Title
フェリドマン著『展望計画作成の分析的方法』
Author(s)
G. A. フェリドマン; 池田, 博俊(訳)
Citation
沖大経済論叢 = OKIDAI KEIZAI RONSO, 22(1): 37-56
Issue Date
2000-03-17
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/6861
フェワドマン著
『展望計画作成の分析的方法」
(訳注①)訳:池田博俊
(沖縄大学法経学部助教授)
とも使えるのである。 その自然的`性質によって集計できない対象をと らえることはさらに難しい。しかし、われわれが ひとたび生産にかかわっている生産要素の自然的 諸量間の比率を規定している諸法則の確定へ-歩 進むとすれば全複合体それ自体の内部での相互比 較に突き進まなければならない。 たとえば蒸気機関とそれを作っている工作機械 がある。ここからすでに物理的に不可測な様々な 対象の一般的尺度の必要性が惹起する。この必要 性は社会的総生産、あるいは様々な国々の国民総 生産を比較する際に、それを使用価値の観点から 比較するにしても、物理的生産量の観点から比較 するにしてもさらに強く求められている。(この 概念をわれわれは後に明確にするであろう) この一般的尺度にたいしてわれわれはいかなる 条件を要請すべきなのか?唯一の条件とは、その 尺度が同一の、常に同一の量を表すということで ある。 困難の一切はまさにわれわれを取り巻く諸使用 価値のなかでわれわれの一般的尺度によって何を 測定するのがよいのかを決定するというところに ある。 この問題に対して絶対的な厳密ざをもって答え る必要があるとすれば、次のように答えることに なるであろう。すなわち、この場合社会的生産は つぎの三つの視点からのみ接近できる。 1)任意の歴史的時点における社会的富の生産 に社会的に事実上支出された労働という視点 2)任意に選び出す一定の歴史的時点において 有用性という点で同等なその社会的富の生産に必 要な労働という観点 3)任意に選び出す一定の歴史的時点において、 物的形態および規模の面で同等な社会的富の生産第一章計画化の分析的方法の経済学
的基礎
本論を展開するにあたってまず述べておかなけ ればならないことは次のような事柄である。ソビ エト経済は基本的に、そしてとくに第一に国民所 得分配の領域においては主体的な経済体制である がゆえに、われわれが物質的発展の経路を決定す るにあたってまづ第一に重要なことは、様々な “非主体的,,経済体制の発展を規定している諸法 則を考慮にいれることではなく、いかなる社会体 制にも通ずる自然的法則、特に生産法則を考慮に いれることが何よりもまず、主として必要なこと である。 生産におけるこの諸比率は何らかの物理法則に おける諸物理量間の比率のように固定的で、非弾 力的なものであろうか?決してそうではない。例 をあげれば、労働生産性は同じ条件下にある2つ の異なる企業をとっても労働者と経営者の主体的 性質によって色々と異なりうるのである。 同様な理由により、生産物一単位あたりの金属 と燃料の消費量は異なるものである。そして、主 体的経済体制における社会的生産の発展において 立証しうる法則は、実際に観察できない場合は弾 力性のない比率をそのうちに含めたり、定めたり することはできない。だからわれわれは経済的フォー ミュラの中に含まれる係数に不変的係数の特性を 書き加えるはできない。 生産要素の自然量の比率いかに移るいやすいも のであろうとも、それらは決して捉え難いもので はなく、われわれは鉄1トンに必要なコークスの 消費量やコークス1トンの生産に必要な労働時間 の支出を規定している係数をあまり深く考えなく 37に社会的に必要な労働という視点(物的生産量) われわれの生活が社会化される度合いに応じて、 これらの富の環は順に広がっていく。しかし、先々 の推論のためには社会的に必要な生産の結果であ るあらゆる富を計算に入れなくてはならない。 以上に述べられた観点からすると、労働支出に 基いてすべての生産要素を算定するのが他の方法 にくらべて正当である様に思われる。 しかしそのような集計は実行されないだろうし、 実際上の観点からしてわれわれは労働支出をある 程度反映している国富の価格表示で満足しなけれ ばならない。それゆえ以下の叙述のうちに価値的 (UeHoBblii)(訳註②)表現での演算をする がそれは歴史的カテゴリーすなわち価値(UeH HOCTb)(訳註②)を考慮しているものでは ない。 「価値」(UeHHocTb)という言葉を便 宜的に用い、恐らくは計算可能で評価可能なもの のすべてを考慮にいれるのである。 資本主義経済においてつねに破壊されている均 衡とバランスの条件を表現しているマルクスの表 式は、その要素を労働支出で表現した場合には、 労働が規定的要因になっている社会的再生産なら どんなものをとっても労働支出のバランスに役立 つことは容易に理解できる。この表式が量的表現 においてバランスを保持するには労働生産`性が一 定であるとか、それぞれの時点における労働生産 性で全生産要素を換算する必要がある。われわれ が後ほどマルクスの価値表式から導き出すであろ う論理連関の方程式(数理的形式)はあらゆる生 産要素を労働支出において表現するとすれば設定 できる表式、形式的にはそのような表式にまで応 用可能であろう。 したがって、以下の叙述はすべてマルクスの価 値表式にもとづいていてなされるが、それは価値 表式が労働表現のある種の代用物としてのみ役立 つということをつねに考慮にいれて行われるもの とする。 バランス(訳注③)はすべての価値(UeHa) (訳注④)が適切に集計きれるという条件におい てのみ明らかになる。 しかしながら、マルクスの表式においては、価 値単位においてのバランスが存在するか否かにか かわらず、均衡の条件だけでなく全価値の変動も 与えられているのである。資本主義経済のもとで の生産の連続性の視点からすれば「非バランス」 (He6aJIaHc)は恐慌を意味する。計画経 済のもとでの「非バランス」(He6aJIaHC) は様々な合理的判断に基づく事情しだいで起こり うるがそれは恐'慌を意味するものではない。 われわれの以下の分析は、まず実行可能なバラ ンスを前提として進められるであろう。われわれ が最終的に得た諸方程式はバランスが崩壊してい る場合でも間違いなく応用可能なものである。 ほとんどすべての価値はすべての価値系列を 逐次に加工(nepepa60Tka)し綜合 (COqeTaHIIe)したものである。 すべての(財・商品の-訳注)価値は、前に生 産きれた対象のそれに移転きれた価値と新たに生 産された価値からなる。移転きれた不変資本(の 価値)部分と可変資本価値はそれぞれの対象の価 値構成の中に入る。すべての直接的労働過程によっ て生み出されるものは 労働者の手の内にある生産手段と生産用具の変 形の結果としての新価値のみである。この事実を 確認することにより、新しく生み出された価値が 生産物の労働過程の-段階にとって最終価値と最 終生産物の価値に移転される限りにおいてその生 産物において利用された全生産手段の価値との抽 象的差であるという不可避的結論に進む}のである。 