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最適な公共投資配分の考察 : 生産面と生活面の両面からの分析

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Academic year: 2021

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最適 な公共投 資配分 の考察

生産面 と生活面の両面か らの分析

1は じ め に 日本 経 済 は,1990年 代 は じめ に バ ブ ル経 済 が 崩 壊 し,経 済 が 不 安 定 に な っ た.こ れ に 対 して 政 府 は経 済 を 安 定 させ る た め に,多 額 の 財 政 支 出 を投 じて きた.そ れ と同 時 に地 域 に 配 慮 した 財 政 運 営 を行 な い,所 得 再 分 配 を推 し進 め て きた.こ う した 財 政 運 営 や 経 済 事 情 に よ り大 量 の 財 政 赤 字 が 発 生 す る こ と と な っ た.こ の 財 政 赤 字 を減 らす た め に効 率 的 な 財 政 運 営,特 に資 源 配 分 を重 視 した 財 政 運 営 が 求 め られ て い る.財 政 赤 字 を減 らす に は 増 税 や 支 出 削 減 とい う手 段 が あ るが,そ の 前 に まず 支 出 の 中 身 につ い て 吟 味 す る.そ こ で財 政 支 出 の1つ で あ る 公 共 投 資 の 配 分 につ い て 考 察 す る.こ こ で は 公 共 投 資 を生 活 に 関 わ る支 出 と生 産 に 関 わ る支 出 に 分 類 し た.ま ず 生 活 に 関 わ る公 共 投 資 と して,上 下 水 道,厚 生 福 祉,文 教 施 設 な ど と し,そ して 生 産 に 関 わ る公 共投 資 と して 国 県 道,港 湾,空 港 な ど と した.本 論 文 で は生 活 と生 産 に 関 わ る公 共 投 資 の 効 率 的 な 配 分 に つ い て考 察 す る. 日本 の 現 状 を見 る た め に 生 活 に 関 わ る公 共 投 資 と 生 産 に 関 わ る公 共 投 資 を具 体 的 に見 て み る.ま ず 生 活 に 関 わ る公 共 投 資 の 例 と して下 水 道 を取 りあ げ た.下 水 道 を取 り上 げ た理 由 は平 成12年 度 の 『行 政 投 資』の 事 業 目的 別 行 政 投 資 額 の生 活 基 盤 投 資 う ち下 水 道 の 占 め る割 合 が 最 も高 い か らで あ る.ま た 下 水 道 は全 体 で も道路 に次 ぐ シ ェ ア を 占 め て い る.こ こ で は 下 水 道 の 整 備 状 況 の 指 標 と して 下 水 道 普 及 率 を見 て み る.平 成13年 度 末 に お い て 日本 の 下 水 道 普 及 率 は64%で あ る.そ れ に対 して1996年 の ドイ ツ や イ ギ リス で は下 水 道 普 及 率 は90%を 超 え,ア メ リ カ も1992年 段 階 で72%を 超 え て い る.国 内 で 下 水 道 普 及 率 を都 道 府 県 別 に み る と まだ ま だ都 市 と地 方 の 差 は大 きい.下 水 道 普 及 率 か らみ て,下 水 道 に 関 して は ま だ まだ 整 備 す べ き部 分 が あ る の で は な い か と思 わ れ る. 一 方,生 産 に 関 わ る公 共 投 資 の 例 と して 道路 を取 りあ げ な け れ ば な らな い.道 路 を取 り上 げ た 理 由 は平 成12年 度 の 『行 政 投 資』 に お い て,公 共 投 資 全 体 に 占 め る シ ェ ア が 最 も大 きい か ら で あ る.本 論 文 で は道 路 の 指 標 と して 平 成15年 の 「世 界 の 道 路 統 計')」に道 路 密 度2)を 用 い た. これ は 国土 に対 して道 路 が ど れ だ け あ る か の 目安 で あ る.こ れ に よ る と イ ギ リス,フ ラ ンス は 1.62,ア メ リカ は0.65で あ る の に対 し,日 本 は3.1で あ る.こ の 数 字 は先 進 国 内 で も高 い 数 字

