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農村の変貌と農民意識の適応 : 山梨県明野村の実態調査報告を中心として

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(1)農相の変貌と農民意識の適応 山梨県明野村の実態調査報告を中心として-. 河. Changing. Rural. Community. -Based. on. 村. 十. 寸. the. and. 穂. Ad3・ustment. tile Results of the in Akeno, YamanashiMasuo. Field. of the Peasants. Ⅶ■ork done. KAWAA4URA*. StJMMARY The. is to discuss of this paper the attitude of peasant芦and their the cbangi喝COnditions adjustment of rural community. The is ba馳d paper on the results of the Geld work done in the village Yamanashi Prefecture・ of Akeno・ in 1971 by the Department of Sociology, Yokobama National University. aim. to. Tbe. conclusion follows.. roughly. we. Akeno. (1). is. familes・. peasant. farming. a. But・. the population and families are coming to. draw. can. from. the. results. our. of. village. in the the. to. and. process. number depend. of and. more. per. made. to. the. prevent some. drain-out to. contribution. of the youth. the development. of its families. cent. rapid. economic decreasing,. are. peasants. of more. about.90 recent. upon. peasant. and. some. are. both. growth,. income.. extra-agricultural. (2) In this situation, the village authorities induced be located in the village, in order to level up the living. and. is. researc血work. as. small. fact.Ties. standard of villagers factories seem to have. These of the. in. community. their. own. Way.. (3). At. present・ the status and role of the But in future, both rather relatively stable・ families have to be faced will tbe皿Ore with coexistence industry. of farmi喝Wit王1 are. (4) the. The. factories. community,. subsidiary. (5) reluctant. have the. and to their血ousebold Younger generation to. succeed. *社会学教室(°ept.. little attractivenss. income. to the. of sociology). of. employees. factories the. in. the. community. factories. and. the peasant. Serious to. of. the. problem. younger. the. factories. about. the. generation of is at most. economy.. has farming. little interest. also of. their. parents.. in farming. This. So they will become. are a.

(2) 35. 農村の変貌と農民意識の適応. serious. (6) a. problem, While. community. its economic up still keeps. community. (7) tⅠ1ere. Seems. life is gradually Ⅶ■itb the exception tO. be. not. so. cbanglng, But・ character・. are conditions its traditional. cbanging・ of the degree discrepancy. much. the. greatly. in. as. village. general・. the. in farmi喝・ of their interestedness between in their way of thinking. and the adult generation. adolescent is expected future farming (8) In spite of di缶culties adjust themselves peasants and their families will pertinently intergenerational communication and through the situations,. the. く目. 次〉. 論. 序. Ⅰ明野村の概況と調査対象の特性 §1住民構成-とくに農家の状況について§2 調査対象の社会的属性 農業および農家に関する諸問題. Ⅱ. §1村内工場に対する住民の意識 §2 村の工業化について §3 村の将来像 §4 今後の農業・農家の展望 §5. 農業後継者の問題. 生活共同体としての村落と郷土愛. Ⅲ. §1村-の永住意思 §2 村-の愛着について 村落社会の集団的諸問題. Ⅳ. §1部落の共同体的性格に関する問題 §2 部落の共同生活と村の政治 村の若い世代たち一中学3年生の諸相-. Ⅴ. §1中学卒業後の進路 §2 職業選択の問題-とくに農業に関連して§3. 世代間感覚のズレと一致 (1)家の手伝い. (2)一家団楽について (3)悩みと相談相手 §4 生き方と人生観 (1)親孝行について. (2)人 Ⅵ. 若干の要約. あとがき. 生. 観. to to. meet,. the. the changing. contact・.

(3) 36. 河. 序. 村. 十. 寸. 穂. 請. (1)本稿は,われわれ横浜国立大学教育学部社会学研究室のメンバーが,最近山梨県 北巨摩郡明野村において実施した調査のデータにもとづいて,農村における社会変動と, それに対する農民の適応乃至態度について若干の考察を行ない,今後における農村および 農民の動向に関して,なるべく正しい予測と展望を提示したいという意図をもって善かれ たものである。. 明野村ほ茅ケ岳山麓の西南傾斜地にひらけた農村で,国鉄中央本線韮崎駅から北へバス 20-30分程度で村の中心部に到達する,比較的交通の便利もよいところである。われわ れは1968年秋に最初の明野調査を行なったが,それはこの村がいくつかの工場を誘致し,. 人口流出の防止などの政策を進めているということを聞いたので,在村工琴を中心として 村の変貌の実態をさぐろうという目的によるものであった。この調査ほ当時の社会学研究.

(4) 37. 農村の変貌と農民意識の適応. 室の学生が中心となって実施したもので,調査の企画やその結果の分析もほとんど学生自 身の手によって行なわれた○その成果は学生たちのまとめた『企業の地方進出に伴う地域 の変容過程』 (謄写印刷)という報告書にまとめられたが,もとより不十分で専門家の批 判にたえられるようなものでほない。. それから3年を経過した1971年11月29日-12月1日に,われわれは再び明野村 を訪ね,その後の村の変化を見るとともに,あらたな観点から調査の企画を行ない,首都 圏外延部に位置する一農村としての明野村の当面する諸課題について,いくつかの考察を 加えることにしたのである。. (2)今回の調査にあたって,われわれは3種類の調査を実施したo前回ほ村内工場に 比較的近い中心部の一部落(北組・上)と,工場からやや離れた農業専業地帯の一部落 (浅尾新田・下)を対照させる形で面接調査を行なったが,今回もその延長線上の問題意 識から,中心部の部落として"谷井",周辺の農業専業地帯の部落として"中込"を選び, さらに明野村において特徴的な村営住宅群に注目して,その一つである`一富士見ケ丘村営 住宅7, (地域的には中心部)の居住者という,それぞれ異なった地域またほ住宅地の世帯 主(またはこれに代るもの)に対して面接調査を実施したo 次に農村の若い世代の意識や態度を知るために・明野中学校第3学年の生徒(3クラス). 全員を対象として,クラス単位で集合調査を行なった.これほ調査員がそれ卓れのクラス に出向いて調査票を配り,若干の説明をした後一斉に記入してもらうという方式で実施し たものである.. 第3に,この中学3年生を通じて彼らの父親(やむをえない場合ほ母親)に調査票を渡 してもらい,数日中にまた子供を通じて学校あてに届けてもらうという方法で,親の世代 の意見と態度を知ると同時に,親子の世代間の相違についての検討を行なったわけである。 3種輯の調査票を用いたが,もとよりそのいずれ 以上のように3種額の対象について, の調査対象も明野村の住民全体を正確に代表するわけではないoしかし農村の当面するそ れぞれの課題に関して,それなりに典型的にといわないまでも,かなりに代表的にかかわ りをもつ層と思われるものを有意的に選んだつもりである。われわれのこのような意図に もとづく調査がどこまで成功したかについては甚だ心もとないが,以下の叙述においては, これら3種窺の調査データを並列的に記述するのではなく,それらを有擁的にかみ合せて 一体のものとして,随時種々のデータを使用しながら論じていくことにするo 使用した調査票は本稿の末尾に添付してあるが,本文および統計表で「面接」とあるの 「中学生」とは中学3年生の集合調 は, 2部落・ 1村営住宅での面接調査のことであり・ 査, 「親」とあるのほ中学3年生の親に対する配票調査であるoまた表の"見出し"には. それぞれの調査票の質問番号が参照できるようにしてあるo 二度目の訪問とはいっても,いずれも短期間の滞在であり,よく農村および農民の実態 を把え得たという自信は乏しいoしかし農村は現在急激な変貌過程におかれているし,普 たこれほ単に農村だけの問題ではなく,まさに日本社会全体の動向にかかわる問題であるo この意味でわれわれも非力を顧みず,あえて農村の問題にとり組んだわけであるoそして.

(5) 38. 河. 十. 村. 寸. 穂. 単に-農村に関する車ノダラフ的記述をこえて,農村全体の問題として論述することを心 掛けたっもりではあるが,もとよりその意図が十分に成功したとはいいがたい。. 明野村の概況と調査対象の特性. Ⅰ. §1住民構成-とくに農家の状況についてすでに序論でも述べたように,明野村ほ韮崎市の北部に位置し,総面積28.83km2,そ のうち耕地面積34・3%,山林34・9%,原野20%,その他10.8%となっている。昭和 30 (1955)年3月,朝神・上手・小笠原の旧3村が合併して明野村となったo. 昭和45. (1970)年の国勢調査でほ,世帯数1,167,人口4,852人である.. (ただし住民登録人口 でほ同年において世帯数1,223,人口5,253人となっている。)人口はわずかながら減少 債向にある。昭和40 (1965)年において全世帯数のうち,農家ほ約90%であって,名 実ともに農村と呼ぶにふさわしいが,合併前の区分に即してみると,北部の朝神地区がも (序論でふれた浅尾新田や中込部落はこれ っとも農村的で農家率ほ94%に達している。 にふくまれる。)それに比べると中心部の上手地区は農家率がもっとも低く84.2%であ る。 (北組や谷井部落ほ上手地区にある。)南部の小笠原地区ほ農家率93.4%で両者の中 間に位するが,この地区は2度の調査では訪れていない。村内の地域差については種々考 慮すべき点が多いが,煩雑になるのでとりあえず明野村全体を一括して,農家の特質につ 表1明野村の農家数およびその構成. (明野村:. 「農業の現状と分析」. 1970,. pp.. 表2. 64-65) 経営規模別農家構成. l. ≡・.∼: T ≡三 I. lil. 7. -10. ・ミ. (明野村: 「農業の現状と分析」. .3≡・≡ 31・8. 1970,. pp.. 64-67). :一三・:-:. 三三・三. !. -. 29∴1. 28.9. l.

