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玉葱の分球に関する研究 第一報 分球芽の分化,発育について-香川大学学術情報リポジトリ

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(1)

香川県立農科大学学術報告

玉葱の分球に関する研究

第一報、‘分球芽め分化,発育について※

倉、田 久 男

Studiesノon坤ebulbdi勇sionof onion、(Alliumc@a,L.)

l\On thedifferentiation and development ofdivisionbuds.

BY Hisao KURATA (LabQratOry OfVegetableScience) (Received August26,1954) 184 〔.Ⅰ〕緒 良 筆者ほ発に分球が早生玉葱の早期出荷栽培及び球審栽培に.於て考慮されねばならないことから玉葱 の分球澱瀾東、ついて調査を始め,その内普通栽培に於て見られる秋,春並に母球抽苔側芽及び大苗抽

苔側芽について夫々の分球芽の分化開始期及びそれらの植物体の大きさ,環境条件の共通する点につ (壬)(5)

いて橡報し葱の場合と性格を異に.しているノ点を指摘する処があった 本報はそれらの基礎となるべき分球芽の分化及びその発育について調査したものである.本研究の 施行並に成績故障めについて御懇篤なる御指導を戴いた藤井健雄,渡辺正・−づと生並に調査に協力され た前野研一\氏に感謝の憲を表する

〔‡二〕材料及び方法

分球芽の分化,発育及びその終期の調査には前報(4)と同様,1948∼1949年,長野原伊那市に於て8 月下旬播健,10月下旬定植の1−」殴栽培の泉州黄玉忽及び1953∼1954年香川鼎平井叩こ於て8月28日. 9月5日播11月9日定植の貝塚早生,愛知白並に9月7日,12日,16日播種ユ2月10日定相の泉州黄の 各材料について10′}30倍双眼又ほ.単眼解剖顕微鏡を用いて調査した..侍実験の、一∴部に.用いたMHほ日 本典薬のMH∴30を用い,0..1,0..05,0‖OLOい005の各%液を9月28日播の泉州黄で定借時の苗の大き さを約6gに鳳えて定借した申から更に発育の斎−・な処を選んで,牧獲前1ケ月の5月14日撒布した が撒布中小雨があったので更に翌15日同挺庶溶液を撒布した‖何れも三共ダラミンを添加し滴下する 迄充分に撒布した. 〔丑〕結果及び考察 1一.分球芽の分化 玉葱の生長点は分化した葉が′トさい内は衣われているが英の発育に伴って葉の側から被覆され,約 鴇被偏した時次の菓が1800の位置に分化するり分球芽は想と同様(L2)!ら葉序の内側,腋芽の位置に発育 して続く葉序を崩さない,即ち分球芽の生長点ほ.香川に.於ては秋でほ10月下旬∼11月,第10∼12菓, 春では4月下旬ハ・ノ5月上旬,球径2..5∼3、.Ocmの大きさの時で(ま、(5)その生長点部の分球前最終案(第 n菓)の次の菓(分球後第1葉と.なる,n+1薬)が形成された時,その英鞘中央部,即ち第n菓と 察菰菜園芸学研究室業債第3等

(2)

185 第6替第2号(1954) 生長点と.の問にやゝ隆起した楕円形の平坦又は丘陵部として始めて 認めることが出来る,丁度葉と生長点との間に挟・まれた状態である 叫1 から楕円の長径ほ今までの菓序方向と直角である. 第一・図 分球芽分化発育 1”分球前 2‖分球芽分化 3.分球鶉1葉形成 4.仝第2葉形成 5小仝上から 6。仝弟3英形成

写真−・ 分球芽の分化

2. 1り2図 左から新生長点 塗長点 n+1 n・+・■2薬分化始 之が少しく発育すると楕円の1方,稀に.は両雰が丸昧を以つて隆起して享削こ周囲からやゝ陸産して 来る‖之が分球芽の第1葉(T王菓)の分化である..従、つて楕円の長径に案を分化するので分球芽の 葉序薗ほ今凍てと直矧こなるのが原則であるが,圧迫された球の内部では,特に勢二次以降の分球で は色々の形があることほ後述する通りである.この頃の分球芽の形は分球前の玉葱生長点をやゝ細長 く小形にした程度で略んど円形である∴T,.Ⅰ葉を分化する頃殆んど同時にn+2菓を分化しているゐ で分球当時の両生長点の英数の差は1放である.その 2‖ 3月下旬 後発育した場合にも同様であることは両生長ノ点の発 育逮嘩が同一・であることを示している. 写真二 分球芽発育 1.11月5日 分戴しないもの 分球したもの (各英数が4と3である) 各芽⊥英ずつを除いてある 小さい方が分球芽

