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第3章 選択学習,総合的な学習の時間 第5節 選択学習

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第5節 選択学習

1.はじめに 従来の中学校教育は,世界的にも高水準の教育によ り大きな成果をあげてきた。しかし,すべての生徒に 同一の学習内容を画一的に教えることに終始し,知識 量をふやすことを目標にしてきたことが問題視される ことが多い。生徒一人ひとりに焦点を当て,生徒一人 ひとりに応じた教育を行うかが重要視されるようにな り,「個の特性に応じた」教育をどのように行うかが, 大きな課題となっている。このような実践的研究課題 を解決する一つの方法として,一人ひとりの特性を生 かし,思考力や創造力・独創性を培い,自主性や主体 性を大切にした自己教育力を育む弾力的な「選択履修」 の教育課程が必要となる。 学習指導要領では,選択履修について,学校や生徒 の実態を考慮し,必修教科や総合的な学習の時間など との関連を図りつつ,授業時数及び内容を適切に定め, 選択教科の指導計画を作成するものとされ,課題学 習・補充的な学習や発展的な学習など,生徒の特性に 応じた多様な学習活動が行えるよう適切に定めること となっている。 本校では,教科間選択教科である「2年選択」を第 2学年において実施している。第3学年では,さらに 発展的な選択履修を目指し,より専門的な内容を学習 する「3年選択」と,個別の課題を追究する「卒業研 究」を実施している。 「3年選択」は,一日をすべて選択学習に当てる集 中活動日を設けて,自由度の高い課題設定を行い,校 外活動を可能にしている。 2.個の伸長をはかる本校の選択教科の概要 (1)選択教科のねらい ○高まりたい,より深く学びたいという意欲を充 足できる課題への取り組み。 ○自分の可能性を発見できる場。さまざまな学習 スタイルとの出会い。 (2)選択教科の特性 各学年で複数実施する場合には,題材だけを変えた 繰り返しがよくおこるので,各学年・各時期のねらい にあうように違いを持たせる必要がある。そこで,「生 徒の特性に応じて,個の伸長を図り,自主性や主体性 を大切にして追究したい価値を発見させること」に最 大限の効果が得られるように,次のような特性を持た せた。 ○ひろげる学習「2年選択」 教科ごとにねらいを持たせ,補充的な学習や発展的 な学習を深めさせる。 ○こえる学習 「3年選択」 必修教科で扱えない内容・方法や,より専門的な内 容・方法を扱い,教師の専門性を発揮しながら教科の 学習を深めさせる。 ○のびる学習「卒業研究」 独創性に富んだ個人の学習を実現させるため,生徒 の興味・関心の方向をとらえて主体的に進めさせる。 3.選択教科の内容 (1)2年選択 ①ねらい 各教科に関連した内容をそれぞれのねらいにそって, 補充的あるいは発展的な学習を行わせるために実施す る。 ②すすめ方 1教科(分野)を選択させる。それぞれの教科のね らいを重視するため,共通のワークブックは作成せず, 各教科でワークブックを準備する。 ア.全体指導によるガイダンス 各教科の学習内容や学習方法を説明する。各教科 5 分から 10 分で生徒に期待することなどを話し,教科の 選択を支援する。生徒に希望する教科と希望する理由, 学習を深めたいと考えていることを書かせ,課題を明 確にさせる。 イ. 各教科の展開 それぞれの教料が独自に学習計画や記録,形成的自 己評価等を一冊にまとめたワークブックを作成する。 ワークブックに従って学習を進めさせ,自己評価と学 習の進み具合を記入させる。ワークブックは各時間に 集め,次時への準備,計画,変更などをやりとりする。 ウ.学習成果のまとめと反省 各教科で成果の発表会や交流会を行う。最後は,総 括的な反省と自己評価を行わせ,自己の成果や態度な どを客観的に見つめさせる。 第 1 図 「2年選択」の内容 (2)3年選択 ①ねらい 各教科のねらいにそって,発展的な学習を行うため に実施する。必修教科で扱えない内容・方法や,より 2 年 選 択 国語 百人一首を極めよう」 社会 修学旅行ガイドブックを作ろう 数学 論理的な課題解決の追究 美術 さまざまな映像表現に挑戦 保健体育 陸上競技・球技で運動の効果を考 えよう

