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伊 藤 塾

記述式答案構成力養成答練

不動産登記法

第4回

第1問

解説

主要な判断の分かれ目

第1 実体判断 ...3 1-1 事件概要及び法律構成 ...3 □□□ 婚姻によって氏を改めた夫又は妻は,離婚によって婚姻前の氏に復するのが原則である。 ...3 □□□ 当事者間に離婚の合意が成立した旨の調停成立調書の記載は,確定判決と同一の効力を有するため,離婚の効力 は調停成立時に直ちに生じる。戸籍の届出は報告的性質を有するものに過ぎない。⇔協議離婚では戸籍の届出によっ てはじめて離婚の効力が生じる。 ...3 1-2 甲山一郎の相続(事実1)の検討...5 □□□ 特別受益者が受ける贈与・遺贈の額が,相続分の額に等しく,又はこれを超過する場合(超過特別受益)には,特別受 益者は相続分を受けられないにとどまり,超過分についての持戻しは不要である。そのため,この場合には厳密な計算 をするまでもなく,法定相続比による簡易な相続分の修正が可能となる。 ...6 1-3 遺産分割調停(事実3及び4)の検討 ...8 1-4 免責的債務引受契約(事実5)の検討 ... 10 □□□ 随伴性が回復する元本確定後の根抵当権について,被担保債権の範囲を設定当事者の自由な合意で変更すること はできない。 ... 11 1-5 追加設定契約(事実6)の検討 ... 11 第2 架橋判断 ... 13 2-1 乙建物の保存登記の処理... 13 □□□ 未だ保存登記がされていない不動産を,共同相続人のうち1人の相続人が取得する遺産分割が成立した場合,当該 相続人の単独所有名義とする所有権保存登記をすることができる。 ... 13 2-2 申請件数 ... 14 □□□ 甲土地(持分)及び乙建物を目的として,同一債権担保のため,同時に追加設定がされた場合でも,及ぼす変更登記 と設定登記とでは登記の目的が異なるため,1件の申請情報にまとめて申請することはできない。 ... 14 2-3 申請順序 ... 15 □□□ 確定後固有の登記を申請する場合,その前提として元本確定の旨の登記を要するのが原則であるが,相続開始後6か 月以内に合意の登記がされなかったことにより元本が確定したときには,債務者の相続による変更登記を要し,元本確 定登記は不要とされる。債務者の相続による登記の原因日付から,相続開始時点での確定がみなされる根抵当権であ ることが登記記録上明らかとなるからである。... 16 □□□ 所有権保存登記がされない限り,原則として他の権利の登記は申請できない。 ... 16 第3 手続判断 ... 17 3-1 錯誤による所有権登記名義人の氏名の更正登記(甲土地) ... 17 □□□ 共有名義人のうち1人に氏名又は住所に変更更正があった場合の名変登記の変更(更正)後の事項は,どの共有名 義人についての変更(更正)かを明示した上で,正しい氏名又は住所のみ記載すれば足りる。 ... 17 3-2 遺産分割による持分の移転登記(甲土地) ... 19 □□□ 判決による登記の調停又は和解調書における登記手続条項は,債務者が登記申請という意思表示をすることを明確 に表現するため,「~登記手続をする。」とされるべきである。「~登記をする。」「~登記手続に必要な書類を交付する。」 「~登記手続に協力する。」では,判決による登記の「判決」に該当しない。 ... 20 □□□ 遺産分割の調停(又は審判)の結果に基づき,本来単独申請である「相続」を原因とする移転登記をする場合や,所有 権の保存登記をする場合には,登記手続条項は不要である。 ... 20 3-3 債務者の相続による根抵当権の変更登記(甲土地) ... 22 3-4 (免責的)債務引受による根抵当権の変更登記(甲土地) ... 24 3-5 抵当権の及ぼす変更登記(甲土地) ... 26 □□□ 及ぼす変更登記の添付情報として,既設定目的部分にかかる登記識別情報は不要である。追加設定の実質があり, 既設定分について重ねて設定するわけではないからである。 ... 27 □□□ 及ぼす変更登記の登録免許税は,設定登記の実質に着目して課税され,原則,債権額×1000分の4の定率課税であ るが,共同抵当権の追加設定であるため,登録免許税法13条2項の軽減規定の適用を受けることができる。 ... 27 3-6 所有権保存登記(乙建物)... 28 □□□ 所有権保存登記を申請する場合,申請根拠条項(申請人の種別)が申請情報の内容となるが,これは登記される事項 ではない。 ... 30

