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自己志向的完全主義とソーシャルサポートおよび育児ストレスの関連

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Academic year: 2021

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(1)自己志向的完全主義とソーシャルサポートおよび育児ストレスの関連 学校教育学専攻 臨床心理学コース. M09071A 安井芙美.         問題と目的.           方法.  子どもを育てるということは、心理的・身体的. 1.調査対象:A市主催の乳幼児健康診断(1歳6. に負担がかかるものである。服部・原口ヨ(1991)は. か月児、3歳児)に参加した養育者に質問紙を配布. 母親の傾向として、育児熱心は育児不安と容易に. し、124名(72.9%)から回答を得た。この内、無回. 連動しやすいものであると述べており、完全主義. 答頃日が著しく多かった6名を除外し、118名. と育児ストレス・育児不安は関連があるといえる。. (69.4%)が分析の対象となった。女性117名、男. 完全主義の概念として、自己に完全性を求める自. 性1名。平均年齢S2.8歳(般3,9)。. 己志向的完全主義があり、完全主義の基本的な性. 2 調査期間 平成22年6月、8月、1O月。. 質をあらわす「完全欲求」、自分に対し高い目標. 3.調査方法=事前に各家庭に郵送される健康診. を課すr高目標設定」、自らの課題のできぱえに. 断の問診票に質問紙を同封し、回収は各会場で打. 対して常に漠然とした不安をもつr行動疑念」、. つだ。. 失敗を過度に恐れる「失敗過敏」の4つの下位尺. 4.質問紙の内容:①自己志向的完全主義尺度:「新. 度に分かれる(桜井・大谷,1997)。三重野・濱口. 完全主義尺度(20項目、6件法)」(桜井・大谷,1997). (2005)は自己志向的完全主義がほとんどの育児. を用いた。②育児サポート尺度:細野(2004)、久. ストレスに影響を及ぼすと述べている。. 保(2001)等を参考に作成した。全11項目、4件法。.  また、育児ストレスを軽減するものとしてソー. サポート源は、家族、友人、専門家。サポートの. シャルサポートを挙げることができ、これまで多. 種類は、情緒、情報、道具的サポート。③育児ス. くの研究がなされている(住田,1999等)。近年ソ. トレス尺度:清水・西田(1999)を参考に作成した。. ーシャルサポートの効果についても、受け手のパ. 全14項目、5件法。. ーソナリティを考慮する必要性が指摘されてい.           結果. る(荒牧・無藤,2008等)。長沼・浦(2005)は自.  育児ストレスを従属変数とする自己志向的完. 己志向的完全主義に焦点を当て、育児ストレスと. 全主義(高低)と育児サポート(高低)の2要因分散. rがんばらなくてもいいよ」という受容的サポー. 分析の結果、5点において交互作用がみられた。1. トとの関連を検討した。その結果、行動疑念傾向. 点目に、失敗過敏と家族からの情報的サポートに. や失敗過敏傾向が高い母親は受容的サポートを. おいて有意な交互作用がみられた. 多く受けても育児ストレスは高いままであった。. (亙1,105)=5.27,〆.05)。単純主効果の検定の結果、. この研究では受容的サポートについて検討され. 家族からの情報的サポート高群において、失敗過. ているが、今まで研究されてきた、情緒的・情報. 敏島群の方が低群よりも有意に高い育児ストレ. 的一・道具的サポートについては、完全主義や育児. ス得点を示した(皿1,105)=8.38,ρく.01)。2点目に、. ストレスとの関連が明らかにされていない。よっ. 失敗過敏と家族からの情緒的サポートにおいて. て、本研究においては、自己志向的完全主義と情. .交互作用の傾向がみられた(河1,107)=3.11,〆.10)。. 緒・情報・道具的サポートおよび育児ストレスの. 単純主効果の検定の結果、家族からの情緒的サポ. 関連を検討することを目的とする。. ート高群において、失敗過敏島群の方が低群より. 一!42一.

