算数6 年発展-1
算 数 科 学 習 指 導 案
1 日時 平成 28 年 11 月7日(月)第5校時 2 学年 第6学年1組 (男子 10 名 女子 6 名 計 16 名) 3 単元名 「順序よく整理して調べよう」(東京書籍) 4 単元について 【単元観】 本単元は,小学校学習指導要領解説算数編,第6学年〔D数量関係〕(5)「具体的な事柄について, 起こり得る場合を順序よく整理して調べることができるようにする。」を受けて設定した。児童は,第 4学年では,資料を二つの観点から分類整理して,二次元表やグラフに表したり,特徴を調べたりする 学習をしてきている。これらの学習の上に,本単元では,起こり得るすべての場合を順序よく整理して 列挙することができるようにすることをねらいとしている。本単元の順序よく整理して正しく数え上げ る学習や,図などに表す学習は,中学校で学習する確率の素地となる。 また,思いつくままに列挙していたのでは落ちや重なりが生じてしまう順序や組み合わせなどの事象 について,表などをつかって資料を分類整理する活動から考察することで,規則に従って正しく並べた り,整理して見やすくしたりして,誤りなく全ての場合を明らかにすることができる。すなわち,場合 の数を求めるには筋道を立てて考える力が求められ,その力を培うことが重視される単元である。 【児童観】 事前テストの結果は以下の通りである。 問題のねらい 正答数 誤答数と誤答分析 ① 正多角形の対角線をひくことができる。 13人 5人 全部の対角線をひくことができない。 7人 対称の軸と勘違いをして対角線以外の線 をひいている。 ② 資料を二つの観点から分類整理して特徴を 調べることができる。 24人 (3問) 5人 表から部分数,全体数を計算することが できない。 落ちや重なりがないようにそれぞれの図形に対角線をひいたり,資料の読み飛ばしのないように順序 よく数えたりするなど技能面において十分に身に付いていない児童が多い。重複したり,落ちがあった りする誤答が多かったため,正しい結果が得られるように間違いをなくしていこうとする態度を養うよ う配慮する必要がある。 6月に行った,全国学力・学習状況調査の結果では,主として「知識」に関する問題は,86.9 ポイン ト,主として「活用」に関する問題は,53.1 ポイントであった。第 5 学年までに身につけるべき知識・ 算数 第6学年 府中町立府中東小学校 指導者 西村 直子(発展) 単 元 名 本単元で育成する資質・能力 課題発見力・課題解決力・自分の思いや考えを伝える力『順序よく整理して調べよう』
並べ方と組み合わせ方
算数6 年発展-2 技能については定着しているといえるが,知識・技能等を実生活の様々な場面に活用する力や,課題解 決のための構想を立てて実践し評価・改善する力が弱いということが分かった。中でも「問題解決に向 けて示された資料のほかに必要な情報を判断し,特定することができる」33.3%(全国 48.3%)であり, 必要な情報を収集し,目的に応じて表現したり,適切な判断をしたりすることに課題が見られた。この ことから算数の内容や考えを活用して事象を解釈したり,根拠を明らかにして筋道を立てて考え,その 考えを言葉や数,式,図,表,グラフなどを適切に用いて数学的に表現したりすることが苦手であると いえる。発展コースの児童は,算数に対しての興味,関心が強く,様々な問題に挑戦したい,多様な考 え方を発見したいという意欲をもった児童が多い。 授業では,図や式などを用いて問題を解決し,児童が互いに図や式の意味を解釈し説明し合う活動を 設けるようにするとともに,友達の考えのよさや意図を考え,共感的に聴いたり,友達の考えにつなげ て自分の考えを広げたり深めたりすることを通して,学びを深めていくことを目指している。 【指導観】 ○ 課題発見・解決学習における工夫 指導に当たっては,単元導入時にパフォーマンス課題を提示することによって,本単元でどのような 力を身につけていけばよいのかを児童に意識させる。「課題の設定」の過程において児童にとって身近 な遊園地の乗り物を提示し,考え得る全ての乗る順番を書き出させる。その際,絵を切り取って考察さ せることで並び替えることよりも樹形図や表などでまとめるとよいという必然性をもたせる。そして, 何通りの答えがあるのか考えることを通して,これから落ちや重なりがないように順序や組み合わせを 考えるという単元全体の方向付けを行う。 