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で あ る.こ の こ とか ら単 純 に言 え る こ とは 日本 は イ ギ リス,フ ラ ン ス と比 較 す る と,2倍 近 く 道 路 が あ る とい う こ とで あ る.国 内 で 道 路 密 度 を都 道 府 県 別 に 見 る と,小 さい 方 か ら北 海 道, 高 知 県 の 順 で あ るが,高 知 県 の 道 路 密 度 は イ ギ リ ス ・フ ラ ンス よ り高 くな る.道 路 に つ い て は まだ 渋 滞 が 解 消 で きて い ない 所 もあ り,ま た 道 路 密 度 の 指 標 か らの 判 断 だ け で は 問題 が な い わ け で は な い が,そ れ で も下 水 道 よ りは整 備 され て い る とい え る の で は な い か と思 わ れ る.そ の こ とか ら配 分 を考 え た 時,道 路 の 一 部 を下 水 道 に 回 して も よ い の で は な い か と推 察 で き る. これ ま で の 公 共 投 資 の 配 分 率 に つ い て の理 論 的 な先 行研 究 と して,生 産 活 動 あ る い は 生 活 活 動 を同 時 に 考 慮 したLee(1992)が あ る.こ の 中 でLee(1992)はBarro(1990)を 拡 張 し,政 府 支 出 を生 活 関 連 の 公 共投 資 生 産 関 連 の公 共 投 資 と補 助 金 に分 け て 分 析 した.Lee(1992)の 定 義 で は生 活 関 連 の 公 共投 資 は消 費 者 の 効 用 に直 接 影 響 を及 ぼ し,生 産 関 連 の 公 共 投 資 は 生 産 関 数 に直 接 影 響 を及 ぼ す.Lee(1992)で は 生 産 関 連 の 公 共 投 資 に 対 す る 配 分 率 は,経 済 成 長 率,時 間選 好 率,民 間 資 本 ス トッ クの 分 配 率 で 決 定 す る. また 実 証 研 究 と して,公 共 投 資 の 蓄 積 した社 会 資 本 ス ト ック の 観 点 か ら,Aschauer(1989) が 米 国 全 体 の 時 系 列 デ ー タ を用 い て 社 会 資本 ス トック の 生 産 性 に つ い て実 証 を行 っ た.日 本 で は 岩 本(1990),浅 子 ・坂 本(1993)等 が 社 会 資 本 ス トッ クの 生 産 性 につ い て 実 証 を行 っ た.逆 に社 会 資 本 ス ト ック の 生 活 へ の影 響 につ い て 分 析 した 論 文 と して,赤 木(1996)は 社 会 資 本 ス トッ ク と民 間 資 本 ス トッ クの 限界 生 産 性 が 等 し くな る とい う効 率 性 の 条 件 が 満 た さ れ て い るか 否 か を明 らか に す る こ と に よ り,政 府 の 社 会 資 本 ス トッ ク整 備 が 適 切 に行 わ れ て きた か を論 じ た.そ の 結 果,生 産 関連 の 社 会 資 本 ス トック と比 べ て,生 活 関連 の 社 会 資本 ス トック は 相 対 的 に不 足 して い る と指 摘 した. 本 論 文 も社 会 資 本 ス トッ ク の側 か ら公 共 投 資 につ い て 議 論 す る の だ が,こ れ ま で の 日本 経 済 を対 象 に した 実 証 研 究 は,そ の 多 くが 生 産 活 動 あ る い は 生 活 活 動 に及 ぼす 影 響 の いず れ か 一 方 に つ い て考 察 を行 っ て お り,こ れ ら を 同時 に 考 慮 した研 究 は あ ま りな い.そ こで 生 活 関 連 と生 産 関 連 の 社 会 資 本 ス トッ ク を用 い て,政 府 支 出 の 配 分 が 効 率 的 に 行 わ れ て い るか ど うか を,理 論 モ デ ル を も と に実 証 分 析 す る こ とで 確 認 す る.本 論 文 で は生 産 関 連 の社 会 資 本 ス トッ ク を公 的 生 産 関連 基 盤 生 活 関 連 の 社 会 資 本 ス トッ ク を公 的 生 活 関 連 基 盤 と定 義 す る.ま た 生 活 関 連 の 公 共 投 資 に相 当 す る 政 府 支 出 を 生 活 関連 政 府 支 出,生 産 関 連 の 公 共 投 資 に 相 当 す る 政 府 支 出 を 生 産 関連 政 府 支 出 と定 義 す る.本 論 文 で は 政 府 支 出 は 生 活 関連 政 府 支 出 と生 産 関連 政 府 支 出 で あ るの で,生 産 関連 政 府 支 出へ の 配 分 が 決 定 す れ ば,生 活 関連 政 府 支 出 の 配 分 も決 定 す る. そ こで 生 産 関 連 政 府 支 出 へ の 配 分 割 合 を,生 産 関 連 政 府 支 出 の 配 分 率 と し,こ の 配 分 率 につ い て 考 察 す る. 本 論 文 の構戒 を説 明 す る.ま ず2節 に お い て モ デ ル の 定 義 を行 な う.次 に 定 常 状 態 に お い て 1)日 本道路協会発行 2)全 道路延長(km)/面 積(km2)

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生 産 関 連 政 府 支 出 の 配 分 率 につ い て の 比 較 静 学 を行 な う.そ して 生 産 関連 政 府 支 出 の最 適 な配 分 率 を導 出 す る.3節 で は現 実 の デ ー タ を用 い て 実 証 分 析 した結 果 得 られ る パ ラ メ ー タ を用 い て 生 産 関連 政 府 支 出 の最 適 配 分 率 の 理 論 値 を導 出す る.そ の 導 出 され た理 論 値 と現 実 の 生 産 関 連 政 府 支 出 の 配 分 率 と比 較 して そ れ につ い て の 考 察 を 行 な う.4節 は結 論 と今 後 の課 題 につ い て触 れ る. ]1モ デ ル と比 較 静 学 2.1モ デ ル こ こで 設 定 され る経 済 で は,単 純 な2世 代 の 世 代 重 複 モ デ ル を想 定 す る.以 下 か らは 家 計, 生 産 部 門,政 府,市 場 均 衡 の 順 に 説 明 して い く. 家 計 代 表 的 個 人 を考 え る.個 人 は2期 間 生 きる と し,そ れ ぞ れ1期 目に働 き,2期 目 に引 退 す る. また 個 人 の収 入 は1期 目の 労 働 所 得 の み とす る.そ の た め1期 目は 消 費 と2期 目 の た め の 貯 蓄 を行 な い,2期 目 は そ の 貯 蓄 で消 費 を行 な う.こ こ で は 遺 産 は0と す る の で 貯 蓄 は全 て 消 費 さ れ る.ま た個 人 は1期 目 に労 働 所 得 を得 る の だ が,労 働 時 間 の選 択 は こ こ で は で きな い と仮 定 す る. 税 金 は個 人 の 労 働 所 得 に対 して の み 課 せ られ るが,政 府 は徴 収 され た税 金 の 一 部 を,個 人 の 生 活 環 境 を整 え る た め の 生 活 関連 政 府 支 出 に 分 配 す る.生 活 関連 政 府 支 出 とは,公 的 生 活 関 連 基 盤 を形 成 す る た め の支 出 で あ る.こ の 公 的 生 活 関連 基 盤 とは具 体 的 に は 下 水 道 や 公 園 な ど を 指 す.な お残 りの 政 府 支 出 は,生 産 の 環 境 を整 え る た め の 生 産 関 連 政 府 支 出 と分 配 さ れ る. 第'期 に 生 ま れ た個 人 の 効 用 関 数 を と 設 定 す る.但 し,c1tは1期 目 の 労 働 者1人 当 た り消 費,c2t+1は2期 目 の 労 働 者1人 当 た り 消 費,Gc,を 公 的 生 活 関 連 基 盤 α を 労 働 者1人 当 た り消 費 の 分 配 率,δ を 時 間 選 好 率,τ を 労 働 所 得 税 率 と す る.ま た δ,τ,α は 時 間 を 通 じ て 一 定 と し,0<τ<1,0<δ,0<α<1の 条 件 を 満 た す も の と す る.各 期 の 効 用 は 消 費 と公 的 生 活 関 連 基 盤 か ら得 ら れ る.個 人 の 予 算 制 約 式 は (1-τ)wt,=c1t+st(2) (1+rt+1)st=c2t+1(3) と な る.wtは 労 働 者1人 当 た りの 労 働 所 得,stは 労 働 者1人 当 た り の 貯 蓄 で あ る.

