駆落ちできない男 ―想像力を育む教材としての『伊勢物語』第六段「芥川」の取り扱い―
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(2) ( 2 ). 362. え る こ と で 、 学 習 者 の 文 学 的 想 像 力 を 育 成 す る 方 法 を 示 し 、 以 っ て. ( 1 ). 【 凡 例 】 参 照 。. 361 ] ・ [ 第. ば 、 鬼 あ る 所 と も 知 ら で 、 神 さ へ い と い み じ う 鳴 り 、 雨 も い た う. は 何 ぞ 。 」 と な む 、 男 に 問 ひ け る 。 行 く 先 多 く 、 夜 も 更 け に け れ. 古 典 文 学 史 上 の 重 要 性 に 鑑 み 、 ま た そ の 文 体 の 簡 潔 さ か ら も 、 全. 平 安 時 代 前 期 、 十 世 紀 初 頭 に 成 立 し た と さ れ る 『 伊 勢 物 語 』 は 、. と わ い た ふ り 川 け を る 率ゐを て 、 行 か き ら け う れ じ ば て 、 盗 草 み の 出 上 で に て 置 、 き い と た 暗 り き け に る 来 露 け を り 、 「 。 か 芥 れ 川. り 」 ・ 「 筒 井 筒 」 の 三 段 の 、 定 番 教 材 化 ( 2 ). が 改 め て 確 認 で き る 。. 【 甲 】 昔 、 男 あ り け り 。 女 の え 得 ま じ か り け る を 、 年 を 経 て よ ば ひ. が 一 、 第 八 十 四 段 「 さ ら ぬ 別 れ 」 が 二 と な っ て い る 。 「 芥 川 」 ・ 「 東 下. 井 筒 」 が 二 十 二 、 第 二 十 四 段 「 梓 弓 」 が 六 、 第 八 十 三 段 「 小 野 の 雪 」. 収 載 す る も の が 二 十 二 、 第 九 段 「 東 下 り 」 が 十 八 、 第 二 十 三 段 「 筒. に 影 響 の な い 範 囲 で 表 記 が 改 め ら れ て い る 。. 本 古 典 文 学 全 集 』 に 依 拠 す る が 、 「 い で て 」 「 出 で て 」 と い っ た 、 文 意. を 【 甲 】 、 後 半 を 【 乙 】 に 分 け る 。 な お 、 同 書 の 本 文 は 小 学 館 『 新 編 日. −70− (1). 内 訳 を 各 社 の ホ ー ム ペ ー ジ 等 に よ り 確 認 す る と 、 第 六 段 「 芥 川 」 を. 第 六 段 の 本 文 を 、 [ 教 出. 二 十 四 冊 が 刊 行 さ れ て お り 、 そ の 全 て が 『 伊 勢 物 語 』 を 収 載 す る. ( 1 ). 。. 二 、 駆 落 ち の 失 敗 と 種 明 ] か に し よ っ て 掲 げ る 。 行 論 の 都 合 上 、 前 半. 最 新 の 二 〇 一 七 年 度 版 「 国 語 総 合 」 の 古 典 教 科 書 は 、 九 社 か ら. 一 、 は じ め に. 授 業 実 践 を 実 り 多 い も の に す る た め の 、 教 材 研 究 の 試 み で あ る 。. 想 像 力 を 育 む 教 材 と し て の 『 伊 勢 物 語 』 第 六 段 「 芥 川 」 の 取 り 扱 い. ―. 胡 やな 降 簶 ぐひ り を け 負 れ ひ ば て 、 戸 あ 口 ば に ら を な り る 、 蔵 は に や 、 夜 女 も を 明 ば け 奥 な に む 押 と し 思 入 ひ れ つ て つ 、 居 男 た 、 弓 り ・. 高 校 生 が 学 習 す る 「 国 語 総 合 」 に ふ さ わ し い 教 材 と い え よ う が 、 解. 342. け る に 、 鬼 、 は や 一 口 に 食 ひ て け り 。 「 あ な や 。 」 と 言 ひ け れ ど 、. 釈 上 の 問 題 も 少 な く な い 。 本 稿 は 特 に 第 六 段 「 芥 川 」 に 着 目 し 、 現. →. れ 神 ば 鳴 、 る 率ゐ騒 て ぎ 来こ し に 女 、 え も 聞 な か し ざ 。 り 足 摺ずけ り り を 。 や し う て 泣 や け う ど 夜 も も 、か明 効ひけ な ゆ し く 。 に 、 見. 行 の 教 科 書 記 述 の 問 題 点 を 指 摘 す る と と と も に 、 適 切 な 配 慮 を 加. ―. 一【 凡 例 ]】 のに み掲 がげ 、 「た 芥教 川科 」書 を 収の めう なち い、 。破 線 を 附 し た [ 第 一. 関 谷 由 一. 駆 落 ち で き な い 男.
(3) 歌 は 、 こ の 時 の も の だ っ た 。 こ れ が 【 甲 】 ま で の 内 容 で あ る 。. ( 5. よ と 答 え て そ の ま ま 消 え て し ま っ た ら よ か っ た の だ 、 自 分 は 。 」 と い う. り で あ る 。 「 白 玉 か し ら 、 あ れ は な あ に 、 と あ の 人 が 尋 ね た 時 、 露 だ. 口 」 に 食 っ て し ま っ た の で あ る 。 男 は 「 足 摺 り 」 を し て 嘆 く が 、 後 の 祭. ( 4. さ れ た 。 男 は 朝 に な っ て 奥 を の ぞ く が 、 女 は 影 も 形 も な い 。 鬼 が 「 一 ( 3. 338 353 342 333 357. 奥 に 女 を 押 し や り 、 自 分 は 入 り 口 で 番 を し た 。 倉 の 奥 に 「 鬼 」 が い る. 342 357 343 335 359. 【 乙 】 を 載 せ な い [ 東 書 335. ) ) ) [[[[省【 筑東教明堂凡 摩書出治 例 】 掲 ] ]]]]・出 ・ ・・・[の [ 教 第[ 東[ 教[ 筑 う 一書出摩出ち 、 傍 ]]]] ] 線 ・ ・・ [ ・ ・教を [ [ 桐三[ 大[ 第 附 原省修一出し 堂館 た ][ ] 東 ]・ の] [書 ・ 大 八・] [ の 種[ 数三桐修 。研種原館 ] 。 ・ [ ]]東 ] 。・書 ・ [ [ 数 明 研 治 ] ・ [ ]三 ] ・ ・. と も 知 ら ず に 。 「 き や あ ! 」 と い う 女 の 悲 鳴 は 、 雷 鳴 に よ っ て か き 消. 343 359 346 338 364. 333. 346 364. 350. ] の 教 師 向 け 指 導 書 に は 、. 335. 350. 353. 雨 が 降 り 、 雷 ま で 鳴 り 出 し た の で 、 男 は や む を 得 ず 、 荒 廃 し た 倉 の. 露 を 「 あ れ は な あ に ? 」 と 尋 ね る が 、 先 を 急 ぐ 男 は 無 視 し た 。 や が て. か ら 、 ま さ に 〈 駆 落 ち 〉 で あ る 。 闇 夜 を 行 く 二 人 。 女 は 、 草 の 上 の 夜. 九 段 「 東 下 り 」 に つ い て は 、 全 種 が 全 文 を 掲 げ て い る か ら で あ る 。. 【 乙 】 合 わ せ て も 見 開 き 二 ペ ー ジ ほ ど で あ り 、 そ の 二 倍 近 い 分 量 の 第. 授 業 時 数 や 紙 数 の 制 約 が 理 由 で は あ る ま い 。 第 六 段 は 【 甲 】 ・. 出 す 挙 に 出 る 。 盗 む と は い っ て も 、 女 と も 心 を 通 じ て の こ と で あ ろ う 七 社 ・ 八 種 ( 5 ). が 【 甲 】 の み を 掲 げ 、 【 乙 】 を 除 い て い る 点 で あ る 。. 懸 想 ・ 求 婚 し て き た が 、 女 の 実 家 の 許 し を 得 ず 、 と う と う 、 「 盗 み 」. そ れ は 、 二 社 ・ 三 種 ( 4 ). が 【 甲 】 ・ 【 乙 】 を 共 に 掲 出 す る も の に 対 し 、. と る 。 昔 、 男 が い た 。 な か な か 手 に 入 れ る こ と の で き な い 「 女 」 を 長 年 、 社 ・ 十 一 種 ( 3 ). で あ る が 、 そ の 掲 出 姿 勢 に は 際 立 っ た 特 徴 が あ る 。. −71− (2). 『 伊 勢 物 語 』 は 、 在 原 業 平 を 思 わ せ る 「 男 」 の 一 代 記 と い う 体 裁 を. 「 芥 川 」 を 載 せ る 教 科 書 二 十 二 種 の う ち 、 稿 者 が 実 見 し た の は 九. 時 と や 。. 鬼 と は い ふ な り け り 。 ま だ い と 若 う て 、 后 の た だ に お は し け る. る を 聞 き つ け て 、 と ど め て 取 り 返 し 給 う て け り 。 そ れ を 、 か く. 【 乙 大 だい み や 】 納 なご て う こ 言ん負 に れ 白 玉 、 ひ て は ま て 居 、 か だ 出 給 たま 二 何 下 げら で へ 条 ぞ 﨟 ふ た り の きさ と 后き人 に り け の の て け る を 、 問 、 る う 内 を 、かい ひ 容 たと 裏ち、 し 貌ち へ 御せの こ のに時 参 兄う 女よ露 り 人とい 御 うご と 給 、ほと め ふ 堀 りか で の お 答 に 川 は た 御 ほむ へ て 、 のおく も 消 い 大とお と え み 臣ど じ 、 は に な ま う 太 し 、 仕 し 泣 郎 け れ う も く 国 くに ば ま の 人 経 つね 、 つ を あ の 盗 る. 前 、 若 い こ ろ の 出 来 事 で あ る と い う 、 と 。. と が 、 彼 女 を 発 見 し 、 取 り 返 し て し ま っ た の だ っ た 。 彼 女 が 入 内 す る. め た 、 参 内 途 上 の 高 子 の 兄 で あ る 、 藤 原 基 経 ( 堀 川 の 大 臣 ) と 国 経. て 負 ひ て 」 出 た の だ っ た 。 と こ ろ が 、 彼 女 が 激 し く 泣 く の を 聞 き と が. 后 ( 良 房 の 娘 ) の 元 に 寄 寓 し て い た 。 そ の 高 子 に 恋 を し た 男 が 、 「 盗 み. 陽 成 天 皇 の 母 ) で あ り 、 こ の 時 は 、 「 い と こ の 女 御 」 、 す な わ ち 染 殿 の. 話 に そ 出 こ て に く 解 説 る 「 を 女 加 」 え と は る 、 よ 後 う の に 二 【 条 乙 の 】 が 后 語 ・ ら 藤 原 れ る 高 たか 。 子 いこ す ( な 藤 わ 原 ち 長 、 良 実 の は 娘 こ 、 の.
