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便潜血を通して見えているもの ―結腸癌ふるい分けに有用な3日法定量結果の読み方―

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原 著

便 潜 血 を通 して 見 え て い る もの

一結腸癌 ふ るい分 けに有用な3日 法定量結果 の読み方一

清 島 啓 治 郎1)田 近 明 男2)川 島 徳 通3) 村 尾 久 雄3)貝 瀬 実2)三 宅 道 高2) 野 口 真2)見 置 衛2)半 田 文 利3) 要 旨 定 期 的 に健 診 受診 を 反復 す る会 員 制 受 診 者 を対 象 として 大 腸 癌 発 見 に努 め る 間 に,免 疫 定 量3日 法 便潜 血 検 査 の特 異 度 を高 め る潜 血 濃度 数 値 の読 み方 を考 案 し,結 腸 癌 発見 率 を3倍 以 上 に高 め る こ とが で きた 。 特 異度 向 上 に貢 献 した の は,精 査適 応 決 定 に あ た り,Cut-off値 を30ng/mlに 下 げ,こ の 基 準 を超 え る便 が連 続 的 に見 られ る こ と を, 単 一便 の 潜血 濃 度 の 高 さ よ り も重 視 す る方 法 で あ った。 この方 法 で適 応 を決 め精 査 す る と,結 腸 癌 と同様 に多 数 の結 腸 腺腫 が発 見 され,こ れ らの結 腸 癌 と結 腸 腺 腫 は いず れ も, 切 除 す る と次 回健 診 の 潜血 濃 度 はそ ろ って ゼ ロ近 く下 が る点 で酷似 してお り,切 除 前 の便 に潜 血 が 存 在 した原 因 は,両 者 に共通 す る 「隆起 」 とい う結 腸 壁 の形 の異 常 で あ った と考 え られた 。 この推 論 を裏 づ け るべ く,結 腸 癌38例 と結腸 腺 腫86例 に つ き,切 除 の直 前 と 直後 の744個 の便 の 潜 血 濃度 を比較 し,便 潜血 の連 続 陽性 と相 関 す る の は,隆 起 の存 在 で あ る と確 認 で きた。 便 潜血 を通 して 見 えて い るの は 「癌 ゆ え の出 血 」 で はな く 「隆 起 ゆ え の 出血 」 で あ る。 結 腸 以 外 の大 腸(直 腸 お よび肛 門)か らの 出血 は便 潜 血 検 査 で は偶 発 的 に しか 拾 えず,直 腸 癌 を漏 ら さぬ た め に は便 潜 血 以 外 の検 査(内 視 鏡 ・注 腸X線)が 必 要 で あ る。 緒 言 大 腸 癌 は 日本 人 の 死 因 上 位 の癌 で,手 術 の救 命 率 が 他 癌 に比 し高 い。 そ の 意 味 で大 腸 癌 は,見 落 と して は な らぬ 癌,ま た 見 つ け 甲斐 の あ る癌 で も あ るが,総 合 健 診 で も大 腸 癌 検 診 で も大 腸 癌 の 発 見 率 は伸 び て お らず,日 本 人 の大 腸 癌 死 は増 え続 けて い る1)。 大 腸 癌 探 し は,一 次 検 査 と して便 潜 血 検 査 を行 い,こ れ で絞 り込 ん だ疑 い 症 例 に精 査 と して 注 腸 X線 検 査(以 下 注 腸 検 査)や 大 腸 フ ァイ バ ー ス コー プ検 査(以 下CF)を 行 う の が 一 般 的 で あ る が,精 査 の 受 検 率 は不 十 分 で あ り,こ れ が大 腸 癌 発 見 の隘 路 とな っ て い る こ とが考 え られ る。 著 者 ら は,会 員 制 健 診 の 形 で1971年 末 か ら 2001年 春 ま で34万 件 の 総 合 健 診 を行 う中 で 大 腸 癌 発 見 に 努 め て きた が,1990年 ま で は,著 者 ら の 発 見 率 も不 満 足 な もの で あ っ た 。 し か る に1991年,便 潜 血 検 査 結 果 か ら精 査 の 適 応 を決 め る方 式 を後 述 の よ う に改 め た と こ ろ, こ の 年 は 前 年 の7倍,施 設 開 設 以 来19年 間 平 均 の14倍 に 及 ぶ 数 の 大 腸 癌 が 見 つ か り(図1),大 腸 癌 発 見 率 低 迷 の原 因 が,受 検 者 の 精 査 指 示 へ の 非 協 力 よ り も,精 査 適 応 判 断 の 不 的 確,す な わ ち 便 潜 血 検 査 の 特 異 度 の 低 さ に あ る こ と,ま た,特 異 度 を 高 め る に は,潜 血 濃 度 の 高 さ よ り もCut-off以 上 値 の 連 続 性 の ほ うを 重 視 す る こ とが 必 要 1)PL大 阪健 康 管 理 セ ン ター 診 断部 2)PL大 阪健 康 管 理 セ ン ター 放射 線 検 査 科 3)PL大 阪健 康 管 理 セ ン ター 臨床 検 査 科 日 健 診 誌JMHTS Vol.28 No.4 2001年 411

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口本総合健診医学会誌 図1大 腸癌発見数の年次推移 で あ る こ とを知 っ た 。 この 方 式 で 適 応 を決 め て精 査 を行 っ た と こ ろ大 腸 癌 が 多 く見 つ か った が,こ れ に伴 っ て 大 腸 癌 の 数 倍 に 及 ぶ 多 数 の腺 腫 も見 つ か った 。 著 者 ら は 便 潜 血 検 査 を 免 疫 定 量(単 位:ng/ ml)3日 法 で 行 うが,各 症 例 の 潜 血 濃 度 数 値 の パ タ ー ン を吟 味 した 結 果,「 連 続 的 な 便 潜 血 の 存 在 と関 係 す る の は,癌 とい う よ りは隆 起 で あ り, 癌 は隆 起 の 一 つ と して 発 見 さ れ て い る」 と考 え る よ うに な った 。 そ こで こ の 「隆 起 の 存 在 が 便 潜 血 陽 性連 続 の 原 因 」 とい う我 々 の 観 察 を裏 側 か ら検 証,つ ま り 「で は 隆起 が な くな る と便 潜 血 陽 性 連 続 も見 られ な くな るの か 」 を検 す べ く,隆 起 性 病 変 の 切 除 を受 け た全 症 例 に つ き,切 除 後 の便 潜 血 濃 度 を切 除 前 の便 潜 血 濃 度 と比 較 して見 た 。 対 象 と方 法 対 象 の 母 集 団 は,1996年8月 か ら1998年4月 の 問 に 行 っ た 会 員 制 定 期 健 診23,188件 の 受 診 者 8,966人 で あ る。 この 中 で,健 診 に 含 まれ る.__.次検 査(便 潜 血 検 査 定 量3日 法 と直 腸 鏡 検 査)の 結 果 か ら精 査(注 腸 検 査 ま た はCF)が 適 応 と判 断 した388人(要 精 査 率:4.3%)に 受 検 を 勧 め た 結 果,318人 が 精 査 を受 け(精 査 受 検 率:82.0%),そ の う ち 大 腸 に 隆 起 性 変 化 が 認 め られ て 切 除 を 受 け た 者 は 298人(適 応 決 定 の 的 中率:93.7%)で あ っ た。 この298人 の う ち,切 除 後 も定 期 健 診 を受 け に 来 所 し,著 者 らが 切 除 前 と同 じ検 査 法 で 切 除 後 の 便 潜 血 濃 度 を検 し得 た152人 を本 研 究 の 調 査 対 象 と し た。 この152人 に は 結 腸 癌38例 と直 腸 癌18 例 が 含 まれ る。 隆起 性 病 変 の 切 除 を受 けた 者 の うち,切 除 後 は 著 者 らの 施 設 へ 再 来 せ ず,便 潜 血 濃 度 を著 者 らが 自検 で き な か っ た,残 りの146人 は対 象 か ら外 し た。 結 腸 内 の 隆起 病 変 に は,(1)測 定 値 がCut-off 以 上 で あ るだ け で な く,(2)定 期 的 に検 査 を 反 復 す る と値 が わ ず か なが ら増 えて くる こ と,ま た, (3)3つ の 便 潜 血 濃 度 数 値 が 似 通 っ て い る こ と な ど,ng/ml単 位 で 見 て 初 め て 分 か る 独 特 の パ タ ー ン が あ り,著 者 ら の この 観 察 を 検 証 す る に は,切 除 前 ・後 の 便 潜 血 濃 度 を同.__.の定 量 法 で詳 細 に比 較 す る必 要 が あ っ た か らで あ る。 こ の よ う に し て 選 ん だ152人 に つ き,(1)精 査 適 応 と判 断 した 健 診,(2)そ の1回 前 の 健 診,(3)切 除 後 は じ め て の 健 診 の 計3回,各 回3個 で 計9個,合 計 1,368個 の 便 の潜 血 濃 度 を比 較 検 討 した。 潜 血 検 査 の試 料 は,あ らか じ め送 付 した 指 定 の

