• 検索結果がありません。

陸運と安全衛生 524 平成 25 年 3 月 1 日 ( 毎月 1 回 1 日発行 ) (2) 陸運業関係を中心とした第 12 次労働災害防止計画の概要 陸運業に関係する 4 つの重点施策について以下に紹介します 1 労働災害 業務上疾病発生状況の変化に合わせた対策の重点化 ⑴ 重点とする業種対策

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "陸運と安全衛生 524 平成 25 年 3 月 1 日 ( 毎月 1 回 1 日発行 ) (2) 陸運業関係を中心とした第 12 次労働災害防止計画の概要 陸運業に関係する 4 つの重点施策について以下に紹介します 1 労働災害 業務上疾病発生状況の変化に合わせた対策の重点化 ⑴ 重点とする業種対策"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

リスクアセスメントで作業マニュアル 実行します安全作業

平成 25 年

3

月 №

524

発行所 陸上貨物運送事業労働災害防止協会 〒108-0014 東京都港区芝 5 丁目 35 番 1 号 産業安全会館内 ☎03-3455-3857 代表 http://www.rikusai.or.jp 会員の方の購読料は会費に含まれております。 (印刷物による年間購読料3,600 円) 厚生労働省の労働政策審議会は、平成 25 年 2 月 15 日、第 12 次労働災害防止計画案について 妥当と答申しました。 この計画案は、産業構造や就業環境の変化に加えて、急速に進む少子高齢化、職場における ストレスの増加、東日本大震災の復旧・復興などに対応し、労働者の安全と健康を確保すべく 策定したもので、今後 5 年間にわたる労働安全衛生行政の指針となるものです。 厚生労働省では、この答申を受け、今年度内の官報公示に向け本計画の策定作業が進められ ます。 本計画のポイント及び陸運業関係を中心とした概要は次のとおりです。 また、当協会でもこの計画の目標達成に向け、新たな「陸運労働災害防止計画」の策定作業を進 めております。 1 計画期間 平成 25 年度~29 年度 (5 か年) 2 現状と課題 労働災害による被災者数(平成 23 年:震災直接 原因分除く) • 死亡者数:1,024 人(過去最少) • 死傷者数:117,958 人(2 年連続増加、平成 24 年も増加) 労働災害は長期的には減少しているが、第三次 産業では増加 (特に社会福祉施設は過去 10 年で 2 倍以上)。 死亡災害も減少しているが、依然、建設業・製 造業で過半数を占め、割合が高い。 3 計画の目標 ① 死亡災害:平成 24 年と比較し平成 29 年ま でに15%減少させる。 ② 死傷災害:平成 24 年と比較し平成 29 年ま でに15%減少させる。 ポイント① 重点対策ごとに数値目標を設定 労働災害全体の減少目標に加え、第 12 次の計 画では、重点対策ごとに数値目標を設定し、達 成状況を踏まえて対策を展開。 (例)陸運業では死傷者数を 10%以上減少させる。 ポイント② 第三次産業を最重点業種に位置づけ 労働災害が増加し、全体に占める割合が高ま っている第三次産業に焦点を当て、特に災害の 多い「小売業」、「社会福祉施設」、「飲食店」に 対する集中的取組を実施。 ポイント③ 死亡災害に対し重点を絞った取組 を実施 依然として死亡災害の半数以上を占める建設 業、製造業に対して、「墜落・転落災害」、「機械 によるはさまれ・巻き込まれ災害」に重点を当 てて取り組む。 ○ のご紹介 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (5)~(6) ○ ○ 小企業無災害記録表彰 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (6) ○ ○ メールマガジンご登録のご案内 ・・・・・・・・・・・・ (6) ○ 安全衛生教育講師養成講座を受講して ・ (7)~(8) ○ ○ 労働災害発生状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (8) ○ 第12次災防計画について労働政策審議会が答申(1) 陸運業関係を中心とした第12次労働災害防止計画 厚生労働省の第12次災防計画のポイント ・・・・ (1) の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2)~(3) わが社の災防活動 美野里運送倉庫㈱ ・ (3)~(4) 「高年齢者に配慮した交通労働災害防止の手引き」

第 12 次労働災害防止計画について労働政策審議会が答申

厚生労働省の第 12 次労働災害防止計画のポイント

(2)