(4) あ く ま で 「 一 案 」 と 断 り つ つ も 、 【 甲 】 の 部 分 ま で が 『 伊 勢 物 語 』 の 本 来. し か し 、 現 存 の 『 伊 勢 物 語 』 の 写 本 の 本 文 は 、 全 て 【 甲 】 ・ 【 乙 】 を 有. る よ り 、 時 代 ち か ひ も あ り 。 業 平 も 二 条 后 も 罪 人 に な る な り 。. る 。 [ 東 書 ] 指 導 書 に 併 記 さ れ る 「 B 」 も 同 じ 考 え で あ ろ う 。. は 後 人 の 筆 と す れ は 、 い せ 物 語 難 な し 。 注 を も 作 者 の 自 注 と み. る 、 「 種 明 か し 」 と し て の 機 能 を 【 乙 】 が 果 た し て い る と い う こ と に な. 出 し た る 女 を 、 二 条 の 后 と し 、 此 男 を 業 平 と は す る 也 。 こ れ 注. と い う 解 答 例 を 示 す ( 二 三 四 頁 ) 。 い わ ば 、 「 幻 想 」 「 浪 漫 」 を 破 壊 す. の 后 の い と こ の 女 御 の な と い ふ 注 を そ へ た る よ り 、 本 文 に ぬ す み. き を し て い る 。. な る 也 。 し か る を 好 事 者 自 注 の や う に 詞 を く は へ て 、 是 は 二 条. 実 際 女 が 鬼 に 食 わ れ た は ず は な く 、 山 場 部 分 の 種 明 か し の 働. と し て み る 時 は 、 業 平 の こ と に は な ら す 。 只 む か し 男 の 物 語 に. と い う 問 い を た て る 。 同 じ 会 社 の 指 導 書 ( [ 大 修 館 ] ) に は 、. し す り を し て な け と も か ひ な し と い ふ ま て を 、 物 か た り の 本 文. こ の 文 章 の 中 で ど の よ う な 働 き を し て い る か 、 考 え て み よ う 。. る な る へ し 。 そ の 一 案 に よ れ は 、 此 段 も 、 ゐ て こ し 女 も な し 、 あ. 【 乙 】 を 含 む [ 大 修 館 ] は 、 学 習 の ポ イ ン ト に 、 【 乙 】 に つ い て 、. よ り 、 先 達 悉 皆 ま と ひ て 、 む か し 男 を 業 平 と 決 す る 邪 説 出 来. −72− (3). A の よ う な 立 場 か ら 、 【 乙 】 を 省 く の で あ ろ う 。. 業 平 の 事 に あ ら さ る を 、 注 文 を く は へ て 自 注 の や う に 見 せ た る. 的 ・ 浪 漫 的 な 説 話 」 と し て 「 き れ い に ま と ま っ て 」 い る こ と を 重 ん じ る. そ れ は 本 文 と 注 者 と を 別 に み る 案 也 。 此 一 案 に よ れ は 、 す へ て. と い う 記 述 が あ る ( 一 六 二 頁 ) 。 美 女 が 鬼 に 食 べ ら れ る と い う 「 幻 想 田 春 満 『 伊 勢 物 語 童 子 問 』 ( 7 ). で あ る 。. B 最 終 部 の 、 い わ ゆ る 二 条 后 に つ い て の 部 分 を 紹 介 す る 。. る 説 が 、 近 年 ま で 有 力 だ っ た た め で あ る 。 そ の 嚆 矢 は 、 江 戸 時 代 の 荷. が よ い 、 と す る 考 え で あ る 。. ……. 古 文 』 ( 朝 日 選 書 、 二 〇 〇 七. し て お り 、 【 乙 】 部 分 を 欠 い た 本 文 は な い 。 【 乙 】 を 削 除 す る こ と は 教. 346. ( 6 ). 田 中 貴 子 『 検 定 絶 対 不 合 格 教 科 書. 科 書 独 自 の 改 変 な の で あ り 、 そ こ に は 田 中 貴 子 氏 が 批 判 す る よ う. 345. ( 7. ) 『 年 荷) 田七 全四 集頁 』。 第 一 巻 ( 吉 川 弘 文 館 、 一 九 二 八 年 ) 六 〇 頁 。. に 、 A の よ う な 読 み に 学 習 者 を 誘 導 し よ う と す る 姿 勢 が あ る と い え 、. 335. 「 『 伊 勢 物 語 』 と い う 作 品 の 総 体 を 無 視 す る 強 引 さ が 明 ら か に 見 て. は な い 。 『 伊 勢 物 語 』 研 究 史 に お い て 、 【 乙 】 を 後 人 の 注 記 の 混 入 と 見. だ け で き れ い に ま と ま っ て お り 、 下 手 に 最 終 部 を 付 け な い ほ う. 無 論 、 教 科 書 会 社 は 、 全 く 独 自 の 判 断 で 本 文 を 削 除 し て い る の で. A 幻 想 的 ・ 浪 漫 的 な 説 話 と し て の 解 釈 に 終 始 す る 。 採 録 部 分. 三 、 【 乙 】 削 除 の 是 非. ま な 方 法 が あ ろ う 。. こ の 話 を ど の よ う に 扱 い 、 ど の よ う に 決 着 さ せ る か に は さ ま ざ 取 れ 」 る の で あ る. ( 6 ). 。.
(5) ( 1 1 ). 大 津 有 一 ・ 築 島 裕 『 日 本 古 典 文 大 系 』 ( 岩 波 書 店 、 一 九 五 七 年 ). ( 1 6 ). 森 本 茂 『 伊 勢 物 語 全 釈 』 ( 大 学 堂 書 店 、 一 九 七 三 年 ) 八 五 頁 。. 篇 〕 』 明 治 書 院 、 一 九 六 九 年 ) 五 一 四 頁 。. ( 9. の 文 は 後 人 の 補 注 と み ら れ る 」 (. か き そ へ た る も の 」 と し て 【 乙 】 を 1 削 0 ) 除 、 「 し 後 ( 9 ) 注 、 の 戦 補 後 入 の か 注 」 ( 釈 1 1 書 ) 、 「 も 「 後 、 人 以 の 下. ( 8. ) ) 『 『三賀 伊頁茂 勢。真 物 淵 語 全 新 集 釈 』 』 第 ( 国 十 文 六 名 巻 著 ( 続 刊 群 行 書 会 類 、 従 一 完 九 成 三 会 四 、 年 一 ) 九 二 八 五 一 頁 年 。 ) 三. ( 1 5 ). 一 条 兼 良 『 伊 勢 物 語 愚 見 抄 』 ( 片 桐 洋 一 『 伊 勢 物 語 の 研 究 〔 資 料. ( 1 4 ). 田 中 氏 ・ 注 ( 6 ) 前 掲 書 ・ 七 三 頁 。. 八 九 年 一 一 月 ) 六 六 頁 。. ( 1 3 ). 関 根 賢 司 「 『 伊 勢 物 語 』 第 六 段 」 『 ( 日 本 文 学 』 三 八 一 一 、 一 九. ‐. 細 川 幽 斎 『 伊 勢 物 語 闕 疑 抄 』 ( 片 桐 氏 ・ 注 ( 1 5 ) 前 掲 書 ) 七 四 三. ( 1 0 ). ( 1 2 ). 渡 辺 実 『 新 潮 日 本 古 典 集 成 』 ( 新 潮 社 、 一 九 七 六 年 ) 一 九 頁 。. 一 一 四 頁 。. 彼 ら の 影 響 は 大 き く 、 藤 井 高 尚 の 『 伊 勢 物 語 新 釈 』 も 、 「 後 の 人 の 釈 し た る 事 な る べ し 」 ( 1 5 ). 、 「 是 は 作 者 の 詞 也 」 ( 1 6 ). 、 「 こ れ よ り 作 者 の. 知 ら れ る 真 淵 で あ れ ば こ そ の 物 言 い で あ る 。. 実 は 、 国 学 の 登 場 以 前 に は 、 「 こ の 下 の 詞 は 、 物 語 の 作 者 の 、 我 と. 改 変 す る 『 万 葉 考 』 の 作 者 に し て 、 数 多 く の 誤 字 説 を 出 す こ と で も. に 、 「 同 じ 人 の 筆 な ら ぬ 」 と 断 じ て い る 。 『 万 葉 集 』 の 巻 序 を も 大 胆 に. う な 不 手 際 が 、 『 伊 勢 物 語 』 の 筆 者 に よ っ て な さ れ る は ず が な い ゆ え. と 述 べ 、 不 義 密 通 事 件 の 関 係 者 と し て 后 や 藤 原 氏 の 実 名 を 出 す よ. も 含 め て の 叙 述 ス タ イ ル と 見 る べ き と い う こ と に な る 。. し て 、 解 説 ・ 注 記 的 な 語 り の ス タ イ ル で あ る こ と を 認 め つ つ 、 そ れ を. 研 究 者 の 姿 勢 は 変 化 し て い る 。 こ の 立 場 に 従 え ば 、 【 乙 】 が 【 甲 】 に 対. 時 代 か ら 、 作 品 を 総 体 と し て あ る が ま ま に 解 し よ う と す る 時 代 へ と 、. −73− (4). こ れ 本 文 の 意 に た が ひ た れ ば 、 同 じ 人 の 筆 な ら ぬ 事 明 ら け し 、. テ ク ス ト を 解 体 し 、 本 来 の 伝 承 を 取 り 出 す こ と に 主 眼 が 置 か れ た. 彼 ら を 其 書 と い 「 御 る せ と 罪 不 し 記 兄 あ 人 義 例 と 者 弟 」 た に な 扱 等ちの い の 心 し は ぶ す 事 に 御 れ な る な 名 こ を り れ た と す て ば る 所 に ら み 、 に な あ 挙 る は る 時 て は ら 、 と 、 、 は 名 い 恥 天 に を う か 皇 す あ 理 べ ゞ 由 や の か ら で か 御 ら は 、 し め ぬ せ 後 ま の 故 し 密 人 也 は ゐ 説 ら 事 。 あ が す を か ら べ あ く ず ) な き ら 意 、 も さ か は し 一 、 れ は し て 興 て 、 、 い る 点 に 注 意 を 要 す る 。 ま た 、 賀 茂 真 淵 の 『 伊 勢 物 語 古 意 』 ( 8. ( 1 4 ). だ と 考 え る の が 、 近 年 の 研 究 者 の 共 通 態 度 で あ る た め で あ る 。. に も 原 『 伊 勢 物 語 』 の よ う な 理 想 的 な テ ク ス ト を 知 る こ と は 不 可 能 」. ( 岩 波 書 店 、 一 九 九 七 年 ) に は 、 「 後 人 の 注 」 と い う 言 葉 は な い 。 「 誰. 古 典 文 学 全 集 』 ( 小 学 館 、 一 九 九 四 年 ) や 『 新 日 本 古 典 文 学 大 系 』. し か し 、 現 在 の 教 科 書 が 多 く 底 本 と す る 、 平 成 以 降 刊 行 の 『 新 編. 書 は 、 こ う し た 説 の 影 響 下 に 今 も あ る の で あ る 。. そ の 際 、 傍 線 部 の よ う に 、 「 男 」 「 女 」 を 業 平 ・ 二 条 后 と 見 る こ と が 、. の 文 で あ り 、 【 乙 】 は 好 事 家 が 加 え た 注 に 過 ぎ な い と す る の で あ る 。. た 伝 承 だ っ た 」 (. 注 」 (. 1 3 ). と 見 な さ れ る こ と も 多 い 。 【 乙 】 を 除 外 し た 教 科. 1 2 ). と す る も の が あ る 。 ま た 、 【 甲 】 ・ 【 乙 】 は 「 そ れ ぞ れ に 独 立 し.