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便潜 血 を通 して見 えて いる もの―結 腸癌 ふ るい分 けに有用 な3日 法 定量 結果 の読 み方― 表1便 潜血 濃 度 に よる二 次 検 査適 応 の 決 め 方 ■ 今回便3個 の潜血濃 度か ら結腸内 出血性病 変を推測 1)3つ の値 か ら判 断 今(3)>100強… く疑 う。精査 の適応+++ 今(3)=61∼100強… く疑 う。精 査の適 応+++ 今(3)=31∼60可 能性 大。…精査 の適応++ 2)上位2つ の値 か ら判 断 今(2)>100だ が今(3)<30… … …否定で きない。 精査の適 応+ (今(3)<30は 採 便 ミスの可能性 あ り→ 即時再3検) 今(2)=61∼100だ が今(3)<30… 否定 で きない。精 査の適応+ (今(3)<30は 採 便 ミスの 可能 性あ り→1か 月以内 に再3検) 今(2)=31∼60だ が今(3)<30… …否定 で きない。精査 の適応 ± (今(3)<30は 採 便 ミスの可 能性あ り→3か 月以内 に再3検) ■ 今 ・前 ・前々 回の便潜血 濃度 か ら結腸 内隆起性 病変 を推 測 1)3便 とも3回 連続 して顕著 に増量 今(1)〉前(1)×1.2>前 々(1)×1.2、今(2)〉前(2)×12>前 々 ×1.2、 今(3)〉前(3)×1.2>前 々 ×1.2(3)、今(3)>61の 全 てを満 たす者 …可能性 大。 精査の適 応++ 2)3便 とも2回 連続 して顕 著に増量 今(1)〉前(1)×1.5、今(2)〉前(2)×1.5、今(3)〉前(3)×1.5、今(3)>61 の全 て を満 たす者 可能性 大。精 査の適応++ 3)3便 とも3回 連続 してわ ず かに増 量 今(1)〉前(1)〉前 々(1)、今(2)〉前(2)〉前 々(2)、今(3)〉前(3)〉前 々(3)、 今(3)>31の 全て を満た す者… ……否定 で きな い。精査 の適応+ 4)3便 とも2回 連続 して わず かに増量 今(1)〉前(1)×1.2、今(2)〉前(2)×12、 今(3)〉前(3)×1.2、今(3)>31 の 全て を満たす 者 否定 できない(possible)。適応+ 記号 の意味: 今(1)…今 回便3個 中1番 大 きな値, 今(2)…今 回便3個 中2番 目に大 きな値 今(3)…今回便3個 中3番 目に大 きな値 前(1)…前回便3個 中1番 大 きな値, 前(2)…前回便3個 中2番 目に大 きな値 前(3)…前回便3個 中3番 目に大 きな値 前々(1)…前 々回便3個 中1番 大 きな値 前々(2)…前 々回便3個 中2番 目に大 きな値 前々(3)…前 々回便3個 中3番 目に大 きな値 採 便 容 器 に,受 診 者 が1週 間 以 内 に3回 別 々 の排 便 時 に採 り,健 診 日 ま で 冷 暗 所 に保 存 して 提 出 し た 便3個 で あ る。 潜 血 濃 度 はJIS-HB200(和 光)(金 コ ロ イ ド法)を 用 い て 自動 測 定 した 。 精 査 の 適 応 はCut-offを30ng/dlと し,(1)こ れ を超 え る濃 度 の 便 潜 血 が3連 続 して い る か,(2) 健 診 反 復 の 回 を追 っ て連 続 的 に潜 血 濃 度 が 増 えて い るか,の2点 を 中心 に 判 断 した(表1)。 結 果 隆 起 性 病 変 を持 つ152人(癌 の み また は癌 と腺 腫 を持 つ56人,腺 腫 の み を持 つ96人)に つ き, 下 記3時 点 の 便 潜 血 濃 度 を見 た。 i.精 査 適 応 と判 断 し た 健 診 の便(以 下 「直 前 便 」)3個 表2結 腸 癌症 例 の 切 除前 ・後 の便 潜 血 濃 度 ii.そ の1回 前 の 健 診 の 便(以 下 「前 回 便 」) 3個 iii.切 除 後 は じ め て の 健 診 の 便(以 下 「直 後 便 」)3個 癌 の み ま た は 癌 と 腺 腫 を 持 つ56人 の 内 訳 は, 直 腸 癌18人,結 腸 癌38人 で,直 腸 と結 腸 に 癌 を 併 せ 持 つ 者 は な か っ た 。 1.結 腸 癌 症 例 の 便 潜 血 濃 度 の 変 化 精 査 の 結 果,結 腸 癌 と 腺 腫 ま た は 結 腸 癌 の み が 発 見 さ れ,切 除 を 受 け た38人 の 便342個 の 潜 血 濃 度 を 表2に 示 す 。 前 回 便114個 の 潜 血 濃 度 は 平 均143.9ng/ml, 標 準 偏 差289.7ng/ml。38人 中15人(No.1, 7,11,12,14,17,18,19,21,22,23,25, 28,34,38)は,前 回 健 診 時 は 著 者 ら が 精 査 適 応 と は 考 え な か っ た が,直 前 回 の 健 診 で 顕 著 な 濃 度 上 昇 が 見 ら れ て,適 応 と判 断 し た 。 直 前 便114個 の 潜 血 濃 度 は 平 均637.Ong/ml, 標 準 偏 差871.8ng/ml。38人 中No.21を 除 く37 人 全 員 が,結 腸 内 隆 起 性 変 化 の 存 在 を 疑 わ せ る 濃 度 パ タ ー ン で あ り,強 く勧 め た 結 果,精 査 受 検 に 日 健 診 誌JMHTS Vol.28 No.4 2001年 413

