染色CR-39飛跡検出器の特性
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(2) 鶴田:染色 C'R 子3 9飛跡検出器の特性. CR-39板の着色面を上向きにして机上に置き,その 上に厚さ 1cmのアノレミニウム製のスペーサーを置. くいことがある。エッチピットのコントラストを強 め,計数を容易にするために,検出器を着色する試み がある。硝酸セルロースプラスチックの場合,淡いパ. き,その上に線源を下向きに置いて α線照射を行っ. ラ色に着色したもの (CA8 0 1 5 )や濃い赤色に着色し. た。円形の面線源の中心軸が板表面と交わる位置付近. たもの ( L R 1 1 5 )が市販されている 6)7)0 CR-39プラ. において, α線は板にほぼ垂直に入射する。板に入射. スチックの場合,まだこのような着色の試みはない。. 線のエネ Jレギーは約 4MeVである。 α線の入 する α. そとで,より明瞭で計数しやすいエッチピットを得る. 射密度は,線源、の壊変強度,線源の半径,スペーサー. ととを目的として, C R-39 プラスチックを種々の条. の厚さおよび照射時聞から計算で求めることができ. 件で染色し,その染色特性ならびに染色したプラスチ. る5)。. ックのエッチング特性および飛跡検出特性を調べる乙. とζ lしf こ 。. 3 . エッチングおよびエッチピットの計数 α線照射後,着色 C R-39板を 9 0Cの30%KOH水 溶液中で 1--8時間エッチングした。エッチングの前 0. E 実験材料および実験方法. 後に,同じ乾燥条件において板の厚さをマイクロメー タで測定し,その差の 2分のしすなわちパノレクエッ. 1 . CR-39プラスチックの染色 CR-39 プラスチック材料としては, ソーラ・オプ 4x56cm,厚さ1.6 ティカ Jレ・ジャパン社製の面積 5 mmの無色透明な板を用いた。その組成は,アリル・. チングを求めた。エッチング後,板の巨視的表面状態 を目視で観察じた後, 1 0 0 4 0 0 倍の光学顕微鏡を用い て板の微視的表面状態とエッチピットを観察した。さ らに,エッチピットの計数を行ない,その表面密度と. ,重合開始剤として ジグリコーノレ・カーボネイト 97%. α線の入射密度から検出効率を求めた。. のジイソプロピーノレ・ノマーオキジ・ジカーボネイト 3 %である。乙の板を 6x4cm の大きさに切断し,両. E 実験結果および考察. 面染色の場合はそのまま染色液に浸した。片面染色の 場合は 2枚を密着させ,周囲に接着剤を塗って密着面. 1 . 染色特性. に液が浸透しないようにしてから染色液に浸した。. 染料の濃度が0.5%で 9 0Cの染色液中に 5時間浸し 0. 使用した 3種類の染料および分散剤の名称は次のと. R-39板を F i g .1乙 ! て調製した,各色の片面染色 C. おりである。. 赤 : M i k e t o nP o l y e s t e rS c a r l e t3R. 示す。このうち黄色と青色に染色した板を 1時聞から. 黄 : D i a c e 1 1 i t o nF a s tY e l l o wGL 青 .:S e r i l e n eDarkB l u eGN. 1 5 0. 8時間までエッチングした後の色の変化を Fig.2 と Fig.3!乙示す。また, F i g . 4 の( a )と( b )には,黄色に. 分散剤:CIBA-GAIGYU l t r aVonWJA. 片面染色した板を 2時間または 4時間エッチングした. 赤,黄,青の染料は,そのまま赤色,黄色,青色 l 乙. 後 , 1 0 0 倍の光学顕微鏡で観察したときのエッチピッ. 染める染料として使用するととができる。また,黒色. トの様子を示す。更に, F ig.5 と F i g . 6には,種々. ζ l染める場合は,ふ赤,黄.;青の染料を 3 :3 :4の割合. の条件で片面染色した赤色と黒色の板を 1時聞から 8. で混合して用いる。染色液は,ガラス容器に入れたイ. 時間までエッチングした後の色の変佑を比較して示. ォν交換水に 0 . 5 必または 1%の染料と 5 , ppmの分散. す 。. 剤を溶解したものである。ガラス容器をオイ Jレパスに. 染料の濃度が0.5%の液中で, 0 . 5時間染色すると, CR-39板のど〈表面に近い層のみが染色された。乙. 0Cに保持し 入れるととによって,染色液の温度を 9 0. た 。 C R-39 板を染色板に浸した時聞は. 0 . . 5 ;1 , 2,. れは, 1時間程度の短いエッチング時間で染色した色. 5 .または 1 0 時間である。とれらの染色時間経過後,板ー. が消えてしまうととから分かり,どの色についても共. を染色液から取り出し,水洗し,接着剤を除去し,そ. 適応言えることである。染色時間をし 2 5,1 0 時. の後100 C で~30分間乾燥させた。. 間と増加させてゆくと,エッチン弓ク守される層の厚さは. ,. Q. 0 時間に延 次第に増加する。染色の時間を 5時間から 1 2 .. α線照射. 長じたとき,染色される層の厚さがどの程度変化する. α線源と、して, .日本 7イソトープ協会製の Ra-DEF. ig.5 と F i g . 6のそれぞれ( a )と( b )または ( c )と かは, F. 線源、を使用した。 lx3cm程度の大きさに切断した. ( d )を比較するととにより読み取ることができる。後述. p o q a.
