を用いる。

有害事象のgrading に際しては、それぞれ Grade 0~4 の定義内容に最も近いものに grading する。「8.2. 治療期間中の検査と評価」、「8.3. 治療終了後の検査と評価項目」で規定された有害事象項目については、該

当する記録用紙(治療経過記録用紙)にGrade とその Grade の初発現日を記載する。それ以外の有害事象に

ついてはGrade 3 以上が観察された場合のみ治療経過記録用紙の自由記入欄に有害事象項目と Grade およ

びそのGrade の初発現日を記載する。

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28

8.0. 評価項目・臨床検査・評価スケジュール

8.1. 登録前評価項目 以下の項目に対して、登録前14 日以内に評価する(登録日の 2 週間前の同一曜日の検査は許容する) 1) 全身状態:PS(ECOG)、身長、体重 2) 自他覚所見

3) 合併症(Charlson comorbidity index17a lung cancer disease-specific simplified comorbidity

score18) 4) 末梢血算:白血球数、好中球数(ANC:桿状核球+分葉核球)、ヘモグロビン、血小板数 5) 血液生化学:総タンパク、アルブミン、総ビリルビン、GOT(AST)、GPT(ALT)、BUN、クレアチニン、 アルカリフォスファターゼ、LDH、Na、K、Ca(アルブミン補正値)、CRP、空腹時血糖 6) 腫瘍マーカー:NSE、ProGRP 7) 経皮酸素飽和度(SpO2) 8) 心電図:安静時 12 誘導心電図、必要に応じてホルター心電図 9) 心エコー 10) 胸部 X 線 11) 胸腹部 CT(単純または造影、可能であれば造影検査が望ましい)、脳 CT または MRI(造影検査が望ま しい)、骨シンチグラム(PET で代用可能)(登録前 28 日以内) 8.2. 治療期間中の検査と評価 8.2.1. 週 1 回評価する安全性評価項目(CTCAE v4.0 日本語訳で記載) 1) 全身状態:PS(ECOG) 2) 自他覚所見 ・臨床症状(特に下記にあげたものに注意) アレルギー/免疫:アレルギー反応 心臓全般:心臓全般―その他(浮腫) 全身症状:発熱(Grade 3 以上の好中球減少なし)、体重減少、疲労 皮膚/皮膚科:脱毛、皮疹、蕁麻疹 消化管:食欲不振、下痢、悪心、嘔吐、口内炎(診察所見) 感染:Grade 3-4 の発熱性好中球減少症(感染巣不明) Grade 3-4 の好中球減少を伴う感染(臨床的に確認)-血液・カテーテル感染・気管支・ 肺(肺炎)・上気道(細分類不能) Grade 0-2 の好中球減少を伴う感染―血液・カテーテル感染・気管支・肺(肺炎)・上気道 (細分類不能) 神経:神経障害―感覚性 3) 末梢血算:白血球数、好中球数(ANC:桿状核球+分葉核球)、ヘモグロビン、血小板数 4) 生化学検査:アルブミン、総ビリルビン、GOT(AST)、GPT(ALT)、BUN、クレアチニン、アルカルフォスフ ァターゼ、LDH、Na、K、Ca(アルブミン補正値)、CRP 5) 経皮酸素飽和度(SpO2)

(29)