「情報の収集」「整理・分析」の過程では,4つのチームがどのチームとも1回ずつ試合をするとき の組み合わせを調べる活動の中で,重なる部分は消したり,かかなかったりする等の工夫や図や表を使 って整理して考える有用性に気づかせる。また,過程として図や表を使って組み合わせを具体的に考え させる時間に重点をおくことで,結果として何通りの場合があるかを明らかにすることよりも,落ちや 重なりがないように,順序よく調べていこうとする態度を身につけさせる。 「まとめ・創造・表現」「実行」では日常的な場面を設定したパフォーマンス課題から並べ方や組み 合わせを見つける活動を行い,順序を考え整理して数えたり,整理するために図や表を用いたりするよ さを活用することができるようにしたい。日常生活の問題の解決に向けて,必要な情報を収集し,目的 に応じて表現したり,適切な判断をしたりすることで,事象の特徴を捉えるだけでなく,他者へ分かり やすく伝えたり,新たな課題を見いだしたりする力を育てる。 ○ 主体的・協働的な学びのための工夫 主体的・協働的な学びを促すために,昨年度から取り組んでいる「算数の学び方ガイド」を児童にさ らに意識させ,課題発見・解決学習のサイクルを意識させながら,自分たちで学びを作るという心構え をもたせ,発表の仕方や友達の発言の聴き方やつなげ方を指導していく。 共同解決の場面では,自分の考えを表現するだけにとどまるのではなく,友達の考えとの相違点に気 づき,考えがつながり,より分かりやすく広がっていくように協働的に課題を解決していくことを児童 にも意識させながら進めていく。 また,基礎的・基本的な内容の確実な定着を図り,個に応じた多様な教育を推進するため,習熟度で2 つのグループに分け,少人数指導で進めていく。本単元では,発展的学習を進める学習集団と基礎を確実 にする学習集団に分け,それぞれの集団の理解や習熟の程度にあった指導にあたる。
算数6 年発展-3 【本単元における育成すべき資質・能力】課題発見力 課題解決力 自分の思いや考えを伝える力 本単元では,起こり得る場合を順序よく整理して調べる過程で自分なりに課題を発見したり,解決し たりする力を育てる。また,筋道を立てて考えを進めていき,落ちや重なりのないように図や表を適切 に用いたり,名称を記号化して端的に表したり,自分の考えを学級やグループの友達に分かりやすく説 明したりする力を育てる。 5 本単元の目標・評価規準及びパフォーマンス課題と評価の指標 単元の 目標 具体的な事柄について,起こり得る場合を順序よく整理して調べることができる。 資質・ 能力 ○ 順序や組み合わせについて話し合ったり,図や表をかいたりする過程で自分なりに日常 生活の課題を発見したり,解決したりする力。 ○ 自分の考えを学級やグループの友達に分かりやすく説明する力。 評価規準 資質・能力 関心・意欲・態度 数学的な考え方 技能 知識・理解 自分なりに課 題を発見した り,解決したり しようとしてい る。 自分の考えを 学級やグループ の友達に分かり やすく説明しよ うとしている。 順 序 や 組 み 合 わせについて,図 や 表 等 を 用 い て 工夫しながら,落 ち や 重 な り が な いように,順序よ く 調 べ よ う と し ている。 順 序 や 組 み 合 わせについて,落 ち や 重 な り の な い よ う に 図 や 表 を 適 切 に 用 い た り,名称を記号化 し て 端 的 に 表 し たりして,順序よ く 筋 道 立 て て 考 えている。 順序や組み 合わせについ て,落ちや重 なりのないよ うに,起こり 得る場合を順 序よく整理し て調べること ができる。 順序や組み合 わせについて,落 ちや重なりのな いように調べる には,ある観点に 着目したり,図や 表などにかき表 したりするとよ いことを理解し ている。 【パフォーマンス課題(発展コース用)】 条件1 条件2 げんたさんは,週末にマツダスタジアムへ野球を見に行きます。げんたさんの家からマツ ダスタジアムまでの行き方は次のような行き方があります。家から東小前駅までが徒歩で 10 分かかります。そこからまず天神川駅まで行く方法は自転車,電車,バスの 3 通りあり ます。次に天神川駅から広島駅まで行く方法は電車,バスです。さらに広島駅からスタジ アムまで徒歩で 5 分かかります。(バス・電車の時刻表,運賃表を提示する) 試合が始まる12時40分までに着きたい な。12 時に家を出て,間に合う行き方は どれかな。全て知りたいな。 げんたさんは,おこづかいを500円もらいました。マツダスタジアムで350円の風船 を買おうと考えています。そのためにはどの行き方で行くとよいですか。全て答えましょう。 帰りは迎えがくるので帰りの代金は考えません。 おこづかいで 500 円もらったから,マツ ダスタジアムで 350 円の風船を買おう。 そのためには,どの行き方で行くといいか な。帰りは迎えに来てくれるので,帰りの 代金は考えなくてもいいよ。
