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ハーヴェルモー「計量經濟學における確率論的接近」について

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Academic year: 2021

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(1)

ハーヴェルモー﹁計量纒濟墨における確率論的接近﹂について

ハーヴェルーモ

1

﹁計量経濟學に

おける確率論的接近﹂について

一〇八

は し が き  シカゴ文墨b計量経濟撃霞の機關誌エコノメトリヵ︵邑8ぎ葺午 苞。篇・︶、一九四四年、第十二巻の別冊︵訟三二9阿峯黒︶として、ハー ヴェルモー︵弓受随︿o冨円く。ぎ5︶の論文、一、ぎ嗣、8寓び葺蔓﹀剛︾賢。砦7 ぎ鵠ooロ〇三9凱。。。︵Hト①℃℃・︶が出された。この論文は、オスロ纒濟 研究駈において、プリッシユ教授の下にあり、ついで米國コロン ビヤ大墨において、ワルト教授に學んだ著者が、近代確傘論・統 計的推理諭の蔽礎の上に、計量経雨雲における研究方法を反省吟        ① 罪したものである。わが國において、畳職後原本入手難の時、謄 宜… ノよる研究版が作られ、又総理府統計局研究課においては研究 部土版としての假課も試みられた。この論文は現在輩行本として 世に出τいる。  さて今回、計量経至重會の好意により、わが滋賀大學圖書舘 に、原本を備えることが出來た。この機會に、わたくしは、本書        む の内容を簡潔に紹介し、あわせて若干の批評をなしたいと思う。  謎

@@

③ 原書、序交第五頁。 昭和二四年=一月刊行、この紹介論文もこの假隷に負う 所が多い。同課、守岡隆氏には、いろく御世話になっ た。こ、に御禮を申して置く。 原書に狂れたものとして例えば 杉本榮一、近代纒濟學の解明、中毬、第四〇二頁、一九 五〇年。 山田勇、平声の計量、第一章、一九四九年。 二 本書の目的と内容  著者は、序文において、この論文の目的について、くわしく述 べている。即ち  ﹁この研究は、計量纒濟學への一つの寄與として企てられた。 それは、経濟攣量の間の相互關係の分析に樹し、一の理論的慕礎 を與えようとする試みである。そして、近代確傘論及び近代統計 的推理論に基いているQ⋮⋮⋮⋮  計量纒憂苦的研究の方法は、本質的に、輕濟理論と實際計量と