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生 産 部 門 労 働 市 場 は各 期 に お い て 労 働 者 の 需 要 量 と供 給 量 が 均 衡 して い る とす る.こ の と き,t期 の 生 産 関 数 を yYt=A(GKt)F(Kt,Lt) =Lt1-βK(GKt)γ(4) と仮 定 す る.た だ し,Ytは 総 生 産 額,Ltは 労 働 者,Ktは 民 間 資 本 ス トッ ク,GKtは 公 的 生 産 関 連 基 盤,Aは 公 的生 産 関 連 基 盤 の 関 数,.Fは 労 働 者 と民 間 資 本 ス トッ クの 関数 β を民 間 資 本 ス トッ クの 分 配 率,γ を公 的 生 産 関 連 基 盤 の パ ラ メ ー タ と し,0<β<1,0<γ とす る.ま た 民 間資 本 ス ト ック,公 的 生 産 関 連 基 盤 の 減 価 償 却 率 を1と お く. 政 府 政 府 は労 働 所 得 の み か ら税 を徴 収 し,そ の税 収 を与 え られ た 配 分 率 に応 じて 政 府 支 出 を行 な う.こ こ で 政 府 は均 衡 財 政 と し,国 債 の 発 行 は な い とす る. この 時,政 府 の 予 算 制 約 式 は θGct+GIt=τwtLt(5) OGIt=qτwtLt(6) θGKt+1=GIt(7) とな る.た だ しGItは 生 産 関 連 政 府 支 出,qは 生 産 関 連 政 府 支 出 の 配 分 率 と し,0<q<1と す る. (5)式 は税 収 を 生 産 関 連 政 府 支 出 と生 活 関 連 政 府 支 出 に 配 分 して い る こ と を表 す.ま た 公 的 生 産 関 連 基 盤 公 的 生 活 関 連 基 盤 の 減 価 償 却 率 が1な の で,(7)式 はt期 の 生 産 関 連 政 府 支 出 が 什t+1期 の公 的 生 産 関連 基 盤 と して 形 成 さ れ る こ とを 表 して い る. 労働 市 場 労 働 市 場 は 各 期 にお い て 労 働 者 の 需 要 量 と供 給 量 が 均 衡 し て い る.t+1期 の 労 働 者 は 一 定 の比 率 で 増 加 す るの で 、Lt+1=(1十n)Lt(8) とす る.但 し,nは 人 口成 長 率 とす る. 財 市 場 財 市 場 の均 衡 は,定 義 よ り各 時 点 で の 財 の 需 要 が 供 給 と等 し く な る,す な わ ち'期 の 民 間 資 本 投 資 と 潮 の 総 貯 蓄 が 一 致 す る 点 で 成 立 す る の で 1It=St(9) と な る.但 し ム は'期 の 民 間 資 本 投 資 で あ る.ま た 民 間 資 本 ス ト ック の 減 価 償 却 率 が1な の

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でt期 の 民 間 資 本 投 資はt+1期 の民 間 資 本 ス トッ ク と一 致 す る. Kt+1=It(10) よっ て(10)式 が 成 立 す る. 社 会 資 本 ス トッ ク 社 会 資 本 ス ト ック に対 し てLee(1992)やTurnovsky(1995)で は社 会 資 本 ス トック につ い て 生 産 要 素 と して 扱 っ て い る.こ の 場 合,政 府 は生 産 に お い て社 会 資 本 ス トッ ク分 の対 価 を受 け取 り,政 府 は そ れ を補 助 金 な どの 形 で 消 費 者 に還 元 す る.だ が,こ の こ とは モ デ ル 上 で は観 察 で き るが,現 実 を考 え た 場 合,観 察 す る こ と は 困難 で あ る.そ こで 本 論 文 で は生 産 に 関 わ る 社 会 資 本 ス トッ ク は生 産 を促 す た め の 財 と考 え る こ とに した.こ れ は社 会 資 本 ス トック につ い て 必 要 不 可 欠 な 財 で あ る が,そ れ だ け で は生 産 が 行 え な い 財 と して い る.『 日本 の社 会 資 本 』に よ る と社 会 資 本 ス トッ クの 定 義 は3つ あ る が,そ の うち の 一 つ に 「人 間生 活 に不 可 欠 な 財 で あ る が,共 同消 費 性,非 排 除 性 な どの 財 の 性 格 か ら,市 場 機 構 に よ って は 十分 な 供 給 を期 待 しえ な い よ う な財 と して と ら え る考 え 方 」 が あ る.例 え ば ダム や 港 湾 な ど は初 期 投 資 が 膨 大 に掛 か る事 か ら,ま た 下 水 道 の よ う な設 備 は採 算 性 の 観 点 か ら民 間 で作 る こ と は 困 難 で あ る. 生 産 イ ン フ ラが 整 っ て い な い所 で 企 業 が 生 産 を行 う こ と は特 殊 な産 業 を 除 き,困 難 で あ る. 道 路 や 水 道,電 気 な どが あ っ て は じめ て生 産 を行 う こ とが で きる.こ う した 環 境 を整 え る財 を 政 府 が 建 造 す る.本 論 文 で は こ の よ う な財 を社 会 資 本 ス ト ッ ク と捉 え る.た だ し社 会 資 本 ス トッ ク は生 産性 や 効 用 を向 上 させ る 効 果 は あ るが,社 会 資 本 ス トッ ク 自 身 で は 生 産 を 行 な う こ とが で き な い. 最 後 に,社 会 資 本 ス トッ ク に よ る便 益 は,賃 金 や 利 子 率 を 通 じて 消 費 者 に配 分 され る とす る. そ うす る こ とで 税 金 を納 め た対 価 を消 費 者 は 受 け取 る こ とが で き る.つ ま り完 全 分 配 が 成 立 す る.そ の こ と を以 下 は示 し て い る.(4)式 よ り利 潤 最 大 化 の1階 の 条 件 は と な る.た だ し,ytは 労 働 者1人 当 た り生 産 量,ktは 労 働 者1人 当 た り民 間 資 本 ス ト ック で あ る.(11)式 は民 間 資 本 ス トッ ク の 限 界 生 産 力 が 利 子 率 に 等 し い こ と を示 して い る.ま た(12) 式 は労 働 者1人 当 た りの 限界 生 産 力 が 賃 金 率 に等 し い こ と を示 し て い る.(11),(12)式 よ り完 全 分 配 が 成 立 す る.

