サンドビック株式会社
スウェーデン視察
報告書
平成28 年 10 月 25 日 マザックニシカワ㈱ 勝田 裕貴 日程:平成 28 年 10 月 10 日(月)~10 月 15 日(土) 場所:サンドビック株式会社 本社 プロダクティビティセンター マテリアルテクノロジー ジモ工場 参加者:北口係代、川崎係代、星野係代、矢川主任・山本主任、西川主任、後田主任、 川合所員、勝田 サンドビック株式会社 田中氏 日程 10 月 10 日(月):関西国際空港を出発 サンドビケン到着(現地時間PM9:00) 11 日(火):プロダクティビティセンター見学 マテリアルテクノロジー見学 サンドビケン 12 日(水):ジモ工場見学 ツール・インサート工場見学 13 日(木):ストックホルム観光 14 日(金):ストックホルム出発(現地時間 AM10:00) 15 日(土):関西国際空港に到着(AM8:00) 10 日 朝8 時に関西国際空港に集合し、飛行機でフランクフルトまで 11 時間、フランクフルト からストックホルムまで2 時間かけて、スウェーデンに到着。そして、空港からバスで移 動しサンドビケンに到着しました。現地ではコートが必要なくらい寒く、日本の12・1 月くらいの気温でした。それでも例年よりも暖かかったそうです。11 日 ■プロダクティビティーセンター ●北口主任による挨拶 ●後田主任による会社案内。 ●サンドビックコロマントの会社案内。 1864 年 ヨーラン・グスタフ・ヨーランソンがサンドビックを創設。 ベッセマ法で大量のスチール生産に成功。 1842 年 サンドビックコロマント創設。 コロマントの意味 ・宇宙の現象で最も感動をよぶ「コロナ」と地球上で最も硬く輝き続ける 「ダイヤモンド」(スウェーデン語で「ディアマント」を合わせて命名さ れた。 1957 年 スローアウェイインサートを導入。 1969 年 ガンマコーティングを導入。 1990 年 コロマントキャプトが市場に導入される。 2008 年 防振バーの販売開始。 ・毎年、約2500 種類の新製品が導入されている。 ・競合他社の2 倍の開発費用。 ・193 か国に工具を提供。 ・従業員8300 人を 150 か国に配置しサービスを提供している。 ・サンドビックのグループ全体では従業員48,000 人 ◇顧客の問題解決(with animation) サンドビックでは最適な提案を顧客に提案するために4 つの方法を実践しています。 ①最適な問題解決策の提供 問題解決・知識などのトレーニング ②知識の共有化 スペシャリストがいるので最適なツールを選定。 ③革新的技術 段取時間・切削時間の削減 ④顧客のモチベーションアップ 研究機関・教育機関と提携した新製品の開発
●研究開発 R&D 従業員 500 人 特許 600 件 工作機械 60 台 測定器 9 台 毎年50t~100t の切粉 毎年100~150t の加工ワークの消費 ◇サンドビックコロマントの研究開発部門について ①製品開発 新材種・コーティングの開発/工具デザイン ②アプリケーションの開発 新しい加工方法の開発/加工部品ごとの加工最適化 ③金属加工の研究 新しい素材の研究/新しい技術の研究 ◇FEM 工具解析 製品の構造上の問題についてチェックする為にFEM 解析を行っている。工具に負荷が 掛かったときにどのように影響するか等の解析をする。 ハイスピードカメラを使用し、切粉の状態・刃先の温度・刃先の摩耗状況を確認する ことができます。 ◇研究開発における最新のトレンド ・デジタルモデルとシミュレーションはより重要になってくる。 ・生産現場はより自動化された工場へと変わっていく。=スマートファクトリー ・データ上の中で、情報を集め、分析し実行することまでの一連の作業は、製品開発 からお客様に届けるまで全てにおいて変化をもたらす。 〇クーラントについて 社内では100Mpa まで対応可能なテスト機を保有。従来のモノとは全く違う、新し いクーラントを研究。また耐熱合金等の熱を発しやすい材料で効果的な低温の冷却 システムについても目を向けている。
