複数の対話戦略を用いた物件検索のための対話システム
A dialogue system working with multiple dialogue strategies for
realestate domain
高橋 哲朗
1∗横野 光
1Tetsuro Takahashi
1Hikaru Yokono
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株式会社富士通研究所
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Fujitsu Laboratories Ltd.
Abstract: This paper describes a dialogue system for the domain of realestate search. The system conducts conversations using multiple dialogue strategies, slot filling, question answering and chitchat based on investigation of strategies used by sales persons of realestate.
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はじめに
本稿では,物件検索をサポートする対話システムを 紹介する.不動産の営業担当の業務の調査を通して,顧 客のリクエストに対する物件検索以外に,物件や物件 検索に関する質問への回答や,雑談,現住居に対する 不満の収集などが対話の中で行なわれていることが明 らかになったため,本システムにもそれらの機能を実 装した.次節以降でこれらの機能について説明する.2
不動産検索対話システム
物件検索の対象データとして,不動産流通標準情報 システムである “REINS Market Information”1 に登録されてある物件データを利用した.このシステムに は 2017 年 9 月時点で約 11 万件強の物件が登録されて いるが,実験のためにこのうちの一部の物件情報 (約 3, 300 件) を利用した. この物件情報をデータベースに保存し,各項目に対 するクエリによって検索できるようにした.項目の一 覧を表 1 に示す.項目の中には最寄り駅 (e.g. 下新庄) のような質的項目と,単価 (e.g. 32 万円/m2) のような 量的項目が含まれている.
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複数の対話戦略
システムの基本戦略はスロットフィリングによる物 件検索 (戦略 1) である.各検索項目についてユーザに 質問し,回答文から検索項目の値を抽出し検索に用い ∗連絡先:富士通研究所 〒 211-8588 川崎市中原区上小田中 4-1-1 E-mail: [email protected] 1http://www.contract.reins.or.jp 表 1: 物件の検索項目 項目 例 沿線 阪急電鉄千里線 最寄り駅 下新庄 駅からの距離 徒歩5分以内 所在 東淀川区下新庄 価格 32万円/m2 土地面積 NA 建物面積 60∼80m2 間取り 3LDK 築年 2004年から2005年 成約時期 2017年3月∼2017年5月 用途地域 一種住居 る.たとえば以下の対話例からは「間取り ≥ 3LDK」 という検索条件を得る. S: ご希望の間取りを教えてください U: 3LDK以上がいい スロットフィリング戦略により検索に必要な条件を 聞き出すことができるが,不動産の業務調査の結果か ら,ユーザがシステムに対して行なう発話には質問へ の回答に加えて以下があることが分かった. a) ユーザからの質問(e.g. 店舗はいつ空いてるの?) b) 雑談的発話(e.g. かわいいね) そこで,a) の発話に対しては,QA ペアを用いた QA システムを用意し,既知の質問と類似した質問を受け た場合はあらかじめ登録されている回答を返すように した (戦略 2).b) の発話に対しては,挨拶のような典 型的な対話パタンの登録と,ユーザの発話を流用した テンプレートを用いた発話生成器を作成し用いた (戦略 3).例えば,「焼肉が食べたい」というユーザ発話に対 して,その発話中に現れた「焼肉」という語や「焼肉 が食べたい」という節を流用することにより「私も焼 肉が好きです」,「焼肉が食べたいのですね」などの発 話を生成する. システム発話に用いる戦略に関しては,各ユーザ発 - 41 - 人工知能学会研究会資料 SIG-SLUD-B508-09図 1: システム動作例 話に対してすべての対話戦略が動き,確信度と共にシ ステム発話を生成する.そして確信度の最も高い対話 戦略のシステム発話が採用される.