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IRUCAA@TDC : 唾液蛋白分画に対する抗体を用いて見い出された耳下腺唾液蛋白の遺伝的多型に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)Title Author(s) Journal URL. 唾液蛋白分画に対する抗体を用いて見い出された耳下腺 唾液蛋白の遺伝的多型に関する研究 寺田, 仁志 歯科学報, 92(6): 915-939 http://hdl.handle.net/10130/2100. Right. Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/.

(2) 915. 原    著一. 唾液蛋自分画に対する抗体を用いて兄い出された 耳下腺唾液蛋白の遺伝的多塾に関する研究* 寺 田 仁 志 東京歯科大学大学院歯学研究科 法歯学講座 (指導:鈴木和男教授). (1992年3月3冒受理). Studies of Salivary Protein Polymorphisms Detected by Antibodies to Salivary Protein Fractions Hitoshi Terada Department of Forensic Odontology Tokyo Dental College (Director : Prof. Kazuo Suzuki). ヒト唾液中の蛋白薯含有室は1. 0-3. 5mg/mZと言わ. ているが,まだ証明されていない遺伝子も存在する。 唾液PRPに遺伝的変異が存在することは, 1973年. れているが,かなりのばらつきを示すo近年の蛋自賛の. Azen and Oppenheim'により Pr (proline-rich. m    5. 検出方法の進歩により,唾液蛋白質が唾液に特徴的な多. proteins)型と名付けられた多型が報害されて以来,多. 種寿の蛋白の混合物であり,非常に個人的変異に富むこ. 種垂の多型性蛋白が報害されてきた。つまり酸性PRP. とがわかってきた1)2)唾液蛋白の遺伝的多型の最初の. 群としては Pa(salivary acidic protein) , Db. 報吾は, 1969年のBoettcher and de la Lande3)による. (double-band proteins) , PIF(parotid isoelectric. 唾液アミラーゼの遺伝的変異型の発見に始まる。その. focusing variant proteins)12',また塩基性PRP群と. 後,唾液に特有な蛋白および酵素の多型が続々と報害さ. しては Pm (parotid middle-band protein)13 , GZ. れてきており,これらのDNA達伝子群もクローニン. (major parotid salivary glycoproteins) , Ps. グされてきた4)。その結果,多くの唾液蛋白の遺伝子が. (parotid size variant proteins)15', PmS (parotid. 遺伝子ファミリーを構成しており,分泌される唾液蛋白. middle-band protein S) 15¥ CON 1 (concanavalin. をコードする遺伝子座位は,唾液アミラーゼにおいては. A), CON 216¥ Pe, Po17), Pc18), Pmol(parotid. 3つ5),プロリンリッチプロテイン(PRP)は6つ6),ヒ. modified-staining protein), Pmo2 19¥ p32 などで. スタチンは少なくとも2つ7),シスタチンは4-5つ8). ある。この16種の多型性蛋白はそれぞれ独立した遺伝子. が関与していることが示されてきた。これらのうちの多. の産物として扱われてきたが,近年のDNAレベルの研. くは, DNA遺伝子座位と唾液蛋白との関係が解明され. 究から,唾液PRPをコードする遺伝子は6つであり,. *木論文の要旨は,第244回東京歯科大学学会総会(平成 3年11月10日,千葉)において発表した。. 合体を形成していることが明らかになった6)21)。唾波. これらはいずれも12番染色体の短腕に位置し,遺伝子複 PRPを合成する遺伝子群は,PRHl, PRH2, PRBl, 1. -.

(3) 916. 寺田:唾液蛋白抗体による耳下腺唾液蛋白の遺伝的多型. PRB2, PRB3, PRB4と名付けられているが, PRHl. にその詳細を報暫し大方の御批判を得たいと思う。. およびPRH2は酸性PRPをコードL PRB1-4は 材料および方法. 塩基性PRPをコードしてしているo 唾液中の酸性 1.唾諌試料. PRPとPRH座位との相互関係については現在ではほ ぼ確立されている22)23)24)。 PRHl座位は,前記のDb,. 耳下腺唾液試料はCurby type double chamber. Pa一 PIFに, As (acidic SDS electrophoretic variant. cupJ を用いて,刺激唾液を採取し,顎舌下腺唾液は. protein)25', At, Aw26)を加えた合計6つの遺伝子産物. 著者らの教室で開発したU-cup3 により刺激唾夜を採. が存在し, PRH2座位にはPrl, Pr2, Pr l′,Auの. 取した。. 4種の遺伝子産物が兄いだされている。これに対し,前. 2. G/蛋白の精製. 記の12種の塩基性PRPの多型はPR]〕1-4の4つの遺. Gl蛋白はG1 1-6型の個体の耳下腺唾夜を試料とL. 伝子座位によりコードされると考えられている。 PRB. Gl6の精製を試みた。 150mlの耳下腺唾夜を採取. 座位における蛋白の多型と遺伝子座位の数の不一致の原. し,凍結乾燥後15倍濃縮になるように濃縮し, 0.025M. 因は,遺伝子の一次産物の post-translatinal. 塩化ナトリウムを含む0. 05Mトリス塩酸緩衝液(pH8. 5). modificationと, Exon内部のdifferential splicing. で透析した.つづいて,同緩衝液で平衡化したDEAE-. により,同じ遺伝子から異なる蛋白が合成されるためで あると説明されている6)。塩素性PRPの多型のうちGl. sephadexA-25によるイオン交換クロマトグラフィー を行った。吸着蛋白は0. 05Mトリス塩酸緩衝液(pH8. 5). の多型はPRB3のRFLPと完全な相関が得られてお. で0. 025-0. 6M塩化ナトリウムの濃度勾配を用いて溶出. り, GlはPRB3にコードされると考えられる27)これ. した。カラムは1.0×10cmのカラムを作製し, 15mZ/h. に対し,その他の塩素性PRPの多型とPRB座位の完. の流速で蕃出し, 0.5mlずつの分画を採取した.溶出. 全な一致を見たものはPeおよびPm(PmF)の配列が PRBlに兄いだされ ¥Poの配列がPRI14に兄いだ. 液は222nmで吸光度を測定した。カラムに吸着されな. されているのみである。つまり,塩基性PRPの多型と. い分画は,凍結乾燥濃縮後, 2. 6×100cmのSephadex G-200カラムによるゲル濠過に供した.ゲル濠過は0. 05M. PRB座位との関係は,確立された状態とは言いがた. トリス塩酸緩衝液(pH7.5)を用い, Uml/hで1.5mZ. く,今後に残された課題となっている。. ずつ分画を採叡し, 222nmで吸光度を測定した。 3. SDS電気泳動法. シスタチンは,さまざまな体夜中およびいくつかの組. 蓋本的にはLaemmli38)の方法により行った。つまり. 織中に兄いだされているシステインプロティナ-ゼイン ヒビターであり,唾液にはシスタチンSN30¥ SA31¥. 保存夜として44.4%アクリルアミドおよび1.2%N,N′-. Q32) g33)が存在することが証明されている。これら. メチレンビスアクリルアミドを含むアクリルアミド溶. のシスタチンをコードする遺伝子はそれぞれCSTl,. 液, 10%過硫酸アンモニウム, 10%SDS,工5Mトリス. CST2, CST3,およびCST4で,シスタチン遺伝子. 塩酸緩衝液(pH8. 8), 0. 5Mトリス塩酸緩衝液(pH6. 8). ファミリーはほかにCSTPl, CST5の2つの偽遺伝子. を作製した15%分離用ゲルはアクリルアミド暮夜:. を持ち34)これらの座位はすべて20番染色体上に位置し. 5.05mZ, 1.5Mトリス塩酸緩衝液(pH8.8) : 3.75ml,. ている。最近,シスタチンDと名づけられた新しいシス タチン遺伝子ファミリーのメンバーがクローン化され,. 蒸留水: 5.9mZ, 10%SDS : 0.15mZ, 10%過硫酸アン モニウム:0.15mZ, N,N,N′,N'-テトラメチルエチレ. これは耳下腺に特巽的に発現しているという35)。この唾. ンジアミン(TEMED) : 15fdを混合し作製した。また. 夜シスタチンにも遺伝的多型が存在し,シスタチンSA. 5%濃縮用ゲルはアクリルアミド溶液: 0.55ml, 0.5M. の多型およびシスタチンSNに相当すると考えられる多. トリス塩酸緩衝液(pH6.8) : 1.25mZ,素留水: 3.1. 型が著者らの教室で発見されている36)。. ml, 10%SDS : 50fil,10%過硫酸アンモニウム: 50ill,. そこで著者は,唾夜蛋白の遺伝的多型を検索する目的. TEMED : 5 βを混合して作製した。泳動槽用緩衝液. で,耳下腺唾液を試料として塩素性糖含有PRPおよび. は6gトリスヒドロキシメチルアミノメタン, 28gグリ. 酸性PRP分画を分離し,これらに対する抗体を作製. シン, 1 gSDSを蒸留水に溶かし, lOOOmZとしたもの. し,多人数の耳下腺唾液の免疫学的比較検査を行ったと ころ, PRPおよびシスタチンに関連すると思われる新. (pH8.3)を用いた。試料の処理は,最終濃度が0.1%プ. しい遺伝的多型が存在することを兄い出したので,ここ. カプトエタノール, 20%グリセリン, lOmMトリス塩酸. ロムフェノールブルーCBPB), 1%SDS, 1%2-メル. 2 -.

