理 学 療 法 学 第
33
巻 第3U
97
−
104頁 (2006年)研 究 報 告
在
宅
障害 高齢者
の
身体機
能
・認
知
機
能
と
転 倒 発
生
要 因
に
関 す
る
前 向
き
研 究
*村 田
伸
D2
)#津 田
彰
3) 要 旨本 研
究
は,
在 宅 障 害 高 齢 者
90
k
(
平均 年 齢
83
.
1
歳 ) を対 象
に,
注 意 力 と身 体 機 能 を
ベー
ス ラ イン調 査
と し て 評 価 し,
転 倒の有 無 をユ年
間 に わ た り前 向
き 調査
し た。
その結 果,
転 倒 を経 験
したのは22
k
ニ ア ミス(
転 倒 し そう
に なっ た)
経 験 は36
名
.
ど ち ら も経 験 し な かっ たの は32
名
で あっ た。
そ れ ら3
群
間の特
性
比較
に おいて,
注 意 力
の指 標
であ るTrail
makingtest
−
Part
A
(
TMT
−A
) は,
非経 験 群
が最 も高
く
,
次いでニア ミス 経 験 群,
転 倒 経 験 群の 順 序 と な り,
転 倒 経 験 群 は 最 も注 意 力 が 低 下 し てい た、
身
体機
能の自
己 認 識の 逸 脱 は, 転 倒 経 験 群 とニ ァ ミス経 験群
が 非 経 験 群 と比較
す る と有 意
に 大 き かっ た。
身 体 機
能
に 関 す る群
問 比較
で は 足 把持 力
,
足 関節 背
屈角 度
,
歩 行 速 度
の3
項
目 は,
転 倒 経 験 群
がニア ミス経 験 群
と非 経 験 群 よ り有 意 に 低 ド してい た。
ロジステ ィッ ク 同 帰 分 析 は,
転 倒 経 験の有 無 がTMT −A
得 点,
足 把 持 力,
足 関 節背
屈角
度の3
劇1
と 有 意 に 関 連 し てい るこ と を 明 ら か に した/
t これ らの知
見 か ら, 在宅
障害
高
齢 者では身体 機
能の低
下,
と くに 足 把 持力
や 足 関節
の 叮動 性
な どの 足 部機 能
の低
ドが転 倒 発 生
の危 険
因 子であ るこ と に 加 え,
注 意 力の低 ドも 転 倒 を 引 き 起こす 重 大 な 要 因 と なっ てい るこ とが 実 証 さ れ た・
キー
ワー
ド在
宅障害 高齢 者
,
転
倒,
前
向
き研 究緒
言わ が 国で は 高 齢 化 が 進 み
,
2003
年 時 点で の65
歳 以L
の老年
人 凵 は19
.
0
% に到 達
してお り,
2015
年
に は国 民
の4
人に1
人,
2040
年
には3
人に1
人 が 高齢 者
になる と 推 計 さ れてい る 1)。
ま た,
わ が 国の場 合,
高 齢 者 人口の な かで も後 期 高 齢 者
(
75
歳 以 上 )の増 加
が著
しく
2 ),
寝
た き り高齢 者
数の増
加,
そ れに伴
う医療
費や介 護
保 険 料 な どの経 済 的 な 問 題に も波 及 して い るtt
高 齢 者
の寝
た きり
を引
き起 こす
卞要
な 原因
の一
つ は骨
折である。
高 齢 者
の骨
折の多 く
が転
倒に よっ て生 じる こ*
八 Pmspectlvc Sτudy of thc Rclatbnshlp betwecll Pllysi〔:al and
C‘レg1監itiv巳 Facr(,rs
alld
Falls
in
the
Elderly
DisabLed
nt
III〕me
1〕第
一
福祉 大学人間社 会褊祉学部ShinヘIurtしta
.
RPT
.
Faculty〔}f
Social玉Veげarc
and
IIumall
Services
,
Daiic1〕1 τVcげarc Unli
.
crsity2〕久留米大学人学院心 理学研究科
Shin Muraτa
、
RPT:Graduatc School of Psychology.
Kurunlc τ三11ivcrsit ぎ「
3〕久留米人学文学部心理学科
丶kira Tsuda
.
Pl1D;Departmcr〕τof Psychology、
Kur・
umc Umvcrsity 耳現 所 属:姫路 獨協大 学 医療保健 学 部理学療法学科
(〒670
−
85L4 兵庫県姫路市上大野アー
2−
1〕Department of Physlcal Therapy
,
FacuLty of Hea且τh Care Science.
Himeji D唱〕kkyo Uni、ersityE
・
ma 正L:smLLra 匸a@11imeji・
du.
acjp(受付冂 2005年5月20冂 受理 冂 2006年3月4日) と は
周 知
の事
実 で あ り,
高 齢 者
の転
倒予
防 が 社 会 的 な 課 題 と なっ てい る。
転 倒 を未
然に防 ぐ た め に は,
第
一
に,
転 倒 発 牛 要 因の解 明 が 重 要 と な る。
国 内 外 で 行 わ れ た 転倒
発 生 要因
につ いての報 告
312 〕 に よ れ ば.
立 位 姿勢 保
持 能 力の低 下や下 肢の筋力
・
口∫動
性・
感
覚 入力
の低
下 な ど,
と くに身 体 能 力の低 下 が 転 倒の重 要 な 発 生 要 因であ る こ とが不 さ れてい る.