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市 場 均 衡 個 人 は 予 算 制 約 式(2),(3)式 の も と で 効 用 関 数(1)式 を最 大 にす る よ う に行 動 す る の で ラ グ ラ ン ジ ュ 関 数 φ は とお け る.(14)式 よ り効 用 最 大 化 の1階 の 条 件 は とな る.(15)式 よ り λtは1期 目の労 働 者1人 当 た り消 費 の 限 界 効 用 を表 して い る.ま た(15), (16)式 よ り1期 目の 労 働 者1人 当 た り消 費 の 限界 効 用 と2期 目の 労 働 者1人 当 た り消 費 の 限 界 効 用 との 比 は,2期 目の 利 子 率 と時 間 選 好 率 で 表 さ れ る.こ れ よ り2期 目の 労 働 者 一 人 当 た り 消 費 は よ り1期 目の 労 働 者1人 当 た り消 費 で 表 現 され る.こ れ よ り労 働 者1人 当 た りの1期 目の 消 費 と貯 蓄 は(17),(18)式 よ り とな る.こ の こ とか ら労 働 者1人 当 た りの1期 目 の消 費 や 貯 蓄 は 労 働 者1人 当 た り労 働 所 得 の 増 加 関 数 に な る.(19),(20)式 よ り労 働 所 得 税 率 が 高 け れ ば 可 処 分 所 得 が小 さ くな る の で,労 働 者1人 当 た りの1期 目の 消 費 や 貯 蓄 は と も に小 さ くな る.ま た 時 間選 好 率 が 大 きけ れ ば1期 目の 労 働 者1人 当 た り消 費 は大 き くな り,労 働 者1人 当 た り貯 蓄 は 小 さ くな る. 2.2動 学 方 程 式 と定 常 状 態 '期 に お け る生 産 関 連 政 府 支 出 と公 的 生 産 関 連 基 盤 の 式(6),(7)式 よ り を 導 出 で き る.こ れ はt+1期 の 公 的 生 産 関 連 基 盤 を期 の労 働 者1人 当 た り労 働 所 得 で 表 現 し て い る.t期 の 総 貯 蓄 はt+1期 の 民 間 資 本 投 資 で あ るの で(9),(10)式 よ り

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と な り(20),(22)式 よ り が 導 出 で きる.こ れ よ りt期 の 公 的 生 産 関 連 基 盤 をt期 の民 間 資 本 ス トッ ク で 表 現 で き,t期 の 公 的 生 産 関 連 基 盤 とt期 の 民 間 資 本 ス トッ クが 正 の 関係 で あ る こ とが わ か る.(23)式 よ り労 働 所 得 税 率 が 大 きい と きは税 収 が 増 加 し,生 産 関 連 政 府 支 出 が 増 え るの で民 間 資 本 ス トッ ク と比 較 して 相 対 的 に 公 的 生 産 関 連 基 盤 の ほ うが 大 き くな る.ま た 個 人 の 時 間選 好 率 が 大 きけ れ ば, (19),(20)式 よ り貯 蓄 よ り も消 費 を好 む の で 民 間 資 本 ス トッ ク と比 較 して相 対 的 に 公 的 生 産 関 連 基 盤 の ほ うが 大 き くな る. (23)式 よ り労 働 者1人 当 た り民 間 資 本 ス ト ック の移 行 式 は と な る3).こ こ でt+1期 とt期 の 労 働 者1人 当 た り 民 間 資 本 ス ト ッ ク と の 関 係 を 々kt+1/kt=1+ξtと し て 表 す と,労 働 者1人 当 た り民 間 資 本 ス ト ッ ク の 増 加 率 の 動 学 方 程 式 が と導 出 さ れ る.(25)式 よ り人 口 成 長 率 が 増 え る と労 働 者1人 当 た り民 間資 本 ス ト ック の 増 加 率 が増 え る. 定 常 状 態 と は労 働 者1人 当 た り民 間 資 本 ス トッ ク の 増 加 率 が 一 定 に な る 事 を指 す.β+γ 〈1 が 成 立 す れ ば(25)式 よ り が 成 立 す る4).こ れ よ り ξ*は 安 定 的 な 定 常 状 態 に な る.定 常 状 態 に な る と ξt+1=ξt≡ ξ*が 成 立 す る こ と な の で(25)式 よ り が 導 出 で き る.こ れ か ら の 議 論 は β+γ 〈1が 成 立 す る ケ ー ス の み に 限 定 し て 行 な う こ と と す る. 2.3定 常 状 態 に お け る 比 較 静 学 (8)式 よ り 初 期 の 労 働 人 口 をL0と お く と,Lt=(1+n)'L0と な る.こ れ よ り 定 常 状 態 に お い て 労 働 者1人 当 た り民 間 資 本 ス ト ッ ク,公 的 生 産 関 連 基 盤 労 働 者1人 当 た り の1期 目,2期 目 の 消 費 は 3)(24)式 の条 件 の 導 出 はAppendixlを 参照 4)(26)式 の条 件 の 導 出 はAppendix2を 参照