(6) ( 1 8 ). ( 1 7 ). に け れ ば 、 そ の 人 の 名 忘 れ に け り 。. ―. ―. れ た と 書 い て あ る に も か か わ ら ず 、 後 段 に は 実 は 兄 弟 た ち が 取. 物 語 の 正 文 と 認 む べ き も の と 考 え る 。 前 段 に 明 ら か に 鬼 に 食 わ. 説 く よ う に 、. え る 権 能 の 持 ち 主 を 想 像 す る 方 が 、 困 難 が 大 き い 。 石 田 譲 二 氏 が. い た 『 伊 勢 物 語 』 に 、 春 満 の い う 「 好 事 者 」 の ご と き 、 勝 手 な 注 記 を 加. 冷 静 に 考 え る と 、 平 安 中 期 に は 広 く 名 の 知 ら れ た 古 典 と 化 し て. 韜 晦 の 語 り 口 」 ( 関 根 氏 ) を 常 と す る 。 「 昔 、 男 」 と い う 各 章 段 に. 的 な 【 乙 】 と の 取 り 合 わ せ も 、 異 様 な も の と 見 る べ き で は あ る ま い 。. と い っ た 、 推 量 や 疑 問 、 伝 聞 推 定 の 表 現 を 用 い た 「 不 可 知 論 を 装 っ た 徴 が 表 れ て い る. ( 1 9 ). と す る な ら ば 、 空 想 的 ・ 伝 奇 的 な 【 甲 】 と 、 解 説. い か な り け る 事 を 思 ひ け る 折 に か よ め る 。. を と こ 、 京 を い か ゞ 思 ひ け む 、. ( 第 百 二 十 四 段 ). 田 舎 人 の 歌 に て は 、 あ ま れ り や 、 足 ら ず や 。 ( 第 八 十 七 段 ・ 末 尾 ). ( 第 五 十 九 段 ). ( 第 三 十 四 段 ・ 末 尾 ). 憬 」 と 「 峻 烈 な 現 実 」 を 対 比 す る と こ ろ に 、 『 伊 勢 物 語 』 の 語 り の 特. 鉄 雄 氏 が 指 摘 す る よ う に 、 「 詩 的 な ロ マ ン 」 と 「 対 立 す る 現 実 」 、 「 憧. に 「 昔 」 と 「 今 」 と を 対 比 し て 見 せ る こ と も 多 い 。 こ れ と 関 わ っ て 塚 原. と い う ふ う に 、 「 け り 」 で 語 ら れ る 作 中 の 出 来 事 に 対 し て 、 こ と さ ら. −74− (5). お も な く て い へ る な る べ し 。. ゐ な か 人 の 事 に て は 、 よ し や あ し や 。 ( 第 三 十 三 段 ・ 末 尾 ). 京 や 住 み 憂 か り け む 、. そ も そ も 、 『 伊 勢 物 語 』 は 、. 基 準 が あ る と 言 う の だ ろ う か 」 ( 1 8 ). と い う こ と に も な る 。 ( 第 八 段 ). 「 『 後 人 の 注 』 と 『 作 者 の 批 評 』 と を 区 別 す る 、 ど の よ う に 確 乎 と し た. 〟 と 見 な す の が 普 通 だ っ た 。 す る と 、 関 根 賢 司 氏 が 注 意 す る よ う に 、. な む や 。. ( 第 四 十 段 ・ 末 尾 ). 昔 の 若 人 は 、 さ る す け る 者 思 ひ を な む し け る 。 今 の 翁 、 ま さ に し. 昔 人 は 、 か く い ち は や き み や び を な む し け る 。 ( 初 段 ・ 末 尾 ). さ ら に 、 『 伊 勢 物 語 』 の 語 り 手 は 、. る こ と す ら や っ て の け る 。. 知 っ て い る こ と を 匂 わ せ な が ら 、 「 そ の 人 の 名 忘 れ に け り 」 と と ぼ け. 注 也 」 ( 1 7 ). と い っ た よ う に 、 【 乙 】 を 〈 作 者 の 批 評 〉 、 い わ ゆ る 〝 草 子 地 と い っ た よ う に 、 「 右 の 馬 の 頭 」 と い う 具 体 的 官 名 ま で 述 べ て 、 正 体 を. 、、、. り 返 し た の だ 、 と 言 う 。 後 人 の 書 き 添 え と す れ ば ま こ と に 無 責. 共 通 す る 語 り 出 し か ら し て 、 朧 化 表 現 の 最 た る も の で あ ろ う 。. 、. ( 1 9. 十 ) 三塚 段原 鉄 雄 「 」 (勢 『 国語 語表 表現 現と 研段 究落 』解 三釈 、 一 九伊 八勢 六物 年語 一の 二第 月六 )段 六 頁と 。第 二. こ の 語 り 手 は 、. ……. ( 第 八 十 二 段 ). 頭 む な か り し け 、 る 惟 人 喬 を のみ 、 親こ 常 王 に と 率ゐ申 て す お 親み は 王こ し お ま は し し け ま り し 。 け 時 世 り へ 。 て 久 し 右 く の な 馬 り の か み. ……. 契頁 沖。 『 勢 語 臆 断 』 『 ( 契 沖 全 集 』 第 九 巻 、 岩 波 書 店 、 一 九 七 四 年 ). ……. 二 関二 根頁 氏。 ・ 注 ( 1 3 ) 前 掲 論 文 ・ 六 九 頁 。.
(7) 、. ひ た て ま つ り 」 、 故 郷 ・ 武 蔵 に 逃 走 す る 話 が あ る が 、 武 蔵 に 追 い つ い. よ い 。 後 に 掲 出 す る 『 更 級 日 記 』 の 中 に 、 衛 士 の 男 が 都 の 姫 宮 を 「 負. ② に つ い り て は 、 女 、 「 の 負 行 ふ 動 」 が を も 異 含 な ん っ て だ い 動 る 作 と し て 「 率ゐ る 」 を 理 解 す れ ば. 、. た 天 皇 の 使 者 に 対 し 、 姫 宮 が 「 率 て 行 け と い ひ し か ば 率 て 来 た り 」 と. 、、. 石 田 譲 二 『 伊 勢 物 語 注 釈 稿 』 ( 竹 林 舎 、 二 〇 〇 四 年 ) 一 一 八 頁 。. 、、. 発 言 す る こ と が 、 そ の 例 証 と な る 。. ( 2 0 ). 【 ② 甲 と 】 関 の 連 よ う し 、 に 「 【 弓 乙 】 ・ 胡 やな の ぐよ 簶ひ を う 負 に 」 女 う を こ 「 と 負 は ひ 不 て 可 」 能 来 と た 思 と わ す れ る る と 、. は ず 泣 き た ま へ ば. 明 が 可 能 で あ る 。 ち な み に 、 感 動 詞 「 あ な 」 が 「 泣 く 」 を 導 く 例 と し. に 不 安 の 感 情 が あ ふ れ 、 そ の 後 は 激 し く 泣 き 続 け た と い っ た 説. い は 雷 光 な ど. か ら 、 「 あ な や ! 」 と 叫 ぶ や 否 や 、 堰 を 切 っ た よ う. ④ に つ い て も 、 何 ら か の 驚 き 男 が 想 像 す る 「 鬼 」 の 登 場 、 あ る. さ れ て い る と い ( う 2 0 の ) 。 も お か し な 話 で あ る 。. 堂 々 と 大 手 を 振 っ て 物 語 の 正 文 と し て の 扱 い を 受 け な が ら 伝 承. 下 馬 し て は ま た 、 女 を 背 負 い 、 武 具 は 片 手 に 持 っ て 倉 ま で 歩 く. 負 い 、 敷 地 の 外 に 待 た せ て い た 馬 に 乗 っ て か ら 、 武 具 を 背 負 っ て 行 き 、. と い っ た 行 動 が 想 定 で き る か ら だ 。. ……. −75− (6). て は 、 『 源 氏 物 語 』 の 「 葵 」 の 巻 に 、 愛 す る 葵 の 上 に 向 か っ て 光 源 氏 が 、. と い う べ き で あ ろ う. 四 、 「 芥 川 」 と は 何 か. ―. 」 と い う 場 面 が あ る ( ② ・ 三 二 頁 ) 。. 【 甲 】 と 【 乙 】 と の 間 に は 、 女 の 「 消 失 」 の 原 因 以 外 に も 、 無 視 し 得. ……. 333. 「 『 あ な い み じ 。 心 う き め を 見 せ た ま ふ か な 』 と て 、 も の も 聞 こ え た ま. な い 内 容 上 の 対 立 が あ り 、 【 乙 】 を 合 わ せ て 読 む 場 合 に は 、 そ れ ら が. ―. 346. 残 る は 、 ① の み で あ る 。 ① は 、 【 甲 】 の 逃 避 行 の 舞 台 を め ぐ っ て 、 解. ……. 釈 上 の 対 立 が 鮮 明 と な る 点 で あ る 。. 解 決 す べ き 問 題 点 と な る 。 次 の 四 点 が 諸 氏 に よ っ て 指 摘 さ れ る 。. 、、. 364. ). 338. 353. 357. ). ( 明 治. 所 在 不 明 。 現 在 の 大 阪 府 高 槻 市 を 流 れ る 川 、 と い う 説 が あ る 。. 所 、 桐 在 原 不 明 。 ) 一 の 説 他 に 、 現 在 の 大 阪 府 高 槻 市 に あ る 、 川 東 ( 。 書 三 省 堂 、 東 書 ). 「 芥 川 」 に つ い て は 、 稿 者 の 実 見 し た 現 行 の 教 科 書 は 、 単 に 「 所 在. ③. 、、. 335. ( 筑 摩. 所 在 未 詳 。 実 在 の 川 と す る 説 と 、 架 空 の 川 と す る 説 が あ る 。. 未 詳 」 と の み 注 す る も の が 三 社 ・ 四 種 ( 大 修 館. ④ 【 甲 】 で は 「 あ な や 」 と 叫 ぶ が 、 【 乙 】 で は 「 い み じ う 泣 く 」 と あ. ② ① 【 「 甲 芥 】 川 は 「 」 率ゐの 所 て 在 」 と あ る の に 、 【 乙 】 は 「 負 ひ て 」 と あ る. 任 な 書 き 加 え で あ り 、 そ う い う 誰 の 目 に も 見 え 透 い た 小 細 工 が 、 ③ も 異 と す る に 足 ら な い 。 男 が 、 染 殿 を 抜 け 出 す ま で は 女 を 背.