陸運業に関係する4つの重点施策について以 下に紹介します。 1 労働災害、業務上疾病発生状況の変化に合 わせた対策の重点化 ⑴ 重点とする業種対策 <陸運業の労働災害の現状> ・ 陸運業の労働災害は全業種の約 1 割。 ・ 交通労働災害は年々減少傾向にあり、陸 運業の労働災害の 1 割未満。 ・ 荷役作業時の死傷者数は平成 12 年以降約 1 万人程度で推移。減少傾向は見られない。 ・ 荷役作業中の労働災害は約 7 割。また、そ の荷役作業中の労働災害の約 7 割が、荷主先 等の構内で発生。 ・ 荷役作業中の労働災害は、荷台や荷の上等 からの墜落・転落が最も多く 3 割弱。 ・ フォークリフト等の荷役運搬機械やロール ボックスパレット等の人力機械による災害も 少なからず発生。 <陸運業の労働災害減少のための課題> ・ 荷役作業に対する重点的取組が必要。 ・ 陸運事業者と荷役作業場所を管理する荷主 先等が連携して進めることが必要。 <講ずべき対策> ① 荷役作業の労働災害防止対策の普及、徹底等 陸災防とも連携し、荷役作業における安全 ガイドラインを周知・普及する。 ② トラック運転手に対する安全衛生教育の強化 荷主との役割分担でトラック運転者が荷役 作業を担うこととなる場合には、トラック運 転者に対する安全衛生教育の中で、荷役作業 の墜落・転落防止対策や荷の運搬中の労働災 害防止対策を充実・強化するとともに、荷役 作業の作業手順の作成支援等に取り組む。 ③ 荷主による取組の強化 荷主等が管理する施設での労働災害の防止 対策も含め、陸運事業者側と荷主側の役割分 担をモデル運送契約書の普及等により明確に し、それぞれが実施すべき事項等について、 役割分担に基づく措置の実施を促進。なお、 着荷主が発荷主にとっての顧客であり陸運事 業者とは運送契約を締結する関係にない場合 には、荷卸し時の役割分担や実施事項を、発 荷主が着荷主と事前に調整し、陸運事業者と の契約に盛り込むことが適当であるため、こ うした点にも留意しながら対策を進める。 ⑵ 重点とする健康確保・職業性疾病対策 ・ 労災認定件数が増加している精神障害を防止 するためのメンタルヘルス対策や、労災認定件 数が高止まりしている脳・心臓疾患を防止する ための過重労働対策について引き続き重点的取 組が必要。 ・ 業務上疾病のかなりの部分を占める腰痛が労 働災害件数を押し上げており、重点的取組が必 要。 ・ 夏季を中心に依然として頻発している熱中症 対策の強化が必要。 ⑶ 業種横断的な取組 ・ 取組の遅れている中小規模事業場のリスクア セスメントの導入を促進する。 ・ 60 歳以上の高年齢労働者は、労働災害発生率 も高いため、身体機能の低下や基礎疾患に伴う 労働災害発生リスクの増大と労働者自身が取り 組むべき事項について教育を行うとともに、広 報等により注意喚起を行う。 2 行政、労働災害防止団体、業界団体等の連携、 協働による労働災害防止の取組 <労働災害防止団体の活動の活用化> 労働災害をめぐる状況が厳しさを増す中、労働 災害防止について最も専門的なノウハウを持つ専 門家集団として、業界の労働災害防止活動の推進 役としての役割、労働災害防止に関する情報収集、 教育指導機関としての役割を担う労働災害防止団 体の果たすべき役割はますます重要。こうした役 割を強化するため、行政機関が保有する労働災害 関連情報の提供を進めるとともに、労働災害防止 に資する活動に対しては、この計画の重点対策を 考慮しつつ、引き続き必要な支援を行う。 労働災害防止団体が、労働災害防止団体法の精 神に則り、以下の活動を実施することを奨励する。 ① 所管する業界に対する労働災害防止活動へ の技術的指導及び援助について、具体的計画 を定め、自ら責任をもって実施。 ② 事業者による自主的かつ体系的な安全衛生 水準の向上を促進するため、所管する業種ご とに様々な技術上のガイドラインを策定し、 安全管理士、衛生管理士などを活用して運用。

陸運業関係を中心とした第 12 次労働災害防止計画の概要

(3)