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日本総合健診医学会誌 表3直 腸癌症例の切除前 ・後の便潜血濃度 至 った 。No.21の 症 例 は,微 量 な が ら連 続 性 が あ る と告 げ,強 くは勧 め なか っ た が,本 人 の 自発 意 思 で精 査 を受 検 した 者 で あ っ た 。 直 後 便114個 の潜 血 濃 度 は平 均6.8ng/ml,標 準 偏 差16.0ng/ml。 癌 切 除 後 の 便 潜 血 濃 度 は, 例 外 な く激 減 して い た 。 2.直 腸 癌 症 例 の 便 潜 血 濃 度 の 変 化 精 査 の 結 果,直 腸 癌 と腺 腫 また は直 腸 癌 が 発 見 さ れ て切 除 を 受 け た18人 の,162個 の 便 の 潜 血 濃 度 を表3に 示 す 。 前 回便54個 の 潜 血 濃 度 は,平 均92.0ng/ml, 標 準 偏 差219.1ng/m1。 こ の 時 点 で は,No.4, 5,8,10,12の5人 は便 潜 血 検 査 結 果 か ら精 査 を勧 め て い た が,強 い説 得 で は な か っ た 。 直 前 便54個 の 潜 血 濃 度 は 平 均733.7ng/ml, 標 準 偏 差1,399.0ng/ml。No.1,3,7,16,18 の5症 例 は,こ の 回 の健 診 で 直 腸 鏡 で 腫 瘤 を発 見 し,全 大 腸 の 精 査 を 勧 め た 者 で あ った 。 残 る13 症 例 は 便 潜 血 濃 度 の 異 常 か ら精 査 適 応 と判 断 し た 。 直 後 便54個 の 潜 血 濃 度 は,平 均6.2ng/ml, 標 準 偏 差9.4ng/ml。 癌 切 除 の 後 の便 潜 血 濃 度 は 結腸 癌 と同様,例 外 な く激 減 して い た 。 3.腺 腫 症 例 の 便 潜 血 濃 度 の変 化 精 査 で腺 腫 の み発 見 され,癌 は 見 られ ず,そ の 腺 腫 の 切 除 を受 け た 者 は96人 で あ っ た 。 うち86 人 は便 潜 血 検 査 結 果 か ら,残 りの10人 は 直 腸 鏡 所 見 か ら精 査 適 応 と判 断 され た 者 で あ っ た 。 96人 の,3回 健 診 各 回3個 で9個 ず つ,計864 個 の 便 の 潜 血 濃 度 を 表4と 表5に 示 す 。 A.便 潜 血 検 査 結 果 か ら 精 査 し た86人 全 員 病 変 は 結 腸 に の み 見 ら れ,直 腸 に は な か っ た 。 前 回 便258個 の 潜 血 濃 度 は 平 均77.0ng/ml, 標 準 偏 差200.9ng/ml。No.9,20,22,24,38, 49,57,67の8人 は こ の 時 点 で 精 査 を 勧 め て い た が 応 じ ず,次 回 の 健 診 で の さ ら に 強 い 説 得 を 要 し た 。 直 前 便258個 の 潜 血 濃 度 は 平 均263ng/m1,標 準 偏 差814.1ng/m1。 こ の 回 の 便 潜 血 濃 度 と 前 回 の 便 潜 血 濃 度 の 比 較 か ら適 応 と 判 断 し て 勧 め た 精 査 を 受 検 し た も の で あ る 。 直 後 便258個 の 潜 血 濃 度 は 平 均9.6ng/ml,標 準 偏 差11.5ng/m1。 腺 腫 切 除 後 の 便 潜 血 濃 度 は, 例 外 な く激 減 し て い た 。 B.直 腸 鏡 所 見 か ら精 査 し た10人 10人 中8人 は 病 変 が 直 腸 に 限 り,2人 は 直 腸 と 結 腸 に 見 ら れ た 。 前 回 便30個 の 潜 血 濃 度 は 平 均15.2ng/m1,標 準 偏 差15.6ng/mlで あ っ た 。 直 前 便30個 の 便 潜 血 濃 度 は 平 均11.9ng/ml, 標 準 偏 差12.0ng/ml。 精 査 を 適 応 と し た 判 断 は す べ て 直 腸 鏡 所 見 に よ る も の で,便 潜 血 検 査 結 果 はCut-off以 内 で 問 題 な し と し て い た 。 直 後 便30個 の 潜 血 濃 度 は 平 均4.3ng/m1,標 準 偏 差7.0ng/ml。 腺 腫 切 除 の 前 と後 で 便 潜 血 濃 度 の 変 化 は な か っ た 。 考 察 従 来 式 便 潜 血 ス ク リ ー ニ ン グ の 限 界 便 潜 血 検 査 は19世 紀Van DeeのGuaiac法 に 始 ま る と さ れ る が,1970年 代Winnaverが 作 っ た ヘ モ カ ル トが 世 界 的 に 広 ま り,日 本 で も 小 林, 藤 田 ら が 大 腸 癌 ス ク リー ニ ン グ を 行 っ た 。 1978年Barrowが 免 疫 便 潜 血 検 査 を 開 発 し, 1984年 に は 斎 藤 ら が,ヘ モ グ ロ ビ ン 抗 体 を 用 い たR-PHA法 に よ り 安 定 し た 抗 体 の 作 成 に 成 功 し て,免 疫 法 が 臨 床 の 主 流 と な っ た が,米 国 の 便 潜 血 検 査 はGuaiac法 が 主 で,Heme-derived porphyrin fluorescence法 が こ れ に 次 ぎ,免 疫 法 は ご く少 数 の 使 用 に と ど ま る2)。

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便 潜血 を通 して見 えてい る もの一結腸 癌 ふ るい分 け に有 用 な3日 法定 量結 果 の読 み方一 表4便 潜 血 か ら発 見 した 結腸 腺 腫 症 例 の切 除 前 ・後 の 潜 血 濃 度 表5直 腸 鏡 所 見 か ら発 見 した 腺 腫症 例 の切 除前 ・後 の 便 潜 血濃 度 わ が 国 で は1980年 旧 厚 生 省 に よ り大 腸 集 団 検 診 の た め の 研 究 班 が 組 織 され,1981∼1985年 の 腸 癌 集 検 発 見 率 は0.11%以 上(平 均0.13%)と 高 く,全 発 見 癌 に 早 期 癌 の 占 め る 比 率 も55% あ っ て,大 腸 癌 集 検 は 免 疫 学 的便 潜 血 検 査1日 法 で 効 果 的 に 行 え る と見 られ た。 しか し集 検 が 年 々 重 ね られ る につ れ,大 腸 進 行 癌 の 見 逃 し例 が 報 告 され る よ う に な っ た 。 藤 好 は 自施 設 で行 った 大 腸 癌 検 診(免 疫 学 的 便 潜 血 検 査1日 法)の 偽 陰 性 率 を病 期 別 に 調 べ,進 行 癌28.5%,早 期 癌64.3%と し た3)。便 潜 血 陽 性 率 が 大 腸 癌 の 進 行 度,大 き さ,肛 門 か ら の 距 離,性 別 の い ず れ と も強 い 相 関 を示 さぬ とす る藤 好 は,1日 法 よ り優 れ る方 法 と して2日 法 を勧 め る。 著 者 ら もGuaiac2日 法,Feca-twintest3 日法 等 を採 用 し た が,満 足 す る 結 果 は 得 られ な か った 。 著 者 ら は大 腸 癌 を便 潜 血 で 絞 り込 む こ と をJ度 は あ き らめ,受 診 者 に便 潜 血 検 査 の 限 界 を 説 明 し て,「 大 腸 癌 発 見 の 徹 底 を 望 む な ら頻 回 に 注 腸 検 査 を受 け よ」 と指 導 した 時 期 もあ った が, こ の 期 間(1982∼1990年)も 含 め施 設 開 設 以 来 19年 間 の 結 腸 癌 発 見 は23,043人 の 中 か ら53例 (0.23%)し か な く,4,488件 の 注 腸 検 査 を 行 っ た結 果 と して は 実 りの少 な い もの で あ った 。 精 査 適 応 決 定 法 の 切 り替 え と こ ろが,著 者 らが無 差 別 注 腸 検 査 勧 奨 を続 け る間 に便 潜 血 自動 免 疫 定 量 装 置 が 開 発 され た の で,直 ち に 導 入 し て便 潜 血 検 査 を3日 免 疫 定 量 法 に切 り替 えた と ころ,注 腸 検 査 所 見 と妙 に符 合 す る便 潜 血 濃 度 数 値 パ タ ー ンが あ るの に気 づ き,こ れ が 結 腸 癌 発 見 の著 増 につ な が った の で あ った 。 著 者 らが 感 じ た の は,「3つ の 便 が3個 と も,あ 日 健 診 誌 、JMHTS Vol.28 No.4 2001年 415