(3)

香J【卜県立顔料大学学術報告 分球しない節仲∴に.於て腋芽を認めること.が出 来なかった処を見ると.他の球根と同棲(Jl)週期 的の発生をするもののようである。.然し肇」・吹 分球が行われる時期に条件の恋いと思われる場 合,例えば香川県に.於て11月下旬生長点より3 ∼4案下陪の節問に発育していない芽の痕跡を 認め,或ほ春の分球開始前である4月21日母線 抽苔側芽の実数が6′−8故に増加したものはそ 186 算一豪 分球後の発育比較

芽卜昇一竿畢苧菩−−j分場数

L星

云妄言

≡.;m‘<≡二:Cm

0ト8loひ12

018く005

9月フ日懸穐泉州輩 .11月23日調(香川1954) の第五菜にり 叉ほ乾燥状態で栽培したものは5 月,条件の良い場合分球する位置に,他節位に比し相当広い平坦部とな、つているが新生長点が発育し ない場合(写毘三)などを認めることがある小然し その前後の節位では認めないから分球芽の未発育 のものと鹿足される..但し分球芽の発育の差が2 菓以上開いていることほ認められないからこゝに 新分球生長点が後生し又は遅くれて発育すること 憬ないようである. 前述の分球生長点の両側から菓を畢生凍るもの は直ちに新度凄点が2ケに分れる場合で第二次分 球以降に歴々見られる..之が発育すると/両側に発 育程度の同じ分球芽2ケと、,・そLの中央に1実弟背 教二因 三芽並んだ分球の進んだ芽1ケとが三角形 の位層に.並ぶようになり各 々の葵序ほ 略々同一・芳 1 何である..(写贋四,第二図) 亦,極く稀に5∼6月の分球の進 んだ内部に於て圧迫された分球穿 か非常に巾広い葉を生じ その内 部ほ細長い生長点となる場合があ る一.羊の芽は発育程度の同じか又 は1≒菓、芸の分球を同時に4′}7 新生長点の両側からを薬を分化してぃる ケ,1′−2列に並列発生するか,或は巾の広い葉を特つ生長点を2∼4ケ 並列して,その各々が1∼2英で更に分球して10芽以上磯生的に分球する 3つの芽が亜列したもの 場合がある,(写真,五,) 1. 巾広い穿と多数分球の1例 細長い生長点のユ例

(4)

第6巻第2号(1954) 187

2 分球彼の発育と第2次以降の分球,

(a),秋に.於ける調査 本実験に用いた程度の苗では秋に於ける第2次分球は殆ど行われていない(爵二表写真六)従って 10月下旬∼11月第1次分球した(4)く5)徽各 第二衷秋に潔ける分球経過(1948∼9) 生長点は夫々葉数を増加して2月花房を分

化し又ほ花を分化しないものは更に英数を 晶 踵

増加して春肥大するのである.第1次分球 −¶

彼の英数は貝塚早生で調べてみると花房分′ 愛知白 化迄8ハ・ノ10菓,分化しないものは春の分球 (4) 開始迄16菓位であった. 写屈六 秋の分球の発育した.もの 風教早生 泉州費 ※ 定植期(愛知白,且嫁早生11月8−9日,泉州黄12月 10日)に於ける大筒10−−30森の1本平均冨畳. ※※ 見塚早生9月5日播の内1球は5つに分かれたがそ の他は何れも3つに分かれていた. 外観的に.分球を認めるのは8月28日播のもので12月中旬,分 球後6′・〕7英を分化しその第1英が抽出する時である..秋の分 球と.花房分化,抽苔とは直接関係のないことは各々の分化期か ら考えて当然であるが,定根暗同じ大きさの苗であっても分球 右1次分球のみ