計測器が物理的過程それ自体の構図(CxeM a)の連続性、相互依存性を変更することはない。 労働生産性は上に述べられたとおりその素材的 表現かもし〈は不変価格での表現において新しく 形成された価値の支出された労働に対する比とし て定義される。 価値計算においてその新価値部分の計算にはひ とつの困難が現れることに注意しなければならな い。生産技術の改良によってまったく新しい労働 過程が起こるが、これはまったく新しい生産段階 を持ちうる。価値を計算するのにもちいられてい る不変価格表示(使用価値ないし物理量)がさし あたって存在しないような対象にどのような価値 評価をすべきかという問題である。類似の対象を 価値変化させて計算することにもとづく指数法以 外になく実践的目的のためにはそれで十分である と思われる。この計算のもうひとつの特殊性にも こんどは注意を向ける必要がある。 上述したことがらのなかで、われわれは新しく 生み出された価値は素材形式と内容を持つことを 38
指摘した。厳密に言うとそれの尺度はそれが生産 された年の価値比率によってのみ規定されるので ある。 マルクスに従って、新しく生産された価値は二 重の表現を持っていることを思い起こそう。それ ぞれの個別生産ではそれは総生産物の価値と、こ の総生産物の中に移転された旧生産物価値との差 である。他方交換過程においては新しく生産され た価値は人間に消費される生産物生産自身を拡大 するための基礎として前から存在していた設備や 生産手段に結合される新しい設備や生産手段の形 で徐々に結実する。 問題の簡単化のために当面は生産局面から全く 切りはなして直接的個別的消費の局面を考えてみ よう。この場合われわれは蓄積されている直接的 利用の消費手段の摩損を考慮に入れないであろう。 (それらが物理的に割にあわなくなったことから 捨てられている使用価値は、再生産価格それ自身 によって計算されるべきで、それらがその生産過 程にあるかどうかには無関係に新たに設置きれた 設備の価値から計算されねばならないことは自明 のことと思われる。) 個人的直接的消費の価値と、以前に生産きれた フォンドに新たにつけ加えられた価値の合計は国 民所得であり、一定期間に新たに作られた価値で ある。これによって個々の生産において新たに形 成された価値の基準が設定される。約言すれば、 全生産の計算価値にバランスは与えられた観察期 間に存在する具体的価値比率の適用においのみ緊 密化きれるのである。 このようにして、個々の生産において新たに形 成きれた全価値の合計を国民所得に等しくするた めには、われわれが観察している年の価値比率に よってこの両者を規定しなければならない。 このように新形成価値をその年の価格比率によっ て規定してのみ、それを効用や物理的量による尺 度としてわれわれがとった不変価格に換算するこ とができるのである。 だから、その発展の「自然的法則」の規定のた め、社会的生産のすべての物的要素を規定して、 社会的生産のメカニズム自身の明確な表象、いい かえれば、そのシェーマを作りあげなくてはなら ない。これこそマルクスが資本主義的生産法則の 分析を行った時や、何らかの物的過程を追究した 人々のすべてがたつどた道である。 図解が最も理解しやすいと思われるので、われ われの分析ではそれを利用する。(第1図)(訳注 ⑤)
「棗T国-1
産手段生産のための賢才騒至颪ラヲE両ラ實;祠
消費手段生産のための資 千0001(OOoliIjo 16 !/”oW7rD 。〔ユースSY7O 。〔ユースSY7O Cl=qOoD ---------P---- Cl=qOoD ---------P---- L=ケタo GoOjii三7両~厩三
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C=坊CO V=1750 lvl-(△C+△V)=lIoo -4C二F00 △V=150-われわれが推進している理論の基礎にはもちろん マルクスの拡大生産表式をとり、それの図解を挙 げながら、同時に矢印を利用する。古典的になっ た次のマルクスの拡大生産表式を基礎におく。 40000+1000V,+1000m,=6000Wl 1500C2+750V2+750,2=3000W2 壊条件を表現するという基本的目的をもっており、 だからこそ、現在(当所)の生産期間中に新たに 作られたものだけでなく、以前の生産物からの遺 産として新生産物中に移行したものを含めた全社 会に回転する価値の構造を表現しているのである。 資本主義体制の特殊な矛盾、不変資本と可変資 本の性質に結びついた、消費成長と生産力の成長 との常に新たに再生産きれる不照応は、マルクス をして、全生産を生産手段と消費手段に分割する 気をおこさせたのである。この市場関係の基本的 方向は、マルクスの分析的表式で独自の表現を得 た。 しかしながら、社会的総生産の表式はただちに 上にあげた表式にかぎられるとは言えない。われ われは図でマルクスの分析表式に資本をそれぞれ の数量で配分することで補充し、 その構造(不変、可変資本)を示したが、その 成長の構造も示したのである。 マルクスの表式において、新たに形成された価 値をとり出すことができるが、それを蓄積部分及 び直接的、個人的消費部分にわけることは、分析 的形式にせよ、図式的形式にせよ表式の次の発表 を要求する。 マルクス表式の発展的形態が、次のようなわれ われの構図と照応した形で表きれる。(簡単化の ため数字は省略)(原注1) (以下原注1) Cl+Vl+」Cl+dV1+mpl=W1 C2+V2+dC2+」V2+mp2=W2 この際Vl++dVl+mpl=C2+』C2 そうすると国民所得に等しい新形成価値の集計は次 のような式で表される D=』Cl+△C2+dV1+△V2+Vl+V2++mp2 +mPl 生産フオンド(資本)を増加させるための国民所得 部分は Du=。C1+JV1+dC2+』V2=』C+□V 当該の生産期間で直接的個人的消費に向けられる国 民所得部分は次の式で表される Dp=V1+V2+mpl+mp2=V+mp 5500C+1750V+1750m=9000W マルクスの例は全資本価値が生産物価値に移転 されるという前提に立っている。 このことは、原理的に生産過程の図式に関して は、変更なしに図式と計算を簡略化している。 われわれの上のシェーマでは、生産過程で利用 きれる資本を分配し、下のシェーマでは生産の結 果として得られるかちをおいている。資本も生産 物もこの図における構成はマルクスのシェーマに 相応している。 われわれが全剰余価値を三つの部分にわけたこ とに注意しよう。 1)消費される部分一M-(△C+△V)=llOO 2)不変資本の増加にあてられる部分一△C 3)可変資本の増加にあてられる部分一△V この図では、新形成資本の動きが示され、従っ てまた次の再生産回転に資本がどの程度増加して いるかが示きれている。左には再生産全体、右に はマルクスの生産手段と消費手段への分割ととも に示されている。右の図では、(1)、(2)部門間 の生産手段、消費手段の交換が示きれている。