家庭の情報化:計算機業界からの情報家電へのアプローチ-情報家電ミドルウェアの課題-
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(2) 特集 家庭の情報化 インフラを構築するための. それらが人々の活動を支援できる. CoolTown Project7)を進めてきてい. ような知的でユビキタスなコンピ. る.. ューティング環境が実現可能とな. ある. •. 本稿では,ソフトウェア的なアプ. ってきている.このような環境下. 情報家電機器のためのユーザイン. ローチである言語やミドルウェアに. で,人々のタスクを支援するため. タフェースは,従来のコンピュータ. 関連したいくつかの技術についてそ. に,これらの情報機器群やセンサ. 端末で利用されていたグラフィカル. の概要と問題点について解説する.. 群を必要に応じて円滑に制御する. ユーザインタフェース(GUI)だけ. まず,これらの情報家電機器のため. ためには,柔軟に環境に適応でき. でなく,もっと容易に機器が利用で. のミドルウェアにおける技術的な課. るアプリケーションフレームワー. きるように改善される必要がある.. 題を整理し,実際の Jini,UPnP,. クを提供する必要がある.プログ. たとえば,音声入出力や画像認識等. ECHONET などを例にとり,それ. ラミング的には,人々の状況や空. のインタフェースを必要に応じて使. ぞれの概要と課題について述べる.. 間的な位置情報などに応じて,動. い分けられる機構や,年齢や使用経. また,今後のインターネットとの整. 的に適応できるアプリケーション. 験に応じてインタフェースが変わる. 合性や新しい無線,電力を利用して. フレームワークが必要である.た. ユーザ適応型のインタフェースや見. のホームネットワークとの関係など. とえば,各情報家電機器が持つ機. 映えなどが必要となってきている.. についても触れ,今後の課題をまと. 能を抽象化し,他の機器から制御. また,新しい家電機器をネットワー. める.. 可能とするためのオブジェクトモ. クに接続した場合なども,ユーザに. デルや相互操作性を保証するため. よるさまざまな設定作業が必要でな. のアプリケーションインタフェー. い,コンフィグレーションフリーな. スなども提供される必要がある.. 運用形態を実現するためのインタフ ェースもやさしいものでなければな. ここでは,これらの情報家電機器 を対象とした Jini,UPnP,. •. らない. ネットワーク上に存在する情報. ECHONET などのミドルウェアに. 家電機器,およびその上で動作す. 共通した技術的な課題について述べ. るオブジェクトなどを管理し,ユ. る.ミドルウェアの守備範囲は大変. ーザの要求に応じてそれらを発見. ネットワークに接続された情報家. 広く,実際のアプリケーションの構. させる機能を提供するディレクト. 電機器は,容易に,安全に,どこか. 築を容易にするためのアプリケーシ. リサービスを実現する必要がある.. らでも制御可能となるべきある.機. ョンフレームワークの提供や,より. ホームネットワークにおいては,. 器の制御に関しては,ユーザが従来. 直感的なユーザインタフェースを実. ホームゲートウェイのような機器. のように同一物理空間に存在しなく. 現している上位層から,いろいろな. を設置しているアーキテクチャも. ても,安全に遠隔から制御でき,ま. 異 種 ネ ッ ト ワ ー ク( I E E E 1 3 9 4 ,. あるが,ゲートウェイ的な機器を. た,機器が自動的に動作するといっ. HomePNA,電灯線,IrDA,. できるだけ設置せずに,どのよう. た自動制御や,前もって複数の指示. Blootooth など)への接続を可能と. にしてディレクトリサービスを実. を与えて動作させるといった非同期. するための通信ミドルウェアまでを. 現できるかが課題である.. 型の統合制御などの機能を容易にミ. •. カーバーしている.以下では,最も. 情報家電機器の状態を適切に管. 基本的な 6 つの課題について述. 理し,特定の機器への操作に対す. また,ネットワークがインターネッ. べる.. る競合や,矛盾などが発生しない. トに常時接続されるようになると,. ようにしなければならない.また,. 他人からアタックやサービス妨害な. 機器自体の属性情報に加えて,機. どに対処したり,違法アクセスを拒. 器と利用者の位置情報管理,温度,. 否するといったアクセス制御やセキ. 情報家電機器の普及やさまざまな. 湿度,照度をはじめとする物理空. ュリティを提供する機能も必要であ. 情報処理能力を持った機器やセンサ. 間属性の管理も,機器の適応型の. る.また,物理空間上での制御操作. が我々の周りに至る所に設置され,. 自動制御を実現する上にも重要で. とネットワーク上から起動された制. •. 2. 42巻11号 情報処理 2001年11月. ドルウェアが提供する必要がある..
