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交差・合流を回避した総移動距離最小化問題

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Academic year: 2021

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交差・合流を回避した総移動距離最小化問題

2017SS073高木寛之 指導教員:三浦英俊

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はじめに

アウトレットなどの大型ショッピングモールでは,駐車 場が大きくなるほど交差点ごとにその都度,停止・左右確 認をする必要が増え, ストレスを感じる人が多いと考えら れる. 解決方法として駐車場入口ゲートで空き駐車スペー スをあらかじめ割り当てることが考えられるが, さらに経 路も指示することにより, 複数の自動車の交差や合流を回 避させることができ, 駐車場内の事故も大きく減らすこと ができると考えた. 本研究はまず数理計画問題を用いて交差・合流がない複 数の自動車の経路の組み合わせを求める方法を提案する. 次に駐車場モデルを用いて自動車経路の総移動距離と同時 に走行する自動車台数との関係を分析し,よりよい経路の 割り当てとはどのようなものかを考察する. 三浦・鈴木[1]は,稠密な格子状交通網と放射環状交通網 の都市での経路についての流動量と交差の密度分布を求め ている. また,三浦・柏木[2]は,経路の交差と合流を計算 前にあらかじめ判定しておく必要があったが, 本研究では 変数と制約式を用いて表現して経路の交差と合流の禁止制 約を内生化した.

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モデル

1 4 7 10 出入口 長さ:1 2 5 8 11 3 6 9 12 1 4 1 8 2 6 2 2 2 4 2 0 1 6 2 8 29 30 待機列 2 1 1 7 25 1 3 2 3 1 9 27 1 5 長さ:1 長さ:0 △:駐車ロット 〇:交差点 図1 駐車場モデル 実験では図2のような駐車場内の枝の長さが 1,出入口 に連なる待機列のノードとノードをつなぐ枝の長さを0, ノードとノードの間に駐車ロットを追加した3×4のモデ ルを使う. 出入口ノードに待機列を作ることで, 連続して 駐車場に入っていく車の移動を表現した. 実際の移動はリ ンク内が始点または終点なので,ノード間に駐車ロットを 作ることで表現した. また店の近くに停めたい人が多いの で, 店舗の位置も決めた. 道路網のノード, リンク,移動需 要,進行方向を表す集合の記号を以下のように定義する. V :ノードの集合 E :有向枝の集合 G = (V, E) :道路ネットワークの集合 K :移動の起点ノードと終点ノードのペアの集合 Ok:移動kの出発ノード Dk:移動kの到着ノード dij :始点i,終点jの有向枝の長さ E(i,j):枝(i, j)を基準とするノードjを始点または 終点とする枝の方向の集合 ={b((i, j)の逆向きの枝), t((i, j)の直進枝),

f ((i, j)の直進枝の逆向きの枝), lout(枝(i, j)左折枝), lin(枝(i, j)の左折枝の逆向き枝), rout(枝(i, j)の右折枝), rin(枝(i, j)の右折枝の逆向き枝)}((i, j) ∈ E)(図2)

C :ある枝から見た相対的な枝の位置の集合 ={t(直進枝), f (直進枝の逆向きの枝), b(逆向きの枝), lout(左折枝), lin(左折枝の逆向きの枝), rout(右折枝), rin(右折枝の逆向きの枝)} 個々の移動経路を表すために移動(k∈ K)が通る有向枝 を表す変数を導入して以下を定義する. これによって個々 の移動経路, ノードごとの移動可能なノードについての制 約を作ることができる. 図2は有向枝に対しての相対的な 方向と移動の変数を表している. xijk :移動kが枝(i, j)を通るなら1,その他0となる変数 x(c)ijk :移動kが枝(i, j)を基準とする方向cの枝を 通るなら1,その他0となる変数(c∈ C)(図2) 𝑏 逆向きの枝 𝑡 直進枝 𝑓 直進枝の逆向きの枝 𝑙𝑜𝑢𝑡左折枝 𝑙𝑖𝑛(左折枝の逆向きの枝) 𝑟𝑜𝑢𝑡右折枝 𝑟𝑖𝑛(右折枝の逆向きの枝) (有向枝 𝑖, 𝑗 ) 𝑗 𝑖 𝑥𝑖𝑗𝑘 𝑥𝑖𝑗𝑘 𝑏 𝑥𝑖𝑗𝑘 𝑡 𝑥𝑖𝑗𝑘𝑓 𝑥𝑖𝑗𝑘 𝑙_𝑜𝑢𝑡 𝑥𝑖𝑗𝑘𝑙_𝑖𝑛 𝑥 𝑖𝑗𝑘 𝑟_𝑜𝑢𝑡 𝑥𝑖𝑗𝑘 𝑟_𝑖𝑛 図2 枝(i, j)を基準とするノードjを始点または終点とす る枝の方向 と移動kが通る有向枝を表す変数に対応する 有向枝 交差・合流は交差点で発生することとして, 以下のよう に定義する. ・交差:二つの異なる方向から交差点に入り, 異なる方向へ出ていく(図3) ・合流:二つの異なる方向から交差点に入り, 同じ方向へ出ていく(図3) 表1をみると実際に制約の必要な移動方法はノード一つ当 1

