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国際通貨発行特権論の回顧と展望 (江竜龍太郎教授追悼号)

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国際通貨発行特権論の回顧と展望ee

1 は じ め に  アメリカ・ドルに対する信認の低下とそれによって引き起こされた複数準備 通貨制度への移行圧力を背景として,自国通貨が世界の準備通貨になることの メリット,デメリットの議論が数多く行われるようになってきた。それととも に「国際通貨発行特権(lnternational Seigniorage)」に対する認識も,これま で以上にたかまりつつある。そこで本稿においては,これまで議論されてきた 国際通貨発行特権論に関する入手可能な文献のリスト・アヅプと,内外におけ る国際通貨発行特権論の系譜ならびに主要な論点の整理を行い,その展望を試 みることにしたい。(なお,本稿文末の参考文献にページ数が記してあるもの は,その論文および書名に,Seigniorageもしくは通貨発行特権の用語が出て いなくとも,当該文献中にSeigniorageあるいはその訳語が出てくる個所を示 している。) ∬ 海外における国際通貨発行特権論の系譜  1. Seigniorageとは  国際通貨発行特権の原語であるSeigniorageは,・・Pッド〔24. pp,11−12〕 によれば18世紀にすでに使用されていたようである。かつて金属本位:制(the metallic standard)のもとにおいて,貨幣発行当局は金(銀)地金を鋳貨に換え *本稿は財団法人日本証券奨学財団の補助金による研究の一部である。なお本稿作成に あたり,岡橋保教授,松村善太郎教授,片山貞雄教授より有益な示唆と資料の提供を 戴いた。記して謝意を表したい。なおありうべき過誤は,とうぜん筆者自身の責任で ある。

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      国際通貨発行特権論の回顧と展望  171 ることを許していた。しかし,貨幣鋳造は費用がかかり,貨幣発行当局は,し ばしば,金(銀)地金を持ってきた人に対して,この費用を微収した。この費 用が鋳造費用に等しければ,「貨幣鋳造料(brassage)」と呼ばれるものである。 しかしながら当局は,貨幣鋳造に際し一定の収入を得るために,貨幣鋳造料 より高い手数料を課そうとし,フランスでは18世紀になっても8%を課してい          たといわれている。当局がそれを課した場合,その費用徴収は「貨幣鋳造税 (Seigniorage, droit de seigneur)」と呼ばれ,これは貨幣を発行する君主に帰属 する特権であった。厳密な意味におけるSeigniorageは,これを指している。  そして流通手段としての貨幣の観念化がすすみ,価値章標の完成形態たる紙 幣が流通し,しかもそれが不換化されると,国家は不換紙幣に強制通用力を付 与した。したがって,通貨発行費をギロとすれば,国家は通貨発行額に等しい 利益を得ることができるようになったのである。  2.International Seigniorage(国際通貨発行特権)  国際通貨発行特権とは,このような概念を国際的に適用したものである。す なわち,基軸通貨ドルとその発行国アメリカの経済的優位性を,国際通貨発行 の権利を保有してきた観点から議論するために,再定義しなおしたものである といえるだろう。  再定義されたSeigniorageが外国の文献に現れだしたのは,1960年代の後 半になってからであるが,なかでもマンデル(R.A. Mundell)とスボボダ (A。Swoboda)が編集したMonetar:y Problems oプthe lnternational Economy, Univ. of Chicago Press,1969.に所収されているグルーベル〔20〕,ジョンソ ン〔27〕の論文は,その後のSeigniorageの議論に大きな指針を与えた。この 書物は1966年9月,シカゴ大学で開かれた国際金融専門家会議の議論に基づい て編集されたものである。 1)ハロッド〔24〕pp.11−12,邦訳, ppi 13−15.

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 172  3. 国際通貨発行特権論前史  ところで世界の銀行としてのアメリカとその不安定性に警鐘を鳴らしたの は,トリフィン〔55〕であった。これはIMF体制下で国際流動性を供給する ためには,国際通貨発行国の国際収支赤字が必要となるが,あまりにも赤字を 出しすぎると国際通貨に対する信認がなくなるという「流動性ジレンマ(liqui− dity dilemma)」論に代表される。この意見に対し多くの賛否が生じ,1960年 の金危機とも相まって国際通貨制度改革についての議論が活発化していった。  世界の銀行としての費用と便益についての議論は,1964年から66年にかけて 主としてThe National Banfeing Revie?zvで数多く行われ,代表的な議論とし てアリバー〔2〕,ゴールドスタイソ〔15〕,グルーベル〔18〕,〔19〕,カレケ ーン〔29〕,マイクセル〔42〕,ウォーリック〔57〕等をあげることができる。 なかでもグルーベル〔18〕は,1950年から1962年までのアメリカの対外ポジシ ョンをもとに,世界の銀行としての費用と利益を計測しようと試み,アリバー 〔1〕もその計測を1963年について行い,アメリカに4億2,000万ドルの利益 があったとしている。  そのうちに『少数意見』〔12〕が発表され,国際通貨論争をさらに白熱化さ せた。これはデェプレ,キソドルベーガー,サラソトの3人のアメリカ経済学 者がイギリスのEconomist誌に1966年発表したものである。その中で3人はア メリカの「世界の銀行」としての役割を強調し,アメリカ国際収支赤字すなわ ちアメリカの対外短期債務の増大は,この銀行としての役割に不可欠であり, ドルやIMF体制の弱さを表すものではないと主張した。  これに対しトリフィン〔54〕やハルム〔23〕等の多数派が反論を加えた。そ のうちに通貨不安はしだいに深刻化し,この少数意見は影響力を失い,金とド ルを中心とした国際金為替本位制たるIMF体制は,多数派が予言したように 1971年8月崩壊してしまった。しかし少数派が提起した「世界の銀行」として のアメリカの役割は形を変えな:がらも,いぜんとして存続しているといえるだ ろう。