(6) 農村の変貌と農民意識の適応 経. 表3. 営. 耕. 地. 面. 積. l. l. (明野村: 「農業の現状と分析」. 1970,. pp・. 表4. (明野村: 「農業の現状と分析」. 1970,. 表5. 70-71). 部門別農業転生産額. pp・. 76-77). 調査票回収状況. いて簡単に述べておく。 く表1〉の示すように,農家数も若干の減少傾向にあるが,専業農家ほ高度経済成長の 過程で激減し,. 1種・. 2種とも兼業が増加している。ただし地域別にみると,朝神地区が (1968)年において40・9%を占めている。 もっとも専業農家が多く,昭和43.

(7) 40. 河. 表6. 十. 村. 寸. 穂. 回答者性別. 表7 A. 回答者続柄. 面. 接 1・世帯主(男). 71 3. 1.文. 76.7. 2・世帯主(女). 1. 9. 2.母. 5.6. 3. 3.不明. B. 39. 3.妻 4.夫. 0. q). 5.長男. 2. 8. 6.長女. 0 9. 7.父. 0 9. 計100. 表8. 回. 答. 者. 年. 中学生の親. 17.8. 計100. (〟-90). (〟-108). 令. l. l. 表9. 家. 族. 員. 数. 演. 計. 100. (.Ⅳ 90) -.

(8) 農村の変貌と農民意識の適応 表10. 族. 家. 構. 成. 面 井. 谷. 子. 6.単. 独. 1. 9. 2 2. 9】. 8. 2 2. 1. 9. 4. 4. ・. 7 5 1. 4. 4一.. 子. 30 6. 92. 5.母. 35 6. 3. 4 6. 6 7. 2. NA. 7.. 61一.. 4.父. 58. 雄2. 系. 3.傍. 村営住宅. 削削-㍍2. 家家家家家. 系. 2.直. 込. 中. 48 9. 家. 族族族族族族. 1.核. 接. 表11農・非農,専・兼別構成 面. 接 中. 業. 1.専 2.第1種 2. 3.第. 種. 込. 村営住宅. 農 兼. 家. 28 9. 業. 21 1. 兼. 業. 2 lb 6. 4.専・兼不明の農家. 5 6. 5.. 3. 6.非 7.. 1. ・2種不明の兼業 家 農. 100.0. 10 0 5. NA. 表12. 農家の経営規模. 3. 6.

(9) 42. 河. 村. 十. 寸. 経営規模別に農家構成をみるとく表2〉のように,. 穂. 1町前後の農家が大部分をしめてい. るが,. 1町以上のものが33%で,経営規模と`しては比較的安定しているとみられるoた だ3反以下の零細経営が増加していると同時に, 1.5町以上の大規模経営も増加傾向にあ ラ,いわゆる両極化現象がみられるのは注意してよい。ここでも朝神地区は大鏡模農家が 多く,昭和43 (1968)年において, 1.5町以上が12.5%を占めており, 3地区のなか でほ群を抜いている。. 種類別耕地面積をく表3〉についてみると,全般的に耕地面積が漸減傾向にあるなかで, 桑園の占める割合がふえており,田はあまり増減を示さないが,普通畑の桑園への転換が 行なわれているとみてよい。この点ほく表4〉の部門別農業粗生産額をみても,養蚕の急 上昇によって裏付けられる。麦の大幅な後退とともに米の占める比重も相対的に低下し, 野菜の割合がふえているのがわかる。. 以上明野村の農家および農業について極く大まかな説明をしてきた。すなわち養蚕と米 作を中心に,山梨県下としてほ経営規模も大きく,農村らしい農村の部類に入るが,明野 村が出版した『農業の現状と分析』 (1970)も述べているように,. 「兼業化が進み農業基幹. 労力が,老令化,女性化の傾向にある」ことほ否定できないところである。このような傾 向は,ひとり明野村に限らず全国的なものであるが,こうした流れのなかで,しかも首都 圏外延部に位置するこの村の人たちが,どのような問題と意識をもっているであろうかと いうことが,われわれの調査の課題でもあったのである。. §2 調査対象の社会的属性 すでに述べたように,今回の調査対象ほ3種類に分れる。対象者の総数およびその調査 票回収数の一覧ほく表5〉の通りであって,回収率は大体において良好であった。ただ地 域別の面接調査ほともかくとして,中学生に対する集合調査,とくにその親に対する配票 調査ほ,方法上の制約から止むをえないとほいうものの,回収票にかなり不完全な記入項 目がふくまれていたのほ残念であった。 今回の調査対象が明野村の住民構成の正確な縮図でないことほ既述の通りであるが,と くに面接調査では,むしろ問題点を典型的に対照できるように有意に3グループを選んだ0 いま参考のために面接調査および中学生の親の回答者について,そのフェイス・シート的 諸側面を簡単に述べておく。 面接調査でほ世帯主を対象とし,止むをえない場合はそれに代るものとしたが,世帯主 85・2%のうち,女世帯主が13.9%を占めた。とくに谷井.・中込の両部落ではその率が 高かったが,これほ両部落の家族構成において核家族の割合がそれぞれ48.9%,. 40%と. かなり低いことと関係がありそうである。その他世帯主の不在などの理由で妻が回答者に なったケ-スなどを含めて,面接調査でほ回答者の24.1%が女であったo中学生の親に 関する調査では,種々の考慮のすえ,結局対象者を父親に統一したが,若干の母親(5.6%) のはか,父母のいずれかを判断しかねるケースが17.8%あり,調査方法の不備を反省さ せられた。. 回答者の年令ほ,谷井・中込の両部落では50才以上のものが過半数を占めているのに.

(10) 43. 農村の変貌と農民意識の適応. 対して,村営住宅では30才代以下が75%で著しい対照をなしている。もともと村営住 宅ほ,農家の二・三男に住宅を与え,. 、また村内に誘致した工場-勤務するものを入居させ. るなど,人口流出防止策的配慮で建設されたもののようで,農村としては珍しい存在であ るが,そうした意味で入居者の年令構成や家族構成は全体的に非農村的である。なお中学 3年生の親は子供の年令からみても40才代が圧倒的に多いのは当然であろうo 家族構成の類型についてほ上に少しばかりふれたが,専業農家の多い中込で直系家族が 半数近くを占めており,谷井においても35.6%が直系家族であるが,村営住宅ではほと んどすべて核家族であるoこれらの特徴ほ当然家族員数にもあらわれているo 考察の中心になる農業関係についてみると,中込では専業農家が62・9%と圧倒的に多 く,また経営規模でも1町以上の農家ほ60%を上まわり,. 2町以上が10%を越えてい. る.これに対して谷井では専業ほ30%に満たず,第2種兼業農家が37・8%でもっとも 多く,経営規模でも1町未満の農家が多い。村営住宅はその性格上農家はゼロである。中 学生の親は全村的に分布しているわけであるが,専・兼業別の割合ほ全村のデ-タと多少 のくいちがいを見せているようである。. 回答者をやや理念型的に図式化していえば,中込では年令50-60才'構成員数6人の 直系家族の世帯主で,. 1町5反の耕地を経営する専業農家というイメージが浮び上るoこ. れに対して谷井の典型では年令は同じく50-60才,構成員5人の核家族(または直系家 族)で,耕地ほ1町足らずの兼業農家であり,世帯主は勤めに出ていて,その収入ほ農業 30才代で非農家の核家族 収入より多い位である。村営住宅居住者のイメージとしては, の勤労者という特徴が浮ぶ.中学生の親では,上のような類型が混在しているものとみて よいが,村営住宅居住者ほやはり村民全体からみZ'と,かなりdeviateした存在であるo しかし彼らの大部分は村内および韮崎の生れであり,働く場所も村内がもっとも多いとこ ろから,全く異質の集団でないことほいうまでもない。 極めて粗雑な叙述ではあるが,調査対象ほおよそ以上のような特徴をもっている.あれ われは以下種々の問題について考察するが,そのさい谷井・中込・村営住宅という3グル ープ,および専業・第1種兼業・第2種兼業・非農家という瑛塑を常に念頭に置いて重視 する.なおここで回答者の社会的諸属性に関するデ-タを一括して示しておくoすなわち く表6〉からく表12〉までがいわゆるフェイス・シート的特性の主なものである。 Ⅱ. 農業および農家に関する諸問題. §1村内工場に対する住民の意識 われわれが最抑こ明野村の調査を思い立ったのほ,この村に工場が誘致されたことをめ く・って,その影響や変化の実態を知りたいと考えたからである。この点についてほ既に述 べたが,現在従業員180名程度を擁する計器額の製造工場のはか,セメントや穀物用の紙 栄,ベアリング,写真機の三脚その他の数工場があるけれども,これらはいずれも数十名 規模の従業員をもつ小工場である。 前村長ほ工場誘致に特に熟bであったが,村内工場の幹部になっている地元の住民もあ.