(4) 歯科学報 Vol. 緩衝夜(pH6. 8)になるように試料を蕃解し,室温にて一. I, No. 6 (1992). Stti. 晩放置後泳動に供した。泳動は定電流30mAでBPB. (Complete Freund's Adjuvant, Difco社製)と浅合 し, 1週間おきに4回, 1か月間免疫し,以後適宜追加. マーカーがゲルの下端に至ったときに終了した。ゲルの. 免疫を行い,後耳介動脈耳介枝より採血して検査に供し. 染色は改良アミドブラック染色法19)またはクーマシー. た(以下,この抗体を抗GJ抗体と呼ぶ)。 酸性プロリンリッチプロテインの抗体は花岡39)の方法. ブリリアントブルー染色を用いたo アミドブラック染色 法は,ゲルを). 03M乳酸アルミニウム乳酸緩衝液(pH2. 4). により作製した。すなわち,PRH 14-4(PIF+),PRH21. にて1時間平衡化した後, 1.23gアミドブラック10Bを. (pr 1-1)の個体の耳下腺唾液IOmZを等電点電気泳動法. IOOOmZの1%酢酸溶液に溶解し,染色前に1M硝酸コ. によって泳動分離後, PrlとPIF-S分画を切り出し,. バルト3m‡を加えた染色液にて一晩染色した。脱色液 は, lOgデンプン(Connaught社製), 15g尿素をIOOmZ. 0.05Mトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で溶出した。これを2 mlの生聾食塩水に溶解し,等量のアジュバントと混合. の蒸留水に加熱溶解したものを0. 5M硫酸600mZと混合. し「1週間おきに12回, 3か月間免疫し,以後適宜追加. して作製し,約1-2時間脱色した。クーマシーブリリ. 免疫を行い,耳翼周縁静脈より採血して検査に供した. アントブルー染色は0.05%クーマシーブリリアントブ. (以下,この抗体を抗Pr抗体と呼ぶ)。 シスタチンに対する抗体は日本歯科大学新潟歯学部口. ルーR-250を20%トリクロル酢酸に溶解した溶液で一晩 染色し, 2%酢酸にて12時間脱色した。 4. 7ミノ酸分析. 腔生化学教室,伊勢村知子博士より供与を受けたもの で,シスタチンSに対して作製されたものである。 7.酸性ポリ7クリルアミドゲル電気泳動法. 蛋白試料は,減圧封管し, 6 N塩酸を用いて110。C, 24. 酸性ポリアクリルアミドゲル電気泳動法はトリス乳酸. 時間加水分解を行い.さらに塩酸を減圧乾固した後に, 目立835型高遠アミノ酸分析計により分析を行った。. 緩衝夜とトリス塩酸緩衝液による不連続緩衝液系による. 5.等奪点寒気泳動法 等電点電気泳動法は, Azen and I)enmstonlの方法. 方法で行った。つまり保存液として57%アクリルアミ ド, 3%N,N′-メチレンビスアクリルアミドを含むア. によりpHrange3.5-5.2の尿素ポリアクリルアミド ゲルによる電気泳動を行った。ゲルの作製は,まず溶液A. (pH2.4), 0.235Mトリス塩酸緩衝液(pH7.2), 10%過. クリルアミド溶夜, 6M尿素, 0.06Mトリス乳酸緩衝液. と溶液Bを準備した。つまり溶液Aはアクリルアミド:. 硫酸アンモニウムを調製した11.5%分離用ゲルはアク. 2.33g,N,N′-メチレンビスアクリルアミド:0.066g,. リルアミド溶液:3.83mZ, 6M尿素:6.llml, 0.06M. 尿素: 10gを15mZの蒸留水に溶解し全量を30mlとし. トリス乳酸緩衝液: lOmZを混合し,これにアスコルビ. た。溶液Bは過硫酸アンモニウム:0.25g,リボフラビ. ン酸: 15mg,硫酸第-秩: 0.2mgを溶解した後,冷却. ン: 0.002gを50mZの蒸留水に溶解した。次に20mlの. 級, 15.5%過酸化水素水: 7.5fdを混合しゲル化させ. 溶夜A, 0.5mlのpH3.5-5.0アンフォライン, 0.5m/. た。また, 5%濃縮用ゲルは, 4%アクリルアミド,1. のpH4-6アンフォライン, 2.2mZの溶液Bを混合. %N,N′-メチレンビスアクリルアミドを含む0.235Mト. し, 0.8mm厚のゲルを作製した。陰極の電極液は1M. リス塩酸緩衝液: lOmZに,過硫酸アンモニウム保存. リン酸溶夜,陰極の電極液は1Mグリシン溶液を用い. 液: 100fd, TEMED : 10fdを混合し作製した.濃縮用. た。唾液試料は約40Idを2枚の0.5×1cmのTOYO疲. ゲルの長さは0.5cmとした。泳動槽用緩衝液は0.03M. 紙N0.1にしみこませて,ゲル上にのせ,走電力15Wで4. トリス乳酸緩衝液(pH2.4)を用いた。泳動用試料は24. -6時間泳動した。泳動終了後ゲルは, 20%トリクロル. βの耳下腺唾液を凍結乾燥後, 0.1%フクシン, 20%グ. 酢酸で固定し,自蔵したバンドを窯の背景の透過光で観. リセリンを含む0.03Mトリス乳酸緩衝液(pH2.4): 6 β. 察するか,またはクーマシーブリリアントブルーR-250. に再審解し,泳動に供した。泳動は定電流45mAにて. を20%トリクロル酢酸に0. 05%で溶解したもので-晩染. 約3.5時間行い,フクシンのマーカーがゲルの下端から. 色し観察した。 6.免疫抗体の作製 Gl蛋白に対する免疫抗体は, GZ6分画を抗原とし,. 1cmに至ったときに終了した。泳動したゲルは.クー マシーブリリアントブルーR-250で染色を行うか,イム ノブロット法により蛋白を検出した。 8.イムノブロット法. 日本在来種の雄の白色ウサギを用いて作製した。 3mgのGl6分画を蒸留水で透析し,凍結乾燥後 3mlの4理食塩水に溶解し,等室のアジュバント. PRPの検出は酸性ポリアクリルアミドゲル電気泳動 法により泳動した後,ゲルを0.025Mトリスー0.192M - 3 -.

(5) 918. 寺田:唾液蛋白抗体による耳下腺唾液蛋白の遺伝的多型. グリシン-0.1%SDS-20%メタノール(pH8.3)のトラン. ミド溶夜: 1.lmZ, 0.5Mトリス塩酸緩衝液(pH6.8) :. スファー用緩衝夜で15分間振塗後,ニュートランス. 2.5ml,蒸留水:6.2ml, 10%過硫酸アンモニウム・.. ファー・ブロッティング装置(Bio-Rad社製)を用い,. 0.lml, TEMEI〕 : 10idを混合して作製した。泳動槽. 電極間隔1cmあたり7Vで, 2.5時間ポリビニリデン. 用緩衝液は6gトリスヒドロキシメチルアミノメタン,. ジフロライド膜(PVDF膜, MILLIPORE社製)に転. 28gグリシンを蒸留水に溶かし, lOOOmZとしたもの. 写したo検出は以下の手順に従ったo. (pH8. 3)を用いた。泳動に際しては耳下腺唾液試料25ul. ① 0.01Mトリス塩酸l%衝夜(pH7.4), 0.9%塩化ナト. を凍結乾燥後, 0.1%プロムフェノールブルー(BPB),. リウム 0.05MEDTA (pH7.1)を含んだ溶液(以下ト. 20%サッカロースを含んだIOmMトリス塩酸緩衝液(pH. リスーNaCl-EDTA緩衝夜と呼ぶ)を調製し,転写した. 6.8)20juZに再溶解し,泳動に供したo泳動は4℃にお. 麓をトリスーNaCl-E]⊃TA緩衝液で5分ずっ3回,計15. いて,定電圧100Vで泳動を開始し, BPBマーカーが分離. 分間洗激する。. 用ゲルに入りこんでから400Vに電圧を上げ,さらに. ② トリスーNaCl-EDTA緩衝液に2.5%ゼラチン,0.05. BPBマーカーがゲルから流出した後, 3時間泳動を継. %ツウィーンー20を加えた溶液で37℃ 1時間インキュ. 続したo泳動を終了したゲルは,クーマシーブリリアン トブルーR-250により染色を行った。. ベートする。. Pe検出用の塩素性ポリアクリルアミドゲル電気泳動. ③ ①と同様の緩衝液で10分間ずつ3回,繰り返し洗源 する。. 法はPosner4 の方法によったOつまり保存液としては. ④ トリスーNaCl-EDTA緩衝液に0.5%ゼラチン,0.05. 57%アクリルアミド,および3%N,N′-メチレンビス. %ツウィーン120を加えた溶液に1/100- 1/200の割. アクリルアミドを含むアクリルアミド溶夜, 10%過硫酸. 合で一次抗体を混入し15時間37℃でインキュベートす. アンモニウム, 1.5Mトリス塩酸緩衝液(pH8.8), 0.5M. m ⑤ ③と同様に洗准。. トリス塩酸緩衝液(pH6.を作製する 7.1%分離用ゲ ルはアクリルアミド溶液:3.55mZ, 1.5Mトリス塩酸緩. ⑥ トリスーNaCl-El⊃TA緩衝液に0.5%ゼラチン,0.05. 衝液(pH8. :7.6ml,義留水: 18.55mZ, 10%過硫. %ツウィーン-20を加えた溶液に1 /1500の抗ウサギIgG. 酸アンモニウム: 0.3ml, TEMED : 15filを混合し,. (Anti-Rabbit Horseradish Peroxidase Conjugate, Bio-Rad社製)を混入し5時間インキュベートする。. ゲルを作製した。また1.2%濃縮用ゲルはアクリルア. ⑦ ③と同様に洗源。. 1.24mZ,蒸留水: 7.95mZ, 10%過硫酸アンモニウム:. ⑧ 20mgの41メトキシ111ナフトールを5mlのメタ. 0.lml, TEMED : 10idを混合して作製した。泳動槽. ノールに溶解後, 0.9%塩化ナトリウムを含んだ45mZ. 用緩衝夜は0.6gトリスヒドロキシメチルアミノメタン,. のIOmMトリス塩酸緩衝液と混合し,これに40βの30. 2.8gグリシンを蒸留水に溶解し, lOOOmZとした(pH. %過酸化水素水を加え, PVDF麓を浸すo添加後直ち. 8.3)c 泳動は4℃において,定電圧100Vで泳動を開始. ミド溶液: 0.1ml, 0.5Mトリス塩酸緩衝液(pH6.8) :. し, BPBマーカーが分離用ゲルに入りこんでから300V. に青色のバンドが出窮するo PVDF膜の蛋白染色は,ブロッテイング終了後ただ. に電圧を上げ,さらにBPBマーカーがゲルの下席に至. ちに).1%アミドブラック10Bを7%酢酸に溶解した溶. るまで泳動を継続した.泳動を終了したゲルは,クーマ. 液で1-2分間行い, 3%酢酸溶液でバックグラウンド. シーブリリアントブルーR-250により染色した。. がぬけるまで充分に脱色した。. 10.全唾譲の沈達による耳下腺唾漆の処建 唾液蛋白の変性に起因する塑判定の書りをなくすた. 9.塩基性ポリ7クリルアミドゲル膏気泳動法 酸性PRP検出用の塩基性ポリアクリルアミドゲル電. め,唾液蛋白の変性の仕方を調べる予備実験を行った。. 気泳動法は, Laemmli38)の方法からSDSを除いたシ. つまりパラフイルムを噛んで得た刺激全唾液5mlを採. ステムで15%ゲルを作製し泳勤した25)。保存液はすべて. 取し,9000× gで10分間遠心したo沈漆は1/10室の50. 前述のSI)S電気泳動法と同じものを用いた。 15%分離 用ゲルはアクリルアミド溶夜:10.lml, 1.5Mトリス塩. mM塩化ナトリウムを含むIOmMリン酸度衝液(pH7. 4) に再浮遊した。続いて耳下腺唾液1m‡に0.lmZの唾液. 酸緩衝夜(pH8.8) : 7.5mZ,蒸留水11.8ml, 10%過. 沈漆浮遊液を混合し37℃で10分∼ 1時間インキュベート. 硫酸アンモニウム: 0.3ml, TEMED : 30tilを混合. し,再び遠JL、後上活を凍結乾燥しイムノプロット法で各. し,ゲルを作製した。また5%濃縮用ゲルはアクリルア. 唾液蛋白を検出した。. - 4 -.

