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共同利用研究報告 平成3年度~平成5年度

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共同利用研究報告 平成3年度∼平成5年度

著者

東北大学遺伝生態研究センター

発行年

1994-04

(2)

共同利用研究報告

平成3年度∼平成5年度

≡ - ---/;-I

全園共同利用施設

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目    次 《平成3年度》 ○ ワークショップ 1.微生物の環境適応に関連する遺伝子群の解明 2.紫外線増加などの未来環境下で植物の成育と微生物の生活は どう変わるか ○ 共同利用研究 1.植物の成長過程のモデル化 鹿瀬 忠樹、佐藤 雅志 2.土圏ミクロ・コスムにおける細菌遺伝子の変異と細菌間伝達----=- 8 服部 勉、富樫 二郎、若尾 紀夫 3.制御環境下における植物の形質発現とその変異性の解析---・--- 10 河野 昭一、平塚  明、石粟 義雄 4.イネ花粉のストレス環境下での適応力の遺伝変異・=--・--・・・一一・一一一一--- 13 佐藤 雅志、佐藤洋一郎、石川 隆二 5.植物と病原性糸状菌の相互作用に及ぼす紫外線の影響--・---一一一一一-一一・ 15 本田 雄一、内藤 陽子、熊谷  忠 6.植物病原微生物のプラスミドの性状及び 環境微生物遺伝子DNAの検出方法に関する研究--・・-=---・・:-- 18 江原 淑夫、羽柴 輝良、遠藤 銀朗、石橋 良信 及川 栄作、小関多賀美、菊本 敏雄 7.細胞質雄性不稔遺伝子の構造と発現 亀谷 寿昭、竹田 真敏 8.レタス種子光発芽性に関する突然変異体の作出 --=-一一---一・ 25 井上 康則、大瀧  保、宮等  厚 9.アズキ在来品種間にみられる環境適応と生態分化・・-一山---・ 27

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寺井 謙次、庄司 舜-《平成4年度》 ○ ワークショップ 1.真核微生物の環境応答と遺伝子発現 2.植物の形質発現と環境適応機構 ○ 共同利用研究 1.土圏ミクロ・コスムにおけるファージ特異性遺伝子、 ヒ素耐性遺伝子の細菌間分布 富樫 二郎、服部  勉、若尾 紀夫、菊本 敏雄 2.植物の形質発現と適応機構の分子遺伝的解析 1  2 河野 昭一、寺内 良平、平塚 明、石栗 義雄. 3.植物と病原性糸状菌の相互作用に及ぼすUV- Bの影響 一植物におけるUV-B誘導蛋白の静性解析一・---日日=-・-I 10 柴田  均、本田 雄一、熊谷 忠 4.イネに対する壊性遺伝子導入の試み 佐野 浩、亀谷 寿昭 5.植物病原微生物のプラスミドの性状及び 環境微生物遺伝子DNAの検出方法に関する研究-一一一一一---一一一一---- 15 江原 淑夫、羽柴 輝良、遠藤 銀朗、石橋 良倍 菊本 敏雄 6. UV-B光の増加と稲の繁殖様式 佐藤洋一郎、佐藤 雅志 7.根の水分屈性発現機構とその生態的意義 石原 邦、平沢 正、高橋 秀幸、菅  洋 8.光環境に応答して変動する植物代謝と形態形成 との間の相関関係の解析 岩村 破、菅  洋、篠崎 真輝、高橋 秀幸 9.アズキ在来品種間にみられる環境適応と生態分化-一・・一-・----一一一--- 26

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寺井 謙次、庄司 舜-《平成5年度》 ○ ワークショップ 1.細胞の環境適応と膜脂質 2.植物の系統分化及び遺伝変異の誘導と解析 3.窒素固定の遺伝生態 ○ 共同利用研究 1.植物の形質発現と適応機構の分子遺伝的解析 河野 昭一、寺内 良平、平塚  明、菅  洋 石栗 義雄 2.草地細菌群における7u'f遺伝子の分布 南沢  究、服部  勉 3.地圏環境の微生物が塩濃度変化に脂質修飾で適応した際の脂質膜 物性の変化 1  4  5 大木 和夫、服部  勉,小林 俊秀 4.臨界環境下における植物一微生物の生態系に関する研究山一・--・---- 15 本田 雄一、柴田  均、内藤 陽子、熊谷 忠 5.トランスジェニック植物を用いたキメラ植物の作成と遺伝子発現・・・--・ 19 平田  豊、亀谷 寿昭、菅野  明 6.染色体DNAの構造性からみた土壌細菌群集の特性・--・--・-∴-・- 22 若尾 紀夫、服部  勉 7.根の水分屈性発現機構とその生態的意義 石原 邦、平沢 正、高橋 秀幸、菅  洋 8.イネに対する煤性遺伝子導入の試み 佐野  浩、亀谷 寿昭′ 9.混植されたオーチャ-ドグラスとホワイトクローバーの群落構造に 及ぼす近紫外光の影響 寺井 謙次、丸山 純孝、庄司 舜一、熊谷 忠

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10.接合菌類の環境応答としての接合反応の解析 大瀧  保、官署  厚,吉田 元信、 1 1.光環境に応答して変動する植物代謝と形態形成との間の相関 関係の解析 岩村 倣、菅  挙、篠崎 真輝、高橋 秀幸 12.ヒゲカどの形態形成における微小管の役割 菱沼 佑、井田  譲、大瀧 保、宮等  厚 13.インゲン根腐病菌小型分生胞子の生態学的意義 百町 滞朗、服部 勉

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共同利用研究報告

平成3年度

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微生物の環境適応に関連する遺伝子群の解明 代表者  服部  勉 1.はじめに 分子生物学の目覚ましい発展によって生まれる新しい可能性を生かして、生態系に おける微生物の研究を飛躍的に発展させることが、今回のワークショップの基本的なねら いであった。よく知られているように、微生物生態と分子生物との間には、現在大きな溝 があり、この溝を埋める努力なしに、前進することは困難である。この溝には二つの側面 がある。第一に今日の分子生物に関する知識は、大腸菌、枯草菌など少数の細菌において 著しく豊かになっている反面,土壌や海洋などに住む多数の細菌が手付かずになっている ことであるo第二に,微生物の生態研究が定性的,概念的段階を脱していない点である。 本ワークショップでは、微生物生態と分子生物の両分野の研究者に集まって損いて,両者 の会話を通じて,両分野の接点を兄いだそうとした。 2.研究経過 まず事前に、微生物生態関係の参加者(鹿野秀一;東北大学理学部、川端善一郎;壁 媛大学農学部、石田祐三郎;京都大学農学部、松山東平;新潟大学医学部、南沢究;茨城 大学農学部、木村星人;名古屋大学農学部)より分子生物研究者へ問題提起の手紙風庶稿 を書いて頂いたoこれを念頭に、当日分子生物研究者(吉川寛;大阪大学医学部、中田篤 男;大阪大学微生物病研究所、水野猛;名古屋大学農学部、小林泰夫;東京農工大学農学 部)にそれぞれの専門の立場から、お話を刀凱1た。その後、一般参加者を含め討論を行っ たo会の後、各参加者に話題、感想を手紙風原稿に書いて損き、 IGEシリーズNo. 14と してまとめ発行すると同時に、一般参加者などのご意見を「遺伝生態研究センター通信」 特集号として、発行した。 3.研究結果 本ワークショップは、わが国はじめての微生物生態一分子生物の本格的交流であり、 両者の間の考え方の違いがかなり鮮明になると同時に、新しい協力関係が生まれるように なった。また、・本センターの研究者と分子生物参加者の間に、共同研究の企画がその後い くつか生まれつつある。また、 「通信特集号」 、 IGEシリーズNo. 14は非常に多くの研 究者に読まれ、今後の両分野の交流に貢献しつつあるように思われる0 4.まとめ 本ワークショップは、生態系における微生物種の生活の遺伝的基礎の解明に、新しい 一歩を鷹みだす機会を提供したものと思われる。 以上

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紫外線増加などの未来環境下で植物の成育と微生物の生活はどう変

