• 検索結果がありません。

ファミリービジネスにおける国際化戦略及び第二創業にかんする準備的研究 : 堂島酒醸造所の事例

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "ファミリービジネスにおける国際化戦略及び第二創業にかんする準備的研究 : 堂島酒醸造所の事例"

Copied!
21
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

ファミリービジネスにおける国際化戦略及び第二創

業にかんする準備的研究 : 堂島酒醸造所の事例

著者

曽根 秀一

雑誌名

経済学論究

73

3

ページ

27-46

発行年

2019-12-20

URL

http://hdl.handle.net/10236/00028385

(2)

ファミリービジネスにおける国際化戦略

及び第二創業にかんする準備的研究

堂島酒醸造所の事例

Preparatory Study

of Internationalization strategy

and Strategic Renewal for family business:

Case study of Dojima Sake Brewery

曽 根 秀 一  

The present paper reviews previous research on family-operated company theory and focuses on internationalization strategies and innovations, for which there are few previous studies.

A noted case study is Dojima Sake Brewery, which produces sake that has expanded into the United Kingdom. The company made a groundbreaking initiatives in the sake industry.

Examples include the departure from conventional business practices, high value-added strategies, and local production. These will be discussed through interviews with the management and employees.

Hidekazu Sone

  JEL:M10, M13, M16

キーワード:清酒業界、ファミリービジネス、国際化戦略

Keywords:brewing industry, family business, Internationalization strategy

1. はじめに

本稿は、現在の清酒業界における現状について、国税庁のデータ及び事例 をもとに論じていく。そして、ファミリービジネスにかんする先行研究をレ ビューしたうえで、同分野において先行研究が少ない分野について論じる。と

(3)

くに、本稿では「国際化戦略」及び「イノベーション」、「第二創業」に着目し た。そこで事例にあげるのがイギリスに進出を果たした清酒を製造する堂島酒 醸造所である。同社は清酒業界の中でも画期的な取り組みを行ったことで知ら れる。現地での起業及び生産、従来の商慣習からの脱却、高付加価値戦略など があげられる。これらについて、経営者や従業員へのインタビューも交えなが ら論じていく。 ファミリービジネスの企業形態は、世界中でもっともよく見られるタイプで ある。しかしながら、この研究分野は未だ新しい分野である。ファミリービジ ネスは、家族システム1) と、ビジネスシステム2)という二つのアイデンティ ティによって特徴付けられるというのが、研究者の間での強いコンセンサスで ある。ファミリービジネスにおける理解を深めるためには、引き続きさらなる 調査が必要である。 ファミリービジネスを対象に焦点を絞った研究が、専門分野として確立し たのは、アメリカにおいて1988年にFamily Business Reviewが創刊したこ とである。本格的な学術研究が行われるようになった日本や欧米で更なる理 論的及び実証的研究の蓄積が求められている。ファミリービジネス研究にお ける戦略に関連する研究は、対象となるべき論点が幅広く指摘されているも のの(Chua, Chrisman and Sharma, 1999; Ibrahim, Angelidis and Parsa,

2008; Zahra and Sharma, 2004)、比較的進んでこなかったともいえる。しか

し、2005年には Journal of Family Business Strategyが創刊され、近年で

は、企業家精神、数世代にわたる継続性、事業承継(Habbershon and Pistrui,

2002; Zellweger, Nason and Nordqvist, 2012)においてファミリーの果たす

役割に一層関心が高まっている。近年、わが国でもファミリービジネス学会誌 (2008)、事業承継学会誌(2010)といった学術誌においてファミリービジネス を研究対象とした学術研究雑誌が創刊され、研究の発展が目覚ましい分野であ るといえよう。たとえば、ビジネス戦略、イノベーション及び国際化における 家族の役割にかんする文献にはまだ研究の余地があることが指摘される(Lam, 1) 社会的規範と感情によって支配される傾向がある。 2) 経済的規範と客観性によって支配される傾向がある。

(4)

Sone and Walsh, 2019)。この調査では、縦断的ケースリサーチの手法を使用 して、堂島酒醸造所の事例を中心に論じる。

2. 調査概要

この研究では堂島酒醸造所を、ファミリービジネスの企業におけるイノベー ション文化の役割を示す事例として選出した。また、本研究では、革新的な文 化の発展における場の役割を強調し、家族経営企業の革新的な行動と異なる世 代の下で実施された国際化を結び付ける。この事例研究は、Gerring(2007) 及びYin(1994)によって提案されたガイドラインに従い実施された。 データ収集は、イギリスの堂島酒醸造所で利用可能な情報を基に構成されて いる。データは、インタビュー調査に加えて、現地や国内における新聞記事や 雑誌などの出版物など、一般に公開されている複数の情報を基に調査した。 各インタビュイーは、具体的に、2019年7月9日に、取締役の橋本清美氏に 2時間、7月10日に蔵人のトニー・ミッチェル氏に対し1時間のインタビュー を行った。補足的に後日追加の質問等を行った。さらに酒蔵への訪問調査、関 連施設にも立ち寄り、情報収集を行った。 インタビューは、イノベーションや国際化及び現地での起業、第二創業と いった点に焦点を当てた自由回答式の質問で構成されている。その後、縦断的 なケースリサーチを実施し、会社の重要な出来事を会社の歴史から浮き彫りに させた(Stake, 1995)。

3. 事例:株式会社堂島酒醸造所

(Dojima Sake Brewery UK & Co.)

