日本語母語話者と韓国語を母語とする学習者の日本語の同意を示すあいづち : ディスカッションにおけるあいづち使用の比較
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(2) 甲南女子大学研究紀要第 41号. 1。. 序. 文学. 文化編 (2005年 3月. 2。. 口田. ). 日. 白 勺. に よつて成立す る。近年 ,非 母語話者 に対す る 日本語. 聞 き手は,あ いづ ちを用いて, どのような形で話 し 手 に配慮 しているのであろうか。本稿では, 日本語母. の音声 コ ミュニ ケ ー シ ョン教育 の 中 で は ,話 し手 と し. 語話者 と,韓 国語 を母語 とす る 日本語学習者 を調査 対. てだけで な く,聞 き手 と して の役割 を も十分 に果 たせ. 象 と して ,デ ィス カ ッシ ョンとい う自分 と異 なる意見. る よ う指導す る必 要性 が 認識 され て い る。 この 流 れの. を持 つ 相手 との 会話 の場 での あ いづ ちの使用 につい て. 中 , 日本語学習 者 を対 象 と したあ いづ ちに関す る研 究. 見 て い く。. コ ミュニ ケ ー シ ョンは ,話 し手 と聞 き手双方 の協働. が 行 わ れ て きた (堀 口 ,1990;1度 辺 ,1993;向 井. 本稿 で は,堀 口 (1997)の 定義 に基 づ き,あ いづ ち. ,. を「話 し手が発話権 を行使 して い る 間 に,聞 き手が話. 1998;窪 田,2000な ど)。 この 中 で ,渡 辺 (1993)は. ,学 習者 の場 合 はハ イ. し手 か ら送 られ た情 報 を共 有 した こ とを伝 え る表現」. ,. エエ ,ウ ンな どの 「促進 型」 の あ いづ ち と,ソ ウデ ス. とす る。堀 口 (1988)に よる と,あ いづ ち の機能 は次. カ,ナ ルホ ドな どの 「完結型」 の あ いづ ちの 区別 が つ. の よ うな もので あ る。. か ない ため に,完 結型 を用 い るべ きと ころで促 進型 を 用 い るケ ー ス,ま たその逆 のケースが あ る とい う質 の. ① 聞 い て い る とい う信号. 面 か らの 問題 点 を挙 げ て い る。 さ らに,向 井 (1998). ② わかったとい う信号. は,学 習者 はあいづ ちを使用する とき,単 に「聞いて. ③ 同意 の信号. い る」「理解 した」 ことを示す にとどまる傾 向がある. ④否定 の信号. のに対 し,日 本語母語話者 は,「 聞 き手 として どう感. ⑤感情 の表出. じるか」 とい う話 し手 に対す る態度 を示す傾向がある この ような機能 を持 ったあいづ ちを使用 して聞 き手. ことを指摘 してい る。 しか し,他 の先行研究 の多 くは,学 習者が用 い るあ いづ ちの使用頻度や表現形式等 に関す る実態調査 にと どまって い る。使 用 頻 度 に注 目す る こ と も重 要 で あ る1が ,あ いづ ちが話 し手 に配慮 しなが ら行 う コ ミュ. が積極的 に会話 に参与する ことは,話 しやす い環境 を 作 り,コ ミュニケー シ ヨンを促進す る。 また,あ いづ ちの言語 形 式 に は,「 ハ イ」「エ ー」. ニ ケ ー シ ョン行動 にお い て果 たす 役割 を考 える と,ど. 「ソウ」 などのあいづ ち詞 と呼 ばれる形式 や,そ の繰 り返 しである「ハ イハ イ」「ソウソウソウ」,直 前 の相. の ような場面 で どの よ うなあ いづ ちを用 い るか とい つ. 手 の発話 の一部 または全部の繰 り返 し,他 の語句 によ. た機能 ・質 を追 求 して い く必 要性 も高 い と思 われ る。. る言 い換 え,話 し手 の話 の先取 りなどが挙げ られる。. 