法科大学院 2014年度入学試験問題 憲法 出題趣旨 議員の親族が経営する企業に対し、市との工事等の契約を辞退するよう求め、 また関係する議員にも辞退届を提出するよう努力義務を課す、政治倫理条例の 合憲性を問う問題である。条例の趣旨に反した議員に対しては、辞職勧告が行 われることとなっており、この点も併せて問題となる。 本問には、モデルとなった事案(判決)があるが、事案についての知識を求 めているわけではない。また事案を知っていても、下記の諸点をふまえて答案 を構成するのは容易ではないであろう。 法律(地方自治法)と条例との関係(憲法 94 条)、経済活動の自由の制約(22 条 1 項、または 29 条 1 項)、議員活動の自由または議員の政治活動の自由(立 候補の自由を含む)の制約、といった点が、憲法上は問題となろう。議員活動 の自由・政治活動の自由の制約の問題には、是非とも触れてほしいところである。 法律と条例の関係については、比較的論じやすいであろうが、地方自治法と 条例の規定をふまえ、ていねいに議論を組み立てることが期待される。経済活 動の自由については、議員の立場からなぜその制約を主張することができるの か、説明が必要である。本問の場合、契約の辞退を求める制約と議員に辞退届 を提出させる義務は相互に関連し、また条例に従えば、議員を続ける限り契約 辞退を求めざるをえなくなるという事情がある。議員活動の自由・政治活動の 自由については、憲法 15 条 1 項、21 条、93 条などから根拠づけを行いつつ、 どのような意味で権利の制約が生じているのかを、きちんと論じる必要がある。 事案では、辞職勧告がなされているにとどまる。 原告の主張、被告側からの反論を想定した自説の展開、双方が要求されてい るので、項目や論点をあげるだけでなく、それぞれについて、かみ合った議論 をきちんと展開する必要がある。
憲法
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