著 者 ら は
,
前
研 究におい て横
断 的 な後
ろ向
き 研究
13} を実 施 して,
在 宅 障 害 高 齢 者の身 体 機 能 な ら び に 注 意 力(
Trail
makingtest
− Part
A
;TMT −A
)
14−
i6)を 測定
し
,
過 去凶
澗 の転
倒の有 無
との 関連 性
につ いて分析
し た。
その結 果,
転 倒の発 生 と足 把 持 力 お よ び 注 意 力の低 卜.
が有 意
に関
連 してい る とい う結 果
が明
ら か と な り,
転
倒 が 足把
持 力 な どの足 部 機能
の低 下のみ な らず
,
注意 力
の低 下 と 関 連 してい ること を 示 唆 し た。
しか し な が ら
,
横 断
的調
企 で は,
こ れ らの関
連 要 因 が転
倒の原 因 か どう
か を 決 めるこ と はで き ない。一
般 に,
あ る疾 病や種 々 の健 康 事 象の 発 生 要 因 を 証 明 し よ う と す る場 合
,
要 因
が結 果
に先行
している こ とが 要求
さ れ る17>」
け れ ど も,
著 者
らの前 研
究13)は,
過 去1 年
間
の転
倒 経 験の有 無 に関 連 する要 因 を 後ろ向 きに明 ら か に し たに過ぎず
.
転倒
の予測 要 因
を明
らか に し た と は言
い難
い。
98
理 学 療 法 学 第33
巻 第31
丿』
そ
こ で本研 究
は,
転 倒
リ スクが 高
い ことが 予想 され
る在 宅 障 害 高 齢 者
を対 象
に,
1
年 間
の前 向 き調査
を実 施
し,
転 倒
の発
生要 因
を原 因 因 果的
に明
ら か にす
る こと を目的
と し た。す な
わち
,
前研 究
で特 定 し
た関 連 要 因 が 実 際
に転 倒 を
予測 す
る要 因
であ
る の かどう
か i>:証 す
る こ と をII
指
し た。転 倒
の原 因 を明 確
にす
ることで,
その予防 策 を論
じ る こと が11亅’
能
とな り
,
意 義
は大 き
い。
なお
,
転 倒
の発
生要
因を検 討 す
る にあた り,高齢 者
は転 倒
には至
らな
いま
でも
,
転 倒
し そう
に なっ た体 験 (
転
倒
のニ アミス体 験 ) を有 し
てい る場 合 も多 く
,
そ
の ニ ア ミ ス体 験
が転 倒 事 故
に進
展 して し まう
叮能性
13)も
ある こと か ら,
対 象 を
1
年
問 に転 倒 を経 験
し た転 倒 経 験 群
,
転 倒
には至
らな
いま
でも転 倒
しそ う
にな
った経 験 を持
つ ニ ア ミ ス経 験 群
, それ らを経
験 し な かっ た非
経験 群
の3
群
に分 類
し て分 析 を行
っ た。
方
法
1.
対 象
ベ
ー
ス ライン調 査 を 行
っ た4
か所
の通 所
リハ ビ リテー
シ ョ ン施
設 を 利 用 してい る在
宅 障害 高
齢 者llO
名
を 対象
と し た が, その内
,1
年 後
の追
跡 調企
が行 え得
た90
名
を最 終 的
な分析 対 象
と し た、
,
対 象
と し たユ10
名
お よ び分
析 対
象
と し た90
名
と 除外
し た20
名
の属
性 を表
ユに示
す.
ベー
ス ラ イン時の年 齢
や 男女
の割 合,Mini−MentaI
State
Examination
(MMS
)
,
要介 護
認定
,
既存 疾 患
な どに分析 対 象 者
90
名
と除外 し
た20
名
との問
に特 異 な差
は認
め られ な
かっ た 〔表
1
)。
ベ
ー
ス ラ イ ン調
査時
の対 象 者
の選 択
にあ
たり
,
重 度
の認 知症
や視 力 障 害
がな
いこ と,
および平 地 歩 行
が自立
し てい るを条 件
とし
たが
,
本 研 究
の分 析 対 象 者
90
名
に お けるMMS
は,
最 低
18
点
か ら最 高
30
点
,
平 均
23
.
5
点
であ
っ た。な
お,
対 象
か ら除 外
さ れ た20
名
の内
,
ll
名
は既 存 疾
患
の悪 化
のた め入 院加 療 中
であ り,3
名
は高 齢 者 施
設へ 入所
,
2
名
は転 居
し てい た、
,
ま
た,
残
る4
名
は 死亡
し て いた。
2.
調 杏 内 容
ベ
ー
スライ
ン調査
は平 成
15
年
7
月
から
8
月
の約
1
か月
間 を か けて実 施
した。
個
人情 報
の収 集
とMMS
実施 後
,1
)
TMT −A
施 行
,2
) 最 大
・
歩 幅
の 予測
,
3
) 最 大
一
歩
幅
の実 測
,
4
) 握 力 測 定
,
5
) 足 把 持 力 測 定
,
6
)足
閼節
背
屈角
度の測定
,7
)身 体
の 柔軟 性 計
測.8
)
片 足ikち保
持 時
間 測定
,9
) 歩行 速 度 を
測定
し た。
只体 的
な 測定 手
続 き
は後 述 す
る。
1
)
注 意力
の評仙
注 意 力
は,TMT −A
及 び身 体 機 能
の自
己 認 識の逸 脱
によっ て 評
価
し た。
TMT
−A
は,
元来
Army
individual
test
battery
(1944
) に含
ま れ てい た もの で,
主 に 注 意 の選 択機
能 を 視 覚 的 に 評価
す る 尺 度 と し て 広 く用い ら れ14〕,
住意 機 能
の机
卜検 査 法
と しての信 頼 性
と妥 当性
表1 対 象 者の属性 全 体 分析対象 除外 者 人数 〔名 ) 男 性 〔:名 ) 女性 〔名1
} 年 齢 (歳 ) 通 所回数 咽 ) rL,
IMS
〔丿厳〉 ⊥⊥O
l79383
.