29 6) 胸部 X 線 注1) 末梢血算、生化学検査に関しては、前コースが延期・減量がなくスケジュール通りに投与可能であった 場合、次コースはDay 1 と Day 15 でもよい。 注2) SpO2・胸部X 線は 1 コース目にて明らかな変化を認めなければ、次コース以降はコース毎でもよい。 8.2.2. コース毎に評価する安全性評価項目 1) 全身状態:体重 2) 血液生化学:CRP、空腹時血糖 8.2.3. 有効性評価項目 投与開始日を起算日として最終プロトコール治療日から4 週間後までを観察期間とする。ただし、観察期間内に 後治療が行われた場合は後治療開始日で評価を終了する。 6 週毎(投与開始日から 6 週間後の前後 1 週間以内。同一曜日を含む)に以下の検査を行い(ただし骨シンチ /PET は臨床的増悪が疑われた場合のみ)、「12.1 効果判定」の記述に従って腫瘍縮小効果を評価する。 ベースライン評価と同じ検査方法にて評価する。 1) 胸部 CT(全例) 2) 腹部 CT(登録前検査で病変がみられた場合のみ) 3) 頭部 CT または MRI(登録前検査で病変がみられた場合のみ) 4) 骨シンチ/PET(臨床的に骨転移の増悪が疑われる場合のみ) 5) 直接測定(定規などを入れて写真で記録する。登録前検査で病変がみられた場合のみ) 6) 胸部 X 線(安全性評価のために実施するものと兼ねる) 7) 腫瘍マーカー(NSE、ProGRP のうち治療前に上昇していたもののみ。) 8.3. 治療終了後の検査と評価項目 8.3.1. 治療終了後の安全性評価 試験治療終了後より28 日目(±7 日)後に施行 1) 全身状態:PS(ECOG) 2) 自他覚所見 ・全身症状:発熱 ・臨床症状 3) 末梢血算:白血球数、好中球数(ANC:桿状核球+分節核球)、ヘモグロビン、血小板数 4) 生化学検査:アルブミン、総ビリルビン、GOT(AST)、GPT(ALT)、BUN、クレアチニン 5) 経皮酸素飽和度(SpO2) 6) 心エコー 8.3.2. 追跡期間中の評価項目と評価スケジュール 症例登録終了後1 年間を追跡調査期間とする。評価項目は以下の通りである。 1) 生存の有無 生存の場合:最終生存確認日 死亡の場合:死亡日と死因(原病死、他病死、治療関連死、その他) 2) 増悪の有無

(30)

30 画像検査 有効例、SD 症例は治療終了後も PD になるまでは、効果の持続・病変の進行の有無について定期 的に経過観察とする。 測定または評価可能病変の画像:3 ヵ月毎 増悪がない場合、最終の無増悪生存確認日 増悪がある場合、増悪判定日と増悪部位 3) 後治療 化学療法,放射線療法の有無 その他の治療の有無 治療がある場合、その内容

(31)

31 8.4. スタディカレンダー コース 登録前 1 2 3 サイクル目以降 治療終了時 週 1 2 3 4 5 6 7 8 9 全身状態 理学所見 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 身長 ○ 体重 ○ ○ ○ ○ PS ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 安静時12 誘導心電図 ○ 血算*1 (○) (○) 生化学*1 (○) (○) 経皮酸素飽和度 (SpO2)*2 ○ ○ ○ ○ ○ (○) (○) ○ (○) (○) ○ 心エコー ○ ○ 有効性 胸部X 線*2 (○) (○) ○ (○) (○) 胸部CT*3 腹部CT*4 (○) 頭部CT または MRI*4 (○) 骨シンチまたはPET*5 (○) 病変の直接所見*4 (○) 腫瘍マーカー6 (NSE, ProGRP) ○ (○) 毒性 他覚症状7 自覚症状7 *1 末梢血算、生化学検査に関しては、前コースが延期・減量がなくスケジュール通りに投与可能であった場合、次 コースは Day 1 と Day 15 でもよい。 *2 1 コース目にて明らかな変化を認めなければ、次コース以降はコース毎でもよい。 *3 有効性についての検査は、6 週毎に行う。 *4 登録前の検査で病変があった場合に行う。 *5 臨床的に増悪があった場合に行う。 *6 治療前に上昇していた場合のみ測定を行う。 *7 前コースが延期・減量がなくスケジュール通りに投与可能であった場合は、次コースは血液検査に併せて 2 週毎でもよい。

(32)

32

9.0.データ収集

9.1. 症例調査票(Case Report Form: CRF)