本稿 で は ,こ の あ いづ ちの機能 に注 目 し,デ イスカ. 本稿 では,多 くのあいづ ちの 中か ら,「 同意 を示す. ッシ ョンの 場 で 用 い られ る あ いづ ち に つ い て 考 察 す. あいづ ち」 を取 り上げる。 これ を取 り上げたのは,日. る。 デ イス カ ッシ ョンで は,自 分 とは異 なる意見 を持. 本語 での コ ミュニケー シ ョンを観察す ると,自 分 と同. った 聞 き手 に対す る話 し手 と して の 配慮 ,な らびに. 意見を持つ話 し手 の発話 に対 してだけでな く,自 分 と は違 う意見 を持 つ話 し手 の発話 中に も「エエ」「ソウ. ,. 話 し手 か ら聞 き手 に立 場 が 変 わ った ときの話 し手 に対 す る配 慮 が 要求 され る。 メ イナ ー ド (1993)が ,「 あ いづ ちが会話 に使 われ る根本的 な理 由 は ,会 話相手 に. 対す る意識 ,ひ いては 『思 いや り』 とい う当事者間の 心理的 ・感情的 なふれあい に求 めなければなるまい」. デスネ」 などが用い られる ことも多いことが分かるた め,日 本語 に特徴的 なあいづ ちと考 えられるか らであ る。 これが 日本語学習者で も同 じように用 い られてい るのであろ うか。. (p.160)と 述べ て い るよ うに,デ イスカ ッシ ョンに. 本稿 では,韓 国語 を母語 とする日本語学習者が同意. おいては円滑な コ ミュニケー ションを行 うための一助. を示すあいづ ちを,特 に「 自分 の意見 に不同意 である. として,そ して,円 満な人間関係 を築 き,維 持 するも. 話 し手 の発話」 に対 して,ど のように用 いてい るか それが 日本語母語話者の用 い方 とどのような点 で異な. の として,話 し手 に対す る配慮 を示す聞 き手 の適切 かつ有効 なあいづ ちが不可欠である。. ,. ,. っているかを明 らかに して,そ の違 いが異文化間 コ ミ ュニケー ションに及 ぼす影響 を考察す る。.
(3) 松崎千香子 :日 本語母語話者 と韓 国語 を母語 とす る学 習者 の 日本語 の 同意 を示す あ いづ ち. 11. ッシ ョン も全 て 日本語 で行 う こ とを要請 し,韓 国語 で. 3.方. 話 され た場合 は ,こ れ を分析対 象 か ら除外 した。 2回. 法. 目のデ イス カ ッシ ョン も同様 の手順 で行 い ,デ イス カ ッシ ョン終 了後 に調査 の 目的 を知 らせ た。. (1)調 査対 象者 日本 語 母語 話 者 (以 下 ,J)女 性 8名 ,韓 国語 を母. 収録 され たデ ィス カ ッシ ョンの音声 を文 字化 した も. 語 とす る 日本 語 学 習 者 (以 下 ,K)女 性 8名 で あ っ. の を分析 資料 と した。 デ ィス カ ッシ ョンは 合計 16回. た。性別 を統 一 したの は,待 遇上 の 問題 を避 け るため. 行 われ ,1回 の デ イス カ ッシ ヨンは最 も短 い もの で 4. で あ る。Jの 年齢 分布 は 25歳 か ら 30歳 で ,全 て 日本. 分 18秒 ,最 も長 い もので 8分 08秒 で あ った。総収録. の大学 院 (博 士 課程 後期 )に 在籍 す る者 で あ った。 K. 時 間 は ,約 108分 であ った。. の年齢分布 は 27歳 か ら 31歳 までで ,出 身 は 6名 が ソ ウル ,2名 が釜 山 で あ った。 Kは 全 て 日本 の 大学 院 に 在籍 して い た。全 ての. Kの バ ックグラウ ン ドを Table. (3)分 析対 象 デ ィス カ ッシ ョンで は多 くの あ いづ ちが出現 した。 参考 と して,Table 3に 調査対 象者 の 母語別 の 平均 あ. lに 示す。. いづ ち間拍 数 を掲 げ る。