本稿で論じる堂島酒醸造所(Dojima Sake Brewery UK & Co.)の源流は、

1822(文政5)年創業の壽酒造にさかのぼる。大阪・摂津富田において、7代

に渡り橋本家を中心に経営が営まれてきた3)

清酒業界は、酒税においても明治時代以降、地租とならび国家の大きな重

(5)

要財源であり、一時は地租を抜き国税収入の中で首位となったことでも知られ る。しかしながら、近年、清酒を取り巻く環境は変容し、少子高齢化、多種多 様のアルコール飲料の開発4)、日本人の酒離れ5)など、その状況は厳しさを増 しているといえよう。 こうした状況に危機感をもち行動したのが、壽酒造の先々代当主の二男であ る橋本良英氏、そして、妻の橋本清美氏である。その体現の1つが大阪・堂島 において1997年に立ち上げた「株式会社堂島麦酒醸造所」である6)。地ビー ル製造、醸造プラントの開発、コンサルタント業務を行い、国内外において販 売を行ってきた。 さらに、近年同社の取り組みがイギリスで着目され、酒造りのあり方におい て一石を投じた。それは、ヨーロッパ初の清酒の酒蔵である堂島酒醸造所が橋 本清美氏をCEOとしてイギリスで創業し、海外展開を果たしたのである7) この清酒業界の中でも、堂島酒醸造所は従来にはない画期的な取り組みを始め たユニークな特徴を持つ企業である。 まず、堂島酒醸造所は従来の商慣習や流通とは異なるかたちで販売をはじ めた。第1に、これまでは、ほかの酒造メーカーが行うように、卸売業者を間 に挟み販売を行うことが原則とされている。しかし、同社はこのような流通の 商慣習から脱却し、直接顔の見える顧客にのみ限定して販売を行うようにした のである。第2に、高級路線を貫くこととし、原料や製造に対し、徹底的とも いえるこだわりをみせ、1本1,000ポンド(約15万円)という価格で販売を 行った。 4) 平成 29 年度の酒税収入の内訳は、4 割超がビール(約 5,768 億円)、発泡酒(約 937 億円)、 チューハイや新ジャンル飲料が大部分を占めるリキュール(約 1,866 億円)となる。これらを 合わせると、低アルコール飲料で約 3 分の 2 を占める(国税庁, 2018)。 5) 国税庁(2018)によると、昭和 50 年に 1,675 千 kl あった清酒消費量は、平成 28 年には 537 千 kl と約 1/3 まで落ち込んでいる。また、酒類全般におけるシェアも、ピーク時は 30%弱 あったが、6.7%まで下落している(2012 年現在)。 6) 社長を橋本良英氏、副社長を橋本清美氏が務める。 7) 「お酒の文化を突き詰めるのであれば、中途半端に出るくいはたたかれます(中略)私もそうで すが、初めてのことをするパイオニアは批判されます。ここで私が創業したときも、サンドバッ グは覚悟の上でした。だからこそ誰もできなかったので、自分しかできないことをするのは、し んどくても楽しいです」(橋本清美氏)

(6)

それでは、こうした従来の流通や経営のやり方から脱却した下で、堂島酒醸 造所はいかにして、海外進出を果たすことができたのか。本稿では、堂島酒醸 造所の経営をたどりながら、同社の競争戦略について検討していくことにする。 (1) 伝統的地酒からの転換 日本の租税収入における酒税収入割合は、明治35年度には約3割強を占め ていた。このことはわが国が近代国家として発展する過程において重要な役割 となっていた。戦後も長い間、租税収入の1割超を担い、その後の経済発展に ともない、法人税、所得税の収入増加のためその割合は低下した。しかしなが ら、依然安定した租税収入として重要な役割を果たしている(国税庁, 2018)。 平成の時代に入り、清酒を取り巻く環境は変容している。たとえば、図表1 にもあるように、成人1人当たりの全体の酒類消費数量は著しく減少している (図表 1)成人 1 人当たり酒類消費数量の推移 資料:成人人口は、国税調査結果・人口推計(総務省統計局)による。 (注)1 人当たりの酒類消費数量(左側)に沖縄分は含まない。 (出所)国税庁(2019)をもとに筆者作成。

(7)

ことがわかるが、清酒販売(消費)数量はより一層厳しく、平成5年をピーク にして、現在3割以下となっている。このように、清酒メーカーを取り巻く環 境は厳しさを増している。 租税収入をみても平成6年度の2.12兆円をピークに、平成29年度の税収 は1.30兆円と減少している(国税庁, 2018)。 消費者の品質への関心は高まっていき、美味しく安心して飲める酒を造るだ けではなく、酒を通じたメリットにまで関心を寄せるという段階にまでいたっ ている。そこで、清酒製造メーカーに求められるハードルも高くなり、顧客の 立場で、顧客が楽しみ、満足のいく酒造りが求められている。清酒メーカーが 苦心するもう一つの理由は、旧来の商慣習、流通である。卸売業者にたたか れ、収益が減少するという状況が起こっている。つまり、旧来の地域密着型の 酒蔵では生き残りが厳しいのが実情である。酒造メーカーには白鷹株式会社、 月桂冠株式会社、宝ホールディングス株式会社、大関株式会社、日本盛株式会 社などといった大手メーカーも存在するものの、ほとんどの企業は地元密着型 の酒蔵であり、事業規模は数億円から数十億円のため、その体力には限界があ (図表 2)清酒販売(消費)数量の推移 (出所)「国税庁統計年報」(4 月∼翌年 3 月)、国税庁(2019)をもとに筆者作成。