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と な る5).こ こで 代 替 効 果 を 「生 産 関 連 政 府 支 出 の 配 分 率 や 所 得 税 率 を上 昇 させ た と き1期 目 の消 費 か ら2期 目の 消 費 に シ フ トす る効 果 」 とす る.ま た 所 得 効 果 を 「生 産 関 連 政 府 支 出 の 配 分 率 や 所 得 税 率 を上 昇 させ た と き所 得 が 変 化 す る の で,1期 目の消 費 も2期 目の 消 費 も変 化 す る効 果 」 とす る. 生 産 関連 政 府 支 出 の 配 分 率 を大 き くさせ る と(28),(29),(30),(31)式 は い ず れ も代 替 効 果 が な く,所 得 効 果 の み 正 の 方 向 に働 く.代 替 効 果 が な い 理 由 は利 子 率 が 生 産 関 連 政 府 支 出 の 配 分 率 を変 化 させ て も変 わ らず,ま た 限 界 消 費 性 向 は一 定 に な る の で,生 産 関 連 政 府 支 出 の 配 分 率 を 大 き くさせ て も1期 目の 消 費 か ら2期 目の 消 費 に シ フ トが お こ ら な い か らで あ る.こ れ よ り 労 働 者1人 当 た り民 間 資 本 ス トッ ク,公 的生 産 関 連 基 盤 労 働 者1人 当 た りの1期 目,2期 目 の消 費 は大 き くな る. 労 働 者1人 当 た り民 間 資 本 ス トッ クや1期 目の 労 働 者1人 当 た り消 費 に 関 して,所 得 税 率 を 大 き くす る と き は,(28),(30)式 よ りの 代 替 効 果 は 正 に,所 得 効 果 は 負 に な る.こ の こ とか ら所 得 税 率 が 比 較 的 小 さ い と き は,代 替 効 果 よ り も所 得 効 果 が 大 き く な る の で 労 働 者1人 当 た り民 間 資 本 ス トッ ク,1期 目の 消 費 は小 さ くな る.逆 に所 得 税 率 が 比 較 的 大 きい と き は所 得 効 果 よ り も代 替 効 果 の ほ うが 大 き くな る の で 労 働 者1人 当 た り民 間資 本 ス ト ック,1期 目の 労働 者1 人 当 た り消 費 は 大 き くな る. 公 的 生 産 関 連 基 盤 に 関 して所 得 税 率 を 大 き くす る と きは,(29)式 よ り労 働 者1人 当 た り民 間 資 本 ス トッ ク と同様 代 替 効 果 は正 に,所 得 効 果 は負 に働 く.所 得 税 率 が 比 較 的 小 さ くか つ γ も小 さ い,つ ま り公 的生 産 関連 基 盤 が 生 産 に 与 え る影 響 が 小 さ い と き は,代 替 効 果 よ りも所 得 効 果 が 大 きい の で 公 的 生 産 関連 基 盤 は小 さ く な る.逆 に 所 得 税 率 が 比 較 的大 き くか つ γも大 き い,つ ま り公 的 生 産 関連 基 盤 が 生 産 に与 え る 影 響 が 大 きい と きは,代 替 効 果 の ほ うが 常 に大 き くな る た め,公 的 生 産 関連 基 盤 は大 き くな る.所 得 税 率 が 比 較 的 小 さ くか つ γが大 きい 場 合 と, 所 得 税 率 が 比 較 的 大 き くか つ γが小 さ い場 合 につ い て は 符 号 が 確 定 し な い. 2期 目の 労 働 者1人 当 た り消 費 に 関 して 所 得 税 率 を大 き くす る と きは,(31)式 よ り代 替 効 果 5)(28)式 から(31)式の導出はAppendix3を 参照

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は 正 に,所 得 効 果 は負 に働 く.所 得 税 率 が 比 較 的 小 さ くか つ γも小 さ い と きは,代 替 効 果 よ り も所 得 効 果 が 大 き くな る の で2期 目の 労 働 者1人 当 た り消 費 は小 さ くな る.次 に所 得 税 率 が 比 較 的 大 き くか つ γが 小 さい と きは,所 得 効 果 よ り も代 替 効 果 の ほ うが 大 き くな る の で2期 目の 労 働 者1人 当 た り消 費 は 大 き くな る.最 後 に γが 大 きい と き,代 替 効 果 の ほ うが 常 に 大 き くな る た め,2期 目の 消 費 は 大 き くな る.こ れ に は2期 目の 労 働 者1人 当 た り消 費 は1期 目の 労 働 者1人 当 た り貯 蓄 と2期 目の 利 子 率 が 大 き く関 わ っ て くる.つ ま り所 得 税 率 を増 加 させ る こ と で1期 目の労 働 者1人 当 た り貯 蓄 が 下 が る が,2期 目の 利 子 率 が そ れ 以 上 の 増 加 をす れ ば 税 率 を増 加 した こ とが か え っ て2期 目の 労 働 者1人 当 た り消 費 を増 加 させ る こ と を意 味 す る. 定 常 状 態 に あ る効 用 は とな る6). 効 用 に お い て 生 産 関 連 政 府 支 出 の 配 分 率 を 大 き くす る と(34)式 よ り,代 替 効 果 は 負 の 方 向 に,所 得 効 果 は正 の 方 向 に働 く.こ の こ とか ら生 産 関 連 政 府 支 出 の 配 分 率 が 比 較 的小 さ い と き, 生 産 関 連 政 府 支 出 の 配 分 率 を大 き くさせ る と代 替 効 果 よ り も所 得 効 果 が 大 きい の で効 用 は 大 き くな る.逆 に 生 産 関連 政 府 支 出 の 配 分 率 が 比 較 的 大 きい と き,生 産 関 連 政 府 支 出 の配 分 率 を大 き くさせ る と所 得 効 果 よ りも代 替 効 果 の ほ うが 大 き くな るの で効 用 は小 さ くな る. (34)式 よ り効 用 を最 大 にす る よ う な生 産 関 連 政 府 支 出 の 配 分 率 は とな る.こ れ よ り最 適 な 生 産 関連 政 府 支 出 の 配 分 率 は 生 産 関 数 と効 用 関数 の パ ラ メ ー タ に よ っ て 決 定 さ れ る. (35)式 よ り生 産 関 連 政 府 支 出 の 配 分 率 の 動 き を見 る.ま ず γが 大 き くな れ ば 生 産 関連 政 府 支 出 の 配 分 率 は大 き くな る.こ れ は(4)よ り γは 関 数 の 公 的 生 産 関連 基 盤 に つ い て い る指 数 で あ 6)(34)式 の導出はAppendix4を 参照

(10)