Table 3か ら, 日本 語 母 語 話 者 は韓 国語母語話者 よ りもあ いづ ち を使用す る頻度 が. (2)手 続 き 調査対象者 は,2回 の デ ィス カ ッシ ョン を行 った。. 高 い こ とが 分 か る。 また ,李 (2001)の 男性 を対 象 と. 1回 目 は,母 語 が 同 じ相 手 との デ イス カ ッシ ョン,2. した調査 と比 べ る と,日 本語母語話者 ,韓 国語母語話. 回 目は母語が異 なる相手 との デ イス カ ッシ ョンであ っ. 者 ともにあ いづ ちが 多 い ことが わか る。. た。 デ ィス カ ッシ ョンは相手 が初 対面 になるよ う,か. 発 話 デ ー タに表 れ たあ いづ ちか ら,「 同意 を示 す あ. つ ,で きるだけ相 手 との年齢差 が小 さ くな る よ うペ ア. いづ ち」 を前 後 の 文脈 と共 に と りあげ ,分 析 の対象 と. リ ングを行 った。 Table 2 調査対象者 に示 した ロール. 「 自分 の 意見 に不 同意 で あ る話 し手 の 発 話」 に対 し て うたれ るあ いづ ち を調 べ るため ,両 者が対立す る意 見 を持 つ よ うに ロー ル プ レイ方式 で行 った。 デ イス カ. デ イス カ ッ シ ョン 1. A:. 女性が結婚 したあ とも仕事 を持 つ・続 けるのは良 くない。 (lB). ッシ ョンに用 い た ロール (立 場 )を Table 2に 示す。 デ イス カ ッシ ョンの収録 は 防音室 で行 った。対話者 が 向 か い合 わせ になる よ う椅子 を配 置 し,そ の 間 に背. 女性が結婚 したあ とも仕事 を持 つ・続 けるのが 良い。 (lA). デ イス カ ツ シ ョン 2. の低 い花 瓶 な どを載 せ た机 を設 置 した。ICレ コー ダ ー を調査対 象者 が対話 中に気 にす る こ とが ない よ う. A:. 日本 で は ,外 国人 は 日本 人 の よ うに言 動 す るのが 良 い 。 (2A). B:. 日本 であ って も,外 国人 は 日本 人 の よ うに言動 す る必 要 はない 。 (2B). ,. 机 の上 の 目につ か な い位 置 に設 置 し収録 した。 調査 対 象 者 二 人ず つ に収 録 室 に 集 ま って も らい. Table 3 日本語 母語 話者 と韓 国語 母 語 話 者 の 平均 あ いづ ち間拍 数. ,. 各 々 に ロー ル カー ドを渡 し,そ れ に示 した ロー ル (立 場 )に 立 って ,相 手 とデ イス カ ッシ ョンす る よ うに教 示 した。 この とき,あ いづ ちに関す る調査 の 目的 は知 らせ なか った。 また ,調 査対象者 には ,年 齢 は互 い に 知 らせ あ わ ない こと,韓 国語母語話者 同士 のデ ィス カ. 話 し手 聞 き 手. 日本語 日本語 韓 国語 韓 国語 母語話者 母語話者 母語話者 母語話 者. υ ` づ リ 再 ド 奪 ど毅24.6. 25.5. 37.6. Table l 韓 国語 を母語 とす る 日本語学 習者 の バ ックグラウ ン ド. Kl K2 K3 K4 K5 K6 K7 K8. 年齢. 日本語学習歴. 日本滞在期 間. 出身地. 専攻. 31. 10年 10年 8ケ 月 4年 2ケ 月. 5年 7ケ 月 6年 7カ 月. ソ ウル ソ ウル ソ ウル ソ ウル ソ ウル ソ ウル 釜山 釜山. 日本文学 日本語学 経 済学 工学 経 済学 日本語学 日本語学 国際学. 31. 27 28 28 29 27 29. 6年 8ケ 月 5年 7年 8ケ 月 7年 lヶ 月 9年. 1年 2ケ 月 1年 2ケ 月 3年 7カ 月 3年 2ケ 月 2年 6ケ 月 5年 8ケ 月. 38。 7.
