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生命の記憶

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Academic year: 2021

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 最近いろいろなメディアで、環境問題が多く取り上げられるようになり、私も少なからず関心を持つようになった。 しかし、いろいろなことが言われている中で、何が正しいのか、どうすればよいのかがよくわからない。だから私は ここで、環境問題について何か発言しようとしているのではない。ただ自然を破壊し続ける人間に対し、「人工」の 対義語である「自然」に、よりいっそうの興味と敬意を抱くようになった。  ここでいう記憶とは、いわゆる我々が生きて経験してきたことを覚えているという、個人の記憶のことではなく、 生命体の遺伝子に刻まれ、世代を越えて伝わっていく、自然環境に適応し生きていくための情報のことだ。私はその 「生命の記憶」とでも呼ぶものに、ただただ自然の神秘と偉大さを感じずにはいられない。  ここで紹介するのは、花(椿)をモチーフに、DNAに刻まれた情報が宿る象徴的な部分として、雌しべ、雄しべ のクローズアップを描いた作品と、原生林を取材した中から、循環を繰り返す生態系の象徴としての森と、その樹木 を描いたものである。  岩絵具を使った日本画や木版画で表現しているのは、実際触れることのできない自然そのもの(生態系のシステム) に、少しでも手で触れるような感触を得たいとの想いから、素材(絵具)の物質感にこだわったためだ。

生命の記憶

Memory of Life

渡辺直彦

Naohiko Watanabe

生命の記憶Ⅰ 2008年 麻紙、岩絵具 116.7×116.7cm 生命の記憶Ⅱ 2008年 麻紙、岩絵具 116.7×116.7cm

(2)

生命の記憶Ⅲ 2008年 麻紙、岩絵具 116.7×116.7cm 生命の記憶Ⅳ 2008年 麻紙、岩絵具 116.7×116.7cm

(3)

生命の記憶 生命の記憶Ⅴ 2008年 麻紙、岩絵具 116.7×116.7cm 生命の記憶Ⅵ

(4)

生命の記憶Ⅶ 2008年 麻紙、岩絵具 116.7×116.7cm 生命の記憶Ⅷ 2008年 麻紙、岩絵具 116.7×116.7cm

(5)

生命の記憶

森の記憶Ⅰ 2008年 麻紙、岩絵具 90×180cm

(6)

森の記憶Ⅲ 2008年 麻紙、岩絵具 90×180cm

森の記憶Ⅳ 2008年 麻紙、岩絵具 90×180cm

(7)

生命の記憶 声が聞きたい 2005年 木版画 62×89cm 心の拠り所 2005年 木版画 62×89cm 沈黙 2006年 木版画 62×89cm 安らぎを求めて 2005年 木版画 62×89cm 強さと弱さ 2005年 木版画 62×89cm 再びここに来た 2006年 木版画 62×89cm

参照

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