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大学サッカー競技における集団凝集性と集団効力感,ライフスキルとの関連性について

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Academic year: 2021

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(1)大学サッカー競技における 集団凝集性・集団効力感とライフスキルとの関連性の検討           兵庫教育大学大学院. 学校教育研究科教育内容方法開発専攻                 持田和明 フスキルの個人的なスキルについても,学業を 本業とする大学生とアスリートとしての立場を 両立させながら,積極的にチームに関与してい くことや,試合に出場できない等自分自身が苦 境に立たされていても,忍耐強くチームのため に全力を尽くして行動する基盤となるスキルで あることが考えられる1.          はじめに.  集団スポーツにおいて,チームのまとまりと 競技成績は深く関係性のあるものだと考えられ ている(本問ら,2004).そこで,チームのまと. まりという視点から本研究において,2つの変 数に着目した.先行研究(阿江,1985)によって,.  これらのことから,選手個々のライフスキル. チームパフォーマンスと関連性のあることが示. が集団凝集性・集団効力感を高めるための1つ. されているrまとまりの程度」を認識する変数. の方法と仮説を立て,ライフスキルと集団凝集. である集団凝集性、そして,パフォーマンスを. 性・集団効力感の3者間の関連性を検証するこ. 高める要素の1つであることが示唆されている. とを本研究の目的とした.. (河津,2010)「集団に属するメンバーが共有す. る信念」(Bandura,1997)を指す集団効力感で. ある.この両概念は,パフォーマンスに影響を 与えているだけでなく,両概念同士が密接な正        1一一〇カ■ ライフス年ル. の相関があることが明らかになっている.        ■■m■. (Heuze,2006).このことから,近年の研究で. ●■■ ■●I■■カ■・□㎜●口研ル目. は,これら2つの概念を用いて集団スポーツに ついての研究が進められている.. 1.調査対象と調査時期.  では,これら2つの変数を高めるためのキー ワードとして,本研究では,個人の心理社会的 能力であり,r日常生活で生じるさまざまな問題 や要求に対して,建設的かつ効果的に対処する. 調査対象:関西学生サッカーリーグ1部に所属. するA大学を対象として,その男子部員57名 (平均年齢19.8土0.9歳). ために必要な能力」(WH0.1997)と定義される 「ライフスキル」に着目した.その理由は,チ ームそのものは個々の集合体であり,集団凝集. 調査時期:2012年5月,2012年9月 2.調査内容. 性や集団効力感を規定するものの1つは,構成 員個々の能力であると考えたためである.その. (1)集団凝集性.  阿江(1986)が作成した集団凝集性尺度を用. ライフスキルの構成に関して,島本・石井(2006). は,大学生全般に求められるライフスキルを対. いた、本尺度は,19項目,5因子(メンバーへ. 人的なスキル(親和性,リーダーシップ,感受性,. の親密さ,チームワーク,魅力,価値の認めら. 対人マナー)と個人的なスキル(計画性,情報要 約力,自尊心,前向きな思考)の2つに大別して. れた役割、目標への準備)からなる. (2)集団効力感. いる..  芹澤ら(2008)が作成した高校運動部員版集.  また,ライフスキルにおける主要な側面であ るコミュニケーションスキルと集団効力感との 間には,正の相関関係が認められることが明ら. 団効力感尺度を用いた.12項目3因子(能力発 揮、協力体制、準備態勢)からなる、. かにされている(芹澤ら,2008),さらに,ライ i.

(2) (3)ライフスキル. チームに所属する選手個々の「コミュニケーシ.  島本ほか(印刷中)が作成した大学生アスリ. ョン」「感謝する心」の両スキルとの間に正の. ート用ライフスキル評価尺度を用いた.本尺度. 関連性があることが示唆された.. は,40項目10因子(目標設定・コミュニケー ション・ストレスマネジメント・体調管理・最.  また,縦断データによる重回帰分析の結果,. 善の努力・礼儀、マナー・責任ある行動・考え. が両変数に正の影響を与えていた.このことか. る力・謙虚な心・感謝する心)からなる.. ら,チームに所属する選手個々のrコミュニケ. 効力感・凝集性ともに「コミュニケーション」. ーション」スキルが上がると,集団効力感,集 3.分析方法. 団凝集性が上がるのではないかと示唆される.. (1)既存尺度の信頼性の検証. また,同様に,縦断データによる重回帰分析の.  信頼性(内的一貫性,安定性)を検討するため. 結果,r感謝の心」が「コミュニケーション」. に,両時点における各々の尺度の内的一貫性を. に正の影響を与えていた.このことから,「コ. 表すα係数を算出した(ライフスキルは各下位. ミュニケーション」を高めるためには「感謝す. 尺度).安定性については,1時点目(2012年5. る心」を高める必要があることが推測される.. 月),2時点目(2012年9月)の同一変数間の相.  (図2).. 関係数(再検査信頼性係数)を算出した. (2)横断データ,縦断データを用いた変数間の. 関連性の検討  変数間の関連性を検討するため,まず,横断.  ・・州・           !. 懸w舳一一〉・は星ケージ”. データをもとに各尺度間の相関分析を実施し. q.             、. た.また,変数間の関係を厳密に検討するため,. ■山11進1世. ■固舳カ業. 藺, 分析畿果. 1時点目のライフスキル下位因子を独立変数,. 2時点目の集団凝集性,集団効力感それぞれを.          考察  経験的に,感謝の一言を伝えるか否かによっ てその後のコミュニケーションの円滑さが変化. 従属変数とする重回帰分析(ステップワイズ. 法)を行った.なお,分析にはIBM SPSS Statistics20.0を用いた.. することもあるだろう、このことからも,「感謝 する心」がコミュニケーションに正の影響を与 えるのではないかと考える.  その「コミュニケーション」スキルが集団凝 集性,集団効力感に正の影響を与えていること が示された.集団効力感に限って言及すると, 芹澤ら(2008)の知見と同様の結果を示している、 このように示された要因としては,調査対象ク ラブがチーム全体のコミュニケーションの活性 化を重要視した「ファミリー制度」という活動 を行なっているためではないかと推測する.  また,両スキルが凝集性、効力感に正の影響 を与えているからこそ,横断データにおいても 凝集性,効力感と「感謝する心」「コミュニケー ション」の両スキルの間には正の関連性がある ことが示されたのではないかと推測される. 主任指導教員 永木耕介/指導教員 島本好平.          結果 (1)既存尺度の信頼性の検証.  α係数においては,全体的には基準値であ る.70を上回る値であった.再検査信頼性係数 では各側面ともに,その値は概ね.40以上であ った、この結果から,各尺度の信頼性は概ね確 保されていることが確認された. (2)変数間の関連性の検討.  集団凝集性,集団効力感とライフスキル各下 位尺度との相関分析における結果では,「コミ ュニケーション」「感謝する心」の両スキル が.50以上の中程度の正の相関関係を示した.. また,2時点目の調査においても,同様の結果 が得られた.このことから,集団のまとまりと ii.

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