(4) 甲南女子大学研究紀要第 41号. 12. 文学・文化編 (2005年 3月. ). か 否 か を判 断 した。. した 。. 吉 糸. 4。. (1)日 本語母語 話者 の 同意 を示 すあ いづ ち. 果. 日本語母語話者 の 同意 を示す あ いづ ち を話 し手 の発 調査 で得 られ た 同意 を示す あ いづ ちが どの よ うな内. 話 内容 ご とに Table 4に 示 す。Table 4か ら分 か る よ. 容 の発話 中 に用 い られて い るか を,次 の 3つ に分類 し. うに, 日本語母語話者 の場 合 は ,相 手 の母語 に関 わ ら. て ま とめ る。. ず ,自 分 の 意見 に同意 の 内容 の発話 に対 して よ りも. ,. 自分 の 意見 に不 同意 の 内容 の発話 に対 して ,よ り多 く ア.自 分 の意見 に不 同意 の 内容 の発話" イ.自 分 の意見 に同意 の 内容 の発話 〕. の 同意 を示す あ いづ ちを使 用 して い た。調査対 象者別. ウ.ア ・ イの い ず れ とも言 えな い 内容 の発話. るため ,こ れ を 日本語母語話者 の 同意 を示す あ いづ ち. に見 て も, 日本語母語話者全員 に この結果 が 当 ては ま 使 用 の傾 向 と して認 め る こ とがで きる。. この 同意 を示す あ いづ ちには,「 ソウデス ネ」「 ナ ル. 具体 的 なあ いづ ちの使用例 を例 1に 挙 げ る。 このデ. ソウデ ス ネ」「 ア. イス カ ッシ ョンで は,J3は 女性 は結 婚 したあ と も仕. ヤ ッパ リ」 の よ うな複合 した型 の あ いづ ち,及 び先. 事 を続 け た ほ うが 良 い とい う立場 に立 って お り,J4. 取 りあ いづ ち も含 まれ る。但 し,「 ソ ウデ ス ネ」 の よ. の子供 がで きた ら家 にい て あげなければな らない とす. うに,形 式 的 には 同意 を示す もので あ って も,イ ン ト. る発 話 内容 は ,J3に とって は 自分 の主 張 に不利 な も. ネ ー シ ョンや ス ピー ドに よって否定 的 な意味 となるあ. ので あ る。 ここでの 「ア. いづ ちは,そ の プ ロ ソデ ィを参考 に して ,同 意 を示す. 利 になる事実 を認 めて い る もの と解釈 で きる。. ホ ド」「 ソ ウ」等 だ けで な く,「 ア. ソウデス ヨネ」 は,そ の不. Table 4 日本語母語話者 の 同意 を示す あ いづ ちの使 用 対 日本語母語話者 話 し手 の発話 内容. 使 用 回数. ア。 自分 の意 見 に不 同意. 24回. あいづ ち. 対韓 国語母語話者 使 用 回数. あ いづ ち. 12回. 「ソウデスネ」 (3) 「ソウナ ンデス ヨ」 (3) 「アー ソウカ」 (2) 「ソウ」 「タシカニ ソウ」 「ソウデス ヨネ」 「タイセツダ トオモウンデス ヨネ」 (7種 類. 「ソウデスネ」 (9) 「ア ソウデスヨネ」 (4) 「ソウデスヨネ」 (4) 「ソウ」 (2) 「アー ヤ ッパ リネ」 「ナルホ ド」 「アー ソウデスネ」 「ウン ソウデスヨネ」 「アー ソウカ」 (9種 類. ). ). イ.自. 5回. 分 の 意見 に同意. (2種 類. ). 29回. ウ .そ の 他. 14回. 16回. 「ソウデスネ」 (4)な ど (8種 類 ). 10回. 「ソウデスネ」 (3)な ど (5種 類 ). 43回. 計. ※あいづ ち欄 の 例. J3 J4. 「ソウデスネ」 (2) 「ソウ」 「ソウデス ヨネ」 (3種 類 ). 言十. 合. 4回. 「ソウデスネ」 (3) 「ソウ」 (2). 26回. ( )内 は ,そ の あ いづ ちが用 い られ た 回数。無表記 は 1回 。. 1)(J3が lAの ロール,J4が lBの ロールでのデ イス カ ッシ ョン. ). 女 の人 が 仕事 したい とか仕事す る時間があったらね 仕事す るのが いい とお もうんです よ― エ ー エ ー. うちにい るよりもね―. J3 J4. アー アー. J3 J4. ア で きた ら. あ ソ ウデ ス ヨネ や っぱ り あ の. そ. そ うか もしれないですけど. 母親 は子供 の とこに. ウン あの. でも. ウン やっば り 子供が. い てあ げ ない と… (略 ).