(8)

る。実際に、国税庁の調査によると、清酒メーカーは昭和30年代の4,000社 をピークに平成27年度には1,400社程度までに減少している。また、生産量 も当然ながら減少し、昭和48年の1,766,000klをピークに、平成23年現在で は、603,000klにまで減少している。これら上記の理由も相俟って、多くの清 酒メーカーには、旧来の経営からの脱却、変化が求められ、存続の危機にさら されているといっても過言ではない。 先述したような厳しい状況から脱却するための方法の1つが新たな市場の 開拓であり、近年は情報網や流通網の発展により海外展開を行う企業も多くみ られるようになった。とくに輸出先国別でみると、香港、台湾、シンガポール、 アメリカ、中国の順となっている(図表3)。さらに、海外進出している企業 を規模別にみると、中小企業(1397者)、大手(47者)となっている。しかし ながら、その生産量は中小企業30%、大手70%である(図表4)。さらに、そ (図表 3)輸出先(地域)別輸出製造業者(上位 10 か国) (出所)国税庁(2019)をもとに筆者作成。

(9)

の輸出のメインとなるものは特定名称酒である(図表5)。この特定名称酒は 主に、「吟醸酒」、「純米酒」、「本醸造酒」の3分類である。このように、厳し い日本酒市場であるが、堅調に伸びている分野が純米酒や純米吟醸酒など、製 造量が少ない高級酒を指す「特定名称酒」である(国税庁、2018)。 (図表 4)清酒製造業者による輸出の現状 輸 出 製 造 業 者 ( 者 ) 清 酒 の 輸 出 数 量 (kl) 構 成 比 構 成 比 中 小 (1,397 者 ) 747 94.1% 6,774(4,574) 30% 大 手 (47 者 ) 47 5.9% 15,818(8,537) 70% 合 計 (1,444 者 ) 794 100.0% 22,592(13,111) 100% (注)1「輸出数量」欄の括弧内は特定名称の数量   2 調査対象者は 1,603 者(内 1,444 者から回答) (出所)国税庁(2019)をもとに筆者作成。 (図表 5)輸出数量に占める特定名称の割合 ಝఈ໌স Ґ֐ 9,481kl 42.0% ಝఈ໌স 13,111kl 58.0% ߻ܯ 22,592kl          (出所)国税庁(2019)をもとに筆者作成。

(10)

(2) イギリス進出のきっかけ 堂島酒醸造所が立地するのは、イギリス・ケンブリッジから車で30分、最 寄り駅のイーリー駅からは車で15分ほどのフォーダムアビーという緑あふれ る場所である。敷地内には、18世紀建造の重要建造物指定のマナーハウスな どがあり、ここで試飲会などのイベントを開催している。 イギリスへの進出理由には、いくつかのきっかけがあった。まず橋本氏の子 息がイギリスの大学に入学したことで同国への進出を決意することができた。 また、橋本氏は、価値観や歴史の長さなど共通点があり、日本の文化でもある 清酒を世界に発信する拠点の最適地と考えた。さらに、ビジネスの視点からも ヨーロッパに日本の酒造会社が進出していないという理由もあった。たとえば アメリカでは、複数の大手清酒メーカーが約20年前から現地醸造を始め、し のぎを削っている。また、アジアにおいても清酒の輸出が増えているが(国税 庁, 2018)、この背景には、他のメーカーと競合せず、カバーできていない未 開拓の空白地帯のエリアに進出することで、清酒業界の底上げを目指したもの である。 そして、おいしいお酒を飲んでもらいたいという思いから考えた結果、フ レッシュな清酒、できたての清酒を飲んでもらうなら、現地で作るしかないと いう結論に至った。清酒を作るために、いろいろな場所を探しまわった。最初 は予算上、施設の整った所を自分たちで借りることも考えたが、借りものでは、 不測の事態の時などの対応が難しいため、購入できる土地を探した。 また、もともと広大な土地を探していたわけではなく、探している途中で、 「このような場所も売りに出ているが、ついでに見てみますか、きれいな所の ようです」と言われて現在の土地にやってきた。橋本氏は、「そのときに私は、 天の声を聞いてしまいました。ここだと自分が感じました」と述べるように現 在の場所に一目ぼれした。しかし、この土地を買うとなると、完成まで考えた 予算に全く届かない。それでも、思いが強く、ここを拠点にしたいという思い で進めていき、銀行の支援も無事得られ、購入することができた。 しかし、次々と問題も生じた。買ったはいいが、酒蔵を建てて発信拠点をつ くるということで、「酒蔵を建てる」と言った途端に、フォーダムアビーが重