3 社会、企業、労働者の安全・健康に対する意 識変革の促進 ① 経営トップの労働者の安全や健康に関す る意識の高揚 ② 労働環境水準の高い業界・企業の積極的公表 ③ 重大な労働災害を発生させ改善がみられ ない企業への対応 ④ 労働災害防止に向けた国民全体の安全・健康 意識の高揚、危険感受性の向上 4 発注者、製造者、施設等の管理者による取組 強化 ⑴ 発注者等による安全衛生への取組強化 ・ 外部委託によって安全衛生上の配慮義務や 責任を逃れたり、過度に安価な発注を行って、 受注者が必要な安全衛生対策のための経費を 計上できないような状況が発生しないよう、 建設業以外についても、発注者による取組を 強化。 ・ 施設等の管理者等が、自らが管理する施設 等を第三者に使用させる場合の安全衛生管理 責任のあり方について検討。 ⑵ 荷主による取組の強化 (再掲1-⑴-③) はじめに 昨年 11 月「第 48 回全国陸上貨物運送事業労 働災害防止大会」が沖縄県那覇市で開催され、 席上栄えある「優良賞」を受賞いたしました。 これも偏に陸上貨物運送事業労働災害防止協会 茨城県支部様、茨城県トラック協会様並びに適 正化事業指導員様、更には各関係団体様の皆様 方のご指導ご支援の賜物と心から感謝申し上げ ます。弊社は、平成 19 年の同大会におきまして 「進歩賞」を受賞し、重ねての受賞に感激して いるところであります。 さて弊社本社所在地があります茨城県小美玉 市は、県の中央部に位置し、首都圏から 80 ㎞と 至近距離にあります。北に県都の水戸市、東に 太平洋、南に霞ヶ浦、西に日本百名山の一つで あります「筑波山」が眺められる田園地帯が広 がる自然豊かな土地柄でもあります。市内には、 平成 22 年に開港しました茨城空港もあり、今後 の飛躍が期待される地域であります。また市内 には、カゴメ株式会社様、株式会社明治様、横 浜ゴム株式会社様、株式会社クレハ様等日本有 数の企業が進出しております。 弊社は、このような恵まれた立地の中で昭和 33 年 10 月に創業し、私で 4 代目となります。 現在は、輸送部門が 25tのウイングセミトレー ラーから 2t車まで 101 台の車両で運行してお り、倉庫部門は収容能力 1 万坪の倉庫で 15tか ら 1.5tまで 85 台のフォークリフトを稼動させ て営業しております。事業所でありますが、茨 城県内においては、小美玉市に本社営業所と低 温物流センター、古河市に古河営業所、石岡市 に石岡営業所、つくばみらい市につくば営業所 があり、県外では新潟県に上越営業所、長野県 に富士見営業所があります。 安全衛生への取組 基本的には、輸送及び倉庫に分けて部門別に 年間の安全衛生管理計画を策定し、その計画に 基づき進捗させております。 まず輸送部門でありますが、 1 ハード面で全車両にGPS機能付きデジ タコ及びドライブレコーダーを導入 一運行終了時にドライバーと共に速度超過 の有無・急発進・急ブレーキ・連続運転の法 令遵守等につきまして確認し、ドライバー個 人別に指導を実施しております。 2 アルコール検知器の導入 出庫時及び帰庫時に運行管理者が対面点呼 を実施し、体調管理やアルコールの有無の確 認を実施しております。 3 運転記録証明書による個別指導 毎年過去 5 年間の運転記録証明書を自動車 安全運転センターから入手し、過去に起こし た違反に対しての反省を促しております。 4 独 立 行 政 法 人 自 動 車 事 故 対 策 機 構 か ら ドライブシュミレータ「貸出し用自動適正診 断機器」を借り受け全ドライバーの適正診断 実施 上記機構からドライブシュミレータ機器を 借り受けて、全ドライバーに適正診断を受診 第 48 回全国陸上貨物運送事業労働災害防止大会「優良賞」受賞事業場

安全最優先で安全と安心を!