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      国際通貨発行特権論の回顧と展望  173  4.国際通貨発行特権論登場の契機  第2次大戦後発足したIMF体制のもとで,アメリカは自由主義世界の3分 の2以上の豊富な金保有に基づいて,1オンス35ドルで金とドルを交換し,ドル 以外の通貨はドルと交換性をもつことにより,聞接的に金と結びついていた。 ドルは圧倒的なアメリカの経済力と金保有を背景に各国から需要され,基軸通 貨となり,「利子付き金」の性格さえもっていた。なぜなら,ドルの交換性に 不安がなく,ドルも安定しているかぎり,外国は価格の一定している金よりも 利子のつくドルを受領しようとしたからである。  したがって,アメリカは他国とは異なり,自国通貨ドルで対外的な決済を行 うことができた。すなわち,アメリカはトルの信認が失われないかぎり,対外 金決済を延期することができたのである。このような金決済の一時的延期に対 するアメリカの特権は,自国通貨決済あるいは負債決済(liability settlerp.ent)        と呼ぶことができるであろう。  自国通貨ドルが国際通貨として流通することになったアメリカは,実際の国 民所得よりも多くの外国からの財・用役および資産の実質的な国民的吸収を行 うことができた。そしてこれは,アメリカにおける所得の乗数的増大へと導く ことになった。効果からいえば,外国は国際通貨発行国アメリカに「無料」で 「信用」を供与しているといえるだろう。なぜならアメリカは国際収支の赤字 に対し債務感をあまりもっておらず,また返済しなければならない債務も明白 でないからである。バーグステン〔6〕は「アメリカはこのドルの機能によ り,20年間国際収支赤字を出し,それにより世界中から実物資源を獲得するこ とができたが,アメリカは国内経済政策においても,対外政策においても重大        きうな金融上の制約を受けなかった」とドルの特殊な立場について述べている。  戦後のドル不足期に世界各国は,アメリカの国際収支赤字によって海外へ流 出したドルを喜んで受け入れ,戦後復興,国内雇用増大,経済成長の促進をは かった。したがって,ドルに対する信認が揺らがないあいだは,アメリカの国 2)松村〔94〕pp,7−8. 3) バーグステン〔6〕,p,4.

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 174 際収支赤字は世界的な金の節約とデフレーション防止に寄与したと考えられ, 世界全体としても恩恵を受けたといえるだろう。アメリカの金準備に不安がも たれないかぎり,アメリカのドル決済に対する非難も生じなかったし,アメリ カが国際通貨発行特権を乱用しているという批判もあまり生じなかった。  ところが1960年代後半,とくに1968年3月の金の二重価格制移行とともに, アメリカが国際通貨発行特権を乱用しているとの非難が,欧州黒字国を中心と してたかまってきた。それは金の二重価格制移行によりドル保有国が,アメリ カに対する金交換請求を自粛しなければな:らなくなったからである。  国際通貨ドルは国際的に強制通用力が与えられていたわけではなく,ドル保 有国がドル過剰であると判断すれば金と交換可能であり,アメリカはドル決済 を無制限に続けることはできなかった。しかし1968年3月のドル危機におい て,ドル以外に国際通貨となる通貨がなかったため,欧州諸国や日本はドル保 有に協力する,すなわちアメリカに国際通貨発行特権を許すかわりに,国際収 支節度を約束させ,金の二重価格制の協定により金交換の自粛をしたのであ る。  しかし,アメリカはこの約束を無視し,国際収支赤字を続け,大量にドルを 海外に流出させた。したがって,各国が金交換の自粛により,アメリカの国際 通貨発行特権を規制できないことによって,アメリカは国際通貨ドルの創出権 を無制限に行使できるようになったのである。  ドル流入国(黒字国)はIMF体制における固定平価を維持するため,ドル を外国為替市場で買い続けなければならず,当該国の国内通貨量が増大し,イ ンフレーションを輸入することとなった。マンデル〔43〕は自国のインフレー ションが他国により負担されることによって生ずる利益こそがSeigniorageで あると述べているが,まさに国際通貨発行特権に対する非難は,輸入インフレ ーションに対する非難であったといってもよいであろう。 5. ドルの金交換性停止 1968年以前は欧州黒字国は,保有ドルをアメリカの金と交換することによっ

