• 検索結果がありません。

Microsoft Word 年民法Iシラバス.doc

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "Microsoft Word 年民法Iシラバス.doc"

Copied!
17
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

授業科目

民法Ⅰ(総則・物権総論)

担当者 岡本 友子 授業科目群 法律基本 必修・選択の別 必修 開講年次・学期 1年次・前期 履修条件 1 年生の必修科目を履修中であること。 学習の目標 民 法 Ⅰ( 総 則・物 権 総 論 )で は 、講 学 上 い わ ゆ る 民 法 総 則 か ら 物 権 法 ( 物 権 総 論 、物 権 変 動 、用 益 物 権 )ま で を 取 り 扱 う 。法 学 部 卒 業 以 外 の 初 め て 民 法 に 接 す る 受 講 者 を 前 提 に 、 授 業 を 進 め て い く 。 民 法 の 体 系 の 中 で 、 民 法 総 則 や 物 権 法 を 学 ぶ 上 で 重 要 な 法 制 度 や 基 本 原 則を理 解す る。また、基本 的な質 問事項 につ いて、条 文 や 判 例 を 手 が か り に 自 ら 考 え 、 法 を 解 釈 ・ 適 用 し て 問 題 解 決 す る 能 力 を 養 う こ と を 目 標 と す る 。 授業の計画 第 1 回 法律行為総説、意思表示、心裡留保 第 2 回 虚偽表示 第 3 回 錯誤 第 4 回 詐 欺 ・ 強 迫 、 誤 認 ・ 困 惑 ( 消 費 者 契 約 法 ) 第 5 回 代理(1)代理制度 第 6 回 代理(2)無権代理 第 7 回 代理(3)表見代理 第 8 回 権利能力・意思能力・行為能力、制限能力者制度 第 9 回 時効(1)時効制度 第 10 回 時効(2)占有と取得時効 第 11 回 時効(3)消滅時効 第 12 回 物権法総説、物権変動(1)物権変動の基本原則 第 13 回 物権変動(2)不動産物権変動 第 14 回 物権変動(3)動産物権変動、即時取得 第 15 回 物権的請求権、所有権、共同所有、用益物権 第 16 回(補習)法人と権利能力なき社団 教科書 1 内田貴『民法Ⅰ総則・物権総論(第 4 版)』(東京大学出版会、2008) 主な参考文献 1 星野ほか編『民法判例百選Ⅰ 総則・物権(第 6 版)』(有斐閣、2009) 2 山田ほか編『分析と展開 民法Ⅰ(第 3 版)』(弘文堂、2004) 試験・成績評価 の方法 講義期間中の出席・発言、小テスト・レポートなどによる評価(平常点)を30%、 定期試験による評価を70%の割合で成績評価を行います。

(2)

科 目 民法Ⅰ (総則・物権総論) 担 当 者 岡本 友子 第 1 回 全 15 回 法律行為総説、意思表示、心裡留保 事例(授業内容) 第 1 に、法律行為総説として、法律行為と準法律行為の意義や種類、法律行為の要件について、理解しよう。 第 2 に、意思表示に関し、意思表示の意義や構造、意思主義と表示主義、意思の欠缺と瑕疵ある意思表示、意思 表示の成立と効力発生について、理解しよう。 第 3 に、「意思の欠缺」の一つ、心裡留保(93 条)に関し、意義・要件・効果について、理解しよう。 要点 <重要論点> 1)法律行為:客観的有効要件 ①法の適用に関する通則法 3 条と 92 条の関係 ②取締法規違反行為の効力 ③動機が不法な法律行為の効力 2)心裡留保:意義・要件・効果 ①悪意・有過失の立証責任 ②相手方からの無効主張の可否 ③第三者に対し無効を対抗することの可否 3)心裡留保:適用範囲 ①単独行為への 93 条の適用の可否 ②身分行為への 93 条の適用の可否 4)★心裡留保:93 条但書の類推適用 ⇒「代理」で検討します。 ①代理権・代表権の濫用 ②親権者の代理権濫用~百選Ⅰ・26 事件 ・法定代理と 93 条但書の類推適用~利益相反行為(826 条)にあたらない場合 ③代理人が本人をだますつもりで相手方と通謀し虚偽表示をした場合 関係条文 民法 90 条~92 条、93 条 キーワード 法律行為、準法律行為、意思表示、意思主義、表示主義、意思の欠缺、瑕疵ある意思表示、心裡留保、親権者の代 理権濫用 必ず予習すべき文献・判例 (1)内田貴『民法Ⅰ(第 4 版)』46 頁以下 (2)滝沢昌彦「意思表示の到達」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』52 頁 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) 1)次の文章について、○×で答えなさい。また、それはなぜか。 ①契約の申込の意思表示が成年被後見人を相手方としてなされた場合には、その後に成年後見人がこれを知った時 に、その意思表示は効力を生じる。 ②隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時から効力が生じるため、表意者が発した通知が相手 方に到達する前に、表意者が死亡し又は能力を喪失した場合には、すべての意思表示について効力は生じない。 ③表意者が真意でないことを知りながら意思表示をした場合、表意者を保護する必要がないから、相手方が表意者 の真意を知っていたとしても、意思表示は無効とはならない。 ④A の甲土地を売却する旨の意思表示が、心裡留保によるものであった場合には、C が善意の第三者であったとし ても、A は無効を主張して、甲土地を取り戻すことができる。

(3)