る こ と か ら,公 的生 産 関連 基 盤 の生 産 に対 す る効 果 は大 き く な る.そ の た め,γ が 大 きい と き 生 産 関 連 政 府 支 出 に対 す る 配 分 を増 や す こ と に な る.次 に α が 大 きい と き生 産 関 連 政 府 支 出 の 配 分 率 は 大 き く な る.こ れ は(1)式 よ り αが 大 き くな れ ば公 的 生 活 関 連 基 盤 よ り消 費 の 方 が 効 用 に さ らに 大 き く影 響 す る よ うに な る.そ うす る と公 的 生 活 関 連 基 盤 よ り公 的 生 産 関 連 基 盤 に 対 して の 政 府 支 出 の 配 分 を増 や す こ とに な る.最 後 に βが 大 き い と き生 産 関 連 政 府 支 出 の 配 分 率 は大 き くな る.こ れ は労 働 者1人 当 た りで 見 た 生 産 関 数 が よ り βが 大 き い と き生 産 関 数 に お け る1人 当 た り民 間 資 本 ス ト ッ ク の値 が 大 き く な る.こ れ よ り生 産 効 果 が 大 き くな る こ とで 生 産 関 連 政 府 支 出 に対 して 配 分 を増 や す こ と に な る. 消 費 や 貯 蓄 を増 や す こ と を考 え る な らば,生 産 関連 政 府 支 出 の 配 分 率 は 高 い ほ どよ い こ とが 分 か る.し か し効 用 か ら見 る と生 産 関 連 政 府 支 出 の 配 分 率 を高 め る こ とは公 的 生 活 関 連 基 盤 が 小 さ くな る た め,逆 に効 用 を下 げ て しま う結 果 に な る 可 能 性 が あ る. 次 節 で は現 実 の デ ー タ を用 い て(35)式 の 生 産 関 連 政 府 支 出 の 最 適 配 分 率 に 含 ま れ るパ ラ メ ー タの 実 証 分 析 を行 な い,生 産 関 連 政 府 支 出 の 配 分 率 の 最 適 値 を導 出す る.そ して 導 出 した 生 産 関 連 政 府 支 出 の 配 分 率 の 最 適 値 につ い て 現 実 の値 と実 証 分 析 の 値 と比 較 を行 な う. 皿 実 証 分 析 この 章 で は1970年 か ら1995年 まで の 都 道府 県 別 デ ー タ を用 い て 生 産 関 連 政 府 支 出 の 配 分 率 の検 証 を行 な う.都 道 府 県 デ ー タ を用 い た理 由 は,地 域 間 配 分 につ い て の 配 慮 す る た め で あ る. 3.1デ ー タ の 構築 本 論 文 で用 い る デ ー タ は下 記 に 記 した用 に構築 した.県 内 総 生 産 民 間 資 本 ス トック,労 働 者 数 公 的 生 産 関 連 基 盤 一 人 当 た り消 費 の 順 に説 明 す る.沖 縄 県 につ い て 公 的 生 産 関 連 基 盤 の デ ー タ の都 合 上,排 除 して い る.そ の た め す べ て の 分 析 に お い て46都 道 府 県 の デ ー タで 行 っ て い る.デ ー タの 概 要 は 本 論 文 の 表1に ま とめ て い る.

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(1)生 産 量 本 論 文 で は1980年 暦 年 価 格 で 実 質 化 し た県 内 総 生 産 を,生 産 量 と して 用 い る.1970年 度 か ら1974年 度 ま で は 『長 期 遡 及推 計 県 民 経 済 計 算 報 告』 の 値 を用 い た.1975年 度 か ら1995年 度 まで は 『県 民 経 済 計 算 年 報 』(内 閣府)の 平 成13年 度 版 に記 載 され て い る 県 内 総 生 産 の デ ー タ を用 い た. (2)民 間 資 本 ス トッ ク 民 間 資 本 ス トッ ク は 「戦 後 日本 国 内 に お け る経 済 収 束 と生 産 要 素投 入 ソ ロ ー成 長 モ デ ル は 適 用 で きる か 」 で 用 い られ て い る 『日本 府 県 デ ー タベ ー ス』(深 尾 ・岳(2000))を 用 い た7).都 道 府 県 別 の 民 間 資 本 ス トッ ク の デ ー タ を き ち ん と作 成 す る こ とは 困 難 で あ る.そ こで 公 開 され て い る デ ー タ と し て 『日本 府 県 デ ー タベ ー ス』 を使 用 させ て い た だ い た.通 常 稼 働 率 を か け た もの を民 間 資本 ス トック と して使 用 す るが,都 道 府 県 別 の デ ー タが な か っ た の で そ の ま まの 値 を用 い た. (3)労 働 者 数 労 働 者 数 は就 業 者 数 に労 働 時 間 指 数8)を 掛 け合 わ せ た 値 を用 い た.ま ず 就 業 者 数 は1975年 度 か ら1995年 度 まで は,『 県 民 経 済 計 算 年 報 』 に掲 載 され て い る都 道 府 県 別 の 就 業 者 数 を用 い た.1970年 度 か ら1974年 度 まで は 『日本 府 県 デ ー タベ ー ス』 の 就 業 者 を用 い た.そ して 都 道 府 県 別 の 労 働 時 間 だが,時 間外 労 働 を排 除 した 値 を用 い る こ とで,都 道 府 県 別 に労 働 時 間 が そ れ ほ ど異 な る と は言 え な い の で,全 国 一 律 とい う扱 い に した.そ の 労 働 時 間 指 数 は 『労 働 力 調 査 』(総 務 省)よ り用 い た.こ れ よ り労 働 者 は従 業 者 数 と労 働 時 間 指 数 を掛 け 合 わ せ た値 を用 い た. 7)深 尾京司先生のホームページ(http://www.ier.hit-u.acjp/ fukao/japanese/data/)に掲載 されている. 深尾先生 ・岳先生の両先生に感謝 します. 8)こ こで定義 した労働時間指数は労働時間/24時 間 とす る.

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(4)公 的 生 産 関 連 基 盤 まず 公 的 生 産 関 連 基 盤 はス トック で あ る の で,基 準 年 の ス トッ ク に毎 年 の フ ロ ー の値 を積 み 上 げ る方 法(BY法)を 用 い る こ と に よ っ て 導 出 した. まず 基 準 年 の ス トック と な る デ ー タ は1970年 の 『国 富 調 査 』(旧 経 済 企 画 庁)の 社 会 資 本 ス トッ ク の 項 目を 用 い て1970年 時 点 で の 行 政 投 資 よ り,生 産 関 連 政 府 支 出 の 配 分 率 に した が っ て 公 的 生 産 関 連 基 盤 と公 的 生 活 関 連 基 盤 に分 け た.ま た 『国 富 調 査 総 合 報 告(昭 和45年)』 に は都 道 府 県 別 の デ ー タが掲 載 さ れ て い な い.そ の た め,1970年 段 階 で の生 産 量 で 比 率 を と っ て 都 道 府 県 別 の ス ト ック と し て用 い た.最 後 に 公 的 固定 資 本 形 成 の デ フ レー ター を用 い て 実 質 化 した. 次 に毎 年 の フ ロ ー の値 につ い て は 『行 政 投 資 』 の行 政 投 資 実 績 を用 い て都 道 府 県 別 に 表2の よ う に生 産 関 連 政 府 支 出 と生 活 関 連 政 府 支 出 に分 類 し,公 的 固定 資 本 形 成 の デ フ レー ター を用 い て 実 質 化 した.ま た,赤 木(1994)と 同様 公 的生 産 関 連 基 盤 と公 的 生 活 関 連 基 盤 の 耐 久 年 数 を32年 と想 定 して 除去 率 は0.03125と した.除 去 率 に つ い て は全 て の 都 道 府 県 で 等 しい と して い る.具 体 的 な や り方 等 を ふ くめ て表2に ま とめ て い る. 図1県 内 総 生 産 民 間 資 本 ス トッ ク,公 的 生 産 関 連 基 盤 の 伸 び 率(全 国) 注:『 県 民 経 済 計算 年 報』 お よ び 『行 政投 資 』 よ り筆 者 作 成