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を結びつけることを、口的としている。このとき、統計的推理の 理論と技術とが橋渡しとしτ用いられる。しかしその橋肖身が、 決して完全にはつくられていなかった。從來一股にとられていた 方法は、こうである。ます正確な︵邑図二日︶同署關係を含む纒濟 理論をたてる。次にこの理論をいくつかの鍔際計量と比較する。       へ  も      も  も      セ  も そして坐りに、その勤懸が良いか、悪いかを自負する。か∼る判 漸をつけるために、ある程度、統計的推理の道具がとり入れられ た。例えば、若干の標準誤差や多元相關係数の計算の如きであ る。か、る簡輩な統計的方法︵幹暮ざ二繋㌧の登用は、合理的であ ると考えられたが、同時に定まった確率的模型︵欝・︸・・き崔受 客。︵芭噂幹○鼻翠缶07︻ハリ︹ζ︶を探訂することは、縄濟學的研究にお いて害となり﹂纒濟資料の本來の性格を損うものと考えられてい        カ  も た。い∼かえれば、統計的理論がたてられた基礎そのものを、う け入れないで、統計理論の中に展開した諸道其を用いるのが、 正しいと考えられてきた。しかし、記述的な目約の場合は別とし て、統計的理論の中で展開された道具は、何等かの確傘約模型を 離れては、少しの意味をも持ち得ないのである。  経濟智者の聞には、確率的模型を経濟研究の県礎として、受入 れるのを嫌う傾きがある。この原因は、確率と確率攣籔の概念 を、きわめて挾く解していた所にあると思われる。確傘的模型 は翠に、くじ引のような現象か、若しくはせいぜい同一の母集團 ︵幣。︸旨卸江。コ︶から、別々に引き出されたとみられる醐測値の系 列にのみ、適用されうるように考えられて來た。そしてこの観点 ハPヴニルモー﹁計量輕濟學における確率論約接近﹂についで がらみて、逐次の粗測値が相互に濁立でないという琿由から、大 部分の纒濟親旧の時系列は、いかなる確傘訥膜型にも適合しない と論議されていた。しかし、個々の潤測値が相互に甲立で、それ らがすべて同一の一次元の確傘法則に從わねばならぬという必要 は、少しもないのである。例斉ば、戸倉の鶴測値の杢集合は、n 次元の丁合︵し2三︶確傘法則に從う皿個の攣敷の一撃茎値︵若し くは一標本点︶と考えることは、充分下定出來る。勿論このn次        し  セ 元の善計法則の存在は、全くの假説で賜る。そこでこの連合確率 法則に關する假説を検定し、 ︵n次元における︶一桧本点によっ て、その可能な形について推論を引き出すことが出來る。近代の 統計的理論は、か、る統計的推理の諸問題を解くのに、かなりの 進歩を遽げたのである。  事實われぐが、實証的な脛濟研究をみるとき一iたとえそれ が確率方式︵h冒Noぎ︸︶管受訟。冨=戸。︶の使用に反封ずる人の研究で       も へ も も あっても一きわめてあいまいではあるが、結局どこかの点でb 確傘と確傘鍵敷の概念に基いているのを見出す。われくが理論 を輕濟現象に適用する場合、両者は正確に一致するものではな く、三一致するのを期待もしない。理論の假説の下では、ある種 の不﹁致は許さるべきものとし、他の種の不一致は實際に起りえ ないものとしで分類される。その分類の基準自身が、理論的模型 であら。﹃腸壁には起りえない﹄とか﹃殆んど確實に起る﹄とか   へ  も  も  も いうあいまいな衷現のかわりに、﹃確傘が零に近い﹂とか﹁確率 は一に近い﹄という表現でおきかえたものである。 一〇九

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   ハーヴェルモー﹁計量経濟學における確率論的接近﹂について       偽  これはたゴ現實の事象に卜する見解を表現するのに、便利な方 法であるというにすぎない。しかしながら確率の概念は解析的 ︵﹀ロ巴憐ぽ︶であるという利点をもつから、論理的法則によって、 そこから新しい表現方法を引き出すことが出來る。こうして現實 とは符合しない若干の確率をも含む、純粋の形式的確傘模型から 出鼻しで、﹃Aの起る確率はほゴーに等しい﹄という表現をするこ とが出撃る。そして現實の事象をAにおきかえ、 ﹃確卑は一に等 い﹄という表現のかわりに﹃Aの起ることは殆んど確かである﹄ とい、かえるならば、われくは現当現象について、その眞實性 を搬討することの可能な命題を傳たことになる。  確傘的に表現される科學的命題の組は極めて多い。即ちこの組 に、今迄に設定された法則のすべてが含まれるからである。これ らの法則については、﹃それらの事象のおこる確率はほて一に等 しい﹄とい、えよう。  かくの如く、纒濟研究の諸問題をもつと嚴正に、確率論的に、 設定しようとする、われノ\の企てには、二つの意味で正富性を もつているように思われる。第一に、脛濟理論の難読の検定に、 統計的推埋を雁⋮用するということは、それは纒濟理論を統計約假 説によって、即ち言い意昧で、いすれかの確率分布に關する命題 で表現するように,設定することを意昧する。もしこの關係を無 視して、しかも統計約推理を用いるという確信が得られるなら ば、それは全く問題の設定の仕方に正確さを欠いているからに外 ならない。一越二に上に・も述べたよ・0に、か、る接近山力四仏を醜魁んだ 噛一〇 ことは、充分な一般性を有しているということである。われく はそれが更に便利で、しかも成栗の多いものであることを証明し たいと思う。  この研究に用いた、統計的推理の原本原理はbネイマンーーピア ーソンの統計的假説櫨定の理論に基いている。﹂  ついで、内容の概論に入っている。わたくしは、これに若干丙 容的に附説しておこう。 ﹁第一章は、抽象的模型と経距の現實と の關連についてのb一般的論議を含む。﹂こ∼では、先ず経濟計量 において、受忍的模型の必要を論ずる。そして、数量的纒濟開係 を三つの型に分類する。即ち、H定義上の恒等式、口技術的關係       ① 式、日経濟行雲をあらはす關係式、これである。  ﹁第﹁群はたとえば、︵総支出︶H︵零歳︶×︵購入籔量︶、へ総生産 高︶日︵勢働者一人當りの生産高︶×︵延払働者敏︶とか、文は﹃簿 記上の同一性﹄とかに、類似の型である。第二群には、例えば、 技術⋮的生産函数とか、一般に賄費計書の資料として用いられる自 然的制限、制度約制限とかが鮪する。第三群には、個人又は集團 の示す経廻行爲、即ち生産消費を決定する行爲に現われる性質を 示す諸關係が、偉く含まれる。﹂  次に緊要攣量を三分類し、観測饗量︵○︸屋臼く葺凶§三く碧一ぎざ︶、 質鍵量︵、マきく碧ぎ︸︾ぞ︶及び、理論塁審︵、一、7。oお二。飾二く震討げな︶