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日本総合健診医学会誌 表6痔 疾 を持 つ 者283人 の 便 の潜 血 濃 度 3個 と も基 準 値(30mg/m1)未 満 の 者 … …232人(82.0%) 1個 基 準 値 以 上 、2個 基 準 値 未 満 の 者 … …41人(14.5%) 2個 基 準 値 以 上 、1個 基 準 値 未 満 の 者 … …10人(3.5%) 3個 と も基 準 値 以 上 の 者 な し(0%) る程 度 以 上 の 潜 血 濃 度 で あ る場 合,高 率 に 隆 起 性 病 変 が 見 つ か る。Cut-off値 は 一 般 に 用 い られ る 100ng/mlよ り大 幅 に 下 げ,30ng/m1辺 り に す べ し」 とい う こ とで あ った 。 これ に 気 づ い た1991年,精 査 適 応 の 決 め 方 を 従 前 の 「潜 血 濃 度 高 値 重 視 」 か ら 「3数値 そ ろ っ た 高値 重 視 」 に 改 め た と こ ろ,結 腸 癌 が 急 に見 つ か りは じ め,1972∼1990年 は計53例 で あ った も の が,1991年 は40例,翌1992年 は22例 と,両 年 で 従 前 の19年 分 を越 す 数 の 結 腸 癌 を 発 見 した (図1参 照)。 3便 の 潜 血 濃 度 値 の近 似 著 者 らの 適 応 の 決 め方(表1)は,「3個 の 便 の 中 に 潜 血 濃 度 の と て も高 い 便 が あ る」 こ と よ り も,「3個 と も そ ろ っ て,あ る 程 度 以 上 の 潜 血 濃 度 で あ る 」 こ との ほ うが,結 腸 内 出 血 性 病 変 を強 く示 唆 す る とい う考 え に立 っ て い る。 例 え ば3個 の 便 の 潜 血 濃 度 が200,4,3で あ る者 よ り,35, 33,30で あ る者 の ほ うが 径 しい と考 え,1便 の 濃 度 は い か に高 くて も(た と え200が2000で あ っ て も),残 る2便 の 濃 度 が4,3な ど微 量 の場 合 は, 結 腸 内 に 出血 性 病 変 が あ り そ う だ と は考 え な い 。 著 者 ら の 経 験 で は,200,4,3や2000,4,3の よ うに バ ラ つ きが 大 き い場 合,ほ とん ど は痔 疾 の 出血 で あ った 。 逆 に,た と え少 量 で も3連 続 す る 時 は,結 腸 に 出血 性 病 変 が あ るの で は な い か と著 者 らは疑 う。 痔 疾 と便 潜 血 痔 疾 と便 潜 血 の 関 係 に つ い て は,興 味 あ る事 実 を経 験 した(表6)。 便 潜 血 濃 度 が3個 の 便 に そ ろ っ て基 準 値 以 上 見 られ た こ とか らCFや 注 腸 検 査 を勧 め る と,日 ご ろ痔 疾 を 自覚 して い る者 は 異 口 同 音 に,「 自分 は 痔 が あ る か ら,そ の血 だ ろ う」 と言 っ て精 査 を忌 避 す る。 「3個連 続 だ か ら痔 疾 起 因 と は考 え に く い 」 と迫 る と,「 な ぜ そ う言 え る の か 。3回 と も 痔 か ら出血 して い る か も知 れ ぬ で は な い か 」 と反 論 す る。 理 屈 と して は も っ と もで あ る。 痔 核,裂 肛,痔 ろ う,脱 肛,肛 門 周 囲 膿 瘍,い ず れ も肛 門 部 に恒 在 す る 変 化 で あ るか ら,そ こ を通 過 す る便 に は い つ も血 が 付 い て い そ う に思 うの は 自然 か も 知 れ な い。 しか し実 際 に痔 疾 を持 つ者 の 便 を調 べ る と不 思 議 な こ と に,便 が3回 と も基 準 値 以 上 の 潜 血 を含 む こ とは まれ な の で あ る。 便 潜 血 と痔 疾 だ け を対 比 す る た め 著 者 ら は, 「痔 疾 が あ り,他 の 出 血 性 病 巣 は 結 腸 に も直 腸 に もな い 者 」283人 を選 ん だ 。 大 腸 癌 探 しの 間 に遭 遇 した,(1)直 腸 鏡 で痔 疾 が 確 認 され,(2)注 腸 検 査 お よ び,ま た はCFで,痔 疾 以 外 の 出 血 性 病 変 (癌,腺 腫,憩 室,潰 瘍)を 持 た ぬ こ と を確 認 で きた 者 で あ る。 この283人 の3日 法 検 査 の便,計 849個 の潜 血 濃 度 は表6の よ うで あ っ た 。 この 結 果 を見 る と,提 出 便 が3個 と も基 準 値 を越 え て い る場 合,検 査 側 は 自信 を持 っ て受 検 者 に精 査 を勧 め て 差 し支 え な く,受 検 者 の 「痔 疾 か ら の 血 で は?」 との 反 論 に も,「 連 続 して い る点 で 痔 疾 と は 出 方 が ち が うか ら」 と強 く説 得 して よ い と言 え る。 著 者 らは 「3つ の 数 値 の似 通 っ て い る こ と」 が 結 腸 内 出 血 を 示 唆 す る と見 る が,「 そ ろ って 」 と は言 っ て も,3,3,3な ど とい う微 小 な 値 の 連 続 に意 味 が あ る とい うわ け で は な い 。 あ る程 度 以 上 の 値 で,し か も近 似 す る場 合 に 意 味 が あ る,と 見 るの で あ る。 で は,3つ の 数 値 の 近 似 か ら結 腸 内 出 血 性 病 変 が 疑 わ し い と言 え る 潜 血 濃 度 値 の 高 さ,つ ま り 「あ る程 度 」 とは どの くら い か。 著 者 らが 経 験:的に 引 い た 線 は30ng/mlで あ る。 この 線 は,便 潜 血 検 査 試 薬 メ ー カ ー が 単 一 便 判 定 用 に 提 案 す る こ との 多 い100ng/mlよ りか な り低 い。 Cut-off値 の 周 辺 便 潜 血 検 査 は 永 い間,濾 紙 上 の変 色 斑 の 濃 さや 大 き さ を 目視 し,あ らか じめ 定 め た基 準 に照 ら し て 区 分 け して+か 一で 表 現 す る定 性 法 の み で あ っ た。 自動 測 定 装 置 の 進 歩 に よ り定 量 が 手 近 とな っ た 現 在 も,基 準 値 を越 え れ ば 「陽 性 」 越 え な け れ ば 「陰 性 」 と扱 う,い うな れ ば 「測 定 は 定 量,し か し判 読 は定 性 」 とい う扱 い が も っ ぱ らで,基 準 値 も100ng/m1と 緩 や か な の は勿 体 な く思 え る。