(3) Vo1 .2 5( 19 8 8 ). 近畿大学原子力研究所年報. Red. Blue. Yellow. Black. F i g . 1DyedCR3 9p l a t e s ,9 0oC,5hr . Dyeingc o n d i t i on s : 0.5%. 6. 吋. 7. 8. 6 7 8 Et ' c h壬n g' 骨: t : ' 量 m e (hr). (hr). 一. F i g .2 Etchedyellowdyed CR3 9p l a t e s Dyeingc o n d i t i o n s :0 . 5労 , 9 0oC,5hr. ぢKOH,9 00C . Etchingc o n d i t i o n s :3 0 5. 。. 。。. 。. o. (a)。. ー古. F i g .3 Etchedbluedyed CR3 9p l a t e s Dyeingc o n d i t i o n s :0 . 5労 , 9 0oC,5 h r . Etchingc o n d i t i o n s : 30%KOH,9 0oC .. 。. (b). 100μ m. F i g .4 Etchp i t sonyellowdyed CR3 9p l a t e s Dyeingconditions:0 . 55 ぢ,9 0oC,5hr . Etchingc o n d i t i o n s :3 0% KOH .9 00C . .( b ) 4hr . Etchingt i m e :( a )2 hr するように ,パノレク エ ッチングすなわち エ ッチ ングに. 間内に染色される層の厚さを増加させることができ. 伴う板表面の溶出 厚は エ ッチング時聞にほぼ比例する. . 5%から 1%に増加させたときの る。染料の濃度を 0. ので,長い エ ッチング時間色の砲せない板はそれだけ. 効果は ,Fig.5 と F ig.6 のそれぞれ ( a) と( c )または ( b ). 0時間程度まで 深く染色されていたと考えてよい。 1. と( d )を比較する乙とに より,読み取ることができる。. は,染色時聞にほぼ比例して染色される層の厚さが増. 乙の程度の濃度になると ,濃度が 2佑になっても染色. 加すると考えられる。染色が確認できる最深部の移動. される層の厚さが 2倍になるといった大きな効果は期. . 5労, 9 0Cの染色条 速度を染色速度と定義すれば, 0. 待できない。また ,濃度が 1%以上になると染色中に. h r . と見積もられる。 件における染色速度は約 10μm/. l 析出し , 染色むらを生じることがあ 染料が板表面ζ. 染色液中の染料の濃度を増加させても,同じ染色時. る。したがって,染料の濃度は 0 . 5% 程度以下に留め. 0. - 3 7ー.
(4) 鶴 田:染色 C Rー 3 9飛跡検出器の特性. 5. 6. 7. 8. 6. 2. (hr). 7. -,申 ー. b. 、lJ. 1. (b). Etching time (hr). 1 '2. (c)1. 3. 4. 5. 6. 7. Et~ hing timeζfir). B. (hr). 8. (c). 1. 2. 3. 4. 、. 5. 6. .. 7. 8. Etching time (hr). 1. 2 3 4" . 5, 6 1 7 Et .ch孟n g tiOle (hr). 8. 一. ナ一. γ13 111j. 帯. 3 4 5 6. (d). 7. 8. (d). (hr). F i g .5Etchedreddyed CR-39p l a t e s , ぢ 9 0oC,5hr . Dyeingc o n d i t i o n s :( a )0 . 5 5 ( b )0 . 5労 , 9 0oC, 10hr . ( c ) 1 労 ,9 0oC,5hr . ( d ) 1タ ( 6 , 9 0oC, 10hr. Etching c o n d i t i o n s : 30%KOH,9 0oC . ておくのが良いと考えられる。. 1. 2. 3 4 5 6. 7. 8. Etching time (hr). F i g .6 Etchedblackdyed CR3 9p l a t e s Dyeingc o n d i t i o n s :( a )0.5%,9 0oC,5hr . (b)0.5%,9 0oC, 10hr . ( c ) 1 労 , 9 0oC,5hr . ( d ) 1 5 ぢ,9 0oC, 10hr . Etching c o n d i t i o n s :3 05 ぢKOH,9 0oC . した 各色の板を. 1時間か ら 8時間ま でエ ッチン グ し. たと きのパノ レ クエ ッチ ングを, 染色 しない板の結果 と 2. 共に ,F ig.7I と示す。染色した板 の場 I 合,エ ッチング. バルクエッチング率. 染料の濃度が 0 . 5労の染色液中 で 5時間,両面染色. 開始後 2 --3時間ま で,すな わち染色層が溶出してい. -3 8-.
