• 検索結果がありません。

リューベック法における家財産に対する家族法的な拘束

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "リューベック法における家財産に対する家族法的な拘束"

Copied!
31
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)凶. 葺. 依拠 し て ー. W.Ebel,Erbe,Erbgutund wohlgewonnen Gut im. ー. ,Bel .97,1980に A.. l ii bi schen Recht, i n Z.R. G.. 稲. と その 基本 的 性格 の 解 明 、 の た め の 準備 作 業 の 一環 を な す も の で あ る 。 こ こ で は 、エー ベ ル. W.Eb. ( 1. eの 最近 の 研究 l. に 依拠 し な が ら 、 リュー ベ ッ ク 市 民 の 不 動産 に 対 す る 支 配 権 を 問題 と す る 。 具 体的 に は 、 その 支 配 権 が どの よ う な 拘. を 行 う の は 、我 が 国 に お い て は 前 述の よ う な 問題 設定 の 下 に な さ れ た 研究 が 未だ十 分 蓄積 さ れ て い る と は い え ず、筆. 者 の 今後 の 本 格 的 な 研究 の 前 提と し て 、西 ドイ ツ に お け る 既存 の 研究 を 視野 に 収め 、 その 上 で 自 ら の 一定 の 理 論 的 な. 立 場 を 確保 し て お く こ と が 必要 で あ る と 考 え る か ら で あ る 。. ). -1-. リ ュー ベ ック 法 にお け る家 財産 に対 す る家 族 法 的 な拘 束. 一ヽ はじめ に. 格. 本 稿 は、筆 者 の 基本 的 な 問題 関心 で あ る ドイ ツ 中 世 都 市 リュー ベ ック の 私 法 制 度、特 に 不 動産 法 制 度の 具 体的 様 相. 冗. 束 G ebu od.B i nd e nh ei nd u t nge nの 下 に あ り 、ま た どの よ う な 自 由 を 獲得 し て い っ た か で あ る 。 こ の よ う な 検討 e n. リュ ー ベック法における家財産に対する家族法的な拘束.

(2) 以下において、 第一に、 ドイ ツ中世法における不動 産に対する諸拘 束を、 標準的な、 基本的文献 とも言うべき‘ミッ. s「 ドイ ツ私法概説 」 に依りながら概観し、 第二に、 ドイ ツ中世都 市法上の不動 産に対する諸拘 束 i e tt タ イ スH .Mi. を、同様に林 毅 「 ドイ ツ中世都 市法の研究」に依拠して概観した後、 第三に、 前述の如く、 エーベ ルの研究を要 約し. て紹 介し、 最後にそ れに対する検 討を行い、本 稿を閉じることにする。. 二、 ドイ ツ中 世法 上 の不 動産 に対 する 諸 拘 束. ミッタ イ スによれば、 ドイ ツ物権法上の―つの大きな特色は、 ローマ法とは異なり、動 産と不動 産とが明 白に区 別. されていたことである。 そ の区 別は物の 自然的性 質ないしそ の物が持っている機 能( 特に価 値) に従って行なわれ. た。動 産とは、 個人的な持ち物、 貴金属、家 畜、そ して木 材で建てられた家 屋等であった。一方不動 産とは、 主に土. ( II. 相続人の相続期 待権E r be nwa rt,. 地であり、そ の他には船 舶、在庫 商 品、 美術収集品、 帝国御物等、大きな価 値を持つ物であった。. 「動 産所有権」は、「土 地所有権」よりもずっと早く認 められ、家 族法的な拘 束. b ht)も中世には消 滅し、 動 産は土 地の従物でない限り自由に処 分することが可 能であっだ これに比 ぺて、不動 c re. c hrankung あるいは 拘 束の下に置かれていた。 産、特に土 地に対する「所有権」ははるかに厳 重な諸制限E お. ここでは二つの拘 束をとりあげる。 第一に、 幾重にも段 階をなして存在する「現実的支 配」としてのゲ ヴ ェーレ法. (2. ). に代 表されるごとく、土 地所有が「頷 主的な拘 束」の下に自由に処 分することを妨げられていたことである。 領主も また同様の拘 束を免れることはできなかった。. -2-. 近大法学 第34 巻 1• 2 号.

(3) リュ ー ペック法における家財産に対する家族法的な拘束. 第二 に、 「 土地 所有 権 」 が 「 家 族 法 的 な 拘束 」 の 下 に 置 か れ て い た こ と で あ る 。 こ こ で は 家 父 の 土地 支 配 権 、 その. ( 3. ). 中 で も 処分 権 に 対 す る 拘束 の み を 問題 と す る 。 家 父 は 彼 の 妻 、 子 供、僕 卑 に 対 し て 人 法 上 の 支 配 権 た る ムント を 行 使. す る 一 方で 、 家 財産 に 対 し て は ゲヴ ェー レ を も っ て い た 。主 に 土地 か ら 成 る 家 財産 に 対 す る 家 父 の 支 配 権 は 、二 つ の. 家 族 法 的 な 拘束 を 受 け て い た 。 それ は 、家 内 相続 人 の 相続 期待 権 と 、 最近 親 相続 人 ー 家 に 属 し て い な い 場 合に も ー の. 血 族 異議 権E号 pruch sre ch t で あ る。 前 者 は 、 家 父 の 家 財産 の 処分 を 、や む を え ざ る 事 由 に よ る 処分 を 除い て 、 権. 利 を 侵 害 さ れ た 相続 人 に 対 し て は 無効 と す る も の で あ っ た 。後 者 は 、 土地 の 処分 に 限定 さ れ て い た が 、家 夫 が 「 相続. ( 4. ). 人 の 同 意」 な し に 行 っ た 生 前 処分 を 相続 人 は 、 そ れ が 利 害 を 害 すると 否 と に か か わ ら ず 、取 り 消 す こ と の で き る 権 利 で あ った 。. こ れ ら の 権 利 の 担 い 手 に つい て ミッ タ イ ス は 直接 言 及 し て い な い が 、 家 内 相続 人 の 相続 期待 権 は 家 父 の 処分 を 無効. ( 5. ). と す る こ と が で き た の に 対 し て 、 最近 親 相続 人 の 血 族 異議 権 は それ を 取 り 消 す こ と が で き た に す ぎ な か っ た こ と と 、. ミッ タ イ ス が し ば し ば 子 の 期待 権 を 言 及 し て い る こ と か ら 、 家 内 相続 人 と は 直系 卑 属 た る 子 供 と 解 し て よ い で あ ろ. う 。他 方最近 親 相続 人 と は 、い わ ゆ る 「 最近 親 の 六者 」 と 呼 ば れ る 、子 供、直系 尊 属 た る 両 親 、兄弟 姉妹 で あ っ た で あ ろ う 。 配 偶 者 た る 妻 は その い ず れ に も 含ま れ て は い な い 。. 以 上 の よ う に 家 族 法 的 な 拘束 は 配 偶 者 を 除い た 家 共 同 体と 関連 し て お り 、 そ の 家 財産 が 、 中 世 法 上 基本 的 に 増減 す. るこ と な く 、 ,被 相続 人 か ら 相続 人 へと 継承 さ れ る べ き も の と 観念 さ れ て い た こ と は 明 ら か で あ ろう 。 家 父 は こ の 家 族. 法 的 な 拘束 と 領主 的 な 拘束 を 受 け て 家 財産 、特 に 不 動産 を 自 由 に 処分 す る こ と を 妨 げ ら れ て い た の で あ る。. し か し な が ら 現 実 に は 、特 に 中 世 都 市 に 代表 さ れ る ご と く 、頻 繁 に 不 動産 は 取 引 行 為を 始 め と す る 様 々 な 法 律 行 為. - 3-.

(4) ( 6. ). の対象とされてゆくようになる。この ような状況は前述の諸拘束と対立せざ るをえない。この点についてミッタ イス. は、 その 原因 に触れないままに、家族法的な拘束との関連において以下のように述ぺる。第一 に、この拘束の存在 を. 肯定しつつも、 ドイツ中世 法の特色 である、財産 の 法的性格の 可変性を利用し実質的に同拘束を免れることが行われ. たことである。. 「の みならず、 法律行為 によって、 動産 を不 動産 にしたり不 動産 を不 動産 でなく したりすることすら可 能であっ. た。たとえば、妻の 全財産 が不 動産 と宣言されたり、あるいは、あ る土地 が、 それを家族の 同意なしに譲渡しうるよ. " と宣言されたりしたごときである」( 一 五九頁)。即ち、 ーつには、不 動産 の 「動産 化 うに、 「買得財産 」。 • Kaufgut. , Fahr 二 つには、不 動産 の 買得財産 化である。 g」、 en d machun en er si i l mobi 第二 に、前述の拘束自体 の効力 が弱められたことである。. 「この ような 相続 期待権および 血 族異議権は、 ネー エル レヒトに弱められた。被 相続 人がやむ をえない事由で売却. 二 0 六頁)。ネー エル レヒト Naherrecht とは、 をした場合、 相続 人には、この売買に介入することが許された」(. 「土地 に対する物権的取得権である。 それは、 ある土地 について、権利者に、この土地 が他に譲渡されるに際しての 疇. " 地 位にあり、 これを自分 に引きつける ( r aher e より近い」 n 取得期待〔 権〕 を与える。 彼は、 その 土地 に 「. 二 O五頁)。ミッタ イスの この説明は我々には必 ずしも明快 ではない。 e)ことができるというわけである」( aher r t. 」 という限定の意義である。 この ような売却の 場合、前述の 如く 、家 ―つには、 「やむ をえない事由d ieecht e Not. やむ をえない事由」 をここで問題とすぺ 内 相続 人の相続 期待権もまた何 らの拘束とはならなかったのであるから、 「. き理由はないように思われる。む しろ問題なのは「やむ をえない事由」のない、 通常の不 動産 売却の場合 である。も. -4-. 近大法学 第34巻1 ·2号.