(3) 特集 家庭の情報化 •QoS Quality of Service. 御操作間での相互排除機能やエラー 時のリカバリ機能などといった新し. IEEE1394 ネットワークで接続さ. い機能も容易に実現される必要が. れた AV 系の情報家電機器の場合,. ある.. このネットワークを介して連続メデ. •. ている Jini,UPnP,ECHONET を 取り上げ,それぞれの概要,制御方 式,および課題について述べる.. ィアを円滑に送受信することが可能. Jini. であるが,他のネットワーク上の機. Jini は,米 Sun マイクロシステム. 器への送受信を実現するためには,. ズ社によって Java により実装され. それぞれのネットワーク上での帯域. ている分散オブジェクト・フレーム. 持っている.たとえば,AV 系の情. 保証,各機器における組込み OS 上. ワークを実現するための単純な仕組. 報家電機器は,映像ストリームや音. での資源管理やプロトコル変換など. みのミドルウェアである.Jini では,. 声ストリームの送受信を行うため. を提供し,連続メディアの QOS を. ネットワーク上で提供されたある役. に,IEEE1394 のインタフェースを. 保証する必要がある.また,機器の. 割を持ったソフトウェア,あるいは. 装備している.また,冷蔵庫や電子. 出力用ディスプレィの表示サイズや. デバイスとソフトウェアの組合せを. レンジなどの白物家電機器に対して. 画素数の違いなども適切なメディア. “サービス”と呼ぶ.Jini では,絶え. は,電灯線通信,Bluetooth,. 変換を行って,正しくメディアデー. ず変化する可能性のあるサービスを. HomePNA(Home Phone Network-. タが表示されるような機構が必要で. 統合的に管理し,柔軟な組合せ(連. ing Alliance),HomeRF(Home. ある.. 合)を可能にすることを目的として. 情報家電機器は,種類に応じて異 なるネットワークインタフェースを. Radio Frequency),赤外線などの. いる.. さまざまなネットワークインタフェ. Jini の実装は,Java2RMI の技術. ースなどが機種によって利用されて. をベースとしているため,動作環境. きている.このような下位レイヤの. としては,TCP/IP,Java2 以降のラ. ネットワークプロトコルの差異を吸. 情報家電機器をホームネットワー. 収し,アプリケーション開発が複雑. ク上で活用していくためには,前章. なネットワーク構成を意識せずに,. であげたさまざまな技術的課題が解. 行われるようにする必要がある.通. 決されなければ,従来の家電機器に. 分散されたサービスは,起動ある. 信ミドルウェアとして,アドレス変. 代って,“ケータイ”のように生活. いはネットワークに接続されると. 換,プロトコル変換,メッセージの. に密着した形での利用が促進される. Discovery と呼ばれるプロトコルに. 分割・組立てなどのヘテロジニアス. のは,難しい状況である.これら一. より,各サービスを管理する Look. ネットワーク構築を容易にする仕組. 般的な普及の鍵を握っているのが,. Up Service(LUS)を探す.この際. みを提供する必要がある.. 情報家電機器のためのミドルウェア. LUS のネットワークアドレスを知. である.ここでは,すでに発表され. らない場合は,. ンタイム環境が必要になっている. •. -1 のようにマルチ. キャストを用いて LUS を発見する. このマルチキャストによりディスカ バリが可能な範囲を djinn と呼ぶ. LUS を発見した後サービスは,自 分自身のメタ情報とオブジェクトを LUS. 登録(Register)する.サービスは, 登録後に自分が利用可能であること の確認とメタ情報の更新のために, サービス側が定期的に LUS に対し. Service. て,更新(LEASE)を行わなくては ならない.. 図-1 サービスが LUSにエントリする手順. IPSJ Magazine Vol.42 No.11 Nov. 2001. 3.