(5) 13. 松崎千香子 :日 本語母語話者 と韓国語 を母語 とする学習者 の 日本語 の同意 を示すあいづ ち. また,例 2に 挙げたものは韓国語母語話者とのデイ スカッションであるが,女 性 は結婚 しても仕事を持つ. づ ちを多 く用いることが判明 した。調査対象者別 に見. べ きとい う立場に立つ J7は ,そ れと対立する立場 の. れも韓国語母語話者の傾向 と考 えられる。. ると,1名 を除 く7名 にこの結果が見 られたため,こ. K7に 対 して,「 ソウデスネ」 とい う同意 を示すあい づ ちをうっている。 このようにあいづ ちを用いること. Table 5 韓国語母語話者の同意を示すあいづちの使用. で ,相 手 の 主張 を支持 す る事 実 を認 め ,円 滑 に コ ミュ ニ ケ ー シ ョンを進 め ,円 満 な人間関係 を築 くため の 間 き手 と しての役割 を果 たそ う と して い る もの と捉 え ら. あ いづ ち. 話 し手 の発話 内容. 使 用 回数. ア.自 分 の意見 に 不 同意. 8回. 「ソウデス ネ」 (3) 「ソウデス ヨネ」 (2) 「ソウ」 (2) 「ダイジデスヨネ」 (4種 類 ). イ.自 分 の意見 に 同意. 19回. 「ソウデス ネ」 (8) 「ソウ」 (5) 「アー ナルホ ドー」 (3) 「ソウデシ ョウネ」 (2) 「ソウデシ ョウ」 (5種 類 ). れ る。. (2)韓 国語母語話者 の 同意 を示 す あ いづ ち 韓国語母語話者 の場 合 は,デ イスカ ッシ ョンの相手 が 日本語母語話者の 時 と韓 国語母語話者 の 時 とで ,あ いづ ちの使用頻度 ,使 用 され るあ いづ ちの種類 な どに 差 が 見 られ なか ったため ,話 し手 の発話 の 内容別 に同. 小. 意 を示すあ いづ ちを Table 5に ま とめ た。. ウ.そ の他. 韓 国語母語話者 の場合 は, 日本語母語話者 の場合 と. 合. 対 照 的 に,自 分 に不 同意 の 内容 の 発 話 に対 して よ り. K7:. 日本では家庭 を守 るっていい ます よね. い うの も. 一 つ の生 き方 とい うか. K7:. 思 うんで す よ エ ー. 例. 私も. J5: J5:. K5:. J5さ. そ の次 の 2番 目か なって ソ ウデ ス ネ¨0(略 ). ). んの意 見 に賛成. あの. 女性 が社 会 ってい うか. あの. ほん とにそ う思 い ます. 会社 とかで上 に まで い けな い ってい うの は. なんです け ど. 最近多 いで しょ 子供 が. 子供が 1人 で. ウン 留守番 して いて. 家 に知 らな い 人 をい れた りとか. 家事 とか. 事件 が起 きる ってい うのが ソ ウデ ス ネ. そうい う. そ うい うニュースみるとね―. でも. やっぱ り 女性 だけが 0¨ (略 ). lAの ロー ル ,J6が lBの ロールでの デ イス カ ッシ ョン. ). 仕事 をしてい る母親 ってい うのは 仕事 の時間以外. J6:. K3:. 価値 があ る と. 3)(J5が lAの ロー ル ,K5が lBの ロ ー ル で の デ イス カ ッシ ョン. 例 4)(K3が. K3:. 専念す る ウ ンウ ン. ウ ン. K5: K5:. 頑 張 って い くっ て 言 うか. だか ら 仕事 って そ うい う意味 で は. J7:. J5:. とい うか 家族 のこと一番 に考 えてって. エ ー エ ー. ウン. J5:. 41回. ). あの で も その ―. J7:. K5:. 計. 子供 とで きるだけ過 ごそ うって考 えるん じゃ ウ ン. ない で しょうか. J6:. で ウン. K3:. 子供 のことだけ考えて. だか ら. ず っ と子供 とい る人 よ りも 時 間 は少 ない け ど. 