(5) リュ ー ベック法における家財産に対する家族法的な拘束. ぅ ― つ は 、 相 続 人 が 、「 こ の 売 買 に 介 入 す る こ と inden Kauf ei nzut ret en」、 あ る い は そ の 土 地 を 「 自 分 に 引 き つ け. る こ と 」 の 具 体 的 な 意 味 で あ る 。 ミ ッタ イ ス は こ れ に つ い て 直 接 言 及 し て い な い の で あ る 。 , b 簡 便 な 歴 史 辞 典 で あ る H abern/ Wa l H i la ch, lf swort rH i er uch fti st ori ker,2 1 98 0 に よ れ ば、 権 利 者 は 「 そ の. 土 地 が 第 三 者 に 売 却 さ れ る 場 合 、 売 値 で 権 利 者 に 移 転 さ れ う る こ と を 要 求 す る こ と が で き た 。 そ れ ゆ え 、 そ れ は 一っ. の 先 買 権 で あ り 、 い か な る ( 土 地 の )取 得者 に も 主 張 し え た 」( 五 三 六 頁) の で あ る 。 こ こ で は 売 却 が 「 やむ を え な. い 事由 」 に よ る か ど う か は 問 題 と さ れ ず 、 ネ ー エル レ ヒ ト は 一 種 の 先 買 権 で あ っ た こ と が 指 摘 さ れ て い る 。 ネ ー エル. レ ヒ ト が こ の よ う な 権 利 で あ っ た と す れ ば 、 そ れ は 家 父 が 家 財 産 を 処分 し よ う と す る 、 あ る い は し た 場 合 に 、 相 続 人. が 先 買 権 を行使 して、 売却 され た財産 を売値 で 買 戻 しうる 権 利 で あ っ たと み なすの が 妥当 で あ ろ う。. 以 上 の よ う な 家 父 の 不 動 産 処 分 の 自 由 の 法 観 念 が ど こ で 、 ど の よ う に し て 生 じ て き た の か に つ い て も 、 ミ ッタ イ ス は 前述 の ご と く 、 何 も 言 及 し て は い な い 。 註. 納 められることにな っていたが、これが彼の動 産所 有権を拘束 するものであったか どうか 検討 する余 地があろうが、本 稿では. ( 1) 中世法上、 不完全自由 人が死 亡した際、その遺 産の中の動 産の数 分の一、 または最 良の家 畜 一頭 が彼の主 人に死 亡料として. 割愛 する。 H・ミ ックイ ス11H・リ ーベリ ッヒ、世良晃 志郎訳 rドイ ツ法制史概説改訂版」(創文 社) 、九二頁以下参照。. ( 2) 「制限」 と「拘束 」の意 味上の相 違は必 ずしも明 確であるようには思 われないが、 前 者は本 権に対して外 在的位 置にあり、. それを破ることが困 難な規制( 例えば、 公法あるいは相 隣関 係にもとづく制限)であり、 後 者は内 在的か つ、破ることの可 能 li c heGebunde nhe i t e n」という用語は使用していない。. .g r und he r r , なそれであるように筆 者には思 われる。一六 四頁参照。但 し、ミ ッタイスは「 領主 的な拘束 he r r sc 窓 ftl i c heod. 3) 1 ( 0 九頁参照。 夫婦 別産制が採 用されていた最 古の時 代にも、 家 父たる夫は妻の財 産に対してもゲ ヴェー レを及 ぽしてい. -5-.

(6) ). ). 、の 、期 、待 、権 、によって拘束されている」(10九頁) 例えば「家財産に対する家父のゲヴ ェー レは、自由な所有権ではなく、子 。 以下は第二十 四章三1固 (一五九頁) を引用している。 同書はドイツ私法史を要約的に概 観する目的で書かれたものであ. 二0五頁。. た。但 し、その財産は妻の死亡とともに妻のジッペに復帰するものとされた。 ―二七頁。. (5. ). (4. (6. り、細部についての叙述が断念されている性格上、我々も、 このような希 望を断念しなければならないかもしれないが、1の 国l回では財産の静的・不 変的性格を叙述した後、国ではその動的・可 変的性格を、並列的に叙述する際には何らかの根拠も. 指摘すべきではなかったろうか。. -6-. ニ、 ド イ ツ 中 世 都 市 法 上 の 不 動 産 に 対 す る 諸 拘 束. 中世 社 会 は 基 本的 に 農 業社 会 で あ り 、 農 業的 諸関 係を 前提 とし て 法観 念 が 成長 し 、 領 主的 な 、 家 族 法的 な 諸拘 束が. 「(動 産)… の み な ら ず 市 内 に お いて は 、不 動 産た る 土地 や家 屋 に 対 し て も 自由 な 私的 所 有 権が 成立 し た 。市 内 に お. 関 係者 達が 自己 の 財 産に 対 し て 私的 な 所 有権を 持つ に 至 った こ とを 指 摘 し た 後 、 以下の 如く 述 べ る 。. つ で も あ る 林毅 「ドイ ツ 中世 都 市 法の 研 究」 か ら 一 部を 引用 し よう 。 氏 は 一定 の 人 格的 自由 を 保 持す る に 至 った 市 場. ドイ ツ 中世 都 市 に お け る 前述 の 拘 束の 在 り 方 に つ いて 、 我 が 国 に お け る 中世 都 市 法研 究の 代 表的 な 理 論 的 著作 の 一. う な 拘 束の 弛 緩 は まず 都 市 に お いて 生 じた と考え ら れ る 。. に 、そ し て 農 村に 比 べ て 数 量的 に も 圧 倒的 に 、取 引の 対象 とさ れ て いた の は 中世 都 市 に おい て で あ る か ら 、前 述 の よ. 家 父の 不 動 産の 処 分を 制 限し て いた わ け で あ る か ら、 容 易 に そ の 法銀 念 が 変 化し た とは 考え に く い。 不 動 産 が 頻繁. 近大法学 第34 巻 1 · 2 号.

(7) い ては、 土地 に 対 す る 領主 の 支 配 権 が 都 市 君主 の 純粋 に 公的 な 支 配 権 に 転化 し た こ と に よ っ て 土地 所有 に 対 す る 領主. 的 拘束 が な く な り 、ま た 、 か つ て の 氏 族 ( ジッペ ) の 共 同 所有 に 由 来 す る 血 族 異議 権 (Bei ) や 、 家共 pruch sre s ch t. 同 体の 共 同 所有 に 由 来 す る 相続 期待 権 (W ch t が 単 な る ネー エル レ ヒト N a h erre に 弱ま った こ と に よ っ ch t a rt re ). て 土地 所有 に 対 す る 氏 族 的 、 家 族 的 拘束 が な く な っ て 、 今や 市 民 は 、 土地 を 自 由 に 私 的 に 所有 す る よ う に な っ た の で あ っ た 」( 一 七― 頁 )。. 氏 は 貨幣 ·商 品経 済 の 展 開 が 論 理 必然 的 に 財産 に 対 す る 私 的 な 所有 権を 成立 せ し め 、 それ は 同 時 に 領主 的 な ら び に 家 族 ( 法 )的 な拘束 の 廃 止 を 伴 っ た こ と を 指摘 し て い る の で あ る 。. -7-. 都 市 君主 権 の 公 的 支 配 権 の 転化 は 領主 的 な 拘束 を 廃 棄 さ せ た が 、 一 方家 族 法 的 な 拘束 と 関連 す る 家 族 は ど の よ う な. 変化 を 被 っ た の で あ ろ う か 。. 「ま ず 基本 的 に 重要 な 事 実 は 、 都 市 に お け る 家 族 の 形態 が 単 婚 小 家 族 に な っ た こ と で あ る 。. . .夫 と 妻 の ゲノ ッセ ン. シャ フト と し て 構 成 さ れ る 小 家 族 が 、 都 市 家 族 法 の 単 位 を な す も の と し て 登 場 し て き た の で あ る 」( 一 七五頁 )。 そ れ. に 伴 な い 家 族 の 財産 関係 も 変化 す る 。「夫 婦 財産 制 に つ い て は 、 都 市 の 営業 に お い て 資 本 の 統一 を 必要 と し た こ と か. ら、 財産 共 同 制 が 成立 し た こ と が 指摘 され る 。 所得 共 同 制 か ら 動産 共 同 制 へ、 そし て 更 に 一 般的 財産 共 同 制 へと い う. 位 で お こ な わ れ る よ う に な っ た の で あ る 。第 二 に は 、 遺 言 が 認 め ら れ る よ う に な っ た こ と が あ げ ら れ る」 ( 一 七六 頁 )。. ー ル 制 の 親 等 計算 に よ り 、 H 子 供 およ び それ 以下 の 子 孫、口 両 親 およ び その 子 孫、国祖 父 母 およ び その 子 孫等 々の 順. 分 し た ー筆 者 ) 相続 は 廃 れ て い き 、 相続 財産 は 一 体と し て 相続 さ れ る よ う に な っ た 。… そし て 相続 の 順 位は 。 ハレ ンテ. 発 展 が み ら れ た の で あ る 」( 一 七五頁 )。 さ ら に こ れ ら の 財産 の 相続 に つい て は 、 「こ の よ う な ( 動産 、 不 動産 等 を 区. リュ ー ベック法における家財産に対する家族法的な拘束.