科 目 民法Ⅰ (総則・物権総論) 担 当 者 岡本 友子 第 2 回 全 15 回 虚偽表示 事例(授業内容) 意思表示の瑕疵において、「意思の欠缺」に当たる虚偽表示に関し、虚偽表示とは何か、虚偽表示の効力、94 条 2 項の「第三者」の意義、「善意」の意義、94 条 2 項の類推適用について、理解しよう。 (1 虚偽表示による無効が主張されると、その法律効果はどうなるか。 (2)不動産物権変動では、無権利者からの譲受人はどのように保護されるか。民 94 条 2 項類推適用説が必要な理由 はどこにあるか。 (3)通謀虚偽表示と民 94 条 2 項類推適用の異同とは。法律構成、信頼の対象、第三者の主観的態様に着目して整理 しなさい。 (4)真の権利者の帰責性はどのように評価されるべきか。 要点 <重要論点> ★1)「第三者」の意義 ・意義、具体例 ・転得者は「第三者」に含まれるか~譲受人悪意・転得者善意の場合 ・譲受人善意・転得者悪意の場合~絶対的構成説、相対的構成説 ★2)「善意」の意義 ・意義~無過失の要否←内田説は無過失必要説 ・対抗要件の要否①~原権利者・第三者の場合 ・対抗要件の要否②~原権利者からの譲受人・第三者の場合 ・善意の判定時期・立証責任 3)適用範囲 ・要物契約と 94 条 2 項適用の可否 ・財産隠匿行為と 94 条 1 項~424 条と関係 ★4)94 条 2 項の類推適用 ・要件~虚偽の外形・権利者の帰責性・第三者の善意(信頼) ・第三者の主観的要件~無過失の要否 ①意思外形対応型の場合。百選Ⅰ・21 事件 ②意思外形非対応型の場合~110 条との競合適用。百選Ⅰ・22 事件 ・即時取得との対比 関係条文 民法 94 条 キーワード 虚偽表示、通謀虚偽表示、絶対的構成、相対的構成、民 94 条 2 項類推適用、権利外観理論 必ず予習すべき文献・判例 (1)内田貴『民法Ⅰ(第 4 版)』50 頁以下 (2)磯村保「民法 94 条 2 項の類推適用」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』44 頁 (3)佐久間毅「民法 94 条 2 項、110 条により第三者を保護した事例」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』46 頁 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) 1)A は、その所有する土地について B と通謀して仮装譲渡し、登記も B に移転した。この事情を知っている C は、 B から当該土地を取得し、さらに善意の D に譲渡し、移転登記も終えた。①この場合において、A は、土地を取 り戻せるか。②また、D の後、悪意の E が出現した場合は、どうなるか。

(4)

科 目 民法Ⅰ (総則・物権総論) 担 当 者 岡本 友子 第 3 回 全 15 回 錯 誤 事例(授業内容) 錯誤の意義・要件・効果、錯誤と詐欺の関係について、理解しよう。 錯誤について (1)表意者の意思のどの部分に錯誤があれば、無効とされるか。 (2)動機の錯誤の取り扱いを説明せよ。 (3)表意者以外が錯誤無効の主張をすることが許されるか。 要点 <重要論点> 1)★錯誤の意義 ・動機の錯誤~伝統的二元説(判例)、一元説 ・錯誤の態様~内容の錯誤、表示の錯誤 2)★錯誤の要件 ・「要素」(95 条本文)の意義。百選Ⅰ・24 事件 ・表意者に重過失がある場合(95 条但書)~相手方が悪意の場合の 95 条但書適用の有無 3)錯誤の効果 ・第三者の錯誤主張の可否 →表意者が無効主張する意思がないのに第三者が無効主張することは原則不可。 但し判例は、①表意者に対する債権保全の必要性と②表意者が錯誤を認めていることを要件として、第三者 の錯誤無効の主張を認める。 ・第三者の保護~96 条 3 項類推適用説、94 条 2 項類推適用説←明文の規定がない 4)適用範囲 ・錯誤と詐欺(96 条)との関係 関係条文 民法 95 条 キーワード 要素の錯誤、動機の錯誤、性状の錯誤、心的効果意思、表示意思、表示行為 必ず予習すべき文献・判例 (1)内田貴『民法Ⅰ(第 4 版)』64 頁以下 (2)山下純司「錯誤」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』50 頁 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) 1)次の文章について、○×で答えなさい。また、それはなぜか。 ①心裡留保及び虚偽表示は、表示行為に対応する内心の効果意思がない場合であるが、詐欺及び強迫による意思 表示は、表示行為に対応する内心の効果意思がある場合である。 ②詐欺による意思表示の取消は、表意者が取消の意思表示を相手方にすることにより行うが、その取消の意思表 示は、相手方が認識しなくても、相手方に到達した時に、その効力が生じる。 ③詐欺による意思表示が取り消されると、その意思表示は、その意思表示をした時に遡って無効となる。 ④第三者が強迫を行った場合でも、強迫による意思表示を取り消すことができる。 2)A は、土地及び建物(アパート)を親から相続した。その後、A は「この土地の近くに鉄道が敷設される予定 であり、そうすると土地が値上がりするから、今のうちに買った方がお得ですよ」と B に持ちかけて土地及び建 物を売却した。ところが実際は、鉄道敷設の予定などなかったが、A 自身も敷設される予定があると信じていた 場合、B はどのような主張をすることができるか。

(5)

科 目 民法Ⅰ (総則・物権総論) 担 当 者 岡本 友子 第 4 回 全 15 回 詐欺・強迫、誤認・困惑(消費者契約法) 事例(授業内容) 詐欺・強迫の意義・要件・効果、詐欺・強迫と消費者契約法 4 条について、理解しよう。 詐欺について (1)詐欺とは何か。詐欺による取消が主張されると、その法律効果はどうなるか。 (2)詐欺と錯誤はどのような関係にあるか。 強迫について (1)強迫とは何か。強迫による取消が主張されると、その法律効果はどうなるか。 要点 1)詐欺の要件・効果 ・欺罔行為:作為・不作為。沈黙も信義則上告知義務がある場合は欺罔に当たる。 ・第三者の詐欺(96 条 2 項):相手方悪意のみ取消可 2)★詐欺における第三者の保護 ①「第三者」(96 条 3 項)の意義~取消前後の第三者 ②「善意」の意義~無過失の要否 ③登記の要否。百選Ⅰ・23 事件 →内田説は、①取消後の第三者の保護は 94 条 2 項類推で、②「善意」には無過失まで要求し、③登記を必要と する。 関係条文 民法 96 条、消費者契約法 4 条 キーワード 詐欺、強迫、第三者保護規定 必ず予習すべき文献・判例 (1)内田貴『民法Ⅰ(第 4 版)』77 頁以下 (2)鎌田薫「詐欺における善意の第三者の登記の必要性」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』48 頁 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) 1)甲は乙を欺罔して乙所有の土地を廉価で買い受け、これを丙に転売した。その後、甲に騙されていたことを知 った乙は、この売買契約を取り消した。乙が土地の返還を請求してきた場合、丙はいかなる場合にこれを拒絶し うるか。

(6)

