保育者のコミュニケーション・スキル向上を図るコーチング理論の研究
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(2) との関係なくして保育は成り立たない。子どもの. 能すると考える。また,保護者対応の際にコーチ. 遊びを援助したり,気づきを引き出すためにはど. ングを用いることでコミュニケーションが円滑. のような働きかけが望ましいか考察した。第2点. 化し,保護者も保育者と同様に子どもを見守る協. はr大人」への視点である。保育者が同僚や保護. 働者として巻き込むことが可能になる。双方向の. 者との人問関係を円滑にするにはどうすれば良. コミュニケ』ションが成立し,目標達成に向けて. いか,検討した。本研究では,コーチングを「対. 子どもへの援功や保育者間の協働・連携が深まる. 話を通して,相手に内在した答えを引き出し,互. ことが期待される。保育者のコミュニケーショ. いを認め合い信頼構築を図るコミュニケーショ. ン・スキルを向上させるコ』テングの可能性を探. ン術」と定義し論考を進めていった。. っていった。コーチングの理論をティーム保育や. 保育カンファレンスに援用することで,建設的な. 第2章 子どもへの援助理論としてのコーチン. 意見交換や課題への取り組みが可能になる。対話. グ. を大切にすることで,互いに興味を持ちコミュニ. 保育現場において,子どもへの援助として日々. ケ』ションが円滑になり,さらに良好な人間関係. 潜在的にコーチング的なかかわりが展開してい. が構築できるである。. る。実践事例の言説分析をしながら,その事実を 明らかにした。r好きな遊び場面」における保育. スポーツの世界で誕生し,その後ビジネス界で. 者と子どもとのかかわりに注目し,言語的コミュ. 普及したコーチングを保育者の視点で捉え検討. ニケーションに内在する潜在的コーチングを探. を進めた。保育現場にかかわるすべての人とのコ. った。また,r気になる子」へのケアとしてコー. ミュニケーションを円滑にして,そのスキル向上. チングが成立するかどうかを探究した。そして,. を図る方途としての可能性を探究した。子どもへ. r協同的な遊び」への保育者の援助についてコー. の援助として,また協働する保育者間のコミュニ. チングという視点から考察した。. ケーションとして,コーチング理論の援用可能性. 子どもそのものの存在や考えを丸ごと受け止. について論考を進めた。子どもに思いや考えを受. める承認のスキルが一番多く活用されていた。次. け止め,認めたり,気づきを引き出したりする際. いで,子どもの内面にある思いや考えを引き出す. にコーチングが有効に機能する。また,大人同士. 要となる質問のスキルや,気づきを導くための提. のコミュニケーションにおいて,他者を尊重し信. 案も多用されていたことが分かった。よって,子. 頼関係を引き出すためには対話が必要不可欠で. どもとのやりとりや,子どもへの援助としてのコ. あり,コーチングを意識してコミュニケーション. ーチングスキルを認めることができた。. することで,保育間の協働・連携が図られ,より. また,コ』テングは対話を通して行われるが,. 良い人間関係が育まれる示唆を得た。. 大人に比べてボキャブラリーの少・ない幼児期の. 本論文で得た知見に基づき,園長・主任・教諭・. 子どもにとっては、動作を交えて伝えたり,遊具. 臨時職員など,保育者それぞれの立場でどのよう. や道具等を用いて提案することも有効であると. なコミュニケーションが求められているのか,そ. 事例から窺えた。. の望ましい在り方を整理し,コーチング理論を援 用し現場に還元できる研究をすることが今後の. 第3章保育者の協働性を醸成するコーチング. 大きな課題である。. 保育者が同僚と協働していくための方途とし てコーチングを捉えた場合,ティーム保育や保育. 主任指導教員 横川 和章 教授. カンファレンスにおいて,コ」テングは有効に機. 指導教員 佐藤 哲也 准教授. 一23一.
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2011