(6) 歯科学報 Vol. 仕 ハイドロキシアパタイト結合能の検査 蛋白の-イドロキシアパタイト結合能の検蚕は,以下 のごとく行った。 ① 耳下腺唾夜を4℃で20000×g, 20分間遠沈し,汰 漆を取り除く。 ② 上溝1m‡に40βのハイドロオキシアパタイトを加 え, 25-Cで2時間回転度拝する。 ③ 4℃で27500×g,で15分間遠沈し,上清と沈漆を. 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90100110120 Fraction number. 分離する。. 図1 G16を有する耳下線唾夜のDEAE-sephadex A-25クロマトグラフィー.矢印はNaCl の濃度勾配を開始した位置を示す。. ④.③の沈盃は, 0.1M塩化ナトリウム(pH7.5)で3回 洗激し, 0.4M EDTA(pH7.5)で脱灰する(25。c over night) 。. ⑤ ③の上活, ④の沈漆の脱灰液および対照の耳下腺唾 液各O. 1M塩化ナトリウム(pH7.5),10mM塩化ナトリウ ム(pH7. 5),蒸留水の順で透析し凍結乾燥する。 ⑥ 酸性ポリアクリルアミドゲル電気泳動後,イムノブ ロット法により検出する。 結     果 1. Gl窯白の精製と性愛 1) Gl蛋白の精製. 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90100110120. Gl 6蛋白を有する耳下腺唾液のDEAE-sephadex. Fraction number. 図2 図1の非吸着分画のSephadex G-200によ るゲルクロマトグラフィー。斜線で示した部分 を電気泳動したことろ,最初のピークはGl6 に相当した。. A-25クロマトグラフィーの溶出パターンは,図1に示し たごとくであった。DEAE-sephadexに吸着しないピー クおよび塩化ナトリウムの濃度勾配で溶出される2つの ピークが認められた。 SDS電気泳動法により確認した ところ,塩素性PRPは非吸着分画に認められ,吸着分 画には酸性PRPが多く含まれていた。つづいてこの非 吸着分画をまとめSephadex G-200によるゲル波過を おこなったところ,図2に示したように3つのピークが 認められた。 1-33番目の分画の一部を15%Sf)S電気 泳動法により泳動したところ,最初のピークは主にG16 蛋白に由来するものと思われた(図3)。 最初のピークに相当する1-29の分画をまとめ,再び G-200によるゲル濠過をくり返し,泳動で確認しながら G16のバンドのみが認められる分画を収集したo 図4 は精製したG16分画をSDS電気泳動法により確認し たもので,単一のバンドを有するG16蛋白が待られた。. 図3 図2の1-33の分画のSDS電気泳動像。 1-29の分画にGl6が溶出されたO. 2)アミノ酸分析 精製したGJ6蛋白についてアミノ酸分析を行ったと ころ,表1に示すような結果が待られた。これまでに報. が分離した糖含有PRPと同種のものであると思われ. 吾されているproline-rich salivary glycoproteinの アミノ酸組成と比較したところ,互いにその組成が類似. た。 GJはPRB3座位の産物であると考えられるが, Maeda et al.44)のPRB4のcDNA(cP6)から計算し. しており,特に, Levineetal. ,Shimomuraet al.4. たアミノ酸組成とも近似していた。 - 5 -.

(7) 寺田:唾液蛋白抗体による耳下腺唾液蛋白の遺伝的多型. 920. 2.抗Gl抗体よび抗Pr抗体を用いた耳下腺唾蔵 PRPの遺伝的多聖の検出 PRPのイムノブロット法による検出は,通常SDS ゲルからの検出が報吾されている。酸性ポリアクリルア ミドゲル電気泳動後0. 7%酢酸によるゲルからの転写を 試みたが,転写の効率が悪く PRPの検出は困薬であっ た。そこで通常, PRPがSDSゲルより転写されてい ることから,これと条件を同じくするため,ゲルをSI) S溶液で処理し, SDSを含んだ緩衝液でトランスファー したところ,検出感度は飛躍的に上昇し,酸性ポリアク リルアミドゲルからのPRPの免疫学的検出が可能と なった。 1)精製PRPの抗Gl,抗Pr抗体の反応性および電 気泳動的比較 Isemura et al.45)46¥ Saitoh et al.47)48)49), Kauff-. 図4 精製したGl6蛋白の泳動像。クーマシー ブリリアントブルーR-250染色. man et al.50)5m は,耳下腺唾液中の数種有の塩基性 PRPを精製し,そのアミノ酸配列を報害している。そ. 表1耳下腺唾液の糖含有PRPのアミノ酸組成 G ∼6 R eferences P resent stud y. P aro tid. P arotid. G ly co p rotein G lyco p rotein. G Zl. L evine et aL 41) L evine etal.42) A zen et al.1 (1969). (1973 ). (19 74). P a rotid. G Z. G ly cop rotein. A zen et al.14) (1974). a m m o acid. S h im o m ur a et a l." (1983). cP 6. M aeda et al.4 (1985). A SP. 49. 67. 48. 57. 56. 45. T hr. 4. 4. 4. 7. 9. 4. 4. S er. 48. 52. 42. 46. 45. 49. 61. P ro. 363. 336. 371. 308. 335. 388. 355. G 1u. 194. 209. 190. 214. 208. 186. 199. G 1y. 2 19. 205. 231. 224. 200. 196. 178. A la. 8. 5. 8. 13. 14. 4. 22. V al. 6. 6. 7. 6. 8. 3. 4. 1. 1. M et. 0. 43. I1e. 3. 3. 10. 8. 3. 4. L eu. 6. 7. 41. 30. 6. 9. 0. 1. 2. 0. 1. P he. 4. T yr. 0. 0. L yS. 45. 50. 49. 51. 46. 52. 52. H is. 10. 9. 10. 10. 12. 15. 13. A rg. 45. 49. 44. 10. 19. 49. 52. 0. 0. 74.6. 74.3. 77.0. 73.2. T ry P ro + G lu + G ly. 77.6. 75. 0. 79. 2. Note : Composition given in residues in 1000. - 6 -.