〇フライスカッターの重量最適化 3D プリンターで製作されたコロミル 390 がある。重量を 72g まで削減、従来のカッ ターの1/3 の重量に相当します。 ・ビビり等の問題なしに、高い条件での加工を実現。 ・軽量化により、オペレーターの加工環境の快適化。 ・輸送時のエネルギー消費の抑制。 ◇工具 〇CoroboreXL ・大径加工用ボーリングツール ・クーラントスルー使用可能。 ・シール溝加工(バルブ) ・難削材・ビビりやすい・熱が上がりやすい加工に有効。 〇スカイビング ・歯切り加工 ・円テーブルの回転と主軸の回転を同期させ、工具軸とギア軸を45°傾けることに よって、歯切りをすることが可能。 〇コロターン300 ・8 コーナーチップ ・2 方向からクーラントが出る。 〇端面溝入れ加工 ・ダイナミックグルービング ・丸型チップで加工 ・単純に突っ込んで往復する加工ではなく、滑らかな動きをして溝加工をするこ とにより、適切な切粉の長さで加工が速い。 ・CAM が必要な複雑な動きをする。 〇Coromill 745 ・4 コーナーと同じ切れ幅の 7 コーナーチップ。 ・7×2 の 14 コーナー使用可能。 ・鋼・鋳物のみ ・仕上げは難しい。
・不等MD ピッチ ・不均等に配列。 ・ビビり抑制。 ・軽い。 ●所感 サンドビックコロマント社長が来られて御挨拶をしたとき、日本は重要な市場・工作機 械メーカーが多いと言われていました。デモ機はDMG 森精機の機械が 3 台あり、マザッ クはINTEi300 のみでした。サンドビックでいう高圧スルークーラントは 3.5Mpa とかな り高圧で日本の高圧スルークーラントの考え方よりかなり進んでいました。機械には高圧 スルークーラントに対応した、かなり大きなミストコレクターが置いてあり、加工が終了 しても油煙や嫌な臭いは一切ありませんでした。だから、機械と同じフロアに仕切りがな く、食事スペースがありましたが、快適に食事することができました。 プロダクティビティーセンター 機械と同じフロアにある食事スペース ■マテリアルテクノロジーセンター 午後はサンドビックの鋼材部門のマテリアルテク ノロジーセンターへ行きました。サンドビックグル ープの売上の大部分が鋼材の販売だそうです。 安全靴・ヘルメット・耳栓・ゴム手袋・保護メガ ネ・ベストと完全防備で製鋼所の中に入っていきま した。もの凄い音と熱気で圧倒されました。
ここではサンドビックの鋼材がどこに使われている かという紹介がされています。ケーブル・掘削ドリ ル・アイスホッケーの靴の刃など様々なところに使 われています。 3D プリンターで作成した鉄の靴。レディー・ガ ガが着用したモデルだそうです。 ■サンドビケン観光 夕方、サンドビケンの街を観光しました。サンドビケン はのどかな田舎町といった雰囲気でした。家も大きく、 外は結構暗くなっているのにカーテンも閉めないので、 家の様子が良く分かりました。
■ディナー 夜は、サンドビック招待のディナーでした。屋敷に入 ると写真のような方が演奏してお出迎えをしてくれま した。ウェルカムシャンパンを頂き、隣の食事会場えと 移動しました。 美味しい食事を頂き、食後にはウェルカムシャンパン を頂いた部屋に戻り、コーヒーやコニャックを頂きまし た。 食事後、”お茶会”を開きました。日本からお茶セッ トを持参し、山本さん・川崎さんがお茶を立てて、 星野さんがデモンストレーション、川合さんが英語 で解説を行いました。 モナカを食べきってから、お茶を飲まないといけ ないので、少々焦り気味で味わっていました。美味 しいとは言って頂きましたが、本当にそう思ってい るか怪しい感じがします。
12 日 ■ジモ工場 ・サンドビックの中で一番大きい工場 ・従業員:製造1000 人 エンジニア 600 人(ジモ人口 2700 人) 25%が女性 平均勤続年数17 年 平均年齢43 歳 ・65 年の歴史 ・2 勤制で夜は完全無人化した 24 時間稼働の工場 ・教育とも連携。サンドビックコロマント独自のスクールを開講。 ・超硬パウダー製造工場は世界に3 つで、アメリカ・イングランド・ジモの 3 工場です。 ・コーティング・研磨機・自動化システムは自社製造 ●インサート工場 ・従業員900 人 24 時間稼働 ◇パウダープラント ・60%がジモ工場で製造。 ・配分は73 パターンある。 ・8~55h 混ぜて、黒いヨーグルト状にし、それを乾かして、缶に入れ世界の工場に運 ぶ。 〇品質管理 ・問題のあった物を砕いたり、磨いたりして検査をする。 ・製品のロッドナンバーと母材は保管されている。
◇製造 ・粉→16t でプレス→母材が成型→磨く→重量を量る→キレイに並べる。 この段階では、手で割れるくらいもろい。 ・焼結 400℃で 3h~1410℃で 15h な加熱方法がある。 ・表面研磨 ・1 分掛けて外径研磨をする。 ・5%は抜き打ちチェックをする。 ・1 人で 11 台の機械を見る。 ・洗浄 コーティング前に行う。 ・コーティング CVD:化学反応でコーティング PCV:母材に噴射してコーティング チップの中心に穴が有る物は棒に串刺し。無い物はマグネットに付けてコー ティング。 ・ケースに入れる。 従来は赤ケースだったが、今後は黒の透明ケースに変わるとのこと。 ●インサート工場 ・従業員:500 人 (オペレーター 200 人 エンジニア 300 人) ・機械は全てロボット付きで自動化。 ・CAPTO はジモ・ドイツ・瀬峰のみ製造可能。 ・コロターンプライム新製品が来年11 月ごろに発表になるとのこと。切削条件が遥かに 良くなる革命的なツーリングだそうです。 ・ツーリングの色も黒から変更になるそうです。