(11) 44. 河 表13. A. 村 十. 寸. 穂. 村内工場への勤務(子Q9,親Q5). 中学生の意思. 親ほ子を. B. 1.常勤;それのみで家族 を養う 2・農業ほ家族まかせで常. 1.常勤でつとめさせたい 2.常勤でなくつとめさせ たい. 勤. 3.場合によってほつとめ. 3.常勤でなしにつとめる. させたい. 4.条件によってほつとめ. 4.っとめて欲しくない. る. 5.その他. 5.つとめる気なし. 6.. DK,NA. 6.その他 7.. DK,NA. 表14. 工場進出のプラス(面接Ql) 中. 込. 村. 営住. 宅 1. 位. 2. 位. 1.村の発展になる 2.仕事のロがふえ る. 3.土地や家の値が 上り収入がふえ る. 4.若い人の流出を 防く小 5.都市的になり便 利. 6.農産物や商品が 売れる 7.その他 8.. NA,. DK. り,エ場の進出はたしかに村の労働力をそれなりに吸収していることは事実である.とこ. ろで今回の調査では,中学3年生に対して,村内工場に勤める気があるかどうか,また親 に対してほ子供を勤めさせたいと思うかどうかを訊ねた。その結果は〈表13〉の通りで, 中学生ほ男女とも村内工場への就労意思を表明したものほ僅少である。それに対して親は かなりの人々が何らかの形で村内工場に勤める可能性を考え,あるいほ期待している。も ちろん常勤で勤めさせたいというのは約-11%であるが,. 「場合によっては」勤めさせた. いと答えたものが23.3%をしめており,子供が村内工場にほとんど関心を示さないのと.

(12) 45. 農村の変貌と農民意識の適応. 対照的であるo若い世代にとって村内工場は全く魅力に乏しいようである.面接や聴取り 調査のなかで「若い者ほ一度ほ都会に出ないと承知しないoやがて都会の生活に失望して 村へ帰って来るものもあり,彼らに対して村内工場ほ一つの職場を提供する」という意見 をきいたが,こうした事情や認識が親と子の回答に差を生じさせていることも考えられる。 いずれにしても進出した中小工場は村の若い世代をひきつけるまでに至っていないし,村. における工場の比重もまだそれほど大きいという印象は受けない. §2. 村のエ業化について. "工業化"といえば,現段階の明野村ではいささか大袈裟であろうが,とにかく外観的 表1島. 工場進出のマイナス(面接Q2) 井. 谷. 込. 中. 村 1. 営 住 宅 位. 2. 位. 1. 位. 位. 2. 1.労働力を吸収さ れて農業にマイ ナス. 2.物価上昇などの きっかけになる. 3.村のまとまりが 失われる. 2. 2. 4. 4. 2.2. 4.地元以外の人が ふえて,まずい 5.犯罪がふえ,風 紀悪化 6.自然がそこなわ れ,公害発生 7.その他 8. NA,. DK. 表16. 工場の増大に賛成か(面接Q3) 村営住宅 専業. 非鼻. 計. ll.4. 16.1. 14.8. 35.7. 25.7. 32.3. 29.6. 14.3. 20.P. 19.4. 17.6. 31.4. 19.4. 25.9. 9.7. 8.3. 3.2. 3.7. 17.9. ・21.4. 10:7. 5.7 ・5.7. 100. (〟-28). 100. (〟-35). 100. (〟-31). 100. (_Ⅳ-108).

(13) 46. 河. 谷. 2.都市近郊住宅地域. 中. 村営住宅 専業. 井. 込. 45.7. ・25.0. 21.4. f. 2. 8. 7.その他. 2. 4 47. 6. 14.3. 2.9. 5. 3. 7.1. 8.6. 25. CO. 19. 4. 0. 8 3. 6 5. 3 7. 3 ウ】 4. 1. 6 5. 4. 3. 6 5. 5 6. 4. 3. 3 2. 1 9. 7. 3 2. 3 7. 00. 2.9. 38. 19 4 16. 3.6. 100. (〟-35). 村の将来像(子Q12,親Q8) 中. 13. 学. 31 5. 39. 8 J. 28. 4. 23. 9一. 7 1. 3 7. 2. 18 9. 6 7. 0. 13 3. 27 3. 33 3. 25. 9. 1. 9. 10 1. 7 8. 14. 8. 10 1. 7 8. 0.. 20. .. 生. 5 6. 9.. 6.都会の別荘地域. 3. 1. 100. 5.観光地域. 5. 34.3. (〟-28). 4.農工共存. 30. 5 3. 21.4. 5. 表18. 6. 3.8. 6.都会の別荘地域. .9.0. 9.6.9.. 20. NA. 5.7.. 7」1. 2. 2.都市近郊住宅地域 3.工場誘致・工業化. ウ一. 3-・16・72・2朋-・。㌍4. 5.観光地域. 1.進んだ農業地域. 穂. 村の将来像(面接Q4). 4.農工共存. DK,. 寸. 表17. 3.工場誘致・工業化. 8.. 十. 4一.. 1.進んだ農業地域. 村. 7.その他 8.. DK,NA. 表19. 農家の行き方(面接Q5) 村営住宅 専業. ∃非農. 25.7. 2-9.0. 33.3. 34.3. 25.8. 26.9. 3.2. 1.9. F.28.6. ;28.6 3.6. 計. l. 7.1 ・28.6. 17.1. 2畠.9. 3.6. 計. 100. 6.5 32.3. 3.2 100. (.Ⅳ-28) (_Ⅳ-35). 100. (〟-31). ll.1. 24.1. 2..8 100. (〟-1(埠).

(14) 農村の変貌と農民意識の適応 表20. 農家の行き方(子QIO,親Q6) 中. 学. 生. 1.兼業化大賛成 2.やや兼業化賛成. 20 0. 7.4. 13 1. 21 1. 24 4. 42.6. 34. 3. 3 CO 9. 3.どちらともいえな. 11. 16.7. 14 1. 10 0. 16.7. 19 2. 1. しヽ. 4.やや専業化賛成 5.専業化大賛成 6.その他. 7.4. 7.. 9.3. 10. 3 3. 1. 22 2 1 1. DK,NA. 3 3. 100. (.Ⅳ 54) -. 表21農家の経営規模拡大志向 神. 朝 39 4. 1.農地を拡大したい. 36. tり. 45. CO. 6 3. 39 5 5. 4. 5 6. 4 9. 3.現規模で生活できるから拡大せず. 20 8. 18 3. 7. 19 6. 4.兼業収入があるから特に考えず 5.縮小して兼業にしたい. 10 2. 13 7. 9 9. 11 6. 9 0. 8. 5. 6 3. 8 3. 6.農業をやめたい. 2. 8. 3 3. 0 7. 7.. 2. 1. 2.家畜導入で拡大したい. NA. (明野村: 「農業の現状と分析」. 1970,. 14 7. 19. 11. 3. 2. 6. 13 0. p. 56). にもかなり本格的な工場らしい工場もあるo面接調査でほ,村に工場ができることに伴う プラスとマイナスを訊ね,さらに回答者の総合判定として,これ以上の村の工業化一工 場の増大一についての意見を求めた。 まずプラス面をみると,く表14〉のように「仕事の口がふえる」といという答がもっと 「若い人の流出を防ぐ」とい も多く, 「村の発展になる」という抽象的意見を別にすると, う答がこれに次(o。地域別にみると,村営住宅居住者の回答傾向はやや異なっている.す 「村の発展になる」と なわち彼らはすでに非農家で,村内工場勤務者も含まれているが,. いう一般的命題をあげたも.のが極めて多かっ串ことほ興味をひくo マイナス面では〈蓑15〉のように,プラス面ほど積極的に項目をあげたものが少なく, 「自然破壊」や「公 「特別マイナスは考えられない」とか「わからない」という答が多い0 害」をあげたものが相対的には多かったが,この村ではまだ日常的な実感のレベルにはな っていない。むしろ「労働力を吸収されて農業に悪影響を与える」という答が比較的多か.

(15) 48. 河 表22 井. 谷. 中. 込. 1.専業農家. 3.6 11. 8. 20. 4. 2. 一.9.0.9.. 2. 20. 04一4. 7.技術者. 6. NA. 4.. 3.2. ・2.9 4. 中込. 1.専業でさせたい. ll.1. 40.0. 2.兼業でさせたい. 40.0. ll.4. 3.農業させたくない.. 31.1. 28.6. 4.4. 17.1. 13.3. 2.9. 100. 6.5. 17 4. 12.9. 8.3. 5.7. 17 4. 3.2. 7.4. 、7.1 28.6. 5.7. 8 7. 6.5. 5.6. 20._0■. 1 ■t4. 29.0. 22.2. 14.3. 2.9. 4 3. 16.1. 6.5. 2.9. 4 3. 2.8 19.4. 6.5. 100. 100. (〟-35). (_Ⅳ-31). 100. (〟-108). 「あととり」に農業させたいか(面接Q7). 谷井. (N-45). 6.5. 3. 17.9. 表23. 計. 5.6. 2.9. 100. 5..DK,NA. 22.2. 3.6. (〟-28). 4.その他. 9.7. 14.3. 8 6. 10.その他 ll.. 37.1. 8.6. 15. 9.未確定. 計. 非農. ll.4. 6.公務員 8.本人まかせ. 穂. 村営住宅 専業 10.7. 1967. 5.ホワイトカラー. 寸. 十. 「あととり」をどんな職業に(面接Q6). 2.兼業農業 3.商・工・サ-ど ス自営 4.ブルーカラー. 村. 100. (〟-35). 村営住宅 専業 10.7. 57.1. 1兼. 2兼. 非農. 計. 40.0. 21.1. 、4.3. 9.7. 20.4. 22.9. 31.6. 34.8. 25.7. 31.6. 34.8. 54.8. 37.0. 10.7. 8.6p. 21.■5. 2.9. 100. 100. 20.4. 5.3. 13.0. 12.9. 10.2. 10.6. 13.0. 22.6. 12.1. 100. 100. 100. 100. (〟-28) (〟-35) (〟-19) (〟-23) (〟-31) (〟-108). ったが,この点は後に述べる農業の今後のあり方との関連でいえば,問題意識としては最 も核心にふれたものであろう。. プラス・マイナスを検討した結果,総合的判断としてこれ以上工場の数がふえるとか, 現在ある工場が大きくなることに賛成か反対かの意見をきいたものがく表16〉である。 賛否それぞれに相当の比率を示すが,全体的にほエ場の増大に対してやや許容的といえる であろう。地域別にみると,村営住宅においてもっとも賛成者の割合が多いが,工場に近 い兼業地域の谷井では賛成率がもっとも低く,道に反対率がもつとも高い。中込は賛否を 保留するものが多いが,傾向としてほ賛成的である。専・兼業別にみると,第2種兼業や 非農家でほ工場増大に賛成するものが多いが,専業や第1種兼業では賛否はぼ半ばしてい るoただ同じ専業でも中込の専業は賛成者が多く,谷井ではむしろ反対者が多い。この解 釈ほ必ずしも容易でほないが,農業にウエイトをおいた生活をしようとする老にとって, 身近かに工場が進出することは拒否的態度を誘発し,中込のように専業地帯として工場群.