算数6 年発展-4 本質的 な問い 起こり得る場合を確実に調べるにはどうすればよいか。 永続的 な理解 思いつくままに列挙するのではなく,規則に従って正しく並べたり,図や表に整理したり 落ちや重なりのないように見やすく調べていくことが有効である。 パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 の 評 価 4 条件にあった組み合わせを落ちや重なりのないように答えることができる。 規則に従って正しく並べたり,図や表を用いて見やすく整理したりして,分かりやすく説明 している。 3 条件にあった組み合わせを落ちや重なりのないように答えることができる。 2 条件にあった組み合わせを答えているが落ちや重なりがある。 1 条件にあった組み合わせを適切に答えることができない。 規則に従って正しく並べたり,図や表に用いて見やすく整理したりすることができていない。 6 指導と評価の計画(6時間) 時 主な学習内容 評価の観点 関 考 技 知 主な評価規準 1 単元のゴールを知り,学習をする という見通しをもつ。複数の中から 選ぶ場合にいろいろなパターンが 考えられることに気づき,並べ方や 組み合わせ方について調べていく という課題をもつ。【パフォーマン ス課題の事前提示】 順序について,落ちや重なりのな いように調べる方法を考え,その方 法を理解する。 ○ ◎ ● 乗る順番について,落ちや重なりがな いように工夫して順序よく調べようと している。【資・能】 ・ 順序について,落ちや重なりがないよ うに,記号化したり図や表を用いたりし て,順序よく筋道立てて考え,調べてい る。 2 順序について,落ちや重なりのな いように調べる方法について理解 を深める。 ◎ ・ 順序について,落ちや重なりがないよ うに順序よく整理して調べている。 3 組み合わせについて,落ちや重な りのないように調べる方法を考え, 調べることができる。 ◎ ・ 組み合わせについて,落ちや重なりの ないように調べる方法を考え,説明して いる。 ● 自分なりに課題を発見したり,解決し たりしている。自分の考えを学級やグル ープの友達に分かりやすく説明しよう としている。 【資・能】 課題の設定 情報の収集 整理・分析
算数6 年発展-5 4 5種類のアイスクリームから2 つを選ぶときの組み合わせを考え ることができる。 ◎ ・ 5種類の中から2つを選ぶときの組み 合わせについて,落ちや重なりの内容に 調べる方法を考えることができる。 5 学習内容の定着を確認し,理解を 確実にする。 ○ ◎ ・ 基本的な学習内容を身に付けている。 6 パフォーマンス課題に取り組み, 全体で考えを交流し合う。本時 ○ ◎ ・ パフォーマンス課題に取り組み,学習 内容を適用して問題を解決することが できる。 ● 自分なりに課題を発見したり,解決し たりしている。 自分の考えを学級やグループの友達 に分かりやすく説明しようとしている。 【資・能】 7 本単元の学習の系統性 折れ線グラフと表 ・資料を整理すること ・二次元表の表し方,読み方 4年 6年 中学 まとめ・創造・表現 並べ方と組み合わせ方 ・場合の数の調べ方 ・順序,組み合わせの素地 振り返り 確率 整理・分析 実行