科 目 民法Ⅰ (総則・物権総論) 担 当 者 岡本 友子 第 5 回 全 15 回 代理(1)代理制度 事例(授業内容) 第 1 に、代理制度全般を理解するための基礎として、代理の意義・機能、類似の制度、第 2 に、代理の基 礎となる法律関係に関し、代理権の発生原因、代理の要件・効果、代理権の範囲、代理権の消滅、代理権の 濫用について、理解しよう。 要点 <重要論点> 1)代理総説 ①代理の意義・機能、②類似の制度、③他人効の根拠、④成立要件 2)使者と代理 ①使者と代理の区別基準 ②使者の表示と本人の意思が食い違った場合の処理~表見代理規定の類推適用を認めるか 3)代理権(授権行為) ①授権行為の法的性質~契約か単独行為か ②内部契約(事務処理契約)と授権行為の関係 i)一体か別個のものか ii)内部契約が(事務処理契約)取り消された場合の授権行為への影響 4)顕名 ★①直接本人名義の場合の効果 ・顕名を法が要求した趣旨が相手方において取引相手を知らしめて取引の安全を図ろうとする点にあるな らば、直接本人名義でなした場合は既に相手方において取引相手を知ることができているため、代理行 為の効果は本人に帰属すると解すべき。 ②顕名に対する信頼と表見代理~直接本人名義で越権行為をした場合 ・代理人が直接本人名義で越権行為をした場合、相手方が本人自身の行為であると信じたことにつき正当 な理由がある場合に限り、110 条を類推適用して相手方を保護する(判例)。 5)代理行為の瑕疵 ★①代理人の権限濫用~93 条但書類推説、権利濫用説、表見代理説。百選Ⅰ・26 事件 ②代理人の不法行為~本人に責任は生じるか。 ・法人の場合~44 条と 715 条との関係 ★③代理人と相手方の通謀虚偽表示~無効を前提に本人保護を図る理論構成の問題 ・代理人は相手方の単なる使者・取次に過ぎないから、相手方の心裡留保があった場合と考えて、93 条に より本人が相手方の真意を知り又は知りうべかりし場合でない限り、相手方の意思表示は無効となる。 6)代理と詐欺 ・意思の欠缺・瑕疵・善悪意等は代理人について決するのが原則(101 条 1 項)。But 一定の場合には本人 の主観も考慮する(101 条 2 項)。本人側の事情を判例・通説ともに拡張していることに注意。 ①相手方が代理人を欺罔した場合 ②代理人が相手方を欺罔した場合~判例(101 条 1 項説)と通説(96 条 1 項説)の差に注意する。 ③本人が相手方を欺罔した場合 ④相手方が本人を欺罔した場合 関係条文 民法 99 条~108 条、93 条 キーワード 代理、顕名、私的自治の拡大と補充、代理人による詐欺、代理行為と意思表示の瑕疵 必ず予習すべき文献・判例 (1)内田貴『民法Ⅰ(第 4 版)』133 頁以下 (2)福永礼治「利益相反行為と代理権濫用」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』54 頁 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) 余白の関係上、別紙に記載します。

(7)

科 目 民法Ⅰ (総則・物権総論) 担 当 者 岡本 友子 第 6 回 全 15 回 代理(2)無権代理 事例(授業内容) 第 1 に、無権代理の法律関係に関し、無権代理の意義や一般的効力、具体的には、無権代理行為に対して、 本人のとりうる手段として追認・追認拒絶権、相手方がとりうる手段として催告・取消・無権代理人の責任 追及・表見代理について、理解しよう。 第 2 に、表見代理と無権代理との関係について、第 3 に、無権代理人と本人との間で相続が生じた場合の 法律関係について、判例・学説を素材に考えてみよう。 要点 <重要論点> 1)無権代理 ・無権代理が問題となるときは、「113 条の追認なき限り、原則として効果不帰属」という点は、前提とし て必ず書く。 ・無権代理の場合、相手方はいかなる要件で何ができるか~取消、無権代理人の責任追及、表見代理成立 の主張。115 条、117 条等。 ①無権代理と他人物売買との比較~無権代理人の責任は無過失責任・履行責任である点を必ず指摘する。 ②表見代理と無権代理人の責任の関係~自由選択説、表見代理優先説 ③117 条 2 項の「過失」の意義~百選Ⅰ・34 事件 ・117 条の責任を表見代理が成立しない時の補充責任と捉えると、117 条の過失を重過失と読み替える必要 が生じる。判例は、自由選択説を採るので、その必要はない。 2)★無権代理と相続 ・①と②をしっかり分けて理解する。併合説、融合説。 ①無権代理人が本人の地位を取得した場合~追認拒絶の可否。117 条責任の承継。 ②本人が無権代理人の地位を取得した場合~追認拒絶の可否、117 条責任の承継。百選Ⅰ・35 事件 ③相続人がまず無権代理人を相続し次いで本人を相続した場合。重判昭 63・民 1 事件 相続人がまず本人を相続し次いで無権代理人を相続した場合。 ④共同相続~無権代理人が本人を他の相続人とともに共同相続した場合。百選Ⅰ・36 事件 ⑤無権代理人が後見人に就任した場合。重判平 6・民 1 事件 ⑥本人が追認拒絶後、無権代理人が本人を相続した場合。 関係条文 民法 113 条~118 条 キーワード 広義の無権代理、狭義の無権代理、追認権、追認拒絶権、催告、取消権、無権代理人の責任、無権代理と相続 必ず予習すべき文献・判例 (1)内田貴『民法Ⅰ(第 4 版)』163 頁以下 (2)難波譲二「無権代理人の責任」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』70 頁 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) 1)無権代理人と本人の資格が同一人に帰するに至った場合に関する次の記述のうち、判例に照らし、妥当 なものはどれか。 ①無権代理人が本人を他の相続人と共に共同相続した場合において、無権代理行為が金銭債務の連帯保証 契約についてされたときは、無権代理人の相続分に相当する部分に限り、その無権代理行為が有効にな る。 ②成年被後見人の後見人が、後見人に就職する前に成年被後見人の無権代理人として契約を締結した場合 において、当該後見人が当該契約の追認を拒絶することは、当該契約に係る諸般の事情を勘案するまで もなく、信義則に反し許されない。 ③本人が無権代理行為の追認を拒絶した後に無権代理人が本人を相続した場合には、無権代理人が本人の 追認拒絶の効果を主張することは信義則に反し許されないから、無権代理行為は有効となる。 ④本人が無権代理人を相続した場合において、本人が無権代理行為の追認を拒絶したときは、民 117 条に よる無権代理人の債務の相続による承継を認めると、本人に追認拒絶権を認めたことが無意味になるか ら、本人は無権代理人の債務を承継しない。

(8)