(16) (露盤co-i:). (Ne)鶴.9C,・9e)巾)富岡輔替. 3;. 苗僻. の. Vb{. 蜜0吋. 媒. 1恥t[-J](i. 11卜求エ],ト阜. 喧港朝. 柵笹怒. 中名郎Y頼. 哨. :.r.:...;;I:,..・,・].I. i(.;i.. i.q-車・T・曜. ';';]・.:;・)I. tT. LD '・・1勺1. …‡;. :≡…. :. tq. co.. ▼-1. o?. o?. e. m.. I 輯. T-l ▼■■ I-11. I.¢. .fS. i:.

(17) 50. 河. 村. 十. 寸. 穂. とほややセパレートされている場合,一般的かつ抽象的に歓迎の態度をとらせることにな るのであろうかoもとよりこれほ一つの試論的な解釈であって,今後の検討を侯たなけれ ばならない。 §3. 村の将来像. 工場進出との関連で,今後明野村ほ産業的にどんな性格の地域として発展していくべき かについて訊ねたが,. 〈表17〉の示すように,専業地帯の中込でほ「進んだ農業地域」と. いう答が過半数を占軌次いで「農工共存」-すなわち現状維持的発展-という展望 であるが,兼業地帯の谷井でほこの順位が逆になる.興味あるのほ村営住宅で, 「近郊住 宅地」や「観光地域」というような農業と直接関係のない項目がかなり目立つ。しかしい ずれにしても工業化のみを推進せよという意見ほ少ない。専業や第1種兼業でほ「進んだ 農業地域」という選択が多いが,しかし中込と谷井ではかなりの相違があり,谷井でほ 「農工共存」を選ぶ者の方が多いのに対して,中込では圧倒的に「進んだ農業地域」を村 の将来像として措いている。 村の将来像については,中学生やその親にも同様の質問をしたが,その結果はく表18〉 にまとめられているo. これを面接調査の結果と比べてみると,中学生とくにその男子に 「進んだ農業地域」と答えたものが13・3%と極めて低いことが目につくと同時に,若干 の項目について男女差が著しいのが注意されてよかろうoまた親についても「進んだ農業 地域」の選択は18・9%にすぎず,積極的な工業化を支持するものが13.3%もある。総 じて若い世代(中学生の親も面接の回答者に比べるとかなり若い)ほ農業の比重を軽く考 えようとする傾向があるといってよいであろう。 §4. 今後の農業・農家の展望. 日本の農業が曲り角に釆ていることは周知の通りであるが,今後における農家の行き方 として,農外収入を併せ目ざす〃兼業志向"と,農業経営の拡大や合理化を中心とする `偉業志向"とに両極化して回答者の選択を求めたoまず面接調査の結果はく表19〉の通 りであるが,谷井と中込では対照的であるoこれほ一応谷井が兼業の多い地域で,中込が 専業の圧倒的な部落ということから理解できると思われるが,しかし専業や第1種兼業の ように農業のウエイトが高い層にも兼業化志向ほ相当多いことほ注目しなければならない。 とくに谷井部落においては専業農家も兼業志向が非常に強い。なお村営住宅ないし非農家 においても兼業化を支持する意見が強いが・専業化に賛成するものも決して少なくない。 次に中学生およびその親についてみると,く表20〉の示すように,大体の方向としてほ 面接の結果と極端な相違は見られないoこれら3種類の調査結果を総合して,農家の行き 方としてほ兼業化を支持する意見の方が優勢であるといえる。 明野村の農業・農家の現状についてほ,すでにくⅠ-§1〉で簡単に述べたが,蚕・米 のはか,中込でほ野菜(とくに大樹の栽培とその収入が大きい比重をしめているoまた 兼業の身障をいま少し詳しくみると,兼業農家でほ谷井・中込の両部落や中学生の親を通 じて,過半数の家で世帯主が農業以外の仕事に従事しており,また長男が農外の仕事に従 っている割合ほおよそ20%である。兼業の主な職種ほ公務員のほか,ブルーカラー,ホ.

(18) 51. 農村の変貌と農民意識の適応. ヮィトカラーが多く,自営業は少ない。兼業の場所ほ村内がもっとも多く,次いで韮崎と (明野村, 1960)に 甲府がほぼ同数という状況であるo既にふれた『農業の現状と分析』 38・4%, 「恒常的賃労 (1968)年において兼業内容の種類ほ「職員勤務」 ょると,昭和43 「職員 「自営兼業」 7・9%,㌔ 「出様」 1%となっており・ 「人夫日雇」 24・6%, 働」 28.1%, 勤務や恒常的賃労働に依る安定した兼業が多い」と述べているoこのような兼業安定化の 現状を反映して,将来の農家の展望としても兼業志向型の意見が優勢になっているものと 思われるが,そのような趨勢に村内工場の存在がある程度の役割を果していることは事実 であろうo. なお,このような問題に関連して,前掲書によって農家の経営規模拡大の志向を検討し てみると,. 〈表21〉のように全体的に農地拡大志向がみられるが,およそ30%程度は現. 状維持の意向であり,特に兼業収入-の依存から「農業経営の拡大を考えていない」と答 また農業縮少や脱農を志向するものも10・9% ぇたものが全体で11.6%を示している○ 1969年に農 見られるo (この調査は茅ケ岳山麓開拓パイロット計画を進めるにあたって, 林省関東農政局が明野村の全農家を対象として行なったものであり,. 1,041戸の農家のう. ち,回答者は770戸(74%)であった。) §5. 農業後継者の問題. これまでに,村の将来や今後における農業や農政のあり方に関する住民の意思について 述べてきた。要約するならば,将来の村のイメージとして「進んだ農業地域」および現状 の延長線上での「農業と工業の共存」という観念が∵般的であり,農家の今後の展望とし てほ,農業一本での農業経営の充実という意見も決して少なくほないが,しかし大勢とし ては兼業農家への志向が多かった。 しかしいずれにせよ,農業と無関係な村の生活ほ想像されておらず,少なくとも上記の 質問に答えた時の明野村の住民は,将来ともこの村が大部分農家の人間によって構成され るであろうことを暗黙の前提として意識の背景にもっていたであろうと思われる。ところ でもう少し具体的に個々の農家や個人に即して問題を追求してみようo面接調査では,い ゎゆる"アトトリ"の子供を将来どんな職業につかせたいかという質問と,さらに端的に ・ァトトt)"に農業をさせたいかという質問を試みたoその結果はく表22〉およびく表 23〉の通りである。面接調査の回答者は前述のようにかなり年配の世帯主層で,農家の場 合農業経営の中心な担い手となるべき人たちが多いが・自由回答的に訊ねたく表22〉の 場合,専業的に農業をやらせたいという答が全体で22・2%であり,中込部落や専業農家 ではそれぞれ42.9%,. 37.1%と高くなっている。しかし特に「農業をさせたいか」と枠. っきできくと,兼業でさせたいという答が約20%とかなり増えて,専・兼合せて約40% はアトトリに農業をさせたいと答えていることになる。けれども,はっきり農業をさせた くないという答が37%もあり,中込や専業農家層でもそれぞれ28・6%,. 25・7%と相当. な率を示していることは注目されてよい。 中学生には将来どんな職業につきたいか,また両親はその子供にどんな職業について欲 しいと思っているだろうか(子からみた推測)という質問をし,また親に対しては,その.