(11)

要文化財のため、そのエリア内に工場を建てることに許可が下りない可能性が 生じた。もし無理であれば計画は頓挫してしまう恐れがある。「何をしたらい いですか」とたずねると、「まず許可申請が要る」と言われ、許可申請を出す のに、住民説明会を開いて、この地域の中で反対がないことを確認すれば申請 できるということであった。そこで初めに住民説明会を開いた。1回目の説明 会では人が多過ぎたため、エリアごとに十数回にわたり、今後のスケジュール や計画を述べそれに対する質問への回答、説明を行った8) そのときに毎回、メインハウスにも案内したが、近隣住民の人々が、皆感 動で泣いたという。橋本氏はそのときに、「これは私が買ったものだけれども、 本当は私のものではなく、このフォーダムアビーの1700年代から続く長い歴 史の中、これからも続いていくであろう、たったこれだけの時間、私が持たせ ていただけているだけだと感じました。これはこの地域の人たちのものだとい うことが、そのときに本当によく心に染み込みました」という。 このことをきっかけに地域住民の人々が喜ぶようなプロジェクトの遂行の 決意を新たにしたのであった9)。そこからスタートしているプロジェクトであ り、酒蔵を造ることにかんしては、地元の人の協力を得て、どれだけしんど くてもとにかくやりきるということであった。このため、リクエストを99.9 パーセントは聞くことができた。 8) 「日本酒の工場ですがそもそも日本酒を知らないので、音が出るかなど、いろいろな質問があ り、きちんと丁寧に答えました」(橋本清美氏) 9) 「私がミャンマーから出てくるとき、村と呼ばれる村に、当時、私を知らない日本人はいません でした。それぐらい皆と知り合っていました。私は 13 年もいたので、私を知らなければもぐり だと言われるぐらい狭いコミュニティーでした。それが、民主化されて出ていくときに、各ホテ ルのロビーに行くと、見たこともない人々がコンサルタントをしていました。あそこの土地はこ のようなものだという説明です。そのとき私には、えも知らぬ不快感がありました。私たちの ミャンマーの何を知っているのかということです。それを経験していたので、私がそれだけのも のを買ったときの、地元の人たちの思いがオーバーラップしました。どれだけ嫌で、どれだけ心 配かという思いが分かりました。とにかく何をしてほしいか、何をしてほしくないかということ を、全て丁寧に吸い上げて、基本的に分かりました、そうしますという返事をして、その方向で 対応してくださいと、現地に指示しました。言うのは楽だしかっこいいのですが、そのようなこ とを言ってしまったので、ここから先、3 日はかけて話さなくてはいけないほど大変なことにな りました」(橋本清美氏)

(12)

さらに地域の人々へのサーベイも取った。メインハウスに予想外の200人 の参加者があることが分かり、急きょ、朝と昼の2回に分けた。そのときには 1回説明を聞いたことがあったり、ミーティングを行った人も多かったため、 初めて来た人が後ろから「どのような音が出るのですか」と言ったときに、前 のほうの人たちが、「もういい、このプロジェクトは大丈夫だ」と言ってくれ るぐらい、和気あいあいとしていた10)。結果的に1人の反対もなく理解され、 ようやく申請書類を出し、最後に裁判所で開発許可が出た11) (3) 堂島酒醸造所の戦略 同社の基本商品は「堂島」と「懸橋(ケンブリッジ)」に絞られている。原 料である米は、兵庫県産山田錦を使用している。水はこの地域の特徴でもある 氷河期の地層から汲み上げた硬水で、軟水化の処理を施している12) 10)「そもそもこのプロジェクトで、きちんと付き合えば、日本の良さが分かってもらえるのではな いかということを発信したかったため、プロジェクトのスタートからこのように認めてもらえた ことが、本当にうれしかったです。私は、どのようなことをしてでも、住民を見ていけるプロ ジェクトにしたいです。(中略)最終的に挙手で決まるのが満場一致であった。後から聞いたと ころによると、外国人に許可申請を出すときは、4 人は反対するのが決まりごとのようになって います。開発許可をするにあたっての制約になるからです。私の場合であれば、ハウスをきれい に改修し続けることなどが条件になります。それがもしできなかった場合はキックアウトする というプレッシャーをかけるためにも、必ず反対します。そして 4 対 6 で、ぎりぎりという決 め方をするそうです。しかしわれわれは、とにかく非の打ちどころがないという理由で満場一致 でした。「これは快挙だ」と言われ、翌日の新聞にも出ました。そこがわれわれのスタートで、 私の一番の自慢です」(橋本清美氏) 11) その日は 3 件の案件があり、1 件目はイギリスの会社で許可が下りなかった。それを見ていて、 橋本氏も顔面蒼白になり、初めて許可が下りないのではないかと覚悟した。プレゼンテーション が終わり、チェアマンが「1 件目も駄目だったし、あなたがたは非常に不安だと思うけれども、 10 分たてば、私たちにサンキューと言うでしょう」と言った。これは取れると思って喜びかけ たが、「サンキューと言うのは私たちのほうです」と言われた。「あなたがたがここの開発許可を ここに来るまでのプロセスにおいてどのようなことをしたかというのは、地域住民からも行政か らも、いろいろな会社や企業からも逐一報告されていた。あなたがたは日本人で外国人、われわ れはここで本当に何千、何万という許可をずっと続けてきた古い裁判所だが、あなたがたのして きたことは、その中でも見本となるべきものでした」と言われ、橋本氏は、「あのときは感動で 涙腺が崩壊しました。今でも思い出すたびに、そのときの思いが込み上げてきます。」と述懐し ている。 12) 麹や酵母は日本から輸入している。「許可が下りて、その次にやる必要があったのが遺跡調査で す。それで遺跡が見つかれば、長ければ 10 年は建てられないと言われていましたが、見つかり