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       国際通貨発行特権論の回顧と展望  175 て,アメリカにインフレーションの調整を促し,アメリカのインフレーション       の 輸出を規制する力を原則としてもっていた。しかし1968年3月の金の二重価格 制移行とともに各国は金交換請求を自粛せざるをえなくなり,アメリカの国際 通貨発行特権の自由な行使の結果,ドル流入国はインフレーションに苦しめら れた。黒字国はアメリカの金融節度(monetary discipline)すなわち国際通貨 発行特権行使の節度を求めたが,アメリカは国際収麦の「優雅なる無視(benign neglect)」によりドル流出を続けた。そこでドルが大量に流入した諸国では, 金交換自粛を破棄するほかはなくなり,スイスが巨額の金交換をアメリカに請 求しようとした。これを見越してニクソン大統領は,1973年8月,金ドル交換 性停止にふみ切った。  ドルの金交換性停止は,ドル以外に国際通貨がない状況下でドル決済を無制 限に可能とするものであり,国際通貨発行特権に事実上の強制通用力を与えよ          らううとするものであったと位置づけることができるであろう。  ドルが金交換を求められることなく,ドル決済を無制限に続けられるなら ば,これはアメリカにとってIMF体制よりも,より有利な体制であるといえ るだろう。キンドルバーガー〔32〕の議論もこれに沿ったものであった。しか し,アメリカにとって一方的に有利なこの状況には抵抗が多く,1973年2月か ら3月置かけて主要諸国はフP 一一ト制へと移行せざるをえなかった。  6. フP一ト制下の国際通貨発行特権  アメリカを含めた主要諸国がフロート制に移行したのは,固定相場制維持に 不可欠なドルの金交換性回復が困難であったからである。アメリカは自国通貨 決済の特権を温存するためフロート制に移行したといえるだろうし,その他の 諸国はアメリカに対抗するために,フP一ト制以外にはとるべき道がなかった 4) メイヤー〔40〕,p,223.によれば,ドル保有国は196!年までは現実に(in reality).  1968年までは原則として(in principle),アメリカに金をはき出させる(disgorge)  権利をもっていたと述べている。     ヌ5)松村〔94〕PP.15−!6.

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 176       一 ともいえるだろう。        ラ  ハーバラー(G.Haberler)によれば,フP 一一ト制では国際収支赤字国は自国 のインフレーションを輸出することができないので,金融引締め,財政赤字削 減などにより,インフレーションの抑制をしなければならない。もし抑制しな けれぽ為替相場はフロート・ダウンし,物価と通貨の減価の悪循環が生じるの で結局インフレーション抑制においこまれる。また黒字国はフロート制下では ドル買い介入をする必要がなく,輸入インフレーションも生じないのでインフ レーションは赤字国に限定されるとする。  彼の理論からすれば,アメリガは自発的にインフレーションを抑制しないか ぎり,ドルは減価し,国内物価上昇となり,インフレーションど通貨の減価の 悪循環はさけられないことになる。しかしアメリカはドルの減価を恐れるより も,これを国内雇用の喚起,不況対策として活用し,ハーパラーのいうような 自発的インフレーション抑制策はとらなからた。アメリカにとってフロート制 は,かえってインフレーションの自主的抑制を遅らせることになったといえる だろう。  また黒字国も物価の下方硬直性が存在する状況では,フロート・アップした ほどには国内物価が下落せず,輸出競争力も低下するので,市場でドルを買い 入れる介入をしがちである。すなわち,管理されたフロート制が一般的となり, 輸入インフレーション抑制というフロート制の効果は十分に生かされず,介入 のためのドル保有はいぜんとして必要であり,アメリカの国際通貨発行特権に よる利益も存続することになった。さらに,1973年秋から始まった第1次オイ ル・ショックと1978年秋からの第2次オイル・ショックによる巨額の石油代金 支払いのため,ドル需要が増大し,その下支えの役目を果たした。  アメリカは,フロート制になればアメリカの国際収支赤字が続いてもドルの 信認は低下しないというカーター大統領時代の確信に基づき,国際通貨発行特 権すなわち自国通貨決済の特権を乱用した。しかしその結果,ドルの信認は低 6) G. Haberler, “The lnternational Monetary System after Jamaica and Manila]’,  IVeltxvirtschaftgiches Archiv, Band 113, Heft 1, !977.