(8) 従って、ここでは 最近 親 相続人制度 が崩 壊し、 被相続人たる家 父の処 分の自由への途が開かれたことがあげられてい. る。. 以上のような、 領主的ないし家 族法的な拘 束からの解 放と関 連する、家 族をめぐる法関 係の一般的な変 遷の方向に. ついての理論的見通しは、実際の都 市法の具 体的な検 証によって確かめられなければならないのであるが、 最初に述. ( 1. ). べたご とく少くとも我が国においては、これまでのところ、 問題関 心の違いや 史料上の限 界によってこのような論究. は行なわれてきたとは言い難い。 最近 筆 者は 以下で紹 介するような、上述の目的を果した論文に接 する機 会を得たの. で、そ れをまず要 約して紹 介し、筆 者自身の実証的研究 への理論的な足がかりとしたいと思うのである。 註. ( 1)但 し、我が国においても異なった問題視角からドイツ中世都市における家族の具体像を解明する実証的研究が存在すること を否定するものではない。例 えば 「市民」 の家族構成のヘルシャフト的側面を明らかにした、山本健 「南ドイツの中世都市法 にみる「市民社 会」の構造」 ( 西洋史学、第一三一号) 、そしてその後の氏の一連の論稿がある。. 四、 エー ペル 論 文 に つい て. ( 1. ). 本 稿で取上げる論文とは、 エーベ ルが一九八 0年「 サヴ ィニー財 団雑誌 Jゲ ルマン 篇第九十 七巻に発 表した「 リュ. ーベ ック法におけ るE rbe, E rbgutそ してw ohl ut 」というタ イ トルの論文である。 ge wo nne nG. 本論文について、まず 第一に指 摘しておかなければならないことは、 エーベ ルの 前述のタ イ トル用語の意味につい. -8-. 近大法学 第34巻1 · 2 号.

(9) てである。 「 Erbe 」、「Erbg ut 」、「W o ut 」は論文中のそ れぞれの節の 標題でもある。 最初の「Erbe 」は、 hl ge wo nne nG. 通常は相続人 を意味し、本 論文でもしばしば同様の意味で使用されていることもあるが 、後述する如く、節の内 容か. らすればそ れは不動 産の相続を意味しているようであり、本 稿では「相続」と訳 しておく。 「W o hl, 次 の「E rbgut 」、. g e wo nne nG ut 」は財 産の具 体的な性 格を示している。財 産は、 ミッタ イ スの 個所で 前述した如く、自然的性 質あるい. は機 能に応じて不動 産と動 産とに区 分されていたが 、 またさらに、その取得の方法、即 ち、ど のようにしてそ れが所有. 者に帰 属したのか、という財 産の出所ないし由来 の相違に応じてE rbgut gut (相続財 産) とそ の対概念であるK auf. (2. ). (3. ). B e r tさ れえた」財 産であり、買得財 産は「相続財 産に対して、取得された e rwo rbe ne s財 産であった。そ れは所有. 者 Eig e nt ume r に よって自由に処 分されうるものであった。 」 エーベ ルが使用する E rbgut もここで言う相続財 産、. 即 ち、 相続人 の同意という 家 族法的な拘 束を受ける財 産である。 W o wo ge hl ut も後述するごとく、 同 様に s G nne. 「買得財 産」概念に対応するのであるが、 エーベ ルが史料上の用語を直 接 使用していることを考 慮して本 稿では「取. 得財 産」と訳しておきたい。 尚、 前述した如く、動 産は 基本的に家 族法的な拘 束を免れていたのであるから、これら. 二つの財 産概念においても、動 産ではなく専ら不動 産としての両財 産概念が念頭に置かれている。. 本 論文について 第二に指 摘しておかなければならないことは、本論文のリュ ーベ ックの私法史上での研究史的意義. である。リ ュ ーベ ック私法の研究は十 七世紀 以来 長い研究史を持っているが、家 族法的な拘 束と関 連させた、相続財. (4. ). 産、取得財 産についての研究では、 前世紀 半ばの。ハ ウリ(W .P auli )の研究が現在でも通説 的位置を占めているよう. である。 筆 者は残念ながらパ ウリの著作を一通り読 む機 会を本 稿作成の時 点では得ることができなかった。しかし、. -9-. ( 買得財 産)にも区 分されえた。 前述の歴 史辞 典によれば 、相続財 産は「ただ 相続人 の同意によってのみ処 分v e rau,. リュ ー ベック法における家財産に対する家族法的な拘束.

(10) エ ーベル によれば、 パウリ説は基本的に ほ ぽ以下の 様なもの であった。. t ad t buchの 登記に 。 ハウリに よれば、中世の リ ューベ ックの 重要な史料の ―つである オーバー都市帳簿 DasObers. おいて挙げられている相続 財産 とは、取得財産 を含まない、狭義の 相続 財産 であった。従って 当該財産 が家族法的な. 拘束を受けるのは、 それが狭義の 相続 財産 であることが明らかな場合のみである。次に、彼は、この 相続 財産 が彼ら. 相続 人の同意なく処分された場合について、 その場合 その売却の理由の違いに従い、相続 人は それ ぞれ異なった権利. を持って いたと考える。第一 に、相続 財産 の処分 がやむ をえざ る事由に従って 発生し、相続 人の 同意をえられなかっ. た場合である。この場合には、当該財産 は 彼ら相続 人の 先買権 Vor kauf s r echt に 服することになる。第 二に、相続. 財産 の処分 が任意になされ、処分 者が彼の 相続 人の 同意を得なかった場合である。この場合には、相続 人は単なる先. 買権以 上の 権利、 即ち血 族異議権 唇 i echt を行使しえたに違いないと、 彼は主張する。 さもなく ばやむ r uchs pr s. (6. ). をえざる事由 に基づく処分 と任意の処分 との間に何らの相違も生 じないことになるからである。後者の 場合には、 彼. らの血 族異議権の 行使により、 処分 された相続 財産 は無償で処分 者 に 返還されなければならなかったのである。. ハウリ説の 特徴である。この 以 上の 様に、家族法的な拘束の 、対象における限定性と、 その効力 における厳格性 が。. 家族法的な拘束の 解消、就中血 族異議権の それについて彼は処分行為 の 公開性 に原因 をもとめる。 即ち、市参事会の. 鐘がうちならされるとともに市参事会会館の 前で アウ ッフラ ッス ング が公開の中で行なわれ、相続 財産 であ るか、も. し そう であるならば それに必 要な同意が得られたかどうかということの 確認がなされたのである。この慎 重さが後か. ( 7. ). らの血 族的異議権を現実 的に阻止していったのであり、 そしてこれに関する裁判判決が市の 記録に存在 しないことが. その 証拠 であると。かく して家族法的な拘束は 現実的に効力を失ない、相続 財産 もその 所有者の 生存中にお ける自由. - 10 -. 近大法学 第34巻 1 · 2 号.

(11) な処 分に ゆだ ねられるようになって ゆく、と いうの が エーベ ル論文から 窺わ れる バウリ 説である 。. エーベ ルは 彼の論文の中で 主にこの バウリ 説に 反論を 試みるのである 。 エーベ ルの 反証を際 立たせて いるのは 、彼. が法 史料をリュ ーベ ック 市のみならず、リュ ーベ ック法と関 連のある諸都 市にも 求めて いることである 。これらの法. 史料から 彼は中世のリュ ーベ ック法を 再構成しようとする 。実際、初期のリュ ーベ ック法に ついての 史料 がリ ュ ーベ ックに 存在 しな い場合 が多 いからである 。. (8. ). - 11-. ォー バー都 市帳簿等に依拠してリュ ーベ ックの財 産法を論ずる レー メ P.Re hm eも ま た 批 判の対 象となる 。. そ. red エーベ ル が 批判の 姐上に 載せるのは レー メの 以下の 叙述である 。H「 e it a s は不 動産に ついての 最も一般的. Q. びに我 々の 問題関 心からしても 主たる論理の 展開の 場である「相続財 産」に 十分な 頁 が割かれて いることは 納得の ゆ. 、 取 得財 産 ( 六頁)の 各節から 構成されて いる 。 エーベ ル 並 序論 (四頁) 、 相続 ( 約 十一 頁) 、 相続財 産 ( 約 ニ ー頁). エーベ ル論文に ついて 第 三に指 摘しておかなければならな いことは 彼の論 旨の 進め方に ついてである 。同論文は、. エーベ ルは後述する如くこの he red itas概 念を 多くの 史料に依り つつ精 査し 、 レー メ説を 批判するのである. ( 10 ). s 概 念 が初 めに 存在し、 そ れ が時代 の 推移の中でより 正確な不 動産概 念に置き 換えられたと いうのである 。 a it red he. 唇ne 」 レー メは 従って まず 内 容 が 必ずしも 明 確で な い、 不 動産名称と しての nnung が他になかったからである 。. (9 ). れ( H e red i'ta s)はただ 大きな所有 地E お 表示として )保持された 。な ぜならそ のための 簡潔な 表示 it unge z nの (. ・ ・ ・( 十三世 紀末になると )• • •その 表現はただ ちに 余りに不確かなように思われ、そ れ 故より 正確な 名 称 が選ばれ、. れて いるか 未建 築の ままであるかにかかわらず、家 屋 Hausと同様に土 地 a reaundc uri aを意味するであろう 。. な all ge me i ni se t 表現である 。その概 念にはど のような 着色 F� r bungも 無縁である 。そ れは 、たとえそ れ が建 築さ. リュ ー ペ ッ ク 法におけ る 家財産に対する家族法的な拘束.

