米の炊飯特性に関する研究 ; 13 : 米粒の組織について
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(2) 174. 米 の炊飯特性 に関する研究 (第 13報 ). い っぽ う炊飯米 ,蒸 米 に つ いて 斉藤 らは澱粉細胞組織 の配列 と米飯 の物 理 性 との関係 につ いて 研究 をお こな い,炊 飯米 ,蒸 米 ともに外 側部 で は細胞膜 はほ とん ど崩壊 し,中 心部で は末崩壊組 織 の残存 が認 め られ ,こ の傾 向 は新 米 よ り古米 において 顕著 で あ ると報告 して い る。 近藤 らは,炊 飯 過程 にお け る米粒細胞 と糊化膨潤 につ いて 研究 をお こない. ,. 加 熱 に伴 い しだ いに外 周部 か ら中心部 に糊化膨潤 し,加 熱40分 後 に完全 に多 角形 澱粉細胞 が消失 して 糊化膨潤 が完 了す る と報告 してい る。 筆者 らは これ まで炊飯米 ,蒸 米 ,乾 燥米 な どについ て,酵 素 剤を添加す る こ とによ り米 の C00king qualityを 改善 し うるとい う意 図 の もとに,酵 素 処理 条件 ,酵 素処 理 効果 な どに ついて 消化性 ,物 理 的性状 の点 か ら検討 して 報告 した。 その結 果 ,酵 素剤 を添加 して 炊飯 した場合 ,無 添加炊飯 の ものに比 較 して 膨張容 積 が認 め られ た。 また消化性 につい て も酵 素添 加炊飯米 ,酵 素 処理 も ど し米 ,蒸 米 は ともに良好 で あ った。 さ らに,こ れ ら炊飯米 ,酵 素処 理 乾燥 米 もど し米 を低 温貯蔵. (5°. C)し た場合 ,酵 素添加 が老化 になん らか の形 で. 役立 つ よ うで あ る。 また米粒組織 におよ ぼす酵 素 処理 によ る影 響 は,米 粒 内 層部 よ り外層部 においてその効果 が認 め られ た。粘棚性 につ いて は,乾 燥 米 を もど した もど し米 につい て,静 的,動 的粘稲性 測定法 によ り酵素処 理 もど し米 は無処 理 の ものに比 較 して 高 い変形率 を 示 し,や わ らか く粘性 が大 きい 13)14). 傾向がみ られ,物 理 的性状 の うえで も良好で あった。. 以上の ごと く,酵 素処理 による物理,化 学的効果 について さらに解明す る ため,米 粒細胞組織 と酵素処理 との関連について顕微化学的 に検討 したので 予報 として報告す る。. 実. 1試 (J. 料 原. 料. 米. 験. 之. 部.
(3) 豊島治男 0奥 田和子. 昭和46年 産歩留 90%内 地米 を用 いた。 佗)酵 1素. 1酵 素剤 は i. 剤. Cellulase“. 使 用 した。. ONOZUKAl'`. 175. i =1. (近 畿 ヤ ク/L/卜 製造株式会 社製 品 )を. ´. ■. :こ れ は,糸 状菌 の一 種 で あ る TrichOderma virideを 培養 して得 られ る 繊維素分解酵素 を主 体 と した。 もので あ:り ,i植 物性食品の細胞膜 を分解 す る作 用 を 有 して い る。. 2. 実験 方 法 …. (1)蒸 米 の調製. 精 白米 10gを 100ml容 ビニ カーに秤取 し,米 重量 に対 して0.1%め 酵素剤. ,. 水 120%を 加 え, 15分 , 15時 間浸漬 した。無添加 の もの もあわせて同時 にお こな った。 この 浸漬米 を金網上 に並 べ蒸器 で40分 間蒸煮 した。室温 に 2∼ 3 時間放 置後 ,直 ち にパ ラフ イ ン中 に封入供試 した。. (2)観 察切片 の調製 .蒸. 米試料をパ ラフインに包埋 し,縦 軸に直角 に ミクロ トームにて厚 さ10mμ. の切片を作 り,伸 展後キ シレンにて脱ろうし,染 色液にて染色後,過 剰の染 色液を除去 し,カ ナダバルサムで封 じ;そ のまま直ちに検鏡に供 した。 (31 染. 色. 法. ライ トグ リー ン液. 1%水 溶液 中 にて約 5∼ 10分 間染色後 ,水 洗す る。. (4)切 片 の観察 600倍 にて検鏡 し, 直 ち に顕微鏡写真を撮影 し,そ の状態を比較 検討 した。 なお,撮 影 は図 に示す位置 について お こな った。. 600イ 名 l.