(19) 52. 河. 村. 十. 寸. 穂. 子供がどんな職業について欲しいかという質問をした.その結果はく表24〉に一括して あるが,中学生の場合,専業・兼業を問わず,将来農業をやりたいという答ほ男女を通じ てゼロであり,彼らの目からみた限りでは,両親もまた彼らに就農の期待を持ってはいな いと判断しているo事実,萩の調査結果をみても,子供に農業をやって欲しいという答ほ 僅少である。 さらに自由回答形式でなく,中学生には「将来農業をするつもりがあるか」,親には 「その子に農業をやって欲しいか」と具体的に訊ねたが,く表25〉にみられるように,中学. 生は依然として専業で農業をするつもりという答がゼロであり,男生徒において辛うじて 15・6%が兼業でやるつもりがあると答えただけであるo兼の場合も専業でさせるという 答はほとんどなく,兼業でさせたいという率が子供よりかなり高くなっているのが目につ く程度であり,むしろ農家の親でさえも,子供には農業させたくないという答が多いのに 注意せざるをえないのである。. 村の将来像として「進んだ農業地域」や「農工共存」をイメージするのは極めて自然で もあり,また当然でもあろう。またそれとの関連で今後の農業のあり方を兼業農家という 典型で構想するのもよかろうoしかし,面接調査-中学生の親→中学生と年令層が若くな るにつれて農業へのコミットメソトほ低下し,中学生ではほとんどゼロに近いという状況. であるQもちろう現在の農家率90%という"現実"がある以上,意識や希望がそのまま 実現する可能性は乏しいであろうが,しかしそれにしても農業後継者の問題が一層深刻化 するであろうことは,これらの統計表を一覧しただけでも容易に予測できるであろう。農 業をするつもりのない子供,子供にほあまり農業をさせたくない親。彼らが措く「進んだ 農業地域」としての明野村,. 「農工共存」の明野村は一体どんな実質的な内容をもったも. のなのであろうか。その際明野村で農業に従事するのほ誰なのか。 "回答者の矛盾した意 識構造"と批判することほ容易かも知れないoしかしおそらくそれがいっわりのない実態 であろうか。. 皿. 生活共同体としての村落と郷土愛. §1村への永住意思 農村あるいほ村落が,その中に生れ,育ち,やがてその中に死んでゆく"ふるさと" -Heimat-として,農民にとって"生活共同体". -Lebensgemeinschaft-であ. ったということが,多くの研究者によって指摘されてきたoそして,このようなGemein_ schaftを支える条件が,彼らの"生業"としての農業であったことほいうまでもあるま いoしかし日本の農業ほ,戦後とくに高度経済成長の過程で急激な変化をみせつつあり, それを反映して農業・農家・農村に対する農民の意識や態度も大きく変ってきていること ほ前章においても明らかにした通りである。このような,農業をめく中る諸問題に対する農 民の意識の変容は,生活共同体としての村落社会に対する彼らの意識や態度にどのような 影響を与えているであろうか。 まず最初に,彼らが変貌する農業の動向を体験するなかで,今後とも村に住みつづける.

(20) 農村の変貌と農民意識の適応 本人はずっと村に住みたいか(面接Q9). 表26. 谷. 井. 中. 村営住宅. 込. 3 6. 2.場合によっては村外,老後ほ帰村 3.場合によっては村を出てもよい. 4.なるべく村には住みたくない. 0 9 6. 14. 3. 4. 21. 4. 6 5 1. 7 1. 5.その他 6.. 86 1. 53 6. 1.死ぬまで住みたい. 9. DK,NA. 表27 谷. 「あととり」に村に住んで欲しいか(面接Q8) 井. 中. 込 村営住宅. 業. 専. 1. 兼. 非農■. 計. 12.9.. 41.7. 3.2. 1g.7. 22.6. 6.5. 1.村に住み村で働か せたい. 2.住むのは村,働く のは村外 3.ずっと村外で生活 せたい. 9.7. 4.若いうちは村外,. 13.0、,. やがて帰村. 22.6. 13.0. 2.9.1. 10.2. 5.その他 6.. DK,NA. 100. (〟-31). 表28. 村-の定着意思(子Q14,親QIO). 1.村に住み,村で働く(働かせたい). 2. 2. 4.若いうちは村外,やがて帰村. 22. DK,NA. 2. 9. 4 4. 9. 22 2. 3月・. 42. 6.. 16. 24 4. t.... 24 4. 6.. 1. I. 2.住むのほ村,働くほ村外 3.ずっと村外で生活したい(させたい) 5.その他. 100. (N-108). ウ心. 0. 15. 6 6. 20 2. 15. 34 3. 15 6. 15 2. 32 2. 7. 0. ウ】 2. 2. 4. 4. 16 6.

(21) 54. 河 表29. 十. 村. 穂. 寸. 村が好きか(面接Q20,子Q13,親Q9) 中 井. 谷. 中. 込. 学. 生. 学. 生. 村営住宅. き. 1.好. 2.まあ好き 3.あまり好きでな し、. 4.きらい 5.別に何とも思わ 6.. ・ない DK,NA. 表30. 村を好きな理由(面接Q20-2,子Q13-2,親Q9-2)* 面 谷. 井. 接 中. 込. 中. 村営住宅. 28 6. 34. 3.自由である. 15. ウ】 0. 0. 4.のんびりしている. 12 9. l6 7. 5.活気にあふれている. 2 6. 10 0. 6.良い学校や就職口あ. 4ー0. 4. 3. 4. 24. 9 5. 15 6. 31. 38 1. 20 0. 37. 5 5. 3. 4. 只). 3. 4 8. 20 0. 7.生活環東がよい. 63 3. 66 6. 7. 8.その他. 23 4. 9 6. 16 7. 23 8. 18 396. 2.人の気持が暖い. 0. 6 7. 624. 11 1. 40. 0.9.. 14 3. 33 3. 1.. 12 9. ∼.. 1.生活が便利. 1. 3 2. 2. 24. 2. 2. 24. 2. 4. 38 7. 1. 4 8. り. NA. 2. 3 4. 2. 44 8. 66. .. 7一.. *. DK,. 即132. 9.. 55. 4. 39. 2項目選択. 意思があるかどうかを問題にしてみようQ面接調査でほ,彼らが「これからも死ぬまで」 村に住みたいと思うかどうかを訊ねたが,く表26〉の示すように,圧倒的多数ほ死ぬまで 住みたいと答えているoただ谷井・中込という伝統的な部落一自然村-でほはとんど のものがそう答えているのに対して,政策的住宅の居住者であり,非農家7:.L,また年令的 にも若い村営住宅居住者ほ二者に比べて著しい相違を示す.すなわち,. 21.4%は「なる. べく村にほ住みたくない」と答え,また14.3%ほ「場合によってほ」村を出てもよいと 答えている。しかし彼らにあっても53.6%という過半数ほ「死ぬまで住みたい」と述べ ており,非農業で比較的若年層の人たちにとっても,村は大きい吸引力をもっていること.

(22) 55. 農村の変貌と農民意識の適応. に注意する必要がある.彼らにとっても村はやはり生活の本拠地として愛着の対象である. さらに面接調査では,アトトリの子供に将来とも村に住んで欲しいかどうかを訊ねたが, く表27〉のように,純農村的色彩の濃い中込部落や専業農家層には「これからも村に住み, 村で働いて欲しい」という答が60%以上見られるのは当然と思われるが,全般的にみて, 「村で働く」のはともかくとして,村外に勤務するにしても,住むのだ桝ま村に住んで欲 しいという気持が強いこと,また若いうちは村外に出て生活しても,やがてほ村に帰って 釆て欲しいというように,アトトリの世代に対して,何らかの形で村に生活するという辞 村をきらいな理由(面鏡Q20-3,子Q13-3,親Q9-3)*. 表凱. 中. 学. 生. 1.生活が不便. .. 4.騒しくて落着かない 5.活気がない 7.生活環競が悪い. 25. 8.その他. 25. 9.. 25. *. DK,NA. 0. 2項目選択 表32 韮. 1.行ったこ となし. 2.年に1回 3.半年に1 回. 4.月に1回 5.遇に1回 6.週に2回 以上 7.. 7一7. 〟.0.0.0. 6.良い学校や就職口なし. NA. 計. 崎. 773. 3.人のロがうるさい. 37. 田6.26.6.13.26.6.臥. 2.人の気持が冷い. 中学生の交通経験(子Q15) 甲. 府. 東. 京.

