JAIST Repository: Cat-CVDにおけるガス分解反応を利用したシリコン酸化膜低温形成
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(2) Cat-CVD におけるガス分解反応を利用したシリコン酸化膜低温形成. 曽原 聰. (松村研究室). [はじめに]ULSI. の主要構成要素である MOSFET の微細化、高集積化の進展にともない、ゲート 絶縁膜である SiO2 膜の薄膜化が進んでいる。従来は SiO2 膜の形成には、酸素雰囲気中の高温熱酸 化が用いられてきた。しかし、薄膜化を図ることにより、デバイス作製中の 800 ℃以上の高温プ ロセスにおける酸化膜中への不純物拡散の増大や、大口径ウエハーにおける熱歪みなどの問題が 無視できなくなっており、低温で良好な特性を有する SiO2 膜形成法の開発が望まれている。そこ で本研究では触媒 CVD(Cat-CVD) 法という新しい薄膜堆積法におけるガス分解反応を利用した Si 表面の低温直接酸化による SiO2 の形成の提案を行なっている。本研究は、同手法による SiO2 膜の形成および酸化機構の検討、さらにその電気的評価を行ない、本手法による SiO2 膜のデバイ ス応用の可能性を検討することを目的としている。 [実験] 原料ガスに H2 と He 希釈 O2 を用い、触媒体での接触分解反応により生成した酸化種によっ て Si 基板表面の直接酸化を行なった。膜厚は AlK 線を励起光源とした ex-situ XPS 法により測 定を行なった。電気的特性の評価は、ゲート電極としてハードマスクを用い、アルミニウムを真 空蒸着によって形成した MOS キャパシタにより行なった。 [結果] 図 1 に Si(2p) の XPS スペクトルを示す。(a) が本手法により酸化処理をしたもの、(b) が 酸化未処理のものである。酸化条件は処理 1 時間で、基板表面温度は熱電対により 220 ℃前後と 測定されている。酸化処理したものは酸化未処理には見られない Si-O の結合に起因した化学シフ ト成分が高結合エネルギー側に観測されていることが見い出せる。これにより、基板温度 300 ℃ 以下の低温においても 1 時間の処理により SiO2 膜が形成されていることが明らかである。また、 ピーク面積強度比からこの SiO2 膜の膜厚を見積もると 4.16 nm となる。図 2 に本手法によって 得られた膜厚 3.36 nm の SiO2 膜の J-E(電流密度-電界) 特性を示す。図には 2.9 nm とほぼ同膜 厚の熱酸化の結果1 も併せて示す。これより本手法による SiO2 膜は 1MV/cm 時のリーク電流量が 1009 A/cm2 台、絶縁耐圧が 8.4MV/cm と熱酸化膜と同等の良好な特性を有しているといえる。 [まとめ] 触媒 CVD 法におけるガス分解反応を利用することで基板温度 300 ℃以下で Si 基板の直 接酸化に成功した。本手法により作製した SiO2 膜の J-E 特性は同程度の膜厚の熱酸化膜と同等の 特性を有することが明らかとなった。これにより形成温度が一般的な熱酸化に比べ極めて低温で あるにも関わらず、良好な絶縁性を有することから本手法の低温プロセスとしての可能性を明ら かとした。. 図 1: Si(2p) の XPS スペクトル. keywords. 図 2: シリコン酸化膜の J-E 特性. Cat-CVD, 直接酸化, SiO2 , 熱酸化膜, 低温形成. Copyright c 1999 by Satoshi Sohara. 1 Kiran Kumar., et al., Appl. Phys. Lett. 70(3),20 January 1997 384-386.
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