美野里運送倉庫株式会社 代表取締役社長 岩松健臣(茨城県支部)

(4)

させてドライバーの問題点を把握し、注意す べき事項について個別指導を実施しています (写真 1)。 写真 1 ドライブシュミレータ操作状況 5 乗務員ミーティングの開催(1 回/月) 乗務員ミーティングにつきましては、毎月 1回開催しドライバーのコンプライアンス遵 守とモチベーションや危険予知能力の向上に 努めています。 ⑴ トラックを運転する場合の心構えや遵 守すべき事項 ⑵ KYT(危険予知訓練) ⑶ 日常に関する基本…マナー及び行動、 服装と身だしなみ、挨拶、報告・連絡・ 相談、自己啓発等 ⑷ 実務に関する基本…使命について、安 全について、運転について、構内の安全 心得、運転中の安全心得、商品保護、運 転終了時の注意事項、交通事故・貨物事 故・クレームについて 6 ドライバーの健康管理 基本的には、年 1 回の定期健康診断(夜勤 ドライバーは、年 2 回)を全員受診し、その 結果に基づき異常者につきましては、病院で の精密検査受診を勧め、また全国健康保険協 会から派遣された保健指導者と面接し指導を いただいております。 次に倉庫部門でありますが、 1 ディーラー主催によるフォークリフト保 守点検方法の習得 フォークリフト始業時点検の進め方につい て専門のディーラーサービスマンから点検の ノウハウの指導を受け、技術の習得を図って おります。 2 ビ デ オ 活 用 に よ る フ ォ ー ク リ フ ト 安 全 走行について フォークリフトは非常に便利な反面、一旦 取扱いを誤ると大災害に繋がる恐れのあるも のであります。弊社は、15tから 1.5tまで さまざまなフォークリフトを使用しています ので、フォークリフトの安全走行についてビ デオから知識を得て安全走行に寄与させてお ります。 3 保護具の完全着用 弊社倉庫でお預かりしています製品は、高 さが 10mにおよぶものがあります。従いまし て製品の崩壊等が発生しますと大きな災害に 繋がる恐れがありますので、ヘルメットや安 全靴等の保護具の完全着用は、必要不可欠で あります。着用状況につきましては、職制に よる安全パトロール隊が毎日職場を巡回し指 導しております(写真 2)。 写真 2 作業を見守る安全パトロール隊 4 「他山の石」の活用 フォークリフトの事故事例は、協会等のニ ュースに記載されておりますので、その事例 を参考に「なぜ事故が発生したのか?」、「自 分たちはどうしたら良いのか?」を課題とし て掲げ、フリートーキングでミーティングを 実施し、類似事故防止に努めております。 終わりに 私が信条としていますのは、「三現主義」であ ります。「生きている現場で現物を見て現認する」 ことが、最重要であると常々考えております。 幸い弊社は、Gマーク(安全性優良事業所)の 認証取得やグリーン経営認証取得をしておりま すが、これらの認証取得は、従業員一人ひとり の日々努力の賜物と痛感しております。今後も 私は従業員と一体となり「安全衛生に終わりな し」を合言葉に無事故・無災害にチャレンジし たいと思います。 最後になりましたが、陸上貨物運送事業労働 災害防止協会様を始め、茨城県トラック協会様、 各関係団体の皆様方には、今後とも宜しくご指 導ご鞭撻願いたく重ねてお願い申し上げます。

(5)

陸災防では、平成24 年度、厚生労働省の委託を受けて標題の手引書を 作成し、全国17 か所の会場において、高年齢運転者に如何に安全・健康 に働いてもらうことができるか、また、高年齢運転者自身にもどのように したら安全・健康には働くことができるかについてお考えいただくために 研修会を開催いたしました。 各会場とも多くのご参加をいただきました。運転者の高年齢化が進む中、 事業者の方々が高年齢者の交通労働災害防止について如何に高い関心を お持ちであるかうかがわれます。 この研修会で使用した手引書(図 1)の概要を以下にご紹介します。な お、手引書及びその概要のパンフレットは陸災防のホームページに掲載し ていますので是非ご参考にしていただきたいと思います。 1 手引書の目的 50 歳以上の高年齢運転者の割合は増加傾向に ありますが、高年齢従業員の交通労働災害による 死亡者数はそれ以上に増加しています。 しかし、高年齢運転者は、長年の経験により仕 事の面でも労働災害防止の面でも熟練運転者と して高い技術・技能や判断力を備え、企業にとっ てかけがえのない戦力です。 こうした高年齢運転者にどのようにしたら安 全・健康に働いてもらうことができるかを示した ものです。 2 高年齢者の安全健康の確保のために 高年齢者の安全健康を確保するためには、高年 齢者に生じる特徴や変化(図 2)を理解し、それ ぞれに対して必要な配慮をする必要があります。 図 2 加齢とともに経験する身体機能の変化 ⑴ 視野、視力の変化 自動車の運転に際して、眼から得る情報量は膨 大であり、それにより適切な判断が可能となります。 ところが、高年齢者には、老眼、動体視力の低下、 白内障、そして、最近、コマーシャルでも紹介さ 写真 イメージ:視野周辺部が見えにくくなる れている加齢黄斑変性などにより「かすんで見え る」、「まぶしく見える」、「ものがゆがんで見える」、 「視野の中心がぼやけたり、黒ずんで見える」な どの症状の人もいます。 ⑵ 関節組織、筋力の変化 年齢の経過とともに股関節周りの筋力が低下 したり、素早く反応する筋力が低下することが知 られています。そのため、高年齢者には、運転席 で長時間同じ姿勢をしていて筋肉が硬くなり、 「急に運転席から地面に降りたつと、腰やひざを 痛める」、「車から降りたときや歩行中に転倒して 怪我をしたり、荷台や荷の上を移動していてバラ ンスを崩して墜落する」、また、「緊急な対応への 反応が思った以上に遅れ、渋滞で停車している車 に追突する」、「ブレーキ踏力が低下する」といっ た経験をする人がいます。