(12) く所であるが 、相続財 産の節に比 べて 「 取得財 産」の節の 記述は 簡略にす ぎ、内 容的にも見 劣りがし 、急いで稿が ま. と め られたという 印象を ま ぬがれない。 また 序論における 問題提起にもかかわ らず 、いわ ゆる 結論 部分も存在しない. のである。このように論 旨の 展開が中途で中 断したかの如き論考になったのは 、 筆 者 エーベ ルの 死去によるものと 推. 測される。 彼は一 九八 0年 六月二 十二 日に 齢七十 ニオで 死亡したが 、彼のこの論文は同 年に発 表されたものである。. 従って 、これは 遅くとも一 九七 九l八 0年には 執 筆 されたであろう。そ うであるとすれば 、本論文 は 彼の 絶 筆 とも目. されるものであり 、中途にして稿が中 断したことも 了解できるのである。 一 層の論究は むしろ我 々に 課せ られた 課題. とも言えるであろう。しかし 以上の 点は 彼の論文 、就中 「 相続財 産」の節の研究価 値をいささかも 貶めるものではな. いことを指 摘しておきたい。. 以上 、 彼の論文を検 討する上で 必要 と 思われる 基本的な 前 提事項を三 点にわたって 言 及してきたが 、 以下におい. て 、これ らの諸 点を ふまえなが ら同論文の内 容を 「 家 族法的な拘 束」を中 心にして 概観して ゆきたいと 思う。. ー. ー. 註 ,i , . .97,1980,S.142. ,Er Bd G.A. G• ht c ml nGuti e nn nRe e wo he b e c g nZ.R. s i 1) W.El hl ( ub tundwo 邑、Er bgu ,Hil (2) 缶 gr ke rn / Wa ll a c h f s wo r t e r bu c h `1.6.Aufl.1980.S.176. .. • 1 3 s 3 d bi 3) i ( . ,1 usd e m Lubi 8 3 71 8 6 5 ha ndl ung e na s c he nRe c ht e 、4Teil (4) Ab , . . , . S.2 la a 0. 0 (5) W.Ebe , .. . ,. . S 彼 は 処 分 さ れ た 財 産 が 最 近 親 相 続 人 に 返 還 さ れ る ザ ク セ ン の ラ ン ト 法 の 原 則 が リ ュ ーベックでは 3 2 a a 0 e l ( 6) W.Eb .Ldr .I.5 土地—筆者) 2 §1「彼がそれ ( s 適用されなかったのはリ ューベックにおける諸関係の結果であるとも述べる。Sp を法に反し相続人の同意なく贈与したのであれば、相続人は判決によりその物に権限を有する。それを贈与したかの者は、死. - 12 -. 近大法学 第34巻1 · 2 号.

(13) リュ ー ベック法における家財産に対する家族法的な拘束. ,dererbeunder o b , undererbengel ec hts 者 のごと く、 それを贈与すること はできなか ったから であ る Gi bter zwi derr ,soer . 。 」 ゎ5 4~ ザ/ 1センシ ュビ ーゲ ノルの邦ば訳 ( hハ 但か c ht e e benmo c htg sab hert otsi sni tur t eil en,al wi ndetess i c h mi. `. 正幡他訳)が存 するが本稿作成 時 には目を通す こと ができなか った。. ,Anm.5 . パウリ説 に ついては稿を改め て検討す る つもり であ る。と ころで、前掲書 Heber . 8 (7) W•Ebela 4 a.0.,S.3 kern. の処分を可能 にするために、買得財産 Kauf gutと考 えられた」と書かれ てあるが、筆 者 が管 見する限り、 そのような事 実 は. ,I.S.1 a.0. /Wal l ach,a. 76 の 「相続財産 Er bgut 」 の項 目 には 「後 の法、 就中リ ューベ ック法 によれば、 相続財産は、 そ 確認できなか った。. , 翌 sOberstadtbuch,1985.S.27f. (8) P.Rehme. - 13 -. . ,s.30 d. bi (9) i. (10 ) 。 ハウリ、 レ ーメ説と並 んで、私法史をも含 めた、 より 広 い意味 でのリ ューベ ック史 に ついて、彼 が繰返し批判 の対象とし て r i g の 「建設企業者 団」説 であ る。同説も her edi t as 概 念と関連する。 彼 は主にオーバー都市帳 いるのは、 レーリ ヒ F.Ro. ベ ックに召致 され て市 を建設する代 り に、彼 らには市場、港湾施設、倉庫等の独占 的所有 が与えられ、彼 らがそのまま市参 事. 簿 の登記 に見 られる土地所有関係を市建設期 にま で遡及 させる こと によ って同説を提起 した。 即ち市建設企業者 たちがリ ュー. 会 を構成するに至 ったと。 エーベ ルは、後 述する如 く、市建設期に独占 的所有 がたと え存在し ていたとし ても、市 内の開発と. 三世紀 のリ ュー ベ ック市 における 市 民自治の 展開— B ・アム ・ エンデ説 の 検討ー」 、 近大法学、 第三十 一巻 一・ニ ・三号 も. とも にそれらは 分割され次第に 重要性を失 ってい ったとして、 建設企業者団説 に 疑 問を呈するのである。なお拙稿 「十 二、 参 照。. 五、 エー ベル論 文 に おける 「家族法 的 な拘 束 」. adt i sches Bii rgert um の成 立 は ま ず 「序 論 」 部 分 を 要 約 す る。 エー ベ ル に よ れ ば 、 中 世 に お け る市 民 身 分 st. H.

(14) rlich 拘束 から 解放 され て 市 e hr n 二 つ の 方向 に おい て個 人 を 解放 し た 。 ―つはヘル シャ フト 的 、特 に領 主 的 な Grud. t 並 び に 処分 の自 由 Vrfu e ngs fri h e ei tを 獲得 し た こ と で あ る 。ニ ngs 民 は政 治 的自 由 、行 動の自 由 E送 g eu fri h e ei. つ に は人 法 的 、 財産 法 的 な 拘束 が縮 小 され 、そし て 最終 的 に 除去 され た こ と で あ る 。市 民 は 、それ 以 前出 生 と 婚姻 を. 通 じ て帰 属し て い た ジッペ から 解放 され た の で あ る。 これ は我 々 が 問題 とし て い る 「家 族 法 的 な 拘束 」 の 解 消 にほ ぽ 相当 す る で あ ろ う 。. 周 辺農 村 の住 民 と 市 民 が ジッペ 関係 V r e s i ng を保 持 し続 け 、 前述 の諸 拘束 から の解放 が徐 々に進 行 し たドイ ppu. ツ 本 土 の諸 都 市 に比較 し て 、リ ュー ベ ック 並 び に す べ て の植 民 都 市 で は 、 前述 の二 方向 で の 解放 の諸 条 件 が は る か に. 整 っ て い た 。即 ち これ ら の 都 市 で は定 住 者 は個 人 ないし小 家 族 とし て 、し か も 都 市 君主 の い か な る承 認 も 必要 とし な. い 、 彼ら の自 由 な 処分 権 に服 す る 土地 h r ed e i ta s を取得 し て 、 生活 を 始 め る こ と が で き た から で あ る 。 都 市 に お い. て は個 人 権 ln dvi dual r e eの思 想 が 中 世の経 過 中 に 展 開し た が 、 こ の強 力 な 動因 は 市 内 の 土地 が最初 から 活 発 な ch t i 法 的取 引 R e t v e k rhr の 対象 と な っ た こ と で あ っ た 。頻 繁 な 、不 動産 を めぐ る これ ら の 法 律行 為は農 業社 会 に全 ch s e く 知 ら れ な か っ た新 た な 法 律行 為 を産 みだ す こ と に な っ た 。. 都 市帳 簿 の 登記 から 明ら か な よ う に 、 中 世末 期の頻 繁 さ に も匹敵 す る十 三 、四 世紀 の不 動産 行 為 の頻 繁 さ は 、市 内. に流 入 する移住 者 が再 び他 の植 民 都 市 へ流 出 す ると い う定住 率 の低 さ に よ る と い う よ り も 、むし ろ 市 民 が 土地 に担保. 価 値 を見出 し た こ と に よ る も の で あ っ た 。 こ の こ と は質 の設 定 、資本 調 達 ないし投 下 の 手段 とし て の定 期金 売 買 、. 頻 繁 さ が証 明し て い る 。. これ ら の活 発 な不 動産 を めぐ る諸 々 の 法 律行 為の 前 提は 、 す べ て の 都 市 君主 の 拘束 から 解放 され た 、 ―つの自 由な. の. - 14 -. 近大法学 第34巻1 • 2 号.

(15) 処 分権限を内 包した 、市民の 所有権 B e si t zrech tであった。我 々の用語法に従えば 、これは 領主的な拘 束からの解 放. である。しかしこの 所有権は私法的な拘 束から解 放された 、自由な 個人権 l nd iv idua l rech tではなかった。な ぜなら. 一っ. 都 市でも 小家 族からただ ちに 再 び 親 族関 係が 創り出され 、古い ラン ト法的観念が存続することになったからである。. 即 ち家 族法的な拘 束である。 市民の不動 産 所有はそ の 結 果基本的に二 種類の財 産から 構成されることになった。. は、 親 族関 係の発 生に 伴い 、家 族法的な拘 束を受 けるに 至った財 産、即 ち相続財 産E rbgutである。もう―つは 、所. 有 者がそ れを自 己の 資金で 購 入したことにより家 族法的な拘 束を受 けない取得財 産 W oh lg e wo nne nG utである。し. 本 質的に 固有の 原動 力か ら 、 と 縮小されていったのである。 最後に エー ベルは 以下の様に述 べ本節を閉じている。 「. (1. ). ローマ法思 想の 影響を受 けることなく 、生存している 単 独所有 者 S i ngular e ig entiimerに自由な処 分権が帰 属す る 、. 都 市の不動 産 所有 I mm o bilia rbe s i tzが成 立し た。 」. 本節では 問題の 所在が 暗示されている。 まず 領主的 ・ 家 族法的な拘 束からの解 放を本 質的要 素とする中世都 市の 市. 民身 分の成 立がリュ ー ベッ クを 始めとする 植民都 市において 典 型的に現 われていたことである。しかし 親 族関 係の発. 生はこれらの都 市においても家 族法的な拘 束を 再生さ せ 、そ れは相続財 産としての不動 産の処 分に 効 力を 及 ぽすこと. になった。これらの拘 束は 十六世 紀末には 、具 体的には一 五八 六年のリュ ー ベッ ク改 革都 市法 典によれば 、.解消する. に 至り 、相続財 産も取得財 産と同様に 所有 者の自由な処 分の対 象になっていったのである。そ れ 故問題は相続財 産に. お ける家 族法的な拘 束はど のような歴 史 過程を 経て解消するに 至ったのかということになるのである。. 相続」節 に 移る。本 節では 市建 設以後の 市民の不動 産に 対する 支配権が 検討 さ れ 次 に不動 産の相続である「・ (::). - 15 -. かし中世 末期になると相続財 産も次 第に家 族法的な拘 束から解 放されて ゆき 、家 族法的な拘 束も相続権 Erbre ch tへ. リ ュ ー ベック法におけ る家財産に対する家族法的な拘束.