(13)

「堂島」は、精米歩合70%の特定名称酒であり、「懸橋(ケンブリッジ)」古式 造りである。これらに加え、オープン記念として500本限定で「隗(かい)13) も醸造された。「堂島」は、徹底した温度管理のもと、ゆっくりと時間をかけて 発酵させると同時に、芳醇な味わいでバランスの良い香りが特徴である。「懸 橋」は、甘味が強く、再醸造仕込みとなっている。これには、異なるタイプを 提供することで酒の奥深さを知ってもらうことを狙いとしている。その価格は イギリス1,000ポンド(約15万円)と、高級化戦略をとっている。 「日本人は、よいものを安く売ろうと必死になっています。しかし欧米の価 値観は、クオリティー=価格です」と橋本氏も述べるように、イギリスなどで は、高価でも納得すれば買ってくれる人がいる。2018年9月14日にオープニ ングセレモニーを行い、ロンドンから、200人近い人々が参加した。1本1000 ポンド(15万円)だと言ったときに、ワインが1本30万円の世界に慣れてい る人たちの反応は、「ああ」という程度であった。しかしながら、一番ざわめ いたのが日本人であったという14) このエピソードからも橋本氏は、「高級化こそ、酒を理解してもらえ、かつ、 市場の活性化のために必要な戦略である」と強調する。 ヨーロッパや世界中の人々に、本質的な価値を知ってもらうためにも、こう ませんでした。代わりに、この下の地層が氷河期時代の地層だということが分かりました。杜氏 さんたちもきれいな水だと言っていました。ハリウオという、日本では天然記念物の魚が泳いで います。あの魚はきれいな水にだけすみます。その理由が分かりました。氷河期の地層でした。 当然硬水です。皆さんは誤解していて、硬水は駄目だといいますが、実は灘のお酒は硬水です。 灘の酒が日本中に広まった理由は、硬水で造ると酒が腐りにくいからです。硬水が悪いわけで はなく、硬水の中の Fe が、おいしい酒を造るのに、麹の発酵などを邪魔するので、それだけを 今、取り除いています。基本的によい水でした」(橋本清美氏) 13) 「隗」は精米歩合 60%で、英国大使が命名し、その書をラベルとした。 14)「講演会に呼ばれて蔵元に行くことがありますが、15 万円のワインを持っていきます。これは 15 万円のワインですと言うと、皆、ワインはそうだろうと言います。全く驚きません。当然だ と思っています。私が、あなたのところのお酒は、このワインと比べて 100 分の 1 の値打ちし かありませんと言うと怒りだします。何を言うのか、ワインなど放っておいてもできる酒だと言 います。欧米は、品質イコール価格です。今の値段では、このワインと比べて 100 分の 1 のク オリティーだと自分で言っているのと同じだと教えるとそこは理解します。しかし、自分たちが その値段を明日から付けたら、皆からぼったくりだと言われてつぶされると言います。それに、 そのような値段を付けて、誰が買ってくれるのかということです」(橋本清美氏)

(14)

した本来の価格設定をし、それに見合った香り、味わい、こだわった原料や環 境、技術などで、1,000ポンドの価値のある酒とした。いずれは、ワインのよ うに、200万円、300万円という市場価格を付けたいとの思いを語った。 日本酒が抱える問題の一つは、流通のありかたであろう。ディストリビュー ター(販売代理店、卸売業者)に買いたたかれ、利益の一部を取られてきた歴 史的経緯がある。このため同社では、これらの旧来の商慣習、流通から脱却し、 一般には一切売らず、生酒も門外不出にし、欲しければ堂島酒醸造所に買いに 来てもらう方針としている。 (4) ファミリーの理解と協力 開業までに、たくさんの問題を克服してきた。たとえば、地元地域などか ら「排水はどのようなものか」と言われたときに、「米のとぎ汁です」と答え た。「米のとぎ汁は、日本人が何百年も前から、朝、昼、晩と下水に流してい ても全く問題がありません。問題ないどころか、木々にあげたり顔を洗ったり するほど、本当に無害なものだ」と伝えた。しかし、成分分析を出してほしい と言われ、調べるとたんぱく質が出てくる。このため、下水に流すことができ ない。このやりとりひとつとっても開発する計画書を変えないといけない。さ らに、重要文化財が建っているような所でそれに関連した申請書類を書ける人 は、特別なプロフェッショナルである。このため、コストも異なってくる。少 しそれをやるだけで、金額が変わる。なおかつ、駄目だと言われ場合、浄化槽 が必要となる。浄化槽を造るには、別の許可がいるため、プランを立て直す必 要がある。それだけの一言で1000万円単位の金額がかかる。こうした請求が 次々に来たものの持ちこたえられたのはファミリーの理解が大きいと橋本氏は 述べる。 私がこのように乱暴なことができたのは、お金がかかることが分かっ ていたので、最初に子どもたちと家族会議を開いていたからです。「申し 訳ないけれども、今、このようなことをしようと思う。これをすると、あ なたがたには一円も資産を残せない。下手をすると借金を残すことになる