図 をわかりやすくするために、不変資本及び可変資 本の回転、消費者(労働者及び資本家)への商品 の動き、同時に又、生産における労働者の参加も 特別な線において示さなかった。これらの諸過程 は前提となる図を基礎にすれば大した苦労はいら ないであろう。 あらゆる図は多かれ少なかれ条件的なものであ り、現実をことごとく確実に表現している場合で さえ、多少はシンボリックなものである。 その際、シェーマはあれこれの複雑な現象のす べての側面を包含できるものではない。なぜなら、 そうすることによってシェーマの基本的な意味、 すなわち現実把握を楽にするという意義を失うほ どシェーマを複雑化するからである。構図の基本 的意義は、何らかの分析的法則に関係している何 らかの現象の要素間の相互関係をそれによって示 すことになる。 マルクスの表式はとにかく、市場均衡とその破 われわれは社会主義的諸関係のもとで導入きれ ている社会的生産要素の概念を明確にしなければ ならないと考える。 このことは可変資本に対する関係にとっては特 に必要である。 40
このことにより社会的生産の表式を国民所得の二 つの部分に分けるのが自然である。 D=Dp+Du Dp=V1+V2+mpl+mp2 Du=」Cl+」Vl+』C2+』V2 上に引用されたマルクスの表式からいえばDu はマルクスの両部門の生産物である。 』Cl+dC2は第一部門で生産きれ△V,+dV2 は第2部門で生産されることがわかる。 子の比較からみても資本主義的生産過程を分析 するマルクスの表式が社会主義的相互関係の要求 に応じ得ないことは当然明らかである。 他方、DP、DUそれぞれの生産のために必要な フォンドの大きざと構造はどのようなものである かという問題が当然おこってくる。社会的総生産 のフォンドを二つのうちどれ一つをとっても国民 所得のそれぞれの部分に照応する部分を特別に制 約しているような形で二分することができるであ ろうか?新しい表式では、すぺての価値の回転は どのようにして観察することができるだろうか? とりあえず、社会的総生産を国民所得DP、D Uのそれぞれに照応する部分にどうしたらわける ことができるかという問題を解決しよう。それの 存在によって国民所得DP、DUの各部分が限定 きれるフオンドとはいかなるものであろうか?そ の各部分の色々な原因によって、互いにはなれた ところにある“P,,及び“U,,という場所で生産 されねばならいと仮定しよう。DP、DUの生産地 において、何を持たねばならないのだろうか?ま ず、交通が断絶する際に住民に生産物を供給する ために特別に苦労して行列してまたなくとも不断 に供給することが保証きれているためには住民に ある-定量に消費手段を前貸しする必要がある。 これらのPにおけるフォンドをVp UにおけるフォンドをVuとする もちろんこのフォンドは、消費きれ、そのたび ごとに新たに再生産される。このフォンドは住民 によって個人的に直接的に消費きれ、消費期間の 終わりには常に再生産される。 この一定の消費と一定水準の予備のはんいで、 消費手段の生産はわれわれの表式に従えば、「P」 部門で生産されなくてはならず、国民所得のDP 部分なくてはならない。 そのほかに、一定の独立した生産DPを条件ず けるいかなるフオンドがあるだろうか?このフォ マルクスは資本論第2巻で次のように指摘して いる。「可変資本は資本家の手中では資本として 機能し、賃労働者の手中では収入として機能する。」 (訳注⑥) 「可変資本は資本家がそれと引きかえに労働力 を買うときには、はじめは資本家の手のうちで貨 幣資本として存在する。それ(貨幣)が貨幣資本 として機能するのは、それで資本家が労働力を買 うからである。それが資本家の手に貨幣形態でと どまるかぎり、それは貨幣形態で実存する一定の 価値にほかならず、したがって不変量であって可 変量ではない。それは潜勢的にのみ可変資本であ る-まきにそれの労働への転態可能性によって。 それが現実的な可変資本になるのは、ただ、それ が貨幣形態を脱却し、労働力に転態きれてからで あり、この労働力が資本制的過程の成分として機 能するときである。」(訳注⑦) このような説明は複雑な資本主義的諸関係に全 く相応するものである。その特殊な反社会的内容 を失った「資本」を、その場の所有者が誰である か、各時点でそれがどこにあるかはとは無関係な 生産手段と消費手段から構成きれている一定の生 産力水準にとって技術的に必要な生産フォンドと して接近することが可能である。社会主義的諸関 係のもとでは生産能力の配分を除外する必要はな く、生産過程があらゆる使用価値の直接的利用、 又は消費のモメントにおいてのみ完結するものと 認めてよいと考える。 生産の最終目的になるのは、使用価値の消費で あり、人による直接的消費である。そう考えると き、われわれは貨幣を分配手段とみることができ る。その場合、素材的観点から言えば、貨幣の蓄 積は、その他のあらゆる価値の蓄積と同様な社会 的総生産の一般的条件に左右されているのである。 われわれのもとでは労働力は資本とは見なされ ない。資本主義的生産関係の鎖は断たれたのであ る。プロレタリアートは生産の主体となり、自ら の力を生産手段の生産と消費手段の生産とに分割 し、今日の必要を満たすための生産と、生産を拡 大し、個人的消費の規模を拡大し、結局は古い設 備を新しいより改善されたものに取りかえること によって労働時間を短縮するための生産と自らの 諸力を配分するのである。 社会的生産の表式は、もちろん上に述べられた 概念に照応するものでなければならないのである。 41
ンFの一部Vpはたった今あきらかにされ た。他の部分は消費されている生産手段と同時に、 -回ごとの生産では消費きれない生産手段から成っ ている。Dpの生産を他の場所たとえば、「U」の 何らの生産には無関係に一定の水準で安定に保つ ためには、「P」ではDPの成分にはいるものだけ ではなく、その価値が毎月、生産物の結果に移さ れているころのフォンド(生産手段、生産用具) の経常的更新のために必要なもののすぺても生産 されていなくてはならない。 かくして、「P」では常に生産が一定水準にた もちうるであろうし、もし彼らが同一の総計上の 水準にとどまるとすれば「P」と同時に「U」の 住民にも必需品を充足るのである。 この条件のもとで、「P」での生産で全く完全 に満足きせられている単純再生産をあつかってい るのである。このようにして、拡大のない社会的 単純生産においては、生産にたずさわらないで、 社会的保証によって養われる住民の一部が「U」 において存在するが、われわれはすべての生産一 般を「P」に集中し、たとえ何も生産しなくても 「U」の住民を扶養するとしよう。しかし、ある 時点で、「U」の住民が徐々に生産的基礎を拡大 して全面的拡大再生産へ移行するために「P」だ けでなく、「U」のフォンドの形成に従事してい ると仮定することも出来る。 「P」と同時に「U」においてフォンドを増加 させたいようなもののすぺてが「U」において生 産されねばならない。その際、「U」においては、 消費される生産手段の再生のために必要なものの すべても生産されるであろうが、(消費きれる) 消費手段は生産されない。