●所感 ジモ工場はとても広く、ツーリング工場よりインサート工場の方が倍近く広い印象でし た。インサート工場の社内の研磨機はほとんどが自社製で製作費は1 台 1 億円ほどすると のことでした。ジモ工場は自動化が進んでおり、機械の周りには人はほとんどおらず、検 査をしている人か状況確認している人ぐらいしかいませんでした。機械の自動化システム は多関節ロボットを中心にワークを囲み、その周りに機械が3 台囲んでいるというシステ ムでした。ワークも1 個だけセットするのではなく、2 個同時に加工するなど、効率良く考 えられていました。 ■ストックホルム 夕方、ストックホルムに移動しました。今回のホテルはオシャ レでした。ロビーもアート写真が飾ってあったり、心地よい音楽 が流れていました。 部屋もオシャレでしたが、とにかく狭かったです。2 人部屋を 3 人部屋にしているので、スーツケースを床に広げることができませ んでした。 山本さんが翌日の夕食の予約ができているか、部屋の電話でお店 に電話すると、予約ができておらず、急遽予約し直して頂きました。 英語で予約確認する山本さんは凄くカッコよかったです。
●夕食 夕食はホテルの裏にあるスウェーデン料理のレストラ ンへ行きました。ここでも、席とコース料理を予約して いたはずなのに、席のみの予約になっていました。 右の写真は前菜です。真ん中のジャガイモと左のチー ズ以外、すべて”鯖”です。何か分からずに食べ始めた ので、全て鯖だと気づいて驚かされました。 メインはミートボールとマッシュドポテトでした。と てもおいしかったのですが、量がとても多かったです。 あとで店員さんに残してごめんなさいと、みんなで謝 りました。 13 日 ■観光 この日は、ストックホルム観光をしました。 ”ガムラ・スタン” まず、最初にホテルから歩いて20 分ぐらいの旧市街地”ガム ラ・スタン”へ行きました。ガムラ・スタンは綺麗な街並み でジブリ映画”魔女の宅急便”の舞台になった場所だそうで す。 ”ストックホルム王宮” ストックホルム王宮はとても広く、各部屋がとても 芸術的でした。
”昼食” 昼食は、本屋や劇場が一緒になった商業施設で頂き ました。 ちょうどお昼時だったので、どこも混雑していて座 ることができず、昼食を食べることができる場所を探 すのも一苦労でした。 ”ノーベル博物館” ノーベル博物館は無料で入ることができました。今年の受 賞者のところには”大隅良典”さんが紹介されていました。 ちょうど博物館に入る少し前に文学賞で”ボブ・ディラン” が受賞したという発表があったようで、速報の張り紙がされ たところでした。
”アイスバー” 夕食まで時間があったので、アイスバーに行きま した。部屋は-5 度に保たれており、バーカウンター・ テーブル・椅子・コップが全て氷で出来ています。 専用のポンチョを着せられて飲んでいましたが、30 分もいることができませんでした。 ”夕食” 今回もスウェーデン料理でした。私はベー コンと牛肉の何かを頼みましたが、とても美 味しかったです。
■所感 今回、スウェーデン サンドビックに初めて行きました。サンドビックというメーカー は値段は高いが良いものをたくさん使用している印象でした。超高圧のスルークーラント や難しいプログラムに変わったツーリング。かなり良いものなのは理解できましたが、日 本のお客様には合っていないものが多いと感じました。しかし、夜のディナーで”これが 世界のスタンダードだ”というようなことを言われました。高くても良い工具・CADCAM で作ったプログラムを使用することで、切粉の問題を解決し、自動化を可能にし、人の手 をいかに省くことができるかが重要だというお話をされました。スウェーデンの人はコー ヒータイムの時間が非常に多いので、いかに楽をして儲けようかと考える国民なのかな? と感じました。 先月のシカゴと今月のスウェーデンでの海外研修で多くのことを学ぶことができました。 機械加工に対しての日本人の考え方と海外での考え方には違いがあることを感じました。 サンドビックのような考え方が、日本には合わないかもしれませんが、良い考えには違い ないので、コストが掛かっても良いものも、お客様に積極的に提案していきたいと思いま す。 以上