わるか 代表者名   菅    洋 1。はじめに

人額の行う経済活動の結果、近年我々の住む地球の環境破壊のス

ピードが加速され、近未来にいろいろの環境変動が予測されている。

その主なものは地球表面に到達する紫外線量の増加、温度上昇、二酸

化炭素濃度の上昇などであるが、その複合効果も示唆されている。

今回とくにこれらの未来環境変動のなかで、紫外線増加の問題を取

り上げたのは、当センターはその前身の農学研究所の時代から、長

年環境制御装置を利用して、生物特に植物の生活環制御に及ぼす環

境因子の研究に取り組んできたからであり、特に光環境の研究につ

いても長い経験を有していたためである。 今回のワークショップにおいては、現在日本各地でこの分野の研

究に従事されている研究者に方に、それぞれの専門領域についての

最近の研究成果にもとづく話題を提供していただいた。また、この

分野に関心を有する研究者の方々には、これらの話題提供及びその

周辺領域に関してコメントを戴いた。これも今回のワークショップ の特徴である。 2。研究経過 次に掲げる話題の提供及びそれについてのコメントの披れさがあっ た。まず当ワークショップの代表者の当センターの菅洋が「ワーク ショップのねらい」と遺してその計画立案の経緯を述べた。続いて 次の発表があった。

「高等植物に及ぼす紫外B光の影響と紫外B光受容体についてJ(神戸

大学理学部橋本徹)、 「近紫外線による活性酸素の生成と植物細胞の

応答」(島根大学農学部柴田均)、 「植物と病原糸状菌の相互作用に及

ぼす紫外線の影響」(島根大学農学部本田雄一)、 「キュウリの成長に

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対する紫外線の影響と成長阻害の作用スペクトル」(国立環境研究所

近藤矩郎)、 「森林の光環境と林木の生長」(東京大学農学部佐々木恵 彦)、 「未来環境下でのイネの適応性一特に紫外線、オゾン、温度につ いて」(国立遺伝学研究所佐藤洋一郎)、 「長波長紫外線に耐性なイネ

品種の育成へのアプローチ」(東北大学遺伝生態研究センター佐藤雅

蕊)、 「未来環境、特に高温環境下における実験短草モデル型草地の

動態」(東北大学遺伝生態研究センター庄司舜-)、 「コメントなど」

(鳥取大学乾燥地研究センター稲田勝美、東北大学遺伝生態研究セ

ンター大滝保、東北大学遺伝生態研究センター熊谷忠)

3。研究結果

紫外線増加により植物がどのような影響を受けるかについて、主と

して実験にらとづいた研究結果を話題にして取り上げたもの、さら

に進んで植物の品種間における耐性の差異にまで話題を広げたもの、

これら耐性の生殖生長をとおしての集団の変化、進化にまで言及し

たものなど植物の紫外線増加にたいする反応を取り上げた話題には、

現段階におけるそれぞれの研究分野での蓄積が反映され、それから

敷延される今後の問題点が浮き彫りにされた。一方、紫外線障害の機

構などの問題に関連して、紫外B光受容体や紫外線照射による活性敢

素の生成と植物の応答についての、新しい観点からの接近が紹介さ

れ注目された。

また、特に病原糸状菌と植物の相互佐用に及ぼす紫外線の影響につ

いての話題提供は、耕地生態系における病原菌の動態という立場か

らも極めて重要な知見を提供した。

他に光環境としては、森林内の樹冠を通過してくる光の質の問題は、

生態系における光環境という意味で重用祝しなければならない問題

であろう。その他に、未来環境における温度上昇という見地から、草

地モデルを利用してこの問題に接近する試みが紹介された。これら

の研究発表にたいして、専門的立場から用語の使用法、問題設定の基

盤、今後考慮すべき視点などについて活発なコメントの披れきが行

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われた。 4。まとめ

予想される未来環境変化下において、植物の成育や微生物の生活

がどのように変化するかについて、基礎的知見を蓄積しておくこと は緊急の課題であろう。今回のワークショップにおいては、特にこれ

らの観点から実験的にこの問題に接近し、それぞれの分野において

すでにデータを蓄積しておられる研究者の方々に、その経験を踏ま

て問題点を指摘していただいた。その結果、特に未来の環境変化のな

かで紫外線量の増加に関連して、作用機構、植物の成育反応、微生物

特に糸状菌の反応、耐性植物選抜の方法などについて、今後の研究を

進める上で貴重な意見の提出があった。これらは、今後全国共同利用

施設と.しての、当センターの機能の展開という立場からも貴重な収 穫であったと判断される。 本ワークショップで取り上げた話題の分野は、当センターに平成4

年度から新設を認められた新部門の「臨界生態遺伝研究部門」の設置

目的とも深い関連を有しているので、今後のこの部門の研究発展の

ためにもこのワークショップの実行には大きな意義が認められる。

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植物の成長過程のモデル化 東北大・理 広瀬忠樹、 東北大・連生研 佐藤雅志 研究協力者 東北大・理 西村由紀 1.はじめに 植物が与えられた環境で優位になるためには、その環境条件を充分有利に利用で きる能力が必要である。植物の成長速度はその能力を評価する指標の一つとなると 考えられている。植物によって成長速度の最も高くなる環境条件が異なり、環境条 件の変化による成長量の変化の割合も異なる。このような成長特性は、その植物の 生理的な適応環境を決定する要因となる。成長特性を理解するにはまずその成長速 度の決定がどのように行われるのかを知らなければならない。 成長速度の変化は単純な量的変化ではない。成長速度は、窒素吸収速度、植物体 窒素濃度、葉の窒素濃度、光合成速度、呼吸による消費の速度、光合成器官と吸収 器官への物質分配率、葉面積の展開などの生理的・形態的要素に分けて考えること が出来る。これらの要素は互いに関係しながら環境によって変化し、成長速度を決 定する。 一つ一つの要素についてその変化の過程を検討し、それらを統合して成長速度の 制御機構を明らかにし、成長過程をモデル化する事をめざした。 2.研究経過 はじめにオオバコ科4種で光強度と窒素栄養集件を変えた栽培を行い、種間の差 を検討した。さらに、これらの成長速度の制御機構の解明のためにオオバコ(巳払出 ago aSiatica)一種を用いて、光条件二段階、窒素条件二段階で、時間を追って成 長速度の変化を調べた。そして、光・窒素・時間の三条件の影響は互いに関係を持 っていることがわかった。そのため、窒素栄養条件が最も植物内部の成長制御と関 わりのある環境条件と考え、その条件の影響を単離する実験を行った。実験の再現 性を得るため、またそれぞれの環境条件の影響を分離するために、環境制御装置を 用いて栽培を行った。 繰り返し行った栽培実験で採取した植物体を用いて、成長解析・窒素分析を行い、 一部の実験においては地上部と地下部の呼吸測定も行った。成長の要素としては地 上部の重量比(SWR) 、葉の厚さに相当する葉の面積あたりの重量比、葉の面積 あたりの純同化速度を取り上げた。 3.研究結果 窒素栄養条件と相対成長率の関係は、S字状のグラフになることがわかった。水耕 液の濃度がある漉度より低いと、植物は窒素を吸収することができず、成長の変化

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がみられなくなる。また、ある濃度より高くても、植物はそれ以上窒素を多く吸収 できないため、成長は変化しなくなる。 S字の中間の立ち上がりの部分をさらによ く解析すると、窒素吸収量と相対成長率の関係は単純な一次の相関関係ではないこ とがわかった。そこで、相対成長率を要素に分けて考えてみる。 成長速度を表す相対成長率(RGR)は、同化器官の重さの割合(SWR)と同 化器官の重量あたりの純同化速度(NARw)で表せる。 RG R=SWR XNARw 葉の重きの割合(SWR)が小さければ、光合成圭が低下し、相対成長率(RG R)の低下につながる。また逆に大きすぎれば、板が小さくなって窒素吸収量が減 少し、それにより光合成器官の窒素含有量が減り、光合成能力の低下をもたらし、 やはりRGRの低下につながる。そこでSWRは、相対成長率を最大化するように 調節されていると考えられる。今までに様々な方面からその調節は論じられてきた が、比較的総合的な理論として、日日lbert(1990)の報告が上げられる。報告による と、植物体等素濃度(PNC)によって葉の重きあたりの純同化速度`(NARw) が決まると仮定すれば、板の重きあたりの窒素吸収量によって最適な植物体窒素濃 皮(PNC)が存在し、それを実現するSWRが求められる。本実験でもこの仮定 は満足きれ、水耕液の窒素漉度と板の重さあたりの窒素吸収量の間には、今までに 知られているようにミカエリス-メンテン型の関係が認められた。従って、 SWR はこの理論通りに環境によって調節を受けると考えた。 次に、 PNCとNARwの関係はどの様に決定きれるのか考えた。光合成は、葉 面積あたりに受ける光の圭によってその速度を制限きれるので、葉面積あたりの純 同化速度(NARa)が光によって直接制限を受けると考えられる。そこで、 NA RwをNARaを使って表すと、 NARaを葉重比(SLW)で割った形となる。