1
±5
.
1
2
(1
−
5
週)
23
,
1
±44
90
20
12 578
1583
.
1
±5
.
1
83
.
D
±5
.
7
2
(1
−
5
/ 」固)2
(1
−
5
週)
23
.
5
±4
.
0
23
、
0
±2
.
5
要 介 護認定 区 分(
人数 ) 既 存 疾 患 (人数〕 妛支 援 要介護
1 要介
護2
要 介 護3 変 形 性 関節 症 脳血管 障 害 内 科 疾 患 骨 折 後遺 症 循 環 器 疾 患 呼 吸 器 疾 患 骨 粗 鬆 症 腎・
泌 尿 器 疾 患 関 節リウマ チ その他尸
∂冖
r44 ワ一
61 8185208865 221111 亅 ワ凵
503 ワ】
51 3854D98642 つ凵
11111
3
ワ凵
41 1 5331210223年
齢とMMS
は平
均±標準
偏 差,
通所
回数は 巾央値
(最 小f
[t
{一
最大仙)
を示す.
在 宅 障 害 高 齢 者の身 体 機 能
・
認知 機 能と転 倒 発生要 囚に関する前 向 き峅究 99丿
園
/
漏
∵
汐
瀛
冩
訴
/
区
β
/図 1Trail
Making
Test
−
Part
A
の・
例制 限 時 間3分 間の 間 に
,
1か ら25
ま での 数 字 を 小 さい 方 か ら順 に 線 で 結 び,
正 し く結べた 数 字 をTMT
−
A
得点と し た 〔例 :18
点 ) がす
で に確 認
さ れて いる上4−
16) IS−
2ω。
実 施 方 法
は,
紙 而
上に ラ ンダムに配置
さ れ た1
か ら25
まで の数 字
を小
さ い方
か ら順
に線
で結
ん でいく
〔図
1
)
。 こ の テ スト
の評
仙 方 法
は様
々であ
る が,
65
歳
以E
の健 常 高 齢 者
の平均
施 行 時 間
が218
秒
との報 告
14〕がある.
本 研 究
で は,
対
象 者
のほ とん ど が後 期 高 齢
であ
る こ と を考 慮
し,
3
分 間
の問
に正 しく結
べ た数 字
をTMT
−
A
の得 点
と し た、
、
ま た
,
自分 自身
の内的 環 境
へ の注 意 力
とし て,
鼓
大一
歩 幅
21 ) の自己 予測
と実 測 値
との差 を 身体 機 能
に対 す
る自
己認 識
の逸 脱
と して表
し た、
自 己 認 識
の逸 脱
22〕は,
正 しい白分
の動 作 予測
,
活 動 遂 行
の見 積 も
りの歪み を評
価 す
るも
の であ り
,
動 作
の能 力
に関 す
る認 知 を 自分
が ど の よう
に認 知
して い る のか,
い わ ゆる自分 臼身
の内 的環
境
へ の注 意 力
を評 価 す
るも
の である。最 大
一
歩 幅
は,
両
脚 を そ
ろえ
た状 態 か
ら最 も大 き く片 方
の脚 を踏
み出 し
,
反 対 側
の脚
をそ
の横
にそ
ろえ
る。そ
の爪先
か ら踏
み出
し た 踵 まで の距 離
を測 定
し た が,
安
全性
を考 慮
し て平 行棒
内
で行
っ たttまず
,
平 行 棒 内
の床 面
に,
20
cm閾隔
に貼
られ た カラー
テー
プ を対 象者
に確 認
しても
らい,
平 行 棒
に掴
まる こと なく
,
跨 ぐ
ことが でき
る距 離
を予測
し ても
らっ た 〔最 大
歩 幅
の予測 値 )
。次
い で,
10m
前方
に置
か れ た任 意
の点
を注 視
しても
らい,
自分
が予 測
し たカラー
テー
プの位 置
を確 認 す
る こと なく
,
実 際
に最 大 努力
で の動 作 を行
っ ても
らっ た(
最 大
一
歩 幅
の実 測 値 )
。得 ら
れ た予 測 値
と実 測 値
の差 (
cm ) を身 体 機 能
の自己 認 識
の逸脱
とし て評 仙
した。
2
) 身 体機 能 評 価
握 力
は,
デ ジタ ル式 握 力 計
(竹 井機 器
工業 製 ) を使 川
し,
測 定 姿 位
は端
坐位
で,
左右
のL
肢
を体 側
に重ら し た状 態
で最 大 握 力 を
2
回測 定
し,
そ
の左 右
の最 大 値
の合計
を握 力 値 (
kg
)
とし
た。足 把 持 力
は,
著 者
ら が自作
し た足 把 持 力
測定
器 を用い て測 定
し たt/
被験 者
の左 右
の足 把 持 力 を
2
回測 定
し,
そ の 最 大 値の 合計
を 足 把 持 力値
(
kg
) と し て採
用 し た。
な お,
こ の測定
器 か ら 得 ら れ る 測定 値
の再 現 性 は,
これ まで に級
内相 関 係 数
0
,
973
という極
めて高
い再
現性
を確
認 してい る23)。
足 関 節
背 屈
角 度の測定
は,
端
坐 位で膝 関 節 を ト分に屈山
し た後
,
自動
運動
に よ る背 屈
運動
で行
っ たtt測 定
は 基本 軸
を腓 骨
へ の垂直 線
,
移動 軸
を第
5
中
足骨
と して,
ゴ ニ オメー
ター
を川いて左右
を 測 定 し,
その合計
を 足関節
背 屈 角 度
と し た。身体
の柔軟 性
は,
長
座体 前
1
出距 離
をデ ジ タル式 長
座体
削 屈
測定 器 (
竹 并 機 器
Il
業 製
) を 用い て測定 (
cmD し たtt片
足 、k
ち保 持 時 間
は,
左右
につ き2
回
,
デ ジ タル ス ト ッ プウォ ッ チ を 川い て30
秒
を 上 限 と して測 定
し,
その左 右
の最 長 時 間
の合 計
を片 足
立ち保 持 時 間 (
sec)
と し た。歩 行