「U」における消費手段は「U」と同時に「P」
において消費手段のフオンドを増大きせるために 必要なかぎりにおいてのみ生産されなければなら ないだろう。 上に述ぺた表式を図示すると第2図(訳注⑧) のようになる。 われわれの表式に合致する拡大再生産を組織化 する可能性が十分に明瞭な形で示される。 この表式で特徴的なところは、DU、DPがそれ ぞれ対応する「P」「U」各部門の新形成価値を示 していることである。DPからは直接かつ個人的 に消費される消費財以外は出ていかないが、DU において新しく形成きれたフォンドのみから成り 立っている。 しかし、次のように言われるかもしれない。 何でも組みあわせることは可能であろう が、現実に存在する社会的拡大再生産が「U」部 門「P」部門に割けられることを証明せよと。 単純再生産の場合には証明の必要はない。なぜ なら、前に指摘したように、それは「P」部門に 設定されているからである。届:丁亘1
第2図 △Ku △K △Kp Vp MMpp ---1「--- 「 ̄ 一一一一一一一一一丁 Ku Ku Du KKp Dp 所得 Dp u Mp Mp 資本 資本 資本 所得所得所得得 資本資資本資本 所得所得 Mpg Mpo Amu Am Amp Mpu Mp Mp -----------------lL----------------I I-----------------lL----------------I I Mpuv Mpum 42この部門の枠内にマルクスの表式も設定できる。 Cl+V,+M1=W1 C2+V2+M2=W2 VI+M1=C2 V1+M1+V2+M2=C2+V2+M2=Dp Cp=Cl+C2, Vp=V,+V2, Mp=M1+M2 拡大再生産の場合を考えよう。 まず次のことを指摘しておかなければならない。 われわれの想定した部門分割においては生産が素 材的に分割される必要はないがしかしマルクスの 生産手段生産および消費手段生産の場合でもその ことが要求きれているわけではない。ただ分割が 計算方式として実行可能で、この分割に照応した 素材的照応があることが必要なのである.ここで は拡大再生産が問題になっているとしよう。 Cl+V,+」Cl+jV,+mp,=Wl C2+V2+dC2+dV2+mp2=W2 Dp=V1+V2+mpl+mp2=V+mp=C2+V2 +Mp2+dC2-W1 =W2 ̄W1 ̄dV2 Du=』Cl+」V1+dC2+△V2=』C+」V このように新形成価値のうちで、「P」、「U」 部門に使用価値を配置することは困難なことでは ない。マルクス表式におけるあらゆる要素がわれ われの表式のそれぞれの部門にそのまま存在する ことはできないし、ClとC2だけが新形成価値部 分に計算の上では含められないから、Dの成分、 したがってその部分たるDpDuの成分には直接 含めることはできないということに注意しなけれ ばならない。そしてまた、このことは当然Cl,C2 は生産手段からなるもので、新形成価値のうちに は含まれないので先行する生産過程においてそれ 自身の価値を再獲得し不変の回転をしていること から理解できる。 しかしながら、われわれが想定している構図 (cxeMa)における「U」、「P」部門間では 総生産物のこの部分の交換を仮定してはいない。 したがってCl,C2を2つの部分に分け、それ
ぞれが「U」、「P」で独立に回転しそれらの存在
が各部門ごとの独立な生産を保証するようにしな ければならない。(原注2) (原注2)一定の具体的対象で構成され、したがっ て移転価値および新形成価値をその構成とする任意の 国民所得部分(Cl+V,+M1=W,)(符号を複雑化さ せないためにC1,V1,M,,C2,V2,M2,….等の記 号を持って表す。これらの符号は表式で示されたもの とは異なった内容と分量を示す。)にたいして、社会的 総生産の複合体から会計的に分離する形で取り出し、 われわれが任意に抽出した国民所得部分(W,)がこの ようにして取り出きれた生産複合体の新形成価値に等 しくできるということを証明しよう。 こうすれば、社会的総資本からDu、Dpがそれか ら生まれた新形成価値に等しくなるような資本をどの ようにして選択するか、あるいは実現過程において、 そのようなものが、国民所得構成のうちの一定商品の 形でどのように選択されるかが明らかになる。 定理:どのような生産複合体であれ、そのその総生 産価値(W,=Cl+V,+M1)が社会的総生産の新形成 価値を超えないとすれば社会的総生産の構成部分から 次のような生産複合体を逐次抽出できる。 W2=C2+V2+M2 W3=C3+V3+M3 Wn-1=Cn-1+Vn-1+Mn-1 Wn=Cn+Vn+Mn とするとき Z(Vx+Mx)=W】(x=1~、) 単純再生産のもとでこの定理が証明きれるには次の ような条件が必要となる。 W2=Cl,W3=C2,W4=C3 Wp-2=Cp-3+αCn Wp-1=C(p-2)+βCn Wp=C(p-1)+γCn OOO W(n-1)=C(n-2),W、=C(n-1) ただしαC、+βC、+γCn=Cn うえに導入された方程式を(1)から(、)まで加 えればすぐ前に示された条件式 Z(Vx+Mx)=W1 になることはあきらかであろう。 示された条件式について二つの場合を考えてみよう。 1)(1)は消費手段の生産でありこの部門で生産さ れた消費手段の総計は、 C1+V1+M1 に等しい。V1+M1により(1)の労働者と資本 家は生存手段を供給される。 C1は次の再生産期間に必要な不変資本を更新する ために労働手段と交換されねばならない。(1)にとっ て必要な労働手段は複合体(2)において生産される が、 43W2=C2+V2+M2=Cl であり、その組成においても厳密に(1)の生産に 必要な労働手段に照応するように集計されたものであ る。このような複合体が現実の複合体として存在する 必要はない。 このような労働手段の複合体が社会的総生産のうち で抽出きれ、その集計値を規定できる計算方法があれ ばまったく十分なのである。 われわれはW1を現実に存在する社会的生産の新形 成価値のうちから取り出したので必要労働手段=C1 の存在は保証されており会計上の項目変更が現実関係 を変えるものではない。 しかし(2)においては消費手段はV2+M2しか消 費されないので(2)グループにはC2=C1-V2- M2だけの消費手段の残余がある。それが労働手段の 更新C2に必要なものと交換されるために利用され るであろう。(3)においても消費手段は V3+M3しか使われず、C3=C2-V3-M3の消費 手段の残余がある。 このような交換をどこまでも終わることなく継続す ることができるであろう。 しかし、労働手段の項目数は大きくはなく数に限り があるので生産手段Cnのすべてが、ある複合体、た とえば(p-2)、(p-1)、(p)において用意され てしまうような場合にまで到達する。 