時間を過 ごす. J6:. 中身 は何 倍. ず っと 何倍 も. ん―過 ごせるん じゃないか と思 うんです よ… (略 )・ 00 まあ. ほん と. K3: J6:. た しかに 家 にずっといても お母 さん もイライラが溜 まって しまうで しょうし あの お母 さんが子供 を. K3: J6:. ). 2)(K7が lBの ロー ル ,J7が lAの ロー ル で の デ ィス カ ッシ ョン. J7:. K7:. 「ソウ」(5)な ど (5種 類. 14回. ※あ いづ ち欄 の ( )内 は,そ の あ いづ ちが用 い られ た 回数。無表記 は 1回 。. も,自 分 に同意 の 内容 の発話 に対 して 同意 を示す あ い 例. 27回. 計. ス. トレスの は け回. は け口. わか ります か. ハイ ソウデスヨネ はけ口にするのはだめです よね … (略 ).
(6) 甲南女子大学研究紀要第 41号. 文学 。文化編 (2005年 3月. ). 韓国語母語話者 によって用い られた同意 を示すあい. この よ うな 日本語母語話者 と韓 国語母語話者 の価値. づ ちの例 を例 3に 挙 げる。K5は 女性 は結婚 したあ と. 観 ,及 びデ イス カ ッシ ョンに臨 む態 度 の違 い が あ いづ. は仕事 を続 けるべ きでない とい う立場 に立ってお り. ちの使 用 に表 れたのであろ う。. ,. J5が 挙げ た子供 の事故 の例 はその K5の 主張 を支持. 日本語母語話者 は あ いづ ち を多用 し,ま た 日本語 は. す る もので あ る。そ こで,こ こでの K5の 「ソ ウデ スネ」 は,自 己の主張 に有利 である事実 を認めて, ど. 多 くの あ いづ ち表現 を持 つ こ とが 指摘 されて い るが この よ うな特徴 を持 つ 日本語母語話者 と日本語 で コ ミ. れに同意 を示す ものであると解釈 で きる。. ュ ニ ケ ー シ ョンを行 う際 には ,適 切 な ときに,適 切 な. ,. 機能 を有す るあ いづ ち を用 い なければ,話 を聞 い て い. 方が,ず っと子供 と一緒 に過 ごす母親 よりも子供 との. な いの で はな い か ,日 本語 が わか つてい ないので はな. かかわ りの意味 で よ り濃厚 な時間を持 ち,そ の時間 を. い か ,な どの誤 解 や不安 を招 き,コ ミュニ ケ ー シ ヨン. 大切 に思 うことが 出来 る とい う K3の 主張 を支持 す る内容 であ る。 これ に対 して,K3が 「ソ ウデ ス ヨ. が破 綻 す る可 能性 もあ る。 五口. また,例 4で は,J6の 発話 は,仕 事 を持 つ 母親 の. 6.結. ネ」 とあいづ ちをうち,K3の 意見が妥当である こと を相手 に伝 えようとしているもの と考 えられる。. あ いづ ち表現 は ,い わゆ る意 味論 的 な 「意味」 を有 5。. 考. 察. さな い し,ま た ,こ れ までの 日本語 の研 究 ,日 本語教 育研究 で は情報 の発信者 と して の話 し手 を研 究対象 と. 以上 の結 果 よ り, 日本語母語話 者 と韓 国語母語話者. す るこ とが 多 く,あ いづ ちの研 究 ,及 び非母語話者 の. とで は ,デ イスカ ッシ ョンで 用 い る 同意 を示す あ いづ. あ いづ ちの 習得研 究 につい ては進 んで い る とは言 えな. ちの 用 い方 が大 き く異 なって い る こ とが 判明 した。. い 。 しか し,コ ミュニ ケ ー シ ョンが 話 し手 と聞 き手 の. 日本語母語話者 は,自 分 の意見 に不 同意 の発話 に対. 