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実践編Ⅵ 美術科 形や色彩に対する造形感覚を共に高め、豊かに発想・構想し、よりよい創造を目指す生徒の育成

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Academic year: 2021

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47 -Ⅵ 美 術 科 木暮 克昌 形や色彩に対する造形感覚を共に高め、豊かに発想・構想し、よりよい創造を目指す生徒の育成 1 研究の概要 (1) 生徒の実態 美術科では、生徒の現状を次のようにとらえている。 (2) 目指す生徒像 美術科では、生徒の実態をふまえ目指す生徒像を次のように設定した。 ① アイデアを複数発想し、繰り返し構想を深めることができる生徒 ② 作品の意図、作品のイメージを言葉を用いて説明できる生徒 ③ 自分の表したいイメージを絶えず振り返りながら制作できる生徒 ①にある「アイデアを複数発想し、繰り返し構想を深める」とは、自分の思いを表現するためのアイ デアを様々な視点から複数考え出し、よりよい創造を目指して、表現を追究することである。様々なア イデアを出し練り上げていくことにより、独創的で個性豊かな作品の制作をしたり、豊かに発想・構想 したりする力を高めていく。 ②にある「言葉を用いて説明できる」とは、作品に対する“思い”を明確にしながら形や色彩などの 性質や感情を表す言葉を用いて伝えられることである。言葉を用いて伝えるコミュニケーション活動を 通して、表現の意図を更に明確にしたり、造形感覚を高めたりしていく。 ③の「絶えず振り返りながら」とは実現状況の評価活動を通して作品に対しての“思い”を常に意識 しながら制作する活動のことである。制作と評価を繰り返すことにより、主題と自らの表現を総合しな がら作品の完成度を高め、“思い”と表現との相違を縮めていく。

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48 -(3) 研究の構想 本校生徒の実態と、本校美術科部が目指す生徒像をふまえて、以下のような構想で研究を進めていく。 (4) 重点的に取り組む手だてについて 本校生徒の実態と、本校美術科が目指す生徒像をつなぐ手だてを次のように考えた。本年度は、②の 「表現意図を明確にしたり、生徒同士が高め合ったりできる場面の設定(意見交流の重点化)」に重点 を置き授業実践を進めていく。また、より豊かな表現がなされるよう複合題材の開発や、題材の系統的 配列を工夫することを推し進めていく。 ① スケッチを描く活動の重点化 ② 表現意図を明確にしたり、生徒同士が高め合ったりできる場面の設定(意見交流の重点化) ③ 発想・構想を膨らませる鑑賞活動の導入 ①題材の導入時や、題材と題材の間に観察したことや想像したこと、具体物や抽象的なものなど、様 々なものをスケッチする学習を積極的に取り入れる。これにより、生徒の描くことへの抵抗をなくした り、経験を踏ませたりすることができ、題材ににおける発想・構想の段階に生かすことができると考え る。 ②制作の途中の段階や作品が完成した段階で、お互いの作品の鑑賞会や意見交流会を設定し、言葉に よる作品(表現の工夫や意図)の説明を行う。また、意図的にグループ学習を取り入れることで、お互 いに感受性を高め合ったり、美的判断力を磨き合ったりできると考える。 ③題材と生徒とを関わらせる際に参考作品を提示したり、よくできている作品の工夫点を見たりする 鑑賞活動を取り入れる。また、生徒の鑑賞の視点を広げるためにさまざまな作品や、作品の保存や修復 の重要性などの側面も取り入れることで、鑑賞の仕方や感じ方、考え方、造形感覚などを高められると 考える。

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49 -2 実践例

第2学年の題材「ことわざをかたちに」において「②表現意図を明確にしたり、生徒同士が高め合っ たりできる場面(意見交流の重点化)」の実践は以下のようになる。

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50 -3 省察と展望 (1) 実践例について 重視した具体策については、生徒から次のような感想を得た。 ○今回は鑑賞をやったので班の人の作品の よいところがたくさん見つかりました。色 使いや構成が整っていて、次の題材を学習 するときにすごく役立つと思いました。 ○他の人に見てもらうと、自分が気がつか なかった良い点、悪い点がわかって直すべ きところが分かった。 ○発泡スチロールを使うと丈夫で見た目に も良いことが分かったので、材料の工夫に ついて次から気をつけたい。 ○今回の自分の作品は「おもしろい」とは 言われたが、みんなに「そのまんまだね。」 と多く言われた。内容が分かりやすいのは いいと思うが、みんながちょっと考えて、 「あっ!」と驚くような作品でもいいなと 思った。 左上の生徒の感想から、他の生徒と の相互鑑賞によって、本人では気づか なかったことを指摘してもらうことが でき、より明確に改善点を見つけられ、 相互鑑賞の有効性を見とることができ る。また、他の生徒の感想においても (右上)自分の作品に使わなかった材 料の性質やよさに気づけたり、友達と の交流の中から気づいたことが記述さ れたりしている。左の意識調査①②に あるように、多くの生徒が鑑賞会にお いて自分の意見をもつことができ、他 の生徒との意見交流をしたことで作品 に対する見方(鑑賞すること)が深まったと答えている。スケッチ活動を充実させるために今回は「副 詞スケッチ」を取り入れた。「ふわふわ」や「きらきら」といった副詞からイメージを膨らませ、スケ ッチで自由に形にしてみる活動を発想・構想の段階で取り入れたことにより、③に見られるように、ス ケッチを深め、制作を順調に進めることができる生徒が増えた。 (2) 今後の展望 研究主題「形や色彩に対する造形感覚を共に高め、豊かに発想・構想し、よりよい創造を目指す生徒 の育成」に向けて、本年度から2年間の研究をスタートした。新たな美術科学習の方向として、共に学 びながら作品の質・完成度を高めていくことができる学習過程や指導・教材の工夫について明らかにし ていきたい。相互鑑賞のタイミングや回数、豊かに発想・構想を広げるための手だてとしてのスケッチ を描く活動の導入、1年間の題材の並び、また、中学校生活3年間を見通した指導計画を明らかにして いきたいと考えている。

参照

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