図 1 手引書(表紙)

(6)

⑶ 疲労と睡眠不足 年をとると、寝付きが悪く、夜中に何度も目が 覚める、また、朝早く起きるといったことが生じ やすくなります。そのため、高年齢者には、「寝 不足により居眠り運転で追突などの交通事故を 起こす」、「眠りが浅いため運転中瞬間的な睡眠状 態となり、追突、接触などの事故を起こす」とい った経験をする人がいます。 ⑷ 心理的な変化 年をとると、頑固になるということをよく耳に します。このように高年齢者には、これまでの経 験から思い込みが激しく「年齢と運転の上手さと は関係がない」、「若い者には任せられない」とい った考えを持ち、無理をしてしまう人がいます。 ⑸ 記憶力・認知力の変化 年をとると、少し前にしたことを忘れてしまっ た、危ないことに鈍感になってしまったという声 を耳にします。こうしたことにより、高年齢者に は、「駐車場のどの場所に駐車したのか忘れる」、 「自転車が急に出てきてヒヤッとしたといった 記憶が弱くなる」、「瞬時の対応速度が遅くなる」 といった経験をする人がいます。 3 交通労働災害防止のためのガイドラインで の高年齢者に配慮する事項 高年齢者の交通労働災害を防止するためには、 「交通労働災害防止のためのガイドライン」につ いて次のような配慮をしましょう。 ⑴ 適正な労働時間等の管理及び走行管理等 高年齢自動車運転者は、熟睡できにくくなる傾 向にあり、疲労等による交通労働災害を防止する ため、改善基準告示等を遵守するとともに、体内 時計を乱さないため、自動車運転者が起床する時 刻を一定にできるように、走行計画を作成しまし ょう。 ⑵ 教育の実施等 加齢に伴う心身への影響について教育を行い ましょう。特に、規則正しい就寝時刻、起床時刻 の重要性などについても教育に含まれるように しましょう。 交通危険予知訓練を行う場合には、加齢による 視野狭窄、白内障による逆光の中での物の見にく さ、反応速度の低下などのテーマを含んだものを 訓練の中に取り入れましょう。 ⑶ 交通労働災害防止に対する意識の高揚等 高年齢自動車運転者を盛り込んだポスターや 標語の募集を行ったり、これらを掲載したりしま しょう。 交通安全情報マップの作成に当たっては、加齢 による視野狭窄などを踏まえて危険個所、注意事 項を記入しましょう。また、同年代の運転者同士 でも情報の交換を行うよう促しましょう。 ⑷ 健康管理 加齢とともに有 所見率が高まるの で確実に定期健康 診断を受診するよ う指導しましょう。 また、それに合わ せて目、関節機能、 筋力、反射機能な どについて専門の医師の診断を受けることにつ いても配慮しましょう。さらに、常用している薬 によっては運転作業に支障をきたすものもある のでチェックも必要です。 ⑸ 異常気象等の際の措置 気象により路面が滑りやすくなっている場合 には、車間距離をそれだけ十分に確保させる、走 行に危険な場合には走行を中止させるなどの措 置を取らせることが必要です。 第4種(10年間) ・三王運輸株式会社 鳥取県支部 第2種( 5年間) ・株式会社丸運トランスポート札幌苫小牧営業所 北海道支部 陸運労災防止協会の表彰制度による小企業無災害記録事業場 〔平成25年1月〕 「陸運と安全衛生」は、平成 24 年 4 月号より、電子メールによりご提供するメールマガジン「陸災防通 信」の一部としてご提供する方式に変更となっています。 「陸災防通信」では、「陸運と安全衛生」の他に、労働災害の発生状況、新刊テキスト、講習会の案内、 厚生労働省の最新情報等みなさまの労働災害防止活動にお役立ていただける情報を発信しています。 メールマガジンご登録方法につきましては当紙平成 24 年 3 月号または当協会ホームページをご覧ください。