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表2公 的 生産 関連基 盤 と公 的生 活 関連基 盤 のデ ー タの作 成 方法 事 業 目的 別 行政 投 資 額(『 行 政 投 資』 にお ける分 類) 生 活 基盤 投 資 市 町村 道,街 路,都 市 計 画,住 宅,環 境 衛 生,厚 生福 祉,文 教 施設,水 道及 び下 水 道 の各 投 資 生 産 基盤 投 資 国県 道,港 湾,空 港 及 び工 業用 水 の 各投 資 農 林 水 産投 資 農 林水 産業 関 係 の投 資 国土 保全 投 資 地 山 治水 及 び海 岸保 全 の 投 資 そ の 他 の投 資 失 業対 策,災 害復 旧,官 庁 営 繕,鉄 道,地 下鉄,電 気,ガ ス等 の上 記 以外 の各 事 業 の投 資 ↓ 生産 関連 政府 投 資:生 産基 盤 投 資,農 林 水 産投 資,国 土保 全 投 資,そ の他 の投 資 生活 関連 政府 投 資:生 活 基 盤 投 資,国 土 保全 投 資,そ の他 の投 資 国土 保全 投 資 とそ の他 の投 資 に つ い ては 生 産基 盤 投 資,農 林 水 産投 資 と生 活基 盤 投 資 の比 率 で 分 け る. 具体 例 生 産 関連 政 府支 出分 の 国 土保 全 投 資 3.2実 証 分 析 (1)パ ラ メ ー タの 推 計 まず,β,γ を求 め る た め に パ ネ ル 分 析 のGMM推 定 法 で 生 産 関 数 の 推 計 を行 な っ た.生 産 関 数 は(36)式 よ り以 下 の よ う に線 形 変 換 した. 1lnyit+1=c+βlnkit+γlnGkit(37) 但 し,iは 都 道 府 県 を,tは 時 間 を表 す もの とす る.ま た,ス トッ ク変 数 の 生 産 へ の 寄 与 は, 投 資 の 実 施 中 に は発 生 しが た い と考 え られ る こ とか ら,民 間 資 本 ス トッ クkと 公 的 生 産 関 連 基 盤Gkは,1期 の ラ グ を想 定 す る.結 果 は 表3に 示 し て い る.表3よ り β,γ に つ い て 統 計 的 に5%有 意 で推 計 さ れ る.ま ず 民 間 資 本 ス トッ ク の係 数 は0.220と 推 定 さ れ,こ れ ま で の 先 行 研 究9)と 比 較 し て み る と比 較 的 低 い値 と な っ て い る.そ の 理 由 と して 以 下 の こ と が 考 え られ る.民 間 資本 ス トック は 常 にす べ て が 稼 働 して い る わ け で は な い の で,そ の 期 に あ わせ て 稼 働 率 で 民 間 資本 ス ト ック を調 整 す る 必 要 が あ る.し か し都 道 府 県 別 に稼 働 率 が 導 出 さ れ て い な い の で,こ こ で は 民 間 資本 ス トック を稼 働 率 で 調 整 して い ない.そ の こ と が先 行 研 究 に比 べ,数 値 が 低 い値 に な っ て い る 可 能 性 が あ る. また 公 的 生 産 関 連 基 盤 の 係 数 γの 値 は0.143が 推 定 され た.こ の 値 につ い て は最 近 の デ ー タ まで を用 い て推 定 さ れ て い る野 崎(1999)や 遠 藤(2002)と 比 較 して 少 し大 き くな っ て い る. これ は以 下 の こ とが 考 え られ る.本 論 文 で は 公 的 生 活 関 連 基 盤 は 生 産 効 果 が な い と仮 定 して, 生 産 関 数 の 推 計 か ら は 除 い て い る.γ の 値 が 少 し大 き く推 定 され て い る の は,そ の こ とが 影 響 9)都 道府県デー タを用いて生産関数の推計 を行っている論文に限定 して先行研究の値 を表4に まとめた.