このC、部分に照応するこれらの複合体に係数をか けてaCn、βCn、γCnとして W(p-2)=C(p-3)+αCn W(p-l)=C(p-2)+βCn Wp=C(p-1)+γC、 (ただしaCn+ βCn+γC、=C、) となるようにして、複合体の系列を臨界数、で環を とじる。 かくして、上述の条件は理論的意義を持ちかつ存在 可能である。また条件が与えられればこの定理は証明 可能である。 2)W1を生産手段の複合体であると仮定しよう。 そうすれば、直接的交換Cl-W2、 C2-W3’等々は存在し得ない。なぜならば、(1)、 (2)、(3)..(p-2)、 (p-1)、(p)、・・・(n-1)、(、)のすべて の生産にとって Z(Vx+Mx)(X=1~、) の大きさの生存手段が必要であることになる。 かくして、そのような複合体の存在可能性はW1が (単純再生産の条件で)すべて完全に生存手段に交換可 能かどうかにかかっている。それはもうひとつの、消 費手段のみを生産する生産複合体が存在しなければな らないことを意味する。 Wo=CO+Vo+Mo ただしW,=CO かくしてわれわれはその存在が証明された最初の場 合に帰り着いた。われわれは現実に存在する社会的再 生産の範囲を超えないとすればもう一つの場合を証明 できる。分類変更は物的・価値的関係を変えることが できない。 拡大再生産の場合にはWlは(Co+」CO)に等し くなくてはならない。 』CO=zjVx,W2=Cl+」Cl インデクスの操作過程は同じなのでこれ以上はつづ けない。 このようにして、あらゆる場合に定理は証明可能と 思われる。(以上一原注2) 註においてこのような分割が可能であることの 分析的証明をしておく。ここでは次のような考え 方によってもそれが可能であることの証明をして おく。 マルクスは天才的洞察により「消費者は生産者 に生産物の全価値を払わねばならない」というA・ スミスの命題の誤りを発見した。しかし「どんな 幼児にもわかることだが」1年間で生産された新 価値の全体、総国民所得、そしてその消費部分と 蓄積部分とは鎖のような関係づけをもつ諸法則に したがって生産過程のおいて形成されるものなの である。マルクスが用いた例、すなわち連続的に 生産されている半製品の全系列から、その際失わ れている生産用具の価値を付加することによって 最終生産物が如何にして形成きれるかを優れた形 で示したこの例は、また国民所得のどの部分をとっ てもあてはまる。 この場合新しく形成された価値(国民所得の ̄ 部分)に移される固定資本の減耗部分、また一般 に不変資本の全価値はちょうどその場で新たに形 成された価値によって次の期間で更新されるので ある. かくしてその価値が国民所得部分に移きれるあ らゆる半製品は直接新形成価値部分であるかまた もし〈はもしそれが不変資本の-部であったとす れば、新価値に置き換えられねばならない。 これらの価値は社会的再生産の回転(期間)の うちにある全価値の一部分のみを構成する。しか しこの場合たとえば具体的新形成生産手段Vl+ M,がC2の形態をとうしてのみその本質からして
新形成価値であるところの国民所得の成分に含ま
44れるような場合には、新形成価値がしばしば不変 資本の形態をとうして現れるということはまった く二義的な事柄なのである.国民所得はどこで生 産きれたにせよ、全く,具体的な、かつ素材上の 新形成価値によって成り立つのであり新たに形成 された価値はそれぞれ国民所得に含められること をしっかり把握しなければならない。 このようにして、Clはその素材上、。Cに移 きれうる部分に限り国民所得構成部分になるので あり、ただちに第一部門の新形成価値に置き換え られる。C2もその性質上、完全に国民所得構成 部分に入るがただちに第一部門の新形成価値に置 き換えられる。 別の側面から見ると社会的拡大再生産において は新たに価値を形成しない生産は存在しない。 かくして、いかなる形であるにせよ国民所得の すべてののエレメントを構成する生産物と生産過 程のすべてを鎖のような関係で規定することによっ て、われわれはこれらの新形成価値の生産に必要 な生産物、またしかるが故にこれらのすべての生 産に必要なすべての不変資本を正確に規定するこ とができるであろう.このようにしてもし 希望するなら流通のなかにある価値総額を再現 することも可能であろう。 マルクスの例を取れば消費者に買われる亜麻布 のルバーシュカを製造する織物工場必要な不変資 本だけでなく、その価値が結果的には亜麻布のル バーシュカに移転する半製品、原料、機械のすべ てをすべてを生産するために必要なすべての不変 資本を算定しなければならない.そして、これら のすべての不変資本は「Kp」の組成に入らねば ならないであろう. 今度は、次のことを思い起こそう。V,,V2, MPl,MP2,ロCl、」C2、dV1、」V2のそれぞ れは生産循環過程(社会主義的諸関係のうちでは 生産循環は分配も含む)においてのみ国民所得D のうちに分出する。しかしまたこれらのすべては、
回転においては価値のすべての構成部分(不変、
可変フォンド、剰余生産物)を含む価値として現
れ、おのおのの部分は一定の構成を持った具体的
生産の成果である. これらの各部分が国民所得の新形成価値部分と して取り出されるのはまさに価値複合体(Cl+C2)が社会的総生産の過程において新たに置き
換えられるそれぞれの相当部分に移転するという ことによるのである。われわれが引用したマルク スの表式は総生産一般を包括しており、現実的生 産過程に相応して、Cl+C2は社会的総生産を包 括している次のような生産の系列が得られるよう に配分きれねばならないし、またそうすることが 可能である. Cv,+V,CdC,+dC1 Cv2+V2C」C2+dC2 Cmp,+Mp1 CjV,+dV1 Cmp2+Mp2 C』V2+jV2 ただしCv,+Cv2+Cmp,+Cmp2+C」Cl +CJC2+C」V,+CJV2=Cl+Q 国民所得の諸要素、V1,V1,Mp,、Mp2、。 C,、dC2、」V,、jV2、W1ケW2は各々の相当 する生産の新形成価値を構成するが、それは次の ような形となる。 Cv1+Cv2+Cmpl+Cmp2=Cp CdCl+CdC2+CdV1+CdV2=Cu Vp,Mp,Vu,Muをそれぞれ個別的に算定す るにはそれぞれの生産物の有機的を知らねばなら ない。不変フォンドの消費きれざる部分にCu+ Vu、Cp+Vpを加えるとDu,Dpを生産するに必 要なフォンドKu,Kpがえられる。 上の原則を適用してわれわれは前に述べたマル クスの例を新たな二部門「U」「P」に発展さ せた。簡明を記して、このさいわれわれが用いた 仮定は(具体的データ欠落のため)消費手段と生 産手段の部門複合体の価値構成をマルクスがそれ ぞれ消費手段と生産手段とに与えた比率と同じで あると考えた点である.われわれは計算は行わず ただ図3、図4、図5(訳注⑨)でこの分割の 結果を全商品流通とともに示そう。われわれの計 算結果は図6の新しい表式の形で表されている。 このようにして、ここに導入された拡大再生産 の表式は社会主義的関係のもとで基礎づけられる と考えられる.「U」、「P」に分割するかぎりで はマルクスの表式は採用できるが、われわれの貢 献は拡大再生産の特殊な表式、市場均衡の静態的 方程式だけではなく社会的生産のあらゆる部門間 の動態的相互関係をも容易に設定できる表式を提 出したことになる。 われわれは消費の拡大、蓄積の拡大、総生産の 拡大がわれわれのもとでの相互依存関係において 左右きれる特殊な要素を取り出したのである。結 論として比較のために両方の分割の見取り図を示 45しておく。 第3図