左2次分球の行なわれたもの したものの抽苔率ほ分球しないものの抽苔率より高い.(第

三表写真七)こと.は苗の質的件に共通のものがあるのであろう..分球叉ほ抽苔淘汰の場合考慮されね ばならない. 第三衷 分球 と 抽苔(1) 写置七 蔓三、【分球二と.抽苔 ・・・ ∴ ・.:: 9月5日 中筒 植 付 濁 数 分・ :域 数 分 球 率 抽 苔 数 分 球 不 抽 苔 分球したものの抽苔率(2) 宋分球の抽苔率 (0 品種貝塚早生 (香川”19朗) (2) 分球1茎抽苔+2茎抽苔×1∞ 分球数 僅かに行われた第2次,第3次分球の個体に於け る第1次分球以後の発育,分球経過は春の場合と同 棟であって,その分球間英数ほ2′・)4葉であったい 秋に於ける第1次分球以後の発育は葱の場合(】6)と.略々同株で,分球芽の葉序方向は分球雰向,即ち 今までの英序方向と政和こ・なり,n+1,n+2葉ほ分球前と同一・菓序面に発生するがn十3英で450

(5)

香川県立農科大学学術報告 第三図 分球後の菓序の転位(秋) 188

n+4英で更に450転位して完全に直角方向となり2つの芽

の英序方向が平行する..(第三国)然し菓が抽出する時ほ

n+2又はn十3葉で完全に直角方向に指向する場合がある・ (b)春に於ける調査

審,球の肥大開始に.伴って分球を開始してからの実数,菓

序ほ凡て1棟ではない,即ち分球開始後は平均101−15日につ

き1回づつ(第四表)1′−5案,多くの場合2′−3英毎に率

の分球を繰り返えしている(第五表)こと.は門札 伊藤氏(S)

の調査と.同株であった,原則的に.ほ分球方向は今・までの英序

方向であP,分球芽の菜序は今までと直角であるが,然らば

1′−3葉で分球する場合葉序の転位,分球芽分化は如何と云

うことに.なる.亦同一方向の分球も相当多く憩の場合誹)と

異って球の内部に於ける分球に変化が多い. 命

ヾ‡芽

l 】 :J′ 仇汁う ∼… 象 第四表 替 の 品種泉州賛.収穫期7月始(長野.1949) (1)前と.直角方向に.分球する場合 1.2∼3葉で直角方向に転位■して−直伽こ分球する (第四囲A)のが最も普通であるけ転位サる実はその 第五表 替の分球間英数 初生が施葉序に従 って正しい位置に 発生するがその範 囲がやゝ広く,菓 身はそ・の1 ̄方に初 生して来ることに 2{′3薬で方向転位

計163llOOl203!100

1.第1次以降に於ける分球間を調査した

2こ 何れも泉州葦 依るもので,このように分球すると分球芽の某序は今 までと直角方向である.

2‖1′・)2葉で分球する時,新生長点及次の英から急に直角芳向に転位することも稀には見られ

る.この場合も分球芽の英序は今までと直角てある.(範囲囲牒)

C 3..巨−2葉は勿論,3∼4菓で分線する場合でも英序はそ・れ迄

に転位せず,新生長点は英序方向に初生するが球の内部に圧迫

されて細長く,実はその極く1 ̄方に片寄ってn+1英のHjの外

に発生する雷に2つの生長点が並列する.この場合は前の分球

方向転位せず 分球と共に方向転位・分球芽の転位二+ ̄方向と滴角になるが分球芽の某序方向は今迄と同一・方向であ る.」要々見られる形であるい(姉川図C)

(6)