(16) る。 エーベル に よ れ ば 、東 ドイ ツ 地 方 の植 民地 域 の植 民 都 市や村 落 で は 、従 っ て リューベ ック 法 都 市や リューベ ック. に よ っ て保 持 し て い た の で あ る。 を「 相続 権」i h dari r ) に お い て も 、定 住 す る 市 民 は 家敷 地 Wo rt a ea ( ue e s u rit m こ の 「 相続 権」 は二 つの 方向 で の 相続 性 を 意味 し た。 ―つは 、 都 市 君主 に 対す る 、 市 民 の 土地 支 配 権 の非 取 消性. a の 土地 A ea erung に よ っ て示 さ れ る。「 余 は 市 Vill li r r を 相続 と自 由 な 権 利 に従 っ て 彼 ら (市民) の 一 方式書 Fo m. (2. ). に許 し与 え た。 彼 ら 市 民 は固 有 の 意思 に従 って売 却 し 、 処分 す る こと の自 由 な能 力 を持 っ て い る か ら で あ る。 し かし. 彼 ら は 同じ 土地 の貢 租 ce ns を… 以 後 も 支払 う べ く…」 と い う 内容 で あ る。 エーベル に よ れ ば 、 こ れ は地 代免 除で u s は な く 、 処分 の自 由の 認 め ら れ る 所有 権 を 確認 し た も の で あ り、 リューベ ッ ク の 法 都 市 で もま た 市 民 に は 同 様 の 権 利. が 認 め ら れ て い た の で あ る。 し か し こ れ ら の 都 市 が法的 に依拠 す るリューベ ック は ―ニ ニ 六年 に自 由帝 国 都 市と な. り 、 前 述の 市 民 の 所有 権 も 都 市 君主 と の 関係 で は曖昧 と な り 、 そ の史 料 的痕 跡 は も はや ど こ にも 見出 さ れ な く な っ. た。 い ずれ に せ よ 、リューベ ック 市 民 は そ の 家敷地 の「 所有 者 Ei ge nt m u e で あ ったと エー ベル は言 う。 都 市君主 」 r に よ っ て保 証 さ れ た こ の「 相続 権」 が所有 権概念 の母 胎 と な っ た の で あ る。. nd es z 次 に 市 民 の「 土地 所有 権 G ru i tch 」 tの 対象 が 検討 さ れ る。 結 論 を先 取 りし て述ぺ ると 、 そ れ の表 示 は法 e r b ,bo品 i ege n•E r 等 々 の如 く、 必 ず し も 一定 mmobil ia, fach t 源 、並 び に各 写 本 に おい て 、例 えば he e r di as o tr e b t し て お ら ず 、前 述 し たレ ー メ の見 解 、即ち he e r dai t は 不 動産 に つ い て の 最 も 一 般的表 現 で あ り 、後 に よ り 正 確な s 等 i r 表 現 が優 先 さ れ た 、と い う の は 成 り立 た な い。 エーベ ル に よ れ ば 、 相続 地 he dai s は、ヴ ィス マール W sma t r e. - 16 -. etiで あ る。 その例 n rk o fe r tw e の 相続 法 への従 属 U n r ei も う ―つ は 、 市 民 法 的面 で の 、 土地 G ut a k ehb i z t nn U e 、t a nl の 、 ――六0年 td 証 は 、リューベ ック の 法 都 市 で は な い が 、 エル ベ 河 上流 域 の アルト マル ク のシ ュ テンダル S e. 近大法学 第34巻 1 · 2 号.

(17) リ ュ ー ベ ッ ク法における家財産に対する家族法的な拘束. 後 のハン ザ諸 都 市 の都 市帳 簿 が示 す ご とく、 最初 は、 その 土地 の 上に建 て ら れ た木 造 建 築 物 と は 区別 さ れ て い た が、. h ee r da i tsと に、 具 体的に は十 四 世紀 頃 の史 料 が示 して い る よ うに、 土地 と その 上 の建 物 が 一人 の掌 中に 入 っ た 時、. 呼 ば れ る よ うに な っ た の で あ る。 相続 地 と は 本 来 具 体的に は、 相続 権に従 い、 最初 の定 住 者 に よ って 所有 さ れ、 相続. 法的 な 拘束 下 に あ る、 大 小の 家敷地 で あ っ た 。や が て 市 内 の都 市開発 と と もに、 こ の古 い 相続 地 は分 割 、 売 却 さ れ る. , s boda に よ っ て表 示 さ れ る よ うに なった 。即 ち 、 こ ように な り、 敷地 が建 物 で完 全 に お お わ れ た 土地 は家屋 dom u. の こ と はま た、 家屋 が 不 動産 と 考 え ら れ るよ うに な った こ と の 証拠 で も あ った 。特 に借地 上に建 物 が建 て ら れ た 場. ). - 17-. 合家屋 の 所有 者 は、 土地 の 所有 者 と は別個 に、 その 家屋 を 法律行 為の 対象 と し え た こ と は、 以 上 の 事 を 明瞭 に物 語 っ. て い る。 一 方 その 土地 の 所有 者 は 単 な る地 代 収 取 権者 に後 退 し て ゆ き、 さ らに この地 代 権 自 体の譲 渡 はや が て定 期金. (3. 売 買 へ接 近 し て い っ たの で あ る。 か く し て 相続 地 herediatsの概 念 は本 来 の 意味 を失 い、 あ ら ゆ る種 類 の 不 動産 所. 有 の 一般的名 称 へ と色 あせ てしま っ た の で あ る。. あ ら た め て 指摘 す るま で も な く、 本節 に おい て は 市 民 の 「 土地 所有 権」 、 就 中都 市 君主 の 拘束 を免 れ た それ、 の 成. 立 に と っ て 市 民 の 相続 権 が大 き な役 割 を果 し た こ と を 彼 は強 調 し て い る の で あ る 。 さ らに、 レー リヒ の建 設企業 者 団. 説 と も 関連す る の で あ る が、 市 内に おい て、 土地 と並 ん で、 あ る い は それ以 上に 家屋 が 不 動産 と し て の価 値 を持 つに. い た っ た こ と が強 調 さ れ て い るの で あ る。. r g ut」 の節 に 入 る。 リ ューベ ック 法都 エーベ ル 論文 並 びに 本稿 に おけ る最 も 重要 な頷 域 で あ る「 相続 財産 E b. .( 至 った 。十 三 世紀初 めの史料 と さ れ る「 リ ュー ベ ッ ク 断 片 Lti b.F a =G o r g 4 」 ) は以 下 の 様に規 定 し て い る 。「如. 市に おい て も、 家 族 法的 な 拘束 は、 た と え 最初 の定 住 者 に そ れ が存在 し な か っ た と し て も、 ま も なく 実効 力 を持 つに. 回.

(18) (4. ). 」 この na を相続 人の 許可なしに質入れし、売却し、譲渡する ことはできな い。 abo ari t ed i r 何 なる者も相続 財産 he. 「家族法的な拘束」条項の 解釈をめ ぐっては長 い論争の 歴史が存在 する。 その 論争の 最大の 原因 は、 この 条項に関す. る各史料がそれぞれ異なった 説明を加えて いると いう、 その多義性と不 明瞭さにあった。特に「相続 財産 」概念につ. いて は それが妥当して いたからである。さらに理解を 困難に さ せたの は、家族法的な拘束を免れて いた取得財産 の存. 在 と、 それと相続 財産 との 関係の 曖昧さである。. エ ーベル によれば、既に言及した如く 、 。 ハウリは、家族法的な拘束を受けたのは、被 相続 人の死亡に より相続 され. るに至った相続 財産 he r ed it as per mort o l ut a であり、 それは取得財産 を除 いた狭義の 相続 財産 であったと emdev. する。 即ち取得財産 は相続 財産 には組込まれる こと はなかったと彼は考えるのである。彼は この 狭義の 相続 財産 を十. 四世 紀以降の オー バー 都市帳簿上の 登記に よって 実 証しようとするの であるが、しかしその よう な事 例は そこに 見出. されて は いな い。さらに十 三世 紀の 他の リ ュー ベッ ク法都市の 史料にもそれに該当するものはな い。逆に 「死亡を原. 因 とする相続 財産 」に対する拘束自体 を緩 和して いる史料も存在 するの である。例えば、 一三00年頃の 、リ ュー ベ. ng 市に宛てた法教示には 以下 の様に記されて いた。 bi rg 市とエル ビ ンク El be l ッ ク市参事会から コル ベル ク Ko. (コル ベ ルク ヘの 法教示) 如何 なる男であれ女であれ、相続 人の 同意な く相続 財産 を売却し、譲渡し、質入れし、交 「. ( 5. ). 換し 、転換する ことはできな い。しかしやむ を得ざ る場合には彼は市参事会の 面前で神聖な誓約を行なわなければな. ら な い。 」 「 (エル ビ ング ヘの 法教示) 如何 なる男であれ、 女であ れ、人は 死亡に より自らに帰属した相続 財産 を、 そ. (6. ). 物) が彼らに帰属す veと 呼ばれるが、 それを、譲渡が彼らと関係があり、譲渡 ( れ は ドイツ語では v or st or v e n er. るかもしれな い、彼ら最近 親相続 人の同意なしに市参事会員の 面前で譲渡する ことはできな い。 」 エー ベル に よれば 、. - 18 -. 近大法学 第34巻 1 · 2 号.