NARw=NARa/SLW

ここで、 NARaと窒素圭の関係が光条件によって決定きれるとするならば. N ARwを最大化するように葉重比(SLW)は調節を受けるのではないかと考えた。 その理論によると、葉の窒素漉度が高いときには葉を薄く広げ、窒素濃度が低いと きには葉を厚くし葉面積あたりの窒素含量を保つようにSLWは調節される。実際 :こ、様々な種の葉の厚さの変化にはそのような傾向がみられると報告されている。 次に問題となるのは, NARaと窒素圭の関係はどの様に決定されるかである。 NARaは光合成圭から葉の呼吸と板の呼吸を引いたものである。一般的にNAR aの頭うちは、光合成の頭うちよりも低い窒素漉度で起こることが知られている。 呼吸量が窒素濃度によって変化し、それがNARaに大きく影響を及ぼしていると 考えられる。そこで、光合成と葉の呼吸を直接測定したところ、窒素漉度によって 大きく変化するのは残る板の呼吸であるはずだと言う結果を得た。しかし、板の呼 吸の直接測定の結果からは期待されたほどの変化は見られなかった。

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4.まとめ 窒素栄養環境による成長速度の変化は、 1 )水耕液の窒素濃度によって窒素吸収 速度は決まり、 2)葉の窒素圭によって葉面積あたりの純同化速度(NARa)が 決定され、 3)与えられた窒素吸収速度で相対成長率を最大化するように葉の重さ の割合(SWR)や葉垂比(SLW)が調節されることによると考えられる。しか しそれらの関係は、光などの他の環境条件によって変化し、成長段階が進むに従っ て刻々と変化している。成長速度の決定の基本となるNARaの決定は、光合成速 度だけでなく呼吸速度が大きく関係していると考えられる。しかし、呼吸の測定、 特に根の呼吸を正確に測定することは困難であり、はっきりとした結果を得られな かった。

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土圏ミクU ・コスムにおける細菌遺伝子の変異と細菌間伝達

東北大・遺生研  服部 勉    山形大・農  冨樫二郎 岩手大・農    若尾紀夫 1;はじめに 前年度に引続き,土圏ミクロ・コスムにおける細菌遺伝子の変異と細菌間伝達を 明らかにするために,土壌細菌のヒ素耐蝕とそのプラスミドの探索,軟腐病細菌の ファージ特異性の変化を検討した。水田土壌には高裁度のヒ素耐性菌が生息してお り,それらの細菌はCFC特性から3群に大別きれることを明かにし報告したが, 今回はそれらの各群の細菌の分類学的位置づけ,ヒ素耐性の程度およびプラスミド の存在などを検討した(主に若尾担当) 。また,土壌中には多くのファージ特異性 の異なる軟腐病菌が混在しているが,そのファージ特異性の変化および変化したフ ァージ特異性の安定性などについて検討した(主に冨樫担当) 。 2.研究経過 水田土壌から分離したヒ素耐性菌のうち, As3◆250ppm耐性菌群のC FCは3成分 曲線より構成され,その成分曲線ごとに各々細菌を分離した。各群の生理・化学的 諸性質から,それぞれの成分曲線を構成する細菌の分類学的類別を試みた。さらに 各菌群のプラスミドDNAをSDSアルカリ法で検出し, DNAバンドの存在や大 きさをアガロースゲル電気泳動で調べた。 軟腐病菌のファージ特異性については,ポット栽培のハクサイと根圏土壌に異な るファージ特異性の4系統(Ⅲ(A), Ⅳ(D), Ⅴ(E), Ⅵ(F))の軟腐病菌の混合液 (2-3× 1 07cfu/mtの菌数を含む)およびその混合液に4系統の軟腐病のファ ージを加えたものを接種した。東北大学遺伝生態研究センターの環境制御装置に2 日間静置後,接種した病原菌を再分離し,ファージ特異性をスポットテストで検定 した。ブイヨン培地でも同様の実験を行った。 3.研究結果 水田土壌中のヒ素耐性菌はその生理・生化学的諸性質によりA,B,C,Dの4グル ープに大別された(Fig.I) 。その中でAグループは耐熱性胞子形成細菌(Bacillus 属)でさらに4=グループ分類された。それぞれのcCFC細菌を類別したところ,そ れらの成分曲線のフローラは異なり,ヒ素耐性濃度も異なることが示された。また, 分離菌のccDNAプラスミド保持菌は60菌株中1 3菌株であった。検出されたプ ラスミドは潜在性であり,バンドの数は1-4本,大きさは2-16kbpと多様であ った。また,分離薗株のヒ素耐性濃度は各成分曲線の細菌間で差異がみられた。 軟腐病菌のファージ特異性は他の異なる特異性の軟腐病菌やファージの存在下で

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変化し得ること,同じ条件でブイヨン培地ではファージ耐性菌が高い割合で出現す ること,変化したファージ特異性は継代培養しても変化することなく保持きれるこ とが示された。 4.まとめ 土壌にはヒ素耐性菌やファージ特異性の異なる系統の軟腐病菌が生存している。 ヒ素耐性菌は高漉度のヒ素(As3◆400-3200ppm)にも耐性を示すことからヒ素耐性 プラスミドの存在が推定された。しかしながら,プラスミド保持菌は少なく,耐性 ヒ素漉度とプラスミドの存在の間に直接の関連性はみられなかった。今回の実験で 検出されたプラスミドはいずれも潜在性であり,多くの細菌でヒ素耐性遺伝子はゲ ノムDNA上に存在するものと考えられる。また,軟腐病菌のファージ特異性は変 化し,変化したファージ特異性は継代培養しても安定して保持きれることが明らか にされた。これらの事実は土壌中で細菌のもつ遺伝情報が変異や細菌間伝達により 変化する可能性を示すものであろう。今後ヒ素耐性菌では保持プラスミドの役割と ゲノムD NA上に存在すると推定されるヒ素耐性遺伝子の特定とその伝達,軟腐病 菌ではファージ特異性の変化する横様(形質転換,ファージ変換など)を明らかに していく必要があろう。 characteristics Group Spore-forming Moll Spore-forming B C D

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制御環境下における植物の形質発現とその変異性の解析 京都大・理、東北大・漣生研 河野昭一 東北大・理         平塚 明 東北大・遭生研       石棄義雄 1。 はじめに 今年度は植物の形質発現と発育過程における温度の関係を明らかにしながら、同時 に地理的変異の幅を広範囲の集団で調べこ昨年度明らかにした問題点の掘り下げを行 なった。さらに、多年生植物の繁殖形質の変異を検討し、種子生産との関係を考察し た。 2。 研究経過 温度と形質発現に関してタネツケバナの日本海側と太平洋側の各1集団およびスズ メノカタビラの水田2集団、果樹園2集団を用いた。地理的変異に関してタネツケバ ナ1 8集団、およびミゾソバ、ヤマミゾソバ20集団を検討の対象とした。 3。 研究冶果 ( 1 )形質発現と発育過程における温度条件 高温一定(32℃)と変温(32/22℃、明/暗)の2条件を設定し、 12時間日 長で実験を行なった。

(》 タネツケバナrChTdanline flexuosa With. )