(8) 『 古 代 地 名 大 辞 典 』 ( 角 川 書 店 、 一 九 九 九 年 ) 「 芥 川 」 。. る 所 」 は 宮 中 の 「 鬼 の 間 」 、 「 あ ば ら な る 倉 」 は 宮 中 の 具 足 保 管 庫 で あ. も っ と も 、 両 書 は さ ら に 踏 み 込 ん で 、 男 の 逃 亡 先 は 内 裏 で 、 「 鬼 あ. ろ で あ る 。. 人 を と く あ く た 河 て ふ 津つ のく 国に の 名 に は た が は ぬ ( 『 物 伊 に 勢 ぞ 集 有 』 け 四 る 〇 三 ) て 朝 き よ め 夕 き よ め の ち り を は き 入 る 也 」 ( 2 3 ). な ど と 説 か れ る と こ. は 歌 つ 語 か 「 に 芥 も 川 君 」 は を 、 み し ま のあ 芥 くた 川 がわ 飽あ く と や 人 ひと の お と づ れ も せ ぬ. に の 、 「 異 せ 名 つ 也 の 。 国 た ア 芥 クタ ゞ し 河 二 に 条 は よ 非 り ず し 。 も 大 を 内 い に ふ 有 。 。 」 と 是 あ は り 常 ( 2 寧 2 ) 殿 、 の 冷 下 泉 よ 家 り 流 流 注 出 釈. く た 河 に は あ ら ず 。 京 中 に あ く た 川 と い ふ 河 の あ る 也 」 「 か の 大 宮 河. る か の よ う な 印 象 を 受 け る が 、 実 は 、 そ う で は な い 。. 具 体 的 に は 、 鎌 倉 時 代 の 成 立 と さ れ る 『 知 顕 集 』 に 、 「 つ の 国 の あ. 「 所 在 未 詳 」 な ど と 書 か れ る と 、 芥 川 と い う 川 自 体 が 「 未 詳 」 で あ た 記 述 に 繋 が る 説 が 出 さ れ る こ と に な る 。. と に 分 か れ て い る 。. の こ と は 古 く か ら 注 意 さ れ て お り 、 「 宮 中 の 塵 や 芥 を 流 す 川 」 と い っ. −76− (7). の よ う に 、 複 数 説 を 併 記 し つ つ 、 架 空 の 川 と い う 説 を 支 持 す る も の に 従 う な ら ば 、 逃 避 行 の 舞 台 は 平 安 京 の 中 で な く て は な ら な い 。 こ. 作 り 話 と し て の 架 空 の 川 か 。. ( 教 出 、 教 出 ) が 参 内 途 中 に 気 づ い た と い う 【 乙 】 の 内 容 と 大 き く 齟 齬 す る 。 【 乙 】. 大 阪 府 高 槻 市 の 川 の 名 と も 、 内 裏 の 塵 芥 を 流 す 川 と も い う が 、 し か し な が ら 、 「 芥 川 」 が 摂 津 だ と す る と 、 藤 原 基 経 ・ 国 経 の 兄 弟. の よ う 今 に の 、 大 高 阪 槻 府 市 高 の 槻 川 市 と し を つ 流 つ れ も る 、 複 川 数 か 。 説 架 を 空 併 の 記 川 す と る い も の ( う 、 数 説 研 も あ る ) 。 れ ば 、 「 未 詳 」 な ど と い う 注 記 は 意 味 を な さ な い 。. ふ 川 」 は 、 摂 津 の 芥 川 以 外 に 考 え ら れ な い 。 【 乙 】 を 削 除 す る の で あ. ま た 、 『 伊 勢 物 語 』 第 六 段 を 、 【 甲 】 部 分 の み で 読 め ば 、 「 芥 川 と い. 流 す 川 。. ( 第 一 359. 『 書 陵 部 本 和 歌 知 顕 集 』 ( 片 桐 氏 ・ 注 ( 1 5 ) 前 掲 書 ) 一 四 二 頁 。. ( 2 1 ). ( 『 金 葉 集 』 巻 八 ・ 恋 部 下 ・ 四 九 五 、 詠 み 人 知 ら ず ). 津つ のく 国に の ま ろ や は 人 を 『 あ ( く 拾 たが遺 川わ集 君 きみ 』 巻 こ 十 そ つ 五 ら ・ 恋 き 五 せ 瀬 ・ ゞ 九 は 七 見 七 え 、 し 源 か 和 子 ). 350. 『 冷 泉 家 流 伊 勢 物 語 抄 』 ( 片 桐 氏 ・ 注 ( 1 5 ) 前 掲 書 ) 三 〇 一 頁 。. ( 2 2 ). の よ う に 、 少 な く な い 平 安 和 歌 に 詠 ま れ 、 ま た 、 藤 原 清 輔 『 和 歌 初. 343. ( 2 3 ). 学 抄 』 や 順 徳 院 『 八 雲 御 抄 』 な ど に も 載 る 、 摂 津 国 の 著 名 な 歌 枕 で. 342. あ っ た 。 『 延 喜 式 』 巻 九 の 神 名 帳 に 、 摂 津 国 ・ 島 上 郡 三 座 の 一 つ と し. ) 今 日 の 高 槻 市 安 岡 寺 付 近 を 流 れ る 川 を 芥 川 と み な し て い る. 今 の 大 阪 府 高 槻 市 を 流 れ る 川 の 名 。 一 説 に 、 宮 中 の 塵 や 芥 を. の が あ っ た よ う で あ る 。 こ う し た 事 実 を 根 拠 に 、 歴 史 地 理 ( 2 学 1 で ) 。 は 、. の よ う に 、 所 在 不 明 と し つ つ 一 説 を 紹 介 す る も の 、. て 「 阿 久 刀 神 社 」 と あ り 、 こ の 辺 り の 地 名 に 、 古 く 「 ア ク ト 」 と い う も.
