中学校における別室登校への支援に関する研究 : 質問紙調査と実践の結果と分析を通して
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(2) 4倍を超えていた。r別室登校を継続したまま卒. 報が提供され、多面的な視点から幅広い支援に. 業していく」生徒も多く、不登校の状態から学. つながっていった。共通理解しつつ支援方針や. 校へ登校できても、教室への道は遠い場合が多. 具体的な支援策を決め役割分担することで、支. いと言わざるを得ない。支援者は教室復帰を目. 援者自身も目標を持った関わりと継続的な支援. 指しながらも、急ぎすぎることなく、生徒にと. ができるようになった。さらに、会議では、支. っては支援者にしっかりと丁寧に闘ってもらう. 援者間の悩みを共有する機会にもなり、教職員. 経験ができ、将来的に次へとつながる別室であ. の相互理解と心理的負担の軽減にもつながった。. ることが重要であると考える。. 今回の調査結果では、回答のあった中学校の. 現在、別室の運営や支援に関しては試行錯誤. 95%の学校で不登校や別室登校生徒が在籍し. の途上であり、状況は学校により様々であるが、. ていることがわかった。不箪校が一般に認めら. 教職員、生徒、保護者に対して別室のあり方や. れ、登校の一形態として許容されつつある別室. 目的を共通理解したうえで、別室を運営する必. 登校への支援は今後ますます必要になってくる. 要性が示されている。. と思われる。. 研究2では、別室登校生徒への「直接支援」. 今回の調査では中学校における別室登校の現. のための授業プログラムを考案した。その中で. 状を調べたが、小学校からの引き継ぎ事項や中. 心理療法の一つである交互スクリブル物語統合. 学卒業後の生活など、将来を見据えた長期的な. (MSSM)法では、心の中の思いが絵や物語の. 視点から小中高の連携の在り方についても考え. 中に表わされることもあり、生徒との関係づく. る必要がある。また、作成したシート集では家. りと理解につながった。教師の生徒理解や生徒. 庭面の支援を州立てしたが、複雑化・重層化す. 自身の自己・他者理解を進めると同時に、教室. る課題を抱える生徒を取り巻く家庭への支援と. 復帰を考える上で重要となる学習支援において. して、学校にできる限界を見極め、必要に応じ. は、学習の継続性を意識し、学習の成果や取り. て、一. 組みを可視化することを通して、達成感をもつ. ーとの連携を図ったり、地域や外部の専門機関. ことができるように工夫した。. と繋がることも重要であると考える。. r間接支援」として、r生徒の自己理解の促. 別室登校支援に関しては、支援員の人員配置. 進・教師の生徒理解や情報収集のためのシート. や空き教室の確保など学校により実情が様々で. ①∼⑥」と「別室の運営に関するシート⑦∼⑪」. あり、また別室登校生徒の状況も一人ひとりの. の支援ツールを作成し、別室登校生徒との関わ. 個別性が高く、個に合わせてその都度対応を考. りや校内連携に活用した。予防的なアプローチ. えていく必要がある。すべての生徒に対して多. として行った全校生徒へのアンケートは、それ. 角的な視点からの生徒理解に基づく支援が求め. ぞれの生徒の現在の思いや悩みなどが紙面から. られ、特に支援を必要としている生徒への多面. 読み取ることができ、生徒理解と早期支援につ. 的な理解と役割分担によるチーム支援は重要で. ながるものであった。別室登校生徒への支援会. あり、今回行った調査と支援プログラムが生徒. 議ではチーム援助シートを用いて、学習、心理・. 理解と支援の一助となることを願っている。. 社会、進路、健康、家庭面の5領域に関する情. 修学指導教員 新井 肇. 報の整理や援助案を考えて行く中で、新しい情. 指導教員 松本剛. 一87一. 沁モフ視点からスクールソーシャルワーカ.
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