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便 潜血 を通 して見 えて い る もの― 結腸 癌ふ るい分 け に有 用 な3口 法定量 結 果 の読 み方― 表7便 潜 血 濃 度 が30∼100ng/inlで あ っ た 結 腸 癌 検 査 のCut-off値 は感 度 と特 異 度 の 兼 ね 合 い,つ ま り,要 精 査 率 が 妥 当 な線 に落 ち 着 く辺 りを狙 っ て 設 定 され る。 しか し著 者 らは,単一 便 の 判 定 に 普 通 用 い ら れ る 基 準100ng/mlは 高 す ぎ る と考 え る。 著 者 らの 基 準30ng/mlか ら見 れ ば,「35, 34,30」(結 腸 癌No.21)は 怪 し い微 量 連 続 で あ る が,Cut-offを100ng/mlに す る と,こ の3個 の 便 は ど れ も基 準 内(陰 性)と な る。 「99,84, 60」(結 腸 腺 腫No.60)に 至 って は か な り怪 しい の で あ る が,こ れ す ら全 部 陰 性 と扱 わ れ て し ま う。 著 者 らが こ の 期 間 に 発 見 した38例 の 結 腸 癌 の うち,表7に 抽 出 し た8例 な どは この 辺 りの注 意 が 必 要 な こ と を示 す(表7)。 下 線 を付 した 数 値 は一 般 のCut-off100ng/ml で は 陰 性 で あ る が,著 者 ら のCut-off30ng/ml は越 え,こ れ が 発 見 に 結 び つ い た 。 デ ィ ジ タ ル とア ナ ログ 潜 血 の連 続 性 は見 ず に濃 度 の 高 さだ け見 て 大 腸 癌 疑 い症 例 を絞 り込 も う とす る1日 法 は,濃 度 数 値 を 「Cut-off以 下 は 白,以 上 は黒 」 と二 分 す る もの で,“ 全 か無 か ”,「1」か 「0」か のdigitalな 扱 い方 と言 え る。 これ に対 し,連 続 性 を重 視 し た 結 果 の読 み 方 を す る定 量3日 法 は,潜 血 濃 度 数 値 群 の あ りの ま ま の 姿 を見 る,analogousな 扱 い と 言 っ て よい で あ ろ う。 写 真 の 見 え て は 不 都 合 な 部 分 を 隠 す 「モ ザ イ ク」 とい う技 法 が あ る。 問 題 部 分 を升 目状 に分 割 し,各 升 目 の色 と明 る さ の平 均 値 を計 算 し,算 出 さ れ た 色 と明 る さで それ ぞ れ の 升 目 を塗 りつ ぶ し て,何 が 映 っ て い る か 分 か ら な くす る 技 法 で あ る。 写 真 は,被 写 体 を膨 大 な 数 の極 微 な 点 の集 合 体 と と ら え,各 点 の 色 と明 る さ を 印 画紙 上 に再 現 す る こ とで,人 が 「見 た 通 りだ 」 と感 じ る像 を作 る。 見 た ま ま を,見 えた 真 実 を写 す か ら 「写 真 」 と呼 ぶ の で あ ろ う。 風 景,静 物,人 物,何 で あ れ,隣 り合 う点 の 発 色 や 明 る さ はた い て い 連 続 し て い て,「 真 っ 白 の 隣 が 真 っ黒 」 と い う よ う な 際 立 っ た(階 級 的 な)事 物 は,自 然 界 に は まれ だ と 想 像 す る。 連 続 した もの は連 続 した よ う に,あ り の ま ま に見 る ほ うが 正 体 が 知 れ や す い 。 被 写 体 か らの光 学 的 時報 は連 続 的 な の に,無 理 に区 分 け し て 階 級 的 な情 報 に替 え て,何 で あ る の か 真 実 を分 か ら な くす る,そ れ が モ ザ イ ク の 遮 蔽 効 果 で あ る。 遮 蔽 効 果 の 強 さ は升 目の 粗 さ に比 例 し,粗 い モ ザ イ クが 掛 か る と向 こ う に あ る被 写 体 は,何 か 見 当 が つ か な い 。 同 じ意 味 で 便 の潜 血 濃 度 を大 雑 把 に 「潜 血+」 と 「潜 血 一」 に二 分 す る の は,便 の 向 こ うに あ る大 腸 の様 子 をわ ざ わ ざ見 え に く く して し ま う,拙 劣 な 情 報 収 集 法 と言 え よ う。 「便 が 発 す る せ っか くの情 報 にモ ザ イ ク を掛 け るな 」 と著 者 らは訴 え た い 。 「3数値 と もそ ろ っ て 」 を も た らす もの 痔 疾 か らの 血 は便 塊 あ る い は塵 紙 の上 に赤 く肉 眼 視 で き る こ とが 多 く,受 診 者 が 意 識 的 に そ の 部 分 を採 取 し て提 出 した 場 合 な ど,計 測 機 をScale overす る ほ ど の 高 値 を 記 録 す る の は,定 量 法 を 使 う検 査 者 な ら 日常 経 験 す る と こ ろ で あ る。 し か し反 復 検 査 で 追 跡 す る と痔 疾 を持 つ 者 の便 は,す ぐに 潜 血 がng/mlで ゼ ロ 近 い 小 さ な値 に代 わ り,高 値 の 連 続 は 決 し て と言 っ て よ い ほ ど な い (表6)。 これ に比 べ 結 腸 の 癌 や 腺 腫 は,何 日 に わ た ろ う と,何 度 繰 り返 し提 出 さ せ よ う と,30ng/ ml以 上 の 濃 度 の 潜 血 は連 続 し て 見 られ る。 こ の 差 は何 に原 因 す るの で あ ろ うか 。 この 問 題 を考 え る際 参 考 と な る の は,直 腸 鏡 所 見 か ら勧 め て精 査 を 受 け た 直 腸 腺 腫10症 例 の 切 除 直 前 の 便 潜 血 濃 度 で あ る(表5)。 直 腸 腺 腫 の 大 き さ(10例 平 均:6.2mm,標 準 偏 差:3.4 mm)は 結 腸 腺 腫 の 大 き さ(86例 平 均:7.7 mm,標 準 偏 差:3.8mm)と 大 差 な い に も か か わ ら ず,直 腸 腺 腫 の 切 除 直 前 便 潜 血 濃 度(10例 平 均:11.9ng/ml,標 準 偏 差12.Ong/ml)は, 結 腸 腺 腫 の 切 除 直 前 潜 血 濃 度(86例 平 均:263.O ng/ml,標 準 偏 差:814.1ng/ml)に 比 べ 格 段 に 日健 診 誌JMHTS Vol.28 No.4 2001年 417