本試験で用いる記録用紙(CRF)と提出期限は以下の通りとする。

1) 登録・適格性確認票(登録時。原則は Web で登録。FAX 希望の場合のみ研究事務局へ FAX) 2) 治療開始前記録用紙(治療開始日より 2 週間以内) 3) 治療経過記録用紙(プロトコール治療中止/終了後 2 週間以内) 4) 治療終了報告用紙(プロトコール治療中止/終了後 2 週間以内) 5) 効果判定用紙(効果判定後 2 週間以内) 6) 追跡調査用紙(追跡依頼後 2 週間以内) 原則はWeb でデータ収集を行う。「登録・適格性確認票」を FAX で送付した場合も以後の CRF データ入力は Web で行う。 ・FAX の場合、「1)登録・適格性確認票」は、試験開始前にあらかじめプロトコールとともに研究事務局から各施 設に配布される。また、CJLSG ホームページ(http://cjlsg.umin.jp/)からもダウンロードして入手することがで きる。 9.2. CRF の送付方法 ・「1)登録適格性確認票」は、迅速性が要求されるため例外的に FAX 送信も可とするが、それ以外のすべての CRF は原則として Web で入力する。手書きで提出する場合は研究事務局に連絡し、研究事務局より CRF を郵 送で受け取る。 ・患者個人情報漏洩の危険を避けるため、CRF 送付依頼などの研究事務局への連絡の際には、患者登録番号 を用い、施設のカルテ番号は用いないこと。

(33)

33

10.0.有害事象の報告

本章の規定に従い、“重篤な有害事象”または“予期されない有害事象”が生じた場合、施設研究責任者は CJLSG 研究事務局へ報告する。 なお、薬事法に基づく副作用などの厚生労働大臣への報告(宛先:厚生労働 省医薬食品局安全対策課FAX: 03-3508-4364 書式は http://www.info.pmda.go.jp/info/houkoku.html)、 臨床研究に関する倫理指針(平成20年厚生労働省告示第415号 http://www.mhlw.go.jp/general/seido/kousei/i-kenkyu/rinsyo/dl/shishin.pdf )に基づく重篤な有害事象な どの各施設の医療機関の長への報告、医療機関から企業への副作用に関する連絡については、それぞれの医 療機関の規定に従って各施設研究責任者の責任において適切に行うこと。 10.1. 報告義務のある有害事象 10.1.1. 報告義務のある有害事象(重篤な有害事象) 重篤な有害事象が発生した場合、報告の対象となる。 ・プロトコール治療との因果関係の有無を問わない。 ・既知、未知も問わない。 ・すべての報告について15 日以上の遅延は許容されない。 ・施設内での報告については、臨床研究の倫理指針及び施設の規定に従うものとする。 ① 死に至るもの プロトコール治療最終日を起点(day0)とし、31日目以降の明らかな原病死は除く。 ② 生命を脅かすもの その事象が起こった際に患者が死の危険にさらされていたという意味であり、その事象がもっと重症なも のであったら死に至っていたかもしれないという仮定的な意味ではない。 ③ 治療のための入院または入院期間の延長が必要となるもの 副作用治療のために入院または入院期間が延長になった場合であり、アナフィラキシーショックなどで経 過観察目的に入院した場合なども該当する。なお、検査を行うための予定入院またはその期間の延長、 遠隔地からの受診で被験者の負担を軽減する目的の入院、事前に計画された入院は含まれない。 ④ 永続的または顕著な障害・機能不全に陥るもの ⑤ 先天異常・先天性欠損をきたすもの ⑥ その他に医学的に重要な状態と判断される事象または反応 例として緊急の処置を要した場合や集中治療を必要とした合併症、入院には至らないものの慎重な経過 観察を要した場合などが挙げられる。 10.2. 各参加医療機関での報告に関する手順 10.2.1. 一次報告 報告の対象となる有害事象が発生した場合、試験分担医師は当該施設研究責任者を経て有害事象発生を知っ てから 7 日以内に「AE/AR/ADR 報告書」に所定事項を記入し、CJLSG 効果・安全性評価委員会事務局(以 下CJLSG 事務局)に FAX もしくは e-mail にて送付する。 10.2.2. 二次報告 当該施設研究責任者は研究事務局の要請に応じて「AE/AR/ADR 報告書」に所定事項を記入し、より詳しい