科 目 民法Ⅰ (総則・物権総論) 担 当 者 岡本 友子 第 7 回 全 15 回 代理(3)表見代理 事例(授業内容) 第 1 に、表見代理の3類型、すなわち、代理権授与表示の表見代理(109 条)、権限踰越の表見代理(110 条)、代理権消滅後の表見代理(112 条)の各趣旨・要件、特に、本人の帰責性・相手方の善意無過失や証 明責任について、理解しよう。第2に、110 条と 109 条、110 条と 112 条の重畳適用の可否、考えてみよう。 要点 ★1)代理権授与表示の表見代理~109 条 ①趣旨 ②要件~相手方の善意・無過失(判例) ③法定代理に適用あるか~109 条は任意代理のみに適用(判例) ★④白紙委任状の白紙補充の濫用~被交付者の濫用の場合、転得者の濫用の場合~百選Ⅰ・27 事件 ・表見代理の成立を認めて相手方を保護する要請と、本人の利益保護の要請との調和の問題。 *ポイント:i)転々流通が予定されていれば代理権授与契約が成立する。ii) 転々流通が予定されていない のに転得者が流用した場合、委任事項の濫用が軽微なときは 109 条の適用を肯定し、濫用が顕著なとき は 109 条の適用を否定するのが判例の傾向。もっとも、109 条と 110 条の重畳適用の余地あり。 ★2)権限踰越の表見代理~110 条 ①基本代理権~事実行為(学説は限定肯定~百選Ⅰ・29 事件)、公法上の行為(登記申請行為等。判例は 限定肯定)、法定代理権(肯定)も基本代理権たりうるか。 ・基本代理権にあたるかについては広く解し、本人保護は正当事由の有無で図るのが学説の趨勢。 ★②110 条で保護される「第三者」の範囲~転得者も含むか。判例は転得者・第三取得者を排除 ★③「正当事由」における判断要素~本人と代理人の利益相反、親族関係、代理行為の内容(根保証等)~ 百選Ⅰ・30 事件 ★④取引的不法行為と表見代理 ⑤使者の権限逸脱~110 条類推適用説、錯誤規定適用説 ★⑥110 条と 109 条、110 条と 112 条の重畳適用の可否~百選Ⅰ・32 事件、33 事件 ・無権代理追認後の無権代理行為の処理(110 条・112 条類推適用の余地がある) ★3)日常家事債務(761 条)と 110 条 ①日常家事の意義・範囲 ②761 条は夫婦相互間の法定代理を定めたものか。 ③この法定代理権を基本代理権として 110 条を適用できるか。 ・判例は 110 条の趣旨を類推して相手方の保護を図る。 関係条文 民法 109 条~112 条 キーワード 表見代理、代理権授与表示による表見代理、権限踰越による表見代理、代理権消滅後の表見代理 必ず予習すべき文献・判例 (1)内田貴『民法Ⅰ(第 4 版)』182 頁以下 (2)後藤巻則「民法 109 条」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』56 頁 (3)早川眞一郎「民法 110 条の正当理由の判断」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)62 頁 (4)山下純司「民法 110 条と 112 条の重畳適用」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』68 頁 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) 1)Aは、C自動車販売会社から 500 万円の高級車を購入し引渡しも受けた。ところが、実は、Aは父親B 名義で勝手に取引を行っていた。Cは、Bに対して購入代金の支払いを求めたが、Bは、「自分はこの件 について一切関知していない」として、支払いを拒否した。 [1] Cは、誰に対して、どのような根拠に基づいて、どのような内容の請求をすることができるか。 [2] Bが、以前に新車購入をAに頼んでいたことがあった場合には、どのように考えるべきか。 [3] その後まもなく、Bが死亡し、Aが単独相続した場合には、どのように考えるべきか。

(9)

科 目 民法Ⅰ (総則・物権総論) 担 当 者 岡本 友子 第 8 回 全 15 回 権利能力・意思能力・行為能力 制限行為能力者制度 事例(授業内容) 第 1 に、私法上の権利義務の主体となる権利能力の始期・終期、単独で有効な法律行為をなすことができる行為 能力に関する諸問題について、考えよう。第 2 に、「私的自治」の補充・拡充の制度である「制限行為能力者制度」 の意義や内容、制限行為能力者の相手方保護について、理解しよう。 要点 <重要論点> 1)権利能力 ①権利能力の始期と終期、判断基準 ②胎児についての特例(721 条、783 条 1 項、886 条、965 条)の法律構成 ・停止条件説(判例)と解除条件説の具体的相違(親がいる場合の相続権、法定代理人の立場)理解 2)制限行為能力と意思能力 ①制限行為能力者制度の趣旨 ・保佐人及び補助人の権限。開始の審判に本人の同意を要するか ②制限行為能力者が意思能力を失っていた場合の法律行為の効力 ★3)20 条の「詐術」の意味 ・単なる黙秘も含まれるか。百選Ⅰ・5 事件 ・相手方が悪意の場合にも 20 条の適用があるか *20 条の詐術は必ずしも相手の意思を決定するものではないから、96 条の詐欺には当たらず、当然には相手方 に取消権は認められない。 4)失踪宣告 ①32 条 1 項後段「善意」の意義 ②残された配偶者が再婚した場合の前婚・後婚の効力 ③32 条 2 項に悪意者も含めるか 関係条文 民法 3 条~21 条 キーワード 権利能力、意思能力、行為能力、遡及的無効、現存利益、法定追認、相手方の催告権、制限能力者の詐術 必ず予習すべき文献・判例 (1)内田貴『民法Ⅰ(第 4 版)』101 頁以下 (2)播野弘樹「胎児の権利能力」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』8 頁 (3)新井誠「制限行為能力者であることの黙秘」『民法判例百選Ⅰ・総則・物権(第 6 版)』14 頁 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) 1)制限能力者である A は、自己の所有する土地を B に売却する旨の契約を B との間でした。この場合に関する① ~⑤の記述のうち、妥当なものはどれか。 ①A が未成年者であり、法定代理人の同意を得ることなく B との売買契約を締結した場合において、後に法定代理 人が A に対して追認をすれば、A は、B との間の売買契約を取り消すことができない。 ②A が被保佐人であり、保佐人の同意を得ることなく B との売買契約を締結した場合には、A が B との売買契約を 取り消すことができるのみならず、保佐人も A と B との売買契約を取り消すことができる。 ③A が成年被後見人であり、B との売買契約につきあらかじめ成年後見人の同意を得ていた場合には、A は、B との 売買契約を取り消すことができない。 ④A が被補助人であり、家庭裁判所によって A が不動産を売却するには補助人の同意を得ることを要する旨の審判 がなされていたにもかかわらず、補助人の同意を得ないで B との売買契約を締結した場合には、補助人には同意 権はあるが取消権は認められないから、補助人は、A と B との売買契約を取り消すことはできない。 ⑤A が未成年者であり、B がその事実を知っていたとしても、A が成年者であるかのような言動をし、契約書の生年 月日欄にも成年となるように虚偽の記載をした場合には、A は B との売買契約を取り消すことはできない。