(15)

がどうか」と聞きました。やはり外に出ている子ほど愛国心が強くて、日 本のことを好きです。日本人としての誇りも持っています。そうしたら、 「やってくれ、自分たちは一銭も要らない」と子どもたちが言いました。 (橋本清美氏) 本音を言えば、6人の子育てをして、仕事もしてきたため、せっかくヨーロッ パに来たのだから、ファーストクラスでいろいろな所に行き、残りの人生はぜ いたくなことをして過ごそうと思っていた。だが、別の感情もわいてきた。 自分が日本人として、この世に生まれてきて、これが最後のプロジェク トだ、自分が元気で動ける年もこれが最後だと思うと、自分しかできない ことや自分が生まれてきて誰かが喜ぶこと、誰かのためになることをやは り最後に残したいという思いになりました。最後、自分が目をつぶるとき に、どちらが後悔するかと考えたときに、これしかないと、きれいさっぱ り欲が消えました。ですから、使うことにかんして、預金も子どもの保険 も全て解約して、ここへつぎ込むことについては、何の迷いもありません でした(橋本清美氏) そこからスタートしているプロジェクトのため、酒蔵を造ることにかんし ては、地元の人の協力を得て、どれだけしんどくてもとにかくやりきることが できたという。さらに、橋本氏の長男も農業大学を卒業し、これから事業に関 わっていく意気込みをみせてくれていると嬉しそうに語る15) (5) 文化、理念の発信 蔵人であるトニー・ミッチェル氏は、イギリス人ではあるが日本に長く滞 在し、かつ、もともと英国大使館で働いていた。このため、日本の文化にも造 詣が深い。しかし、ほかのイギリス人の場合は、オーナーとは温度差があるた 15) また夫の橋本良英氏は、大阪の酒蔵で二十年以上にわたり、酒造りに関わってきたため、アドバ イスをしている。

(16)

め、皆にこのプロジェクトの意義を理解してもらいたいと考え、「ここがもし できれば、本当に日本にとっても日本酒業界にとっても大きな、新しい1ペー ジを開くのだという、意義を感じながら関わってほしい」と常日頃から言って いるという。 ビジネスは、株主が一番だと、どこのビジネススクールでも習うと思い ます。しかし私は公益資本主義論者です。私はそれをここで体現したいと 思っています。われわれも当然利益は還元します。しかし、お金だけのた めに働いているというところから、人のため、そして従業員に対する思い や、取引先に対する思い、お客さんに対する思いなどをきちんと共益を持 つということをここで体現していきたいと思っています。(中略)私はや はり、相手を想う、和をもって貴しとなすというものの考え方を世界に広 めることが、今の日本の役割だと本当に思っています。それが世界平和に つながると思っています。ですからこのプロジェクトでやりたいのは、世 界平和です。(橋本清美氏) このように、日本酒の理解だけでなく、日本文化の発信をフォーダムアビー から行っていることがここからもうかがえよう。

おわりに

本稿では、ファミリービジネスの理論的展開及び研究が不十分である、国 際化、イノベーション、第二創業、現地での起業にふれながら、堂島酒醸造所

(Dojima Sake Brewery UK & Co.)を事例にあげ論じてきた。しかし、本事

例は、単に国際化だけを論じたものでないことが本稿からも理解できよう。 異国の地における起業、スタートアップといった起業論、高級化、差別化と いった経営戦略論的視点、強力なリーダーの存在を語るリーダーシップ論、そ して、地域住民への還元と日本文化の発信という点では、ソーシャルビジネス の要素も多分に含んでいるといっても過言ではない。これからの同社のますま

(17)

すの発展に期待したい。 本稿の貢献は、大別すると3点あると考える。 第1に、ファミリービジネス論の先行研究をレビューしたうえで、課題を 示したこと。第2に、清酒業界におけるデータの収集ならびに特徴や課題を示 したこと。第3に、こうした課題をもとに取り組んでいる清酒メーカーに着目 し、国際化を果たした経営者の意思決定についてインタビューをもとに詳細に 記述したことである。 最後に,本稿における課題と展望について論じ,結びとしたい。 本稿は単一事例研究であり、今後複数企業による比較研究が期待されよう。 また、理論と事例との関係性も今後示していく必要があろう。事実に基づき資 料の発掘、関係者への調査を通じて、組織における意思決定の様相を明らかに していくことが求められる。 謝辞

本稿作成にあたっては、堂島酒醸造所(Dojima Sake Brewery UK & Co.)の

CEOである橋本清美氏,蔵人のトニー・ミッチェル氏にご協力賜りました。記

して感謝いたします。もちろんありうべき誤謬はすべて筆者に帰するものです。 また、本稿の理論的背景にかんしては、Lam, Sone and Walsh(2018)等が基 盤となっている。尚、本稿は、JSPS科研費18K01760、18H00886、16H03656

の助成を受けた成果の一部である。

参考文献

Alkaabi, S. K. and Dixon, C.(2014). Factors affecting internationalization decision making in family businesses: An integrated literature review. The Journal of Applied Management and Entrepreneurship, 19(2), 53-77. Andersson, S.(2000). Internalization of the firm from an entrepreneurial

perspective. International Studies of Management & Organization, 30(1), 63-92.