第6巻第2号(1954) 189 (幻 前と同一方向に分球する場合 この場合は菓序の転化が行なわれていない.第2′−3次分球で,その球の最初の同・山・方向分球の場 合に・於ける前分球との間の英数は1∼4葉何れの場 合もあ挙が比較的1′−2葉の野合が多い叫(第六 表)唯,第2次で第1次と好一・方向に分球して3芽 並列した場合,第3次は決って直角方向であるが第 4次ほ英数の如何に係わらず河一・方向に並列し,第 1次の別の分球芽は第2次ほ.直角でも箪3爽は同・一 方向が多い.従ってその球の2回目の河一∵方向分球 にぬける英数は1∼3菓,何れの場合に.も見られ る.之ほ内部に圧迫されて扁平になった芽で多く見 第六衷 前と称一一・方向に分球する 場合の分球間奏数 同、一、方向に分球した 次,またはそ・の次の場合 3 つん 5 ∩︶ 品種泉州費 (香川1954) られる現象である. ゆ 1′)3案で45◇方向に男、球する場合, これ■では葉位ほ転位せず分球芽及び分球後魔1菓で方向に変えている ㈲ 同時に.2芽叉ほそれ以上分球する場合,前述の通りである. 分球開始後∴分球間英数ほ個体内の変化が多きく個体聞の差は認められない.従って分痍後1 発育羞を持つ2つの芽の次の分球が同一・英数で,1菓分化の時間差を持って平行しで分球している訳 ではないが,2つの芽ほ分球問英数が同数か叉ほ分球した雰が常に.英数が多いのが普通で分球した芽 は球の肥大も小さく内部の分球数も少い. 亦,最終迄凡ての芽が分球を継続していない場合のあることは分球終期に.於て後述する通りであ る.最終分球以後の英数増加に.ほ菓位の転位ほ明瞭でないが英数を増加して秋発芽する填でほ各分球 芽の菓序方向は球の中心部に対して直角方向に.なっているものが大部分である 審に於ける分球初期の英ほ肥大菓となって抽出しないものと抽出するものとがあるが,最終分球又 は之に近い分球の英でほ秋抽出するもので,その過渡期に.は抽出するが菓身の類いものがある. 3一.花茎側芽の分イヒと.その分球 花房分化直後総竃が頂部を少し被覆した頃(香川県に於て泉州黄母球の場合1月17日,泉州資,貝 塚早生の大君の場合3月3日)にその基部,最終案と花茎と.の問に前記分球芽と同様な形で新生長点 か1ケ発生し,絵巻が完全に頂部を包む頃は筍1葉を分化しているい(写真八,第五因) 写尿八 花茎側芽の分化と 発育

(7)

香川県立顔料大学学術報告 欝五因 花茎側芽の分化 母球定植で茎数の多い場合ほ花茎と最終葉と、の中央,今まで 190 の菓序方向より球の外 部に.片■寄った45′−600 位の処で,その簡1葵 は外側から発生するの が普通である .(第六 欝六図 母球に「於ける側芽の発生 郷里叱 _●..__−・ 新生長点の発生 仝 上から 図)奄って側芽の英序方向は花房分化前の葉序方向に.略々近 いことは窓(14)にイ玖ているが分球数の少い場合亦は大苗抽苔の 場合では新生長点ほ花茎と最終案の中央にあって直角方向に・菓を 分化する場合と,新生長点が450方向に片寄って発生し従って角 度を以って発生する場合とが見られ,−・股に後者が多いようであ る(寛七図) その内部に於ける菓の増加,分球ほ普通球に焚ける春のそれに 略々同・−・であった..畦長野原では側芽の実は凡て肥大英で抽出せ ず,4∼6案分化して第1次分球をしていたがノ,香川県では花茎 及び側芽の発育が早く4月21日苔長37∼皐Ocm,側芽?分化菓数4 (ノ8葉になっても凡て未分球で,その中には最初の菓から肥大し ている場合もあるが最初の2′・}3菓ほ普通の菓として発芽しその 欝七図 苗に於ける側芽の発生

嘩葺;、抽

.′癖摘

j

漣矩句

‥・、

(壬)

川が多いことほ,花茎と側芽の発育が同一傾向であり,然も,各小花の分化か温暖地が早いく1)こと

に伴って側芽の発育開始が早く,且発育が速かで,然も発育を始めてから分球及び肥大開始期迄の期

間が暖地が長いことから,分球又は肥大環境濫なる前に・実の増加が進んだ馬と考えられる.