( a )用いた富山集団、大阪集団はともに前紫蘇期間の長さが温度条件の違いによ って全く影響を受けない。したがって繁殖器官形成の開始ステージによってほぼ規定 される主軸基部からの分枝様式も温度で大きく影響されない。 ( b )変温条件は主軸 の伸長を促し、高温一定の条件は高次の分枝形成を促し結果として花数の増加に結び ついた。しかし高温条件は著しく不稔を生じ、種子生産効率を著しく低下させた。 ② スズメノカタビラrPoa am凪L.) ( a )前繁殖期間の長さは水田集団で長く、果樹園集団では短いが、この形質は温 度条件の違いによって影響をほとんど受けなかった。 (b)草丈は変温によって両集 団とも高くなったが、水田集団では集団間の大きな変異が見られた。 (C)菓数、分 けつ数は崖外の栽培条件では両集団間の差が小さく、集団内の変異も小さかったが、 水田集団は変温下で菓数を増加させ果樹園集団との大きな違いを見せた。分けつ形成 は高温によって両集団とも促された。 (d )棟数および樵形成串を高温は促すが半官 別の最終乾物重では葉、分けつ、および穂は全て著しく変温条件で高く、高温が器官

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の分化を頼く促すがそれぞれの器官の機能を高めることに影響を及ぼしていないこと が示された。 @ まとめ 両横物種に共通して前繁殖期間の長さは発育過程の温度条件に影曹されず、この形 質に関して明らかに異なった集団分化が生じていることが示された。分枝あるいは分 けつ形成の形質は与えられた珠境によって可塑的な変動を見せるが、変動の幅および 様式は集団間で異なり、固有の特性を保持した集団が分化していることを示唆してい る。 (2) 形質発現と地理的変異 ① タネツケバナ (a)北緯350から390の太平洋および日本海側の計1 8水田集団を対象に前 繁殖期間の長さを1 2月から翌春までの自然日長下で実験的に検討した。 (b)用い た全集団を通して明確に日本海側の集団が太平洋側よりも前繁殖期間が短い特徴をも つことが示され、同時に両沿岸に共通して生育地の北上に伴って前繁殖期間が長期化 することが示された(図) 。 (C)この結果は集団間で有意に異なっており、さらに 集団内の家系間の変異の大きさにも有意の差が見られたがこの変異もまた集団間で異 なっていた。 (d )日本海側と太平洋側に見られた違いは生育地の気候の特徴と、北 上に伴う違いは擦度に付随する日長反応の違いと、それぞれの集団が密接に関連して 分化しているものと考えられる。

② ミゾソバrPolygonum thzmbeTgii Sieb. et Zucc.)

ヤマミゾソバrP. oreophillum (hkino) Ohyi)

(a)タデ科の一年草ミゾソバ、ヤマミゾソバの全国20集団について日長、温度、 栄養条件に対する表現型可塑性を検討した。 ( b )ミゾソバの偽閉鏡花の生産数は環 境条件によらず少なかったが、ヤマミゾソバの閉鎖花生産数は短日条件によって明ら かに促進された。 ( C )短日条件下では上位節からの分枝の伸長方向が下降しその先 端に閉鎖花を形成した。一方、上位節から上方にのぴる分枝の節間が伸長し小型の葉 を各節に付けたのち分枝の先端に自殖型の開放花を形成した。 (d )貧栄養条件下で は生産された種子における閉鏡花種子の割合が増加した。この栄養条件下では開放花 種子生産が沸く抑えられるが閉鏡花種子は影響を受けにくいことを示している。 (e ) 集団間には明確な形態の違いが見られるが、とくに葉形の変異が大きく長日条件では この変異が一層広がる傾向が示された。 ( 3 )全学生植物における形質発現と可塑性

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① カタバミrOxa)is corL)iculata i.) (a )カタバミの異花柱性と繁殖形質の野外集団での変異を検討し、それらと凝子 生塵との関係を考察した。 ( b)柱頭とやくの配置が異なる2つの花形(長花柱花と 等花柱花)がみられ、集団による分化が生じている傾向が見られた。 ( C )長花柱花 では雌ずい長の変異が大きいことが示された。 (d )長花柱花は花弁、がく片が等花 柱花に比べて明らかに大きく、花粉と腫しゆの割合, P/0比も高く柱頭表面は杏雑 な構造をしている。これらは外交配の繁殖に適した形質である。 (d )長花桂花の個 体は花当たり並びに腫しゆ当たりの稔実革( S/0比)は低くいわゆる大卵′ト産であ り、一方等花柱花の個休は稔美事が高く小卵多産であった。 4まとめ 租物種が示す多様な形質はその種が生育する地域のさまざな希境に対応して多様な 表現型を示し、同一種の異なった集団間で明らかに異なった形質発現を示すことが明 確に示された。温度反応実数で示したように制御された帝境下で強い環境変動を与え てもそれによって影響を受ける形質と影響を受けない形質を区別することができ集団 の分化の機構を考えるうえで重要な示唆を得ることが出来た。 地理的変異の検討では気候の違い、捧度による違いに伴う明確な集団分化が認識さ れ、これらの集団間における形質に関してさらに詳細な検討が必要であり、その中か らこれらの分化に機能した最も基本的な形質を明らかにすることが急務である。一方 集団間の遺伝的な差異を明らかにするための凄近が必要がある。 多年草における表現型可塑性の解析はその生活環が複雑であることから困難が多い。 ここで示した異花柱性の集団分化をさらに普遍的なものにすると同時に交配による遺 伝様式の検討が有効である。 i+SC・IN ト.一C・〇h e'SC・■ト 8.●C・ZN 中.8C.NN O'EC.MO e'トC.tJS ''eC・IJC O'6C-16 '''C・NN eJ'C・ZO O'eC・OS 〇.SC.AM S.SC・NN O'〇C・SN S'トC-uN 0+eC・M^ 10eC-dS PopuI8tlon・LAtltud+ 開花までに要する日敦(前繋兼期間)

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研究題目 イネ花粉のストレス環境下での適応力の遺伝変異 東北大・遺生研 佐藤 雅志, 国立遺伝研・総合 佐藤洋一郎 弘前大・農   石川 隆二 1.はじめに 植物に加わるストレスには,その影響が一時的に急に現れる急性ストレスと, 長期にわたって持続LLから次代にまでおよぶ慢性ストレスに分けられる.急性 ストレスについては過去にも膨大な研究が行われ,さまざまなことがわかってい るが,慢性ストレスについては因果関係の証明が困難なことや研究に長い時間を 要することなどマイナスの要因が多く,今までにほとんど取り上げられてこなか った.しかし,慢性ストレスは,反応が非可逆的でしかも集団の遺伝構造の変化 一植物集団の進化の原因ともなり得るもので,遺伝生態学の分野では今では無 視できない研究テーマになりつつある. 慢性ストレスが世代を越えて伝達するのは,配偶子がストレス環境にさらされ, かつストレスに対する適応性が遺伝的支配を受けているからである.本研究では, 種々のストレス環境下,とくに低温環境下でのイネ花粉の適応性を,その受精能 力(配偶行動)の面から評価し,受精時の低温ストレスによって集団の遺伝構造 がどう変化するかを実験的に捉えようとした. 2.研究経過 上記の目的のため,低温ストレスに対する適応性に差が認められる2品種の交 配でできたFl植物を準備し,東北大遺伝生態研究センターの温室で養成して開花 時に高温,低温に温度を制御した2つの人工気象室内で開花・受精させた.得ら れたF2種子は三島の遺伝学研究所の圃場で集団として展開し,様々な形質を調 査したほか,一部は弘前大学農学部でアイソザイム遺伝子型の調査に供した. 3.研究結果 表1に,分離する10遺伝子座における遺伝子頻度を示す.なおここでは,逮 伝子頻度はjaponica親, Ac.221由来の遺伝子をホモにもつ個体の頻度で表してあ る. 1 0遺伝子座のうち, 9遺伝子座ではFlを高温で受精させた時と低温で受精 させた時の遺伝子頻度は異ならなかった.しかしフェノール反応の遺伝子phでは, Flを低温で受精させることによってjaponica由来の遺伝子頻度が高くなった.こ のことは, Ph遺伝子座の近傍に,低温に対する適応性を支配する遺伝子があり, それが花粉で発現したことを示唆する.また,低温下でjaponica由来の遺伝子頻 度が高まることは,花粉においても体細胞同様, japonicaが低温に対してより適

(23)

応的であることを示す. 表2には, 7つの量的変異する形質の集団平均値を示した. 7形質のうち,低 温下での発芽日数および搾毛長の2形質で,集団平均値に差を認めた.低温下で の発芽日数はFlを低温下で栽培したFl由来の集団で短かった.また,碍毛長は, 低温で育成したFlの方が長くなった.このように,いずれの場合にも,低温下で 受精させたFl由来の集団でjaponica親に近い値が得られたことは興味深い. 4.まとめ 本実験では, Flを低温条件下で受精きせると,質的変異する形質の場合にも, 量的変異する形質の場合にも,集団がjaponica親に似た方向にシフトすることが 確かめられた.過去の研究により, indicaとjaponicaの低温に対する適応性を比 較するとjaponicaのほうがindicaより高いことが知られている.この,個体レベ ルでの適応性と今回明らかになった配偶子レベルでの適応性が平行であることが, indicaとjaponicaの温度に対する適応性をシャープに決めた一因とも考えられる.