(8) 歯科学報 Vol. 92, No. 6 (1992). 921. こで,これらの精製PRPの供与を受け,酸性ポリアク. 一部の多型性PRPとの関係を知ることができた。第一. リルアミドゲル電気泳動法および本研究の抗体による免. の精製試料の抗Gl,抗Pr抗体に対する反応性は, IB-6. 疫学的検出法を用いて,その反応性をみるとともに泳動. (P-I), IB-8a, IB-4(P-H), IB-5(P-D), IB-7(P-G),. 位置を比較し,多型性PRPとの関係を調査したo比較. IB-8c, IB-9(P-E)の7種の塩基性PRPはいずれも抗. に用いたサンプルは, Isemuraet al.4 ) ¥ Saitoh et. pr抗体より抗Gl抗体に対する反応性が高いが,酸性. al.4   より供与を受けたP-I, P-H, P-D, P-G,. pRPのC末端に相当するPICは抗Gl抗体より抗Pr. P-C, P-E,およびKauffman et al.50)51>52)より供与. 抗体に対する反応性が高かった。つまりPRPはいずれ. を受けたDEAEII-2, IB-6, IB-8a, IB-4, IB-5,. の抗体に対しても交差反応性を有しているが,抗Pr抗. IB-7, IB-8c, IB-9の14種寿の試料であるo これらのう. 体は酸性PRPに,抗Gl抗体は塩基性PRPに,より. ちP-Cは酸性PRPのC末席の44残蓋に相当し,その. 強く反応することがわかった。第二の精製試料および多. 他の13種寿の試料はすべて塩基性PRPである。またす. 型性PRPとの関係は図7に示したごとくであった。. でに報吾されているアミノ酸配列を比較するとP〔Hは. IB-9(P-E)はPmF, IB-6(P-I)はPmSと同一である. IB-4, P-DはIB-5, P-EはIB-9と同じであるo この. ことがわかる。 Lyonsetal.s はPoはP-D(IB-5)と. ような知識をもとに精製サンプルを泳動後,イムノブ. 同じものでありDEAEI主2はPeと同じものであると. ロット法により検出を行った結果は図5および図6に示. 報吾している。しかし本研究における検査結果では. したごとくであった。サンプルによっては変性産物と思. DEAEH-2はPc2と同一の易動度を示し,これは. われるバンドや多少のcontaminationは認められる. Azen and Yulが示したPeの泳動位置とは巽なって. が,各サンプルのメインバンドを厳存の報告の知識も含. いた。 2)新しく兄いだされた多型性PRP一仮称basic1-. めて比較すると矢印で示したものに相当する。これらの. について. 結果から第一に精製試料の抗Glおよび抗Pr抗体に対 する反応性の相違,第二に本研究で用いた酸性ポリアク. 抗Glおよび抗Prの2種の抗体を用いた免疫学的検. リルアミドゲル電気泳動法による精製試料の泳動位置と. 出法の応用により,蛋白染色では識別が困難であった新. P-I P-H P-D P-G P-C P-E P-I P-H P-D P-G P-C P-E. 図5 6種の精製PRPの抗Glおよび抗Pr抗体に対するイムノブロット像. それぞれ2pgのP-I, JHgのP-H, 10/zgのP-D, 1figのP-G, 1figのP-C, 1 pgのP-Eを泳動した。抗Pr抗体に対する反応は,識別が困兼なものもある が,泳動位置を矢印で示したo コントロールの耳下腺唾液はすべて同-であり PmF+, PmS+, Pc2+, CONl+, PsO, basic1-, acidicl+, acidic2 +である。 -I 7p I-.

(9) 寺田:唾液蛋白抗体による耳下腺唾夜蛋白の遺伝的多型. 922. 抗GB,抗体                   抗Pr抗体. DEAEI-2 IB-6 IB-  IB-4IB-5 IB-7 IB-8c IB-9 DEAEK-2 IB-6 IB-8a IB-4 IB-5 IB-7 IB-8c IB-9. 図6 8種の精製PRPの抗Glおよび抗Pr抗体に対するイムノブロット像。 それぞれ10^gのDEAEII-2, A figのIB-6, 5figのIB-8a, 8usのIB-4, 6figのIB-5, 6figの IB-7, 2 figのIB-8c, 4 figのIB-9を泳動した。抗Pr抗体に対する反応は識別が国華なものもあるが,泳動 位置を矢印で示した。抗Pr抗体に対するIB-8cのバンドは,ほとんど識別できず,図中に認められる濃いバンド はIB-8b(P-C)に由来するものと思われるo コントロールの耳下腺唾夜はすべて同一で精製に用いたもとの耳下 腺唾液であり, PmF+, PmS+, Pc2+, CONl+, PsO, basic1-, acidic1-, acidic2 である。 1  2. しい多型性蛋白が兄いだされた。これは塩基性PRPの 一つと考えられたため,本研究では仮にbasiclと名付 けて検討した。 図8は, 4人の耳下腺唾液を酸性ポリアクリルアミド ゲル電気泳動後,抗Gl抗体,抗Pr抗体によるイ ムノブロット法および蛋白染色を行ったものである。 原点側から GZ, Psl, Pmo, basicl, CONl, PmS, Pc2,PmFの多型性蛋白が識別できる basicl は, Pmoの陰極側に泳動され,蛋白バンドを持つ人 (+型)と持たない人(一型)に区別でき,抗GJ抗体,抗 Pr抗体のいずれに対しても同程度に反応した channellおよびchannel はbasicl 型を示し, channel 2および3は-型を示している。抗Gl抗体を用いた際 は, basiclの陰極側に泳動されるバンドの抗体に対す る反応性が高く,発色時間が長過ぎた場合はしばしば basiclとの区別が困難であった。しかしこのバンドは 抗Pr抗体に対する反応性が多少低いため,抗Pr抗体. 図7 精製したPRPと多型PRPの関係。 channel 1および2は図6に用いたコントロール 試料を泳動したもの。 1は抗Pr抗体に対する反応 で, 2は抗Gl抗体に対する反応。 (a)Kauffman et al., (b)Isemura et al., Saitoh et al., (c)多型性 PRP。 IB-8aはSaitoh et al.48)のP-Fと同じも のであり, Kauffman etal.f のIB-1も同時に示 してある。. を用いた方がbasic lが判定しやすい場合が多かった。 判定に際しては両方の抗体による結果を合わせて判定し た169例の日本人の耳下腺唾液についてその出現塵度 を調査したところ+型は102人で60.   塾は67人で 39. 6%であった。 8.

(10) 923. 歯科学報 Vol. 92, No. 6 (1992) 抗G私抗体   蛋白染色   抗Pr抗体 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4. 図8 4人の耳下腺唾液の酸性ポリアクリルアミドゲル電気泳動後の イムノブロット像。 channel 1 : PmF-, Pc+, PmS-, CONl+, basicl +, Pmo+ channel2 : PmF+, Pc+, PmS+, CONl-, basic1-, Pmochannel3 : PmF+, Pc+, PmS+, CON1-, basic1-, Pmochannel4 : PmF-, Pc+, PmS-, CONl+,basicl+, Pmo-. basic lの遺伝関係を調査するために28家系50人の子. basiclと他のPRPとの相関を見るためPmF+と. 供の試料についてbasiclの型判定を行った(表2)o両. 一, PmS+と-, GZl+と-, PsOと他のPs,Pe+. 親ともに+型の10家系からは, +型と一型の子供が,ま. と-, CONl と-, Pmo+と-, P3+とJ=分楽. た+型と-型の両親からも+型と一型の子供が生まれて. し, basicl と-に対して2×2表を用いて相関を調. おり, -型と一型の両親からは-型のみが産まれてい. 査したところ, Ps型と完全な相関を示した。つまり表. た。また男の親から男の子供にも遺伝していたところか. 3のごとく, Ps蛋白を持つ個体は常にbasicl であ. ら性染色体に座位を持たないことは明らかであった。. り, Ps蛋白を持たない個体は常にbasic1-であっ. つまりbasiclはbasicl+ alleleがbasicl allele. た。この結果は, basiclはPsと同じ遺伝子の産物で. に対して優性な常染色体性遺伝形式をとるものと考え. あると考えることができる。. られた。この仮定のもとに遺伝子頻度を算出すると basicl+-0.37±0.03, basicl--0.63±0.03となっ m. 次にbasiclの安定性を調べるために, basiclを持 っ個体の耳下腺唾液に全唾液の沈漆を混合し, 37-Cでイ ンキュベートし,その変化を見た。図9に示したごとく 時間と共にバンドが消失し,陰極側に新しいバンドが出. 表2 28家系50人の子供のbasiclの遺伝 Number of Children. Mating type. families 1  1. 0  7 1. 11     5 21    10 0     3. 表3 Psとbasiclの相関.

(11) 921. 寺田:唾液蛋白抗体による耳下腺唾波蛋白の遺伝的多型 抗Gb抗体 1 2 3. 10 30 60 -Origin cont. mm. mm. min.. m 図9 basicl の耳下腺唾夜と全唾液沈漆の混合 実験。時間とともにbasiclのバンドは消え, 陰極側に新しいバンドが出場した。. 図10 basiclの-イドロキシアパタイト吸着能の 検査。 channel 1 :吸着分画, channel 2 :非吸着上 活, channel3:コントロ-ル. 抗GE,抗体      抗Pr抗体 1 2  3  4 5 1 2  3 4  5. 図11 5人の耳下腺唾液の酸性ポリアクリルアミドゲル電 気泳動後のイムノブロット像。 channel1 : PmF+, Pc+, PmS+, CONl+, Pmochannel2 : PmF+, Pc-, PmS+, CON1-, Pmo+ channel3 : PmF+, Pc-, PmS+, CON1-, Pmochannel4. :. PmF-,. Pc+,. PmS一,. CON1-,. Pmo+. channel5 : PmF-, Pc+, PmS-, CONl+, Pmo+. 10-.