(4) 特集 家庭の情報化 •. に)存在しないかもしれないので,. JavaSpaces で提供しているオブジェ. 逆にサービスを利用したい側のク. その場合,TRANSITION という検. クトをすべて Take して消滅させて. ライアントは,LUS を発見した後,. 索の機能を用いる.LUS で発見さ. しまうものなどの悪意を持ったクラ. LUS に対して,ある一部のメタ情. れた時点でクライアントに通知,. イアントやサービスの出現を想定し. 報から,登録されたサービスを検索. あるいはサービスが消滅した時点. たセキュリティモデルを考慮する必. (Lookup)する.目的のサービスが. でクライアント通知といった登録. 要もある.. 検知できるとそのサービスのオブジ. が LUSに対して可能になる.. UPnP. ェクトをダウンロードし利用する. この際メタ情報は,ストリングだけ でなく,クラスの型でもかまわ. UPnP(Universal Plug and Play). • Jini は非常にシンプルで,応用範. は,家庭にあるコンピュータと家電. 囲の広いシステムである.だが逆. 機器との間での遠隔制御,自動制御,. に広く風呂敷を広げて何でもでき. 統合制御が,インターネットで標準. るようにみえる技術は,逆にいえ. 的に使用されるプロトコルを基本と. 遠隔制御を受け入れるサービス. ば,それがビジネスや実生活で利. して,仕様として定められたもので. は,LUS に登録するオブジェクト. 用するレベルまで各社で詳細な仕. ある.. として,プロキシ(正確には,RMI. 様を決めていかなければいけない. のスタブオブジェクト)を登録して. という課題が残っている.Jini は,. 普及活動が続けられている.Jini と. おく.クライアントは,そのプロキ. 特に Enterprise へのフォーカスが非. 異なり,プラットフォーム(IEEE. シをダウンロードしてサービスに対. 常に薄いといわれ,IBM が Jini に消. 1394,Java VM 等)への依存性がな. して遠隔メソッド呼び出しが可能に. 極的である要因の 1 つでもある.今. いことが特徴である.UPnP では,. なる.クライアント側に GUI を持. 後は,ERP や BPR を中心とした基. ビデオデッキ,テレビ,エアコン等,. -2 の順. 幹業務,広域分散なビジネスオブ. 制御される対象を「デバイス」と呼. 序でサービスの遠隔制御が可能に. ジェクトインタフェースの決定な. び,制御する主体を「制御ポイント」. なる.. どの課題が残る.これは,ホーム. と呼ぶ.UPnP は,デバイスと制御. ネットワークへの対応も同様であ. ポイントとの間のやりとりを規定す. り,各社で共通したインタフェー. る.正確には,デバイスは 1 個の物. スを解決しなければならない課題. 理的機器とする場合もあるし,1 個. 側で LUS から必要となるサービス. が残る.セキュリティについて,. の物理的機器の中の論理的機器であ. ない. •Jini. たせて実装させておけば,. •Jini 統合モデルの場合,クライアント. 現在,マイクロソフト社を中心に. をいったん Lookup してから,一連. Java2 のセキュリティモデル内で管. る場合もあるが,ここでは特に区別. の動作を行うことになる.しかし,. 理される.しかし,LUS に大量に. せず,デバイスとする.. もしもよりその複雑な手間を省きた. サービスを送りつけるアタック,. UPnP における情報機器の制御. いのであれば,Jini のアプリケーシ ョンの 1 つである JavaSpaces を用い ることができる.JavaSpaces を利用 することにより,完全に分散された サービス群があたかも 1 つのスペー. LUS. ス上にあるかのように扱うことがで きるため,統合プログラムが容易に なる. Service. •Jini. Client. 自動制御に関しては,基本的には, 遠隔制御と同様である.ただ,必要 とするサービスが現時点で(一時的. 4. 42巻11号 情報処理 2001年11月. 図-2 プロキシを利用した遠隔利用の手順.