(2) も有意に高い育児ストレス得点を示した. いては2時点において育児ストレスの変化を検討. (凪1,107)=3.96,〆.05)。3点目に、失敗過敏と友. していないため、r道具的サポートにより、育児. 人からの道具的サポートにおいて有意な交互作. ストレスが軽減する」ということは明らかにされ. 用がみられた(河1,107)=5.15,ρく.05)。単純主効果. なかったが、道具的サポートが失敗過敏島群に対. の検定の結果、失敗過敏島群において、友人から. しストレス軽減効果をもつ可能性を考えること. の道具的サポート高群の方が低群よりも有意に. ができる。失敗過敏傾向が高い親に対しては、他. 低い育児ストレス得点を示した. 者が本人に代わり対処行動をとり問題を解決す. (亙1,107):5.09,ρく.05)。4点目に、失敗過敏と友. るサポートが効果的であると考える。. 人からの情報的サポートにおいて交互作用の傾.  また、失敗過敏傾向が高い人は低い人よりも、. 向がみられた(亙1,108)=3,77,ρく.10)。単純主効果. 友人からの情報的サポートをあまり受けていな. の検定の結果、友人からの情報的サポート低群に. いと認識している場合において育児ストレスが. おいて、失敗過敏島群の方が低群よりも有意に高. 高い。失敗過敏傾向が高い人は、「ささいな失敗. い育児ストレス得点を示した. についても過度に気にし、失敗を恐れる」という. (凪1,108)=6.73,〆.05)。5点目に、行動疑念と友. 特徴を持っており、この傾向が高い人は小さなス. 人からの情緒的サポートにおいて交互作用の傾. トレッサーに対しても脅威を感じるだろう。この. 向がみられた(河1,106)=3.36,ρく.10)。単純主効果. 傾向が高い人が、情報的サポートをあまり受けて. の検定の結果、友人からの情緒的サポート低群に. いないと認識している場合、ストレッサーへの脅. おいて、行動疑念高群の方が低群よりも有意に高. 威は育児ストレスにつながりやすいと考えるこ. い育児ストレス得点を示した. とができる。また行動疑念傾向が高い人は、友人. (次1,106)=14.11,ρく.01)。. からの情緒的サポートをあまり受け取っていな.  また、専門家からのサポートと自己志向的完全. いと認識している場合、行動疑念傾向が低い人に. 主義においては、交互作用はみられなかった。. 比べ育児ストレスが高い。認知的評価・対処理論.           考察. によれば、対処段階において何らかの対処行動を.  家族からの情報的サポートや情緒的サポート. した場合、その行動が問題を解決できていると感. を多く受けていると認識していても、失敗過敏傾. じることができた場合にストレス反応にっなが. 向が高いとその傾向が低い親よりもストレスが. りにくいが、とった行動が問題を解決できていな. 高いことが示された。失敗過敏とは失敗を過度に. いと感じた場合にストレス反応につながりやす. 恐れること(桜井・大谷,1997)であるが、情報的. い。行動疑念は、自分の行動に対して常に漠然と. サポートや情緒的サポートは、援助を必要として. した不安をもつことであり(桜井ら,1997)、自分. いる人に代わり問題を解決するものではなく、実. のとった対処行動に不安を抱きやすい。そのため、. 際に問題を解決するのはその本人である。そのた. 友人からの情緒的サボ』トが少ないと認識して. め、失敗過敏が高い親は家族から情報的サポート. いれば、行動疑念傾向が低い人よりも育児ストレ. や情緒的サボ]トを受けていると認識していて. スが高い状態になると考えることができる。. も、失敗に対する恐れは消えず気にしてしまうた.  今後の課題として、自己志向的完全主義の4つ. め、育児ストレスが高いと考えることができる。. の下位尺度内の関連についても明らかにし、4下.  また、失敗過敏傾向が高い親でも、友人から道. 位尺度がどのような関係にあるのかも考慮して. 具的サポートを多く受けていると認識している 人は、少ないと認識している人よりも育児ストレ. いく必要がある。.         主任指導教員  有園博子. スが低い状態にあることが示された。本研究にお. 一143一. 指導教員    岡村寿代.

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