(12) 歯科学報 Vol.. I, No. 6 (1992). 現した。つまり比較的変性しやすい蛋白であることがわ かる。 basiclのハイドロキシアパタイト吸着実験 を行ったところ, basiclは非吸着上清から検出され (図10), -イドロキシアパタイト吸着能を持たないと考 えられた。この性嬰はDEAEIト2とI]11を除くすべ ての塩基性PRPにも共通している。 3.既知の多型性PRPの遺伝学的調査 酸性ポリアクリルアミドゲル電気泳動法と免疫学的検 Q_iCuCLCLCL│. pmF型の判定が可能であった。そこでこれらの塩基性 pRPに加え, Pe, Ps, Gl, P3, PRHl, PRH2型 の調査を行い,各多型の出現虜度および遺伝子頭皮を調. P. 査すると共に,表現型の相互関係についても検討した。. v< ̄.ふ両 州. 出法を用いることにより, Pmo, CON-l, PmS, Pc2,. 1)塩基性PRPの多型の調査 PmF,PmSおよびPc2型の判定はイムノブロット 法により判定した後(図11),酸性ポリアクリルアミドゲ ルの蛋白染色法により再確認した。 PmFおよびPmS は強い相関をもって出現するが,各多型の相関関係の検 索には異なる多型として取り扱う方が比較が容易なた め,ここでは2つの独立した多型として検討し,いずれ. 図12 9人の耳下腺唾液のSDS電気泳動像。 channel1 :Gl1-,Psl,P3-, Pmo-. も+型および-型に分楽したo Pc型は, Karnetal.18. channel2. :Gll+,PsO,P3一,. channel3 : Gll+,Psl,P3+, channel4: Gl1+,PsO,P3channel5:Gll+,PsO,P3channel6:Gl1+,PsO,P3+, channel7 :Gll+,PsO,P3-, channel8:Gl1+,Ps2,P3-, channel9: Gl1+,PsO,P3+,. によればPclとPc2は共優性に遺伝をすると報害して いる。 PclとPc2は水口ら53)がPmFおよびPmSと 相関をもって出現する蛋白として報害しているPmMS およびPmMに相当する可能性が高いが,これらが共 優性で遺伝すると仮定すると,日本人においては遺伝仮 説に合わない54)またPclの位酎こは,常に抗Prお. Pmo+ PmoPmoPmo+ (1+2+) PmoPmo+ Pmo+ Pmo+. よび抗G‡抗体に強く反応するバンドが存在し欠落型は 認めちれなかったOそのためにここではPc2と考えら. を併用した(図12)' 。本研究におけるPmo+はPmol. れるバンドを持つ個体と持たない個体に分戴したo. のバンドを持つもののみを+型とし, Pm02のみを持. CONlの判定は, SDS電気泳勤法により行われてい. つ個体は除いた。. る。本研究の酸性ポリアクリルアミドゲル電気泳動法と. pe型は塩素性ゲル電気泳動法により判定した(図. 抗Gl抗体を用いた検出で, PmSの原点側に明瞭に分. 13)。 Peは原点に近い位置に分離されるが,太く明顧な. 離されたバンドにつき, SDS電気泳動法の判定結果と. バンドを持つものと少し狭いバンドを持つものを+型と. 比較したところ, CONlに相当することが明らかに. 判定し,染色性の異なる薄い線状のバンドが認められた. なった。このバンドは抗Pr抗体に対する反応性は弱. ものを一型とした(図13)。. く,抗Pr抗体による+型と一型の識別は困難であっ た。 CONlの判定は太く明瞭なバンドを持つもの,少. 12)。 Psは1,2F,3を持つもの,およびPsを持たな. Ps, Gl, P3はSDS電気泳動法により判定した(図. し狭いが幅を持ったバンドとして区別できるものを+型. い個体が認められた Glの判定結果は他の多型との. と判定し,バックグラウンドと区別がつきにくかった. 相関を見るためにのみ利用したため,ここではG11を. り,系酌、線状のバンドのみが認められたものを-型と判. 持つもの(Gil および持たないもの(GZlつのみを. 定した(図Il)c. 区別し,遺伝子頻度としては表していない。 P3はPs3. pmoの判定は,今回の免疫学的検出法(図11)では. と同じ位置に泳動されるバンドの有無で+型と一型に区. pmolとPm02が区別できないためSDS電気泳動法. 別したが, Ps3はSDS電気泳動で原点側に対となって. - 1^.

(13) 寺田:唾液蛋白抗体による耳下腺唾液蛋白の遺伝的多型 表4 多型性PRPの出現頻度および遺伝子鹿度 Observerd Total Gene frequency. 100(59. 5%) 68(40. 5%). 168. PmS. 100(56. 8%) 76(43. 2%). 176. Pc2. 122(84. 1%) 23(15. 9%). 145. 94(54. 3%) 79(45. 7%). 173. 88(57. 5%) 65(42. 5%). 153. 107(86. 3%) 17(13. 7%). 124. N 0 C. PmF. 1. +. 0 m. P. O. P. PmF- =0.636 PmS+  -0. 343 PmS-   0. 657 Pc十   -0.. 602. Pc-   -0. 398 CONl十 =0.324. CONl" -0.676 Prao+  -0. 348 Pmcr  -0. 652 Pe十   -0.. 630. Pe-   -0. 370 Ps1  -0.351 Ps2;  =0. 041 Ps;  -0. 003 Psc   -0. 605 P3十  -0.213 P3 ̄  -0.787. 1 1 1. ノ. 1.  . o. 1. I. 明0. 1. 1. 団 G^^K^l 貯n 慧n.  ̄. ffiPhkffire rtp^tfp^pi PhPhPlhPmP.. ヽ. 2. i.  . a. 5. o. I. j.  . 蝣.  . I. > *.  . ^.  . r I.  . m.  . < I. 己 U 3. I I. を持っ1例の個体については今回は判定から除外した。. ). c. PRH2. ). I. o. もののみをp3+と判定することで区別ができる。 Ps3. CO CO CD<X>己O O CO C=>CO. *. 現れるバンドを有するため,そのバンドが認められない.  . so¥O¥O¥O¥¥p¥p¥o¥p ¥p¥o¥p 330OIOO OO^HOO MI O Ou 1. I. channel3, 4, 6 : Pel. ( ( ( ( ( ( ( ( (   ( ( ( <en t-<co io co o CO CO t- CO H. I. channel1,2,5, 7,8: Pe+. 00-^LO CKl^P LO^LO CO. 図13 8人の耳下腺唾液のPe検出用の塩基性ポリ アクリルアミドゲル電気泳動像。. crj LO t-I t-良U 7        5. F F   2. ・-cMCO主o 」. P. r r :. (+). (53. A%) ( 3.4%) ( 0.7%) 148 ( 4.7%) (37. 8%) 38(38. 0%) 100 62(62. 0%). PmF十 -0.364. 0. 037 0.215 0. 724 0. 012 0. 012. PRH21 -0.764 PRH22 -0.236. 一 E. 以上のような基準で各多型性PRPの判定を行ったと.  . また, P3のバンドの判定の園兼なものについても除外 した。. 人の結果を比較すると,日本人は白人,窯人と比較して. ころ,出場頻度および遺伝子頻度は表4のごとくとなっ. 有意に低いことがわかった(x2-0.324, d. f. -1,. たoまた表5は,各遺伝子鹿度を他の報吾と比較したも. 0.5<P<0.7)。Ps型は, PslF, 1, 2F, 2S, 3,. のである。 PmF, PmS, Pmo, Peはいずれも+の遺伝. 4の6つのPs蛋白が報害されており,これらを産4す. 子が-の遺伝子に対し優性に遺伝するものと仮定して遺. る遺伝子(PslF, Psl, Ps2F, Ps2S, Ps3, Ps4)がPs蛋. 伝子強度を算出し,他の日本人における報吾と比較を. 白を持たない遺伝子(Ps-)に対し優性に遺伝することが. 行ったがいずれも類似した値が待られた Pc2はその. 示されている55)。148人についてPs型の判定を行ったと. 電気泳動易勤度の同一性からpmM53)と同一と考えられ. ころ, Psl, Ps2F, Ps3, Psl-2FおよびPsO型が認. たがPmM+は一型に対し優性に遺伝しているため,本. められたo遺伝子鹿度をカウント法58)により算出したと. 研究でもPc2 が一型に対し優性に遺伝するものと仮. ころ,他の日本人の報吾と同様な傾向を示した。 P3は. 定して遺伝子頻度を算出した Pc2+は0.602となり,. P3+がP3-に対し優性と仮定して遺伝子頻度を算出し. 水自らの'PmM+-0.74と比較して低い値を示した。. たがMinaguchiand Suzuki のE]本人における報吾と. これは検査した集団の相違によるものか,検出法の違い. 有意な差を示した。これは検査集団の違いによるか,ま. によるものと考えられる。 CONlは+型が一型に対し 優性に遺伝するものとして,遺伝子頻度を算出したとこ. た今回は識別しがたいバンドを持つものを除外したため +型が減少したことによるものと恩われる。. ろCONl十-0.324となった。日本人のCONlについて. 2)酸性PRPの多型の調査. の遺伝子鹿度は他に報吾がなく,本研究結果と白^,窯. 酸性PRPは等竃点電気泳動法,塩基性ゲル電気泳動 12 -.