算数6 年発展-6 8 本時の目標 《 発展 》 ○ 既習したことを適用して,パフォーマンス課題に取り組み問題を解決することができる。 ● 自分なりに課題を発見したり,解決したりしている。【資・能】 ● 自分の考えを学級やグループの友達に分かりやすく説明しようとしている。【資・能】 9 学習の流れ(6時間目/全6時間) 学習活動(ふきだし:児童の反応) 指導上の留意事項◇ ◆「努力を要する」状況と判断した児童への指導の手立て 評価規準 (評価方法) つ か む 3 分 見 通 す 2 分 解 決 す る 7 分 1 パフォーマンス課題を読み,課題を発見し,見 通しをもつ。 ○ 気付きを出し合う。 ○ 条件1について知る。 2 本時のめあてを確認する。 ○ 考えるための見通しをもつ。 ・落ちや重なりのないようにするために,図や表 に書き表す。 ・条件に合ったものを選ぶために,式や説明を加 える。 3 情報を収集し,解決方法を考える。 ・時間を記入して考える。 ・数値をもとに式で考える。 ・記号化して考える。 4 考えを発表し合い,考えを検討し,整理・分析 をする。 主発問:条件を考えたときに気づいたことはありま せんか。 ○それぞれの考えを発表し,求め方を比較する。 ◇ 自由に思ったことを言わ せて,問題場面の把握をさせ るようにする。数値が示して いないものを提示し,必要感 をもたせる。 ◇ 条件 1 を提示し,ただ組み 合わせを考えればよいので はなく,条件に合ったものを 考えるという課題意識を喚 起させる。 ◇ 落ちや重なりのないよう にという,重要な既習事項を おさえ,そのために必要な整 理の仕方をノートに記述さ せる。 ◆ 解決の見通しが立たない 児童に対しては,何通りの行 き方があるのかを考え後,条 件に合うものを選ばせるよ うにする。 ◇ 今までの学習との違いや 条件について考えを交流さ せることにより,図や表に表 すよさを実感させる。 ・ 落ちや重 なりが生じ ないように 図や表にあ らわし,条 件に合うも のを選ぶこ とができ る。 (ノート・発 表・行動観察) 条件に合った行き方を考え,友達に説明しよう。 げんたさんは,週末にマツダスタジアムへ野球を見に行きます。げんたさんの家からマツ ダスタジアムまでの行き方は次のような行き方があります。家から東小前駅までが徒歩で 10 分かかります。そこからまず天神川駅まで行く方法は自転車,電車,バスの 3 通りあり ます。次に天神川駅から広島駅まで行く方法は電車,バスです。さらに広島駅からスタジ アムまで徒歩で 5 分かかります。(バス・電車の時刻表,運賃表を提示する) 行き方が何通りある だろうか? どれくらい違いがあるのだ ろう。比べてみるといいね。 一番速い行き方は,どれかな。 バスだけでも行ける けど,駅で乗り換える こともできるよ。 試合が始まる12時40分までに着きたい な。12 時に家を出て,間に合う行き方は どれかな。全て知りたいな。 自転車はお金がかからないけ ど,時間がかかりそう。
算数6 年発展-7 深 め る ・ 広 げ る 10 分 ま と め る ・ つ な げ る 10 分 5 適用問題を解く。 条件2 6 情報を収集し,解決方法を考える。 ・代金が必要 ・500-350=150 150 円で行く場合を考える。 7 考えを発表し合い,考えを検討し,整理・分析 をする。 8 本時のまとめをする。 9 学習を振り返る。 ◇ 振り返りの視点,②自分の 学びについて,⑤ふだんの生 活,の観点で振り返らせる。 ● 自分なり に課題を発 見したり, 解決したり している。 自分の考 えを学級や グループの 友達に分か りやすく伝 えている。 【資・能】 (発表・行動 観察) 10 板書計画 8 条件に合った方法を見つけるためには,条件に合わせて必要な情報を選ぶとよい。 運賃は 150 円以内だ。 行き方は何通りあるかな。 自転車は運賃がいらない。 電車とバスを乗り継ぐ 方法もある。 ④いろいろな乗り物のパターンの中で,安くて速い行 き方をみつけてみたい。 おこづかいで 500 円もらったから,マツ ダスタジアムで 350 円の風船を買おう。 そのためには,どの行き方で行くといいか な。帰りは迎えに来てくれるので,帰りの 代金は考えなくてもいいよ。 げんたさんは,おこづかいを500円もらいました。マツダスタジアムで350円の風船 を買おうと考えています。そのためにはどの行き方で行くとよいですか。全て答えましょう。 帰りは迎えがくるので帰りの代金は考えません。 条件1 必要な情報 問題 パフォーマンス課題 提示 めあて 条件に合った行き方を 考え,友達に説明しよう。 500 円持っている。350 円のジェッ ト風船を買うことのできる行き方 バス料金表 バス時刻表 電車運賃表 電車運賃表 まとめ 条件に合った方法を見 つけるためには,条件に合わせて 必要な情報を選ぶとよい。 図・表 条件2 12 時に家を出て,12 時 40 分まで に着く行き方 500-350=150 150 円で行くことができる ふり返り