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日本総 合健 診医 学会 誌 小 さ い 。 この,便 に連 続 的 に は あ ま り血 が 混 じ ら ぬ とい う傾 向 は,表6に 示 した 通 り痔 疾 を持 つ者 に も見 られ た 。 直 腸 出 血 も肛 門 出 血 も,「 どの 便 に もそ ろ って 」 とい う形 に は な ら な い の で あ る。 消 化 器 科 の 臨 床 で も,直 腸 病 変 の 場 合,便 潜 血 検 査 で は採 便 部 位 に よ る偽 陰 性 が起 きや す い とされ て い る4)。 「肛 門 ・直 腸 」 と 「結 腸 」一 この 両 者 の 間 に は, 出 血 源 と腸 管 内 容 物 との 接 触 の 仕 方 に,決 定 的 な 違 いが あ る よ うで あ る。 著 者 らは これ を便 形 成 の 過 程 に関 係 す る と想 像 した 。 消 化 管 の 内 容 物 は 回腸 末 端 で は 液 状 で あ り,結 腸 の 蠕 動 運 動 で 盲 腸 → 上 行 腸 → 横 行 → 下 行 結 腸 へ と移 動 す る 間 にか く拝 ・脱 水 さ れ,徐 々 に半 練 状 ∼ 半 固 形 ∼ 固形 へ と変 化 して 便 塊 を形 成 す る が, S状 腸 下 部 に 達 す る と不 可 逆 的 に 肛 門 方 向 へ 進 み,直 腸 壁 へ の 圧 刺 激 が便 意 を起 こ して 一 連 の 排 便 運 動 に つ な が る とさ れ て い る。 直 腸 鏡 で 観 察 す る と一 目瞭 然 で あ るが,直 腸 膨 大 部 に達 し た便 は 排 便 時 に見 る と同 じ く完 全 にで き上 が った 棒 状 の 固形 物 で あ り,直 腸 の小 部 分 か らの 出 血 が,棒 状 の便 の 一 部 に付 着 す る だ け で,全 面 を覆 う形 に な らぬ で あ ろ う こ と は容 易 に想 像 で き る。 これ に比 べ 液 状 ∼ 半 液 状 の腸 内 容 物 が か く拝 され る結 腸 で は,腸 壁 か らの血 は腸 内容 物 に均 等 に行 き渡 り, そ の あ と に脱 水 が 進 ん で で き上 が っ た 固 形 便 は, 受 診 者 が ど の部 分 を採 取 し よ う と,大 差 な い潜 血 濃 度 を 示 す に ち が い な い。 出血 源 の お よ そ の 部 位 餅 つ き にた とえ れ ば,炊 い た餅 米 を 臼 へ 入 れ 杵 で こね る段 階 で 食 紅 を加 え れ ば,つ き上 が った 餅 は どの部 分 も紅 色 に 仕 上 が る の に比 し,白 い 餅 の 表 面 に後 か ら食 紅 を 塗 っ た急 ご し らえ の紅 餅 は, 鏡 開 きの と き割 る と中 は 白餅,表 面 は紅 餅 に な る の と同 じで あ る。 採 便 容 器 の 中 に は採 便 法 を細 か く指 示 した 案 内 書 付 きの もの が あ り,採 便 法 指 導 の 効 用 を説 い た 研 究 もあ るが,あ ま り細 か い 規 定 は受 診 者 に は実 行 不 可 能 で あ り,ど の 便 の どの 部 分 を採 取 す るか は,結 局 受 診 者 任 せ にせ ざ る を得 な い の が検 便 の 現 実 で あ る。2日 法 や3日 法 で の 複 数 個 の提 出 便 は,混 和 した 上 で検 査 す れ ば検 査 の 手 間 と費 用 を節 減 で き る とす る研 究 も ある5)。 どち ら も便 の 採 り方 の 不 適 や 採 便 箇 所 の 当 た り外 れ に よ る偽 陰性 を避 け よ う とす る もの で,根 底 に 「血 は 便 中 に均 一 に混 じ る と は 限 らぬ 」 とい う考 え が あ る。 しか し著 者 ら は,「 血 が 便 に均一 に 混 じ らぬ こ と もあ ろ う。 しか し,均 一 か 不 均 一 か, そ の こ と自体 が 一 つ の情 報 」 とい う見 方 に立 っ 。 受 診 者 が 便 塊 の どの 部 分 か ら採 っ た か 分 か らぬ便 試 料 を測 定 し,そ れ で い つ も似 た数 値 が 出 る の な ら,そ れ は 出血 源 が 結 腸 にあ る こ と を示 唆 す る」 と受 け 取 る の で あ る。 ゆ え に著 者 らは,直 腸 ・肛 門 の 出 血 性 病 変 探 し は,便 潜 血 検 査 に頼 るべ きで な く,内 視 鏡 か 注腸 検 査 を別 途 考 慮 せ ね ば な らぬ と考 え る。 出血 を きた す もの 結 腸 の 大 き な癌 の 手 術 切 除,ま た腺 腫 内 癌 を含 む 小 さ な 癌 の 内視 鏡 切 除,い ず れ の場 合 も切 除 後 の 潜 血 濃 度 は便3個 と も激 減 し,ほ ぼ全 例 で3個 と もng/ml数 は1桁 に な っ て い る。 切 除 を境 とす る便 潜 血 濃 度 数 値 の この 変 わ りよ う は,何 を意 味 す るの で あ ろ うか 。 切 除 に よ っ て 何 が 起 きた の で あ ろ うか 。 癌 症 例 だ け に 注 目す る 者 は,切 除 後 の 便 潜 血 濃 度 の 激 減 を 見 て,「 当 然 だ 。 癌 とい う出 血 源 が な くな っ た の だ か ら」 と言 うで あ ろ う。 「癌 は 脆 く出 血 しや す い か ら血 が 便 に 混 じる は ず 」 とい う考 え は,切 除 標 本 の 累 々 た る癌 腫 に べ っ と り付 着 した 血 塊 を見 れ ば合 点 しや す く,こ れ が 「ス ク リー ニ ン グ を便 潜 血 検 査 で 」 と い う,大 腸 癌 検 診 のGoldenstandardな った の は不 思 議 で な い。 しか し,癌 の 組 織 と して の 脆 さが 出 血 の原 因 な ら,癌 で な い腺 腫 は 出血 を伴 わ ぬ は ず で あ る が, 現 実 の 結 腸 腺 腫 の 便 潜 血 濃 度 は,(1)基 準 値(著 者 ら の 設 け た30ng/ml)を 大 き く超 え切 除 直 前 で は263.Ong/mlも あ り,(2)3日 法 の3数 値 が 比 較 的 に 通 っ て い た もの が,(3)切 除 後 は3数 値 と もそ ろ っ て1桁 近 い低 さ(平 均9.6ng/ml,標 準 偏 差11.5ng/ml)に ま で 激 減 す る,と い う3 点 で癌 と ま っ た く同 じで あ る。 この事 実 を ど う説 明 す るか 。 腺 腫 も脆 い の で は な い の か 一 と も考 え られ よ う が,86例 の 腺 腫 の 径 は 平 均7.7mm,標 準 偏 差 3.8mmで あ っ た 。CFで 日常 見 る こ の サ イ ズ の