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      国際通貨発行特権論の回顧と展望  177 下し,アメリカ国内のインフレーションは高進して,石油産出諸国のドル離れ 傾向に拍車をかけた。そこで1978年11月にはカーター大統領の一連のドル防衛 策がとられたものの,オイル・マネーのドル離れ傾向は改善されなかった。第 2次オイル・ショックが起きるとアメリカは高金利政策により国内インフレー ションを抑制しようとしたものの,容易にその効果をあげることができず,し かも高金利がオイル・マネーのドル離れを防ぐのに役立ったので高金利政策か ら脱陣するのが困難となり,世界的高金利時代を招来することとなった。複数 準備通貨制度に移行しつつある中で,ドルを世界に保有させるための代価とし て高い金利を払わねばならなくなったわけで,これはジョンソン〔27〕やグル ーベル〔20〕が競争によるSeigniorageの社会的移転として指摘している事例 に相当すると考えることができるであろう。  またフP一ト制下で減価しているのは,アメリカのドルだけでないことに注 意しなければならない。ドルを買い介入する諸国もインフレーションを輸入す ることになり,自国通貨価値が下落する。ドルの通貨価値下落があまり目立た ないのは,両国の物価上昇の共通部分が相殺され,インフレーション格差分が 現れてくるからである。その意味で各国通貨は,金に対して切下げられ続けて いるといえるだろう。 皿 日本における国際通貨発行特権論の系譜  1. 日本におけるSeigniorage論の提起  Seigniorageの用語は本稿の参考文献からも類推されるように,近年,多くの 外国文献で使われるようになってきた。また日本における国際的Seigniorage の議論は,参考文献で年代順に列記されている経緯により今日まで続いている。  わが国で国際通貨発行特権の問題を最初に提起したものとしては,『東京銀 行月報』!967年8月号において,IMFリオ総会と国際流動性問題について論 じたハロッド〔59〕があげら「れるであろう。その沖しばらくは,世界の銀行と してのアメリカの役割について議論はあったものの,Seigniorageについては あまり言及されなかった。

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 178  2.本格的な議論開始時期  1969年,前述したマソデルとスボボダの編集によるMonetary Problems of the Jnternational Economyが刊行されてから,日本国内でもSeigniorageに関 心が向けられた。日本の文献では,1971年,浜田〔60〕,則武〔61〕で議論さ れるようになった。そして1972年,有馬〔62〕〔66〕で初めて国際的なSeigni− Qrageに対する定式化とその問題点, Seigniorageの分配方法,アメリカのイン フレーション税とSeigniorage,国際通貨制度改革とSeigniorage問題につい ての考察がなされた。また同年,新開〔67〕によりグルーベル〔21〕の紹介を 兼ねたSeigniorageについての議論が展開され,これは1979年若干の手直しの 後,新開〔85〕として出版されている。またマンデル〔43〕のインフレーショ ン税の紹介は,有馬〔66〕〔70〕,井川〔73〕で行われている。  3.国際通貨発行特権論の展開  国際通貨発行特権によるアメリカの利益がどのような条件下で生じるかを考 察し,それが1960年から理論的に発生したと日本で最初に論じたのは則武〔68〕 であり,その発生時期についての議論と国際通貨発行特権の利益の計測は,千 田〔72〕,〔76〕,有馬〔74〕〔75〕〔84〕〔87〕〔93〕に引き継がれていった。  またグルーベル〔20〕〔21〕の国際通貨発行特権による利益の分配の紹介と 議論は,前述の有馬〔62〕,新開〔67〕〔85〕の他に,山本〔79〕,有馬〔70〕 〔83〕〔84〕〔9ユ〕で行われている。SDR創出にともなうSeigniorageの分配 を利子との関連で述べたものに伊勢田〔77〕,があり,またUNCTAD〔55〕の SDRを開発資金とリンクすべきであるという主張を紹介したものに喜多〔89〕 をあげることができる。  さらにアメリカの国際通貨発行特権をIMF発足後の通貨制度の変遷とイン フレーションとの関連で議論したものとして松村〔94〕がある。また複数準備 通貨制度と国際通貨発行特権の関係を議論したものとして,有馬〔87〕〔95〕, 香西〔96〕をあげることができる。

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       国際通貨発行特権論の回顧と展望  179  4.日本の学会での議論  日本の金融学会における国際通貨発行特権の議論は,まず最初に1971年度秋 季大会で則武〔65〕がグルーベル〔20〕の通貨発行特権と国際通貨制度の関係 を紹介したのに端を発している。そして,1972年度秋季大会で岩野〔69〕がユ ーロ・ダラー市場との関係で議論し,ついで1974年度春季大会で千田〔76〕が ドルの非対称性との関連の中で言及した。つぎに1974年度秋季大会で伊勢田 〔77〕がSDR創出によるSeigniorageと開発リンクの関係を利子率を使って説 明し,また同大会で則武〔78〕は世界的インフレーションとアメリカの国際通貨 発行特権の行使についての関連で言及し,活発な議論が行われた。その後1976 年度春季大会で平〔82〕がユーP・ダラー市場におけるアメリカの国際金融業 務の優位を中西・岩野〔63〕に基づいてSeigniorageをアメリカがもっていた 観点から説明した。そして1979年度秋季大会では浜田〔92〕が,国際通貨制度 選択の方図の中で議論し,1980年度春季大会で有馬〔93〕は,アメリカが国際 通貨発行特権を持っていたことによって生じる費用と便益分析を行った。  このように国際通貨発行特権は種々の観点から議論されているものの,外国 同様,日本においてもまだ未開拓の分野であり,不明確なまま議論がされた り,論点が混乱したりしており,体系的な議論はあまり行われていない状況で あるといってよいだろう。 IV 国際通貨発行特権の主要な論点  1.Seigniorageを国際面に適用することから生ずる問題  本来は国内の問題であったSeigniorageを国際的側面で考えるとき,仮定や 条件その他が国内的側面とは異なってくる。したがって国内面での議論を国際 面に機械的に適用するのは無理が生ずる。以下それらを検討しよう。  (1)強制通用力  国内面と国際面において,決定的に異なるのは,世界中央銀行が存在しない 場合,国際通貨に強制通用力が付与されていないということである。金や銀以 外に国際的な準備通:貨や取引通貨をみつけることができない状態では,信認の