(5) Vo1 .2 5( 19 8 8 ). 近畿犬学原子力研究所年報. 2 0 0. 30~百 KOH ,. T. 間が 6時間を超えると,エッチピットのコントラスト. Dyeing c o n d i t i o n s h r . :0 . 5 % ,90.C ,5. が低下すると共に表面の荒れが大きくなり,エッチピ. ω. チピット表面密度を比較した結果,両者はほぼ一致し た。すなわち, 4MeVの垂直入射 α線の検出効率は. 0 0 9 6で,染色しても変化しないことが分かった。 ほぼ 1. -. I V 結. E司. CR-39 プラスチックの染色特性, エッチング特性 および α線検出効率を調べ,次の結論を得た。. ( 1 ) 染料の濃度が 0.5%,9 0Cの染色液を使って赤, 0. 一. 46. 民主町四一. 町吋川山山町. m. QUA2. 。口移ム 2. //一. ノ グ. Q忌v ム. //倉一 //一. ぷ-3凶. 5 0ド. 00 ロムマ・・・・・・・・・・ム 5 O ロマ一 マム 4. 喝」. //。ム. 号 1 0 0ト. ン・. /l. //N. ,o 八百AV. b . O. ロ. 間エッチングした試料について, α線入射密度とエッ. J''Fb-. ミ : 30%KOH,9 0 . C .. ットの計数が困難になるととがある。 2時間から 6時. 。 今 / マ 伽 ⋮L. : -1 5 0ト Etching c o n d i t i o n s. .~・4. 9 00c のエッチング条件でエッチング時. と片面染色を行えば,染色面により明際 黄,青等 l なエッチピットを生成させることができる。. Etching time ( h r . ). ( 2 ) 染色層の厚さと色の濃淡は染色時間を適切に選. n c r e a s eo fbulketchingwithetching F i g .7 I time. 択する乙とにより調節するととができる。 ( 3 ) 染色時間が 1 0時間以内では,染色層の厚さは染. る聞は,パノレクエッチンク、率がわずかに低下し,それ. とほぼ比例して増加する。染色速度は約 1 0 色時間 l. 以降のパノレクエッチング率は染色しない板のそれとほ. μm/hr.である。 ( 4 ) 染色 l とより,ノイノレクエッチング率はわずかに減. ぼ同じであることが読み取れる。. 少する。. ( 5 ) 染色は α線の検出効率に影響を与えない。 30%. 3 . α線の検出効率. o. 0C, 2-6時間のエッチング条件で, KOH, 9. F i g . 4の( a )と( b )は同ーの板の同一の部分で,エッチ ングの進行と共に各々のエッチピットがどのように成. 4MeVの垂直入射 α線の検出効率はほぼ 100%で. 長し,表面状態がどのように変化するかを観察する乙. ある。. と片面染色し とができる。一般に,赤,黄,青の 3色 l 謝. た場合,染色された面に生成したエッチピットは無色. 辞. の板に生成したエッチピットよりも明瞭で,計数しや すかった。その理由は,乙の 3色の場合,染色しても. CR-39 プラスチックの染色の基本的事項について. まだ光の透過性が十分良好で,しかも染色層の深さに. ど教示頂きましたソーラ・オプティカノレ・ジャパン株. 応じて着色に濃度勾配があるので,表面とエッチピッ. 式会社村田織利氏,実験にど協力頂きました近畿大学 理工学部天野博之氏に感謝致します。. トの聞には,光の散乱によるコントラストの違いに, 色の変化が加わり,それらの相乗効果が生じるためと. 書考文献. 考えられる。それ応対して,黒色に片面染色した場合, エッチピットは無色の場合より判別しにくかった。そ. 1 ) C a r t w r i g h t,B .G .e tal . :N u c l .I n s t r .M e t h .,. の理由は,黒色の場合,光の透過性が極端に悪くなる. 1 5 3,4 8 7( 19 7 8 ) .. ためと考えられる。一方,両面染色の場合はどの色の. .andTommasino,L . :R a d .E f 2 ) C r o s s,W.G. 場合も,生成したエッチピットは無色の板に生成した. f e c t s ,5,8 5( 19 7 0 ) .. エッチピットよりも計数しにくかった。乙れは,ある. 3 ) Tsuruta ,T .andT a k a g a k i ,M.: H e a l t hP h y s .,. 色の光で同じ色の物質の濃淡を見分ける乙とになって. 4 3,7 0 5( 19 8 2 ) .. しまうためと考えられる。染色された層が溶出してし. 4 ) Tommasino,L .e tal . :N u c l .T r a c k s,4, 1 9 1. まった後の時点における,エッチピットの見え方は,. ( 18 81 ) .. 染色した板でも染色しない板でもほぼ同じであった。 qu.
(6) 鶴田:染色 CR-39 飛跡検出器の特性. 5 ) M a j b o r n .B . :R a d .P r o t .D o s i t n e t r y .1 7,1 5 3. ( 19 8 4 ) .. 7 ) 鶴田隆雄:近畿大学原子力研究所年報. 2 1,7 9. ( 19 8 6 ) .. 6 ) 鶴田隆雄:近畿大学原子力研究所年報. 2 1,6 9. -4 0ー. ( 19 8 4 ) ..
(7)
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