(10)

科 目 民法Ⅰ (総則・物権総論) 担 当 者 岡本 友子 第 9 回 全 15 回 時効(1)時効制度 事例(授業内容) 不動産の「占有」、債権の「不行使」といった、一定の事実状態が継続することにより、権利の取得や消滅とい った一定の法律効果が生ずることを「時効」という。第 1 に、こうした制度がなぜ存在するのか、時効の意義・趣 旨及び時効学説、第 2 に、時効完成の要件(特に援用)・効果、第 3 に、時効利益の放棄、第 4 に、時効の中断と 停止、第 5 に、時効に類似する制度(特に除斥期間)、について理解しよう。 要点 1)時効制度 ①趣旨:ⅰ永続する事実状態を尊重し、法律関係の安定を図る。 ⅱ権利関係の立証の困難性を救済する。 ⅲ権利の上に眠るものを保護しない。 <除斥期間との違い> ⅰ当事者の援用を必要としない。ⅱ中断が認められない。ⅲ権利の発生時を起算点とする。 ⅳ権利消滅の効果は遡及しない。 ②時効学説 ⅰ確定効果説 ⅱ不確定効果説~解除条件説、停止条件説 ⅲ訴訟法説 ③各学説による相違 ⅰ援用の法的性質 ⅱ援用の方法 ⅲ撤回の可否 2)時効の援用と放棄 ①援用できる「当事者」(145 条)の範囲 時効により直接利益を受ける者、及びその承継人 ⅰ保証人 ⅱ物上保証人 ⅲ第三取得者 ⅳ後順位抵当権者~百選Ⅰ・40 事件× ⅴ詐害行為の受益者 ②援用権の代位行為(423 条)の可否 ③時効完成後の債務の承認~百選Ⅰ・41 事件 関係条文 民法 144 条~161 条 キーワード 確定効果説、不確定効果説、訴訟法説、除斥期間、時効の中断と停止、時効の援用、時効利益の放棄、時効完成後 の債務の承認 必ず予習すべき文献・判例 (1)内田貴『民法Ⅰ(第 4 版)』309 頁以下 (2)森田宏樹「時効の援用権者」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』82 頁 (3)金山直樹「時効完成後の債務承認」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』84 頁 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) 1)ZがAに対して債権を有していたが、この債権について消滅時効が完成していた。以下の場合に、B、C、D は、Zの債権の消滅時効を援用することができるか。 ①この債権のために、Bが保証していた場合(cf. 大判大 4・12・11)。 ②この債権のために、Cが、所有する甲不動産に抵当権を設定した場合(cf. 最判昭 42・10・27)。 ③Dも、Aに対して債権を有していた場合(cf. 大決昭 12・6・30)。

(11)

科 目 民法Ⅰ (総則・物権総論) 担 当 者 岡本 友子 第 10 回 全 15 回 時効(2)占有と取得時効 事例(授業内容) 第 1 に、取得時効の要件・効果、第 2 に、取得時効と登記について、理解しよう。 要点 1)★取得時効 ①自己の物の時効取得~百選Ⅰ・43 事件 ②不動産賃借権の時効取得~百選Ⅰ・44 事件 関係条文 民法 162 条~165 条 キーワード 所有の意思、自主占有、他主占有、自己物の時効取得、公物の時効取得、自然中断、賃借権の時効取得 必ず予習すべき文献・判例 (1)内田貴『民法Ⅰ(第 4 版)』380 頁以下 (2)本田純一「自己の物の時効取得」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』88 頁 (3)大久保邦彦「賃借権の時効取得」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』90 頁 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) 1)取得時効に関する下記①~⑤のうち、判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。 ①他人の物を占有することが取得時効の要件であるので、所有権に基づいて不動産を占有して いた場合には、取得時効は成立しない。 ②取得時効が成立するためには、占有が時効期間中継続していることが必要であり、侵奪行為 によって目的物の占有が失われた場合には、その後、占有回収の訴えによってその占有を回復 しても、取得時効は中断する。 ③占有者がその占有開始時に目的物について他人の物であることを知らず、かつ、そのことに ついて過失がなくても、その後、占有継続中に他人の物であることを知った場合には、悪意の 占有者として時効期間が計算される。 ④所有権以外の財産権についても時効取得は可能であるが、財産権のうち債権に関しては占有 を観念できないので、時効取得することはない。 ⑤A所有の不動産についてBの取得時効が完成した後、AからCに譲渡がなされCが対抗要件 を備えたとしても、Bは、その後も引き続き当該不動産の占有を継続し、時効取得に必要な期 間が経過すれば、新たに当該不動産を時効取得できる。

(12)

科 目 民法Ⅰ (総則・物権総論) 担 当 者 岡本 友子 第 11 回 全 15 回 時効(3)消滅時効 事例(授業内容) 第 1 に、消滅時効の要件、第 2 に、消滅時効の起算点と具体例、第 3 に、時効期間について、理解しよう。 要点 4)消滅時効 ①期限の利益喪失約款付割賦払債務の消滅時効の起算点 「権利を行使することができる時」(166 条 1 項)=権利行使につき法律上の障害がなくなった時 ⅰ債務不履行時説 ⅱ債権者請求時説 ②形成権の消滅時効 ・法律上の障害でも、債権者の意思によって除きうるものは、進行をとめない。 →同時履行の抗弁権(533 条)の付着する債権でも、時効は進行する。 関係条文 民法 166 条~174 条の 2 キーワード 消滅時効の起算点、抗弁権の永久性 必ず予習すべき文献・判例 (1)内田貴『民法Ⅰ(第 4 版)』446 頁以下 (2)松本克美「消滅時効の起算点」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』86 頁 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) 2)消滅時効に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたもの は、下記①~⑤のどれか。 ア. 確定期限の定めのある債権の消滅時効は、その期限が到来した時から進行する。 イ. 不確定期限の定めのある債権の消滅時効は、債務者が期限の到来を知った時から進行する。 ウ. 債務不履行による損害賠償請求権の消滅時効は、本来の債務の履行を請求することができる 時から進行する。 エ. 割賦払債務について、債務者が割賦金の支払を怠ったときは債権者の請求により直ちに残債 務全額を弁済すべき旨の約定がある場合には、債務者が割賦金の支払を怠った時から、残債務 全額についての消滅時効が進行する。 オ. 留置権者が留置物の占有を継続している間であっても、その被担保債権についての消滅時効 は進行する。 ①ア イ ②ア オ ③イ エ ④ウ エ ⑤ウ オ