Table l・ Gene frequency orig川ated from Ac・221 in F3 generation derived from Ac.130 X Ac. 221 cross.

ltjgh temperatureb Low temperatureb d(a-b)

Ei(g】abrous)       0.423 也(phenol color reaction)        0.513 比主二ユ2(phosphoglucose isomerase)   0.388 2吐=_2_1 (phosphogJucose isomerase)   0.497 Achq(Acid phosphatse)       0.453 f9五二呈nul (peroxidase)         0.468 Cat-12(catalase)       0.483 A哩二三1 (Aminopeptidase)        0.497 A出2(Aninopeptidase)        0.597 Es卜2nu'(Esterase)      0.510 0.339   .084 0.652   -.139 0.408   -.020 0.391   .106 0.471   -.018 0.456   .012 0.JI86   -.003 0.514   1.017 0.L171   .126 0.510    .000

Table 2・ Difference oL various characters between high and Joy temperature treatment durning Llovering period of Fl plant in F3 generation LronAc.130 x

Ac. 221 cross.

High tenperatureb Low tenperaturcb d(a-b) Grain length(Tnm)

Grain vidlh(FnJTl) Grain lJeight(tog)

KCIO3 treranCe(nm)

No・ oE days to germination under H.T. No・ of days to germination unJder L.T.

Apiculus hair length Without graboras(mm)

5566_73 8

7327292.50 732 73 0と50 5      0.0

5      0.∩

59144 1

Z二tX .

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植物と病原・性糸状菌の相二互作月ヨiこ

及古≡だす紫外線の影響

島根大・農 本田雄一、内藤陽子  東北大・遺生研 熊谷 忠 1.はじめに 野外でのハウス実験で、紫外線除去ビニルフイルム(390nm以下の紫外線を吸収除 去)を用い、自然光から紫外線を除去した条件下でホウレンソウを栽培すると、一般 農業用ビニルフイルム(290nmまで透過)を用いたハウス内で栽培したホウレンソウと 比較して、生育が促進され、土壌伝染性病害である立枯癌の発病が軽減されること が確認されている0 本共同利用研究においては、これまでとは逆に,紫外線を増大させた条件下でホ ウレンソウを栽培し、ホウレンソウの生育及び病原性糸状菌とホウレンソウの相互 作用、即ち立枯症に及ぼす紫外線の影響を謝査した。 2.研究経過 立枯症が多発する高温条件下(昼間33C、夜間25C)及び生育適温条件下(昼間25C、 夜間15C)でホウレンソウを栽培し、以下の照射区毎に生育を観察した。 無照射区: UV-A(BLB蛍光灯)及びuv-ら(20-SE蛍光灯)照射なし UV-A照射区: BLB蛍光灯2本を増殻照射 UV-B照射区: 20-SE蛍光灯2本を増設照射 また、各々の照射区に自然発病土壌区と滅菌土壌区を殻け、立枯症発病に及ぼす UV-Å、 UV-B照射の影響を調査した0 3.研究結果 生育適温条件下での生育はUV-A照射区の草丈が他区に比較して僅かに高かった (Fig. 1)。また、全生体重でもUV-B照射区は無照射区の4鵬と生育が阻害されたのに 対し、 UV-A照射区では109%と僅かながら生育が促進される傾向にあった。しかし、 生育適温条件下では、出芽率、立枯苗率共に各照射区間に有意差は認められなかっ た。 高温条件下での生育でもUVIB照射区は明′らかに阻害されていたo UV-A照射区では 生育適温条件下と同様に僅かに生育が促進される傾向が認められた。生育適温条件 下とは異なり、高温条件下ではUVIB照射区の出芽率は無照射区に比較して約10%低か ったo発病土壌での立枯苗率でもUV-B照射区と無照射区を比較した場合、播種10日

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6cm

4

2

IuB!oHlueld

Control UV-A UV-a Control uv-A UV-B

ught Treatment

Figl 1 The effect of uJtraviolet on growth of splnaCh.

・ A: High temperatures of 330C jn the day and 25。C in the night

B: Optimum temperatures of 250C in the day and 15。C in the night

目までは両者とも同様の増加推移を示したが、その後無照射区は殆ど増加しなかっ たoそれに対してLTV-B照射区ではその後も増加を続け,播種24日目では無照射区と の差が約40%となった(Fig. 2)0両区の発病土壌から得られた立枯苗の92相、ら主に 病原性糸状菌が分離された。しかし,播種10日日以降、 UV-B照射区では糸状菌が分 離されない苗や腐生菌が分散される苗が比較的多く認められた。滅菌土壌でのUV-a 照射区でも第1本葉展開期(播種10-12日日)以降、立枯苗率が増加したが、これらの 個体からは糸状菌は分離されなかったc UV-A照射区の立枯苗率は明確なデータが得 られなかった。 4.まとめ UV-A照射区では生育適温条件及び高温条件の両条件で、無照射区に比載して僅か に生育が促進されること申明らかとなったが、 LTV-A照射の影響が立枯症発現にどの 様に現れるかは確認できなかったC一方、 UV-B照射は高温条件で著しく立枯苗を増 加させたが、その原因は、糸状菌による立枯症の発生がUV-B照射によって促進され たと言うよりは、ホウレンソウに対するUV-Bの直接的な障害作用によると考えられ るQ しかも、子葉が展開するまでの生育初期段階では影響が認められないことから、 本葉が抽出し,葉面積が大きくなることが、 UV-B照射による障害を受ける要因にな

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0   0   0    0 0   8   6    4

ni

-196uld∈eQ%

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24

Days after sowlng

Fig・ 2 The effect of UV-B irradiation on dampIn9-Off of splnaCh seedlings under high temperature.

A: lntested soil・ B: Steri一ized soil

ロ ■ :Control

O ● : UV-a irradiation

っていると考えられる。

このように、紫外線による直接的な障害が生ずる条件では,病原性糸状菌による 立枯症の発病に及ぼす紫外線の、いわば間接的な影響はマスクされてしまうと推定 される。

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東北大学遺伝生態研究センタ-共同利用研究報告書 植物病原微生物のプラスミドの性状及び環境微生物 遺伝子D NAの検出方法に関する研究 東北大学・農学部 江原 淑夫、羽柴 輝良 東北学院大・工  遠藤 銀朗、石橋 良信、及川 栄作、小関多賀美 東北大学・漣生研 菊本 敏雄 1 .はじめに 1)植物病原糸状菌の転移因子が主因となって、宿主の組織を行っていることが 実証されたo しかし、病原性発現のメカニズムについては不明であるo そのた めには転移因子のO RFから情報発瑞として現われてくる翻訳物質、タンバク

質の検索を行ったo 一方、 m RNAからc D NAの合成を行い、逆の方向から

もタンバク質の検索を行った。 2)環境中に生息し、生態系における物質環境の「遭元者」として機能している 微生物のD N Aを検出する手法を開発することは、環境微生物の生態を解析し、 環境汚染の防止に役立てる上で必要と考えられる。本共同利用研究の分担課健 として、ポリメラーゼチェーンリアクション(P C R法)を応用した環境微生 物の定量的なD NA検出方法について、基礎的研究を行った0 2.研究経過 1) P C R法によってO RFに相当する領域を合成し、 0 氏 F相当領域産物を発 現するベクター(PGEM)に挿入した。大腸菌での融合タンパク質の発現は、宿 主秩J M109 (D E3)を用いベクターに挿入したO RFが、 T7ファージ g e n e 1 Oとの融合タンバク質として発現させた0 -万、 T o t al R N A からランダムプライマーを用いてcl)NAを合成し、 p BluescriptH SK(†)に ライゲ-シヨンしたo ライゲーションしたベクターは,cornpitent cell NM 522 に導入し、サザンプロット解析を行った∩