(19) この二 つの 規定は、やむをえざ る事由による場合の 処分 可 能性と、相続 人の 限定と彼らの 同意とによる処分 可 能性と. を示し、さらに相続 開始により取得した財産 、 即ち相続 財産 は、狭義の 相続 財産 ではなく 、 それが被 相続 人の掌中に. おいて取得財産 であったか否かを問わない、所謂広義の 相続 財産 である ことを 証明していた。以上の 点については後. に再度言及さ れる ことになる。. ,この同意 義 務を課せられた相続 財産 の 具体 的な内 容であるが、第 一に、相続 順位あるいは遺言により取得さ 次に、. れた財産 、第二 に、アプ シヒ ト ゥング Abs ungないし持参金。 これは先取 りされた相続財産 とみなさ れた。第 chicht. 至る財産 である。但し、 これについては異論がある。 これまでの 通説は これを否定していたが、 。 ハウリは逆に これを. 肯定していた。 エー ベル も、十四世 紀の エル ビ ンク ヘの 法教示を引用しつつ、慎 重な言い回しではあるが、 こ こでは. 。 ハウリ説に賛成している。 その 史料は以下の 通りである。「(エル ビ ンクの 問合わせ) 人は、彼に彼の 最初の 妻の 父か. ら相続 した彼の 財産 を、 そしてさらにその ために、彼は彼が彼の 獲得した貨幣で購入 した彼の財産 を、( 自ら—筆者). 獲得した貨幣と 同様に処分 する ことはできるのか 。 」「 (リ ューベッ クの解答) 我々には以下の 様に思われる、 .即ち彼. が、彼の 最初の 妻の 生存中に購入し、彼に (彼女の 死後ー筆者) 残された財産 を処分 する ことはできない。な ぜなら. (7. ). それは相続 財産 であるからである。しかし彼がその 後に財産 を購入したのであ れば、彼は他の財貨と同様に処分 する. 」 第 四に、 リ ューベッ ク所有権 法史上注目す べき こと であるが、貨幣 額で評価さ れた持分 であ る。観 ことはでき る。. 念化 されつつあ る所有権概念が ここにおいて看取されるのである。 第五 に、地 代ないし地 代収取権である。 これは 十 世 紀後半の 都市法によって 明瞭に定め られている。. -19 -. 三に、 夫婦財産 制 Ehegii t e r r e chtとも関連 するの であるが、一 方の 配偶者の 死亡に伴い他方の 配偶者に帰 属するに. リ ュ ー ベ ッ ク法における家財産に対する家族法的な拘束.

(20) 続 い て 「相続 人 の 同 意」 の内 容 が 検討 され る。 前述 し た如 く 、同 意が必要 な 法 律行 為は 、質 入れ 、売 却 、 あ るいは. 譲 渡 と い う 、占 有 を失 わし め る行 為で あ っ た。 質 入れ の 場合 、古 質 と新 質 の 両 方が 含ま れ る。 相続 財産 へ の地 代 権 の. 設定 に つい て は 、。 ハウ リとレ ー メ の間 で 意見 が 対立 し て い る が 、エー ベ ル は地 代 収 取権 が 不動産 と し て の 相続 財産 に. し たも のと し て 、こ の場合 にも 相続 人 の 同 意義 務 の 対象 に な っ たと す る。 een 転換 vorwa nd l. と こ ろで 、 前述 のコル ベル ク ヘ の 法教 示 に は 「や む をえ ざ る場合 」 に は 相続 人 の 同 意が 不要 で あ ること が規 定 され. て い た。 こ の種 の規 定 は唯 一こ の史 料 に の み 認 め られ るも ので あ る が 、エー ベル に よれば 、 それ は 「リ ュー ベッ ク普. 通 法」 で あ っ た。具 体的にど のよ う な 場合 がや む をえ ざ る場合 に 相当 す る の か 、リ ュー ベッ ク 法で は定 義 されて い な. (8. ). い。 し かし幾 つか の写 本によ れ ば 、 妻 が持 参 し た 不動産 に つい て 夫に 以下 の 場合 処分 権 が 認 め られ て い る。 即ち 「 拘. 留 、貧 困 、 ないし は 彼 が 所有 権下 に置 かれ る べ き 時」 で あ る。 最 後 の債 務超 過 によ る人 的拘束 S chudl ch cht s k ne a t f によ る 場合 が最 も頻 繁 で あ っ たと 彼 は推 測 し てい る。 し かし後 の十 五 、 六 世紀 の市 参 事会 判 決 に よ れば 、や む をえ ざ. る 場合 の要 件 は か な り緩 和 され ること に な っ た。 但 し 、当 事 者 が市 参 事会 の面 前で誓約 をし な けれ ば な ら な か ったこ. と に 変 り は な か っ た ので あ る が。. 次 に 同 意権者で あ る。 リ ュー ベッ ク 法 上 の 同 意権 者に は、 ドイ ツ 中 世 法 上 の それ と は 異 な り 、「最近 親 の 六 者 」 た. る最近 親 相続 人 と 彼らに加 え て 妻も 入 ってい たこと が注 目 され る。 し かも 一五四 七年 の ハン ザ 四 都市 裁 判 所 の判 決 が. 示 す如 く 、 妻 の 異議 権 W diers pruch ( pr b i s ak ) e は最 近 親 相続 人 の 同 意を く つ がえ すこと がで き た程 、 妻 の地 位 は 他 の 者 の地 位 に比 べて優 位 に置 かれ て い た 様で あ る。. 相続 人 の 処分 行 為に 対 す る 異議 は 、 その 処分 行 為後 、 そし て おそ ら く 、当 該 権 者 が それ を知 りえ て か ら 、 一年 と. -20 -. 近大法学 第34巻 1 • 2 号.

(21) 日以内 に主張されなければならなか った であ ろう。以 上が家族法的な拘束の言わば概要 である。. 次に、 それがどの ようにし て、事実 上解消され てい ったのかが述 べられる。 ここでの問題は、相続 財産 の 所有者が. 最近親相続 人の 同意なく それを処分 した場合、相続 権者は如何なる権利を実際に行 使しえたかである。. この問題に対する、今 日ま で異論の ない通説的見解が、 四の個所 で指摘し ておいた、 パウリ説 であ った。 彼は、第. 一 に、 任意の 売却とやむ をえざ る事由に基づく それとを区分 し、第 二に、前者の 場合には血 族異議権が、後者の場合. には先買権 が最近親相続 人に与えられ ていたとし、第 三に、家族法的な拘束、就中血 族異議権、の 解消は処分 の 公開. この 。 ハウリ説に対し てエ ーベル は以下の 様な批判を加える。第一 に、異議権の 行使と先買権につい てである。 エー. ベルに よれば、前者は裁判 で、当該行為の取消しを画定させたものにすぎなか った。裁判後の 解決は専ら当事者にゆ. だねられ ていたの である。まず遺贈あるいは贈与の ような無償の処分 の場合には処分 者あるいは異議を唱える相続 人. に返還された。質入れの 場合どの ように解決されたかは不 明 である。. 同意の ない売却の 場合、 以下の規定が法写本にある ことから一 層複雑になる。 即ち、 「相続 財産 を売却する ことを. 欲する者は、 それをまず 二人ないし 三人の 信頼しうる人の立会いの下に 彼の 最近親相続 人に 提示しなければ ならな. い。彼ら相続 人が相続 財産 を買おうとするならば、彼らは それを第 三者 が提示した額 で購入す べき である。彼らがそ. (9. ). れを欲しないの であれば、彼はその 財産 を都市法により ( 都市法により危険なく)、 彼が欲する人に 売却する こと が. できる 。 」 エ ーベル によれば、 史料 で述 べられ ている相続 財産 は前述の 史料 Go 4 の 場合と同様に、 取得財産 を含. む 、広義の 相続 財産 である。 この相続 財産 の処分 にと って彼ら相続 人の先買 権は 阻外要因 とはならない。な ぜなら先. - 21-. 性に求められるとし ていた。. リ ュ ー ベック法におけ る家財産に対する家族法的な拘束.