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たり14個である. これは禁止するのが交差点内でどちら かが止まる必要のある移動だからである. 表1 交差点における二つの経路の交差・合流 下から 正面から 左から 右から 直 進 左 折 右 折 直 進 左 折 右 折 直 進 左 折 右 折 直進 交 差 交 差 合 流 交 差 交 差 合 流 左折 合 流 合 流 右折 交 差 合 流 合 流 交 差 交 差 交 差 右折 直進 交差 合流 直進 右折 図3 経路交差合流の定義

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交差・合流回避制約付き総移動距離最小化問

(

数理計画問題

)

ネットワーク内を通行する複数の移動について考える. これらがネットワークの頂点で交差・合流もしない制約の 下で移動距離合計が最小となる総移動距離を求める問題で ある. minimize∑ k∈K(i,j)∈E dijxijk s. t. ∑ j∈V xijk−j∈V xjik= 1(k∈ K, i = Ok) ∑ j∈V xijk−j∈V xjik=−1(k ∈ K, i = Dk) ∑ j∈V xijk−j∈V xjik= 0(k∈ K, i ̸= Ok, i̸= Dk) xijk+ x (t) ijk+ x (f ) ijk′+ x (l out) ijk′ ≤ 3 xijk+ x (t) ijk+ x (l in) ijk′ + x (t) ijk′ ≤ 3 xijk+ x (t) ijk+ x (l in) ijk′ + x (b) ijk′ ≤ 3 xijk+ x (t) ijk+ x (l in) ijk′ + x (l out) ijk′ ≤ 3 xijk+ x (t) ijk+ x (r in) ijk′ + x (l out) ijk′ ≤ 3 xijk+ x (t) ijk+ x (r in) ijk′ + x (t) ijk′ ≤ 3 xijk+ x (l out) ijk + x (f ) ijk′+ x (l out) ijk′ ≤ 3 xijk+ x (l out) ijk + x (r in) ijk′ + x (l out) ijk′ ≤ 3 xijk+ x (r out) ijk + x (f ) ijk′+ x (b) ijk′ ≤ 3 xijk+ x (r out) ijk + x (f ) ijk′+ x (r out) ijk′ ≤ 3 xijk+ x (r out) ijk + x (l in) ijk′ + x (r out) ijk′ ≤ 3 xijk+ x (r out) ijk + x (l in) ijk′ + x (b) ijk′ ≤ 3 xijk+ x (r out) ijk + x (r in) ijk′ + x (l out) ijk′ ≤ 3 xijk+ x (r out) ijk + x (r in) ijk′ + x (t) ijk′ ≤ 3 ((i, j)∈ E, k ∈ K, k′∈ K, k ̸= k′) xijk, x (b) ijk, x (t) ijk, x (f ) ijk,

x(l out)ijk , x(l in)ijk , x(r out)ijk , x(r in)ijk ∈ {0, 1}

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結果と考察

実験では, 混雑時の駐車場がほとんど満車の状態で, 新 しく駐車場に入ってくる移動が50%の状態と,新しく入っ てくる移動が80%の状態を考えていく.移動需要一つあた りの平均移動距離を計算し,その平均移動距離をとる. 結果は図4のようになった. 縦軸は増加量, 横軸は駐車場 内の移動需要の数を表している. 結果から, 新しく駐車場 に入ってくる車が50%のときは移動需要の数が増えるほ ど 回する距離が増える. 20台以降で増加量が変わらない のは、出発地点の同じ移動需要が同じ経路を使用している ためである.一方で新しく駐車場に入ってくる車が80%の ときは移動需要の数が増えると 回する距離も増えてはい るが,5%程度なので新しく駐車場に入ってくる移動需要の 数は経路の交差・合流にはあまり関係しないことがわかる. 0 2 4 6 8 10 12 14 5 10 15 20 25 30 系内の移動台数 80%のときの増加量 50%のときの増加量 図4 結果

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おわりに

この交差・合流を回避することは避難誘導計画などの緊 急時に人を誘導する必要のある問題に応用できる.

参考文献

[1] 鈴木 勉, 三浦 英俊: 都市内の移動経路と流動量密度・ 交差密度の空間分布. 都市計画論文集 51(3) (2016), 909-914 [2] 三浦 英俊,柏木 伸哉: 格子状道路網における交差・合 流を考慮した自動車の経路の割り当て. 日本オペレー ションズ・リサーチ学会和文論文誌, 62 (2019), 54-70 2

参照

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