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2) γ-BHCを分解する酵素タンバク質をコードするプラスミドpIMA2杏 保有する大腸菌をモデル微生物として、これを水系マイクロコズム(晴性汚泥 によって構成)に導入した上で、マイクロコズム微生物集団からこの大腸菌を 識別検出することを検討したo このための実験として、マイクロコズムから混 合微生物サンプルを採取し、これを10倍希釈法によって希釈したのち、常法 によってプラスミドDNAを抽出し、標的D NA(pIMA2の11nAの部 分配列)をPCR法によって2回連続して増幅(各20サイクル)して電気泳 動によって検出したo 次に、 PCR法をより定量的な微生物遺伝子の検出方法として適用すること を目的として、最膝教法(MPN法)による計数法と組み合わせることについ て検討した。検出目的DNAとして上記のプラスミドを持つ大腸菌の純粋培養 を行い、一定の濁度に連した培養液を10倍希釈法によって希釈するとともに、 適当と考えられる連続する3つの希釈段階の培養液1mlずつよりプラスミド を回収し(5本同時に)、標的DNAをPCR法によって増幅した結果より榛 的DNAの有無を判定した。得られた結実を5本法のMPN表に適用して、存 在するDNAを定善し、そのDNAを持つ微生物を定貴することを試みた0 3.研究結果

1) ORF-2を挿入したベクターは、 gen el 0 (260アミノ酸、約32kDa)

とORF-2 日28アミノ酸、約16kDa)の発現によって約48kDaの融合タンバ ク質が発現したo 現在、本ORFから発現したタンバク質の同定を行っている0 -方、全RNAから分画したpoly(A)-RNA に対して、約 0.6Kbのバンドがハ イプリダイズしたn このことから、 ORF-2のmRNAにはpoly(A)が存在 しないと考えられた∩ 本mRNAを分画することが難しいために∴T o t al RNAからランダムプライマーを用いてc D NAを合成し、得られたc D NA をp Bluescript IT SK(+)ベクタ-に組み込み、形質転換を行い、サザンプロ ・ソト解析を行った結果、目的とするc D NAが取り込まれたことが確認でき、 コロニ-ハイプリダイゼ-ションによって6400個のスクリ-ニングを行い、完 全長に近いc D NAを得、現在シークエンスを行っている。

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2)標的DNAを持つ大腸菌を滴性汚泥マイクロコズムに導入し、 1日後にそこ から採取したサンプルを10倍希釈した上で、各希釈段階からプラスミドを回 収し、そのPCR法によるDNAの増幅を行った∩ 得られた実験結果より棟的

DNAをプラスミドとして持つ大腸菌HB101枚は、 101Uc elユ/1111

(マイクロコズム液)のオ-ダーで存在することができたのに対して、同じプ ラスミドを持つ大腸菌MV1184株では、 10-9希釈(デークーとしては 10-7希釈で示した)までは検出できたが10-10希釈では検出できず、両大 腸菌間でマイクロコズム中での生産能力に差異があることが知られたo また、 マイクロコズムに導入した大腸菌の密度はいずれの株でも生菌数(CFU)と して約1×108c elユ/ml (マイクロコズム液)に設定したことから、 pcR法による微生物の検出感度は、 CHFによって求める場合の102オ-ダー程度高いことが示唆されたo pcR反応チューブを通常の培養試験管にみたてて行うPCR.-MPN法の 高感度定草法への適用のための実験を行った結実、この方法によって得られた 微生物細胞密度はCHFによって得られたものより103程度大きい値を示し たo また、 PCR法が極めて高い感度の検出方法であると同時に、 MPN法と 組み合わせることによる定量結果は、微生物浪度(濁度=Optical Den sl t y)ともよい比例関係を示し、定量的方法としても採用できるこ とが知られたo しかし、この方法によって得られた微生物柵胞密度は1012 c elユ/mlのオーダーと過大であることから、細胞外の標的DNA分子の 存在(溶出プラスミドDNAなど)が示唆され、 PCRのための標的DNAを 微生物のプラスミドではなく染色体DNAとすることなどの改良が必要である と考えられた0 4.まとめ 1卜1. ORFから情報発現として現われてくる翻訳物質、タンバク質を検出し たo 今後、本タンバク質の同定を行い、発現タンバク質と宿主認識との関 係を追求するo 1)-2. Tot alRNAからcl)NAを合成し、完全長に近いcDNAを得たo 現在選抜したcDNAのシークエンスを決定し、本シ-クエンスとpRS64 のO RF-2との相同性を検討しているo

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2卜1.模擬環境である消性汚泥マイクロコズムに導入したモデル微生物を、そ れが持つ特定D N A壱p C R法によって増幅し、検出することによって、 オーダーレベルでの存在数の把握が可能であった0 2)-2. P C R法とM P N法を組み合わせることにより、培養による従来法に比 較して高感度でかつ定量的な環境微生物の検出が可能であったが、 P C R 増幅の標的とするD N Aについてさらに検討する必要があることが知られ た。

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細胞質雄性不稔辻伝子の横道と発現 東北大・漣生研  亀谷寿昭、 綿木工大・エ  竹田真敏 1. はじめに 細胞質雄性不稔性(CMS)は正常な花粉が産出できず、その形質が母性過伝 する現魚である。様々な種籾にわたって140種以上もの椎物種で兄いだされて おり、ミトコンドリアの機能の停止に関わっていることが示唆されている。すな わち、 m t DNAの変異があらゆるCMS植物の原因であるものと推定される. そしてCM Sに特異的な伝写パターンがトウモロコシ、ペチュニア、ヒマワリ、 ハツカダイコンなどで報昏されている。 D e w e yらはトウモロコJシT型CMS から、 Tu又 F2H3という3547b pのmt DNA特異断片を同定した. T UR F2H3は少なくとも7つの阻換えによってできたものであり、 2つの長い o p e n r e a d i n g f r a m eであるO R F1 3 ・ 0 R F2 5をもち、 OR F2 5はあらゆるトウモロコシ細胞質に兄いだされるがO R F1 3はT型細 胞質に特異的に転写されることが示されている. ここで我々はニンジン細胞質雄性不稔系統からO RF13にハイブリダイズし た2.0 k bのHi n d i I I断片を単熊しその塩基配列を決定した。 2.研究経過 材料であるD a u c u ら. C a r o t8. は正常系統である金時系(F A)の 細胞質突然変異休として得られた細胞質雄性不稔株に、別の正常系統である金港 三寸系(F K)を戻し交雑して得られた細胞突雄性不稔株(S K)を用いた。 S Kは雄薬はp e t al oi d塾を示し、雌薬は正常であった. c p DNAの制限 酵素切断バターンには差異は見られなかった.しかしm t DNAバターンにはい くつかの差異が見られた。特にHi n dI I Iの切断バターンは4ヶ所の断片に 付加、及び欠矢がみられた。したがって材料に用いたニンジン細胞質推性不稔株 においても、別の作物で報告されているようにm t DN Aにその因子があるもの と恩われる。このパターンをS o u t h e r n bl o t t i n g L、ハイブリ ダイゼ-ションに使用した。プローブにはTUR F-2H3、及びその特異OR

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FであるO R F113により近い領域をBi o t i n 及びDi g o xi g e n i nで横紙し使用した。 TURF-2H3全紙城をプローブにした場合は、正常 系統・細胞賞雄性不稔系統ともハイブリダイズ を示した.特にSK株において耕 著にハイプリダイズを示した.しかしORF-13により近い領域であるHR2 をプローブにしたところ、 S K株においてハイブリダイズを示した.正常系統、 及び別の細胞質雄性不稔系統においてはハイブリダイズを示さなかった.このS K株において特異的なバンドは2. 0 k b 程であった.このことはmt DNAの 阻換えの結果としてトウモロコシCMSに特異なmt DNA領域であるORF-13に近いものになった可能性が考えられる.この特異断片がどの様な構造をも っているか、つまリTURF-2H3のORF-13との相同性はどれだけある か、 ORFは存在するかを検討するためにクローニングを行い、その塩基酷列を 分析した, 3.研究船呆