共 同 (協 働 )の かかわ りに よって成立す る こ とを考 え. して同意 を示す あ いづ ちを多用 す るが ,韓 国語母語話. る と,あ いづ ちを も含 んだ 聞 き手 中心 の研 究 も必 要 で. 者 の場 合 は ,自 分 の 意見 に不 同意 の発話 に対 して同意. あ り,ま た ,そ の研 究 の 成果 を どの よ うに 日本語教育. を示す あ いづ ちを用 い る ことは非常 に少 な く, 日本語. の シラバ ス に組 み込 んで い くか を探 る必 要 が あ る。. 母語話者 とは逆 の 用 い方 を して いた。 この よ うな同意 を示すあ いづ ちの使 用 の違 い は, 日 本語母語話者 と韓 国語母語話者 の ,対 立す る意 見 に対 す る態度 の 違 い に起 因す る もの と考 え られ る。. 異 文 化 間 コ ミュ ニ ケ ー シ ョンで生 じる諸 々の 問題 は,当 事者 間 の 文化 的背景 の違 い に起 因す る コ ミュニ ケ ー シ ョン・ ス タイルの違 い で あ るこ とも多 い 。 本 稿 で は ,コ ミュ ニ ケ ー シ ヨン・ ス タイルの 中か. 日本語母語話者 の場 合 は,あ いづ ちを自分 とは不 同. ら,同 意 を示す あ いづ ちに焦点 を絞 って研 究 を行 った. 意 の発話 に対 して用 い る こ とで ,対 立す る立 場 で あ つ. が ,あ いづ ちには他 に も多 くの機能 があ る。 また,あ. て も,デ イスカ ッシ ヨンに積極 的 に参与 して い る こ と. いづ ちの定義 は研 究者 に よって異 な ってい るため ,日. を示す とともに,話 し手 が 話 を進 めや す い よ うに聞 き. 本語教育 で扱 うべ きあ いづ ち の機能 につい て も整理 し. 手 と しての役割 を果 たそ う と して い る と考 え られ る。. て い く必 要 が あ ろ う。. まず ,人 間関係 を築 き,対 立す る 自分 の 意見 を言 うた ヽ 亡 め に も,相 手 に も意見 を言 い やす い環境 を作 る よう″ が けて い る ことが わか る。 一 方 ,韓 国語母語話者 の場 合 は ,対 立す る意 見 に対 して は 同意 を示 す あ いづ ちはあ ま り用 い る こ とが な. 注. 1)例. えば ,英 語 母 語 話 者 の 場 合 ,英 語 で は 聞 き手 はあ. ま りあ いづ ち を うたず に話 を聞 くのが 通 常 で あ る。そ の あ いづ ち の うち方 を 日本 語 で の コ ミュニ ケ ー シ ヨン に も持 ち込 んで しまい ,話 し手 で あ る 日本 語 母 語 話 者. く,自 分 と相手 の立 場 の 違 い をあ いづ ちの使 用 に よつ. に「私 の 話 を聞 い て い な い の で は な い か ,理 解 で きて. て も明確 に しようとす る態度が見 られ る。 これ は ,韓. い な い の で は な い か」 と不 安 な気 持 ち に させ る こ とが. 国 で は ,「 議論 の 場 にお い て相手 の 意 見 に必 要 以 上 に 同意表 明 をす る人間は優柔不 断 であ る とい う印象 を与 え る」 (李 ,2001:151)こ とか ら,そ の 態度 を 日本語 での コ ミュ ニ ケ ー シ ョンに持 ち込 んで い る もの と考 え られ る。. あ る とい った量 的研 究か らの示唆 が ある。. 2)自. 分 の 意 見 に不 同意 の 発 話 は ,自 分 の主 張 に不 利 な. 事 実 の 指 摘 や ,相 手 の主 張 を補 強 す る ・支 持 す る事 実 の指摘 な ども含 む。. 3)自 分 の 意 見 に同意 す る発 話 は ,自 分 の主 張 に有 利 な 事 実 の 指 摘 や ,自 分 の主 張 を支持 す る事 実 の 指摘 な ど.