側芽の第1次分球が側芽の菓序方向に発生することは芽の分化及びその位置から考えて当然である

が,側芽が非常に局平の場合では僅かの英数の問に・2∼4分球芽が横に並列し,叉ほ非常に・細長い生

長点(長さ3mmに及ぶことがあった)を作って同時に・3∼7芽を分化することが見られる.そ−の彼

の分球及肥大ほ花茎の発育に依って興り,花茎が発育長く開花結実する場合は側芽の肥大及びその内

部の分球ほ普通球程多くないが,花茎の発育が挫折し■程場合ほ普通瑚臥上に肥大して分球数も多くな

るい之は栄蕃的発育の謬程であることから推して当然と云えよう

母球の場合側芽生長点が数葵を分化してその頂部に花房を分化することがある..即ち10月30日定植

母球で3月6日花茎1一−1..5cm,側芽3∼4mmの時葉を4案分化して花房を認め4月21日第1花茎苔

長35∼50cm,側芽の巾1”1∼1.5cmでその節1菓長25∼37cmに達した時に10本調査中3本が側芽の

4辛の内部に花茎1‖1∼2.Ocmに伸長し更にその側芽が0.15∼0..2p血になっていたが之ほ抽出せず.

第2次側芽は第1次側芽の葉と共に肥大発育した.然し10月10日楷の泉州賢一づ殴探種周場で第2爽花

茎も抽出し第1次花茎より10∼20日位遅くれて開花し夢2妖花茎の側芽の肥大発育する場合もあつ

た.更に.7∼8月食品冷滞庫に.2ケ月冷蔵して9月定植した噂球は秋半数が抽苔したがその後花茎は

凡て枯死し,その側芽が発育して翌春正常に抽苔している.これ等の場合“主茎頂芽が花が出来て更

にその側芽に花が出釆たのか,■或は花の出来る直前分瑚してその各々に・花を分化したものか確認して

いないが,分球抽苔の場合と臭って第一・妖花茎の最終其の次に蕃二次花茎を発生し第2次花茎は4案

分化していること,花房の分化頃が分球活動期でほないことから側芽が花を分化したものと推論され

る‖第2次花茎が抽出しないことは,花茎か小花を分化する前に高温状態,特に高温長日条件に・なつ

て側芽が肥大して来ると,竃が葉状に発育して花の発育が劣ったり(¢)花茎が発育を停止して抽苔しな

い(6)く8)ことから推して,分化が遅い箆,それ迄に発育しない内に高温長日条件になる馬であろう.

(8)

191 第6巻第2骨(1954)

RoBE】ミTS氏等(8)は玉葱の花茎側芽を外観的に/観察して,之は頂部紅花をつける球根類と同株に

取放っている

芽があって陶花期頃から肥大し,′その内部ほ忽年の腋芽をつけるが分球しないTulip(蝋11)それに逝

い簸根IJrisや,周りから更新しつゝ年々鱗片を増加しでその周辺に遭い不忠寿が分球し,第2次分

球の行わないHyacinth,その中問の水仙(11〉などと分球経過ほ相当に異っている.

4.分球終期

第1次分球以後の金野化英数及分球状況についで収穫期の6月18日と牧穣前約25日の5月20日とを比

較してみると(第七表)菓数に於て3英程度,分球回数に・於て約1回の差があり,菓の黄変,、収穫期

近「く迄活動していることを示してい る.更に.1ケ月経過した7月14日の調 では収穫当時と差がなく葉の枯死以 後英数の増加及び分球は進行していな いものの如くである.因に最終分球以 後の英数に.ついて調べてみても(第八 表)分球直後のものから7葉位迄の変 第七表 敬穫期及貯戒方法の影響 化がある 内で1∼ 5其の分 球問英数 に匹敵す るもので あっても 第八乗 最終分球彼の 分化英数 英数17月ユ叫申24日 0 1 2 3 計126l24l14l.17 45l30 3次l3次(去馴 3次l2∼3次

4次14次

内部生長 4

点附近は 5

分球中の 6

(1)第1次分球以降の全英数.. (2J第1回収穣は5月20日 球径 5∼6り8cm. 貯蔵したものの調査は7月13El. (3)第2画収穫は6月15日(普通収穫期)球径8∼ユOcm. ものに比