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[1] 当てはめ (a) 甲土地所有権 甲土地については,甲区3番で既に共同相続の登記がされているため,「遺産分割」を原因 関係と捉える。当該権利変動の態様は,取得持分についての権利主体の変更なので,登記の種 類は「移転登記」と決定できる(法3)。 (b) 乙建物所有権 一方,乙建物については未だ共同相続の登記がされていないため,遺産分割の遡及効によっ て,被相続人から相続人甲山芳子が直接相続により承継したものと構成することが可能である。 したがって,遺産分割は「相続」の法律関係として,乙建物に関する原因関係となる。当該権 利変動の態様は,権利主体の変更なの で,登記の種類は「移転登記」と決定 できる(法3)。また,相続を原因と して直接甲山芳子単独所有名義とする 登記が許容される結果,1-2で判断 した共同相続の登記は,乙建物につい ては不要となる。 1-2 免責的債務引受契約(事実5)の検討 1 法律関係の判断 [1] 検討のポイント ・ 債務引受には,免責的債務引受(旧債務者が債務を免れ,新たに引受人のみが債務者とな る効果を生ずる)と,重畳的債務引受(旧債務者が債務を負ったまま,引受人が連帯債務者と なる(最判昭41.12.20))がある。 ・ 免責的債務引受は,原則として,債権者・旧債務者・引受人の3者間契約で行う。これに代え て,債権者・引受人の2者の契約ですることもできるが(民514本文参照),この場合,旧債務者 の意思に反することが明らかなときは,免責的引受の効果は認められない(大判昭10.3.6)。 [2] 当てはめ 事実5前段の契約内容は根抵当権の被担保債務となっている相続債務を甲山芳子のみが免責的 に引き受けるものであるため,免責的債務引受契約である。根抵当権者である木山良文と引受人 甲山芳子が契約当事者となっているので,債権者・引受人間契約となる。これに対して,当該債 務引受の旧債務者となる甲山洋子,太郎及び吾郎の意思に反する事実は示されていないので,免 責的債務引受契約の法律関係を判断して差し支えない。 2 原因関係の判断及び登記の種類の決定 [1] 免責的債務引受の法律効果 事実5の免責的債務引受により,根抵当権被担保債務のうち,旧債務者甲山洋子,太郎及び吾 郎が承継した債務の債務者が引受人甲山芳子に交替的に変更する効果が発生する。 [2] 債務引受が根抵当権に及ぼす影響 被担保債務の債務引受が根抵当権に及ぼす影響は,次表のとおり,根抵当権の元本確定の前後 で異なる。 一郎相続人 遺産分割 調停成立 甲地 乙建→芳子 甲地登記手続条項 (事4,別4) 6/15 甲山一郎死亡 相続 洋子1/5 太郎1特受0 吾郎1/5 芳子3/5 (事1,別3) H29 11/11 甲地 甲3 登記 ↓ 錯誤 12/13 乙川次郎 洋子 調停離婚 (事2) 12/8 離婚 届出 戸籍 →甲山洋子 氏名変更 (事2) 12/15