(13)

科 目 民法Ⅰ (総則・物権総論) 担 当 者 岡本 友子 第 12 回 全 15 回 物権法総説 物権変動(1)物権変動の基本原則 事例(授業内容) 第 1 に、物権の意義・性質・効力、第 2 に、物権変動の時期に、第 3 に、不動産所有権移転と第三者について、 理解しよう。 要点 1 物権行為 1)176 条の「意思表示」の意義 ①物権行為の独自性を認めるか、②債権契約との関係:有因か無因か 2)物権変動の効力発生時期~百選Ⅰ・48 事件 判例:売主の所有に属する特定物を目的とする売買においては、特にその所有権の移転が将来なされるべき約旨 に出たものでない限り、買主に対し直ちに所有権移転の効力を生ずるものと解するを相当とする。 2 不動産登記 1)登記請求権の発生原因 ①物権的登記請求権、②物権変動的登記請求権、③債権的登記請求権 2)登記の有効要件 3)中間省略登記の有効性 判例:中間者の同意なく中間省略登記が既になされてしまった場合、中間者は正当な利益を有していなければ、 その登記の抹消を請求できない。 4)中間省略登記請求権~百選Ⅰ・49 事件 判例:甲乙丙と順次に所有権が移転したのに登記名義は依然として甲にあるような場合に、現に所有権を有する 丙は、甲に対し直接自己に移転登記すべき旨を請求することは許されないというべきである。但し中間省 略登記をするにつき登記名義人及び中間者の同意ある場合は別である。 5)仮登記の効力 3 「対抗することができない」の意義 ・二重譲渡の法的構成 ポイント:(176 条と 177 条との関係)登記がなくても意思表示のみで第三者に対しても有効な物権変動が生じる が、排他性のない不完全なものであって、譲受人もまた、完全な無権利者ではなく、二重に譲渡するこ とは可能である(不完全物権変動説)。 4 「第三者」の意義~百選Ⅰ・50 事件、59 事件 定義:177 条の「第三者」とは、当事者及びその包括承継人以外の者で、かつ登記の欠缼を主張する正当の利益を 有する者に限る。 1)177 条の第三者の範囲 ①不動産賃借人 判例:不動産賃借権に対抗要件がない場合において、当該不動産の譲受人が賃借権を否認するためには移転登 記を要する。 ②不法占拠者~百選Ⅰ・58 事件 判例:不法占拠者は 177 条にいう「第三者」に該当せず、これに対しては登記がなくても所有権の取得を対抗 しうる。 2)主観的要件 ①背信的悪意者~百選Ⅰ・56 事件 ・登記の欠缼を主張することが信義則に反すると認められる事情のある者は、登記の欠缼を主張する正当の利益 を有せず、「第三者」に該当しない。 ②背信的悪意者からの転得者~百選Ⅰ・57 事件 判例:所有者甲から乙が不動産を買い受け、その登記が未了の間に、丙が当該不動産を甲から二重に買い受け、 更に丙から転得者丁が買い受けて登記を完了した場合に、たとえ丙が背信的悪意者に当たるとしても、 丁は乙に対する関係で丁自身が背信的悪意者と評されるのでない限り、当該不動産の所有権取得をもっ て乙に対抗することができる。 関係条文 民法 175 条~177 条 キーワード

(14)

物権法定主義、一物一権主義、優先的効力、物権行為の独自性、有因・無因、物権変動の時期、登記請求権、中間 省略登記、対抗要件主義、意思主義と形式主義、背信的悪意者排除説、不完全物権変動説と公信力説 必ず予習すべき文献・判例 (1)内田貴『民法Ⅰ総則・物権総論(第四版)』(東京大学出版会・2008 年)347 頁~360 頁、427 頁~447 頁、 455 頁以下 (2)横山美夏「物権変動の時期」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』98 頁 (3)小粥太郎「特約によらない中間省略登記請求権」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』100 頁 (4)七戸克彦「民法 177 条の物権変動の範囲-一般論」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』102 頁 (5)石田剛「民法 177 条の第三者の範囲(1)-背信的悪意者」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』114 頁 (6)瀬川信久「民法 177 条の第三者(2)-背信的悪意者からの転得者」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』116 頁 (7)良永和隆「民法 177 条の第三者-不法占拠者」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』118 頁 (8)児玉寛「登記のない地役権と承役地の譲受人」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』120 頁 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) 紙幅の都合上、別紙に記載する。 科 目 民法Ⅰ (総則・物権総論) 担 当 者 岡本 友子 第 13 回 全 15 回 物権変動(2)不動産物権変動 事例(授業内容) 登記を要する物権変動か否かに関し、第 1 に、取消と登記、第 2 に、解除と登記、第 3 に、取得時効と登記、第 3 に、共同相続と登記、遺産分割登記と登記、相続放棄と登記について、理解しよう。 要点 1)取消・解除と登記~百選Ⅰ・51 事件、52 事件 判例によれば、取消前に出現した第三者に対しては、登記なくして取消による物権の復帰を対抗できる。取消後 の第三者との関係は対抗問題となる。 ・法定解除における解除前の第三者については、545 条 1 項但書により対抗問題は生じない。 もっとも、解除効制限による保護を受けるには、第三者の権利は、権利保護要件としての登記を備えなければ ならない。解除後の第三者との関係は対抗問題になる。 2)時効取得と登記~百選Ⅰ・53 事件 判例①時効完成時の登記名義人に対しては、登記なくして時効取得を対抗できる。時効完成前に目的物を譲渡し ているとしても同様。 ②時効完成後の第三者に対しては、登記なくして時効取得を対抗できない。 ③起算点は、占有開始時であり、任意に繰り下げることはできない。 ④時効完成後、名義人が交代した時点から、さらに占有者の占有継続が時効期間を経過すれば、再び時効取得し うる。 3)共同相続と登記~百選Ⅰ・54 事件 判例:相続財産に属する不動産につき単独所有権移転の登記をした共同相続人並びにその者から単独 所有権移転の登記を受けた第三取得者に対し、他の共同相続人は自己の持分を登記なくして対抗しうる。 ∵単独所有権の登記は自己の持分を超える部分については無権利の登記であり、登記に公信力 がない結果、その持分を超えた部分について権利を取得することがないからである。 4)遺産分割と登記~百選Ⅰ・55 事件 判例:遺産の分割は、相続開始の時に遡ってその効力を生ずるものであるが、第三者に対する関係に おいては、相続人が相続によりいったん取得した権利につき分割時に新たな変更を生ずるのと実質上異な らないものであるから、不動産に対する相続人の共有持分の遺産分割による得喪変更については、177 条 の適用があり、分割により相続分と異なる権利を取得した相続人は、その旨の登記を経なければ、分割後 に当該不動産につき権利を取得した第三者に対し、自己の権利の取得を対抗できない。 5)相続放棄と登記 判例:登記不要説 関係条文 民法 177 条、898 条、909 条、939 条 キーワード 復帰的物権変動、時効完成後の第三者、無権利の登記、持分、相続放棄の遡及効 必ず予習すべき文献・判例