(5) 特集 家庭の情報化 は,具体的には以下の 6 ステップか. 見のプロセスの結果,制御ポイント. に制御ポイントにイベントが通知さ. らなる.. には,デバイスやそのサービスのタ. れる.. (1)アドレシング(Addressing). イプやデバイスの詳細に関するポイ. (2)発見(Discovery). ンタ(URL)だけが渡される.. (3)記述(Decsription). 提示では,デバイスを制御したり,. (4)制御(Control). デバイスのステータスを監視したり 発見のプロセスで得られた URL. (5)イベント処理(Eventing) (6)提示(Presentation). は,XML 文書を指している.この. 以下,各々について説明する.. するための HTML ベースのユーザ インタフェースを提示する.. XML 文書には,デバイスの GUI, 制御コマンドのエントリ,イベント. 以上の制御ポイントとデバイスの. 処理等について記述されている.こ. 間でやりとりされるメッセージを. デバイス,制御ポイントといった. の記述(Description)では,制御ポ. ノード同士は,IP で接続される.. イントがデバイスからこの XML 文. そのため,各ノードには IP アドレ. 書を取得する.. -3に示す. •. スが割り当てられなければならな. UPnP で情報家電機器を制御する. い.UPnP では,AutoIP の技術を用. ためには,制御側および制御対象の. いて,各ノードに動的に IP アドレ スを割り当てられる.. 記述の結果,制御ポイントはデバ. 両方に,標準として TCP/IP および. イスにコマンドを送る方法を知り,. HTTP が実装されることが必要であ. 実際にコマンドを送って,制御. り,非常に小さい機能しか備えてい. する.. ない機器に対しては,機器のコスト. デバイスがネットワークに参入す. を大きく引き上げる要因となってし. ると,制御ポイントに対して,自分. まう.また,XML 文書でデバイス. が提供するサービスをアナウンスす. デバイスで発生した非同期のイベ. 情報が記述されるので,今後,異な. る.逆に,制御ポイントが新たにネ. ントを,制御ポイントで受け取るこ. るベンダの間で相互接続性を確保す. ットワークに参入すると,デバイス. とができる.制御ポイントが事前に. るためには,UPnP 用の XML 文書. の存在を問い合わせる.いずれの場. デバイスにイベント受け取り要求. のテンプレートが標準化されなけれ. 合にも,SSDP(Simple Service Dis-. (Subscription要求) を渡しておくと,. ばならない.今後,さらなる XML. covery Protocol)を用いる.この発. デバイスでイベントが発生したとき. レベルでの標準化が望まれる.. ECHONET ECHONET(Energy Conservation & Homecare Network)は,三 菱電機,松下電器産業,東芝,日立 製作所,シャープ,東京電力などの 日本企業が中心となって普及および 標準化を進めているホームネットワ ークの基盤技術である.. -4 に. ECHONET ミドルウェアの構成を Subscription. 示す.ECHONET は,家庭内にお ける標準的な設備系のホームネット ワークを構築するための通信レイヤ を規定し,それに基づく標準機器お よびシステムの開発と普及の促進を. 図-3 UPnPメッセージ. 目的としている.. IPSJ Magazine Vol.42 No.11 Nov. 2001. 5.
(6) 特集 家庭の情報化 下位通信レイヤには,電灯線,小. る ECHONET オブジェクトを操作. な連動先インスタンスを特定する. 電力無線,ツイストペア線,赤外線. する.基本 API は,他の機器の持つ. ことにより連動動作可能となる. などの下位通信プロトコルが数多く. オブジェクトに対してアクセスす. 場合.. 定義されている.TCP/IP にまった. るインタフェースとして提供され. く囚われない設備系のネットワーク. る.基本 APIを使用することにより,. れており,トリガとなるイベント. を対象としている点が特徴である.. 他の機器のオブジェクトに対して. が特定されれば連動動作可能とな. 中でも電灯線通信方式は,既設の電. オブジェクトサービスを要求した. る場合.またはイベントが特定さ. 灯線を通信に使用するために新たな. りその応答を受信したり,また一. れており,アクションが特定され. 配線工事を必要としない最も代表的. 方,他の機器から要求されたオブ. な ECHONET のプロトコルとして. ジェクトサービスを受け取り自身. ③トリガとなるイベントの特定と,. 知られている.そのプロトコル間を. の処理を行いその応答を送信する. アクションの特定がされれば連動. 単一のネットワークとして扱うため. ことができる.. 動作可能となる場合.. ②連動動作するアクションが特定さ. れば連動動作可能となる場合.. -5 は,③の場合の連動動作であ. のプロトコル差異吸収処理部があ る.上位レイヤであるアプリケーシ. •ECHONET. りイベント,アクションともに任意. ョンソフトウェアは,複雑なネット. に設定された連動情報(イベントと. ワーク構成を意識することなく,開. サービスミドルウェア API の 1 つ. アクションの組合せ)の関連に基づ. 発できる利点がある.プロトコル差. である連動サービスミドルウェア. き,イベントの発生が管理され,ア. 異吸収処理部で行うことは,アドレ. API を用いる.連動とは,一方の. クションの実行が指示される.図-5. ス変換,通信種別変換,メッセージ. ECHONET 機器の運転状態や,計. の左からの入力である連動情報は,. の分割・組立てなどのヘテロジニア. 測値が変化することにより,これ. イベント発生元,あるいは,アクシ. スのネットワークを構築する仕組み. に対応して他方の ECHONET 機器. ョン実行元,あるいは第 3 者のいず. を提供している.. の運転状態などが変化することで. れかに登録される.. 通信ミドルウェア層では,「機器. ある.以下の 3 種類の動作が想定で •. としての動作機能」を機器オブジェ. きる.. クトとしてその詳細を規定する.機. ①連動機能が具備(クラス,プロパ. 器オブジェクトは,機器相互で,通. ティが実装)されており,具体的. ECHONET では,機器オブジェ クトに関して,“冷凍冷蔵庫クラス”. 信を介しての制御や状態の確認を容 易とすることを目的とするものであ る.クラスグループとして,センサ 関連機器,空調関連機器,住宅・設 備関連機器,調理・家事関連機器, 健康関連機器,管理・操作関連機器 などがある.. API. OSI API. API. •ECHONET ECHONET での遠隔制御には,. ECHONET. 3 7. 基本 API を用いる.基本 API は, ECHONET 通信ミドルウェアの機 能を使用するための API である.ア. A. プリケーションソフトウェアの開発 者に,通信の手順や処理を意識させ. 1.2. B. C HBS. D. E. IrDA LonTalk Controll. ないインタフェースとすることに留 意し,他ノード上の機能の操作は, ECHOENT 通信ミドルウェアにあ. 6. 42巻11号 情報処理 2001年11月. 図-4 ECHONET の各レイヤ.