「陸運と安全衛生」の配布がメール配信に変わりました

メールマガジンのご登録をお願いします

(7)

1 受講の動機 弊社は、医薬品卸「株式会社メディセオ」の 100%子会社で、医薬品の物流を通じて生命と 健康を支える人々の信頼に応えることを使命と して、物流センターの運営、医療機関及び調剤 薬局等お客様への納品業務、病院内の安全な物 品管理を提供しております。 当事業所は、従業員約400 人で物流センター 庫内業務を請け負い、私が所属する商品管理課 では、約 30 台のフォークリフトを稼動させ医 薬品等の入出庫業務を行っています。 日々の安全の取り組みとしては、新任者のフ ォークリフト技能講習受講支援や、定期的なフ ォークリフトオペレーターへの安全運転教育 (写真)等を通じて安全な環境作りに取り組ん でいます。しかし、年に数回の頻度でフォーク リフト荷役時の商品破損や備品類との軽微な接 触事故等が発生いたします。職場の更なる安全 意識の向上と、管理者側の安全教育に関する知 識の深化を図る為、今回の「安全衛生教育講師 養成講座」の受講を志望いたしました。 写真 事業所内のフォークリフト安全運転教育風景 2 養成講座について 講座は、東京都港区の女性就業支援センター 5 階研修室で 1/21(月)から 1/24(木)の 4 日 間、開催されました。 初日、期待と不安を胸に研修会場へ赴き、先 ず初めに目に飛び込んで来たのは、参加者の各 席に置かれた厚いファイルと各種テキストでし た。これから4 日間掛けて行われる養成講座の ゴールがとても遠く感じたのを覚えています。 参加者 12 名の方々の職種は多岐に渡り、遠 方は広島県からの参加がありました。初日は、 講師の安全管理士から「インストラクターの役 割と心構え」、「車両系荷役運搬機械・積卸し作 業の作業指揮者安全教育の概要」の講義が行わ れました。懇親会では、杯を交わす毎に参加者 同士の緊張もほぐれ、翌日からの研修の‘ヤル 気度’と参加者・講師の一体感がアップしてい きました。 2 日目は初日行われた作業指揮者の安全教育 に続き、「フォークリフト運転業務従事者安全衛 生教育の概要」、「災害事例及び関係法令」、「教 育指導の方法」についての講義と演習が行われ ました。講義の中では、普段の安全衛生活動で 聞き慣れた知識や事例が多く出ましたが、自分 の持っている知識や理解度が浅いことを改めて 知りました。2 日目の最後は、翌日の演習準備 として指導案作成の留意点説明が行われました。 3 日目は、本講座の山場である「指導案の作 成」と「教育演技の発表」が行われました。参 加者一人ひとりに担当する指導案の範囲が振り 分けられ、それぞれが2 時間分の指導案を作成。 その指導案の中から一部を抜粋し 15 分間とい う限られた時間で教育演技を行うという演習で した。各参加者の発表は、人前での発表に長け てテンポ良く進める方や、少ない資料ながら自 身の経験を織り交ぜながら講義を進める方など 様々でとても参考になりました。自分の演技発 表では、十分な準備をして臨んだつもりでした が、与えられた時間をオーバーしてしまい、最 後の纏めが出来ない状態で終了となりました。 実際の演技を行ってみて、準備したとおりに発 表するのが想像以上に難しいことと、準備した こと以上の発表は‘ぶっつけ本番’では出来な いことを痛感しました。 最終日は、リスクアセスメントに関する講義 と、2 グループに分かれての事例討議と発表が 行われました。講義では、リスク低減措置の方 法等を知り、リスクアセスメントに関する理解 度を深めました。又、グループ討議では、職種 が多様なことから着目点やリスクの見積もり方 も異なり、活発な意見交換とグループ討議が行 われました。 こうして4 日間の全課程を参加者全員で終え、 無事に修了式を迎えました。 安全衛生教育講師(インストラクター)養成講座を受講して