速度
は,
平
地llm
を最
速歩 行
し て も らい,
中 間
の51n
を測 定 区 間
とし
て所 要 時 間
をスト
ップウ ォ ッチで1
’
[
』
測
し た。測 定
は2
回 連 続
して行
い,
最 速 度
(rn,
・
’
sec)
を評価
した。
な
お,
本 研 究
にお け
る身 体
の柔軟 性
と歩 行 速 度
以外
の身体 機 能 評価
は,
左 右
の測 定 値
の合 計
を指 標
と し た、高
齢 者
の体 力 評価
を彳∫う際
に は,
左右
の測 定 値
の合計
や平
均 値 を指 標
とし
た研 究
が散 見
され
る 24−
26〕。前
田 ら 24) は,
歩 行 障 害
を有 す
る高齢 者
を対 象
に,
歩 行可 能 な下 肢
筋 力
の推 定
を行
っ てい る。
そ れ に よ ると,
歩 行
の可否
の判別
が行 え
たの は健側 あ
るい は患 側
の一
方
の筋 力
で はな
く
,
両 側
の合 計 値
であ
っ た と報 告
し,
高齢 者
におけ
る両
側
の測 定値
を体 力 評価
の指 標
とす
る重要 性
を赧 告
し てい る。本 研 究
で は これ らの報 告
に基
づき
,
左 右
の測 定値
の合計 を各 身 体 機 能 評価
の指標
とし
た。3.
追 跡 調 査
追跡 調 査
は,
ベー
ス ライ
ン調 査
か ら1
年 後
の8
月
,
約
ユか月 間
か け て実 施
し た。
調
査は過 去
1
年 間
の転 倒 経 験
とニ ア ミ ス経験
の有 無 を 面接 聞 き取 り
に て行
っ たが
,
転
倒 調査
におけ
る聞 き取 り法
による信 頼 性
につ いては芳 賀
らL’
7〕に よっ て報 告
さ れ ている、な
お,
本 研 究
に おい て は,
信 頼 性 を高
め るため,
利 用 者
カ ルテ および個 人 連 絡
ノー
トを川
いて確 認 し
た。なお
,
本 研 究
に おけ
る転 倒
の定 義
は,
Gibson2S
〕 の定
義
に従
っ て「自分
の意 志
から
で はな く
,
膝
やE
肢 或
い は臀 部
や腰 な
どの身 体 部 分
が床
画 や地 面 な
どの より低
い面
に接 触
し た場 合 」
とし た・
,
ただし,
臥床 時
のベ ッ ド か ら の転 落 等
による転 倒
は除 外
した
。4
,
統 訓学 的 処
理転 倒経 験 群
,
ニ アミ ス経 験 群
,
非 経 験 群
のベー
スラ イ1DO 理 学 療 法 学 第33巻 第3号 ン
時
に お け る3
群 間
の比 較
につ いて,
男 女
の割 合
の検 定
に はX2
検 定 を用
い,
その他
の特 性
(
年 齢
,
MMS
得 点
,
TMT
−
A
,身体 機 能
の自
己 認 識の逸 脱
,握 力
, 足把 持 力
, 足 関節 背 屈 角 度
,身 体
の柔軟 性
,
片 足 立 ち保 持 時 問
,
歩
行 速 度 )
の 比較
に は一
元 配 揖 分 散 分 析 を用
い たt、
ま
た,
各
測定
項 目 問の相 関 をPearson
の相
関 係数
を 用いて検
討 し た。
転 倒 発 生 と各 要
因と
の関連
につ いて は,転 倒経 験
やニ ア ミス経 験
の有 無 を
Ll
的変 数 と
し たロ ジス テ ィック 回帰
分 析 に て検 討
し た。
な お, 説 明変
数 は 性 別,年
齢,過 去
の転 倒
歴,MMS
得 点
,
TMT −A ,
身 体 機 能
の自
己認
識の逸 脱
,
握 力
,
足 把 持 力
,
足
関節 背 屈 角 度
,
身体
の柔 軟
性,
片 足 立 ち 保 持 時 間,
歩行 速
度とし て 分析
し た。
前
研 究 に よっ て転
倒の危 険
因 子 と し て抽 出
さ れ た 足把
持 力
の低
ドと注 意 力
の低
ドの有 無 を組
み合
わ せ て,
図
2
に示 す
よう
に4
つ の カ テ ゴリー
に 分 類 し,
転
倒の発 生 率 を 比 較 し たu 足 把持 力
, 注 意力
と も に「
平均 値
一
〇,
5
標
準
偏 差 」未 満
の者
を そ れ ぞ れ低
下有
り と して,
足把 持 力
,
注 意力
と も に低
ドが ない場
合 を「
問
題 な し」
,
足把
持 力 の低
下 は ないが 注 意力
の低
下 が あ る 場 合 に は 「注 意力
の低
下のみ」
,
注 意力
の低
下 は ない が 足 把持 力
の低
下 が あ る場
合 に は「
足把 持 力
の低
ドの み」
,
双方
の低
ドが認
め ら れ る場
合 を 「足把
持力
,
注 意力
と も に低
下 」 と し た、
な お,
す
べ て の統 計解 析
にはStatView
5
,
0
を 用い,
統
計 的 有 意 水 準
を5
%未満
と し た。
倫
理的
配慮
対 象 者
に対
して,
研 究
の趣 旨
と内 容
につ いて説 明
し,
理解
を得
た ヒで協 力
を求
め た が,
研 究
へ の参 加
は自山
意志
であ り
,
被 検 者
にな
らな く
ても不 利 益
にな
らな
い こ とを書面
と 冂頭
で十 分
に説 明 し
た。
ま
た,
家 族
に対 し
ても
,
施
設で使
川 している個 人 連 絡
ノー
ト を用い て事前
に説 明
し,同意 を得
た後
,
調 査 を 開始
し た,な
お,
デー
タはコ ンピュー
ター
で処 理
し,
研 究
の目的以 外
に は使 用 しな
い こ と及び個
人情 報
の漏 洩
に注 意
した。
結
果
1
.