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選択2 専門的な内容・方法を扱い,習得させるために実施す る。しかし,必修教科で扱えなくなった内容・方法や, より専門的な内容・方法を扱い,課題解決にこだわり すぎず,教師の専門性を発揮しながら教科の学習を深 めていく。 第 2 図 理科 大腸菌に光る遺伝子の組み込み ②すすめ方 ガイダンスから反省までの流れは2年選択と同様で ある。より専門的な内容を深めるために,後半部分に 1日(6時間)をすべて活動にあてる日(集中活動日) を設けている。 第 3 図 「3年選択」の内容 (3)卒業研究 ①ねらい 先人のまねではない,独創性に富んだ自分だけの学 習(研究)を実現させることをねらいとして実施する。 ②すすめ方 ア.卒業研究の計画 9 教科(国語・社会・数学・理科・英語・音楽・美 術・保健体育・技術分野・家庭分野),10 名が担当す る。題材を当てはめるのではなく,生徒が取り組む多 様な課題に対応できるように,すべての教科によって 学習を展開する必要があるためである。各教科の専門 性を生かして助言ができる体制をとる。 イ.卒業研究の課題決定 課題決定のために,全体指導によるガイダンスを行 うと,生徒のテーマ選択の独自性が失われ,教師が準 備したテーマをそのままテーマとする生徒が多くなる。 このような状況は目的に反するため,各自がテーマを 決定するためにじっくり考える時間を設ける。具体的 にはガイダンスと面接までの間に研究テーマを練る時 間をとり,10 人の担当が傍に待機し,常にアドバイス を得られる場面を設定する。また,ガイダンスから面 接までは 2 週間あけて,授業時間外でもアドバイスを 受け,課題を練る時間をとる。 ⅰ 卒業研究ガイダンス 各教科のテーマ例の提示をやめ,テーマ決定の方法 だけを指導する。 ⅱ 研究テーマの設定 テーマの決定は大きなポイントであるため,生徒自 身が自分の興味・関心を確かめ,課題を練りこむ支援を することを中心にワークブックを作成する。 ⅲ 個人面接 各自のテーマが決定した後,担当代表が内容を吟味 し,テーマにふさわしい教科を主担当として割り当て る。個人面接は主担当と行い,テーマの確認や研究計 画や方法について時間をとって指導をする。研究計画 などが不十分な生徒については,課題研究の時間が始 まってからも再面接を行う。 ウ.課題研究 課題研究の時間の計画は生徒にゆだね,細やかな支 援を行う。ワークブックに研究活動の記録を詳細に残 すように指導する。 エ.研究成果の発表 個人の研究成果を共有するため,全体の発表会を行 う。全体発表会の前に教科ごとの発表会をおこなう場 合もある。発表会では,全論文・作品を展示し,すべ ての論文・作品をみて相互評価する時間を設ける。教 科分類ごとに 5 分間程度の発表を行い,研究成果を共 有し興味を広げるようにする。 オ.論文・作品の提出 成果の発表方法は,論文形式または作品制作形式と する。生徒は論文・作品のいずれかの形式で成果を提 出する。論文形式は,400 字詰め原稿用紙 5~10 枚程 度に,主に研究過程・研究内容・研究成果を述べる。 作品制作は,作品を提出し,B5 版 1 枚程度の「作品紹 介」を添える。 カ.生徒の自己評価と学習活動の反省 毎時間,ワークブックに「自己評価」をさせ,最後 の授業には,アンケートを行い,総括的な反省と自己 評価をさせる。 3.選択教科の方向性 本校では,学校の特性を生かした先進的な取り組み が評価され,生徒のカリキュラム評価においても高い 評価を得ているため,今後も改善しながら実施する。 (澤田 一彦) 理科 生命科学にチャレンジ 音楽 美女とファントム人 美術 伝統と革新~現代に生きる和の心をつ かもう~ 国語 芭蕉の句碑を訪ねて~大津での足跡~ 体育 生涯スポーツ・ボート体験教室

参照

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