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 180 強い国際通貨として機能することができる国民通貨を需要せざるをえない。し たがって国際通貨発行国は,この自発的な国際通貨需要の範囲までは国際収支 赤字を出し,それを自国通貨で決済することが可能である。もし国際通貨に対 する信認が低下した場合,前述したように金と交換性がある場合には,国際通 貨発行国から大量の金が流出することになる。ドルは金の裏付けがあったから こそ流通したのであり,決してその逆ではない。金廃貨論や金の公定価格の廃 止を通じて,ドルを唯一の国際通貨として流通させようとするキソドルー“’ ・一ガ ー〔32〕やマッキノン〔41〕の議論は修正されなければならない。  また金との交換1生がない場合,国際的な強制通用力に代わるものとして,高 い金利を国際通貨保有者に支払わざるをえない。信認が低下すればするほど, より高い金利が要求されることになる。  (2)競争による分配  各国が独自に国際通貨を発行し,国際的に完全競争を行うならば,国際通貨 発行特権から生ずる利益は,国際通貨発行国から国際通貨保有国へほとんど移 転するだろうとするジョンソン〔27〕,グルーベル〔20〕の議論がある。しか し,国際面において国内と同様の議論をするのは無理であろう。国際的に通貨 発行の完全競争が行われる場合は,各国がすべて国際通貨発行国となる。した がって,国際通貨を必要とする国は自国通貨を発行して,その必要を満たすこ とができる。国際的な完全競争下では借手側はなくなり,Seigniorageそのも のの議論がなりたたなくなるといえるだろう。  また国際通貨発行国が数当国存在し,そのあいだで寡占的競争が行われる場 合を想定しよう。寡占には協調的寡占と競争的寡占があり,前里の場合は各国 際通貨発行国にとって,最も有利な条件で国際通貨発行による利益が得られ る。後者の場合は各通貨発行国が投資または貸付の収益率を,平均利子率に等 しくなるまで通貨発行増大によって下落させることも理論的に考えられる。し かし,そのような通貨増発は信認の低下を招き,通貨発行国の危険を増大させ る。したがって,通貨当局は国際通貨発行による利益の大きさと通貨発行国に なることによる危険の増大を比較するであろうQもし危険が利益より大きけれ

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       国際通貨発行特権論の回顧と展望  181 ば,その国は積極的に国際通貨発行国になろうとはしないだろうし,発行国に なったとしても国際通貨の発行は慎重に行われ,上述した競争的発行が生ずる かどうか疑問である。  したがって,国際的に一国だけ国際通貨発行国が存在している場合だけでな く,少数の発行国が存在しても,国内におけるような完全競争による通貨発行 利益の完全な移転は生じず,国際通貨発行国は何らかの国際通貨発行特権から の利益を享受できるといえるだろう。  2. 国際通貨発行特権による利益  国内では国家は,不換紙幣に強制通用力を付与している。したがって,通貨 発行費をゼロとすると政府は,通貨発行額に等しいSeigniorageからの利益を 受け取ることができる。  しかし,国際経済においては,強制通用力を付与する政治権力は存在せず国 際通貨として流通する国内通貨を発行している国に,その需要額に応じた利益 が発生する。アメリカは国際収支赤字の形で外国の財・用役を獲得する。ドル はほとんど費用がかからず発行されるので,グルーベル〔21〕は国際収支赤字 が国際通貨発行特権による利益にほぼ近いとする。  しかし,ドル保有国は将来アメリカから財・用役を購入することができるの で,厳密にはそのあいだの金利分こそ国際通貨発行特権による利益ということ ができるかもしれない。だが国際取引は拡大し続け,それとともに国際流動性 の需要量も増大し続けるので,アメリカ国内に還流するドルは赤字額をかなり 下回り,その多くは国際流動性として公的機関や民間に保有されることにな る。したがって,毎期の国際収支赤字額は,実質的にはアメリカに国際通貨発 行特権の利益として帰属しているといえるだろう。  コーエン〔10〕〔11〕は,国際通貨発行特権の利益をさらに拡大し,「経常的 (current)」利益と「資本的(capital)」利益の2つを考えている。前者の経 常的利益とは,国際通貨発行国であるために許される国際収支赤字から得られ る利益である。また後者の資本的利益とは,対外直接投資や間接投資に投入さ