(9) 伊 勢 物 語 の 方 法 と 古 注 の 方 法. ― 」 『 伊 勢 物 語 の. ( 2 9 ). と は 正 し い だ ろ う 。. ( 2 7 ). ( 2 6 ). ( 2 5 ). 『 伊 勢 物 語 肖 聞 抄 』 ( 片 桐 氏 ・ 注 ( 1 5 ) 前 掲 書 ) 五 九 六 頁 。. 『 伊 勢 物 語 全 評 釈 』 右 文 書 院 、 一 九 八 七 年 ・ 一 五 四 頁 ) を 見 る こ. 普 通 の 人 間 な ど が 通 る べ き 所 で は な い 、 と い っ た 感 じ 」 ( 竹 岡 正 夫. も ろ も ろ の 廃 物 と 共 に 捨 て ら れ て い る 、 無 気 味 で 汚 ら し く 、 到 底. 『 伊 勢 物 語 愚 見 抄 』 ( 片 桐 氏 ・ 注 ( 1 5 ) 前 掲 書 ) 五 一 三 頁 。. ( 2 8 ). も っ と も 、 「 芥 川 」 と い う 名 称 に 、 「 動 物 や 人 間 の 死 骸 な ど が 、. 【 甲 】 の 「 芥 川 」 は 、 男 の 主 観 に 捉 え ら れ た 景 と し て 受 け と め ( 2 る 7 ) 。 べ き 「 目 一 最 つ 古 な の る 例 鬼 と 」 な に る つ 『 か 出 ま 雲 る 国 が 風 、 土 男 は 記 竹 』 の 藪 話 に で 隠 は れ 、 る 山 両 田 親 を に 耕 対 作 し す て る 、 「 男 動 あよ が. わ せ た 【 乙 】 の 削 除 と 、 強 引 さ に お い て 選 ぶ と こ ろ が な い 。. は 、 鬼 が 人 を 食 す 話 が 散 見 さ れ る も の の 、 一 口 に 呑 込 む 例 は な い 。. れ も 、 【 甲 】 を 【 乙 】 に 合 わ せ た 合 理 化 と い え る 。 こ れ で は 、 【 甲 】 に 合. 蔦 尾 和 宏 氏 ( 2 9 ). が 指 摘 す る よ う に 、 平 安 時 代 中 期 ま で の 文 献 に. 「 芥 川 」 を 宮 中 の 堀 と 見 る に せ よ 、 「 架 空 の 川 」 と 見 る に せ よ 、 い ず は や 一 口 に 食 ひ て け り 」 と い う 表 現 と 、 そ の 後 の 男 の 行 動 に あ る 。. こ う し た 立 場 を 指 す 。. 「 そ の よ う に 思 い た い 」 と い う の は ど う い う こ と か 。 手 が か り は 「 鬼 、. −77− (8). 2 兼 川 ( 4 幽 ) 良 と は 斎 ( し 、 2 「 て 6 ) 、 此 に 「 一 継 芥 段 承 川 は さ 」 を 、 れ 実 み る 在 な 。 の 物 教 川 が 科 に た 書 求 り な め か ど な く 人 の 「 い 説 架 を の 、 空 提 作 の 示 り 川 事 と し 、 に す 宗 か る 祇 き 説 ( 2 た 」 5 ) る と 、 也 は 細 」. 五 、 鬼 一 口 の 異 様 さ. は 共 に 、 物 語 内 で 不 可 分 の 関 係 に あ る と い え る 。. さ す が に こ れ ら は 恣 意 的 に 過 ぎ る と 判 断 し て か 、 室 町 期 の 一 条 な 現 実 が 【 乙 】 に 、 描 か れ て い る の で は な い か 。 そ う だ と す る と 、 両 者. け な ん 」 の 意 で あ る な ど と 、 言 語 遊 戯 で し か な い 奇 説 を 展 開 す る 。. へ い と い み じ う 鳴 り 」 は 天 皇 の 怒 り 、 「 夜 も 明 け な む 」 は 「 四 門 は や 開. ス テ リ ー 小 説 の ご と き 推 測 を し 、 冷 泉 家 流 注 釈 に い た っ て は 、 「 神 さ. こ こ で あ れ ば 追 手 に と っ て 盲 点 と な る と 考 え た か ら だ と 、 近 代 の ミ. し た 男 の 心 象 と 行 動 が 【 甲 】 に 、 そ れ と 対 比 的 に 、 男 の 置 か れ た 冷 厳. 食 わ せ て し ま っ た と 思 っ て い る 。 い や 、 そ の よ う に 思 い た い の だ 。 こ う. あ る 。 し か し 、 男 自 身 は 、 摂 津 国 三 島 の 芥 川. 折 し た か と い う 詮 索 は し な い. ( 2 8 ). ま で 来 て 、 女 を 鬼 に. 、 高 子 は 親 族 に 連 れ 戻 さ れ た の で. る と す る 。 『 知 顕 集 』 は さ ら に 、 業 平 が 逃 亡 先 に 内 裏 を 選 ん だ の は 、. 男 は 実 際 に は 、 平 安 京 か ら 出 て お ら ず ―. 注 ( 1 6 ) 前 掲 書 ・ 七 四 二 頁 。. で は な い か 。 ち ょ う ど 、 【 甲 】 の 「 鬼 」 の 存 在 が そ う で あ る よ う に. 、、、、. 片 桐 洋 一 氏 は 、 〈 二 条 の 后 が 業 平 に 連 れ 出 さ れ 、 兄 の 基 経 ・ 国. ( 2 4 ). 、、、. 『 伊 勢 物 語 』 第 六 段 を 起 点 と し て. 経 が そ れ を 奪 い 返 し た 〉 と い う 「 実 相 」 を 、 第 六 段 に お い て は 〈 芥 川. ―. 蔦 尾 和 宏 「 「 鬼 一 口 」 覚 書. ―. 」 『 ( 岡 山 大 学 国 語 研 究 』 三 〇 、 二 〇 一 六 年 三 月 ) 。 以 下 、 蔦. 附 近 の 鬼 一 口 の 事 件 〉 と い う 「 仮 相 」 と し て 描 い て い る と す る ( 「 実. 、、、. ―. 尾 氏 の 見 解 は こ れ に よ る 。. 相 と 仮 相. ―. 新 研 究 』 明 治 書 院 、 一 九 八 七 年 。 初 出 一 九 七 一 年 六 月 ) 五 九 頁 。. 京 中 の ど の 辺 り で 挫.
(10) 実 は 、 「 一 口 」 の 異 様 さ は 中 世 か ら 気 付 か れ て い た 。 『 知 顕 集 』 は 、. 『 今 昔 物 語 集 』 巻 二 七 第 七 話 に は 類 似 の 話 が あ る の で 、 読 み. て お り 、 「 鬼 一 口 」 は 物 理 的 に も 困 難 で あ っ た こ と を 指 摘 す る 。. 346]. 比 べ て み よ う 。. な お 、 大 修 館. [. と あ り 、 教 室 で 生 徒 に 比 較 さ せ る こ と が 想 定 さ れ て い る 。. 血 ちじ が 肉し、 ナ そ ルかこ 頭 しら で の ノ 犠 髪 牲 と 所 ころ 者 ど 〃 ころ は 付 つき 、 タ 同 ル 様 有 に 「 リ 只 」 足 ( 第 九 手 ノ ) と ミ 描 残 写 タ さ リ れ 」 ( る 第 。 八 ) 、 「 赤 ク. ( 3 0 ). の 学 習 の ポ イ ン ト に 、. と 述 べ た 上 で 、 さ ら に 、 第 六 段 で は 狭 い 倉 の 中 で 襲 わ れ た こ と に な っ. に 備 え て い た 食 性 と は 考 え 難 い の で あ る 。. ( 二 一 頁 ). 照 ら せ ば 、 死 体 を 残 す こ と が な い 「 鬼 一 口 」 と は 、 鬼 が 本 来 的. 人 は 想 起 さ れ 得 な い と い え よ う 。 鬼 が 空 想 の 所 産 で あ る こ と に. と い う 有 様 が 語 ら れ る. ( 3 0 ). 。 同 集 は 続 い て 、 鬼 の 食 人 記 事 を 載 せ る. 体 と い う 、 鬼 を 想 起 さ せ る 対 象 を 欠 く と こ ろ で は 、 鬼 に よ る 食. 女 は し ノか而か二 頭 しら ル 条 ノか間 の 后 限 ぎり 、 女 で 卜 、こは 着 音ゑな タ モ く リ 不せ、 ケ 為 舞 ルきザ 台 衣ぬリ も 共 ども ケ 「 卜 レ 北 山 ばバ 許 かり 、 科 の中 こ 残り 将 」 の あ タ 廃 リ 怪 やし 屋 。 ム と ( 巻 デみな 二 見 かへ っ 十 返りて い 七 テ 見 る ・ ル が 第 、 七 ニ 、 ) 女. 死 体 が あ っ て 初 め て 鬼 が 意 識 さ れ る の で あ る 。 逆 に い え ば 、 死. に 想 像 す る の が ふ つ う で あ っ た 。 蔦 尾 氏 は 、. 鬼 は 人 を 食 う 。 バ リ バ リ 、 む し ゃ む し ゃ と 。 古 典 時 代 も 、 そ の よ う. 話 「 ま 在 ありは た 原 らの 、 業 なりひ 院 平 らの 政 ち 中 うじ 期 や成 将 うの 立 を 女 むな の 『 、お今 に 被に昔 噉 くら 物 鬼 はるる 語 語 こと 集 第 』 七 で 」 は が 、 『 伝 伊 え 勢 ら 物 れ 語 て 』 い 第 る 六 。 段 そ こ の で 類 、. 頭 を 取 っ て 食 し た た め に 「 女 鬼 」 と 呼 ば れ た と い う 記 事 が あ る 。. 二 年 ( 九 五 八 ) 閏 七 月 九 日 条 で は 、 「 一 狂 女 」 が 死 体 や 生 き た 病 人 の. 身 聞 三 首 で ) 『 一 は 。 」 、 三 と 松 い 樹 代 実 う 録 有 の 下 』 様 で 仁 で 鬼 和 あ に っ 食 三 年 た 。 わ ( 人 れ 八 間 た 八 の 婦 七 例 人 ) で は 八 月 は 、 あ 「 十 る 手 七 が 足 日 、 『 折 条 日 落 で 在 記 本 レ 紀 地 録 略 。 さ 』 無 れ 天 二 る 徳 其 風. 「 ら 唯 ただか 『 、 頭 しら 日 叫 と 本 ぶ 一 霊 こ つ 異 と の 記 が で 指 き と 』 の を 「にた 遺 のこ 女 ょに の し 人んで あ 、 のある 自 悪く 余 鬼き。 は に 皆 点 けが 噉 くら さ は れ る て 」 食く と あ 噉ら る は ( れ 中 し 巻 縁 ・ 」 第 三 で は 十 、. 鬼 に 食 わ れ て し ま う ( 大 原 郡 阿 用 郡 ) 。 一 口 に 食 わ れ た の で は な い か. く 動 あよ く 」 ( 見 つ か る か ら 動 か な い で ! ) と 叫 ん で 注 意 を 喚 起 し な が ら 、. 各教科書が挿絵として掲げる「異本伊勢物語絵巻」 [大修館 346]は、上図を掲げつつ、「学習のポイン ト」で、「ぞれぞれの場面は、本文のどの部分に当た るか、考えてみよう」と記す。この絵巻は近世の模本 であるが、原本は鎌倉期の作とされる。ここからも、 中世人が想像する「鬼が人を食う」場面は、「一口」 ではなく、かぶりつく姿であったことがわかる。 出典: 羽衣国際大学日本文化研究所編『伊勢物 語絵巻絵本大成 資料編』(角川学芸出版、2007 年)68 頁. −78− (9).