(15)

(1)内田貴『民法Ⅰ(第 4 版)』446 頁以下 (2)金子敬明「法律行為の取消しと登記」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』104 頁 (3)鶴藤倫道「解除と登記」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』106 頁 (4)児玉寛「時効取得と登記」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』108 頁 (5)松岡久和「共同相続と登記」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』110 頁 (6)松岡久和「遺産分割と登記」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』112 頁 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) 紙幅の都合上、別紙に記載する。 科 目 民法Ⅰ (総則・物権総論) 担 当 者 岡本 友子 第 14 回 全 15 回 物権変動(3)動産物権変動、即時取得 事例(授業内容) 第 1 に、動産物権変動における対抗要件についての 178 条の解釈を検討しよう。第 2 に、即時取得の意義・要件・ 効果、第 3 に、盗品及び遺失物の例外に関し、193 条及び 194 条の趣旨・適用範囲・効果、第 4 に、明認方法の意 義・効力・具定例について、理解しよう。 要点 1)★動産物権変動の対抗要件 ・「第三者」の範囲~百選Ⅰ・61 事件 ポイント:判例は、賃借人は178 条の「第三者」に当たるが、受寄者は当たらないとする。 2)★動産の即時取得 ①即時取得(192 条)の趣旨:前主の占有に公信力を与え、新の権利者らしい外観を信頼して取引した者を保護 する制度 ②要件:ⅰ動産、ⅱ前主の無権限、ⅲ取引行為、ⅳ平穏・公然・善意・無過失、ⅴ占有を始めた ・判例:立木は土地の一部であり、無権利者から立木を買い受けた者が伐採したとしても、192 条の適用はない。 ・判例:簡易の引渡、指図による占有移転の場合には、192 条の適用を認めるが、占有改定による占 有の取得 によっては192 条の保護が得られないとする。~百選Ⅰ・60 事件 ③効果 ④盗品・遺失物の特則 ⅰ193 条:趣旨:盗品・遺失物のように権利者の意思によらないで占有を離れた物については、特に真実の所有 者保護するため、即時取得の例外を設けた。 ⅱ194 条:趣旨:善意取得者が盗品・遺失物を商人や競売によって買い受けたときは、その取引を保護する必要 が大きいので、前条に対する例外として、代価を弁償しなければ、回復請求できないものとし た。 判例:被害者が代価を弁償して盗品を回復することを選択して物の引渡を受けたときは、占有者は返還後でも、 代価弁償を請求できる。 本条により引渡を拒める占有者には、弁償の提供があるまで盗品等の使用収益権があり、悪意となった後 でも、使用収益の返還義務がない ・本条により引渡をを拒める占有者には、弁償の提供があるまで盗品等の使用収益があり、悪意となった後で も、使用収益の返還義務はない。 3)明認方法 ①意義、効力、具体例、②明認方法相互間の優劣 ③明認方法と土地登記の優劣~百選Ⅰ・62 事件 判例:明認方法は、立木に関する法律の適用を受けない立木の物権変動の公示方法として是認されているもの であるから、それは、登記に代わるものとして第三者が容易に所有権を認識することができる手段で、 しかも、第三者が利害関係を取得する当時にそれだけの効果をもって存在するものでなければならず、 従って、たとい権利の変動の際いったん明認方法が行われていたとしても、問題の生じた当時消失その 他の事由で右にいう公示方法として働きをなさなくなっているとすれば明認方法ありとして当該第三 者に対抗できない。 ④立木所有権留保の土地譲渡に明認方法は必要か 判例:A が立木所有権を留保して土地だけを B に譲渡したが、明認方法を施さないでいたところ、C が B か ら立木を含めて土地を譲り受け登記をした場合、所有権留保もまた物権変動の一場合であって、AC は 対抗関係に立つから、先に登記を備えたC が立木の所有権をも取得できる。

(16)