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 182 れる金額が,国際通貨発行国でなかったときよりもより多く投資可能で,その 投資から得られる利益を指している。経常的利益は諸国がドルの受け取りを拒 否すると消滅するが,資本的利益は対外資産や債権が回収されないかぎり,国 際通貨発行国に利益をもたらすとする。  コ一酉ンの資本的利益については議論のあるところであるが,対外投資をす る場合,実物投資をするのではなく,実際に基軸通貨ドルを使って投資された ものに限定すべきで,他国から借り入れたものも除外しなければならないとい える。また投資収益は厳密な意味の国際通貨発行特権の利益ではなく,国際通 貨発行特権を保有することから派生的に出てきた利益といえるだろう。  派生的利益をも含めて国際通貨発行特権を保有していることから生ずる利益 を考察しているものにスボボダ〔52〕,リープマソ〔38),千田〔72〕〔76〕,有 馬〔84〕〔87〕〔90〕〔93〕がある。その考察の範囲はコーエンの上記の項目に, アメリカの金融機関が国際金融業務,とくにユーロ・ダラー市場で他国よりも 有利な立場で獲得した収益を加えたものである。  3, 国際通貨発行特権による利益の計測  国際通貨発行特権による基礎的な利益の定式化については,ジョンソン〔27〕 〔28〕,グルーベル〔20〕〔21〕〔22〕,山本〔79〕があげられるが,実際の計測 にあたってはどの時;期か6.始めるか,定式化されたものに実際の統計数値があ てはめられるかどうかといった問題点がある。  国際通貨発行特権による利益がどのような条件下で生ずるかを最初に示した 則武〔68〕の論拠はつぎのようなものである。すなわち「金為替本位制の場合 でも,金請求権に対して100%金準備をもっている場合は,それだけの金がい わぽ他の用途に使用されることなく貯蔵されるわけであるから,収益は生じな いといってもよい。しかし金為替本位制がルーズに運用されるようになると収 益が生ずるようになる。金準備を超過して海外に流出したドルがこれに該当す          フう るとみることがでぎる」というものである。したがって,この定義からすれば 7)則武〔68〕p.68.

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      国際通貨発行特権論の回顧と展望  183 金準備を対外短期債務が上回った1960年目ら,アメリカの国際通貨発行特権の 利益は生じたといえるだろう。これに基づいて計測をしているのが有馬〔84〕 〔93)である。  これに対し千田〔76〕は,ガーリック〔30〕の,もしアメリカが非基軸通貨 国であったら1958年(おそくとも1959年)にはドル防衛のための収支調整政策 を実施せざるをえない立場にあったにもかかわらず,実際には国際収支赤字を 出し続け,その赤字をドル債務の増加という形で支払ってきたという論拠によ り,1958年から計測を始めている。  アメリカの国際通貨発行特権の利益の計測についてはカーリヅク 〔30〕が 1960年早早まで,千田〔72〕が1967年まで,有馬〔87〕 〔93〕が1978年まで行 っているが,使用できる統計数値の制約もあり,必ずしも説得的とはいえない 定式化をあえて行わざるをえないという限界が存在している。またイギリスに ついてコーエン〔10〕 〔11〕が,1950年代央までポンドの国際通貨としての利 益の計測を行っているが,あまり大ぎな数値は出ていない。  4.国際通貨発行特権に対する反論  国際通貨発行特権による利益をアメリカが独占しているという議論に対し, アメリカの多くの学者からつぎのような反論があった。  ① アメリカは世界の銀行として国際流動性を供給する対価として安い金利 で短期ドル債務を発行しており,その短期資金を長期に投資して利i益を得るの は銀行として当然である。  ② 資本的利益は単にアメリカのみの利益iではない。対外投資で利益がある のは投資国,被投資国両方で,投資国のみが一方的に利益を得ているとすべき ではない。  ③ 経常的利益は,ドル保有国がドルでアメリカの財・用役を購入すること ができるので一方的吸収ではない。  このような反論に対しては,つぎのような再反論を行うことができるであろ うQ①については国内銀行と世界の銀行としてのアメリカでは,その行動様式

