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高校生の自ら学ぶ意欲を高めるための心の教育実践プログラム:―「学ぶ意義を考える」LHRの実践を通して―

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Academic year: 2021

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(1)高校生の自ら学ぶ意欲を高めるための心の教育実践プログラム     一「学ぶ意義を考える」LHRの実践を通して一 教育実践高度化専攻 心の教育実践コース. 学籍番号:P09048K 氏  名:福本寛之. 1 問題意識. ツとして、r勉強する合理的な理由の理解させる.  日本の子どもたちの学習意欲が国際的に見て. こと」r目標を持たせること」を挙げている。こ. 必ずしも高くないこと、高校教師が生徒の学習. のような学ぶ意義や目標を認識させるにあたっ. 意欲の低下を感じていること、高校生自身も学. ては、教師の一方的な説諭や生徒個人が単独で. 習意欲がわかないことなどがさまざまな調査か. 考えることでは効果が限られると思われる。こ. ら報告されている。高校生の学習意欲は依然と. れに関して佐藤・佐藤(2003)は小グループ活動. して低い状態にあると考えられ、学ぶ意欲の向. を中心としたr協同的な学び」を提唱している。. 上を支援していくことは我々教師の使命である。. 協同的な学びとは、生徒同士が関わりを持ち、. 2.問題解決への枠組み. 意見を聴き合うことをべ一スとして、意見をつ. く本研究の目的>. なぎ合いながら問題の解決や探究活動を行う学.  高校生の自ら学ぶ意欲の向上を図り、人生目. 習活動を指すものである。. 標を持って将来に向かって意欲的・積極的に歩. く実践プログラム作成上の留意点>. もうとする生徒を育成するための教育プログラ.   本研究では、生徒対象の実態把握調査結果. ムを作成・実践し、その有効性を検討する。. を参考にし、グループ活動を基盤としたもの、 「学ぶ意義を考える」ことを主題としたもの、. <本研究の理論的背景>  桜井(1997)は、学習意欲を支えている要素と. ロングホームルーム(LHR)での実践を想定した. して、有能感、自己決定感、他者受容感の3つ. もの、を全4回のプログラムとして作成した。. を挙げ、特に、他者受容感についてr子どもた. 3 実践の内容・結果. ちに安心して勉強できる場を提供する要素であ. く実践の概要>. り、有能感や自己決定感を子どもたちに形成す. 「学ぶ意義を考える」LHRプログラム概要. るためにも重要な要素である」と述べている。. ①あなたはなぜ高校で学んでいるのか. 第1回.  また、桜井(2009)は「一自ら学ぶ意欲の発現プ. ロセスモデル」を提案し、動機づけプロセスを. ②勉強に対する気持ち∼アンケート結果から∼. ③r一生勉強一生青春」を通して. 第2回. 説明するとともに、それらに影響を与える先行 要因として、特に「安心して学べる環境」を挙. 課題. げ、学ぶ状況では極めて重要なものであると位. ④学ぶ内容・学ぶ方法 保護者インタビュー∼学ぶ意義を考える∼ ⑤保護者インタビュー報告会. 第3回. 置づけている。さらに、勉強を好きにさせるコ. 一92一. ⑥人はなぜ学ぶのか∼KJ法を用いた整理∼.

(2) 第4回. ⑦グループ発表. ルが向上したととらえられ、作成した実践プ. ⑧まとめ∼あなたが高校で学ぶのはなぜか∼. ログラムによって、生徒の自ら学ぶ意欲を高. ○対象:A県立B高等学校1年生5クラス. めることができたと考えられる。また、生徒.   (男子103名・女子87名・合計190名). の振り返りシートによる「今後の学習への意 気込みを表す記述」が34%から67%へ増加し. ○期間:H22.9.24(金)∼11.5(金).   (期間内に全4回のプログラムを実施). たことや、質問項目「日々の学習に対する意. ○授業担当:各クラス担任(一部筆者が実施). 欲は高まったか」への肯定的な回答が90%あ. ○効果測定:. ったことなどからも、自ら学ぶ意欲の向上が.  (1)プログラム実施前後のr『自ら学ぶ意欲』測定尺度」(桜井,2009). うかがえる。.  このように意欲の向上が見られた要因とし.  (2)「ワークシート」及ぴ「振り返りシート」の生徒記述内容.  をもとに効果を検討。. ては、プログラムにr協同的な学び」を多く. <実践の結果>. 取り入れたことによる「他者受容感の高まり」 r自己認識の深まり」が考えられる。また、r学. (1)「『自ら学ぶ意欲』測定尺度」結果から.  7つの下位尺度のうち、r知的好奇心」r深い. ぶ意義を考える」ことを通して、r学習する合. 思考」「積極探究」「おもしろさと楽しさ」「有. 理的な理由づけ」やr人生目標の設定」がで. 能感」の5つの下位尺度において、プログラ. きたことも要因ではないかと考えられる。. ム実施前後の得点の平均値に有意差が検出さ. く今後の課題>. れ、プログラム実施後に平均値が上昇したこ.  今後は、対象となった生徒の自ら学ぶ意欲. とが確認された。. 向上の継続性を追跡しプログラムの有効性を. (2)「ワークシート」及び「振り返りシート」から. 吟味していくこと、各展開における取り組み.  グループ活動や保護者インタビューによっ. が尺度得点の変化に及ぼす効果を詳細に検討. て自分以外の他者の意見を聴くことの重要性. できるようにすること、他者受容感について. を改めて実感した、日々の勉強に対する考え. の尺度を用いて自ら学ぶ意欲との相関を確認. 方や取り組み方の現状を把握・反省した、社. することなど、さらに検討を重ね、プログラ. 会に出たときの自分を今の自分と結びつける. ムを洗練させていく必要がある。また、より. ことで高校生活の目的意識が明確になってき. 有効なプログラムにするために、他の行事・. た、などという生徒の内面の変化が記述され. 授業と関連させ、カリキュラムや年間計画に. ていた。また「4回の活動を通して日々の学習. 組み込んでいくことを考えていく必要がある。. に対する意欲が高まったか」という質問項目. 5.実践に基づく現場への提案. に対して90%の生徒が肯定的な回答をした。.  本プログラムが、1つの実践例として、高校. 4 効果の検討・考察と今後の課題. 生の学ぶ意欲の向上のための研究や教育実践. く効果の検討・考察>. の参考になればと考える。生徒の自ら学ぶ意.  「『自ら学ぶ意欲』測定尺度」の下位尺度の. 欲の向上には、教員全体が協働性を持って取. 得点の平均値の上昇が見られたことから、自. り組んでいくことが大切ではないだろうか。. ら学ぶ意欲発現プロセスモデルの3つのレベ.      修学指導教員 古 川 雅 文. 一93一.

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