(11) 『 書 陵 部 本 和 歌 知 顕 集 』 ( 片 桐 氏 ・ 注 ( 1 5 ) 前 掲 書 ) 一 四 五 頁 。. 稿 者 の 見 た 十 一 種 の 教 科 書 に は 全 て 、 「 学 習 の 手 引 き 」 等 に 、 次 の. 六 、 男 と 女 の そ れ ぞ れ を 想 像 す る. け れ ば な ら な い と い う 必 死 さ は も ち ろ ん の こ と 、 や っ と 女 を 手. た の で あ る 。 女 を 盗 み 出 し た 男 は 、 無 我 夢 中 で あ っ た 。 逃 げ な. が 募 り に 募 っ た 結 果 、 女 を 盗 み 出 す と い う だ い そ れ た 行 動 に 出. た 。 そ れ で も 男 は 「 年 を 経 て よ ば ひ わ た 」 っ た の で あ り 、 そ の 思 い. ( 解 説 ) 男 に と っ て 女 は 「 え 得 ま じ か り け る 」 、 高 貴 な 存 在 で あ っ. 突 然 失 っ た 悔 し さ と 大 き な 悲 し み 。. と い う 【 乙 】 の 伏 線 だ か ら と 見 る べ き で あ る 。. ( 解 答 例 ) 長 年 思 い 続 け 、 必 死 の 思 い で 手 に 入 れ た 最 愛 の 女 を. ( [ 大 修 館 345. ⑴ 「 か れ は 何 ぞ 」 と い う 発 言 か ら 、 女 は ど の よ う な 身 分 と 考 え. 二 点 を 問 う て い る 。 こ の 二 点 が 第 六 段 の 理 解 上 の 要 だ か ら で あ る 。. ( 3 1 ). ] 指 導 書 ・ 二 三 三 ~ 二 三 四 頁 ). と 推 定 す る よ う に 、 「 鬼 一 口 」 が 、 藤 原 氏 の 兄 弟 が 女 を 取 り 返 し た. し た い ほ ど の 激 情 の 表 現 な の で あ る 。. 後 人 に よ る 付 加 で あ る と は 、 ま ず 考 え ら れ な い の で あ る 。. ば な ら な い 。 し た が っ て 、 現 行 の 本 文 に 拠 る 限 り 、 〈 後 人 注 〉 が. 食 ひ て け り 」 は 〈 後 人 注 〉 と 一 体 の 一 文 と し て 捉 え ら れ な け れ. 鬼 が 一 口 で 女 を 食 う 必 然 性 は な く な る た め 、 「 鬼 は や 一 口 に. 【 乙 】 の こ と ) の 記 述 が 存 在 す る か ら で あ る 。 〈 後 人 注 〉 を 欠 け ば 、. か っ た の に ) 」 と 詠 ん だ の は 、 文 字 ど お り 、 自 己 の 存 在 を も 否 定. か っ た の で あ る 。 「 消 え な ま し も の を ( 自 分 も 消 え て し ま え ば よ. や り 場 の な い 激 し い 悔 恨 に 地 団 駄 を 踏 ん で 泣 か ず に は い ら れ な. う と し た の で あ る 。 そ の 女 が 突 然 い な く な っ て し ま っ た 時 、 男 は. 女 を 愛 し て い た の だ 。 だ か ら 雷 雨 の 中 、 必 死 の 思 い で 女 を 守 ろ. −79− (10). そ れ が 敢 え て 描 か れ た の は 、 ひ と え に 〈 後 人 注 〉 ( = 稿 者 注 、. 他 の す べ て を 捨 て る 覚 悟 で あ っ た に 違 い な い 。 そ れ ほ ど 深 く 男 は. う な 異 例 の 表 現 が と ら れ た 理 由 は 、 右 を 承 け て 蔦 尾 氏 が 、. が 、 行 方 不 明 に な っ た と す る 都 合 上 、 「 一 口 」 な の だ と 述 べ る 。 そ の よ. と 、 実 際 に 鬼 が 食 い 殺 し た の で あ れ ば 骨 ・ 髪 な ど は 残 る は ず で あ る. か て 女 を 盗 み 出 し て 逃 げ た の で あ る 。 お そ ら く 女 と 引 き か え に. ( 解 説 ) 男 は 長 年 の 恋 を 実 ら せ る 最 後 の 手 段 と し て 、 危 険 を お. の 痛 切 な 悲 哀 ・ 悔 恨 。. に の 又 つ こ ひ や り と ち く る ち そ こ に の と し な 事 も ご も さ り あ す ( 3 と り 事 1 ) い は 。 ふ 。 か 、 事 み 鬼 も な の な ど 人 く は を な の く り こ ら た す ふ れ な に ば る も 、 ぞ 、 一 か ほ 口 し ね に 。 な く さ ど ひ る も て け り と は か き た る 也. ( 解 答 例 ) 女 を 失 う の は 自 分 自 身 を 失 う の に 等 し い と 思 う 、 男. 〱. ま ず ⑵ に つ い て 、 代 表 的 な 解 答 例 は 次 の よ う に 用 意 さ れ て い る 。. ⑵ 「 白 玉 か 」 の 歌 に 込 め ら れ た 男 の 心 情 は ど の よ う な も の か. ら れ る か.
(12) 戻 さ れ た と い う 現 実 を 認 め た く な い の で あ る 。. 『 源 氏 物 語 「 』 蜻 蛉 」 の 巻 に 、 匂 ・ 薫 の 二 人 に 求 婚 さ れ た 浮 舟 が 、 宇. で は な く 、 女 の 「 死 」 を 示 す 証 拠 は 何 一 つ な い の に 。. の な ら 、 な ぜ 周 囲 を 捜 索 し な い の だ ろ う か 。 女 の 体 や 衣 服 が あ る 訳. て 不 思 議 な の は 、 男 の こ の あ き ら め の 早 さ で あ る 。 女 の 姿 が 見 え な い. ら で は な く 、 そ う 思 い た い か ら で は な い か 。 男 は 、 高 子 が 実 家 に 連 れ. 男 は 女 が 鬼 に 食 わ れ た と 了 解 し た の か 。 そ れ は そ の 証 拠 が あ っ た か. と 、 遺 体 の 確 認 を 求 め る 態 度 が 当 然 な の で あ る 。 繰 り 返 す が 、 な ぜ 、. 愛 す る 者 の 失 踪 に 対 し て は 、 「 骸 を だ に 、 は か ば か し く を さ め む 」. 悲 痛 を 読 む こ と で は 共 通 し て い る 。 そ れ に 異 論 は な い が 、 稿 者 に と っ 八 ~ 二 〇 一 頁 ) 。. 両 書 と も 、 「 消 え な ま し も の を 」 に 自 己 を 否 定 し た い ほ ど の 絶 望 、 難 を 伝 え 、 葬 儀 を 早 々 に 執 り 行 う べ き こ と を 説 く ( 以 上 、 ⑥ ・ 一 九. ( [ 東 書 ] 指 導 書 ・ 一 六 九 頁 ) と 主 張 す る 。 こ れ に 対 し 、 体 面 を 重 ん じ る 侍 従 は 、 遺 体 の 回 収 の 困. −80− (11). っ た 女 の 最 大 の 魅 力 が 表 れ て い る と 考 え ら れ よ う 。. む 」 と の た ま へ ど 、. つ た 。 自 露 を 「 あ れ は 何 」 な ど と 間 う 童 女 の よ う な 振 る 舞 い は 、. の 脳 裏 に 浮 か ん だ の は 、 逃 避 行 の さ な か に 女 が 発 し た 問 い で あ. 消 え て し ま い た い 」 と い ぅ 思 い と な っ て 結 晶 す る 。 女 を 思 う 時 男. に 仕 「 え お て は い し た ま 侍 し 従 に は け 、 む 浮 方 舟 を 入 尋 水 ね の て 事 、か情 骸らを を 説 だ 明 に 、 す は る か 。 ば す か る し と く 母 を は さ 、 め. っ て 、 女 二 宮 方 の 者 に よ っ て 拉 致 さ れ た 可 能 性 を 疑 う 。 そ こ で 、 浮 舟. と 、 薫 の 正 室 ・ 女 二 宮 「 ( 恐 ろ し と 思 ひ き こ ゆ る あ た り 」 ) の 嫉 妬 を 買. 男 の 必 死 さ と は 対 照 的 で あ る 。 こ こ に 、 男 が 焦 が れ て や ま な か. ら 惨 事 に 気 づ け な か っ た 悔 し さ 、 女 を 失 っ た 悲 し さ は 、 「 自 分 も. た ば か り た る 人 も や あ ら む と 、 下 衆 な ど を 疑 ひ 、. ……. ] 指 導 書 ・ 二 三 三 頁 ). こ こ で 改 め て 、 「 学 習 の 手 引 き 」 の ⑴ 、 「 か れ は 何 ぞ 」 と い う 発 言 か. 治 川 に 身 を 投 げ た 後 の 、 残 さ れ た 者 の 対 応 を 描 い た 場 面 が あ る 。. ……. 名 家 の 深 窓 に 育 っ た 姫 君 。 ( [ 大 修 館. ら 、 女 の 描 か れ 方 を 問 う こ と を 考 え る 。 解 答 例 は 、. 浮 舟 と は 別 居 し て い て 事 情 を 知 ら な い 母 は 、 浮 舟 の 失 踪 に 対 し 、 昔. 333. 極 め て 高 貴 な 身 分 で 、 深 窓 に 育 っ た 女 性 で あ る と 考 え ら れ る 。. 345. そ れ は 、 「 女 の え 得 ま じ か り け る を 」 〔 四 四 ・ 1 〕 や 、 夜 露 を 見 て. 物 語 の よ う に 鬼 に 食 わ れ た か 、 と 思 う 。. 、、、、. た と ひ に か 、 さ や う な る こ と も 言 ふ な り し 、 と 思 ひ 出 づ 。. く 身 も を の 投 や げ と た り ま も へ ら て ん 去いと ぬ も ら 思 ん ひ 、 も い と 寄 昔 ら 物 ず 語 、 の 鬼 あ や や 食 し ひ き つ も ら の ん の 、 事 狐 の め. う と し た あ た り に は 、 鬼 が ひ そ ん で い た の で あ る 。 近 く に い な が. 乳 母 や う の 者 や 、 か う 迎 へ た ま ふ べ し と 聞 き て 、 め ざ ま し が り て 、. ろ う 。 し か し そ の 夢 は 一 瞬 で 破 ら れ て し ま う 。 男 が 夜 を 明 か そ. さ て は 、 か の 恐 ろ し と 思 ひ き こ ゆ る あ た り に 、 心 な ど あ し き 御. に 入 れ た と い う 、 ま さ に 夢 の 中 に い る よ う な 高 揚 感 も あ っ た だ. し か し 、 こ の 母 は す ぐ に 実 際 的 な 思 考 を 取 り 戻 し 、.