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 184 が異なる。つまり,国内銀行では健全な信用ポジションと正常な信用構造を維 持しなければ存続できないのに対し,アメリカは長期間,不健全な「短期借り1・ 長期貸し」を続けることが可能である。また国内銀行はその利益の処分の仕方 に限度があるのに対し,アメリカはその利益を種々の経済的・非経済的な行動 に用いることが可能であり,過去においては他国への軍事介入資金に使われた こともあることに留意すべきである。またメイヤー〔40,p.223〕によれば, この議論に対し欧州諸国は,「アメリカは応分の金利を支払っているというが, その金利も印刷機を回転させて造ったドルで支払っている」として納得しなか ったそうである。  ②については対外投資の大部分の利益は,投資国の独占的支配により投資国 に帰属する場合が多いことや,ある程度,被投資国に経済的利益があったとし ても,被投資国にそれを相殺してあまりある政治的不利益がある場合を考える と,やはり投資国たるアメリカの利益が大きいといえるだろう。  ③についてはドルでアメリカの財・用役を購入することが可能であるが,そ れらを購入する場合,インフレーションの影響を受けた高い商品を買わざるを えず,インフレーション分だけ損をすることになる。また前述したように国際 流動性に対する需要が増大しているあいだは,国際収支赤字により流出したド ルが全額アメリカに還流することはなく,還流しないドルに対しては,いぜん として経常的利益が存在するのである。  5. 国際通貨発行特権による利益の分配  国際通貨発行特権の議論の最大の目的はs国際通貨発行による利益を特定国 だけが独占することなく,世界各国に公平に分配するような制度を構築するた めであった。したがって,一国の国民通貨が同時に国際通貨となる制度を廃し, 超国家機関が超国家貨幣を発行し,その利益を一定の配分基準により各国に移 転し,各国の経済的厚生を高めようとする世界中央銀行案は注目に値するもの である。  国際通貨発行特権による利益の分配を議論する場合,よく引用されるのはグ

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      国際通貨発行特権論の回顧と展望  185 ルーベル〔20〕〔21〕〔22〕である。彼によれば世界中央銀行が存在すると仮定 し,①中央政府方式,②取引需要方式,③自由市場方式という3方式を検討し      ている。この3方式はそれぞれ一長一短があり,いちがいにどの方式が勝れて いるとはいえない。①はインフレーションが生じない工夫が必要であり,②は 資源の移転に中立的な影響を与える適切な配分基準の決定が要請され,③は南 北問題解決のため刷の援助機関をつくる必要がある。  近年,SDRと開発リンクの問題が議論されているが, UNCTAD〔55〕の 要求は①に相当するといえるだろう。現行のSDRが富の再配分を促進するか 否かは,SDRの金利水準による。すなわち,開発途上国に直接配分されたS DRを使って入手した実物資源のもたらす収益率をR,支払金利をrとすれ

ば,SDR1単位あたりR−rのSeigniorageの利益,つまり富の移転が開発

途上国に帰属する。r=0なら実物資源の無償援助となり, r=Rなら開発途 上国のSeigniorageからの利益はゼロとなる。したがってSDRへの支払金利 が低いほど開発途上国にとって,国際通貨発行特権からの利益は大きくなる。 これは伊勢田〔77〕,喜多〔89〕によって考察されている。 V 国際通貨発行特権論の展望  国際通貨発行特権についての議論は,1960年代後半から現在にいたるまで続 いているものの,その議論の範囲は多岐にわたっており,今後はその体系的な 著作をもとにしたより広範で総合的な議論が行われなければならない。現在 までのところ国際通貨発行特権についての著作は,ビジュクマン〔58〕と有馬 〔84〕があるが,藤田〔88〕が指摘しているように,まだ検討されていない問 題も多い。そのひとつに国際通貨発行特権はIMF体制に固有のものではな く,それ以前にもイギリスとその植民地とくにインドとの問で存在していたの ではないかという問題がある。これは文献〔16〕〔17〕〔25〕〔26〕で示唆され ているが,まだ充分には解明されていない。  さらに,検討されなければならない重要な問題のひとつとして,一国だけが 8) 詳しくはグルーベル〔21〕,有馬〔91〕を参照されたい。