(7) 特集 家庭の情報化 から“風呂沸き上がりセンサクラス”. UPnP,ECHONETなどを例にとり,. にいたるまで詳細に規定され,実装. それぞれの概要と問題点について述. やアプリケーションの開発を行いや. べた.計算機業界からは,まだまだ. すい.そのことは逆に,進化の激し. 情報家電機器に対しミドルウェアレ. い情報家電機器やまったく未知のセ. ベルでのデファクト的なスタンダー. ンサやデバイスにいかに柔軟に対応. ドが生まれてきていない.いろいろ. するかが鍵である.また,下位通信. な情報家電機器が相互に制御可能と. レイヤでは,3 つの重要な課題が残. なるためにも,さらなる標準化が進. る.無線技術(IEEE802.11b や Blue-. むことを期待している.一方,ネッ. Tooth など)と IEEE1394,USB への. トワークに関しても,IEEE1394,. 互換性は,次世代のホームネットワ. HomePNA,電灯線,IrDA,. ークを考える上で切り離せない問題. Blootooth などさまざまなネットワ. である.第 2 に,電灯線の特性やノ. ークが利用されてきており,プロト. イズが家庭,地域,国ごとに異なる. コルの統合という面でも,大変難し. 中での信頼性のある高速な(広帯域. い状態といえる.従来からのインタ. な)電灯線通信は,急務であるとい. ーネットで利用されている IPv4 や. える.第 3 に,下位通信レイヤがさ. 新しい IPv6 を活用しようという試. まざまなネットワークに対応し,高. みも起きているが,プロトコル用の. 速になっていくことによって,各プ. コード量が大きく,メモリ容量の小. ロトコル間での QoS 保証が課題に. さい情報家電機器には,負荷が大き. なる.. い.IPv4 に関しては,iReady 社の. 1)Arnold, K. ed.: The Jini Specifications, Second Ed., Addison Wesley(2000) . 2)http://www.upnp.org/ 3)http://www.echonoet.gr.jp/ 4)Weiser, M.: The Computer for the Twnetyfirst Century, Scientific American, 265, 3, pp.94-104(1991)E. 5)Banavar, G. et al.: Challenges: Application Model for Pervasive Computing, Proc. of 6th International Conf. on Mobile Computing and Networking, pp.266-274 (2000) . 6)Brumitt, B. et al.: Easyliving: Technologies for intelligent Environments, Proc. of 2nd International Symp. of Handeld and Ubiquitous Computing, pp.12-27(2000) . 7)http://www.cooltown.hp.com/ (平成13 年10 月3 日受付). チップで実装された IPv4 が,IT 電 子ポットなどで実用化されている が,より一層の普及が期待される. 本稿では,ソフトウェア・アプロ ーチとしての情報家電機器のための ミドルウェアにおける技術的な課題 について整理し,実際の Jini,. 1. 1. 1. 1 1 1. 1 on. 2. 1. 1 on 1 1. on. 1. 図-5 連動サービスミドルウェアの利用. IPSJ Magazine Vol.42 No.11 Nov. 2001. 7.
(8) 特集 家庭の情報化. 8. 42巻11号 情報処理 2001年11月.
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