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Vp l425 J7Lpp 926.25 1 11111-1- Kp 0-----1:F
Dp 2850 5700u-----
F--- I・ 1---------.----」1-= 、Pu 498.75 1 -------一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 47われわれの表式から出てくる方程式は「計画経 済」の1928年No.11,No.12の文献で用いられ検 討きれたものである。 この文献に関連して、またこの文献を利用でき ないひとびとのために、簡単な説明だけにとどめ て、これらの(上の文献で展開きれた-訳注)方 程式を導入しておこう。説明を簡単にするために、 関数の速度(成長率)を(')の記号で示し、速 度の速度(成長率の成長率)を(")の記号で示 す。Dの成長率はD,,D,の成長率はD"となる。 成長率は単位時間におけるある量の増加分の増 加中のもとの量に対する比率であると定義しよう. 数学的な言葉で表現すれば,それは第1次導関数 の関数自身に対する比といえる。またいいかえれ ば、関数の対数の微分である。それらが対数に多 くの場合類似しているということは成長率のもっ ている最も興味ある性質である。 たとえば二つの関数の積の成長率はかけられた 関数の成長率の和に等しい。増加関数であれ減少 関数であれ一定の成長率を持つ関数は半対数表に おいては直線で表される。 国民所得とそれぞれの部分はそれに相当するフオ ンドのおおいざ、DpはKpに、DuはKuに、 及び労働生産性に明らかに依存する. この関係をわれわれは次の方程式でしめす。 D=S・K、Dp=Sp・Kp、 Du=Su・Ku D=e・N、Dp=ep・Np Du=eu・Nu 係数s,Sp,Suはそれぞれのフォンドの利 用効率係数となずける。e,ep,euは労働生
産性(労働者ひとりあたり生産高)、N,Np,
Nuはそれぞれの労働者数である。 フオンド利用効率係数、及び労働生産性の'性格 は次の式であらわされる。 S=D/K=(主体的要因*労働時間数*技術 的要因)/(フオンド) e=D/N=(主体的要因*労働時間数*技術 的要因)/(労働者数) 数学的分析を簡略化するために、生産,消費お よび蓄積過程を連続的なものとみなす。 すると、新しいフォンドの配分を裏付ける方程 式は次のような形になろう。 Du=dKu/dt+dKp/dt+Amu+ Amp ただし、Amu、Ampはそれぞれのフオンド の社会的摩損である。 この分割そのものから、「U」において様々な 仕方でその能力を採用されている労働者や従業員 その他の部分のための直接的必需を満たすために 振り向けられる部分「Dp-Vp」を規定するこ とができる. 不変価格のもとでの計算でapDP(原文では pDp)は「P」において新たに形成された価値 の蓄積部分を代償にして生み出されるDuの部分 を規定する。したがって「U」の生産的蓄積部分 は次の式で表される。 αuDu=Du-apDp しかしながら、前述の基本公式から数学的に導 き出きれ、「U」、「P」の諸要素の成長率の相互 関係を規定している次のような公式も興味あるも のである。 D,=S'+K,=e'+N, Du'=Su'+Ku,=eu,+Nu, Dp,=Sp,+Kp,=ep,+Np, Su=Ku,+Amu+Kp/Ku(K,+Amp) ただしAm=am・K(等々) 最後に,国民所得全体の成長率のもっとも総合 的な公式を導入しよう D,=S,+K,=S,+(1/K)..dK/dt=S,+ (Du-Am)/K D,=S,+S(Du-Am)/D Am=Oのとき D,=S,+Du/K=S'+SDu/(Du+Dp) 資本主義経済のもとにおける階級関係の分析を 行う際は Dp=Dpv+Dpm すなわちすべての消費は(プロレタリアートの 消費)+(ブルジョアジーの消費)に等しいとい うことを考慮に入れねばならない。全剰余価値は Dm=Dpm+Duこの場合、剰余価値率はDm/Dpvであらわ
され、利潤率はDm/Kである。 この2つのマルクス的カテゴリー間の関係は次 式で表される Dm/K=S・Dm/D=S・Dm/(Du+Dm)=S/((Dv/Dm)+1)
またDm/Dv=(D/K)/(S-(Dm/K))次のような表(第1表)において、年利潤率の
おおききに左右きれる資本効率の減少とともにど
48のように剰余価値率が増大しなければならないか を具体的な数字で示そう。われわれは資本の有機 的構成の計算も行った。
「毫司
V爪のK
mmS 肥DDo nU 一一 (、 0.25 0。 0.1 0.657 12.0 0.02 0.087 7.69 0.05 0.25 9.0 0.010 0.042 7.340 00 S=0.50 ,m/K Dm/Dv OSK 0.25 1.0 7.0 0.5 ○○ 005 0111 3.45 0.1 0.25 40 0.02 0.0417 3.17 0.010 0.020 3090 ○○ S=1.0 0.75 30 7.0川、
0.1 0.111 1.22 0.25 1.00 3.000 0.05 0.0526 1.1 V爪のK
mmS DDo 0.010 0.010 1.020 0.02 0.0204 104 ○○ 基本的部門に関する効率係数を計算した。(第 2表)[文末にあり] 計算された係数をみると広範囲にわたって安定 性をもっており、計算化の分析的方法にそれを使 える可能性があるというわれわれの観点に確信を 与えられるものである。 他方、それの運動の更に詳細な分析をする必要 があるという考えが頭に浮ぶ。特に興味あること は昨年度は成長したが、5ケ年計画期間には低下 する工業の効率係数の明瞭な運動である。 この場合,その低下は主に急速な固定資本の相 対的成長によっておこる。これは次にあげる工業 生産の純生産の固定資本に対する比率をあらわし ている数列によっても確認できる。 可変資本の回転率が一定、資本利用効率が一定 の場合剰余価値率(Dm/Dv)の資本の有機的 構成に対する依存関係も容易に帰納できる。有機 的構成は次のような式であらわされる。 ○・s.K=(K-(D/、))/のv/、) =(nK-Dv)/Du =(nDu-SDv)/SDv= (nmm+Dv]-SDv)/SDv =(、/S)(ID、/Dvl+1)-1 ただしnは回転率 これらの式を元にしてわれわれは資本の有機的 構成を計算したが、=2とした。第2章例証的ヴァリアントに関する
分析的方法の長期プランへの