  ②

とする。これは、糎濟黒星と経濟理論との⋮封比においても纒濟事 實は統計として歎量化され、これを媒介として理論と野比される のである。そこで、これとなら五で、 一般に纏濟仁君は、債攣

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量、麹測愛量及び理論攣量と三段にわける必要性がおこるのであ る。  ついで、理論模型、假説、及び事實の關後に及ぶ。こうして、 纒濟計量において、われ一の問題として、日響定納模型の設 定、口理論の検定、国推定の問題、㈱丁測の問題、をあげてい る。  ﹁第二章は、音量學の領域において、恒常的關係︵ξ塁三二 雲速魯。コ珍6ω︶を設立する問題と、ある構造悪化に熱しての、 纒濟關係の悔常性の程度とを坂扱う。﹂  ﹁第三章では、確率的模型の性質と﹂その経濟資料への雁⋮用の 可能性が論ぜられる。﹂  ﹁第四章では、纏濟關係の假読的体系を、そこに含まれている 纒濟璽敏の承合確率法則におきかえ、從ってそのような組織を、 ネイマンーーピアーソンの意味における、統計的真説とみなしうる ことが示される。﹂こ、では、論説検定の例として、時系列におけ る傾向線のあてはめの問題を取りあ㌧げている。﹄最後に﹁資料に基          ③ いて理論を定式化する﹂という言葉の意想を、集合論の立場から 述べている。  つすいτ第五章では推定の問題が、第六章では予測の問題 が、取扱われている。  註① 原書、第ご頁。   ② 原書、第五頁。   ③原書、第八一頁Q ハーヴェルモー︻計量糎濟學における確傘論的接近﹂について

三若干の批評

 経濟計量において、確率論、統計約推理論を援用し得る必然性 は、どこに求められるか。ハーヴ、ルモーは、從來計量纒濟墨が、 纒濟理論を纒濟事實に結びつけるにあたって、置傘論の其礎の上 に出來た統計理論を援用したのだから、その基本原理1確率論一 を理論模型の構成に用いてよいと述べた。  思うに、纒濟諸量は、本來其体約な欝欝を示す量である。しか し同種の纒濟量をあわせ考える場合、或いはいくつかの経濟量の 間に相互關係をとらえようとする場合、饗量の捌念が生れて來 るQそこで、彼があげた澆世關係式の三つの型のうち、第三の型 ⋮纏濟行動をあらわす關係一は、個人あるいは集團の魎濟活動 が、いわゆる確率分布をもつものとしてあらわれることを示すで   ① あろう。更に一の撒量的な瀧會的纒濟敏量があらわれる場合、そ れが同種の量の中から一の標本としてあらわれたもの一下簗團か らの抽出殖一と考え得るであろう。瀧會的事情を異にした場合、 勿論そのま、同一の確傘的な場と考えられないが、しかもそれ は、同一の自然約場に立っていて、祉會的事情がそれに加わった ものと考えうるであろう。  次に経濟計量の場合、われくは歎量的纒民事實と、数量的経 濟理論との⋮封比を問題とする。そこで、糎関町實を数量的につ かむことが前提とされる。即ち﹁統計﹂が必要である。かくて、 統計調査の段階がおこる。次に同種の諸統計を⋮総合して、法則 を出し、更に伺種事實についでの推論にまで及ぼうというのであ 一 一