(18)

Aoyama, Y.(2009). Entrepreneurship and regional culture: The case of Hamamatsu and Kyoto, Japan. Regional Studies, 43(3), 495-512. Astrachan, J.(2010). Strategy in family business: Toward a multidimensional

research agenda. Journal of Family Business Strategy, 1(1), 6-14. Avrichir, I., Meneses, R., and dos Santos, A. A.(2016). Do family-managed

and non-family-managed firms internationalize differently? Journal of Fam-ily Business Management, 6(3), 330-349.

Bell, J., McNaughton, R., Young, S., and Crick, D.(2003). Toward an inte-grative model of small firm internationalisation. Journal of International Entrepreneurship, 1(4), 339-362.

Cassia, L., De Massis, A., and Pizzurno, E.(2012). Strategic innovation and new product development in family firms. International Journal of Entrepreneurial Behaviour & Research, 18(2), 198-232.

Chua, J. H., Chrisman, J. J., and Sharma, P.(1999). Defining the family business by behaviour. Entrepreneurship Theory and Practice, 23(4), 19-39.

Denison, D., Leif, C., and Ward, J.(2004). Culture in family-owned en-terprises: Recognizing and leveraging unique strengths. Family Business Review, 17, 61-71.

Duran, P., Kammerlander, N., van Essen, M., and Zellweger, T.(2016). Do-ing more with less: Innovation input and output in family firms. Academy of Management Journal, 59(4), 1224-1264.

Dyer, W. G.(1986). Cultural change in family firms: Anticipating and managing business and family transitions. San Francisco: Jossey-Bass. Fernandez, Z. and Nieto, M. J.(2005). Internationalization strategy of small

and medium-sized family businesses: Some influential factors. Family Business Review, 18(1), 77-89.

Fritsch, M. and Storey, D. J.(2014). Entrepreneurship in a regional context: historical roots, recent developments and future challenges. Regional Stud-ies, 48(6), 939-954.

Gerring, J.(2007). Case study research: Principles and practices. Cambridge University Press.

Graves, C. and Thomas, J.(2008). Determinants of the internationaliza-tion pathway of family firms: An examinainternationaliza-tion of family influence. Family Business Review, 21(2), 151-167.

(19)

Graves, C. and Thomas, J.(2004). Internationalisation of the family business: A longitudinal perspective. International Journal of Globalisation and Small Business, 1(1), 7-27.

Habbershon, T. G. and Williams, M.(1999). A resourcebased framework for assessing the strategic advantage of family firms. Family Business Review, 12(1), 1-25.

Habbershon, T.G. and Pistrui, J.(2002). Enterprising families domain: Family-influenced ownership groups in persuit of transgenerational wealth, Family Business Review, 15 223-237.

Hynes, B.(2010). International small business growth: A process perspective. The Irish Journal of Management, 16(17), 87-106.

Ibrahim, A.B., and Ellis, H.(2006). Family business management; Concepts and Practice, Third edition, Hunt Publishing Company.

Janjuha-Jivraj, S., Martin. L., and Danko, A.(2012). Internationalization of a ‘born-again global’ : How a family-led crisis enabled the realization of internationalization opportunities. Journal of Small Business and En-trepreneurship, 25(2), 201-215.

Kammerlander, N. and van Essen, M. (2017, January 25). Research: Fam-ily firms are more innovative than other firms. Harvard Business Re-view. Retrieved from https://hbr.org/2017/01/research-familyfirms-are-more-innovative-than-other-companies Kim, C-R. (2008, December 10). Knight, G. A. and Cavusgil, S. T.(1996). The born global firm: A challenge

to traditional internationalisation theory. In S. T. Cavusgil and T. Madsen (Eds.), Advances in International Marketing (vol. 8, 8-26). Greenwich, CT: JAI Press.

国税庁(2018)『酒のしおり』国税庁課税部酒税課。 国税庁(2019)『酒のしおり』国税庁課税部酒税課。

Kontinen, T. and Ojala, A.(2012). Internationalisation pathways among family-owned SMEs. International Marketing Review, 29(5), 496-518. Kontinen, T. and Ojala, A.(2010). The internationalization of family

busi-nesses: A review of extant research. Journal of Family Business Strategy, 1(2), 97-107.

Kraus, S., Pohjola, M., and Koponen, A.(2012). Innovation in family firms: An empirical analysis linking organizational and managerial innovation to corporate success. Review of Managerial Science, 6, 265-286.

(20)

Mason, C. and Brown, R.(2014). Entrepreneurial ecosystems and growth-oriented entrepreneurship. Background paper prepared for the workshop organized by the OECD LEED Programme and the Dutch Ministry of Economic Affairs on entrepreneurial ecosystems and growth-oriented en-trepreneurship. Retrieved from:

http://www.oecd.org/cfe/leed/entrepreneurialecosystems.pdf.