応用 (年)1925/26,26/27,27/28,28/29, 0.5660.6460.7040.725 (年)1929/30,30/31,31/32,32/33 0.7400.72306910.666 われわれが自由にできる手段があっても、それぞれの具体的企画に必要な正確さと完全な充実を
もって計算を行う可能性を与えはしない。われわれの計算は理論的叙述への例証であり、それは実
際的企画への多少なりの接近なのである。 まずわれわれは1925/26から現在までのデー タと5ケ年計画年度の資料によって,国民経済の たとえば、採択された5ケ年計画案にあるよう に、1927/28の7.5%から、5ヶ年目の終りには1 7%までDの成長率を高めるという目標が課せら れたとしよう。 49その場合、われわれの条件のもとでは道徳的磨滅 が実際にはゼロであると見なせば、 DU/Dの次のようなデータを得る。(フォン ド利用効率の向上の値を表すために、S=0.45, 0.75という。)二つのヴアリアントの計算を行う。 次の公式を使う。 D,=S・Du/D,但し、S,=O この際、DO=1(5ケ年計画年度の最初の年の 国民所得) S=0.45(第3表をみよ) 次にこんどは、Sが0.45から、075まで除々に 上昇すると仮定する。 S=0.45,0.51,0.57,0.63,0.69,0.75 (第4表をみよ) Du/Dの規定には公式D,=S,+S・Du/ Dを用いなければならない。(第3表) 第3表及び第4表からわかるように、われわれ がどのように生産フオンドを利用するかによって 様々な目標が存在しうる。第二の場合、国民の消 費はいくぶんゆっくり成長してはいるがつねによ り高い水準に維持されることがわかる。はじめの 2年間は蓄積をはやめる必要がないだけでなく、 逆にフォンドの一部は計画を実現するには余分な ものであり国外に売ることもできる。 他方、もし最初の場合と同じ比率Du/Dを採 用するならば、第二の場合は国民所得の著しく大 きな成長率を実現することができることは明らか であろう。 第3表 年次 1 0075 1 0.167 0.167 23 0.0940.113 1.0851.198 02096251 0.2730305 +42%+28.8% 0.8760.947 +5%+8.1% 4 0.132 135 0.293 0.396 +30% 1.057 +11.7% 5 0.151 1.540 0.336 0.158 +31% 1.204 +13.0% 6 017 1.788 0.378 0676 +30.4% 1,410 +17% D, D DU/D DU Duの成長率……… DP DPの成長率……・… ■●● 0.833 ●●●
「~堯丁襄可
第4表 年次 1 0.133 -0.129 23 0.1180.105 -0.047+0.014 4 0.095 0.059 5 0.087 0093 6 0.08 0.12 S, DU/, DU -0.129-0.051+0.01680.080 0.143 0214… D成長率……… +376%+79%+495%… DP 1.129 1.136 1.181 1270 1.397 1574 DP成長率……… +0.5%+4,0%+7.6%+10%+128%… 50これらの例は分析的方法を利用することによっ て、どれほど楽に国民経済の一定の発展形態や発 展速度を選択することができるかを明示するもの である。唯一の、しかしまた完全に克服できる困 難はただ効率係数の決定だけにあるが、これは、 これを構成する個々の要素に関して計算されねば ならない。l)労働の強度、2)生産設備の利用 期間、3)純生産物量対必要フオンド量の技術的 比率。 諸君の注意をうながした上述の草案は二つの主 要な部分「P」「U」において、このようにして 得られた比率からわり出されるようなフォンド利 用の実現の観点から点検する必要のあることを考 慮に入れてなかったo より非弾力的な一律のSPSuの発展をとりあ つかわなければならないとすれば、それは次の方 程式で計画されねばならない。 S=Sp・Kp+Su・Ku/K及びK=Ku+Kp もし、Sp,Suの大きさが拘束されているか又は 様々な大きさで採用きれているとすれば、他の残 りの諸量は上述の二式にS,Kを代入して決定され、 これによってフォンドと総生産一般の全構造が与 えられるのである。 もちろん、抽象から具体へと移行しなければな らないだろう。すべての計画は対応接近法(BC TPeHHoenPH6JIH)KeHHe)、い いかえれば分析=綜合法によって進行しなければ ならない。 われわれはわれわれが設定したカテゴリーのお いてわれわれの5ケ年計画の'性格と変化を解明す る試みを行い、二つのヴァリアントを素描した。 すなわち、フォンド利用の観点からは全く不十分 であるが昨年まで存在してきた発展の趨勢をつづ けているヴァリアントと、緊張度の高いヴァリア ントの2つである。 われわれの計算結果は第6表に与えられている。 この表に関して若干の説明をしておこう。 国民所得の総額(D)、総生産資本(K)はゴス プランのデータから直接に与えられ、1925/26 年の価格で表現されている。国民所得の生産的蓄 積部分(Du)に等しいフォンド成長に関するデー タから得られた。国民所得の消費部分(Dp)は 差(D-Du=Dp)として計算きれる。 総フオンドの効率は等式 S=D/K によって算定される。 成長率D,,D,u,D'p,及びK',比率Du/D,D u/Dpは、まえもって計算されたデータから直接 の計算で出てくるし、毎年10月1曰に平均補間量 としてわれわれが決定する。 5ケ年計画間に関して、Du/D,D',D,u,D,p の運動(最初のヴァリアントで)綿密に検討して みると、国民所得分配の均等性が欠けていること に気がつく。特に1929年10月1日に向かって消費 の成長率が急激に落ちており,それにつづく年は DPが著しい変動を呈している。 国民所得の速度構成(Du/Dp)の高度化は計 画によれば1928年から1929年までは、23.8%か ら一挙に43.5%まで高められている。それに続 く運動では幾分ゆるやかになっているが、それぞ れ次のような数字になる。 55.9%,67.0%,72.0% 完全に量的視点からくる第二のヴァリアントは 予定期間内に社会主義建設を保証する。 分析されるプランの性質により深くつき進むた めにわれわれはフォンドを「P」と「U」にわけ る試みをしなければならないと考えた。 部門の資本利用効率はどれだけちがうのか、又 国民所得の「速度」構成Du/Dpの変化は経済全 体の平均フォンド効率(S)の運動にどれほど影 響を与えるかということを解明しなければならな かった。 第5表において、われわれは1929(1/x)を 基として(訳注⑩)、Kuの近似的な計算を行っ た。 表は次のようにして作成された。1929(1/X) を基とするDuの総量が知られている.われわれ はその構成部分を固定フォンドにいく部分にわけ て算定した。個々の産業におけるフォンド効率に 関する手のもとのデータに従って、Du部分の生 産に必要なフオンドに近似的に計算し、その結果 Duの生産に必要なすべてのフォンドの総和を求 めた。 このようにして、Ku,Suは1927(1/x)と して算定きれた。故に同時点におけるKp,Spを 計算することはむずかしくない。なぜなら、 Kp=K-Ku,SP=Dp/Kp DuのDに対する割合は、Dpの害l合よりM、さ いということに注意して、Sの運動は主にSpの 運動の反映であると仮定し、残りの年のSpの曲 51