(23) 56. 河. 村. 十. 寸. 穂. を求めていることが印象づけられる。ただ村営住宅や非農家にあってほ,積極的に「ずっ. と村の外で生活して欲しい」という意見が20%をやや越えており,農業との関係が疎遠 になるにつれて,村への定着意思が稀薄化する傾向が見られることもまた事実である. 村への永住意思に関しては,中学生およびその親に対しても類似の調査を試みた.すな わち中学生に対してほ「これからも村に住むつもりか」,親に対してほその子供に「これ からも村に住んで欲しいか」という趣旨の質問をしたが,その結果を示したのがく表28〉 である。中学生の親ほ面接調査の回答者に比べて年令的に若い人が多く,また次の世代に 関する質問も,面接ではアトトリの子供の場合に限定したのに対して,中学生の親でほそ の子供(つまり中学3年生)の場合に指定したので,アトトリだけとほ限らないというよ うに,条件の違いがあるので一概に比較することはできないが,面接調査に比べて全般的 にかなり定着志向は弱くなっている。しかし若いうちは村外でもよいが「やがて村に帰っ て欲しい」という希望が32.2%も見られるように,何らかの形で村での生活を断たない でもらいたいという気持ほやはり相当に強いものがあるといわざるをえないであろう。 それに対して子供の世代(中学生)でほ一層村への永住志向が薄くなっており,. 34.3%. (女子では42・6%)が村での生活を否定している。とくに「村に住み,村で働く」という 答ほわずかに1%であり,女子でほ皆無であった。 これを要するに,兼業化・脱農化のムードがかなり一般的に見られるにもかかわらず, 現実にはそう簡単に農業から完全に離れることができないという事情が存在すると同時に, 村の生活と縁を切ることも容易ではないし,またそのつもりもないというのが現在の世帯 主や壮年層の生活現実と意識であろう。. ``生活"というものの慣習的な重さとでもいえよ. うか。しかし中学生の世代になると,伝統的かつ慣例的に農業および農村生活を受容ない し継承するという志向がかなり大幅に後退しており,この点でも今後の農村ほ重大な転機 に立たされることになると思われる。. §2 村への愛着について 上述のように農村における農業および農家のあり方の変化と関連して,農村への定着志 向-とくに農村後継者という意味での若い世代の定着意思-も徐々にではあるが変化 をみせつつあるといえるであろうoそこでわれわれほさらに,村民の多くが生れ育った村 そのものに対する愛着の程度について,端的に「今住んでいる村が好きか,嫌いか」とい う質問をしたoこれは面接・中学生・その親の3調査にすべて共通した質問であるが,そ の結果はく表29〉にみられるように,いずれの層においても「好き」と「まあ好き」と を合せれば圧倒的多数になるoしかし面接調査に比べて,中学生の親,さらに中学生と世 代が若くなるにつれてその割合が低下しているのは否定しがたい事実である。とくに中学 生および親において「あまり好きでない」という,控え目ながら否定的な評価が15%以 上みられることほ一応留意してよい点であろう。 さらに「好き」および「嫌い」の理由をそれぞれ訊ねた結果がく表30〉およびく表31〉 である.好きな理由と嫌いな理由は,同じ属性観点のプラス面とマイナス面を選択肢とし て考慮してあるが,好きな理由としてほ"自然的な生活環境のよぎ'をあげたものがもっ.

(24) 57. 農村の変貌と農民意識の適応. とも多く,次いで"人情の暖かざ'や"のんびりした雰囲気"などが選ばれている。村の 中心部にある谷井地区では「良い学校や就職口ががある」という答が41%もあるが,他. の層ではいずれも問題とならない程度に少なく,この谷井の数字ほ何を物語るのか解釈し 難い。また"自由である"という答がとくに男子の中学生で多いことほ注目してよいが, その実質的な意味をもう少し掘り下げてみる心要があるように思われるo "生活が不 村を「嫌い」なものほ人数が少ないので数量的考察ほあまり意味がないが, "人のロがうるさい"などが比較的多かった○ 便"を筆頭に, "良い学校や就職口が.ない"・. この一連の質問ほ,最近総理府青少年対策本部が行なった全国的調査で用いられた質問 文をほとんどそのまま借用したものであるが,われわれの調査における中学生の「好き」・. 「嫌い」の分布は,同調査における町村部の集計結果とはぼ同じ傾向を示しており,それ ぞれの理由についてもそれほど大きい差異はみられないようである。 部・ 『青少年の連帯感などに関する調査』・調査報告書(全国編),. (経理府青少年対策本. 1971,参照). なお村に対する好き・嫌いや,その理由と関連して,中学生の他地域社会に対する見聞 や交通経験を参考のために調べた。く表32〉によれば,彼ら中学生の60%は韮崎には月 に1回程度は行っており,甲府にも平均すれば2-3カ月に1回位行っている。また東京 に行ったことのないものは男17.8%,女7.4%で,かなり差があるが,全体としては東 京という巨大都市についても-応体験的な知識をもっているものが大部分であるといって よかろう.. 韮崎はもちろん,甲府も明野村から通勤可能な距離にあり,それなりに彼らを迎え入れ る職場も多いo彼らはこれらの都市にほ相当豊富な交通経験をもっているわけであるから, たとえ村に愛着をもち,村に住むにしても,働くのはこれらの都市の職場だという考えが 浸透してゆくのほ極く自然のなりゆきであろうと考えられる。 Ⅳ. 村落社会の集団的諸問題. §1部落の共同体的性格に関する問題 農村がいわゆる部落-自然村-を実質的な生活単位集団としていることを明らかに したのは日本農村社会学の成果とされているoもちろん行政村レベルでの社会的諸関係が さまざまな形で展開されていることはいうまでもないが,しかし住民の生活の重点が部落. にあることほ事実である。われわれは今回の調査にあたっても,農業や農家の将来につい ての問題のほかに,それらとの関連で従来の部落共同体的性格がどのような状況を呈して いるかという点を無視すべきではないと考えた.そこで面接調査のさいに部落会-部落 の寄り合い-の問題を中心に,若干の検討を加えた. まず第一に,一般論として部落会はあった方がよいと思うがどうかを訊ねたoその結果 はく表33〉の通り,ほとんどすべての回答者がその存在を肯定しているo同様な調査ほ, 部落会を"町内会"・"自治会"という名称にして都市地域でも行なわれているが,どこで もその必要性を肯定するものが極めて多い,農村においてその率が95%に近いのほ当然 であろうo.

(25) 58. 河 表33. 谷. 井. 村. 十. 寸. 穂. 中. 部落会の必要性(面接QIO) 込. 村営住宅 専. 業. 1.ぜひ必要 2.あった方がよい 3.どちらともいえな い. 4.それほど必要なし. 5.絶対にない方がよ しヽ. 6.. DK. 部落会の必要理由(面接QIO-2). 表34. 谷. 井. 中. 込 村営住宅. 専 業. 1.部落の親睦,和合, まとまりのため. 2.生活遂行(防火・. 防犯など)のため. 3.役場からの連絡事 務のため 4.団結して村役場に 要求するため 5.何となく。あるの ほ当然 6.その他 7.. DK. ところで部落会が必要であるとして,その理由をきいてみると,く蓑34〉にみられるご 「部落の親睦・和合・精神的まとまりの為」という, gemeinscbaft的な理由が全. とく,. 体の5519%をしめているo同様な調査をわれわれは横浜その他の都市地底で行なった経 験があるが,それらの結果と比べると,上のような理由をあげるものの割合が極めて多い。 とくに伝統的な部落とはいえない村営住宅の居住者において,こうしたgemeinschaft的 な理由をあげるものが非常に多かったことほ興味ある現象である。それは単に農家的基盤 においてのみならず,村民,部落の一員としての集団意識が腐著にみられるということで. あろうoつまりひとびとの意蒔の次元では,部落あるいは地縁的近隣集団の共同体的なあ り方が自明の前提に近いものとして受けとられているのでほなかろうか。都市におけるよ うに,生活機能論的-instrumental-な理由や,行政連絡的な必要性,さらにほ対 行政要求型のそれなどの割合が少なく,圧倒的多数がgemeinschaft的な理由をあげて.

(26) 59. 農村の変貌と農民意識の適応. いることは,集団生活意識の面ではまだあまり変容を蒙っていないと判断してさしつかえ ないのではあるまいか。. 部落会の存在を「それほど必要なし」と答えたものは全体で3名だけであるが,村営住 宅の1人が「義理人情に縛られて,個人の自由が拘束される」という理由を述べたほかほ, とくに積極的な反対理由を述べたものはないoなお部落会の存在に対して「絶対にない方 がよい」という答ほ皆無であった。 部落およびその組織としての部落会が上のようにgemeinschaft的に理解されていると すれば,部落会(総会). -の出席率もまた高いであろうことが予想されるoく表35〉をみ 「たいてい出席する」ものを合せるとほとんど ると「必ず出席する」ものが過半数をしめ,. の人々が部落会の総会に出席していることになるoただ部落の構成単位は一般に"家"で ぁるから,そのなかの誰が出席するかをみると,世帯主が圧倒的で,妻はほとんど見られ ず,千(恐らくアトトリ的な成人)が若干みられるo妻の出席が非常に少ない点は留意す る必要がありそうであるが,それをすくtlに家父長制的といってよいかどうかほわからないo. 部落はさらに10戸未満程度の,いくつかの"組"に分れて近隣集団の末端単位をなし ている。組にほ組長があって,これは大体輪番制で選ばれているようであるが,部落全体 表3S A. 出. 席. 部落会-の出席(面接Qll). 率 中. 込. 村営住宅. 1.必ず出席. 53 3. 57. 2.たいてい出席. 37 8. 3 5 2. 3.あまり出席せず. 6 7. 4.全然出席せず. 2. 6.. DK,NA. B. 出. 席. 者. 7. 1 9 2一. 5.その他. 3. 4.

(27) 60. 河 表36. A. 村. 十. 寸. 穂. 部落の役員になるか(面接Q12). 組長の場合. 村営住宅 1.引受けて重責橡的にやる. 55 6. 31 4. 43. 2.いやだが仕方なしにやる. 24. 4. 34 3. 33 3. 3.絶対に断わる. 11. 1. B. 8 20. DK,NA. 5. 7 4 8 3. 0.7. 5.その他 6.. 4 6. 6 7. 一.6.. 4.選ばれる可能性なし. 5. 2 8. 組長より上の役の場合 村営住宅. 1.引受けて横標的にやる 2.いやだが仕方なしにやる. 40 0. 28 6. 32 l. 28 9. 2 QU 6. 32. 1. 3.絶対に断わる. 17 8. 2. 9. 14. 3. 4.選ばれる可能性なし. 11 1. 5. 7. 14. 3. 22. 9. 7. 1. 11. 4. 5.その他 6.. DE. 2.2 100. (〟-45). 表37. 谷. 井. 中. 100. (〟-35). 部落会の規約(面接Q13) 込 村営住宅 専. 業. 1.規約ほなくてもよ い. 2.どちらかといえば, なくてもよい 3.どちらかといえば. 規約は必要 4.規約ほぜひ必要 5.その他 6.. DK. を代表する役員として,ふつう`′区長"と呼ばれる役職がある。部落によってほ役場の行 政的単位としての部落を代表する役職と,自然村的共同体としての部落を代表する役職を 分離しているところもあるが,それほともかくとして,部落全体の役員(区長や庶務・会 計などの役職)あるいほ組長など輪番制の役員に選ばれた場合,引き受けるかどうかを訊.