(22) 買 権 の行 使の結 果 、彼 らは 、 無償 では な く 、第 三 者 が 提示 す る額 で対 象 物 件 を買 わ な けれ ば な ら な い か ら で あ る 。従. って 、エー ベル は 、血 族 異議 権は 無償 の 処分 行 為に 限定 され 、有 償 の 処分 行 為 には 、や む を え ざ る 場 合 を 除いて 、た. だ先 買 権 の み が 認 め られ て いた と す る 。. さ ら に 、 こ の 最近 親 相続 人 の先 買 権 が 相続 財産 の他 の すべて の有 償 の 処分 行 為 に拡 大 し て い った と彼 は 考 え る 。 そ. v r と の 論拠 と な る のは 、売 却 の 場 合 に 同 意を義 務 づ けられ る 相続 財産 が 「死 亡 を原 因 と する 財産 a ners o tv re n e 」 e 規 定 され る よ う に な った十 四 世紀 以 降 の 一連 の 法写 本 で あ る 。十 三 世紀 末 のエル ビ ンク のラテ ン 語 法典 、 ドイツ 語 写. Tho a tg e n」 と呼 ばれ て いた の が、 一三〇 od er 本 では 、当 該 財産 は「 不 動産 あ る いは 所有 地 li 甜 e nd eg u rd ne h rf ie 0 年 頃 の 法写 本 k.236 では「 相続 財産 vo rs ハウ リ説 の批 判 に v r とし て 一括 され て い る 。 これ は 、 既 に。 otv re n e 」e お いて 指摘 され た よ う に 、 相続 財産 の 内容 の拡 大 を示 す も の で あ る 。 なぜ な ら 、エー ベル に よれ ば 、 こ の 相続 財産 は. 被 相続 人 の 取得 財産 で あ った 可能 性 も あ る か ら で あ る 。従 って これ らは 取得 財産 も 相続 開 始 と と も に 最近 親 相続 人 の. .で e 同 意を 必要 と す る 相続 財産 と化 す る こ と を示 す 一例 で あ る。 さ ら に十 五 世紀 頃 の いわ ゆ るレ フ ァル 法典 Kod.R v. ( 10 ). は それ は「 相続 財産 e v ru t ないし は 不 動産 lgg ie nd egrund 」 eと され 、次 の よ う な註釈 が施 され て いた 。 「 これ は g e 以 下 の如 く 理 解 され る べ き で あ る 。や む を え ざ る 事 由 が彼 に訪 れ 、彼 が他 にい か な る 財産 を も持 って い な か った こと. で あ る 。 それ ゆ え彼 は神 聖 な誓 約 をし な けれ ば な ら な い 。 」 一五八 六年 改 革 リ ュー ベ ッ ク 都 市 法典 では 、レ フ ァル 法. nE b 典 の規 定 とは 異 な り、死 亡 を原 因 と す る 財産 a nero stb e re の 処分 の み が 相続 人 の 同 意な いし は や む を え ざ る r 事 由 の存 在 を 必要 とし 、 土地 G u rd ng eie n の売 却 は 最近 親 相続 人 の先 買 権 に服 せし めて い る が 、 この規 定 は 、エー. ベル に よれ ば 、むし ろ初 期 のリ ュー ベ ッ ク 法 の 内容 を再 現し た も の で あ った 。. - 22 -. 近大法学 第34巻 1 · 2 号.

(23) 最後 に 、 家 族 法 的 な 拘束 の 解 消の要 因 で あ る が 、 こ の よ う な最 近 親 相続 人 の先 買 権 の 対象 の拡 大 は 、リ ュー ベ ック. 市参 事会 判 決 録 に よ れ ば 、専 ら買主 の 利 害 が 考慮 さ れ た た め で あ る 。売主 へ の 対象 物 件 の返 遠 は全 く話 題 と な っ て い. ない 。 処分 行 為の 取 消し を 求 め る 異議 権 は先 買 権 、 し か も買主 側 の利益 に沿 った先 買 権 に と っ て 代 わ ら れ た の で あ. る。゜ ハウ リ が主 張 す る よ う な 処分 の 公 開 性は 理由 と は な ら な い 。 リ ュー ベッ ク の 様 な商 業 都 市 に お い て は 、 同 意権 者. が 処分 時 に 不在 で あ っ た り 、 あ る い は その後 も長 く 外 国 に滞 在 し な け れ ば な ら な い 時 も あ っ た で あろ う か ら で あ る 。. 。 ハウ リ が 述 べ る よ う に 、 処分 時 に 相続 人 の 同 意 が容 易 に 確 認 さ れ た と は断 定 で き な い の で あ る 。従 っ て 一年 と 一日 の. が延長 さ れ る こ と も あ っ た の で あ る 。. 以 上 が本節 の要 旨 で あ る。再 度繰 返 す な ら ば 、エー ベル に よ れ ば 、 家 族 法 的 な 拘束 で あ る最 近 親 相続 人 の 同 意は 、. 相続 に か か る す べ て の 相続 財産 の 処分 行 為 に拡 大 さ れ て い っ た の で あ る が 、 そ れ に伴 っ て 実際 に 、同 意権 者 が行 使 し. え た の は 、 処分 の 取 消 し 、 あ るい は無 償 に よ る 対象 物 件 の返 還 で は なく 、 処分 行 為 に先 立 っ て第 三 者 が 提示 す る額 で. の購 入 と い っ た先 買 権 の行 使 に と どま っ た の で あ る 。 こ の よ う な発 展 はま さ に買主 の保 護 、換 言 す れ ば 取引 の安 全 が. 考慮 さ れ た た め で あ っ た 。 かく し て 家 族 法 的 な 拘束 は 実際 的 な効 力 を失 っ て しま っ た の で あ る 。. 最 終 節 の「 取得 財産 」 に移 る。 取得 財産 の定義 は 必 ずし も分 り易 い も の で は な い 。 一五八 六年 の改 革 リ ュー ベ. ま ず 検討 さ れ る 。. 産 に つい て 、 それ は 相続 財産 で な い す べ て の物 で あ る 、 と い う簡 単 な規 定 が存 在 す るだ け で あ る 。 取得 財産 の 内容 が. ッ ク 都 市 法典 一·0 •六 に は 、 相続 財産 に つい て の 、 こ れま で に 述べ て き た よ う な 内容 の 、規 定 と並 ん で 、 取得 財. 四. - 23 -. 間 の 異議 の 期間 は短縮 さ れ る こ と は なく 、場 合 に よ っ て は 同 意権 者 が その 処分 を 確認 で き る状態 に な るま で そ の 始 期. リュ ー ベック法における家財産に対する家族法的な拘束.

(24) hat の概 念は 幾つか の点で 法的に同様に 扱わ れ 、従っ て 史料でも同義に 使用さ れ るこ sc 取 得財 産と 商人財 産K op. とがあ るが 、本来同義ではなかった。 商人財 産は 、取 得 形式が どうであれ 、要す るに 商人にとっ て役立つ動 産とりわ. anbl 素手によっ て V r e t o け 商品であった。他方取 得財 産は 、所有 者が 固有 の、自由な 手段によっ て、史料によれば 「. smani i bus」 獲得した財 産であり 、動 産であ るか不動 産であ るかは 問われなかった。 hand,nud. 1 こ の取 得財 産 の法的性 格であ るが 、そ れを 最も 端的に 述べ てい る史料 は 十三世紀 前半 のリュ ーベ ック 断 片 Go で. ( 11 ). 人は 、彼が 欲す る者が如 何な る者であろ うと、そ の者に自ら 獲得した財 産 の所有権を 、 質 入れし 、 売却し 、 あ る。 「. 」こ の財 産に不動 産も 含まれたことは 疑いない。 譲渡す る、自由な意思を持つ。. ( 12 ). 般に 、取 得 こ の自由な処 分権 規定はそれ 以後 再 び公的な法 史料には見出され ることはなく 、そ の後 の史料では 、 一. 彼 の妻、彼 の子供ら 、あ るいは 彼 の相続人 の同意がな 財 産 の処 分であっ ても 、「 何人も異 議を 唱えない限り」 とか 「 ( 13 ). い限り」といった様に相続人 の同意が 必要であ ることが 規定さ れ てい た。 以上 の様な同意義 務 の混 入を要 約し てい る. のが 十 六世 紀 の 一写本であ る。即 ち 「一 人 の夫あ るいは 一 人 の成人 の妻が財 産あ るいは不動 産を 購 入した 場合、彼ら. ( U. ). の生存中 、彼ら の欲す る人にそ れを 売却し 、譲渡し 、質入れす る権限が 彼らにはあ る。しかし 彼ら の 一 方が 死亡した. 場合、そ れは相続財 産であ る」 。 従っ て取 得財 産であっ ても 、そ れが相続にかか るや 否や相続財 産と 化したことが 理. 解され る のであ る。財 産 の法的性 格は物自 体ではなく 、人によっ て変 化させられた のであり 、これらは 前 述 の相続財 産 の拡大に 呼応し てい る のであ る。. 動 産」 に 書き こ のよ うな財 産 の 可変的性 格を 利用し て、しばしば相続財 産た る不動 産が 、相続人 の同意を 得 て、 「. 換えられたこともあ る。な ぜなら家 族法的な拘 束 の下にあ る相続財 産は 商 業交易上 、例えば 短期 信用 の質担保とし て. - 24 -. 近大法学 第34 巻 1 · 2 号.

(25) は、 その 評価が 困難であったからであ る。 エ ーベル は、各都市帳簿の 登記から、 その 事例と し て、花嫁の持 参金と し. r gabung によ る動産 化、共同相続 ての不 動産 の 動産 化、具体的な売却を契機と す る動産 化、夫婦間の 相互の 贈与 Ve. 人間での 争いを 原因と する動産 化等をあげ てい る。 夫婦間での 相互の 贈与の 場合 は、 例えば、 以 下の 様であ る。. ( 15 ). rud e に彼の 相続 財産 を譲渡し、彼女も同様に彼に譲渡したことが知られ る べき llidus は彼の妻 Gert ohannes Pa 「J. 。 財産 の取得者ないし買主 は、 であ る。 一方の 死後生き 長らえ る者 は、 他の 相続 人の 反対なく それを得るであろう」. その 財産 がどの ような性格のものであろうと、 動産 化され処分 された財産 を彼の 取得財産とし て受取ることができ、. たのに対し て、 これらの 財産 は その 所有者が死去し 相続 が開始されるとともに再び 相続 財産 に組入れられたの であ. る。. 以 上の 様に エーベル は、取得財産 は家族法的な拘束から本来的に免れ ていたにもかかわらず、 それが相続 開始とと. もに相続 財産 に組入れられたことに示され る如く 、取得財産 が、相続 財産 に対 す る家族 法的な拘束の 解消におい て、. 積極的 役割を果したと は考え てはいない。取得財産 につ いての言及 はここで終り であ るが、最後に以 下の ような文が. 付 せられ てエ ーベル 論文自体もまた閉じら れ ている。. 「この状 態 は 一五 八六年の 改革都市法典の 頃から変化した。 即ち相続 財産 の 概念は別のものとなり、 それとともに. 取得財産 そし て動産 化された財産 の対立概念も消滅した。 その対立を 記載し ていた改革都市法典 は形 式的になおも効. 力 を有し続 け、リ ューベッ ク法学が その 継続 的有効性 を論争し ている 一方で、 それ はいずれに せよ (既に Me vi usが. 証明し ているように) メクレ ンプル クやポ ンメル ンの諸都市で は慣例で はなく なっ ていた。 一七五七年の ロスト ック. - 25 -. 彼の 生存中 は それを自由に処分 す ることができたの であ る。しかし商人財産 は世 代が代わっ ても商人財産 であり続 け. リ ュ ー ベ ッ ク 法における家財産に対する家族法的な拘束.

