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Association of inherited genetic variants with glucocorticoid sensitivity and glucocorticoid receptor expression in B-cell precursor acute lymphoblastic leukemia 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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氏 名 篠原 珠緒 博士の専攻分野の名称 博 士 ( 医 学 ) 学 位 記 番 号 医工博4甲 第234号 学 位 授 与 年 月 日 平成30年3月23日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当 専 攻 名 先進医療科学専攻

学 位 論 文 題 名 Association of inherited genetic variants with glucocorticoid sensitivity and glucocorticoid receptor expression in B-cell precursor acute lymphoblastic leukemia

(B 前駆細胞急性リンパ性白血病のステロイド感受性およびステロ イド受容体発現におけるゲノムワイド関連解析) 論 文 審 査 委 員 委員長 教 授 川村 龍吉 委 員 准教授 西郷 達彦 委 員 講 師 石黒 浩毅

学位論文内容の要旨

(研究の目的)

薬剤感受性の個体差においては、一塩基多型(single nucleotide polymorphism; SNP)に代表さ れる遺伝子多型がその背景因子になっている。近年のゲノム解析技術の進歩によって、全ゲノム 領域のSNP を網羅的に解析し、各 SNP の形質との関連性を統計学的に評価するゲノムワイド 関連解析(genome-wide association study; GWAS)が可能になった。小児急性リンパ性白血病 (acute lymphoblastic leukemia; ALL)患者においても、化学療法剤の薬物代謝や副作用の発現 に関する GWAS が行われ、個体差に関連する SNP が次々と同定されている。白血病細胞の化 学療法剤感受性には、各症例のSNP に加えて白血病細胞が獲得した遺伝子異常やエピジェネテ ィック修飾も寄与すると推定されるが、白血病細胞の薬剤感受性に関連する SNP の同定を GWAS で試みた報告はない。ステロイド剤は ALL の重要な治療薬の 1 つで、ステロイド剤の単 独投与に対する初期反応性はALL の治療成績と強く相関する。B 前駆細胞 ALL(BCP-ALL)細胞 株を用いたステロイド剤感受性に関するわれわれの先行研究では、ステロイド受容体(NR3C1) 遺伝子の発現レベルが感受性に相関することを確認している。一方、NR3C1遺伝子上にある8 カ所の既知のSNP に関する解析では、NR3C1遺伝子の発現レベルと有意な関連を示すSNP は なかった。そこで本研究では、BCP-ALL におけるステロイド剤感受性とNR3C1遺伝子の発現 に関連するSNP を明らかにするため、BCP-ALL 細胞株を用いて GWAS を行った。

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(方法)

解析対象は日本人由来の BCP-ALL 細胞株 72 株。山梨大学の倫理委員会の承認を得て、 Illumina HumanCoreExome-12 v1.1 BeadChip を用い約 550,000 カ所の SNP における遺伝子 型を決定し、 minor allele frequency (MAF)が 1%未満の SNP を除外するなどの quality control を行って、最終的に331,281 カ所の SNP における遺伝子型を対象とした。AlamarBlue assay で50%の細胞が死滅する Prednisolone (Pred)および Dexamethasone (Dex)の濃度である IC50 のlog 値と、NR3C1遺伝子のexon 8 および 9a に設定した primer で行った real time RT-PCR による遺伝子発現レベルに対して、PLINK ver1.7 を用いて GWAS を行った。P 値が 5×10-8

満を有意な、10-5未満をsuggestive な関連 SNP と判定した。 (結果) (1)Pred 感受性における GWAS では、3 番染色体 p14.1 領域の rs904419 が有意な関連を示し、 4 カ所の SNP が suggestive な関連を示した。rs904419 が GG の細胞株では、GA および AA の細胞株に比べてIC50 の中央値が 200 倍以上高い耐性を示した。 (2)Dex 感受性における GWAS では、有意な関連を示した SNP はなく、6 カ所の SNP が suggestive な関連を示した。最も低い P 値を示したのは 1 番染色体 p22.1 領域の rs2306888 で あった。 (3)NR3C1遺伝子の発現レベルにおけるGWAS では、有意な関連を示した SNP はなく、20 カ所のSNP が suggestive な関連を示した。最も低い P 値を示したのは 7 番染色体 p14.3 領域 のrs11982167、rs11975522 および rs11773644 であった。 (考察) (1)Pred 感受性で有意な関連を示した rs904419 は、FRMD4Bおよび MITF遺伝子の上流に 位置する。FRMD4B は細胞骨格分子であり、srRNA によるノックダウンによって腫瘍細胞株 における抗がん剤抵抗性が高まることが報告されている。一方、MITF は転写因子であり、srRNA によるノックダウンによって多発性骨髄腫細胞の Dex 感受性が高まることが報告されており、 BCP-ALL のステロイド感受性にも寄与している可能性が示唆される。 (2)Dex 感受性の GWAS で最も低い P 値を示した rs2306888 は、TGFBR3遺伝子のコドン 173 におけるサイレント多型であり、 TGFBR3遺伝子はいくつかの組織でステロイドによって 発現が増強されることが報告されており、BCP-ALL においてもステロイド受容体の標的遺伝子 である可能性が示唆される。 (3)NR3C1 遺伝子の発現レベルで最も低い P 値を示した rs11982167、rs11975522 および rs11773644 は、PLEKHA8遺伝子上に位置する。PLEKHA8遺伝子はグルコシルセラミド輸送 に関与する細胞質蛋白をコードするが、NR3C1遺伝子の発現との機能的な関連性を示唆する報 告はなかった。 (結論) 日本人由来のBCP-ALL細胞株のステロイド感受性に関連する遺伝子多型として、FRMD4

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Bおよび MITF遺伝子の上流に位置するrs904419を同定した。白血病細胞株を用いた薬剤感受 性に関するGWASは、白血病患者の薬剤感受性に関連する遺伝子多型の同定を可能とし、各症 例の遺伝子型から予測される薬剤感受性に基づいた個別化治療を目指す上で有用な解析ツール となると期待される。

論文審査結果の要旨

1. 学位論文研究テーマの学術的意義。 白血病細胞株を用いた GWAS 解析により薬剤感受性に関与するいくつかの SNP が同定さ れ、個々の白血病患者の薬剤感受性に基づいた個別化治療の実現に寄与する可能性があ り、学術的意義がある。 2. 学位論文及び研究の争点,問題点,疑問点,新しい視点等。 小児 ALL 由来細胞株を用いた薬剤感受性に関与する SNP 解析はこれまでに報告されてお らず、新規性・独創性がある。同定された intronic SNP の機能的・臨床的意義や GWAS 結果の統計学的処理方法などに関して問題点の指摘があったが、これまで同様の研究報 告がなく、現状では得られた実験結果の解釈は難しいと言わざるを得ない。 3. 実験及びデータの信頼性。 実験データの信頼性は高いと考える。 4. 学位論文の改善点、等々。 各委員から質問・要請のあった点に関しては可能な限り再検討されており、十分な追加 実験データも加えられていることから、博士論文として妥当であると考える。

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