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極超短波治療器の使用と管理に関するアンケート調査

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Academic year: 2021

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(1)理学療法学 第 190 43 巻第 2 号 190 ∼ 191 頁(2016 年) 理学療法学 第 43 巻第 2 号. 平成 26 年度研究助成報告書. 2.調査内容と方法  調査項目は,物理療法の取り扱いをしている担当者の属性か. 極超短波治療器の使用と管理に関するア ンケート調査. らマイクロの設置状況,使用頻度,治療設定,さらに,患者や 機器への安全性の管理,電磁波に関する知識の有無を主要項目 とした。アンケートは,返信用封筒とともに,各施設に郵送し, 回答期間は,おおよそ 2 週間とした。回答と返信用封筒の差出. 1). 2). 1). 1). 髙木峰子 ,川村博文 ,鈴木智高 ,菅原憲一 ,鶴見隆正. 3). 人は,いずれも無記名とし,匿名性の確保に努めた。また。ア ンケートの返信をもって本研究への同意が得られたものとみな. 1). 神奈川県立保健福祉大学リハビリテーション学科理学療法学専攻. す旨を文書にて明記した。. 2). 結  果. 3). 1.アンケート回収状況. 甲南女子大学看護リハビリテーション学部理学療法学科 湘南医療大学リハビリテーション学科理学療法学専攻.  アンケートを郵送した 100 施設中,33 施設から回答があり, キーワード:極超短波治療器,電磁波,安全管理. 回収率は 33%であった。その回答の中から本研究では,マイ クロを実施している 27 施設を調査対象とした。. はじめに. 2.マイクロの実施状況について.  極超短波療法(以下,マイクロ)は,水分を多く含む組織で.  マイクロの配置は,28 施設(84.8%)であり,実施施設は,. ある筋肉にて電磁波エネルギーを熱エネルギーへ変換されやす. 27 施設(81.8%)であった。27 施設のうち,マイクロを取り. いことで,深層への効果的な温熱が可能である 1)。しかし,電. 扱っている担当者の職種は,理学療法士 8 施設(29.6%),看護. 磁波のため,使用時の注意事項が多く,実施する際には,患者. 師 6 施設(22.2%) ,医師 6 施設(22.2%) ,リハビリ助手 3 施. への安全性の確認が必要である。さらに電磁波は波であり,光. 設(11.1%),柔道整復師 1 施設(3.7%) ,マッサージ師 1 施設. のように放射されるため,治療目的の患部のみならずその周辺. (3.7%),マッサージ師と鍼灸師 1 施設(3.7%) (未回答 1 施設. に電磁波を放射してしまうという欠点がある。一般的に電磁波. を除く)であり,理学療法士が多く取り扱っていた。1 日のマ. は,人体や環境になんらかの影響を及ぼす可能性が高いと考え. イクロ使用頻度の中央値は,27.5 人であったが 0.8 ∼ 160 人と. られていることから,1998 年には,世界非電離放射線防護委. ばらつきを認めた。マイクロ治療時間は,全施設 10 分であっ. 員会(以下,ICNIRP)によって,健康への有害な影響を防止. た。出力の中央値は,90 W であったが,60 ∼ 200 W とばらつ. するために人体に対する基準値 2) が示され,我が国でも,郵. きを認めた。. 政省(現在の総務省)から電波防護指針が示されている. 3)4). 。. さらに,理学療法の分野では,川村ら 5)や岡崎ら 6)によって. 3.マイクロの患者や取り扱い者に対する安全管理  マイクロの患者に対する確認事項として,担当者が実施前. マイクロから発生する人工電磁場環境に対し,周辺の治療者や. に実施していることとして,「体内の金属の有無」が 27 施設. 患者を含めた人体への安全性について検討がなされ,マイクロ. (100%) ,「ペースメーカー使用の有無」が 26 施設(96.3%),. より 0.5 m 離れた位置では,ICNIRP が報告している公衆的曝. 「アクセサリー(ネックレス,イヤリング類)の装着」が 24 施 設(88.9%)「アプリケーターの向き(目や生殖器)」が 22 施. 