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便 潜 血 を通 して見 えてい る もの一結 腸癌 ふ るい分 けに有用 な3日 法 定量 結果 の読 み方 一 腺 腫 に は,癌 に見 る よ うな脆 い感 じ はな い。 「癌 だ か ら血 が 出 る」 の で は な く,「 隆 起 が あ る か ら(隆 起 に腸 内 容 が 衝突 し て)血 が 出 る」 の で は な い か 。 そ う考 え れ ば,隆 起 の切 除 に よ る腸 壁 の 平 坦 化 を境 に便 潜 血 濃 度 が 激 減 す る こ と も説 明 が つ く。 検 査 反 復 の 意 味 2日 法 や3日 法 は,化 学 法 の 時 代 も免 疫 法 登 場 後 も,熱 心 な 検 査 者 に よ り し ば し ば試 み ら れ た が,反 復 の 狙 い は 常 に,便 を1個 しか見 ぬ こ とに よ る 小 さ な 癌 の 見 逃 し を恐 れ,“ … も数 射 て ば 当 た る” 方 式 で 検 査 の 感 度 を 高 め る と こ ろ に あ っ た 。 つ ま り,断 続 的 に しか 出 血 せ ぬ初 期 の癌 を想 定 し,幾 つ も調 べ て お け ば,ど の便 か が そ の血 を 拾 うで あ ろ う,と い う期 待 で あ る。 「ど の 便 か が 拾 う」 こ とへ の 期 待 で あ る。 「ど の 便 が 拾 っ た か は 分 か らな くて よ い 。 どの 便 か が 拾 っ た と分 か れ ば 十 分 」 と し,複 数 の便 試 料 を混 和 し,1回 の 検 査 の 手 間 と経 費 で賄 う 「混 和 法 」 の発 想 も こ こに あ る。 しか し著 者 ら は,こ れ と は異 な る 目的 で 反 復 検 査 を行 う。 複 数 個 の 試 料 を 検 す る こ と に よ り,「 腸 管 壁 の 隆 起 と腸 内容 物 と の 衝 突 で 出 血 が 起 きた の は,腸 内 容 物 が蠕 動 運 動 で か く拝 さ れ る 結 腸 だ っ た か ど うか 」 とい う,“ 出 血 源 の 身 元 調 査 ” を 目論 む の で あ る。 便 潜 血 を通 して 見 て きた もの 我 々 は長 い 間,便 に 含 まれ る血 を頼 りに 大 腸 癌 を探 し て きた 。 この 方 式 は大 きな 癌 腫 の発 見 に は 有 効 で,便 潜 血 検 査 で 的 を絞 り精 査 に持 ち 込 む こ と で 相 当 数 の 大 腸 癌 が 見 つ か った の は 事 実 で あ る。 しか し反 面,我 々 は この 大 腸 癌 健 診 の 網 を潜 る大 腸 癌 の 存 在 に,し ば し ば 首 を か し げ て も き た 。 こ の 大 腸 癌 健 診 の 光 と影 の 中 で 我 々 が 向 き 合 っ て きた 相 手 は何 だ っ た の か 。 便 中 の 血 で あ っ た の は無 論 だ が,そ の血 か ら我 々 が 嗅 ぎ付 け よ う と し た の は何 だ っ た か 。 我 々 は,「 癌 は 脆 い か ら 出 血 し て い る」 と想 像 し,こ の脆 弱 性 を介 して 癌 を探 し当 て よ う と して きた 。 しか し,定 量 便 潜 血 検 査 が 可 能 とな り,微 量 な レベ ル で 検 討 して み る と,こ の 「癌 の存 在 → 癌 は脆 弱 → 出血 → 血 は便 に 混 じる 」 とい う図 式 は,「 なぜ 便 に血 が 混 じ るか 」 の 説 明 とし て唯 一 の もの で は なか っ た 。 他 に 「隆 起 の 存 在 → 隆 起 と腸 内 容 物 の衝 突 → 出 血 → 血 は便 に混 じ る」 とい う図 式 も あ っ た の で あ る。 著 者 ら は,図 式 は実 は二 つ で な く一 つ か も知 れ ぬ と考 え る。 癌 も腺 腫 と同 じ く,そ の 隆 起 とい う形 の ゆ え に 出血 し,そ れ が 癌 検 査 の網 に掛 か る,つ ま り, 癌 は 隆起 の一 つ と し て発 見 され て い るの で は な い か と考 え るの で あ る。 腺 腫 の 自 然 史 やDoubling timeの 知 見 か ら,「 大 腸 の腺 腫 は癌 の 予 備 軍 で あ り,diminutive adenomaは 別 と し て,直 径5 mm以 上 の 腺 腫 の 切 除 は 有 意 義 で あ る」 とす る 見 方 は一 般 的 で あ る6∼11)。 免 疫 定 量 法 が 登 場 し た 今,我 々 は便 潜 血 検 査 を,「 癌 を探 す 検 査 で な く隆 起 を探 す 検 査 」 と認 識 し直 す 必 要 が あ る の で は か ろ う か 。Cut-off値 は,「 これ よ り下 げ る と要 精 査 例 が 増 え 要 らぬ も の を拾 う」 と い う特 異 度 の 限 界 と,「 これ よ り上 げ る と癌 を拾 い 損 ね て危 険 」 とい う感 度 の 限界 と 両 方 を睨 ん で 設 定 さ れ る。 しか し,も し も便 に 血 の混 じ る機 序 が 「癌 だ か ら」 で な く 「隆 起 が あ る か ら」 で あ るな らば,こ の 「い か に癌 を見 つ けた か 」 でCut-off値 を設 定 す る方 法 に は根 源 的 な 無 理 が あ る と考 え ざ る を 得 な い 。 「癌 探 し な の だ か ら,癌 を 幾 つ 見 つ けた か で評 価 し て 当然 」 とい う 理 論 は 自然 に聞 こ え るが,実 は落 と し穴 が あ る。 便 潜 血 検 査 は 出血 を探 す検 査 で あ る。 そ し て そ の 出血 が,定 量 法 で 仔 細 に見 て み る と,実 は癌 だ け で な く腺 腫 に も起 き て い るか らで あ る。 出 血 の 原 因 と な る隆 起 に注 目 し,「 隆 起 を 発 見 で きた か 」 で 大 腸 癌 探 しの シ ス テ ム を評 価 せ ね ば な らな い, と著 者 らは考 え る。 野 球 に た と え る な ら,大 腸 癌 健 診 に携 わ る者 に と っ て大 腸 癌 発 見 は ホ ー ム ラ ンで あ る。 しか し, 次 の よ う な 野 球 指 導 者 の 言 葉 を 聞 い た こ とが あ る。 「ホ ー ム ラ ン を 打 と う とす る な。 ヒ ッ トで よ い。 ヒ ッ トの延 長 線 上 に ホ ー ム ラ ンは あ る。 ボ ー ル を芯 で 捕 らえ,ヒ ッ トを 打 つ こ とだ け考 え よ。 ス タ ン ドに入 るか 否 か は 時 の 運 だ」 腺 腫 の 発 見 は さ しず め ヒ ッ トで あ ろ う。 「大 腸 癌 を 見 つ け よ う とす る な。 腺 腫 発 見 の延 長 線 上 に大 腸 癌 発 見 は あ る。 隆 起 を逃 さず 見 つ け る こ とを 考 え よ。 見 つ け た 隆 起 が 癌 か 否 か はbychanceだ 」 と言 え る の で は な か ろ うか 。 ホ ー ム ラ ン を打 と う打 と うで 大 日 健 診 誌JMHTS Vol.28 No.4 2001年 419