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伊 藤 塾 【根抵当権被担保債務引受の効果】 確定前 確定後 効 果 変更なし (引受債務が被担保債権の範囲から離脱するのみ) 債務引受に伴い債務者が変更 (普通抵当権と同じ) 理 由 被担保債権の範囲で画される不特定債権を担保し,引受債務について,根抵当権を行使できない から(民398の7Ⅱ)。 元本確定時の債権を特定債権として担保する ものとなっており,付従性・随伴性を回復し ているから。 したがって,被担保債務の債務引受による根抵当権の権利変動を判断するには,債務引受時点 の元本確定の有無を確認しなければならない。 本問の場合,平成29年11月11日に債務者甲山一郎の相続が開始し,債務引受時点では,合意 の登記がされないまま相続開始から6か月を経過しており,債務者の相続開始時に遡って元本確 定がみなされる根抵当権となっているといえる(債務者の相続による変更登記がされれば登記上, 確定が明らかになる。)(民398の8Ⅳ)。 [3] 原因関係及び登記の種類 元本確定後の債務引受であるため,引受債務の債務者が変更するのに随伴して, 根抵当権の登記事項である債務者も変更されることになる。この効果は民法177 条に規定する「変更」に該当するため,事実5の債務引受契約は甲土地の1番根 抵当権に関する原因関係となる。当該権利変動の態様は権利の内容(登記事項で ある債務者)の変更であるため,登記の種類は,「変更登記」となる(法3)。 なお,上記のとおり,債務引受にかかる債権は,随伴性により根抵当権によっ て担保されるため,事実5後段の合意は当然の効果を確認したに過ぎず,法的に は特に意味がないことになる。また,随伴性が回復する元本確定後であるため, 被担保債権の範囲を設定当事者の自由な合意で変更することはできず,これを根抵当権変更契約 と解せば,その効力は生じないことになる。 1-3 追加設定契約(事実6)の検討 1 法律関係の判断 [1] 検討のポイント ・ 抵当権は,被担保債権の存在を前提として(成立の付従性),その債権者と,適法な設定目的 物につき処分権限を有する設定者とが(物権契約),被担保債権を担保する抵当権を設定する契 約をすることで発生する(民369)。 ・ 普通抵当権の追加設定では,被担保債権が同一であれば,当然に共同担保となる(民392)。し たがって,根抵当権の場合(民398の16)と異なり,共同担保化についての当事者の意思や登記 を考慮する必要はない。 ・ 所有権又は共有持分権の一部を目的とする抵当権は,当然には成立し得えないのが原則である が(昭35.6.1民甲1340通:「不動産登記先例百選(第二版)」p84),登記実務は,目的物に独立 性・特定性が認められ,法律関係を錯綜させない公示が可能であれば,権利の一部を目的とする 抵当権の設定を認めている(第1回第1問解説1-3参照)。 [2] 当てはめ 事実6で契約当事者となっている甲山芳子は,遺産分割調停により甲土地の所有権全部を取得 しており,登記実務の見解に立つ限り,甲山芳子の所有権のうち,2番抵当権が目的とする持分 以外の所有権の残部を目的とする抵当権の追加設定及びその登記は許容される。 木山―芳子 免責務引受 甲地1根務 →芳子 引受債務を 1根で担保 (事5) 6/22

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第3 手続判断

3-1 錯誤による所有権登記名義人の氏名の更正登記(甲土地) 登 記 申 請 書 登記の目的 3番所有権登記名義人氏名更正 原 因 錯誤 更正後の事項 共有者乙川洋子の氏名 甲山洋子 申 請 人 ○市○町○丁目○番○号 甲山洋子 添付情報 登記原因証明情報 代理権限証明情報 平成○年○月○日申請 ○○ 法 務 局 ○○支局(出張所) 代 理 人 ○市○町○丁目○番○号 司法書士 法務直子 ㊞ 連絡先の電話番号00-0000-0000 登録免許税 金1,000円 不動産の表示(省略) 1 登記事項 [1] 登記の目的(法59①,令3⑤) 順位番号及び権利の種類で対象権利を特定し,登記名義人の氏名の更正の登記であることを表 現する(記録例608)。なお,共有名義人の1人についての名変登記であるが,単有登記名義人の 名変登記と同様の表現が相当である(登研318質疑,記録例609)。 [2] 登記原因及び日付(法59③,令3⑥) 登記原因は,登記事項の原始的誤り=「錯誤」である。甲区3番の登記がされ錯誤が発生した 日は登記記録上明らかであるため,原因日付の記載を要しない。 [3] 更正後の事項(法59①,令別表23申) 明瞭公示のため,登記の目的から分離派生させた登記事項である。どの共有名義人についての 更正かを明示した上で,正しい氏名のみ記載すれば足りる(記録例609)。 2 登記事項の真実性の担保 [1] 申請構造及び申請人 登記名義人からの単独申請となる(法64Ⅰ)。更正登記だが,登記上の利害関係第三者の承諾 は問題とならない(法66参照)。申請人となる登記名義人(法2⑪)として,甲山洋子を捉える。 [2] 申請人の記載表現 申請人の氏名・住所を記載する(令3①)。登記権利者,登記義務者を観念できない単独申請 であるため,申請人の資格は単に「申請人」とすれば足りる。 [3] 添付情報 (a) 登記原因証明情報(法61,令7Ⅰ⑤ロ) 単独申請であるため,原則として,公務員の職務上作成情報に限定される(令別表23添)。 離婚復氏による「錯誤」を証する情報は,原則的には,離婚の効力発生及び変更後の氏を証 明できる戸籍の証明書となるが,本籍と住所が異なる場合には同一人性を証するため,戸籍の 附票又は本籍の記載のある住民票の写しをも提供すべきことになる。