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ハーヴ瓜ルモじ﹁計量糎濟學における確卒論的接近﹂について る。即ち統計解析の段階がおこる。從來の統計方法にわいては、        ② 統計調査、統計解祈を一体としてつかまえることが少なかった。 そして、統計解析の論理が、實は同一物の多激回書察の論理を        ③ 援用したに止まり﹂その本來の性格がはっきりされなかった。  さて、事實−統計一理論とみるとき、第一段︵事實一統計︶に おいて、すでに誤蓬が問題とされ、確奉賛考察が入りこむ。これ は特に折本調査において著るしい。なお前に述べた纒濟關係式の いすれの型にも、計量の問題として、この誤差が入って削る。次 に第ご段︵自警計一理論︶においては、同種統計の山回が閣念せ られ、それからの抽三値として、與えられた統計をみることにな る。こ、に更に確率的項が附加されてくる。  以上は同種の事實と理論との關連であるが、更に同種の事實の 相互關係が問題となる。これは理論的には、纒濟諸量の籔量的相 互⋮關係︵函敏内聞、相關關係︶である。この場合、純濟攣量を確 一項とみなすばかりでなく、更にその両者の關係それ自身が、確 傘的な關係式とみなされる。このようにして、経一事實、統計に 確率的場を恋える以上、それに封号する纒濟理論に、確傘約模型 を導嘉することは、理の賦払のことと思われる。  次に、右の事實一統計一理論の關係に即して、彼は、経濟璽量 を。賃饗量、覇測愛量、理論的型量に匠別している。この老察 は、同種事實の総合として、経回法則︵理論︶を悶題にする場合 には、未だその重要さをあらわさない。しかしながら、経濟璽量 の相互碁風の考察に入るに及61で、極めて肝要となる.、即ち理論

=二

模型は、理論聴器間のある函敏關係として假定されたとしても、 賃卸量はそうでない。叉別個の購測乳量は、本爽別々に計量さ れ、異動押式に結⋮びつけられて居らない。  右の如く、彼の理論的な蕪本原理の考察は、極めて意咲深いも のを、もっているように思われる。  次に實際の纒濟計量の問題として考えてみる。このとさ、假説 ︵理論︶の設定、定定の問題となる。彼はネイマンーーピアーソンの 理論を用いて、問題を展開している。しかし例えば、土合度敷分 布法則を援川した、時系列における傾向線のあてはめの例をみて 鯵いわゆる各個の母集團からの抽田値の一集合−標本点一 から、假説の検定を行うことは、きわめて園密なことである。鄭 ち理論設定及び槍定の必然性が弱い。・一般に、抽出理論による 推論は、もつばら籔量的側面−更に確臨書的一に止まるものであ       ⑥ り、質的、内在約理論の検証の点に進み得ない。かくて本書にお いても、問題の設定は、論理的には籔學的集合論を用いて、嚴正 ではあるが、常に實際の二三計量の問題としては、浮上つた存在 となっている。 誰① @@ @@@ 前揚、杉本氏、山出氏著書蓼照。両氏の既に指摘する所 である。 蜷川虎三、統計利用における基本間題、昭和七年。 拙稿、祉會統計學における抽出理論の意義、彦根論叢b 第四号、 昭和二六年。 臼玉、拙稿。 原書、第七五頁。 拙稿、靴會統計學における小一本論の意義、彦根論叢● 第詣ハ旦ウ、 昭和一一山ハ伝十。        ︵昭和二七年四月三日︶

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