し肥厚しており,普通分球英数を超して6∼7其のものもあり何れも宿

勤して・いないことを認めることが田来る‖亦早期に収穫した球(球墓66gr償径5′、ノ6・・8cm)を英付

(英重143gr),及菓切除して日陰風乾状態に置いたもの,薬切除して25′−300cの電気恒温掛こ入れ

た.ものを比較してみると.,(賂七表)収穫直後に比し辛切除区,及び高湿区ほ変らず葉付区ほやゝ垣

加の傾向にあるが6月15日収穫したもの(球蓬315gr直御∼10cm)には及ばない..このこと.ほ早廃 り乾燥に償って其の分化,分球を早く終了せしめること・,及び生薬がついているものほ多少増加ゐ傾 向に.あるがその程度は極く僅かであること.を示している 第七表及び第入寂から各芽の第1次分球以降の全英数の変異に比し最終分線以后の英数の変異ふ大

きいことは,同じ球の内部に於て1部の芽が分球を早く停止して英数のみ増加しているものがあるこ

とに原因する。即ち7月14日調査の最終分球以后の英数が,1∼3其の芽は第3∼4次分球以居であ

るのに.対し4∼5其の1部と6∼7其の凡てほ第2∼3爽分球で停止したものであった,また6月24

日の調査はその代表的なもののみについて統計したものであるが2∼3某と5∼6実に・2つの山を認

め,前者は第4次(1部第3次)分球後の英数であるが,後者ほ第2次(1部第3次)分球盾の英数

で,その間,約20∼25日早く分球停止したものと推定される“このように・分球を早く停止する芽は1

球の内1方に集中しているのではなく第2次分球4芽の内何れの芽に於ても1芽づゝと云うように分 布していること.は分球肥大に伴う内部の圧迫によるものであろう.

(9)

香川鼎立襲科大学学術報告 192 5.分球に及ぼすM..Hの影響 分球及び英数増加に・及ぼすM・・Hの影響を確める日野で低濃度の溶液を収穫前1ケ月払連続2回(第 1回ほ小雨中)滴下サーる迄充分に撒布したものを6月15日収穫,6月24∼25日球の膚径8∼9cm?聯? た琴笹、ついで調李してみると,(第九表)0才−0..05%液でほ完全に実数増加を停止し従って分球も嘩加 しないが0.01%及0ル005%液は棟準無撒布と同 様に分球,英数増加している.以上からMHは英 数分化の偉止に伴って分球も終了させるもので 争球のみ停止して実数を増加している個体は 認められなかった.この事はMH撒布に依って 収穫叉ほ貯蔵中の球の内部が隙いて来る(9)原因 を:昏すものであろう、亦実数増加を停止した濃

度では年長点部,直径6∼10mm程度細胞が死

んで萎凋変色しているものを認めた.之は早探 り葉切除の場合に見られる成る葉のみ腐敗して 生長点部が健全であるものと異り内部生長点か ら完全に死んでいる.然も之は球単位に表われ 第九表′MH撒布め廟・響

討 】 3フ 23 1 25 1 29 【 39

死んでいる芽の球は凡ての芽が死んでいること 腐敗数」ol9l17l ol o

はMHが英数増力口を停止させる働きほ各個体同 楼でも腐敗に対しては個体差があること及び同 −、球内では各芽が同・一・の影響を受けていること呈 分 球l4次l2∼3次l2−3次】4爽l4次 (刀:第1次分球以眉の全英数を示す. を示している..之がM.Hの直接的影響であるか又は葉の分化停止に.伴う2吹的影静であるかは明瞭 でないがMHを撒布した貯蔵玉葱龍於ける内部からの腐敗(2)(9)の原因を為すものと思われる、 〔皿〕摘 要 1仲 分球の基礎となるべき分球芽の分化とその発育について解剖的濫.調査した.

2。分球芽は腋芽の位層常葉1故遅くれて発生し,その1方に菓を初盆して平行して発育する.従

って分球芽の菓序は今甘での直角方向になるが,菓の分化が横にずれて並列することや,分球芽が両 側に.菓を初生して3生長点になる場合等変化が多い.

3・秋に於ては第2次分球は趣く稀で,第1次分球後葉序ほ第3菓で450,琴4葉で直卿こ転位す

る..秋分球したものほ抽苔し易い傾向がある. 春でほ1∼5葉,多くの場合2′}3莱毎に分球する付この場合の分球方向,∵菓位の転位は多岐で英 数の聞に明瞭な関係ほない 4い 分球芽の発生ほ週期的であるが発生条件の良くない時ほ不発育状態を認める 5..花茎側芽は給包形成の頃花茎の腋芽の位置に初生しその1端に葉を分化する一その発育位置は 分球の多い母球では45∼600の外側に,分球の少い甫でほ450又は直角方向で,その後の発育は普通球 と同様である 6.母球では側芽が亦花になること.があるが抽出することほ少い.