(13) ―. 五 年 二 月 ) 一 八 三 頁 。. う 一 歩 踏 み 込 ん で 、 女 の 心 情 に つ い て 想 像 し て み た い 。. 七 、 駆 落 ち し な い 女 と で き な い 男. 「 か れ は 何 ぞ 」 か ら 直 接 的 に い え る こ と は こ の 程 度 で あ る が 、 も. あ と も 。 ア ン ナ っ て な ん て ば か な ん だ ろ う ? も う い や だ 。 そ ん. 両 親 も 、 そ し て. ――. ほ ん と う に ア ン ナ に そ ん な こ と が で き る な ら 。 ( 傍 点 原 文 ). な こ と を や ろ う も の な ら 、 ぶ っ て や り た い 。. な に も か も 。 あ あ 、 そ れ か ら 将 来 も 、 そ の. ぼ く は な に も か も 放 り だ さ な け れ ば な ら な く な っ て し ま う ん だ 。. で も 。 そ う 思 う と 、 彼 は 腹 が 立 っ て き た 。 そ う し た ら ぼ く は ?. た い ど こ へ 行 こ う と し て い る の か ? ど こ で も よ か っ た の だ 。 ど こ. か 打 ち 明 け た こ と が あ る か の よ う に 、 あ れ こ れ 考 え て み た 。 い っ. い っ た い ど こ へ 行 く と い う の だ ろ う ? ア ン ナ が ぼ く に ど こ へ 行 く. う よ り も 、 そ の 風 雅 さ に 「 最 大 の 魅 力 」 ( 同 ) を 感 じ て い た の だ ろ う 。 と こ ろ が 、 手 段 を 具 体 的 に 考 え た 時 、 彼 の 心 は 急 速 に 冷 め て ゆ く 。. び た 言 葉 づ か い を 嫌 う 。 「 童 女 の よ う な 振 る 舞 い 」 ( 前 掲 指 導 書 ) と い. ん だ 、 と 思 っ た 。. −81− (12). に 見 ら れ る よ う に 、 み や び な 発 想 を す る 女 を 好 み 、 生 活 臭 や 田 舎. 彼 は ひ ど く う れ し か っ た 。 ア ン ナ は か ん ぜ ん に ぼ く の も の に な る. か な っ た 発 想 と い え る 。 『 伊 勢 物 語 』 の 男 は 、 第 十 四 段 や 第 二 十 三 段. る 。 あ の 娘 は ぼ く を 頼 り き っ て い る 。 だ か ら 守 っ て あ げ な け れ ば 。. 稿 』 が 網 羅 的 に 指 摘 す る よ う に ( 一 一 三 頁 ) 、 当 時 の 詠 作 の 風 潮 に. 動 し て い た 。 彼 は ふ い に 、 じ ぶ ん が 大 人 に な っ た と 感 じ た の で あ. る こ と に 女 の 発 話 意 図 を 認 め る な ら ば 、 石 田 譲 二 『 伊 勢 物 語 注 釈. 彼 は な ん だ か 解 放 さ れ た よ う な 気 分 だ っ た 。 心 臓 は 激 し く 鼓. 男 の 歌 と 合 わ せ て 、 「 草 の 上 に 置 き た り け る 露 」 を 「 白 玉 」 に 見 立 て. と い っ た も の だ が 、 〈 高 貴 な 女 性 〉 と い う 答 え は 【 乙 】 が あ っ て ( 3 は 2 ) じ 。 め て. 時 の 汽 車 で 共 に 逃 げ る こ と を 提 案 さ れ る 。 そ れ を 読 ん だ フ リ ッ ツ 。. 人 は 駆 落 ち を 約 束 す る が 、 そ の 直 後 の ア ン ナ か ら の 手 紙 で 、 明 朝 六. 導 き 出 せ る も の で 、 【 甲 】 の み か ら は 無 理 と い う 批 判 も あ る. 年 フ リ ッ ツ は 、 誰 も い な い 夕 方 の 教 会 で 、 少 女 ア ン ナ と 愛 を 語 る 。 二. 何 か と 尋 ね た 記 述 ( 「 草 の 上 ( に [ 東 書 男 に 問 ] ひ 指 け 導 る 書 。 」 ・ 〔 一 四 六 四 九 ・ 頁 4 ~ ) 6 〕 ) か ら 分 か る 。. 333. 結 論 的 に 述 べ る と 、 女 は 心 変 わ り し た の で は な か ろ う か 。 翌 朝 、. …. と い う こ と で は な い か 。. も ぬ け の 殻 の 倉 の 奥 を 見 た 男 は 、 全 て を 悟 っ た 。 そ れ ゆ え 、 男 は こ の. ( 3 3. ) 『 リ ル ケ 全 集 』 第 6 巻 ( 伊 藤 行 雄 訳 、 河 出 書 房 新 社 、 一 九 九 〇. 、、、、、. 年 ) に よ る 。 な お 本 話 は 、 森 鷗 外 に よ っ て 翻 訳 ・ 紹 介 さ れ て い る 。. 教 材 と し て い か に 古 典 を 伝 え る か. 女 の 姿 を 追 う こ と を し な か っ た. ……. ‐ 二 、 二 〇 一. 稿 者 の イ メ ー ジ す る 「 心 変 わ り 」 と は 、 次 の よ う な も の で あ る 。. 日 高 愛 子 「 「 芥 川 」 小 考. ―. 」 『 ( 佐 賀 大 学 文 化 教 育 学 部 研 究 論 文 集 』 一 九. ( 3 2 ). あ る ( 短 編 集 『 人 生 に 沿 っ て 』 に 収 載 ) 。 冒 頭 、 ギ ム ナ ジ ウ ム に 通 う 少. オ ー ス ト リ ア の 詩 人 、 R ・ M ・ リ ル ケ に 「 駆 落 ち 」 ( 3 3 ). と い う 小 説 が.
(14) に 不 可 欠 な の は 、 双 方 の 一 貫 し た 意 志 、 お よ び 、 女 の 助 力 に よ. も る し 見 と に と せ に 、 思 よ 、 ろ ひ 。 こ ん け さ の な れ い 宮 く ふ を 人 ど や 、 据す追 さ う ゑ ひ る あ た て べ り て 来くき 』 ま ら に と つ む や 仰 り と あ せ て 思 り ら 、 れ 勢 ひ け け 多 て む れ 、 の 、 そ 負おば 橋 の ひ 、 を 夜 た か 一 ひと 、 て し 間ま勢 ま こ ば 多 つ く か の り お り 橋 てくそ こ の 下だろ. で は な く 、 世 俗 的 物 質 的 な 次 元 で の 夫 婦 関 係 の 社 会 的 承 認 を い う. 場 合 は 美 し い 話 に な ら な い ) 。 そ の 「 成 功 」. こ こ で は 霊 的 な 次 元. れ ひ ば つ 、さる 酒かこ 壺 つぼ と の い こ ま と 一 を か い へ ま り 一 、 わ か れ へ り に 申 い ひ し て け 開 れ か ば せ 、 『 よ わ 』 れ と 率ゐ仰 て せ 行 ら き れ て け. れ る も の で あ る ( 身 分 が 高 い 男 は そ の 必 要 が な く 、 中 年 以 上 の 男 の. の 若 さ ゆ え 、 女 と 結 ば れ る の に 十 分 な 社 会 的 地 位 が な い た め に な さ. と お 召 ぼ し さ け れ れ け ば れ 、 ば か 、 し 御 こ 簾 ま を り お てかし 高う上 欄 らん げ の て つ 、 ら 『 に あ 参 の り を た の り こ け 、 こ れ ち ば 寄 、 『 れ い 』. そ も そ も 、 伝 統 社 会 を 描 い た 文 学 作 品 に お け る 駆 落 ち と は 、 男. 東 に 下 る 第 九 段 へ の 展 開 が 、 自 然 に 感 じ ら れ る の は そ の た め で あ る 。. れ か に り 、 て い 御 か 覧 な るひず る 瓢 さご に の 、 、 こ い の か を に の な こ び の く 、 な か ら く む ひ と と 、 り い ご み つ じ を う 、 ゆ い と か あ し は く. た 時 の 自 己 嫌 悪 は 大 き か っ た 。 男 が 「 身 を え う な き 物 に 思 ひ な し て 」 、. で 身 を 固 め て い る 。 男 の 場 合 は 、 そ の 気 負 い の ゆ え に こ そ 、 女 を 失 っ. ま や ふ き 、 け た る だ を ひ 、 と そ り の 御み時 簾す、 の み き か は ど に の 立 御 ち む 出 す で め た 、 ま い み ひ じ て う 、 か 柱 に し よ づ り か か れ た. 口 に を 」 る と あ り 、 当 初 の フ リ ッ ツ と 同 じ く 、 若 者 ら し い 庇 護 者 意 識. 東 吹 け ば 西 に な び く を 見 で 、 か く て あ る よ 』 と 、 ひ と り ご ち つ ぶ. −82− (13). こ の 両 話 に は 、 共 通 点 も あ る 。 第 六 段 の 男 は 「 弓 ・ 胡 簶 を 負 ひ て 戸. ば 北 に な び き 、 北 風 吹 け ば 南 に な び き 、 西 吹 け ば 東 に な び き 、. 女 の 方 が 「 も う い や だ 」 と 思 っ た の で は な い か 。. 変 わ り も あ る だ ろ う 。 『 伊 勢 物 語 』 第 六 段 で は 、 フ リ ッ ツ で は な く 、. く を り 掃 据すく ゑ と た て るさ、 『 酒かな つ 壺ぼど に や 、 苦 さ し し 渡 き め し を た 見 る ひ る た ら え む のひ、 わ 瓢 さご が の 国 、 に 南 七 風 つ 吹 三 け つ つ. 駆 落 ち し な い 男 で あ る 。 そ し て 、 男 の 心 変 わ り が あ る な ら 、 女 の 心. る 。 し か し 、 そ れ に 値 し な い 彼 は 、 自 ら の 言 葉 を 裏 切 る 。 彼 は い わ ば 、. 、、、. っ て 、 駆 落 ち の 原 因 と な っ た 男 の 地 位 の 不 足 を 埋 め る こ と で あ る 。 こ. ―. の 二 条 件 を 備 え な い 駆 落 ち は 、 悲 劇 に 終 わ ら ざ る を 得 な い 。. ―. フ リ ッ ツ と ア ン ナ の 「 駆 落 ち 」 、 そ し て 『 伊 勢 物 語 』 第 六 段 で は 、 双. 火 こ た れ き は 屋 い の に 人 し へ た た く け 衛ゑし 士じば に と さ い し ふ た さ て か ま な つ り り 。 た 国 り の け 人 る の に あ 、おり 御まけ 前へる の を 庭 、. 排 除 さ れ て い る 。 他 方 フ リ ッ ツ は 、 少 女 の 庇 護 者 た る 自 ら を 夢 想 す. に 、 筆 者 が 帰 京 の 途 次 、 武 蔵 国 で 聞 い た 話 が 収 め ら れ て い る 。. 一 九 世 紀 の 貧 し い 少 女 で あ る ア ン ナ は 、 近 代 の 自 由 や 平 等 か ら は. 「 女 の 助 力 」 と は ど の よ う な も の か 。 菅 原 孝 標 女 の 『 更 級 日 記 』 中. て 走 り 去 る の だ っ た 。. 加 え て 、 第 六 段 に は 、 第 二 の 条 件 、 す な わ ち 、 女 の 助 力 も な い 。. 翌 朝 、 駅 に ア ン ナ の 後 ろ 姿 を 見 て 驚 愕 し た フ リ ッ ツ は 、 町 に 向 か っ 方 の 一 貫 し た 意 志 と い う 、 第 一 の 条 件 が 欠 け て い た 。.