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して い る可 能性 が あ る. α の 値 に 関 して は本 論 文 で は推 計 を行 な わ ず,赤 木(1996)の ∂=0.2065を 借 用 した.こ れ は 赤 木(1996)に お い て デ ー タ の期 間 が ほ ぼ 同 じこ とで あ る こ と,公 的生 活 関 連 基 盤 に つ い て の 定 義 の仕 方 が ほ ぼ 同 じ こ とで あ る こ と な どか ら妥 当 な選 択 と言 え る10).こ れ を本 論 文 の モ デ ル に当 て は まる よ うに修 正 して用 い た11). 表3生 産 関数 のパ ラメー タの推 計結 果(GMM) (2)結 果 の解 釈 上 で 得 られ た 生 産 関 数,効 用 関 数 の パ ラ メ ー タ を も とに(35)式 よ り最 適 な 生 産 関連 政 府 支 出 の 配 分 率 の理 論 値(q=0.183)が 求 め られ る.そ の理 論 値 と現 実 に行 わ れ て きた 生 産 関 連 政 府 支 出 の 配 分 率 を組 み 合 わ せ た もの が 図2で あ る.こ れ を見 る と生 産 関 連 政 府 支 出 に過 剰 に支 出 され て い た 可 能 性 が あ る. 現 実 の 値 と本 論 文 の導 出 した理 論 値 が 離 れ て い る こ と につ い て,赤 木(1996)で は 生 活 にか か わ る社 会 資 本 ス トッ クが 不 足 気 味 で あ る こ とが 指 摘 され て い る.こ の こ と を考 慮 に入 れ て み る と生 産 関 連 政 府 支 出 の 配 分 率 が これ ま で大 きか っ た とい う可 能性 が あ る. 戦 後 ま もな く経 済 復 興 の た め に 傾 斜 生 産 方 式 に よ っ て 生 産 に シ フ ト した 政 府 支 出 が と られ, 高 度 成 長 期 に お い て も生 産優 先 の 路 線 は続 け られ た.図2よ り高 度 成 長 長 期 が 終 わ っ た 後 で も 現 実 の 配 分 が あ ま り変 化 し て い な い.つ ま り生 活 に対 す る配 分 の シ フ トが 行 な わ れ て い な い. 経 済 対 策 の 一 環 と して公 共 投 資 を 行 な う こ と は こ れ か ら も必 要 で あ る と思 わ れ る.だ が そ の や り方 と して 今 後 は生 産 関 連 政 府 支 出 に重 き を置 くの で は な く,逆 に生 産 関 連 政 府 支 出 を抑 え て, 生 活 関 連 政 府 支 出 を多 くす る こ とが 望 ま しい の で は な い とか 思 わ れ る. 10)赤 木(1996)で は効用 関数の定義がCES型 効用関数であったのに対 して,本 論文では各期で コブ=ダ グ ラス型 になるような効用 関数を用 いた.そ のため本論文ではオイラー方程式 にお いて αが相殺 されるた め,CES関 数を用いた赤木(1996)のdの 値を代用 した. ll)赤 木(1996)と 本論文の限界効用の比 が一致する と仮定 して αの値 を導出した.

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lVお わ り に 本 論 文 で は,前 半 部 分 で 生 産 関 連 政 府 支 出 の 最 適 配 分 率 を導 出 し,後 半 部 分 で 現 実 の デ ー タ を用 い てパ ラメ ー タ の推 計 を行 な い,そ こか ら生 産 関 連 政 府 支 出 の 最 適 配 分 率 の理 論 値 を求 め, 現 実 値 と対 比 させ る こ とで そ れ に つ い て の 考 察 を行 っ た.そ の結 果,生 産 関 連 政 府 支 出 に重 点 の 置 か れ た 支 出 配 分 が な され て い た 可 能 性 が あ る.こ の 背 景 に は 経 済 成 長 優 先 の 一 環 と して 生 産 関 連 に対 して 支 出が 多 くな さ れ て い た とい う こ とが あ るか も しれ な い.高 度 成 長 期 時 代 にお い て は有 効 で あ っ た政 策 か も しれ な い が,現 在 の 経 済 は 低 成 長 の段 階 に あ る とい う点 も考 慮 す る と,生 活 関 連 に よ り多 くの 政 府 支 出 が な され る の が 望 ま しい とい え る の で は な い か と思 わ れ る. 分 析 の 問題 点 と こ れ か らの 課 題 と して は,モ デ ル の 改 善 と して 第1に 生 産 関 数 効 用 関 数 に つ い て で あ る.本 論 文 で は公 的生 産 関 連 基 盤 を含 ん だ 生 産 関 数 は 民 間資 本 ス トッ ク と労働 者 の 代 替 の 弾 力 性 が1と い う生 産 関 数 を用 い た.ま た効 用 関 数 も各 期 の 消 費 と公 的 生 活 関 連 基 盤 の 代 替 の弾 力 性 が1と い う仮 定 を お い て い る.そ の 制 約 を はず し たCES型 の 生 産 関 数 効 用 関 数 で も 同様 の 配 分 率 が 導 出 で きる か で あ る確 か め る必 要 が あ る. 第2に 公 的 生 産 関連 基 盤 の デ ー タの 作 成 方 法 につ い て で あ る.社 会 資 本 ス トッ ク に つ い て の デ ー タ は大 き く3種 類 存 在 す る.1つ 目に は 本 論 文 で 行 な っ た基 準 年 の ス トッ ク を 『国 富 調 査 総 合 報 告(昭 和45年)』 を用 い て そ こ に フ ロ ー を 『行 政 投 資 』 を用 い て積 み 上 げ る とい うや り 方 で あ る.2つ 目 に は 『日本 の 社 会 資 本 』,3つ 目に は 『県 民 経 済 計 算 年 報 』 の 公 的 な 固 定 資 産 形 成 の デ ー タ を も とに そ れ を積 み 上 げ る形 で作 成 す る や り方 で あ る.そ の3つ の デ ー タ を用 い た どの 場 合 で も同 様 の こ とが 言 え る か 検 証 す る必 要 が あ る と思 わ れ る.ま た 本 論 文 で は 除 去 率

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に つ い て は赤 木(1996)と 同 様 一 律32年 と考 えて い る が,現 実 に は耐 久 年 度 が5年 の もの や50 年 の もの な ど も存 在 す る.除 去 率 が3.1%で は な い 場 合 も考 察 す る必 要 が あ る と思 わ れ る. 第3に 配 分 率 が パ ラ メ ー タ に依 存 し て い る た め,デ ー タの 期 間 の 取 り方 に よ っ てパ ラ メー タ が少 しず つ 変化 し,そ の た め 配 分 率 が 異 な る 可 能 性 が あ る.こ れ につ い て は デ ー タ の期 間 を変 え た りさ らに 多 くの 期 間 で 考 察 す る 必 要 が あ る と思 わ れ る. 記 述統 計量 表4先 行研 究 の生 産関 数の推 計 結果(パ ラ メー タ)

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謝 辞:本 稿 は2004年 の 日本 経 済 学 会 で 報 告 した 論 文 に 加 筆 修 正 した もの で あ る.学 会 報 告 に お い て,油 井 雄 二 先 生(成 城 大 学),赤 木 博 文 先 生(名 城 大 学)に は有 益 な コ メ ン トを頂 い た. また 本 稿 の作 成 に あ た り,前 田 高 志 先 生,森 田 雄 一 先 生,松 原 聖 先 生(以 上 名 古 屋 市 立 大 学), 櫻 川 昌 哉 先 生(慶應 義 塾 大 学)よ り有 益 な コメ ン トを 頂 い た.こ こ に記 して 感 謝 しま す.

参 考文献

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(19)
(20)

(34)式 の導 出

参照

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