(28) 農村の変貌と農民意識の適応 表38. 村会議員の立候補(面接Q15). 表39 村. A. 会. 議. 議員選挙投票の基準(面接Q14). 員 村営住宅. 井. 谷. 2.候補者自身の政見 3.人柄が立派か. l2・95・7o・05・715・7. 1.政党(保守か革新か). 10 7. 3 7. 10. 3. 7. 7. 39 3. 45 4. 10. 7. 13. 7. 1. 2ー 3. 6.所属団体の推薦. 10 7. 3 7. 7.その他. 10 7. 8 3. 4. 4.政治的手腕・実行力. 2. 5.地元との関係. 2. 8.. DK. B. 国. 会. 議. 9. 員 村営住宅 22. .. 8.. 374171. 1.政党(保守か革新か) 2.候補者自身の政見. 9. 8 6 28. 4.政治的手腕・実行力. ・<.. 11. 1.1. W. 18. 3.人柄が立派か. 21. 4. 10 7. 28. 7. 7 4. 6. 28 6. 24. 1. 4. 10 7. 11. 1. 3 6. 6.所属団体の推薦. 8 6. 10 7. 5. 7.その他. 2. 14. 8 3. DK. 81. 8.. 1. O'...... 11 4. 5.地元との関係. 9. 5 7. 3. 8 3 6. 6 5.

(29) 62. 河. 十. 寸. 穂. 各種選挙のBg)b順位(面接Q17). 表40. 谷. 村. 井 Z中. け寸営住宅 専. 込. 業;. 1. 兼l. 兼. 2. 計. 非農 1位2位. 1位2位. 9.79.7. 8.3,ll.1. 4.県知事. 6.7Z 8.91 2.9Z17.1110.728.. 5.県会議員. 4.4I2.2E. 16.. 2.参議院(全国区) 3.参議院(地方区). ;;to;ミニjs-.去:,;:.I; l4.6 3161: 2121 414L j 517i 312i…:2. 1.衆議院議員. 長. 6.村. 7.村会議員 8.. NA. DK,. 2.9! 5.3 10.5. 1.9. 0.9. 6.5. ;:55;=:1 1.9. -r8.6l -!7.1 37.8f42. 2165. 7[20. O164. 3.14. 4…: …l2… :訂75.'壬13;.'73Fo17. i. 1l-. 100. l. 16.7. l(Nl=028) i(Nl=Of9) l(Nl=0203) (〟-31) (Nl=Og5). (Nl=0405) (Nl=0305). 5.6. 53.7. 2ウ.8. 25.0. 30.5. 2.8. 2.8. 100. (〟-108). 表41好きな政党(面接Q18-1) 谷. 井. 中. 込. 村営住宅 専業. 非農. 計. 民. 35 6. 40 0. 25.0. 37.1. 39 l. 22.6. 34.3. 2.社. 会. 28 9. 22. 9. 21.i. 17.1. 26 1. 22.6. 25.0. 3.民. 社. 2 2. 5. 7. 5.7. 4 3. 6.5. 4.6. 4.公. 明. 6 7. 2. 9. 7.1. 8.6. 4. 6.5. 5.6. 5.共. 産. 2 2. 5 7. 7.1. 5.7. 6.5. 4.p6. 25.0. 8,6. 25.8. 13.9. 7.1. 17.1. 9.7. 12.0. 100. 100. 1.自. 6.その他の党 7.好きな党なし 8.. DK,NA. l7.1. (〟-28) (.Ⅳ-35) 表42. 谷. 井. 中. 3. 100. 100. (〟-31). (〟-108). 非農. 計. 嫌いな政党(面接Q18-2) 込. 村営住宅 専業. 1.自. 民. 17.9. 2.9. 19.4. 13.9. 2.社. 会. 3.6. 14.3. 3.2. 7.4. 3.民. 社. 4.公. 明. 39.3. 8.6. 35.5. 22.2. 5.共. 産. 21.4. 48.6. 19.4. 34.3. 10.7. 8.6. 9.7. 7.4. 7.1. 17.1. 12.9. 6.その他の党 7.嫌いな党なし 8.. DK,NA. 計. 100. 100. (.〟-28) (_Ⅳ-35). 100. (〟-31). 14.8■ 100. (N-lob).

(30) 63. 農村の変貌と農民意識の適応 村政に対する評価(面接Q16). 表43 谷. 井. 中. 込. 村営住宅 7.1. 1.大変よい政治. 専業. 計. 非農. ll.4. 6.5. 9.3. 2.公正で大体よい. 35.7'. 48.6. 38.7. 38.0. 3.ふつうだ. 17.9,. 14.3.. 19.4. 25.9. 6.5. 1.9. 3.2. 1.9. 7.1. 4.特定問題に片より すぎ. 2 9. 5.一部の階層中心的 6.一部の地域中心的. J. 2. DK. 14. 3.. 6. 9.. .. 9.. 8.その他. 2. 14. 3.6. 3.@. 2.9 ll.4. 21.4. 8.6 100. 100. (〟-28). (.Ⅳ-35). 4. 3.2. 3.7. 4. 3.2. 8.3_. 13 乃. 19.4. 17. 沼.. 4. 一.4.7.2. 7.悪い政治. 2.9. 3.6. 1. 100. ll.1. 、100. (〟-31) (〟-108). ねた結果がく蓑36〉である.これをみると,輪番制を原則とする艇長でほ大部分の回答 者がとにかく引き受けてやると答えているが,それより上の部落全体の役員となると,そ の率がやや低下し,. 「絶対に断わる」とか,そもそも自分は「選ばれる可能性なし」とい. うような答えがやや多くなって、くる。しかし全般的にほ積極的にせよ,消極的にせよ,引 き受けてやると答えたものが60%を越えている。むしろ「絶対に断わる」や「選ばれる 可能性なし」という答が合せて20%程度しかないという事実に注目すべきであろう.実 際には部落を代表する区長に選ばれるのは,ある程度限られた層の人たちであるにちがい ないが,しかし回答者の60%以上が,選ばれればとにかく引き受けてやると答えている ということは,部落という集団がかつてのような階層制をそれほど強く保持しなくなって いること,かなりgenossenscbaft的な意識が人々の間にゆきわたって釆ていることを示 すものではなかろうか。. 部落が人々のinformalな結合を基礎として,共同体的な性格をもった集団だとすれば, 部落のことを規定するformalな成文規約のごときものは必ずしも必要とされず,むしろ informalな共同体感情に"水をさす"ようなものであるという評価が生じるかも知れな い.しかしく表37〉の示すように,回答者の圧倒的多数は競約が「ぜひ必要」と答えて おり, 「なくてもよい」という意見は極めて少ない。この結果はわれわれの予想に反した ものであったが,人々の部落に対する感情や意識がgemeinschaft的,あるいほgenos・ "民主主義"の原理に関するfor皿alな senschaft的なものであることほ事実だとしても, 教化(indoctrination)が社会教育やマスメディアを通して人々の間に大きく浸透した結. 果,このような意見が支配的になったのではないかというのが一応の解釈である.しかし これはあくまで当面の一つの仮説的解釈であって,部落内con且ictの存在形態などに関 するもっと深い追求を試みなければ十分に確信の持てる説明はできないであろう。いずれ にしても,この数字ほ興味ある問題を提示している。.