(14) 927. 歯科学報 Vol. 92, No. 6 (1992) 表5 PRPの遺伝子頻度の比較. Locus Allele Present study Japanese Whites (USA) Blacks (USA) の十重Ⅱ. 蝉 4 1.  . CD. ノ.  .  .  .  .  .  .  . 1. 8. ). Sid 爪重 5 1 の用甘団.  . CD.  .  . ).  .  .  .  . O.  . LO LO OJ OO t-i oo i-i oo. CD.  . 6       6       3.  ̄  . ヽ. 9. 5.  . 0.2 0.7芸(101)J.  . 2. l. 2. 5. e e. 0. 348 0. 652. (153) : 332 (376)]. 0. 630 0. 370. (124)  雲(166)E 0. o. 3:雲(134)'. :雲(74)'. 02. 09. 3:Z雲(317)1. :Z莞(51)]. 28. ∩. ft.   ft. <n l  1  2  2  CY' O Cfi CO 03 02 02 W. o 3. 5. 0. 598        0. 185 1. 3. o. 041. (148). 0 0. 0.101 UUD;. o. 06. 15. 12. 0. 0. 301. 0. 689. +. y _         一 t ^ ^ M J f. PRH21 PRH22. ‖ H H. l l l l l. OhPh PmCLhPhPmPh. + ' t r l t r l t r l 慧. 0. 003 0. 605. 029 08(317)6. 0. pL,OhPhPhPnpLn. l. H 3  R P P. PRH2. 5       5       5. +. PP. Ps.  . Pmo ̄. Pe.  . Pmo十.  . Pmo.  . (173).  . 0. 324 0. 676. CON 1.  . CONl十. CON 1.  . (145).  . 0. 602 0. 398.  . Pc2+ Pc2.  . Pc2.  . (176).  . 0. 343 0. 657. 9. PmS4 PmS-. 5. ISHI壁. 2. (168). ・/       l. 0. 364 0. 636. O O> LO LO ^P良U 4良3 CO<XJ C- OJ. PmF ̄. C 3 0   0 0   0 0. PmFI. raai a. 0.213 (100) 0. 787. 0.42 0.58(2)< 0.35 0.19 0.745(8)2 0.21 0.8. 0. 037 0. 215 0.724 (116) 0. 012 0. 012 0. 764 0. 236. (123)0.7 0.2誓(589). 法およびSDS電気泳動法を用い, PRHlの産物とし. pmsの結果についてのみ示してある。多くの多型が相. て, Db,Pa。PIF,As,Atの5種の蛋白,またPRH2. 関を持って出現することがわかるが, GZ, PRHl,. の産物として, Prl, Pr2の2種楽の蛋白を検出し. PRH2については他の多型性PRPと相関を示すもの. たo各形葉は互いに共優性に遺伝するため,各多型の頻. は兄いだされなかった。 CONlとPsの相関は白人に. 度を調査すると表4に示したごとくで,これらの遺伝子. も認められている16)が,本研究で認められたCONlと. 頻度は他の日本人の報吾と近似した値を示した(表5 )。. PmS, PmsとPsの相関は白人では認められていな. 3)多型性PRPの表寛型の相関 PmS, PmF, Pc2, CONl, Pmo, Pe, Ps, Gl, P3, PRH ら PRH2の11種の多型につきPmS+と. い16)51)。 4.抗Pr抗体によLJ検出された耳下腺唾液蛋白の新し い遺伝的多型 抗GI抗体および抗Pr抗体を用いて検出された前記. -,pmF+と-, Pc2 と-, CONl+と一, Pmol +と一, Pe+と-, PsOと他のPs, GZl と一, P3. の多型に加えて抗Pr抗体により2種の新しい多型が兄. +と-, PRHl を持つものと持たないもの, PRH21. いだされた。. を持つものと持たないものに分頚し, 2×2表により互. 1) acidicl. いの表現型の相関について検討した。 1 %の有意水準で. 図14は抗Gl抗体および抗Pr抗体を用いた4人の耳. x2検定値の有意であったもののみを示すと表6に示し たごとくとなる。 PmFとPmSの相関を調べるとx2. 下腺唾液のイムノブロット像および蛋白染色像を示して. -132.6 (d.f.- 1, P<0.001)で非常に強い相関を持. 抗Pr抗体に反応するバンドを持つ人(+型)と持たない. っことがわかるが,これらは,いずれもPRBlの遺伝. 人(+型)が区別された。このバンドは抗GJ抗体には反. 子産物と考えられており29)他の多型との相関関係の調 査においても常に同じ傾向を示したため,ここでは. 応しないoそこでこれを仮にacidiclと命名し検討し. - 13. いる。前記のPRPに加え, Pmoとbasiclの中間に. た。 acidic lは蛋白染色では識別できなかった。 166例.

(15) 寺田:唾液蛋白抗体による耳下腺唾夜蛋白の遺伝的多型. 928. 表6 有意差の認められた各多型の相関. x2値(d.f.-1). 相    関. の耳下腺唾液について型判定を行ったところ+型が38人 (22.9%),一型は128人(77.1%)であった。 acidic lの遺伝関係を調査するため28家系49人の子供. Pc2  ×Pe. 56. 058. CONl xPs. の耳下腺唾液について型判定を行ったところ, +型と. 55. 372. PmS xP3. +型の1家系からは+型が, +型と一型の5家系からは. 47. 746. Pmo xPmS. 31. 127. Pc2  ×Ps. 29. 659. +型と-型が出窮したが, 22家系の-型どうしの両親か らは+型は出現しなかった(表7)。また男の親から男の 子供に遺伝していたため,性染色体上に座位を持たない. CONI XPc2. 20. 007. CONI XPmS. 17. 096. ことがわかる。つまりacidiclはacidiclを産生する. PmS xPs. 15. 966. acidicl+ alleleが,産庄しないacidic 1 alleleに対. PmS xPe. 15. 766. して優性な,常染色体遺伝形式をとるものと推定され. Pmo xPc2. 14. 332. た。この仮説に基づき遺伝子頻度を算出したところ,. Pmo xP3. 13. 057. acidic1 -0.122±0.018, acidic l"-0. ±0.018と. P3  ×Pe. 12. 553. PmS xPc2. IiBm.. ll. 946. Pmo xPs. 10. 557. Pmo xPe. 8. 581. CONl xPe. 7. 523. Pc2 ×P3. 7. 058. 1 %の有意水準で有意差の認められたもののみを sass害. acidiclは抗Pr抗体により検出されたため,当初 PRPの一種と考え,他の多型性PRPとの相関を検討 したが,いずれの多型との間にも相関は認められなかっ た。またすでに本研究結果に示したように,抗Gl抗体 に反応しない塩基性PRPも認められておらず,酸性 PRPにも該当しないところから,本研究における抗 Pr抗体には他の蛋白に対する抗体活性があることが考. 図14 4人の耳下腺唾液の酸性ポリアクリルアミドゲル電気泳動後の イムノブロット像。 Pmoとbasiclの中間に多型を示すバンド acidiclが認められたo矢印はacidiclのバンド。抗Pr抗体に 良く反応するが,抗GJ抗体には反応しない。 channel1および4 :acidicl +,channel2および3 :acidic1 一14-.

(16) 歯科学報 Vol. 92, No. 6 (1992). 929. 図16 acidicl+, acidic2 の個体の耳下腺およ び顎舌下腺唾液の抗シスタチンS抗体に対する イムノブロット像 channe11の耳下腺唾液は 20ill, channel 2の項舌下腺唾液はAO/ilを用 いた。. 図15 2人のacidicl+, acidic2+の唾液の抗 Prおよび抗シスタチンS抗体に対するイムノ ブロット像。 acidicl, acidic2のバンドは抗 シスタチンS抗体反応性のバンドに易動度が一 致した。. の多型であることがわかった acidiclが顎舌下腺唾液 表7 28家系49人の子供のacidic l遺伝. に認められるか否かを調べるためacidicl の個体 の耳下腺および顎舌下腺唾液を採取し,抗シスタチンS. Number of Children. Mating type. families. 抗体に対する反応を見た。図16に示したごとく項舌下腺 唾液にはacidiclとわずかに易動度の異なるバンドが. 1 5 2. ; < a. 1     0. 認められた。つぎに, acidiclの安定性を見るために,. 3      4. acidic lを有する耳下腺唾液に全唾液から待られた沈. 0     41. 連を混合し37-Cで10分, 30分, 1時間のインキュベート したものを酸性ポリアクリルアミドゲル電気泳動後,抗. えられた。抗Pr抗体は,等竃点電気泳動法によりpI. pr抗体によるイムノブロット法を試みた(図17)。. 4.5付近のPrlおよびPIF-Sの蛋白を溶出し抗原とし. acidiclは, 1時間インキュベートしたあとでも判定可. たが,このpI4.5付近には顎舌下腺唾液よりは少ないも. 能で,かなり安定した蛋白であると思われた。また. のの,酸性のシスタチンSおよびシスタチンSAが含ま. acidiclのハイドロキシアパタイトの吸着能を検査した. れていたことが考えられる。そこで抗シスタチンS抗体. ところacidiclに相当すると思われるバンドがハイド. を用いて, acidiclを有する唾夜の抗シスタチンS抗体. ロキシアパタイト吸着分画からも検出された(図18)。つ. に対する反応を見たところ, acidiclのバンドはシスタ. まりアパタイト吸着能を有するものと考えられたが,こ. チンS反応性のバンドに易動度が一致した(図15)c また. れはシスタチンS, SNと同じ性聾であった59)。. 17例のacidicl +と14例のacidic1 -と判定された唾. 2) acidic2. 液につき,同様に抗シスタチンS抗体で判定したとこ. 図19は抗Glおよび抗Pr抗体を用いた4人の耳下腺. ろ,すべて抗Pr抗体を用いた場合と同じ判定結果が待 られた。つまり本研究に用いた抗Pr抗体はシスタチン. 唾液のイムノブロット像および蛋白染色像を示してい る PRPの蛋白バンドに加えIB-7CP-G)とほぼ同じ. に対する抗体活性を有しており, acidiclはシスタチン. 易動度の位置に抗Pr抗体に対し強く反応するバンドを 15 -.

(17) 930. 寺ffl :唾夜蛋白抗体による耳下腺唾液蛋白の遺伝的多型 1 2  3. 10 30   -Origin Cont. min. min. min.. - Origin. 二fI If. 図17 acidicl +, acidic2 の耳下腺唾夜と全唾     図18 acidiclの-イドロキシアパタイト吸着能の 液沈漆の混合実験。 1時間後でもacidiclの 検査。抗Pr抗体によるイムノブロット像。 判定は可能であった acidic2はわずかに薄く channel1 :吸着分画, channel2 :非吸着上 なったが判定可能であった。 活, channel3 :コントロール, acidiclは吸 着分画と非吸着上清の両方に認められたo. 抗GA抗体   蛋白染色   抗Pr抗体 1 2  3 4 1 2  3 4 1 2  3 4. 図19 4人の耳下腺唾液の酸性ポリアクリルアミドゲル電気泳動後の イムノブロット像。 IB-7と同じ位置に抗Pr抗体に対して強く 反応するacidic2が認められた。 channel1および:acidic2 +,channel2および3 :acidic2 16.