転 倒 及びニ ア ミス経験
の有 無
対 象 者
90
名
のう ち
,
最 近
1
年
間 に転 倒 を経 験
し た高
齢 者
は22
名 (
24
.
4
%)
であ り
,
転 倒
に至 ら な
いま
でも
転 倒のニ ァ ミス体 験
を 経験
した の は36
名 (
40
,
0
%)
で あっ た。
転
倒 お よ びニ ア ミ ス体 験
とも
に経験
し な かっ た高齢 者
は32
名
であ り
,
全 体
の35.
6
%
であ
った
。
転
倒 及びニ ア ミス経
験 を, 要介 護
認定
区 分で検 討 す
る と, 転倒 経 験 者
は, 要攴援
が6
名
(
22
名
中)
,
要 介 護
1
が13
名
〔55
名
中)
,
要 介 護
2
が3
名
(10
名
[f
り,
要 介 護
3
が1 名
(3 名
巾)
で あ り, ニ ア ミス経 験者
は, 要支 援
が7
名
, 要介 護
1
が23
名
,要 介 護
2
が5
名
,要 介 護
3
が1
名
で あっ た。
な お,
これ らの 間 に統 計 学 的有 意 差
は認
め ら れ な かっ た(
Z2
値=
227
,p
≡
0
,
89
)t、
ま た, 脳 血
管
障 害 が 転 倒 に 与 え る影 響
を考 慮
し, 脳lllL
管 障
害 を有
す る18
名
と有
し ない72
名
の転
倒 経験
の有 無
を 比較
し た。
脳
lrl
[管 障 害
を有
す る高齢 者
のう
ち,
転
倒 を経
験 し たのは6
名
,
ニ ア ミス体
験 を 経 験 し たのは7
名
で あり
,
脳 血管
障 害 を 有 し ない転 倒 経 験者
16
名
,
ニ ア ミ ス経 験 者
27
名
との問
に統 計 学 的 有 意
差 は認
め ら れ な か っ た(
/
値
=
1
.
12
,
p=
0
.
75
)
ロ
足把 持力の低 ド 有 り 無 し注
意 力窪
「
維 ド.
有 り 無 し「
足 把 持 力,
注 意 力と もに低下..
一一
足 把 持 力の低下のみ.
.
.
.
.
一
一
一一 .
一
注 意 力の低下のみ.
.
.
.
一.
− 1 問題 な し.
図2 分 析に用いたカ テ ゴ リー
区 分2
.
各測 定項 目間
の相 関
1
年 問
追跡
がで き た対 象 者
90
名
の各 測 定 項
凵間
の相
関
を表
2
に示
し た。
注 意力
を評
価 し たTMT
−
A
と身
体 機能
の自己 認 識
の逸脱
との間
には,
有 意 な負
の相 関
が認
め ら れ た が,
注 意力
と他
の身体 能力
を評価
し た 変数
との間
に は,
有 意
な相 関
は認
め ら れ な かっ た。
身 体 能 力
を 評 価し
た握 力
,
足 把 持 力
,
足 関 節 背 屈 角 度
,
身 体
の柔軟 性
,
片足
立ち 保 持 時 間
,
歩 行 速 度
は,
身体
の柔 軟 性
を除
き,
表
2
各
測定項 目間の相
関 分析 (
n=
90
)
TMT−
A 白己認 識の 逸 脱 歩 行速度 片足 立 ち 保 持 時 間 握 力 足把 持 力 背 屈 角度 自 己認 識の逸 脱 歩 行 速 度 片 足 立 ち保 持 時 問 握 力 足 把 持 力 背 屈 角 度 柔軟 性一
〇.
60 * *0
.
090
.
120
.
100.
220.
16
−
0
.
22一
〇.
19−
0
.
11
−
0.
05−
0
.
12−
0
.
040
.
090
.
49* * 0.
36* *0
.
48 * *0
.
29
* 0.
31* 0.
44 * α48 * *0
.
26
* * 0.
40 *0
.
51
* *O
.
25
*0
.
37
* 0.
19 0.