(26) の都 市 法. (1 · 10 •三 ) は 以 下 の こ と を 義 務 的 に 規 定 し た 。. ( 16 ). 相 続 財 産 は市 の慣 行 に よ れ ば 取 得 財 産 と 全 く 同 様 に処 分 さ れ る こと が でき る。 従 って そ の最 近 親 相 続 人 に は そ れ に つ い て の い か な る 先 買 権 も 帰 属 す ぺ き で は な い 。」 以 上 で あ る 。. 註. ( = nach. .4 参 照 。 上 の禁 令 は本 来 的 に市 民 の 所 有 権 の法 的 性 格 から 派 生 す る拘 束 では な いと し て、 そ れ に は 論 究 し て い な い 。 Arnn. ,a.a. ,S.4. と こ ろ で、 彼 は 、 市 内 の 土 地 を教 会 、 聖 職 者 や 騎 士 等 の非 市 民 へ譲 渡 す る こと を 禁 ず る、 都 市 法 0. (1 ) W .Ebel. …. exi ndeper‘. ,quat .ci t ri o (2 ) Areasvill ari o etli i nusvendendi et pro arbi us e heredit bero ei vi bus) j ure concessirn s (sc. ,eo t .suo di earurn sponendili berarnhabeantfacult at ern arn en rnodo,ut censurnearundernar W ill kur). vant.i d.S. 5. bi sol. 16.. エー ベ ルに よ. 3. こ の節 に は、 そ の後 二 頁 にわ た って補 説 An窓 ngが 付 さ れ 、 家 屋 の石 造 化 、 市 内 開 発 に伴 う 相 隣 関 係 、 建 築 bi d.s.4-1 (3 ) i 規 制 が 述 べら れ て い る が 、 本 稿 で は 割 愛 す る 。. ). Ni n man n g h vruwe roach vorkopen,vorgheven, vorsetten,vorweslen noch vorwandelen en bestorven erve ane. erpot utam,t Null usvi rautmuli estheredi tat em permort em ad i psam devol hewt uni cedi ctam vorst psum veli or,. (. 2 1.. , unde ouch El age):"Ab her seyne erbe,by ym angest bi nger Anfr orben seyn von seynes i rst en weybes vat er. o pot tderi 忌 ci d.S. bi vari.i eri. quos resi gnaci o spet atetad quos resi g' orum,ad gnare coram consuli bus ni sicum 8 nsensu proxirn ven erve,resi. ). ,i of e not h;dat h rn ghen sweren vordene rade.i tne do echt ut h he over i bi d.S.21. e2 en l n den hil. ). .29. 補 わ れ て い た り す る。 i bi d.Arnn. ,中 世 ド イ ツ語 の wil kor が 使 用 さ れ た り 、 同 意 を 意 味 す る言 葉 が れ ば 、 他 の史 料 では conni vent ia rn の代 り に vol untat ern. .i vent i arn bi d.S. (4 ) Heredi tari a bona nern esti erheredurn conni npi gnorare,vendere,dare pret o pot. ( 5. ( 6. ( 7. ,ob her seyne erbe ,dy hergekouf umme das f thett e urnme seyne gereytt en pfhennynge,ni chtvor geben en mocht e. - 26 -. 第34巻 1 • 2 号 近大法学.

(27) geleyche gereydtem gelde ?. ( Lubecks Antwort) : Des duncket uns, das die erbe, dy her gekoufft hadt bey seynes irsten weybes lebende, unde dy ym angestorben seyn, das her der nycht vorgeben en mochte, wente das syndt verstobene erbe : sunder hadt. her dornoch erbe gekoufft, dy mochte her vorgeben geleyche anderem gutte." ibid. S. 24 .. ( oo ) captivitas, fames, vel in proprietatem dari deberet. ibid. S. 29 . ( a, ). andere lude vmme beden. ne wllet se is nicht so kopen dan verkopet it de andere wor so he wil svnder vare na stades rechte. (J. F. Hach, Das alte Lubisch Recht, Codex 2 , S. 261 , 1839 . ) dit is to verstaende, so dat ehn de Nodt dar t o brochte und anders nen guede en hadde ; dat mot he averst up. den hilligensweren. ibid. S. 33 .. ( ;:: ) Vir liberum habet arbitrium impignorandi, vendendi, dandi, cuicunque vult, proprietates sibi conquisitarum facultatum. ibid. S. 38 .. ぼ ) sunder jeniges mynschen weddersprekent. Des ne nemand bispraken. ibid. S. 38 . Anm 67 . u S. 39 .. ぼ ) sunder vulbordt seynes weybes, seyner kyndere, adder synen erben. ibid. S. 39 . ば) Wor ein man offte eine mundige frowe erve kofft edder liggende grunde, des sin se weldich to vorkopende, to vorgevende, to vorsettende, wem se willen, de wile dat se leven ; wen aver erer ein vorstervet, so heth dat ば). erveguidt. ibid. S. 39 . Notum sit, quod Johannes Pallidus assignavit uxori sue Gertrudi hereditatem suam et ipsa similiter ei.. ( �). u. oft). ibid. S. 41 . ibid. s. 42 .. Qui. vixerit mortem alterius, obtinebit absque contradiccione aliquorum heredum (Rostock, StbFragm I 5 (1262) S. 15 ,. L8 _. ( �). ー. 朕面r 4 孟祀掛悩 心ヤ釈2一 拙 益悩 心お柑2函てミク‘_d [. =- � - { " 、海憐 Go 5 心帥怜 K. 26 全 心眸綻悩和�-i-.!.,iiJ8 ゃ .\Qs;;,' 塞卦廷I知虹訃心. � ,:;,. 0 ibid. s. 31 . ...)命...)匝�-K: ° {�8 �玖竺=- � — '( " ヽ坦帥怜 e 廿足誤丑ヤ リ 心 茶 や 伽t-0 So we so heuet eruegut vnde dat wil verkopen de schal it erst beden den negesten eruen vnde schal dar to nemen twe oder dre gode man ofte se dat willen kopen alse dar.

(28) 六、 結 び に か え て. 以上、中世都 市リュ ーベ ックにおいて、不動 産に対する家 族法的な拘 束が、具 体的に、ど のような 過程 を経て解消. さ れるに 至ったか を、 エーベ ル論文に依拠しつつ、概 銭してきた 。. 、はじ めに」 で指 摘しておいた論 点 を ェーベ ル論文に 当てはめて 整理すれば、 以下の様になるで あろう 。本 稿 「一. の テー マ に ついて、 ミッタ イ スは 第 一 に財 産の 法的性 格の可変 性と 第二に 当該拘 束の ネー エル レヒト ( 先買権 )への. 弱 化をあげていたが、 エーベ ルは、財 産の 法的性 格の可変性が家 族法的な拘 束の解消 において、 基本的に、 必ずしも. 積極的な 役割 を果したとは考えない 。な ぜならば、動 産化された不動 産にせよ 、取得財 産にせよ、そ れらは所有 者の. 死亡による相続の開 始とともに 再 び家 族法的な拘 束を受ける相続財 産に 組 入れられてし まうからで ある 。確かに取得. 財 産はそ の所有 者の生存中において 彼の自由な処 分に 服するのでは あるが、 前述のような限 界性 を内 包する限り、 当. 該不動 産の 担保化、 流動 化等のそ の 信用としての機 能は妨げられたと 想像されるからで ある 。就中 資本 供与者にとっ てそ れは 阻止的な要 因となっ たで あろう 。. エーベ ルも また 先 買権への 弱 化が家 族法的な拘 束の解消に 貢献 したと考える 。彼は、この 点に関する限り、。ハウリ. 説 と同様の 立場で あるが、そ の 結論に 至る論理 過程は パウリのそ れとは 全く異なっている 。 パウリ説 は、相続財 産と. 取得財 産と を区 分し、 前者の 任意 の 売却の 場合には 血族異 議権が行使されていたが、処 分が 公開の 場で行な われたこ. とにより、その異 議権の行使が 廃れ、そ れは 先 買権へと後 退してい ったとするもので あった 。これに対して エーベ ル. - 28 -. 近大法学 第34巻 1 · 2 号.

参照

関連したドキュメント

Hellwig は異なる見解を主張した。Hellwig によると、同条にいう「持参

なお︑本稿では︑これらの立法論について具体的に検討するまでには至らなかった︒

の知的財産権について、本書により、明示、黙示、禁反言、またはその他によるかを問わず、いかな るライセンスも付与されないものとします。Samsung は、当該製品に関する

このような状況のもと、昨年改正された社会福祉法においては、全て

 ファミリーホームとは家庭に問題がある子ど

歴史的にはニュージーランドの災害対応は自然災害から軍事目的のための Civil Defence 要素を含めたものに転換され、さらに自然災害対策に再度転換がなされるといった背景が

右の実方説では︑相互拘束と共同認識がカルテルの実態上の問題として区別されているのであるが︑相互拘束によ

の主として労働制的な分配の手段となった。それは資本における財産権を弱め,ほとん