(18) 歯科学報 Vol. 92, No. 6 (1992). 931. 表8 25家系45人の子供のacidic2の遺伝 Number of Children. Mating type. families. 6      8. l. 白γの L-  CO. 3      2. 0     26. 持つ個体が認められた。そこで,このバンドを仮に acidic2と命名した。 acidic2が抗Gl抗体に反応する か否かは, IB-7のバンドが同じ位置に存在するため明 らかでない。 acidic2の位置にはしばしば抗Pr抗体に 弱く反応するバンドが認められるものがあったが,この バンドはその反応性がacidic2とは明らかに違ってお り, -型と判定し,明瞭なバンドを有するもののみを+. 図20 acidic2のハイドロキシアパタイト吸着能の 検査。抗Pr抗体によるイムノブロット像。 channel1 :吸着分画, channe12 :非吸着上 清, channel3 :コントロール,acidiclは非 吸着上清に認められた。. 型とした。 162例の耳下腺唾液について検討したところ +型は31例(19.1%),一型は131例 3.9%)であったo acidic 2の遺伝関係を調査するため25家系45人の子供 について型判定を行ったところ+型と+型の2家系から は+型と一塾が, +型と-型の7家系からは+型と-型 が,一型どうしの16家系からは一型のみが認められ. にもacidic2に相当する位置を中心に4-5本のバン. た(表8)。また男から男へも伝わっているところから,. ドが認められた。これは精製シスタチンSNを泳動した. 性染色体上に座位を持たず, acidic2を産生する. 際に4-5本認められるメインバンドの一つと同じ位置. acidic2+ alleleが,産生しないacidic2 alleleに対. に相当し, SNの一部であることも考えられたが,別の. して優性な,常染色体遺伝形式をとるものと推定さ. 蛋白であることも考えられる(図16)。次に全唾液沈連と. れた。この仮説に基づき達伝子鹿度を算出したところ. の混合によりacidic2の安定性を見たところ,イムノ. acidic2十-0.100±0.017, acidic2" -0.900±0.017. ブロット像では時間と共にわずかに薄くなっていくもの. となった。. の, 1時間後でも判定可能で比較的安定した蛋白である. acidic 2も同様に他のPRPの多型との相関を検討し. と思われた(図17)。またacidic2のハイドロキシアパ. たところ,いずれの多型との間にも相関は認められな. タイト吸着実験では,吸着分画からバンドは認められ. かった。これもシスタチンの多型であることが考えら. ず,吸着能は認められなかった(図20)。. れたため, acidic2を有する個体の耳下腺唾液につき,. 考     察. 抗シスタチンS抗体に対する反応をみたところ, +型. 唾夜プロリンリッチプロテインはその生化学的性寛か. の唾波は抗シスタチンS抗体に対し強く反応するバン ドが認められた(図15)。また14例のacidic2 +と16例. ら.酸性PRP,塩基性PRPおよび壮含有塩素性PRP. のacidic2一の唾夜につき,抗シスタチンS抗体で判. に分蕉されている60)。近年のPRPに関する分子達伝学. 定したところ, acidic2 の個体は明瞭なバンドが認め. 的研究の成果から, PRPは6つの遺伝子座位により合. られ, acidic2 -の個体は薄い線状のバンドが認められ. 成されていることがわかってきた6)。これらはPRHと. たものとバンドの認められないものが存在し,抗Pr抗. pRBの2つのsubfamilyに分葱される(緒言参照)0. 体を用いた場合と同じ結果が得られた。つまり. 4つのPRB遺伝子群はその核酸配列の特徴から. acidic2はシスタチンの一種であると考えられた。. PRBl +PRB2, PRB3+PRB4の2群に分歎する. acidic 2が顎舌下腺唾液に含まれるか否かを調べるた. ことが可能であるが,前者は主に塩基性PRPをコード. め, acidic2 の顎舌下腺唾液と耳下腺唾液を同時に泳. し,後者は糖含有室の多い塩基性PRP群をコードして. 動し抗シスタチンS抗体で検出したところ,項下腺唾液. いる27)。 pRB遺伝子群のCDNAの構造はいずれも. - v^.

(19) 932. 寺田:唾液蛋白抗体による耳下腺唾夜蛋白の遺伝的多型. signal peptide低域(S), N末席をコードする酸性領. Isemura et al.45>46¥ Saitoh et al.47)48)49¥ Kauffman. 域(N),制限酵素Bst Nl siteを持つ63bpの繰返し領. et al.e )52)より供与を受けたすべての塩基性PRPに. 域(B),およびC末端領域(C)よりなっている44)。. 良く反応した。これらの塩基性PRPはいずれも. Lyonsetal/)はBtype配列には  B TJ  の 4種がありPRBl, PRB2座位のB魔域においては. E^-Bg-E^ typeの構造をしていることから,抗Glは. 1-a2-Hcの組合わせが3-4回繰返し,さらにBl構 造が続いており, PRB3, PRB4座位においてはB4. Bl} B2, B3) B4 typeのいずれの構造も認識することが わかる。つまり,本研究の抗GI抗体はすべての塩基性 PRPを検出できるものと患われる。. typeの配列が6-10回繰返し,さらにB9-Bg構造が続. 本研究においてはS]⊃Sを含む緩衝液でPRPを転写. くと報吾している。このような繰返し構造は遺伝子内の. することにより酸性ポリアクリルアミドゲルからの免疫. 組換えを促進するであろうし,その結果,各座位には大. 学的検出を可能にした。 SI)S電気泳動法では分子量の. きさの違うalleleが出場すると考えられる。この推測を. 違いのみで分離されたPRPの検出が可能であるが,酸. 支持する結果はLyonsetal. , 0'Conneletal.の. 性ポリアクリルアミドゲルを用いることで荷電の違いに. 報吾を見ると明らかである.つまり,0'Connel et al.f. より分離される塩基性PRPの検出も斯待できる。この. は, 500人前後のDNA試料を用いてPR]〕座位の. ように酸性ポリアクリルアミドゲルで今まで識別できな. RFLPを検査した結果, PRBlは7つ, PRB2は5. かった数種のバンドが認められ,その中で新しい多型性. つ, PRB3は4つ, PRB4は3つの大きさの違う. 蛋白basiclを見いだすことができた。 basiclはPsと. alleleを兄いだしているo このPRB遺伝子内の繰返し. 完全な相関をもって出現するが,これはbasiclがPs. 構造に起因する組換えの起こりやすさはPRB座位の複. と同じ遺伝子の産物であることを示唆している。 Psは. 雑さを産み出す一因となっている。. 抗Gl抗体と抗Pr抗体のいずれに対してもよく反応す. Maeda et al. 44)の待た塩基性PRPのcDNAは162. るが, basic lも同様の性薯を示し非常に棄似した構造. ・315のアミノ酸配列をコードしているのに対し,唾液. を持つと思われた。 basiclはPs蛋白を有する個体で. から単斬された塩素性PRPは60-120残基程度のもの. は常に+型である。つまりPs蛋白を合成する遺伝子. であり,これはBtype配列が1つか2つ連なった大き. が,常にPsとbasiclをコードする別々の構造を持っ. さである。塩素性PRPの遺伝子の繰返し配列 Bi-. ものか,酸性PRPに認められるようにPsとbasicl. B "Q の後は,-Arg-Ser-の配列を含むものが多. は同じ蛋白で, basiclはPs蛋白の一部がプロテアー. く,この構造は酸性PRPのkallikrein cleavage site. ゼにより切断された断片であるかのいずれかが考えられ. と一致している62)。また唾液から単離された塩素性. る。抗GJ抗体によるPRPのイムノブロット像を精査. PRPの多くはC末席がArgで終わり, N末席はSer で始まるものが多いことは,遺伝子の一次産物がプロテ. すると,まだ明らかにされていない多くのPRPのバン. アーゼにより切断され,大きな前駐物寛から小さなペプ. 示すと考えられたが,酸性ポリアクリルアミドゲル電気. ドが認められる。そのうちいくつかのバンドは多型性を. チドが作られているという, Maedaet al.z の説を支. 泳動法の再現性の点から,すべての蛋白につき同じ泳動. 持する結果となっている。さらに被らは, PRBl座位. 像を待ることが非常に困華であった。これはPRPの構. のExonの-部がスプライシングにより欠落した斬訳. 造の類似性によるものであろうが,今後いまだ解明され. 物を待ており,同じ遺伝子から異なる蛋白を分泌し得る. ていない多型が証明される可能性は非常に高いと恩われ. 可能性を示した。この2つのメカニズムは少ない遺伝子. る。. から唾夜中に美亘似した多くの塩基性PRPが分泌される. 既知の多型性PRPの相関関係を検索した結果,. ことを良く説明しており,唾液PRPの分析の楽しさを. PmFとPmSを除くと, Pc2とPeが最も高い相関. 物言吾っている。. を示した。著者の検査の結果ではPc2はDEAEE-2. 著者はこのような状況下で唾液塩基性PRPを分析す. と同じ位置に泳動されたが Lyons et al.:はPeが. るため,免疫学的検出法を用いることを計画し,酸性. DEAEII-2と同じものと報害しているため, Peと. PRP(抗Pr)および塩素性PRP(抗Gmこ対する2種の. Pc2は同-のものであるという結果になるo LかL. 抗体を作製した。 Gl蛋白はB4 typeのrepeat構造を. AzenandYul の報吾によるとPeとPc2は同じ位置. 有し,著者の作製した抗GJ抗体はB4 type構造を認識 しているものと考えられる。しかし,この抗体は同時に. に泳動されていない。 Pc2とPeとの相関はPc2+の ものは大部分Pe+で, Pc2 -のものは大部分Pe一で. - il望-.