露の基準を超えていると報告している。  さらに,人体に対する管理に加え,マイクロがもたらす電磁. 設(81.5%) , 「身に着けている洋服の確認」が 21 施設(78.6%). 場環境の医用電子機器に対する安全性については,1997 年に. 「電子機器(腕時計,携帯など)の使用」が 21 施設(77.8%),. 不要電波問題対策協議会により指針が策定され,総務省で心臓. 「その他(湿布,補聴器の確認等) 」が 7 施設(25.9%)であっ. ペースメーカーを中心に情報を公開している 7)。2007 年より. た。マイクロの実施により患者の不調などの訴えを経験した施. 電磁両立性(以下,EMC)規格以外の販売規制がされたことで,. 設は,8 施設(29.6%)であり,訴えの内容は,発赤,軽度の. 医療現場での電子機器に関する安全管理がされつつある。しか. 火傷,気分不快であった。. し,現在に至るまで使用に関しての規制はされていない. 8). 。マ. 4.マイクロの医療機器に対する安全管理. イクロによる電磁場環境機器相互の安全性について,筆者らに.  マイクロの隣に機器を設置している施設は,21 施設(77.8%). より心電図モニターに関しては,1.5 m 離す必要があると報告. であった。その機器の種類は,干渉低周波治療器などの物理療. している 9) が,実際の臨床現場でどのように管理されている. 法機器が 19 施設(70.4%)であり,マイクロの隣に機器を設. のか不明である。そこで,本研究は,アンケートを用いて,現. 置している施設のうち 90.5%が物理療法機器であった。マイク. 在の臨床現場におけるマイクロの使用状況と安全管理に関する. ロや隣の電子機器(物理療法機器やその他の医療機器)に不具. 実態調査を実施した。. 合が生じたことがあったと回答した施設は,7 施設(25%)で. 方  法. あり,ウォーターベッドや干渉低周波治療器,電波時計,タイ. 1.対象. マーや体重計などの電子機器の作動に問題があった施設が 5 施.  対象施設は,横須賀市と横浜市の医師会ホームページよりリ. 設,煙探知機の作動 1 施設,下の階で撮影していたレントゲン. ハビリテーション科が謳われている病院とクリニック 100 施設. 画像に乱れが生じた 1 施設であった。マイクロの周りの電子. とし,アンケートを郵送した。回答は,物理療法機器を実際に. 機器に対して,電磁波の妨害予防対策をしている施設は,4 施. 取り扱っている担当者に依頼するよう文頭に明記した。. 設(14.8%)であり,具体的な対策には,機器間の距離に気を.

(2) 極超短波治療器の使用と管理に関するアンケート調査. 191. つけている,同時に使用しない,布やカーテンをあてているで. 的で使用されるため,機器管理が求められる。エネルギーの高. あった。. い電磁波を放射するマイクロの隣に配置することによって,機. 5.電磁波に対する知識. 器の誤作動が生じるリスクが生じることが予測される。その電.  電磁波について,講習を受けたことはあると回答した施設. 磁波の妨害予防対策については,4 施設のみが実施していると. は,4 施設(14.8%)であり,書籍などで情報を得たことはあ. 回答されたが,その内容の中に,カーテンや布で対応している. ると回答した施設は,8 施設(29.6%)であり,いずれの方. と回答があった。マイクロや隣の電子機器に不具合が生じたこ. 法で情報を得ている施設は,9 施設(33.3%)であり,18 施. とがあったと回答した施設の中に,下の階のレントゲン画像に. 設(66.7%)が電磁波に関する知識を得ていなかった。さらに. 乱れが生じたと回答があったように,布や壁では,防御するこ. EMC に関して,知っていると回答した施設は,1 施設(3.7%),. とができないものである。さらに EMC 適合機器であるかどう. 聞いたことがあると回答した施設は,6 施設(22.2%)であり,. かについても重要な点であるが,これについての回答は,1 施. 知らないと回答した施設は 20 施設(74.1%)であった。. 設のみが知っている状況であった。これらのことから,電磁波. 考  察. に関する知識を持ち合わせて患者,担当者自身,電子機器への.  