(7) も含む。 参考文献 喜多壮太郎 1996「 あ いづ ち とうなず きか らみた 日本 人 の対面 コ ミュニ ケ ー シ ョン」『 日本語学』,15(1),58` 66。. 窪田彩子 2000「 初級 日本語学習者 の あ いづ ち使 用 とそ の習得」平成 12年 度 日本語教育学会 第 1回 研究集会. 堀 口純子 1988「 コ ミュニ ケー シ ョンにおける聞 き手 の 言語行動」『 日本語教育』,64,13-26。 堀 口純子 1990「 上 級 日本語学習者の対話 にお ける聞 き 手 としての言語行動」『 日本語教育』,64,13-26. 堀 口純子 1997『 日本語教育 と会話分析』 くろ しお出版 松 田洋子 1988「 対話 の 日本語教育学 ―あ いづ ちに関連 して」『日本語学』,7(13),59-66. .. 水 谷 信 子 1988「 あ いづ ち論」『 日本 語 学』,7(13),4-. H. 発表資料 . 小宮千鶴子 1986「 相 づ ち使用の実態 ―出現傾 向 とその 周辺」『語学教育研究論叢』,3,43-62.. 向井千春 1998「 日本語 の あ いづ ち―上 級 日本語学習者 と日本語母語話者 によるあ いづ ち使 用」『平成 lo年 度. 善雅 2001「 議論 の場 にお け るあ いづ ち :日 本語母 語話者 と韓国人学習者 の相違」『世界 の 日本語教育 日. 日本語教育学会秋季大会予稿集』,H6-121. メイナ ー ド OK・ 泉子 1993『 日英語対照研 究 シ リーズ. 李. 本語教育論集』,11,139-152,国 際交流基金 日本語国際 セ ンター. 任 栄哲 ・李 先敏 1995「 あ いづ ち行動 にお け る価値 観 の 韓 日比 較」『世 界 の 日本 語 教 育. 日本 語 教 育 論 集』,5,239-257,国 際交流基金 日本語国際 セ ンター. 堀江 薫 1998「 コ ミュニ ケ ー シ ョンにお ける言語 的 ・ 文 化 的 要 因 一 日韓 対 照 言 語 学 の 観 点 か ら」『 日本 語 学』,17(11),H8-127。. (2)会 話分析』 くろ しお出版. .. 渡辺美恵子 1993「 日本語学習者 の あ いづ ちの分析 ―電 話 での会話 にお いて使用 された言語的あいづ ち」『日本 語教育』,82,110-122.. Maynard,Senko K.1989″″″s`Cθ κソ`だ α′れrSイLε θ jθ. ′r`α 4グ ι χ ′α′ ′″′ 力 gtt s′ r“ ε ′ “ “ ““ ι′ 。Norwood,NJ:Ablex. ““ jzα jθ. jれ. 77-. ′ ttα ′ α た ε “ “ jθ. 4α g`―.
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