(20) 歯科学報 Vol. 92, No. 6 (1992) あった。しかし数例の唾液はPc2+Pe-, Pc2-Pe+. 933. PRBl, PRB2, PRB4の産物である。. のものが存在したため, Pc2とPeが同じ蛋白のプロテ. Kimetal はPRPの遺伝子のmappingを行った. アーゼ分解産物でないことは明らかである0本研究の泳. ところ, 6つの遺伝子は700Kbp以上にわたり分散して. 動法では, Peに相当すると思われるバンドは他の. 存在しており,その配列順序は PRB2-PRB1-. PRPと重なっているものと患われ,識別することがで. PRB4-PRH2-PR]〕3-PRHlであると報告してい. きなかった。環時点ではPeとPc2, DEAEH-2の関. る(図21)。また,これらの遺伝子は1つの祖先遺伝子か. 係については矛盾のない説明をすることはできない。し. ら進化してきており, 6つの遺伝子が生じるために4回. かしDEAEI主2はPRI1 1に同じ構造が認められてい. の組換えが必要であると推測している。 0'Connel et. るため,著者の結果ではPc2もPRBlの産物である. al.」によればPRB2とPRBlの組換えは1-3%,. 可能性が高いことになる。. PRBlと〔PRB3 ・PRB4〕との間は1-2%で, PRB3とPRB4の間には組換えは認められていない。. Lyonsetal.'によればCONlはPRB4,そして PmS,PmF,PeはPRBl,またPsはPRB2の産物. つまりPRB2-PRB1-PRB は130Kbp内に存在する. であると報吾している。 CONlとPsの問には強い表. が, PRB3とPRB4は350Kbp以上も離れている. 現型の相関が認められたが,この相関関係は白人につい. (図21)にもかかわらず組換えが認められないという。組. ても同じ傾向が認められている16)。つまりPRB4と. 換えの頻度と互いの遺伝子問距離の矛盾はPRB2,. PRB2の間にもその表場型が相関をもって出現するも. PRBl, PRB4座位の間に組換えの起こりやすい,い. のがあることになる。またCONlとPmS,PmSと. わゆる``hotspot"があることを示唆していると説明し. Psとの間に認められた相関は,それぞれPRB4と. ている64)現在のPRP遺伝子および多型性PRPにつ. PRBl, PRBlとPRB2間に認められた相関という. いての知識から,表現型の相関について充分に納待のい. ことになる。しかしこれらの相関は白人には認められて. く意味付けをおこなうことは困葉である。しかし,PRB. いない15)16)っまり異なる遺伝子間の相関にも人種的特. 1, 2, 4座位それぞれの産物(PmS, Ps,CONl)に認. 徴があることになる。 PmoとP3は水口63)によれば. められた相関が人種間でも違っていることは, repeat. PmoがPRBl, P3がPRB4の産物であろうと推測. 構造内の不等交差により,新しい遺伝子が作られてきた. している。また, Pc2, PeもPRBlの産物と考える. ためだけではなく, "hot spot"の存在が組換えを促. と,互いに表現型の相関が認められているものはすべて. し, 3つの遺伝子座位間に複雑な相関を生み出してきた. \ \ \                \ \                 \ \\      \\. (b) s. s. s. s. s. s. s. s. s. s. †  † † †     †  † †  † †    †. 5㌧一一五′                工3   -0>-磨- 3' pRB2 PRBI PRB4  PRH2  PRB3  PRHl. ・C)ト?-│-60-(-70- -190-十100寸60-j-130寸60十>700」kbp 図21 (a)PRB座位の進化仮説。 A :祖先遺伝子, H :Hae H type, B :BstNltypec (b)は遺伝子の配列服序。黒で示した遺伝子間の位置は確定的。白で示した遺伝子の位 置は直接決定されていない。 (C)は遺伝子間の距離。波線の間は確定的.波線部分は近 接つながっているか否か証明されていない(Kim et al.64)) - 19 -.

(21) 934. 寺田:唾液蛋白抗体による耳下腺唾液蛋白の遺伝的多型. 結果であるのかもしれない。. Blotの結果から,シスタチンCは検査したすべての臓. 唾液に認められるシスタチンにはシスタチンSN,. 蜜に発窮していたと報吾しているo しかし唾液腺に特に. SA, S, Cが存在することが示されているが,近年. 発現が強いとは報害されていない acidic lは耳下腺唾. Nothern I〕lotで耳下腺に特異的に出現するといわれる. 液シスタチンのメインバンドの一つであるところからシ. シスタチンDが報吾された35)。しかし,シスタチンDは. スタチンDの可能性が最も高いように思われる。これに. 耳下腺唾液においてはまだその存在は証明されていな. 対し, acidic2はその泳動位置がシスタチンSNのメイ. い。これらの唾液中のシスタチンのうちシスタチンSお. ンバンドに相当するところからシスタチンSNの一部の. よびSAは酸性のpIを持つ。シスタチンS,SA,SNは 顎舌下腺唾液よりその室は少ないが,耳下腺唾液にも存. 可能性が高い。シスタチンSNに関連すると思われる多. 在することがわかっている65)66)。本研究においても,酸. 泳動位置の違いから,本研究のacidic2は新谷ら67)の. 性PRPに対する抗体(抗Pr抗体)を作製するために耳. ものと異なる蛋白であることは明らかである.シスタチ. 型はすでに新谷ら67)により報吾されている。しかしその. 下腺唾液を試料として,等電点ゲルよりPrlおよび. ンSNはハイドロキシアパタイト吸着能を持つが,この. PIF-S蛋白を溶出したところ,ゲルの蛋白染色ではシ. 吸着能は構造内の荷電基を有する部分が重要な役割を果. スタチンのバンドが識別できなかったにもかかわらず,. たすと考えられている  acidic2が, -イドロキシア. 著者の用いた抗Pr抗体はシスタチンに対する抗体活性. パタイト吸着能を持たないことは,nativeなシスタチン. を有していた。これはシスタチンが数量でも非常に抗原. SNの性葉と異なるoこれはacidic2がシスタチンSN. 性が強いことを示している。. であるとしてもアパタイト吸着部位を欠く断片として存. 抗シスタチンS抗体を用いて,酸性ポリアクリルアミ. 在しているためかもしれない。また, acidic2がシスタ. ドゲル電気泳動法で耳下腺唾液のシスタチンを検出した. チンSNと同-であるなら,新谷ら67)により報吾された. が,約20融の耳下腺唾液を用いて検出できた耳下腺唾. 多型もacidic 2も同一遺伝子座位のalleleの産物であ. 液のシスタチンのバンドは4-5本であった。本研究で. るのかもしれない。. 見いだされたacidicl , acidic2のバンドはいずれもそ. 以上のごとく木研究において塩基性PRPおよび酸性. れらの数少ないシスタチンの一部に相当し,多型性を示. PRPの抗体を用いて耳下腺唾液蛋白の多型を検討した. していた。耳下腺唾液の酸性ポリアクリルアミドゲル電. ところ,新しい塩基性PRPの多型と新しいシスタチン. 気泳動で分離されるシスタチンは中性のpi(6. 8)を持っ. の多型が兄いだされた。唾液PRPはすでに述べたごと. シスタチンSN,塩基性のpIを持つシスタチンCおよ. く,繰り返しの数の違いによる多型を示し,このような. びシスタチンDの3種が認められることが考えられる。. 多型は非常に個人的変異に富む特徴を持つことが. 教室の新谷ら67)によればIsemura et al および Abrahamson et al より供与を受けたシスタチン. Jeffley et al.69), Nakamuraetel.によっても報吾 されている。 PRPには蛋白の研究からいくつかの人種. SNおよびシスタチンCの酸性ポリアクリルアミドゲル. マーカーも兄いだされており,今後唾液中のPRPと遺. 電気泳動ではゲル全域にわたり多数のバンドが出場し,. 伝子座位との関連が解明されていくにつれ,法医学的,. シスタチンは非常に変性しやすいことを示唆する結果が. 人葉学的にも非常に応用性の高いマーカーとして利用で. 待られている。またシスタチンSNは特に強く反応する. きることが期待されるO また,今回新たに臭いだされた. 領域が存在したが,シスタチンCは,いずれがメインバ. 2種のシスタチンの多型は,シスタチン遺伝子啓が当初. ンドに当たるものか特定できなかったと幸匡告している。. 考えられていた以上に個人的変異に富んでいることを示. 本研究のacidic lは40(ilの項舌下腺唾液を用いても該. 唆する結果となり,新たな唾夜蛋白関連の遺伝子ファミ. 当するバンドは検出できず,反対に耳下腺唾液では20β. リーとして今後の法医学,人薬学的応用-の有効性を示. で明瞭なバンドが認められたo つまりacidiclは耳下. 唆するものと考えられる。. 腺に多く発現するシスタチンであるか,もしくは同じシ スタチンが顎舌下腺と耳下腺で異なる修飾を受けたもの. 総     論. であるとも考えられる。精製シスタチンSNのメインバ. 以上のことを総合して次のような結論が待られた0. ンドは,acidiclの位置には相当しない.つまりacidicl. 1.イオン交換クロマトグラフィーとゲル慮過子圭により. はシスタチンCかDのいずれかの可能性が高いo. Gl6を精製し,アミノ酸分析を行ったところ,ヒト唾. Abrahamson et al によれば,諸種の臓器のNothern. 夜糖含有塩基性プロリンリッチプロテインに典型的なア 20.

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