アンケートを回収した施設の大半がマイクロを使用してい. 安全管理を実施していく必要があると考えられた。. た。今回,アンケートの対象施設の数は,1994 年に実施され. 文  献. た利用実態調査において,90%以上の施設がマイクロを設置. 1)杉元雅晴:物理療法におけるリスクマネージメント.理学 療法.2001; 18: 593‒605. 2) 国際非電離放射線防護委員会:時間変化する電界,磁界 及び電磁界による曝露を制限するためのガイドライン (300 GHz まで) ,1998.http://www.icnirp.org/cms/upload/.../ ICNIRPemfgdljap.pdf(2016 年 2 月 2 日引用) 3)電波利用における人体の防護指針:電気通信技術審議会 答申 諮問第 38 号,1990.http://www.tele.soumu.go.jp/ resource/j/material/dwn/guide38.pdf(2016 年 2 月 2 日 引用) 4)電波利用における人体防護の在り方:電気通信技術審議会 答申 諮問第 89 号,1997.http://www.tele.soumu.go.jp/ resource/j/material/dwn/guide89.pdf(2016 年 2 月 2 日 引用) 5)川村博文,鶴見隆正,他:極超短波治療器および家電機器 周辺の電磁場環境の検討.運動療法と物理療法.2001; 12: 257. 6)岡崎大資,川村博文,他:極超短波治療の鎮痛作用と環境 に及ぼす影響.PT ジャーナル.2004; 38: 159‒166. 7)各種電波利用機器の電波が植込み型医療機器等へ及ぼす影 響を防止するための指針.http://www.tele.soumu.go.jp/ resource/j/ele/medical/H27guide1.pdf.(2014 年 5 月 18 日引用) 8)谷川廣治:医用電気機器の EMC 規格適合の法制化につい て.Clinical Engineering.2003; 14: 49‒56. 9)藤田峰子,川村博文,他:極超短波治療器から発生する電 磁波による電磁場環境が生体情報モニターへ及ぼす影響. 日本物理療法学会誌.2007; 14: 50‒52. 10)吉田正樹,川村次郎,他:物理療法機器利用実態調査.理 学診療.1995; 6: 232‒238. 11)川村博文:物理療法学(第 4 版) .網本 和(編),医学書 院,東京,2013,pp. 49‒57.. しており,今回も同様の結果であった 10)。さらに,マイクロ の取り扱い担当者は,理学療法士が多い割合を占めていたも のの,それ以外の様々な職種もかかわっていることが明らか となった。実施時間については,全施設 10 分で統一の結果と なったが,出力については,様々であった。照射適応量として, 120 W や心地よく温かいという主観的な目安にするとされてい る 11)が,各施設は,部位を問わず一律同じ出力を使用してお り,さらに,施設によってばらつきがあることから,10 分の 時間内で,マイクロの治療目的である深部温度の上昇が達成さ れているのかどうか不明である。200 W という出力と使用され ている施設については,パルス波を用いているため,高い出力 で設定していることが推測された。  患者に対する安全管理については,実施前の確認はほとんど の項目が実施されていたが,実際に 29.6%に発赤などの訴えが あったことから,実施前の確認はもちろん,実施中においても 定期的な確認が,患者を安全に治療するために必要なのではな いかと考えられた。さらに,電磁波に関する講習会や書籍など による情報収集をしていない割合が半数以上を占めていたこと に対し,現在の管理指針では,患者の医療効果を考慮した場合 は,適応対象とならない. 3). が,それを取り扱う担当者は,適. 応対象となるため,マイクロを取り扱っている担当者自身が電 磁波に対する知識を持ち合わせる必要があると考えられた。  機器に対する安全管理については,マイクロの隣に電子機器 を配置している施設が 77.8%と多くの割合をしめ,そのほとん どが物理療法機器であった。物理療法機器は,患者の治療を目.

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