更なる安全意識の向上を目指して

株式会社 物流二十四 東京事業所 大場正雄

(8)

3 感想・今後の抱負 養成講座は、良い緊張感が持続する‘あっ’ という間の4 日間でした。各講義・演技を通し て、受講前に漠然と抱いていた「教育講師って 一体何をしたらいいのか?」という疑問や不安 は「具体的な方法」や「活用する資料・データ」 を知ることで解消され、自己のスキルアップが 実感できる内容でした。 今回得た技術を基に、職場の安全体制強化と 安全意識の向上に繋げて参ります。有意義な講 座に参加させていただき本当に有難うございま した。 資料出所:厚生労働省 平成25 年 2 月 7 日現在 (注) この表の右端の列の「その他」は、「墜落・転落」~「交通事故(その他)」以外をまとめたもの 詳細は、陸災防ホームページ http://www.rikusai.or.jp に掲載 死亡 平成25年2月7日現在 死傷 平成25年1月末日現在 死亡者数 構成比 死亡者数 構成比 増減数 増減率 死傷者数 構成比 死傷者数 構成比 増減数 増減率 (人) (%) (人) (%) (人) (%) (人) (%) (人) (%) (人) (%) 全 産 業 1,046 100.0 980 100.0 66 6.7 98,641 100.0 95,986 100.0 2,655 2.8 製 造 業 188 18.0 175 17.9 13 7.4 20,881 21.2 20,735 21.6 146 0.7 鉱 業 5 0.5 11 1.1 -6 -54.5 223 0.2 259 0.3 -36 -13.9 建 設 業 362 34.6 333 34.0 29 8.7 19,882 20.2 19,168 20.0 714 3.7 交 通 運 輸 業 12 1.1 15 1.5 -3 -20.0 1,843 1.9 1,760 1.8 83 4.7 陸上貨物運送事業 129 12.3 123 12.6 6 4.9 11,677 11.8 11,590 12.1 87 0.8 港 湾 荷 役 業 5 0.5 9 0.9 -4 -44.4 204 0.2 210 0.2 -6 -2.9 林 業 36 3.4 37 3.8 -1 -2.7 1,601 1.6 1,802 1.9 -201 -11.2 その他の事業 309 29.5 277 28.3 32 11.6 42,330 42.9 40,462 42.2 1,868 4.6 [速報値] [速報値] 前年比較 平成24年1月~12月 平成23年1月~12月 平成24年1月~12月 平成23年1月~12月 [速報値] 前年比較 [速報値] 合計 墜落・転落 激突 飛来・落下 崩壊・倒壊 激突され はさまれ・ 巻き込まれ 交通事故 (道路) 交通事故 (その他) その他 全 産 業 1,046 266 3 45 72 70 153 245 6 186 製 造 業 188 38 0 13 19 6 60 13 0 39 建 設 業 362 153 2 16 31 32 34 28 2 64 交 通 運 輸 業 12 0 0 0 0 0 1 7 0 4 そ の 他 355 66 1 10 11 24 43 124 4 72 陸上貨物運送事業 129 9 0 6 11 8 15 73 0 7 同 上 対 前 年 増減 6 -12 -1 3 7 4 0 9 0 -4 項目 業種

業種、事故の型別死亡災害発生状況

(平成 24 年 1 月~12 月)

参照

関連したドキュメント

MPの提出にあたり用いる別紙様式1については、本通知の適用から1年間は 経過措置期間として、 「医薬品リスク管理計画の策定について」 (平成 24 年4月

(※)Microsoft Edge については、2020 年 1 月 15 日以降に Microsoft 社が提供しているメジャーバージョンが 79 以降の Microsoft Edge を対象としています。2020 年 1

この資料には、当社または当社グループ(以下、TDKグループといいます。)に関する業績見通し、計

災害発生当日、被災者は、定時の午後 5 時から 2 時間程度の残業を命じられ、定時までの作業と同

継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は、×年4月1日から×年3月 31

・平成29年3月1日以降に行われる医薬品(後発医薬品等)の承認申請

このような状況のもと、昨年改正された社会福祉法においては、全て

(実 績) ・協力企業との情報共有 8/10安全推進協議会開催:災害事例等の再発防止対策の周知等