このHi ndIII 断片を pUC18の Hi

ndIII 切断片にライゲ-ションを行い、 p KT5 とした.この押入断片を3'側よりDel e ti o n

を行い、 kil o-s e qu e nc e削こより塩基配列を決定した. 1963b

pのこの断片は ミトコンドリア特有のATri ch を示し,核DNAの混在に ょるものではないものと息われる. GENETYXで解析した冶兼、 PKT5は TURF2H3の一部にひじょうに相同性の高い配列をもつことが承された. P KT5は3つ.の領域からなり、 Domai n-1は1160b pであり、 TUR F2H3のa t p6の5'側領域と完全に相同であることが稚促され、トウモロ コシとニンジンではa t p6について唖めて相同性の高いことが示された. TU RF-2H3をプローブにしたハイプリダイゼ-ションにおいて正常系統におい てもバンドが碓放されたのは、このa t p6との相同性のための盾合であろうと 息われる。 Domain-2は394bpからなり、 72アミノ酸をコードする ORF (ORFl)をもっていた. ORFlは115アミノ酸からなるORF1

3ポリペプチドのうち67アミノ酸が相同であり、非常に相同性が高いことが示

された. Domain-3は454bpからなり、 ORF (ORF2)をも含ん でいた. ORF2は221アミノ酸からなるORF25ポリペプチドのうち17

(33)

6アミノ酸が同一であった. 4.まとめ cMSはmt DNAの欠失および岨換えにより異常となったミトコンドリアが 原Eaであることが示唆されている.その中でCMS遺伝子の頼同性は報告されて いない.これは櫨による遺伝子の特異性のためであろうと息われるが、木実験に おいて欄間において、特に双子美、単子葉の問でこのようなCMS遺伝子の相同 性の可能性が示唆されたことは非常に共咲誇いものと息われる. TURF-2H 3はBtp6、 26SrRNA、集線体tRNAAroなど少なくとも7回の組換え があったことが示唆されている机 ニンジンの場合、そのうちの5カ所が同じも のであり、細胞賞蛾性不稔性への-方向性として組換えを起こしやすい部位があ る可能性か考えられる.少なくともORF-13をつくっている268rRNA に関しては、その且換え体により異常となった26SrRNAが存在することが ニンジン細胞質堆性不払の原田となっている可能性が示唆される.別の櫨問にお いてCMS遺伝子の相同性の可能性が示唆された.今雀同じように別の作物にお いて分析をおこない、その可能性を広げていきたい. 托○○rrtah1) 友ツ キ%C テ# 冲tI○rrtalnJJ: l l t l I I l 汁.. ;▲ I 2 8 2 I I 一 PKT5 TURF2日3 5'・ Flanklng regh)rl of atp6 ▲     ll reg暮On Of 2BS ・rI川A A

Fig. Schematic dh卵m between PXTS弧d TURF2H3. Non hoJnOlogous reglOrL8 0E PKT5 to

TURF2fI3 or Recombination points are iTIdicated by boxes and amwS, respectively. I. Hindm

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レタス種子光発芽性8こ関する

突葬篤変異体の作出

真理大・理工 井上康則    東北大・遺生研 大瀧保 東北大・遺生研 宮崎厚 1.はじめに レタス種子の光発芽現象において、光がどの様な機構で発芽を誘導しているのかまだ解 明されていない。この間息を解決する上で光発芽性に関する突然変異体の存在は極めて有 用Lと考えられる。そこで、従来よく光発芽現象が研究されており、自家受粉を行うレタス (幽旦吐出L・ cv・ Grand Rapids)を材料として・光発芽性に関する突然変異体を作 出することを本研究の目的とした0 2.研究経過 一昨年度突然変異誘発処理を行った種子4 0 0 0粒を餌場に植えM 2世代種子を小数え た。昨年度はこの種子から光発芽性に関して異常な性質を示すものを単離し、さらに・培 養を行い、暗発芽性種子5株、光で発芽せずジベレリンで発芽が誘導される種子9 5株、 光およびジベレリンでは発芽が誘導されないがフシコクシンで発芽が誘導される種子2株 につきM 3世代の種子が得られた。 3.研究椿果 上記M 3世代種子の光発芽性が再現するか粥べたところ、暗発芽性種子に関しては内1 秩(DT3)が暗黒下で60%の発芽串を示した机残りの株は野生型の性質を示した。ジベレリ ン要求性の株に関しては4 4株の光発芽性を調べた机全て野生型と見なせる反応を起こ した。フシコクシン要求株は2株ともやはり野生型の形質を示した。ジベレリン要求性の 株の内2株(GH19.GH21)については、播種7日後までの段階では根毛の形成がまったく撰集 されなかった。.そこで、これらの変異株を遺生研のファイトトロンで生育させ・種子の増 殖を計った。 3月1 4日現在D T3は大量の種子を形成したが・根毛-less株は残念ながら 良好な種子形成を示していない.ジベレリン要求性株の内生育両横の脚係で今回性質を調 べられなかった残りの4 3株については、今後東京理科大において性質を訴べ・期待どう りの株が見つかれば増殖を行う予定である0 4.まとめ 長期間に渡り共同研究を実施させていただ(,た机最終的には暗発芽性株が1株・根毛 不形成株が2株(同一突然変異体の可能性あり)単耕されつつあるのが現状である。この 3株について臥今後掛け合わせ実験を行って、単一遺伝子の突然変異によるものか明ら かにした後、性質を解析して行きたい。

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レタスは阿花時に雨がかかると種子が形成されず、種子を得るためには何らかの雨避け が必要となる。そのため、今回の研究では出発となる突然変異誘発処理を4 0 0 0株にし か施せなかった。今回の研究を通じて、必要な突然変異誘発剤の濃度等に関して基礎的な データが得られたので、これらの結果を基に、現在3 00 00株の突然変異誘発処理株( M 1 )を用いてオーストラリアで契約栽培を行い、大量のM2種子を得ることを計画して いる。

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ア.ズキ在来品種間をこみられる

壬買填まi毎^芭;と当三懸分イヒ 秋田大・教    寺井 謙次 東北大・遺生研  庄司 舜-1.はじめに わが国でアズキは、主産地である北海道、そして特産品として栽培が奨励されている京 都府、岩手県など一部の県を除けば、そのほとんどが農家で自給用として古くから自家採 種が繰り返されてきた在来品種である。アズキの栽培地帯は主として東アジアに限られて いるが、栽培化がいつごろどの地域で始まったのかということや、日本における系譜と伝 播を明かにしていこうとする試みはほとんどなされていない。 最近、 "雑草型''アズキの存在がわが国ではじめて確認され、 "野生種…の分布とのか かわりから起源地推定の論議が注目されている。一方で、日本の各地に分布している"戟 培型…在来品種群は、生育特性において多様な変異をもっており、これらの変異の地理的 勾配の解析は、日本のアズキの起源や伝播様式の研究に重要な手がかりを与えることが期 待される。 2.研究経過 今回の共同研究の主な目的は、東北地方各地に残存している在来アズキ品種(在来品種 名:シロアズキ)を用い、生育相話形質の系統間差異、系統内個体間差異、個体内成熟過 程の斉一性の程度の違い等の比較を通して、在来地域との対応関係を明かにしていくこと である。そのため、岩手、宮城、秋田、山形の各県から収集した系統群の中からランダム に1 2系統を選び、個体のレベルでの話形賞の検討を東北大学遺伝生態研究センター内の 網室で行い、また、個体群レベルでの系統間の比較調査を秋田大学教育学部実験圃場でも 実施することによって、群間(系統間)変異の内容を個体間の発育的誤差、ならびに個体 内の発育的誤差との関係からも考察した。 6月26日(秋田では7月3日)に播種。調査は、節数、節間長、節位別間花数、花別 開花日・落花日、節位別着きょう(サヤ)数、サヤ別成熟日、収穫調査の各項目(秋田で は系統間比較の視点からこれに準じた項El),について行った。 3.研究結果 在来系統間の生育日数の差異は、主として栄養成長期間の長さの違いに依存し、とりわ け開花迄日数の差により決っている(第1蓑) 。栄養成長期間が相対的に短い系統群では