15 0.
09 Pearson,
s cQrrda しion coefficicn し* *p<
0
.
Ol
,
*p< 0.
05
.
在 宅 障害 高齢 &
一
の身体 機 能・
認 知 機 能と転 倒 発生妛 囚に関 する前 向き研 究 101 互い に有 意
な 正の相 関
を示
した、
身 体
の柔 軟 性
は,
歩行
速度
お よ び片
足 立 ち 保 持時
間 との間に有 意 な 正の 相 関 が認
め ら れ た が,
そ
の他
の測 定 値
と は有 意
な相 関
は認
め ら れな
かっ た,
3
,
転 倒 経 験 群
,
ニ ア ミス経 験 群
,
非 経 験 群
の3
群 比.
較
群 別
の男 女
の割 合 (
転 倒 経 験
群 :男 性
2
名
,
女性
20
名
;ニ ァ ミ ス体 験
群 :男 性
4
名
,.
女性
32
名
;非 経
験群
:男 性
6
名
,
女性
26
名
)に有 意 差
は認
め ら れな
かっ た〔
X2
値
=
L31
,
p
=
=
〔瓦52
)
。
注 意
の指 標
としたTMT
−
A
得 点
は,
非 経 験
群 が最
も高
く
,
次
い でニ アミ ス経験 群
,
転 倒 経験 群
の順 序
で有 意 差
が認
め ら れ た。身体 機 能
の自己 認 識
の逸 脱
は.
転 倒 経 験
群
とニ ア ミ ス経験 併
の値
が非 経験 群
より有 意
に大 きかった
。足 把 持 力
,
足 関 節 背 屈 角 度
,
歩 行 速 度
の3
項 凵
は,
転 倒 経 験 群 が
ニ ア ミ ス経 験 群
と非経 験 群
より有 意
に低 値
を示
し た。 その他
の年齢
,
MMs
得 点
,
握 力
,
身体
の柔
軟 性
.
片足 立 ち保 持 時 問
の5
項 目
につ い ては有 意 差
は認
めら
れな
かっ た(
表
3
)
。さら に
,
ロ ジ ス テ ィッ ク回帰 分析
に より
,
転 倒
やニ ア ミス経
験の発 生 と 関 連 す る危 険
因 子 を検 討
し た。
ロジス テ ィック回 帰 分析
を行 う
に あ たり
,
多 重 共 線性
の問 題
が ない か をVIF
にて確
認 し た が, 説 明 変 数のVIF
は1
.
12
か ら1
.
91
の範
囲 に あ り, と く に 大 き なVIF
値
は認
め ら れ な かっ た。
ま た,
説 明変 数
問の相
関係 数 を検 討
し た が,
絶 対 値
の最
も 大 き な相 関 係
数 で もO
.
60 (
TMT
−
A
得 点
と 自 己認
識の逸 脱 との 間 ) で あっ たこ と よ り (表
2
)
, 説 明 変 数 間の共 線 性 は な かっ た と 判 断 し,
全
ての変 数 を
同時
に投 入
して も問
題 は ない と考
え ら れ た,
その 結 果,
非転 倒
を 基準
と してニ ア ミス経
験 を 目 的 変 数 と した と き , その関
連 要 因 と して抽 出 さ れ たのはTMT
−
A
得 点
の み であ り
,
転 倒 経 験
を目的 変 数
と し た と き に は,
TMT
−A
得
点
,
足把 持 力
,
足関 節 背 屈 角
度の3
項II
の オッ ズ比 が 有 意であっ た(
表
4
)
。
4
.
カテ ゴ リー
別 (
足把 持 力
と注
意力
の低
ドの組 み 合 わせ
別 )
におけ
る転
倒 発 生率
ベ
ー
ス ライン時
,
足 把 持 力
と洋 意 力
が と も に低
ドして い た転 倒 高
リス ク群の転 倒
発 生率
は60
.
0
%C12
名
/20
名 中 )
,
注 意 力
の低
ド の み の群 は33
.
3
%(
4
名
/12
名
中)
,
表
3 転 倒経
験群,
ニ アミス経 験群,
非経験 群の 3群比 較 全体
転 倒経 験群 :
A
ニ ァ ミス経験群 :
B
非 経験 群 :
C
分
散
比有 意 差 11
=
90n
=
22r1
=
36
n
=
32
F
〔
:
2
,
87
) 多 重 比 較 年 齢 (歳)MMS
得 点 (点)TMT
−
A
(点) 白己認 識の逸 脱 (cm ) 握 力 〔kg
) 足 把 持 力 (kg
) 足 関 節 背 屈 角 度 (度, 長座 体 前屈 距離 (じm ) 片 足 立 ち保 持 時 間 (sec) 歩 行 速 度 〔m,
’sec ) 83.
1± 5.
123.
5
± 4,
014
.
5
±6
.
017
ユ± 14.
53L7
±923
、
9
±2
.
624
.
7± 11.
025
.
0
±9
.
910
.
2
±12
.
31
.
〔}± 0.
3 83.
9 ± 3.
322,
3± 3.
89.
3
± ↓724
.
4± 13.
7 28.
7
± 8.
62.
1± 1.
218.
1± 9.
524.
9
±9
.
85
、
9
±7
.
70
.
8± 0.
4 82.
6± 6.
223.
4±4.
213.
2±3
.
9
上8.
4± ⊥2、
8 33.
2± 8.
4’
t.
7
± 2.
825
.
7± 7.
325.
6± 7.
911.
6
± ]7
.
2LO ± 0.
3 832 ± 4.