McKeever, E., Anderson, A., and Jack, S.(2014). Entrepreneurship and mutuality: Social capital in processes and practices. Entrepreneurship & Regional Development, 26(5-6), 453-477.

Meneses, R., Coutinho, R., and Pinho, J. S.(2014). The impact of succes-sion on family business internationalisation: The successor’s perspective. Journal of Family Business Management, 4(1), 24-45.

御厨貴(2002)『オーラル・ヒストリー 現代史のための口述記録』中央公論新社. Nelles, J., Bramwell, A., and Wolfe, D.(2005). History, culture, and path

dependency. Origins of the Waterloo ITC cluster. In D. A. Wolfe and M. Lucas (Eds.), Global networks and local linkages, 1-23. Montreal & Kingston: McGillQueen’s University Press.

Newman, A., Prajogo, D., and Atherton, A.(2016). The influence of mar-ket orientation on innovation strategies. Journal of Service Theory and Practice, 26(1), 72-90.

Lam, J., Sone, H., and Walsh, J.(2018). Innovation culture in a Family Business: The case of Suzuki motor corporation, Business 2025: Driving Growth Through Strategic Innovation, Entrepreneurship and Digitisation, 178-181.

Langness Gelya L. L and Frank, G.(1981). Lives: An Anthropological Ap-proach to Biography, Chandler and Sharp.

Osarenkhoe, A.(2008). A study of the enablers of nonsequential interna-tionalization process among small and medium-sized firms. International Journal of Business Science and Applied Management, 3(2), 1-20. Padilla-Melendez, A., Dieguez-Soto, J., and GarridoMoreno, A.(2015).

Em-pirical research on innovation in family business: Literature review and proposal of an integrative approach. Review of Business Management, 17(56), 1064-1089.

Sanchez-Marin, G., Carrasco-Hernandez, A. J., Danvila del Valle, I., and Sastre-Castillo, M. A.(2016). Organizational culture and family business: A configurational approach. European Journal of Family Business, 6(2), 99-107.

(21)

Saxenian, A.(1994). Regional advantage: Culture and competition in Silicon Valley and Route 128. Cambridge, MA: Harvard University Press. Shane, S.(1993). Cultural influences on national rates of innovation. Journal

of Business Venturing, 8(1), 59-73.

曽根秀一(2019)『老舗企業の存続メカニズム』中央経済社.

Spigel, B.(2017). The relational organization of entrepreneurial ecosystems. Entrepreneurship Theory and Practice, 41(1), 49-72.

Stake, R. E.(1995). The art of case study research. Thousand Oaks, CA: Sage.

Stephan, U., and Uhlaner, L.(2010). Performance-based vs socially support-ive culture: A cross-national study of descriptsupport-ive norms and entrepreneur-ship. Journal of International Business Studies, 41(8), 1347-1360. Stuetzer, M., Obschonka, M., Brixy, U., Sternberg, R., and Cantner, U.

(2014). Regional characteristics, opportunity perception and entrepreneurial activities. Small Business Economics, 42(20), 221-244.

谷富夫編(1996)『ライフヒストリーを学ぶ人のために』世界思想社.

Tsao, S-M. and Lien, W-H.(2013). Family management and internation-alization: The impact on firm performance and innovation. Management International Review, 53, 189-213.

Tylor, E. B.(1871). Primitive culture, Vol. 2. New York: Brentano’s. Vrontis, D., Bresciani, S., and Giacosa, E.(2016). Tradition and innovation in Italian wine family businesses. British Food Journal, 118(8), 183-189. Yin, R. K.(1994). Case study research: Design and methods, (2nd ed).

Beverly Hills, CA: Sage.

Zahra, S.A., and Sharma, P.(2004). Family business research: A strategic reflection, Family Business Review, 17, 331-346.

Zellweger, T.M., Nason, R.S., and Nordqvist, M.(2012). From longevity of firms to transgenerational entrepreneurship of families: Intro ducing family entrepreneurial orientation, Family Business Review, 25, 136-155.

参照

関連したドキュメント

前述のように,本稿では地方創生戦略の出発点を05年の地域再生法 5)

Kutay Karaca (クタイ・カラジャ) ,Airforce Major, Strategic Research and Study Center(SAREM), Turkish General Staff (空軍少佐、参謀本部戦略研究所).. Yavuz

捜索救助)小委員会における e-navigation 戦略実施計画及びその他航海設備(GMDSS

八幡製鐵㈱ (注 1) 等の鉄鋼業、急増する電力需要を背景に成長した電力業 (注 2)

①Lyra 30 Fund LPへ出資 – 事業創出に向けた投資戦略 - 今期重点施策 ③将来性のある事業の厳選.

★従来は有機溶剤中毒予防規則により作業環 境へ溶剤蒸気を漏らさず、外気への排出を主に

本案における複数の放送対象地域における放送番組の

(本記入要領 P17 その 8 及び「中小企 業等が二分の一以上所有する指定相当地 球温暖化対策事業所に関するガイドライ ン」P12