(34)

34 情報を記述した症例報告を別紙として作成し、有害事象を知ってから15 日以内に CJLSG 事務局へ FAX もしく はe-mail 送付する。剖検がなされた場合は剖検報告書も速やかに送付すること。 10.2.3. 追加報告 一覧表作成の過程で、必要に応じて担当医師に対して詳細の追加報告および画像その他の検査所見等の提 出を求められる場合がある。 10.2.4. 転帰報告 当初報告で転帰が確定していない場合、当該有害事象の転帰が確定した時点で転帰を報告しなければならな い。 ※担当医師もしくは施設代表者は、要求された資料もしくは報告を遅滞なく提出しなければならない。 10.3. CJLSG 事務局の対応に関する手順 参加施設より有害事象報告書が送付された場合、CJLSG 事務局は CJLSG 臨床安全性情報取り扱いガイドラ インの手順に従い、内容の確認及び関係各所への連絡を行う。 10.3.1. 詳細報告追加および転帰報告 CJLSG 事務局における一覧表作成の過程で、必要に応じて担当医師に対して詳細の追加報告(二次報告)お よび画像その他の検査所見等の提出が求められる場合がある。担当医師もしくは施設代表者は当初報告が確 定していない場合、当該有害事象の転帰が確定した時点で転帰を報告しなければならない。また、要求された 資料もしくは報告書も遅滞なく提出しなければならない。 10.3.2. 緊急対応の判断 各施設から報告を受けた CJLSG 事務局は、報告内容の緊急性・重要性・影響の程度などを判断し、研究代表 者と相談の上、必要に応じて登録の一時停止や参加施設への周知事項の緊急連絡などの対策を講ずる。参加 施設への連絡においては緊急度に応じて電話連絡も可であるが、追って可及的速やかに文書(FAX/郵送 /e-mail)による連絡も行う。 10.3.3. 効果・安全性評価委員会への報告 報告有害事象リストは、CJLSG 事務局から提出する。 緊急提出 「臨床研究に関連する予期しない重篤な有害事象」、または「臨床研究に関連する予期される重篤な有害事象」 のうち「死に至るもの」及び「生命を脅かすもの」が発生した場合、更新された報告有害事象リストは当該有害事 象に関する詳細報告ならびに見解及び対応策を添えて、直ちに効果・安全性評価委員会に提出され、審査され る。 提出された報告有害事象リストに対して、効果・安全性評価委員会より指示があった場合、研究代表者、 CJLSG 事務局はそれに従って対応する。 審査結果に異議があれば理由を付して効果・安全性評価委員会に再審査を申請することができる。 通常提出 上記の緊急提出に該当しない重篤な有害事象が発生した場合は、当該試験の更新された報告有害事象リスト をCJLSG 理事会に先立ち、効果・安全性評価委員会にも提出する。 提出された報告有害事象リストに対して、効果・安全性評価委員会より新たな指示があった場合、研究代表 者、CJLSG 事務局はそれに従って対応する。

(35)

35 効果・安全性委員会の承認がとれた報告有害事象リストをCJLSG 理事会に提出する。 審査結果に異議があれば理由を付して効果・安全性評価委員会に再審査を申請することができる。 10.4. 効果・安全性評価委員会の責務 効果安全性評価委員会は、報告内容を審査・検討し、症例の取り扱いや登録継続の可否を含む今後の対応に ついて研究代表者およびCJLSG 事務局に文書で勧告する。 10.5. CJLSG 効果・安全性評価委員会事務局 名古屋大学医学部 呼吸器内科 長谷川 好規 〒466-8560 名古屋市昭和区鶴舞町 65 TEL: 052-744-2167 FAX: 052-744-2176 E-mail: [email protected]

参照

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