7 0.
47 ns 24、
3土 3.
8 ].
65 n3 19.
1± 4.
8 33.
32 * * LO、
8± 14.
〔} 6,
92 * * 32.
2± 9.
9 1.
74 11s 4.
4± 2.
6 8.
05 * * 26.
2± 8.
3 8.
06 * * 22.
8± 6.
9 ⊥.
17 ns ll.
3
± 14.
7 1.
16 ns l.
0±0.
3 3,
17 * 11S nsC
>B
>A
* * A・
B >C
* * nsB
・
C
>A
B・
C
>A
ns nsB・
C
>A
* 平 均±標 準 偏差,一
元 配置 分散
分 析 (p<e.
Ol),
多
重 比較検
定:Scheff6
法
.
* * p<0.
Ol,
* p<0.
05,
握 力,
足 把 持 力,
足関節 背 屈 角 度,
片足 立 ち保 持 時 間は 左 右の上 肢 ま た は 下 肢 機 能の測 定 値の合 計 を 示 す.
* * * * 表4 非 転 倒を基 準と し たニ ア ミ ス経 験と転 倒 経 験の ロジス テ ィッ ク回帰 分 析 ニ ア ミス経験 転 倒 経 験 項 目 オッ ズ比 1.
35 1.
081
.
07
1
,
52 * * o.
990
.
98
0
.
98
1.
020
.
96
⊥、
02 0.
6595
% 信 頼 区 問 オッ ズ比95
% 信 頼 区 間 性 別年 齢
MMS
彳号、
点TMT
−
A
自
己認識の逸 脱 握 力 足 把 持 力 足関節背
屈角
度 長座体 前屈 距 離 片足 立 ち保持 時 間 歩 行 速度Wa
[d
−
test
:0
,
55−
9
.
510.
94
−
1.
230
.
90
.
1
.
281
ユ6
・
1
.
760.
93.
1.
050.
89
.
1
.
080
.
69
・
1380
.
89−
LO80.
93
−
1
.
180
.
97
−
1.
070.
04−
0.
971
.
410
.
96LO23
.
21
* * 1.
30
†0
.
886
.
45
* 2.
56 *0
.
960821
.
03G
.
28
−
4
.
350
.
69
−
1
.
360
.
73
−
1〆131.
⊥4
−
4
.
540
.
97
−
1
.
730.
73
−
LO7
⊥.
20
.
10
.
651
ユ4
−
2
.
650
.
81
−
1、
220.
64
−
1
.
05024
−
7.
21
* *pく0
.
Ol
,
*p<OD5,
†p< 0.
1.
102 理 学療 法学 第
33
巻第3
弓 足把 持 力
の低 下
の みの群
は31
.
6
% (
6
名 /
19
名 中
),
双
方
と も に低 下
が認
め ら れ な かっ た転 倒 低
リ ス ク群
は0
%
(
0
名
’
39
名 中)
であっ た。
考
察ベ
ー
ス ライン調
査におけ
る対 象 者
の身 体 能 力
は,
平 均
片 足
立ち保 持 時 間
が5
.
0
秒
,
歩 行 速 度
がO.
9
.
m!’
secであ
っ た、
これ は奥 住
ら29 〕 やNagasaki
ら3ω の健常 高 齢 者
を対 象
とした研 究 結 果 (
平 均
J’
1一
足
立ち保 持 時
間35
.
9
秒
,平 均 歩 行 速 度
1
.
2
〜
1
.
5n1
/sec)
と比 較 す
ると著
しく低
下 してい た。 こ の結 果
は,
本 研 究
で対 象
とし
た高 齢 者
が,
要 介 護 認 定
に おい て,
在 宅
で生活 す
る た め に は何
ら か の支援 ま
たは介 護
が必 要
と判 定
さ れ た要 支 援
か ら要 介 護
3
の高齢 者
であ
っ たこと を考 え
ると当 然
の結 果
といえ
る。
ま た
,
対 象 者
90
名
の身 体 能 力 評価
であ
る握 力
,足 把
持 力
,
足 関節 背
1
出角 度
,
片足 立 ち保 持 時 間
,
歩 行 速 度
は,身 体
の柔軟 性 を 除 き
illい に有 意 な
正の相 関
が認
めら
れ た。
こ の ことは,
内 的 整 合 性
が高
い ことを意 味
し,信 頼
性
のあ
る身 体 能 力
の測 定
が行 え
たと 考 え
る。
方
,身 体
の柔 軟 性
は片足
立ち 保 持 時 問
および歩 行 速 度
以外
の測 定
値
とは有 意
な 関係
が認め ら れ なかっ たが,先 行
研究
31) に おいても障 害 高 齢 者
の柔 軟 性 と
ド肢 筋 力
や活 動 性
な ど の運 動 能 力
と は相 関 関 係 を認
めて お らず
,
矛 盾
し ない。
木
研究
の在 宅 障 害 高 齢 者
に お け る 1年
間の 転 倒 者の割
合
は24.
4
% であ
っ た。
こ の割 合
は, わ が 国の在 宅 高 齢
者
に おけ
る転 倒 者
の割 合
が10
か ら2
%と
の報 告
3z−
34) をL
回る頻度
であっ た が, これ は,身 体
障害
を有 す
るこ と で転 倒
の危 険性
が高
ま る との報 告
⊥ア)と一
致
す る 結 果 であ
っ た。
本 研 究 は, ベ
ー
スラ インに お け る身 体
能力
と 注 意力
を 評価
し,1
年
間の前 向
き調.