(4) 176. 米の炊飯特性 に関する研究 (第 13報 ). 3結. 果. これ まで の研究経 過 か ら Cellulase処 理 が米粒組織 の崩壊作 用 を伴 うこ と に か ら,細 胞壁 や細胞間物質 に及 ぼす影響 を知 るため主 と して細胞膜 を中心 ペ ンで 中層 とも 検鏡 した。一般 に種子 の胚乳組織 の細胞膜 は,第 一層 が クチ よばれ る細胞 を 隔 て る薄膜 よ りな り,そ の 内側 が第 二 層 (一 次膜 ), さ らに ヘ ミセル ロー スか らな 内側 が第二層 (二 次膜 )で , これ らは セル ロー ス, 15). る。. セ ル ロー ス膜 の染色 法 と して ライ トク リー ンを 使 用 した。 これ は細胞質 や セル ロー ス膜 を緑色 に染 め る。 その結果 は Fig.1∼ す。. (Fig。. 4,Fig.lE∼ 4Eに 示. 1∼ 4無 処 理 ,Fig。 lE∼ 4E酵 素処 理 ). 要. 約. こ 細胞膜 を染色す る染色 法 によ って,蒸 米 の切 片 について 顕微鏡観 察 をお な い,酵 素処 理 ,無 処 理 米 の細胞膜 の状 態を比較検討 した。 その結果細胞膜 の崩壊 は,酵 素処 理 した蒸米 の方 が,無 処 理 の蒸米 よ り変形 ,切 断 の部分 が. 多い様に思われる。なお今後各種の染色法によって,更 にくわしい検討を加 え る予 定 で あ る。 顕 微 鏡 写 真 に つ いて ,有 益 な 御 助 言 を賜 った神 戸 大学 教 授 藤 原 悠 紀雄 博士 に 深 謝 い た します 。. 文. 献. 1)星 川清親 :日 本作物学会紀事 36 151∼ 407(1967) 2)星 川清親 :日 本作物学会紀事 37 87∼ 106,207∼ 215(1968) 3)江 幡守衛,長 戸一雄 :日 本作物学会紀事 29 93∼ 96(1960) 4)木 戸三夫,梁 取昭三 :日 本作物学会紀事 34 204∼ 209(1965) 5)満 田久輝,村 上和雄 :植 物生理 8 1∼ 5(1969) 6)長 戸一雄,河 野恭広 :日 本作物学会紀事 32 181∼ 184(1963).
(5) 豊 島治男・ 奥 田和子. Fig.2. Fig。. 2E.
(6) 米 の炊飯特性 に関す る研究 (第 13報 ) Fig。 3. Fig。. 3E. Fig。. Fig。. 4. 4E.
(7) 豊島治男・奥 田和子. 7)長 戸一雄 ,河 野恭広 :日 本作物学会紀事 37 76∼ 80(1968) 8)反 田嘉博 :日 本作物学会紀事 31 167∼ 170(1962) 9)反 田嘉博 :37 200∼ 209(1968) 10)斎 藤昭三 ,馬 場操,佐 藤 ヨシイ :新 潟食糧研究所報告 1∼ 41(1964) 11)近 藤 日出男 ,岡 崎正一 :日 本作物学会紀事 36 138∼ 144(1967) 12)豊 島治男 ,奥 田和子,堀 千恵子 :調 理科学 3 20∼ 24(1970) 13)豊 島治男,奥 田和子 :甲 南女子大学研究紀要 7 183∼ 189(1971) 14)豊 島治男 ,奥 田和子 :甲 南家政 6 1∼ 10(1971) 15)木 島正夫 :植 物形態学の実験 法 67 広川書店 (1971). 179.
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図
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