(31) 64. §2. 河. 村. 十. 寸. 穂. 部落の共同生活と村の政治. 部落が上述のようにgemeinschaftあるいほgenossenschaft的な生活共同体であり, 成員の間に一つのunityとして意識されているとすれば,さまぎまな問題の処理・遂行 にあたって,部落のメンバーの間にほ共通のconsensus にもとづく共通の行動様式が存 在することが考えられる。われわれほこの点を,主として村の政治に対する参加のパター ンを検討することによって明らかにしようとした。. まず村会議員の選挙にさいして,普通にいわれている"部落推薦"ないしそれに類似す る発想がどの位支配的であるかを知るために,村会議員選挙にあたって自由な立候補を支 持するか,それとも部落や地元での相談・調整が望ましいと考えるかという質問を試みた。 その結果はく蓑38〉の通りであって,いずれの層でも後者の意見が多かった。村営住宅 において自由立候補をを支持する意見がもっとも多かったが,それでも相談・調整を可と するものには及ばない。要するに自由立侯補を支持する意見が漸増する趨勢ではあるが, それにも拘らず現状でほ相談・調整を通して部落としての統一的行動が望ましいという見 解が支配的であるといえるであろう。 これと関連して村会議員を選ぶ場合,投票意図を決定するときの判断基準をどのような 観点に求めているかという問題がある。く表39〉によると, "人柄が立派かどうか"とい う項目に次いで,. "地元との関係′'がかなり考慮されていることがわかる。 (もっともこの 項目ほ村営住宅においては極めて少ない。)この結果を国会議員を選ぶ時の基準と比較す ると・かなりの相遠がみられる。すなわち,候補者の政党関係ある.いは保守か革新かとい う政治的志向が国会議員の場合にほかなりのウエイトをしめてくるが,村会議員の場合に ほこうした観点ほ甚だ少ない。つまり村会議員を選ぶ場合の基準ほ"人柄"にせよ"地元 との関係"にせよ,いずれもpersonalな,あるいはparticularisticな基準であって, universalisticなそれではない。大都市地域などでほ国のレベルと自治体のレベルの選挙 を通じて両者の問にそれほど選択基準の相違がみられなくなりつつあるが,農村における 上述のごとき相違ほ,やほり地域共同体としての部落の生活が依然として重要な役割を演 じていることを物語っているとみてよかろう。 次にこの問題を別の側面からアプローチしてみよう。衆議院議員から村会議員にいたる 各種公職選挙のうち,どの選挙に関心が深いかについて,第2位まで順位づけをさせたが, く表40〉のように,村長選挙が最高で村会議員選挙がこれに次ぎ,村レベルのそれが圧倒 的に関Jbを持たれていることがわかる.. (谷井地区では村会議員と村長の順位が例外的に 逆転しているが,それ以外はすべての層で村長選挙が優位に立っている。)今までのわれ われの調査経験でほ,村会議員選挙を1位にあげるものの数がもっと多いのがふつうであ るが,いずれにしても村レベルのそれが圧倒的であるという点でほ同様である。衆議院議 員の選挙をあげたものほ予想よりはるかに少なく,. 2位にあげたものまでふくめると県知. 事選挙より関心度が低いという結果になる。このことほ村民のlocalisticな生活態度が予. 想村上に強固であ・ることを物語っているように思われる。われわれが調査を実施した時期′ が村長選挙の施行後10カ月位しか経過していなかったという事情が,村長選挙への関心.

(32) 65. 農村の変貌と農民意識の適応. をとくに高からしめたということも考えられるが,それにしても村民の生活的関心が部 落一行政村というレベルに集中していることは事実であろう。ここにもわれわれほ部落 を中心とした村の共同体的生活が依然として大きい比重をしめていることを認識する必要 があろう。. 参考のた捌こ明野村当局の資料にもとづいて,各種公職選挙の投票率を調べてみると, 村長・村会議員など村のレベルの選挙ではいずれも95%を上回っているのに対して,衆 議院や県のレベルのそれは90%程度,参議院のそれは85%程度であり,やはり村のレ ベルの選挙-の関心の高さが示されている。 なお一般的な政治意識を知るために,一番好きな政党と,嫌いな政党をあげてもらった が,その結果はそれぞれく表41〉およびく表42〉の通りである。全体的にみると,好き な政党では自民党が34.3%で1位であるが,予想したほど高くほなく,むしろ2位の社 会党が25%で予想より多い感じであった。嫌いな政党では共産党,公明党の順であるが, 自民党を嫌いと答えたものが13.9%で思ったより多かった。ただ層別にみると中込地区 や専業農家層でほ自民党支持が比較的多く,村営住宅や非農家層でほ社会党支持と自民党 支持の差が接近している。 (兼業農家については明確な僚向性を指摘し難い。)また嫌いな 政党については,全体的に共産党を嫌うものが多いなかで,村営住宅ないし非農家層でほ 公明党を嫌いと述べたものの方が多い点が興味をひく。一般に農業との関連でいえば,専 業から第1種兼業・第2種兼業・非農家にいくにつれて共産党嫌いが減少し,逝に公明党 嫌いが増加している。このような現象についてはさまざまな仮説的な解釈が可能であるが・ いまはただ事実を指摘するだ桝こ止め,立ち入った論議は保留しておきたい。 この章の最後に,最近の村の政治のあり方に対する評価を訊ねた結果について簡単にふ 「大変よい政治」と「公正で れておくoく表43〉のように,現村政に対する評判はよいo 大体よい」_を合せると47.3%で,ほぼ半数に近い。とくに中込地区や専業農家層の支持 が高い。プラスの評価以外の大部分は「ふつうだ」という意見であり'積極的な不満やマ イナスの評価は僅かである。現村長は過去にも何回か村長の経験のある人で,前々回の選 挙の際引退の意思表示をして立候補しなかったそうであるが,前村長の任期が切れた時点 で再び出馬を懇請され,前村長と争って当選したといわれており,周囲から再び推された という経緯からしても,あまり積極的な反対がみられないのであろうo古くから村民の人 望があった人のようで,あまりドラスティックな改革をではなく,漸進的な適応をよしと する村民の意向を反映したものとみてよかろうo v. 村の若い世代たち一中学3年生の諸相-. §1中学卒業彼の進路. これまでにも村の次の時代を担う人たちに関してほ若干ふれ早ところがあったが・この 章で彼らの生き方や生活態度について概括的な考察を試み,同時に親の世代との比較検討 を行なっておきたい。. まず第一に彼ら中学3年生たちが,中学卒業後どのような進路の選択を考えているかと.

(33) 河. 表44. 表45. 村. 十. 寸. 穂. 中学卒業後の進路(子Q3). 卒業後・父母の期待(子Q4,親Ql) 父(子の推測). 母(子の推測). 父の希望 母の希望 3. 3 0. 1 9. 1 0. 5 ー9. 4 LD 5. 42 1. 16 7. 10 1. ー6 7. 3. l‖V. (古. 1 0. 1. 3 7. 5 1. ー1. 1.. 1. .. I.7. 2. 6. 1(Nl=090.) (Nl=Og9). 1 5 27 1 1. 8. 1.. 34. 1 9. 3.. 3. 45 1.6. .6.. 1 9. 2 0. J. 1.9.. 3. 6. 3 7. 一.2.. 5. 11. 7一. NA. 46 一.. 10.. 9. 3.6. 9.親はいない. 2. 2.7. DK. 28 3 一.1.0. 8.. 2. I.. 7.その他. 7. 37. 2.. 16. 3. .. 2一.8.. 6.大学まで. 44. 1.. 13. 0.. 5.短大まで. 9.. 4.高専まで. 1. C:.. 50. .〇一. 4.0.. 2.中卒で家の手伝い 3.高校まで. 2. 3. .J. 1.中卒で就職.

(34) 67. 農村の変貌と農民意識の適応 表46 A. 現. 状. 認. 家の手伝い(子Q7・Q8,親Q3・Q4). 識 生. 学. J.. 31. 1.よくする方. 22 2. 26 3. 60 6. 2.ふつう. 48 9. 70 4. 3.あまりしない方. 17 月. 5 6. 11. 1. 1 9. 1. 0. 4.全然しない. T. 5.その他 6.. NA. B. 期. 待 親の希望. 6. 2一2. 2. 4.その他 5.父はいない 6.. 3. 4. 24. 9. 53 5. 68. 9. 4 0. 3. 7. 3 0. 2. 6. 3 0 1 0. 2.. DK,NA. 表47. 一家団楽(子Q16,親Qll) 学 女. 100. (〟- 54). 1. .. 4.9.3.2一.. 55. O. LL). 2.今の程度でよい 3.あまりしなくてもよい. 3751135. 33 .3.6.7.. 1.もっと手伝って欲しい.

(35) 68. 河 表48. A. 中学生の相談相手. B. 親か. 村. 十. 寸. 穂. 悩みと相談相手(子Q17,親Q12). らみて. いう点を問題にしてみよう。く表44〉をみると,中学卒業段階で就職するというものが全 体で紛12%あるが,その大部分ほ女子である。残りの進学組のうち大学・短大などへさ. らに進学したいというものと高校卒業段階で就職というものがおよそ半々あるが,大学ま で進学したいものは男子が圧倒的に多い。なお進学する高校ほ男女とも普通高校が大部分 であるが,実業高校では男子が工業高校,女子が商業高校に集中しており,農業高校と答 えたものほわずかに男子に1名あるだけであるo以上の進路選択の傾向ほ,明野中学校の 『学校要覧』(1971)の昭和45年度卒業生進路状況によ っても大体裏付けられる。 ところで彼らの親たちほ彼らの進路についてどのような期待をもっているであろうか。 そこで中学生に対して「両親はどのような進路を希望していると思うか」という趣旨の質.

(36) 農村の変貌と農民意識の適応. 69. 問をし,さらに親に対してほ,父母それぞれが「子供の中学卒業後どうして欲しいか」と いう意味の質問をした。その結果はく表45〉の通りであるが,子供からみた親の希望 (推測)および親の実際の希望ともに,中学卒業段階での就職または家の手伝いは極めて 少なく,子供自身の進路選択(中学卒で就職12・1%)とほかなりのズレがみられるo かし「高校まで」, 「短大まで」, 「大学まで」等々の項目では多少のくいちがいほあるもの の全般的な傾向としてをよ子供自身の意思,子供からみた親の希望(推測),および親の実 際の希望ほ姪ぼ一致しているとみてよいであいう。 表49. 表50. 谷. 親孝行について(子Q18,親Q13). 人のくらし方(面接Q19,子Q19,親Q14). 井. 中. 1.働いて金持ちに 2.勉強して名をあ げる. 3.趣味にあったく らし. ・4.のんきに,クヨ. クヨしないで. 5.清く正しく* 6.社会のためにつ くす 7.その他 8.. DK,NA. *中学生の調査票には,この項欠落o. 込 村営住宅. し.

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