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生殖成長期間との重複が長くなる傾向が認められ、こうした系統群では、サヤ成熱の個体 間変異が小さいこと、しかし逆に個体内のサヤ熱期の変異が大きくなっていることなどが 明かになった(第1図) 。つまり、在来品種として最も特徴的な性質である結実の斉-性 が、早晩性と直接にかかわったメカニズムにより支配されている可能性が大きい。 これらの変異の地理的勾配を、地域間(日本海側∼太平洋側) 、および地域内系統間で 見てみると、開花迄日数と栄養成長期間については明かに地域間でも差異が存在し(第2 義) 、一方、生殖成長期間の長さは地域間で有意差はなく、むしろ単純に緯度的勾配を示 す可能性が示唆された。 4.まとめ 成黙期の終わりに相当する、 1 0-1 1月の日本海側と太平洋側の気象条件の著しい連 いが、秋田・山形県側系統群によって示されたような、栄養成長期間を多少犠牲にしても 生殖成長期間を確保していく(生殖成長期間の長さは緯度帯により異なi傾向はみられる がほぼ等しい緯度帯のなかでは変動が小さい)方向に避択が働いた大きな理由と考えられ るが現時点では推測の域をでない。 従来、アズキは中国で起源し、日本は品種分化を起こした二次的センターであるとされ ていた。しかし最近になって、野生種、栽培型、そして雑草型の分布も日本で確認され、 今後これらの問の連続性をどのように説明していけるかが起源地を考える際のポイントに なってきている。栽培型在来品種の地理的分布や変異の地理的勾配の解析は、その際の基 礎として不可欠の部分を構成する。 那l衷 栄雛・生相生長和形貫問の相関旅欺 柴糞.生柵    肘花道  栄糞生長 生相生長 生有日放 生長托形貫   日放   期間   期間 開花迄日放 栄糞生長期間-  0.649●  日日一 生相生長期間  -0.040  0. 180 生持日放     0.938納書 0.683+  0.308  ----兼業.生相生長 -0.489  0.242  0.268  -0.394 併進期間 *榊、 *はそれぞれ0.1X水坤、 5‡水神で有意.

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r= -0.608● S= 21.30-0.26D 5 邦 一 作  (研拙・偏差) 0

、\ニ

0 ___一一一一■ 0 O r=0.320 S=-1.91◆0.12D 55 開 花 迄 El 敗 60(D) 荊1図 開花迄日数と系統内聞肘川および脚本内の黙期の斉一件 o:個体問、 ●:偶作内。 第2蓑 秋田.山形および岩手・宮城の同地域系統群における 分散分析による生育紺形貫のF価 項 El 自由度 開花迄 開花欺 栄兼生長 生相生長 生育日数 日放  最大期  期間  期間 7.33*  1.55  16.72*榊 9.53*+* 4.68++  7.72特* 5.74★+  3.79*  1.59 1,41   2.50   3.06 * ▲● ▲● Hu ..L nU 1 0 9 9 8 8 0 1 ■dT 7 0 3 5 9 'J nU 5 0 5 *榊、 *中、 *はそれぞれ0.1、 1、 5‡水畔で有意。

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共同利用研究報告

平成4年度

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其核微生物の環境応答とこ遺伝子発現

代表著名 吉田 和夫(広島大学理学部) 大瀧 保 (東北大学遺伝生態 研究センター) 1.はじめに 菌頬や藻頬に代表される真核微生物は、遺伝学及び進化・生態学的に最も重要な微 生物であり、その中には酵母等のように産業上有用な微生物も含まれている。単細胞性 生活環を主体とする真核微生物は、生態的にも環境変化に直接敏感に反応して行動せざ るを得ない。それ故、長い進化の過程で巧妙な環境応答機構を発展させ、独自の生態系 を形成してきた。例えば、その生酒環自身が環境シグナルをビルトインした機構となっ ている.以上のような観点から本ワークショップは、酵母、粘菌を含む菌煩及び下等藻 輔の環境応答の分子機構を遺伝子発現をとうして探り、今後の研究の発展に資するため に、これまでの研究と今後の研究のあり方について討論・検討することを目的として行 われた。 2.研究経過 国際的にみてもこのようなタイトルでのワークシヨプの企画は初めてであるので大 瀧と吉田が中心となり、各分野の方々の意見を広く聴収し、出来得る限りその分野の第 一人者を話題提供者として参加・討論してもらうため調整、準備を行った. 3.研究結果 ワークシヨプ第-日目は真核微生物の環境応答と遺伝子発現について分子レベルに 力点をおいた話題提供と活発な討論が展開された。第二日日は真核微生物の進化生態学 的独自性と多様性についての興味深い話題提供と総合討論があり、大学院生を含む若い 研究者も積極的に参加した活発な討論となり予定時間を延長する程であった。本ワーク ショップで明確になったことは、 1)分子レベルでの真核微生物の環境応答に於ける遺 伝子発現の統一性、 2)環境シグナルと応答現象の多様性、 3)真核微生物の生態進化 学的独自性と重要性、 4)高等動植物のモデルシステムとしての真核微生物の重要性 等が挙げらる。 4.まとめ 広く理、農、工、医学部に属し所属学会も異にする研究者が一同に会し、 3で得た 四つの結論は極め重要である。この結果を基に研究を更に発展させるためには、研究者 自身も独自の連絡組織を作る必要性があるが、遺伝生態研究センターのこの分野への今 後の支援も重要であり、そのような強い要望がワークショプ参加者から多数あった。

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キ直物の形質発現と琴琵壊適応機構

代表著名 河野 昭一(京都大学理学部) 菅   洋(東北大学遺伝生態 研究センター) 植物は動物と違って動かないので,同じ遺伝子型を持っていても.環境の変動に遭遇すると. 調節遺伝子の働きや,成長物質の作用などが連動して,形質に幅広い発現を示す。これらは,一 般に表現聖可塑性と呼ばれているが,その発現の機構はまだよく解っていか、。一方,モデル植 物などを用いた近年における植物の生殖器官の形質発現の遺伝子による制御偲構などの研究は. この分野に大きな進歩をもたらしている。このワークショッ7●は.公開シンポジウムとして実施 された。このなかでは.植物の形質発現と制御する遺伝子の働きと環境の制約の相互作用系に関 して,分子,個帆 韻団の各レベルからの最新の解析結果を基噂に.それぞれの分野の第一線の 研究者からtT'(7・報提供を行い,将来の発展展望t,含めて討論が行われた。 植物における形質発現と表現聖可塑性  河野昭一(京大・理.東北大・道生研) 本シンポジウムをはじめるにあたり.この討論主題における問題の所在を.絵描的に述べた。 そのなかで,植物の形質発現にみられる特異性.表現聖可塑性の洲定方法と退伝相関の重要性に ついて特に力説した。これらの問題の解明のために.特に植物に普遇的にみられる表現聖可塑性 の生態的役割の評価や,その分化をt,たらしている要因と選択性,その発現の逝伝的機構や発生 的制御が.どのようなものであるかを具休的に解明してゆく重要性が指摘された。 光環境の空間的不均一性と植物の可塑的形質発現  常谷いづみ(筑波大・生) 環境の不均一性に,植物の場合は環境のモニターにt,とづく形態形成と生理的調節などによっ て対処する。この間題に関連して, 1 )葦原や森林の光条件の瞬間的変動や不均一性と,それが 木本植物の実生の存在,成長(バイオマス集横)に及ぼす影響, 2)光条件と関連した可塑的な 形態形成, 3) sun fleck動態とも関連した光合成生理活性の順化に関する研究が紹介され,そ れから反応の前提となる植物の光環境モニター横倍について述べた。 異なる光条件下における開放花・閉鎖花.二型種子の使い分け-ヤプマメの場合-森田竜義(新潟大・教) 異なる光条件の下で,開放花・閉鎖花あるいは二型種子を使い分けている植物として,ヤ7°マ メの場合について興味ある事例を報告した。ヤアマメの三聖花の切り替えは,光の強度に対する

表 2 異なる近紫外線条件下で生育させたホウレンソウ葉でのカタラーゼ活性 catalase activity (nmoI HCHO/mg protein) 3.まとめ 活座酸素代謝酵素群が近紫外線特にU V ‑ B照射によって活性誘導された事実 は. UV‑Bが未同定の化合物を増感させ、スーパーオキシドアニオンラジカル が生成するが、この活性酸素種はスパーオキシドジスムクーゼを活性誘導させる ことなく消去できるが、この辞素反応で生成する過酸化水素の処理にAPX, G px,カタラーゼなどの辞素が活性誘導され

参照

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