(5)

伊 藤 塾 また,住民票の写しで氏名の変更を明らかにできるときは,住民票の写しのみで足り, さらに戸籍の証明書を提供する必要はないとされている(昭40.9.24民甲2824回)。 本問の場合,本籍と住所が同一か否かは明らかではないため,甲山洋子の戸籍の証明書(添 付情報一覧のウ)に加え本籍の記載がある住民票の写し(添付情報一覧のケ)を提供する。も っとも,添付情報一覧のケの住民票の写しには氏名変更の記載があるものとされているため, 当該住民票の写しのみでも足りる。 他方,氏名変更の事実は第一義的には戸籍(又は住民票)の記載で立証すべきものであり, また,婚氏続称(民767Ⅱ)の可能性もあるため,離婚調停調書(添付情報一覧のイ)は登記 原因証明情報とならない。 (b) 登記識別情報(法22),印鑑証明書(令18Ⅱ,規49Ⅱ④・規48Ⅰ④⑤) 不要 登記義務者の存在しない単独申請(法64Ⅰ)であるため,登記義務者の本人確認情報である 登記識別情報(登記済証),及び登記義務者の申請意思を担保する印鑑証明書の提供は不要で ある。 (c) 申請代理権に関する代理権限証明情報(令7Ⅰ②) 司法書士の申請代理権限を証する甲山洋子の作成にかかる委任状を提供する。 登記原因 の証明 申請構造履行の証明 代理代表の証明 3 登録免許税の計算 不動産の個数×1,000円の定額課税となる(登免税別表第1.1.⒁)。対象不動産は甲土地1個 のみなので,登録免許税額は金1,000円となる。 4 答案作成上の注意 上記のうち,登記記録の「権利者その他の事項」に記録される事項から登記原因及びその日付を 除いた事項は,更正後の事項である。これと併せて申請人の氏名及び住所を解答欄の「上記以外の 申請事項等」欄へ解答することになるが,申請人の住所については,注1により記載を要しない。 添付情報については,注2の指示に従い,添付情報一覧から,ウ,ケを選択し記載するが,ウは 省略しても差し支えない。 定額課税であり課税価格はないため,課税価格欄には注4の指示により「なし」と記載する。 司法書士 原 代

名 甲山洋子

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記述式答案構成力養成答練

不登法

第4回第1問

解答例

35点満点 第1欄⑴ この欄の配点 5点 枠ごとの配点 登記の目的 3番所有権登記名義人氏名更正 1点 申 請 事 項 等 登記原因 及びその日付 錯誤 1点 上記以外の 申請事項等 更正後の事項 共有者乙川洋子の氏名 甲山洋子 0.5 点 申 請 人 甲山洋子 0.5 点 添付情報 (ウ),ケ ※ ケのみでも差し支えない。ウ,ケ以外の記載があるものはこの枠の得点 は0点。 1点 課税価格 な し 0.5 点 登録免許税額 金 1,000 円 0.5 点 第1欄⑵ この欄の配点 5点 登記の目的 甲山洋子,甲山吾郎持分全部移転 1点 申 請 事 項 等 登記原因 及びその日付 平成 30 年6月 15 日遺産分割 1点 上記以外の 申請事項等 権利者(申請人) 持分5分の2 甲山芳子 義 務 者 甲山洋子 甲山吾郎 1点 添付情報 オ,ク ※ 過不足含め,情報(かっこ内記載を含む。)ごと見て誤りがあれば 0.5 点 を減点。2情報以上誤りがあればこの枠の得点は0点。以下,各添付情報 欄において同じ。 1点 課税価格 移転した持分の価格 金 1,425 万 3,000 円 0.5 点 登録免許税額 金5万 7,000 円 0.5 点

参照

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