(15) 【 凡 例 】. 失う家 国 国 せ を を を た 内 だい 預 預 ま 裏りけ け ひ の た と に ご て ら け と ま せ れ く つ て ば 造 ら 、 、 り せ お 寺 て た ほ に 、 ま や な 住 ふ け し ま 』 よ ご た せ し と る た の も を て 宣 せん な 、 ま 旨じさ た つ 下 せ け り じ し け り 。 に る た ば け 家 だ 寺 れ と を ば 、 宮 い 、 に ふ 宮 、 こ な な の そ の り ど 。. ]. 【 1 行 空 き ( 】 せ き や ゆ い ち / 旭 川 工 業 高 等 専 門 学 校 ・ 非 常 勤 講 師 ). 丹 念 に 想 像 す る こ と を 求 め る 本 作 品 を 、 有 効 に 活 用 し た い 。. 今 日 の 高 校 生 も 興 味 を 持 ち 得 る 素 材 で あ る 。 両 者 の 心 情 の 変 化 を. も を あ 罪 ら し ず て 。 も た 、 け 今 し は ば こ の の を 宮 の を こ と に り 、 返 生 し け 都 ら に む か 世 へ の し か た ぎ て り ま 、むつ 武さる 蔵しべ き の に. を 求 め 、 そ の 周 到 な 文 体 は そ れ を 可 能 と す る 。 男 女 の 愛 の 逃 避 行 は 、. 簡 潔 な 文 体 を 持 つ 『 伊 勢 物 語 』 は 、 読 む 者 に 、 行 間 を 補 う 想 像 力. 『 か く な む あ り つ る 』 と 奏 し け れ ば 、 『 い ふ か ひ な し 。 そ の を の こ. よ 宿 』 世 と 仰 こ そ せ あ ら り れ け け め れ 。 ば は 、 や い か は む へ り か て た お な ほ く や て け 、のに 上ぼ、 り こ て の 、 よ み し か を ど 奏 に せ 、. た 「 駆 落 ち で き な い 男 」 の 孤 独 と 絶 望 を 浮 き 彫 り に し て い る 。. 積 極 的 な 意 義 が あ り 、 そ の 落 差 こ そ が 、 状 況 ( と 女 ) か ら 疎 外 さ れ. る 。 「 芥 川 」 の 位 置 や 、 女 の 消 失 原 因 を め ぐ る 両 者 の 表 現 の 相 違 に は 、. す く せ. の よ う な 瓢 が 、 ど の よ う に な び く の か 、 見 て み た い 」 と 思 い 、 男 に 命 じ. て 気 楽 に 暮 ら し て い た い 、 と う た っ て い た 。 そ れ を 聞 い た 皇 女 が 、 「 ど. け そ 定 身 『 ず れ 的 分 竹 伊 、 が な の 芝 勢 自 な 相 低 伝 物 ら い 違 い 説 語 の と は 男 と 意 い 、 が 』 第 『 志 う 前 背 、 六 も 点 者 負 伊 段 示 だ に っ 勢 は て 物 さ 。 六 は 、 【 な 段 強 逃 語 甲 烈 亡 』 い 】 * 。 の な す 第 【 ・ 女 た る 六 乙 だ は 女 、 段 の 、 と 】 * 、 を 叫 た 意 い に は 合 び だ 志 う 、 わ 、 高 と 共 世 泣 貴 助 通 間 せ く で 力 点 知 て 読 だ あ が が ら け る あ あ ず む な だ り る こ と の け 、 。 な で で 後 し 高 を あ 、 者 か 貴 求 る 男 に し な め 。 を は 、 姫 て 助 決 を い 、. 「 竹 芝 伝 説 」 と し て 知 ら れ る 話 で あ る 。. わ い れ み は じ い く か こ で こ あ あ れ り と よ 。 く こ お れ ぼ も ゆ 前 さき 。 の こ 世よの に を 、 の こ こ の 罪 国 し に 、 跡 れ を う た ぜ る ら べ れ き ば 、. −83− (14). 夜 で こ こ 着 の の い を 皇みて の 女こし こ 、 ま の お う 家 ほ 。 ゆ や そ か け こ し 使 づか に ひ、 く て を 父 、ゐ召 帝 率 し の て て 使 行ゆ、 『 い け わ が と れ 追 い さ 手 ひ る と し べ し か き て ば に 迫 率ゐや る て あ 。 来 り た け り む 。 、. て 自 ら を 背 負 わ せ 、 駆 落 ち し た 。 男 は 超 人 的 な 力 を 発 揮 し 、 七 昼. 昔 、 火 炊 き 屋 の 衛 士 と し て 徴 発 さ れ た 武 蔵 国 の 男 が 、 瓢 を 眺 め. 七 なぬ ほ 日かち 七 なな て 夜よ、 そ と れ い を ふ 飛 に 、むび 武さ越 蔵しえ の て 国 、 に こ の 行い宮 き を 着 か き き に 負お け ひ り た 。 て ま つ り て 、. 武 蔵 国 を 与 え ら れ 、 自 宅 を 内 裏 の 用 に 造 り な し て 住 ん だ 。 以 上 は 、. 父 帝 に そ の よ う に 申 し 上 げ よ 、 と 。 こ の 後 、 男 は 課 役 を 免 除 さ れ 、. ……. [. 一 、 最 新 の 「 国 語 総 合 」 教 科 書 二 十 四 冊 を 、 次 の 略 称 で 表 わ す 。. ……. 皇 女 は 使 い を 呼 び 、 断 言 す る 。 こ れ は 自 分 の 命 令 し た と こ ろ で あ. る 。 武 蔵 国 か ら 帰 る つ も り は な い 。 こ れ も 宿 世 な の だ 。 早 く 帰 っ て 、.
(16) 大 修 館 『 国 語 総 合 改 訂 版. 教 育 出 版 『 新 編 国 語 総 合 』. 教 育 出 版 『 国 語 総 合 』. 教 育 出 版 『 精 選 国 語 総 合 古 典 編 』. 古 典 編 』. 三 省 堂 『 明 解 国 語 総 合 [ 改 訂 版 ] 』. 332 ―. 大 修 館 『 精 選 国 語 総 合 新 訂 版 』. ]. 333 ―. 337 ―. 大 修 館 『 新 編 国 語 総 合 改 訂 古 版 典 』 編 』. ] ]. 335 ―. 338 ―. 数 研 出 版 『 改 訂 版 国 語 総 合. ] ] ]. 339 ―. 古 典 編 』. 数 研 出 版 『 改 訂 版 高 等 学 校 国 語 総 合 』. ] ] ]. 341 ―. 数 研 出 版 『 新 編 国 語 総 合 』. [ [ [ [ 三 東 東 東 省 書 書 書 堂. 342 ―. 明 治 書 院 『 新 精 選 国 語 総 合. [ 三 省 堂. 345 ―. 明 治 書 院 『 新 高 等 学 校 国 語 総 合 』. [ [ [ [ [ 大 教 教 教 三 修 出 出 出 省 館 堂 343 ―. 典 第 筑 筑 編 一 摩 摩 』 学 書 書 習 房 房 社 『 『 『 国 精 高 語 選 等 総 国 学 合 語 校 改 総 改 訂 合 訂 版 版 』 古 典 新 編 訂 [ 国 改 語 訂 総 版 合 ] 』 古. 346 ―. ] ] ] ] ] ] ] ]. 347 ―. 349 ―. 350 ―. 351 ―. 353 ―. 354 ―. 356 ―. 357 ―. 359 ―. [ [ [ [ [ [ [ [ [ [ 第 筑 筑 明 明 数 数 数 大 大 一 摩 摩 治 治 研 研 研 修 修 館 館. ] ] ]. 東 東 東 三 版 三 京 京 京 省 ] 省 書 書 書 』 堂 籍 籍 籍 堂 『 『 『 『 『 精 高 国 精 新 選 等 語 撰 編 国 学 総 国 国 語 校 合 語 語 総 国 総 総 合 語 古 合 合 [ 総 典 』 』 改 合 編 訂 』 版 古 ] 典 』 編 [ 改 訂. 学 大 系 』 ( 岩 波 書 店 ) に よ る 。. 一 、 『 拾 遺 集 』 ・ 『 金 葉 集 』 『 ・ 今 昔 物 語 集 』 の 引 用 は 、 『 新 日 本 古 典 文. 店 、 二 〇 一 六 年 ) に よ る 。. −84− (15). 一 、 『 伊 勢 集 』 の 引 用 は 、 秋 山 ・ 小 町 谷 ・ 倉 田 『 伊 勢 集 全 釈 』 ( 角 川 書. 源 氏 物 語 』 ① ~ ⑥ ( 小 学 館 、 一 九 七 〇 ~ 七 六 年 ) に よ る 。. 一 、 『 源 氏 物 語 』 の 引 用 は 、 阿 部 ・ 秋 山 ・ 今 井 『 日 本 古 典 文 学 全 集. 六 四 年 ) に よ る 。. 一 、 『 伊 勢 物 語 』 の 引 用 は 、 大 津 有 一 『 伊 勢 物 語 』 ( 岩 波 文 庫 、 一 九. [ [ [ [ 桐 第 第 第 原 一 一 一 360 ―. 一 、 『 古 事 記 』 ・ 『 出 雲 国 風 土 記 』 『 ・ 日 本 霊 異 記 』 『 ・ 更 級 日 記 』 の 引 用. 361 ―. は 、 『 新 編 日 本 古 典 文 学 全 集 』 ( 小 学 館 ) に よ る 。. 362 ―. 一 、 『 延 喜 式 』 ・ 『 三 代 実 録 』 ・ 『 日 本 紀 略 』 の 引 用 は 、 新 訂 増 補 国 史. 364 ―. 大 系 ( 吉 川 弘 文 館 ) に よ る 。. ] ] ] ] 桐 原 書 店 『 新 探 求 国 語 総 合 古 典 編 』. 第 一 学 習 社 『 高 等 学 校 改 訂 版 新 編 国 語 総 合 』. 第 一 学 習 社 『 高 等 学 校 改 訂 版 標 準 国 語 総 合 』. 第 一 学 習 社 『 高 等 学 校 改 訂 版 国 語 総 合 』.
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