⑤移転登記のない地盤上に植栽された立木 ⑥土地とともに譲渡された立木の明認方法の公示力 関係条文 民法 176 条、178 条、182 条~184 条、192 条~194 条 キーワード 意思主義、引渡、公信の原則、即時取得、占有改定、指図による占有移転、明認方法 必ず予習すべき文献・判例 (1)内田貴『民法Ⅰ(第 4 版)』463 頁以下 (2)山川一陽「民法 178 条の引渡し-占有改定」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』122 頁 (3)山野目章夫「民法 178 条の第三者-受寄者」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』124 頁 (4)松井宏興「明認方法」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』126 頁 (5)大塚直「占有改定・指図に夜占有移転と即時取得」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』134 頁 (6)安永正昭「民法 194 条に該当する善意占有者の使用収益権」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』136 頁 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) 紙幅の都合上、別紙に記載する。 科 目 民法Ⅰ (総則・物権総論) 担 当 者 岡本 友子 第 15 回 全 15 回 物権的請求権、所有権、共同所有、用益物権 事例(授業内容) 第 1 に、物権的請求権の発生根拠・内容・要件、費用負担者の典型例と各説の帰結、第 2 に、所有権の意義、相 隣関係(特に囲繞地通行権)、及び所有権の取得に関する添付・附合・加工、第 3 に、共同所有の形態に関する共 有・合有・総有の異同、及び共有の内部関係・外部関係、共有物の分割と分割方法・分割の効果、第 4 に、用益物 権たる地上権と不動産賃借権の比較、地役権の意義・性質・取得・存続期間・消滅原因・効力について、理解しよ う。 要点 1)物権の効力:①物権的請求権の発生根拠、②誰が費用を負担するか、③物権的請求権の相手方~百選Ⅰ・47 事件 2)所有権:①建前は土地に附合するか、②建前が不動産となる基準時(荒壁と屋根葺きが目安)、③建築途中建 物への第三者の工事と所有権の帰属、④無権限での土地への植栽と附合 3)共有:①共有・合有・総有の異同、②共有物分割での全面的価格賠償の可否~百選Ⅰ・76 事件 4)地上権と不動産賃借権の比較:期間・譲渡性・修繕義務・賃料減額請求 5)地役権:随伴性・不可分性、消滅の制限、時効に関する特則 関係条文 民法 206 条~264 条、265 条~269 条の 2、280 条~293 条 キーワード 物権的請求権、行為請求権説、忍容請求権説、囲繞地通行権、添付、附合、加工、共有、合有、総有、準共有、全 面的価格賠償、承役地、要役地、通行地役権 必ず予習すべき文献・判例 (1)内田貴『民法Ⅰ(第 4 版)』361 頁~379 頁、386 頁~403 頁 (2)佐賀徹哉「土地崩壊の危険と所有権に基づく危険防止請求」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』94 頁 (3)横山美夏「物権的請求権の相手方」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』96 頁 (4)岡本昭治「分筆後袋地を売却した場合の公道に至る通行権」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』140 頁 (5)秋山靖浩「民法 210 条による通行権と自動車の通行」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』142 頁 (6)坂本武憲「建築途中の建物への第三者の工事と所有権の帰属」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』146 頁 (7)瀬川信久「建物の附合-賃借人がした増築」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』148 頁 (8)鎌野邦樹「共有物の分割方法-全面的価格賠償」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』154 頁 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) 紙幅の都合上、別紙に記載する。

(17)

科 目 民法Ⅰ (総則・物権総論) 担 当 者 岡本 友子 第 16 回 (補習) 法人と権利能力なき社団 事例(授業内容) 第 1 に、法人格の意義、法人の種類、法人の性質、法人の能力について、特に法人の目的の範囲、理事の代理権 の制限、法人の不法行為責任に関する問題、及び平成 18 年の非営利法人法制の改正について、理解しよう。 第 2 に、権利能力なき社団の意義・要件について、それぞれ理解しよう。 要点 <重要論点> 1)法人の能力 ①「目的の範囲内」とは、何を制限するものか。 ②★目的の範囲内か否かの具体的基準 2)★法人の不法行為責任 ①「職務を行うにつき」の意義。 ②理事の越権行為の処理~一般法人法 78 条(旧 44 条)と 110 条の関係、理事の個人責任、法人と理事の責任 の関係。 3)理事の代表権の制限~百選Ⅰ・31 事件 ①法令上の制限は一般法人法 77 条 5 項(旧 54 条)で保護されるか。 ②★定款の制限を知った上で要件が充足されていると誤認した場合の救済~一般法人法 77 条 5 項(旧 54 条)と 110 条類推の可否 ③一般法人法 77 条 5 項(旧 54 条)の第三者は善意で足りるか。一般法人法 78 条(旧 44 条)の第三者はどうか (一般法人法 78 条(旧 44 条)は軽過失保護の点注意)。 4)★権利能力なき社団 ①成立要件。判例の 4 要件は必須。百選Ⅰ・9 事件 ②団体名・肩書付きでの不動産登記の可否。 ③権利義務の帰属~総有理論(財産は団体に帰属。③の前提として必要) ④代表者による、代表者名義の不動産の売却と第三者~虚偽登記ではないか。94 条 2 項類推適用で第三者を保 護すべきではないか。 関係条文 民法 33 条~37 条、一般法人法 77 条 5 項、一般法人法 78 条、民法 110 条 キーワード 法人の目的の範囲、理事の代理権の制限、法人の不法行為責任、権利能力なき社団 必ず予習すべき文献・判例 (1)内田貴『民法Ⅰ(第 4 版)』207 頁以下 (2)山田誠一「権利能力なき社団の成立要件」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』20 頁 (3)河内宏「権利能力なき社団の取引上の債務」『民法判例百選Ⅰ(第 6 版)』22 頁 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) 1)法人甲においては、定款で、第三者に融資を行う場合には、理事会の承認を要する旨の制限が定められていた。 ところが、理事 X が理事会の承認を得ることなく、友人 Y に対し甲を代表して融資を行った。Y が法人甲におけ る理事の代表権制限の事実を知っていたものの、理事会の承認を得ているものと誤信していた場合、甲は Y に対 し当該融資の無効を主張できるか。 *参照:最判昭和60・11・29民集39・7・1760(百選Ⅰ・31 事件) 2)A 協会は、会員の海外派遣、留学生への援助など国際親善を図ることを目的として設立され、現在会員数が 1000 名を超える団体であるが、法人格を取得していない。A 協会の規約には、会長・副会長・理事の計 5 名に よる理事会が日常的な業務を行うこと、会長が協会を代表すること、総会を年 1 回開催し活動方針など重要事 項を決定すること、会員は年 5 万円の会費を A 協会の預金口座に振込むことが定められている。A 協会は、総会 の決議に基づき国際交流会館を建設するために、B から土地を 1 億円で購入し、会長である C 名義で登記した。 ところが C は、自己の利益を図るために、この土地を D に売却し、登記も D に移転してしまった。 ①C がこの土地を自分の土地として D に売却した場合、②C がこの土地を A 協会の会長として D に売却した場 合において、D は本件土地の所有権を取得するか検討しなさい。

参照

関連したドキュメント

(( .  entrenchment のであって、それ自体は質的な手段( )ではない。 カナダ憲法では憲法上の人権を といい、

FSIS が実施する HACCP の検証には、基本的検証と HACCP 運用に関する検証から構 成されている。基本的検証では、危害分析などの

第124条 補償説明とは、権利者に対し、土地の評価(残地補償を含む。)の方法、建物等の補償

ビュージスタ GRAN-Gio ビュージスタ GRAN-Block ビュージスタ MULTI- ハードウッド ビュージスタ MULTI- ラティス ビュージスタ MULTI- サガン ビュージスタ

掘取り 運搬 植穴床掘 植え付け 跡片付け.. 22

当所6号機は、平成 24 年2月に電気事業法にもとづき「保安規程 *1 電気事業用 電気工作物(原子力発電工作物) 」の第

﹁空廻り﹂説 以じを集約すれば︑

江口 文子 主な担当科目 現 職 消費者法 弁護士 現代人権論. 太田 健義