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!86 国際通貨発行特権の利益を独.占することのない対称的な国際通貨制度構築のた めめ作業があげられる。しかし,どのような国際通貨が将来発行されるように なるとしても,信認をえられなけれぽ実際の役に立たないことは明白である。 またどのように良質の国際通貨が発行されても,それのみで国際収支調整の問 題が解決すると考えるのは楽観的すぎるであろう。新しい国際通貨体制を構築 する際には,国際通貨発行特権を基本的視点にした国際収支調整,信認と流動 性,分配に関する金問題を含んだ総合的考察が要求されるのである。        〔参考文献〕 (1) Aliber, R., (1964). “The Costs and Benefits of the U. S. Role as a Reserve   Currency Country,” Quarterly Jozarnal of Economics, Vol. LXXVII, No. 3. (2) Aliber, R., (1965). “The Benefits and Costs of Being the World Banker: A   Comment,” The National Banfeing Review, Vol. 2, No. 3. (3) Aliber, R., (1973). The lnternational Money Game: A Primer in lnternational   Finanee, Basic Books, lnc., New York. (4) Anderson, P. S., (1977). “Currency in Use and in Hoards,” The IVew England   Economic Rewiew, March/April. (5) Aschinger, F. E., (1972) Das Wdhrungssystem in der ll(fetamorphose, Frankfurt. (6) Bergsten. C. F., (1975). The Dilemmas of the Dollar, New York Univ. Press,   pp. 209−215. (7) Black. S. W. (1977), Floating Exchage Rates and National Economic Policy,   Yale Univ. Press, London, p. 44. 〔8〕 Calvo. G. A.,(1978),“Optimal Seigniorage from Money Creationノ’Journalげ   Monetary Eeonomics, Vol. 4. No. 3, pp. 503−517. (9) Coghlan, R., (1980), The Theory of Money and Finance, Macmillan, London,   p. 12, p. 260. (10) Cohen, B. J., (197!). “The Seigniorage Gain of an lnternational Currency: An   Empirical Test,”The Quarterly JournalげEconomies, Vo1. LXXXV, No.3. (11) Cohen, B. J., (1971), The Future of Sterling as an lnternational Currency,   Macmil!an, London, pp. 35−57, pp. 91−!15, pp. 196−/97, p. 235, p・ 242. (12) Despres, E., Kindleberger, C. P. and Salant, W. S., (1966). “The Dollar and   World Liquidity−A Minority View,” The Economist, February 5, 1966. 〔13〕 Einzig. P.,(1972), A 7■extろoo々伽MonetaリノP∂♂勿, Macmillan, LondQn, P.83,   p. 148.

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(20)

国際通貨発行特権論の回顧と展望 189 (44) Mundell, R. A., (1972). “The Optimal Balance of Payments Deficit,” in Claasen,    E. & Sa!in, P. (eds.), Stabtlzzatton Policies tn lnterdependent Economies, North−    Holland Publishing Company, Amsterdam and London, p. 78. (45) Mundell, R. A., (1973) “Uncommon Arguments for Common Currencies,” Johnson,     H. G. and Swoboda, A. K. (eds.), The Economics af Common Currencies, G AIIen    and Unwin ltd., London, p. 95, p. 114, pJ 168. (46) Riboud, J. translated by Harrison S, from French, (1980). The Mechanics of    Money, Macmillan, London, p. 7, p. 65, p. 81, p. 215, pp. 273−274. (47)] Rueff, J. (!961). “The Gold Exchange Standard: a Danger to the West,” Le    Monde, June 27−29, 1961. The English translation used in the text is from ’Rueft,    J. (1977) The rt40netarbl Sin of the TiVest, Macmillan, New York. (48) Salant, W. A., (1964). “The Reserve Currency Role of the Dollar: Blessing or    Burden to the United States?” The Review of Eeonomics and Statistics, Vol. XLVI,    No. 2. (49) Salant, W. S., (i966). ‘℃apital Markets and the Balance of Payments of a    Financial Center,” in Fellner, W. et al. (eds.), Maintaining and Restoring Balanee    in lnternatzonat’ Paymenis, Princeton University Press, Princeton, N. J. (50) Salant, W. S., (1972). “Financial lntermediation as an Explanation of Enduring    “Deficits” in the Balance of Payments,” in, Machlup, F. Salant, W. S. and    Tarshis, L, (eds.), lnternational Mobtlitbl and Movement of CmpitaJ, National Bureau    of Economic Research, New York. (51) Sddersten, B., (1980). lnternational Economics, 2nd ed., St. Martin’s Press, New    York, pp」 453nd455, p・ 502. (s2) Swoboda, A. K., (1969). The Euro−dollar Market: An lnterpretation, Essays zn    盈孟6プ一筆郷乙F謡α駕g,No.64, Princeton, N.」. pp.11−15. 〔53〕 Trifin, R.,(1960). Gola’and Doglar Crisis, Yale Univ. Press, New Haven.(村    野・小島監訳『金とドルの危機』勤草書房,昭和36年) (s4) Trifin, R., (1966). ‘‘The Balance of Payments and the Foreign lnvestment    Position of the United States,” Essays in lnternationaJ .Finance, No. 55, Sept. 1966. (ss) UNCTAD IV, (1976), lnternational Monetary lssues・ Problems of Reform, May    1976, p. 23. (s6) Vaubel, R., (1977). “Free Currency Competition,” i)Veltxvirtschaftliches Arehiw,    Band 113, Heft 3. (s7) Wallich, H. C., (1965), “The External Cost and Benefits oi Recent Monetary    Policy: A Comment,” The .National Banfeing Review, Vol. 3, No. 2. (ss) Wijkman, P. M., (1981), Seigniorage, Fmancial lntermediation, and the lntern一

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  −1880 ’

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奥村 綱雄 教授 金融論、マクロ経済学、計量経済学 木崎 翠 教授 中国経済、中国企業システム、政府と市場 佐藤 清隆 教授 為替レート、国際金融の実証研究.

界のキャップ&トレード制度の最新動 向や国際炭素市場の今後の展望につい て、加盟メンバーや国内外の専門家と 議論しました。また、2011