査 期
問 に お け る 転 倒 経 験 群22
名 と
ニ ア ミ ス経 験 群
36
名
,
非 経
験 群・
32
名
につ い て比 較検
討 し た、
分
散
分析
お よ び多
重 比 較検 定
に よ る3
群 間の比較
に お いて,
注意
の指標
と し たTMT
−
A
得 点
と身体 機
能の自
己 認 識の逸脱
は, 非経
験 群 より転
倒経
験 群 とニ ア ミス経
験群
が有 意
に 劣っ ているこ とが 示 さ れ た。
・
方
,
身 体
能力
の指 標
と し た 足把 持 力
,
足 関 節 背 屈角
度,
歩行
速 度の3
項 凵 は,
転 倒 経
験 群 がニア ミス経 験
群 と非 経 験 群
より有
意 に低
値 を 示 し た、
これ らの結 果
か ら,
今
同対 象
と し た在
宅 障害
高 齢 者の転 倒 は,
身
体 能力
の低
ドに加 え,
注 意力
が低
下 し た場 合
に 発 生 しやす
い こ と が伺
え た、さ ら に
,
ロジス テ ィ ッ ク 囲帰 分析
を用
い た検 討
では,
非 経 験 を 基準
と して ニ ア ミ ス経
験 を 凵 的 変数
と し た と き.
その関 連 要 因
と して抽 出
さ れ たの はTMT
−
A
得 点
の みで あり
,
転 倒 経 験
を目 的 変 数
と して分 析 す
る と,
TMT
−
A
得
点,
足 把持 力
,
足関節 背 屈 角 度
の3
項
目の オ ッズ比 が有 意
であ
っ た。 これ らの知 見
か ら,
今 同対 象
とし
た在 宅 障 害 高齢 者
で は,
注 意 力
の低
下 に加 え 身体 機 能
の低 ド
,
とく
に足 把 持 力
や足 関節 背 屈 角 度
の低
下 が み ら れ たとき
,
転 倒
し やす
い ことが示 唆
され た、
、
本 研 究
に おけ
るベー
スライ
ン調 査
の横 断 的解 析
に おい て,
在 宅 障 害 高齢 者
の足 把 持 力
と注 意力
の低
下 が転 倒 発
生の危 険 度
と 関連 す
る可能 性 を報 告
]3) したtt そこ で本
研 究
で は,
転 倒
の危 険 度 別
に4
つ の カテゴ リー
に分
け て比 較
し た が,
足 把 持 力
と注 意 力
が とも
に低
下 し ていた転
倒 高
リス ク群
の転 倒 発
生率
は60,
0
%と高
かっ た。一
方
,双 方
とも
に低
下 が認
め られ な かっ た転 倒 低
リスク群
に は転 倒
した者
がいな
かった
。
以
E
の結 果
から
,
本研 究
で実
施
さ れた前 向
き 研究
においても, ベー
スラ インに お ける身 体 機 能
,
と く
に 足把 持 力
な どの足部機 能
の低
下 が転 倒
発 生
の危 険 因子
であ
ること に加 え
,
注 意 力
の低
下も転 倒
を 引 き起
こす重
大 な 予 測 因 子となっ ているこ とが 実 証 さ れ た。
これ らの
知 見
か ら,
在 宅 障 害 高 齢 者
の転 倒
予防
プログ ラ ムには.
身体 能 力
の向
F
.
を 図 ると とも に, 注 意 力 を高
め る た めの注 意
トレー
ニ ング や 環境 整
備の必 要性
が 示唆
さ れ た。
今 後
は,
注 意 力 を高
め た り,
足 把 持 力
の強化
や 足 関節
卩∫動 性の拡 大 などの トレー
ニ ング法 が,
転 倒予
防 に対
し て有 効
か どう
か を 明 ら か に す るこ と が重
要 で あ ろう
。
本 研 究 は
,
平
地 歩行
が 自 立 している高齢 者
を対 象
と し た た め, 障害
の程
度 が 軽 く, 典 型 的 な 疾 患の特
徴,
例え
ば,
脳1
「IL管 障 害
にお け る 片麻 痺
や リウマチにお け る著
明 な関 節 変
形 を認
め な かっ た。一
方
,
既 存
疾 患 は多
岐 に わ た り, 疾 患の重 複 も多
かっ た、
し た がっ て,
転
倒の危 険性
が高
いと さ れ る 脳 血管 障 害
,
関 節 リウマ チ,
変 形 性 膝関 節
症 な ど,
疾 患 と転 倒
との関 係
につ いて検 討
で き な か っ た こ と が木 研
究の限界
で あ る。
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Uhiversity
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Akira
TSUDA,
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Department
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Kitrume
University
II'he
present study examinedphysical
and cognitivefactors
associated withfal[s,
We
surveyed thedisabled
elderly(N
=90,
mean age83.1
years)
disabled
staying athome.
During
1-year
prospective
monitoring,falts
were reportedby
22
persons,
and nearto
falls
were reportedby
36
persons,Their
levcls
of att.ention were measured withTrail
making test-PartA.
FaLls
group
(N
=22),
Near
to
Falls
group
(N
=36)
andNon-FaLls
group
{N
=32}
were compared with those scores.The
result showedthat
Falls
group
tindNeur
toFalls
group
had
Iow'er
scores ofTrail
makingtest
than
Non-FalLs
group, and also
Fal]s
ai]dNear
toFalls
groups
had
lower
self-perception ofbody
functions,
Falls
group
had
lower
scores offoot-gripping
force,
ankle range of motion, wEi}king speed, cotnpared withthe other