線はSの曲線のパラレルであるようにした。かく して、計算によってSuを得るのである。 Suの曲線は5ヶ年の期間ではいくぶん低下する。 5ケ年間全部のKu,Kpの大きさをも規定しよう。 更に分析を続けてゆけば、KuとKp,DuとDp の構造それ自身が5ケ年計画に採用された国民所 得と資本蓄積のテンポといかなる関係にあるかが 解明できるであろう。それは採択された建設計画 が国民所得の予定された成長と分配にどの程度照 応するかを規定できないにしても点検する可能性 を与えるものである。 まだその他に建設計画が出来ていなかったとし ても、任意に予定された国民経済の「速度」の構 造から出発して、簡単にしてあげることができる であろう。 可能なかぎりにおいてのみ生産フォンドの利用 係数と国民所得における蓄積部分を変化させて、 ヴァリアントの全系列を計算しなければならない。 それぞれのヴァリアント(計算)は-人の熟練 した統計学者の半日の作業以上のものは必要とし ないだろう。主要な困難はフォンド利用係数の限 界の算定にあるが、しかしこの困難(苦労)も将 来の労働生産性向上を規定するのに較べれば著し く楽なものである。この限界の略図(輪郭)を描 くには技術的関係が最も発展した国の実践から得 られた経験的係数を利用しなければならないだろ うo すべての計算に大いなる確実性を与えるために、 そのすべての構造的組成において効率係数一一S, Su,Spの発展傾向の研究を更に深める必要があ るであろう。 このようにして、生産力と生産の可能的発展の ヴァリアントの全系列を計算すれば、一定の政治 的前提に従ってそれらのうちの一つを選択するこ とができる。 われわれは労賃の問題や、労働生産性の問題や 労働者人口の問題を上にのべた計算のうちでふれ ているわけではない。 われわれは次のような理由でそれを行わなかっ た。1)われわれの予定した消費の成長において は労賃フォンドの問題は国民経済の階級的分配の 問題に帰着し、それは数字的操作をゆるきないか らである。いずれにせよ、消費の予定成長率はど この国でいつ存在していたものよりも数倍も上ま わっているし、又いずれにせよ、国民大衆の成長 しつつある需要の失例ない充足を完全に可能に可 能にすることを前提としている。2)理論的鑑定 からみれば、研究をすすめてきた平面においては、 この問題は何ら新しいものを提起しない。それら は以前の論文においてわれわれが明らかにしたこ とであるからだ。 われわれは十分に完結した解明を行い、国民経 済の企画化のわれわれによって提案された分析的 方法が与えるところの可能性を基礎づけた。 そうすることによって抽象的形態におけるわが 国の物質的発展の全過程を全く完全に分析し、多 くの年間に関して算出され、その遂行のためには 数億ルーブルもかかるわれわれのプランのすべて に明確で論理的な基礎を与えることができる時に、 それを無視して数千ルーブルを倹約することはゆ るし難いことである。 そのような規模の経済計画においては理論的誤 謬は何億ルーブルにもつく可能性がある。 訳注 ①(訳者注)本文は『計画経済』誌1929.No. 12号(“nJIAHOBOExO3HiiC TBO”に掲載された「pHropHii AJIeKcaH1poBHqのeJIhnLM aHの論文 “AHaJIHqecKHHMeTo1 nocTPoeHHH nePcKTHBHblxnJIaHoB”の 全訳である。 ②“UeHoBblii”はどのロシア語辞典にも ない。おそらくフェリドマンの生まれ育った POCTOBHa1OHy地方の地方 語であろう。ここではUeHがUeHa(価 値、価格)と同じ語根を持っていることと文 脈の上から価値的と訳しておく。UeHaに も価値と価格の両義性があり UeHHocTbは価値的なもの、価格的 なものという二つの意味をもつが文脈上「価 値」という訳語で統一しておいた。なお参考 までにこの時代(1928-33)のソビエトは超 インフレのもとでの市場の二重構造、部分的 現物交換など価格機能が麻庫していた。(A H・マラフェーエフ、岸本重陳訳『ソ連邦価 格形成史』竹内書店196896-160参照 ただしこの著書にはいわゆる公式主義的言辞 52
によってソ連共産党の政策を美化している下 りが多い。) ③バランス(6aJ,aHC)は均衡 (PaBHoBecHe)とほぼ同じ意味に 使われているが。ここでは2つ並べてあるの で訳し分けておく.あえて、違いをいうとす れば、前者は会計学的整合性が主要な問題で あるのにたいしてして、後者は経済働学的な 視点をもつ言葉である。 ④訳注②参照 ⑤マルクスの表式から図解的に両部門の交換 関係を示したものであるが原図はきわめて不 鮮明(1929年の印刷技術とマイクロフイル ムによる写真撮影という条件によって)であ るため、論文の叙述内容およびマルクスの原 著の中に例示きれた数値に基づき、訳者が再 構成し巻末に記しておく。 ⑥ここでは原注がほどこされ'923年版のロシ ア語訳のページが示されているがわれわれに とって手に取りようがないので同じマルクス の言葉が出ている文献を以下に示しておこう。 大内兵衛・細川嘉六監訳マルクスーエンゲ ルス全集第24巻(資本論第2巻)540 ページ ⑦訳註⑥に同じ ⑧本文に説明のない記号があるの以下に記す。 MP-「P」部門での剰余価値 MpP--「P」部門で活動的ブルジョアジー の消費する消費財 Mpg---政府部門が消費する消費財 Mpo--生産外にいるブルジョアジーの消 費する消費財 Mpuv--「U」部門の労働者が消費する消 費財 Mpum--「U」部門のブルジョアジーが消 費する消費財 ⑨第3図、および第7図は省略する。なお第 4図、第5図は、マルクスの表式からフェリ ドマンのオリジナルな経済モデルである第6 図を導き出す過程の図示であるがその詳しい 説明は本文にある。しかし数字上の操作に関 しては必ずしも明らかではない。この点に関 し拙稿『国民所得成長の理論」(上)沖大経 済論叢通巻第23号75-105ページならび に『国民所得成長の理論」(下)沖大経済論 叢通巻第23号41-62ページ、および拙訳 GA・フェリドマン箸『国民所得諸テンポの理 論」沖大経済論叢通巻第34号1-68ページ を参照きれたい。 ⑩記号(1/x)の説明が本文の何処にもさ れていないので正確なことは不明であるが、 不変価格に基づく分析をしているのだから 1929(1/x)とは様々な生産物の価値を1929 の価格に基準をおいて量るということであろ う。 (訳者注)本文は『計画経済』誌1929.No.12号 (“nJIAHOBOExO3HiiCTBO,,に 掲載きれた「PHroPHiiAJIeKcaH ⅡPoBlIqのeJIbⅡMaHの論文“AH aJIHTlIIIeCKIIllMeTOⅡ nocTPoeHHHnePcKTHBHblx HOB,,の全訳である。 ⅡⅡa 53