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日本総合健診医学会誌 振 り し,バ ッ テ ィ ング フ ォ ー ム を崩 して し ま った ス ラ ッガ ー の 話 も ど こか で 聞 い た 気 が す る 。 大 腸 癌 も同 じで,見 つ か っ た 癌 の 数 と手 間 暇 の兼 ね 合 い だ け 見 てCut-off値 を決 め た り し て い た の で は,大 腸 癌 探 し と い う船 は海 図 を失 って 迷 走 を 続 け る こ とに な りか ね な い。 結 論 1.便 潜 血 検 査 結 果 か ら二 次検 査 の適 応 を決 め る方 式 を改 め る こ とで,大 腸 癌 発 見 率 が 大 幅 に 向 上 した 。 a.便 潜 血 濃 度 の 高 さ よ り も,3つ の 便 の 潜 血 濃 度 が そ ろ っ てCut-off以 上 で あ る こ とを重 視 した。 b.Cut-off値 は30ng/mlに 下 げた 。 c.小 幅 で も3個 の便 の 潜 血 濃 度 が そ ろ っ て 前 回 よ り増 え る 時 は意 味 の あ る 変 化 と 扱 っ た。 3.大 腸 癌 の切 除 を受 け た 者 は ほ ぼ全 員,切 除 後 の 便 潜 血 濃 度 数 値(単 位:ng/ml)が3 個 そ ろ っ て1桁 に激 減 した 。 腺 腫 の切 除 を 受 け た 者 に も ま っ た く同 じ経 過 が 見 られ た。 この こ とか ら切 除 前 の 便 潜 血 濃 度 の3 個 そ ろ った 高 値 は,癌 の存 在 で な く,隆 起 の 存 在 に 原 因 す る と考 え られ た 。 4.結 腸 に癌 や 腺 腫 を持 つ 者 は全 例,便3個 と もCut-off値 以 上 の潜 血 濃 度 を示 し た。 直 腸 に癌 や 腺 腫 を持 つ者 で は,こ の 傾 向 が 見 られ な か っ た 。 この こ とか ら,結 腸 で 腸 内 容 物 に混 じっ た 血 液 は,結 腸 の蠕 動 運 動 に よ るか く拝 で 均 等 に行 き渡 り,便 の どの 部 分 を採 取 して も似 た よ う な潜 血 濃 度 が 得 ら れ る もの と想 像 した。 5.痔 疾 を持 つ者 は痔 出血 に よ る偽 陽性 の 可 能 性 を理 由 に精 査 受 検 を渋 る こ とが 多 い が, 3日 法 で 検 す る と,3個 と も基 準 値 以 上 の 者 は283人 中1人 も な く,3個 と も基 準 値 以 下82%,1個 の み 基 準 値 以 上14.5%,2 個 基 準 値 以 上3.5%で あ っ た。 痔 疾 に よ る 偽 陽 性 は3日 法 検 査 で 除 外 で き る。 文 献 1) 「国 民 衛 生 の 動 向 」1999年:50. 2) David,S.Jacobs.etal.:LaboratoryTestHand-book,645-647,LEXI-COMPINC,Hudson (Cleveland),1996. 3) 藤 好 建 史:免 疫 便 潜 血 検 査(2日 法)に よ る 大 腸 癌 検 診,4-6,栄 研 化 学 株 式 会 社,1995. 4) 月 岡 恵,見 田 有 作,五 十 嵐 健 太 郎 他:大 腸 早 期 癌 に お け る免 疫 便 潜 血 検 査 成 績 の 統 計 的 検 討,Therapeu-ticResearchvol.16suppl.2,1995. 5) 小 畑 大 吉,木 村 頼 子,永 尾 良 一 他:R-PHA3回 混 和 法 の 経 験,日 本 総 合 健 診 医 学 会 誌,15-3,227-231,1988. 6) 長 廻 紘,長 谷 川 か お り,飯 塚 文 瑛 他:大 腸 腫 瘍 の 分 布 に 関 す る検 討,胃 と 腸,24-2,131-137,1989. 7) 山 田 直 行,早 川 和 雄,福 地 創 太 郎 他:大 腸 ポ リペ ク ト ミ ー 後 の 経 過.胃 と腸,20-10,1077-1085 ,1985. 8) 松 川 正 明,根 来 孝,碓 井 芳 樹 他:早 期 大 腸 癌 と腺 腫 の 関 係,胃 と腸23-9,1023-1030,1988. 9) 志 賀 俊 明,西 澤 護,細 井 董 三 他:10mm以 下 大 腸 隆 起 型 腺 腫 の 経 過 観 察 例 の 検 討,胃 と腸,28-6,553-558, 1993. 10) 五 十 嵐 正 広,勝 又 伴 栄,内 藤 吉 隆 他:見 落 と し 大 腸 癌 の 検 討,胃 と腸,28-8,775-784,1993. 11) 岡 本 平 次,佐 竹 儀 次,坪 水 義 夫 他:微 小 早 期 大 腸 癌(5 mm以 下)の 内 視 鏡 学 的 ・組 織 学 的 検 討,胃 と 腸 ,22-4, 465-470,1987.

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便 潜血 を通 して見 えて い る もの一 結腸 癌 ふ るい分 け に有 用 な3日 法定 量結 果 の読 み方一

Summary

Patterns of Fecal Occult Blood Density Characteristic of Colonic Cancer and Adenoma

Keijiro KIYOSHIMA, Akeo TAJIKA, Tokumichi KAWASHIMA, Hisao MURAO, Minoru RAISE, Michitaka MIYAKE, Makoto NOGUCHI, Mamoru MIOKI, Fumltoshi HANDA

Background A fecal occult blood test (FOBT) for screening for colonic cancer is accessible to all of health plan participants but adherence of FOBT-positive participants with recommended BE or CF is poor, which lowers the final CRC detection rate. The leading cause of poor adherence seems to be low specificity of the FOBT.

Method With a health plan performing 15,000+multiphasic tests per year that include a 3-day method FOBT and sigmoidofiberscopy, a retrospective chart review was conducted and linked to switching of interpretation of FOBT data that markedly improved Colonic cancer detection rate more than 3 times. Blood density of stool specimens were measured with immunoassay and reported in terms of ng/ml. The patterns of three figures of blood density for each participant's stool specimens were examined in relation to the presence of cancers or adenomas as well as the timing

of removals of these neoplasia.

Results Quantitative test results represented in ng/ml tell more about suspected colonic bleeders than conven-tional qualitative test results. Patterns of FOBT data characteristic of colonic neoplasia are as follows;

1. Continuity of positivity ; In 74% and 61% of sets of 3 stool specimens of colonic cancers and adenomas respectivly, all three were positive (figures over thresholds). Threshold values were 100 ng/ml for cancer and 30 ng/ m l for adenoma.

2. Resemblance of 3 figures for blood density ; In 63% of sets of 3 stool specimens of neoplasia of the colon, figures for blood density of each set closely resembled each other. Benign bleeders such as hemorrhoids and diverticuli, however, rarely showed continuity of positivity or resemblance as was noted in neoplasia. In 94% of adenoma cases, after polypectomy, all of the three figures of blood density went down to near zero, suggesting that the previous bleedings were caused by minute collision between stools and protrusions of the colonic inner surface.

Conclusion When blood densities of stool specimens are measured quantitatively in terms of ng/ml and the data thus obtained are interpreted in terms of continuity, the FOBT helps physicians distinguish colonic neoplasia from other nonprotruding colonic bleeders and raises cost-efficiency of the BEs and/or CFs they perform.

Key Words : Fecal Occult Blood Test, Continuity, Resemblance, Colonic Cancer, Colonic Adenoma

参照

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