7・休眠に伴って英数増加を停止し分球を終了する.早く収穫した場合やMHO.1L∼0..05彩を撒布

すると早く分球終了させることが出来るが同時に菓散増加も停止する..0..01%は作用しなかったい分 球を停止する濃度では撒布後40日で生長点部の腐敗したものが54%に及んだ

(10)

第6巻第2骨(1954) 193

〔Ⅴ〕引 用 文 献

(1)・・今津 正,外8民;玉葱生態分化に・関する研究,阻各地に敷ける花芽分化期の調査,文部省科学試険研究報 告,ユフ,ユ9∼30,1954 軌 伊東 秀夫;MHは玉葱に.対してどう効くか,漫談園,29,(6)フ59二}762,1954 (3),門田寅太郎,伊藤 満;「泉州ヨ言葱」の箇及仔矧こ就いての調査,巣及臥24(フニ)469∼4フ0(8)547.∼548 1949 (・生)、.倉田 久男;玉葱の分矧こ関する研究,分球芽の分化期について(予報)香川麒大学彷報償5(.3.)199∼205 1954 ;仝上,分球芽の分化期に.いて,昭29春園芸学会,1954 ;仝上,日長及湿度の影響について,釆発表 (廿松原 茂樹;本田 弘;忽顆の分薬に関する研究,(第1報)分球機構に就て,園芸の研究31,98∼1071935

(8),RoBERTS,R,H,and STRtプCI;MEYER,B,E,;Observation on the flowering of Onion,Proc,Amer, Soc,Ho工t,Sci,58213・−2161951 (9)′)篠原 拾署,ニ富 敬治,山本福太郎;玉葱の貯掛こ及ぼすMI‡の影響,(第1報)(第2敵)昭29春園芸学会 1954 師.志佐 誠,万豆 剛一;チーユーリップの分球に関する研究,京大園芸学研究集録,6,124′}130,1953 餌.塚本搾太郎;花井汎論,92ルユ0ご3,ユ952,東京養賢堂 開.八鍬 利郎;葱顆の分掛こ関する研究,第一感,窓の第1次分薬機構に就いて,国学雑21,(4)236∼240, ユ953 ;仝上,篤二灘 葱の第二次分葉機構に就いて,昭詔秋園芸学会発表質旨ユ953 ;仝上,鶴三報 葱の花芽及び新生長芽の形成とその発育,昭29春園芸学会1954

R占s u m昌

1..Thisreportconcerns ananatomicalstudyonthedifferentiationofdivisionprimordia

and development of division budsinonion.

2.、ThedivisionprIimordiadifferentiated onthepositionof axillarybud and developed

inparallelwith thedifferenceof oneleaf ontwo growlng■pOints小The firstleaf of

divisionprimordiadifferentiatedontheedg・einithe primordia whichhad been at a

right angle to the phyllotaxis on the growing■pOint・I、Differ■entiation of division

pr・imordia had periodicity;butundeveloped pr■imordia wasfoundin theplantsgrown

at a low eemperature or under dry condition

3..In autumn,the second division was scarce,the phyllotaxisin the gr・OWlng・pOint

after・the formationof divisionbuds showed a right angle to the division buds on

the first and secondleaves,and pr・ailalelism with the fourthleaf.

4いIn sprIing,thesecond offollowingdivision bud differentiated when thosebudshad

l.51eaves,its direction was var・irIable and unrelated to the number ofleaves. 5。The vegetable axillar’y bud accompanied with a young scope differ’entiated by the

scopeaxis at theinvolucr’eformingand developed similar−y Withthebudinthebulbs.

Frequentr・y,the axi11ary buds differ・entiated to become flower・Clusters,but those

Culusters did not develop at a hightemperature andlongday at the timebefore the

Stage Of each’flower differ’entiation.

6..The differentiations ofleaves and division pr■imordia wer・eSuSpended bydormancy Of bulbs,earIly harvest and spray ofO..050rIO,1%solution of M.E。30.

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