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母親の育児ストレスに関する研究

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(1)平成7年度 学位論文. 母親の育児ストレスに関する研究. 兵庫教育大学 大学院. 学校教育研究科 幼児教育専攻. M94256B 大原 澄枝.

(2) 目次 1.問題と目的 1 問題一一一一一一…一一一…一一一一…一一…一一一…一一一一…一…一一一…一一一一一一一一一一一一…1. 2 母親の育児困難に関する先行研究…一一一…一一一一一一一…一一一…一一一…一一 2 3 ストレスの心理学的概念一一一一一…一一……一一一一一……一一一一…一…一一一一 6 4 育児ストレスの認知的評価モデル…一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一…9 5 本研究の目的…一一一一…一一一一一一・一一…一一一一一一一一………一一一一…一一一…一一…一一一10. 11.調査 1 目的一一一…一一一一一一一一一…一一一…一…………一…一一…一一・一…一一一一……一一一一一一一・15 2 方法一一…一一一一一一…一…一一一一一…一一”’’”一Lt一一’ ”,一一一一一’一一一一『”曹“一一一一一一一一e一一一一…15. (1)調査対象 (2)調査材料 (3)実施方法 (4)分析対象 (5)分析方法 3. 糸島果 一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 19. (1)子ども関連育児ストレス尺度の作成について (2)母親関連育児ストレス尺度の作成について (3)ストレス反応尺度の作成について (4)育児ストレスにおける認知的評価モデルの検討 (5)母親のデモグラフィック要因との関連の検討 4 考察…一一一一…一一…一一一一一一…一一一一一…一一一一一一一一一一一一……一……一一一一一一一一一…42. (1)育児ストレスにおける認知的評価モデルについて (2)母親のデモグラフィック要因との関連について. m.総合考察 1 母親の育児ストレスと精神健康に関連する要因について一一一一48 2 母親の育児ストレスに関する提言一一一一一一一…一一一…一一一一一一一……一…49 3 今後の課題・一一…一一一一………一一…一一一一…一一一…一…一一一……一一一…一一一一一・51. (1)尺度における問題点 (2)育児ストレスにおける認知的評価モデルの課題 IV.要約一一……一一一一一一……一一一一…一…一一一…一…一…一一一…一一………一…一……一一一・53. 引用文献/参考文献……一一一一一一一一一…一一一…一一一一…一一一一『一一一一一nv”一一一一一一一一一t一一一一一一一一’56. APPENDIX.

(3) 1.問題と目的 1 問題 1970年代頃から育児に悩む母親の存在や育児期の母親の精神不安定な状態を 指すのに“育児ノイローゼ”という語が使われ始めた。この用語が使われるよ うになった背景には、子育て中の母親が子どもを道ずれに自殺する、いわゆる “母子心中”という現象や“子捨て・子殺し”という現象が社会的に注目され るようになったことにある。母子心中という現象自体は、それ以前にも起こっ ていたものであるが、佐々木・高野・大日向・神馬・芹沢(1982)によると、. 現在の母子心中の最頻パターンは、20歳代後半から30歳代前半の若い母親が育 児の悩みや不安を直接的動機として子どもを道連れに死を選ぶというものであ るという。また、近年、母親による子どもの“虐待”という問題も社会的な問 題となってきている。. 児童虐待(child abuse)の問題は、欧米において特に、1970年代から社会問 題となり、急激に精力的な援助活動や研究が進められてきている(A.W.フラ ンクリン,1981)。しかし、わが国では、1980年代前後に、子どもの問題を扱 う関係諸機関が、徐々に問題にし始めたばかりである。というのも、わが国に おいては児童虐待が存在していても、それを発見することも援助することも難 しいとされていたからである(池田,1987)。このような状況の中で、近年、母. 親の育児不安や児童虐待の悩みにこたえる、ホットラインが「児童虐待防止協 会」や「子どもの虐待防止センター」によって大阪、東京に開設された。それ によると、大阪の「児童虐待防止協会」では、開設時より4年間(1990∼1993) で全相談件数は5,808件にのぼり、1993年度の報告において、相談者は、80%が. 20歳代から30歳代の実の母親であり、虐待相談の被虐待児の年齢は、2∼3歳 が3割強で最も多く、5歳以下の子どもが約7割を占めているという。また、 東京の「子どもの虐待防止センター」では、開設時(1991)からの1年間で受 けた相談件数は1,760件にのぼり、その中で虐待に関わる相談内容は6割を越え、. 相談者の83%が実の母親であり、虐待児は5歳以下の子どもが6割を占めてい るという報告をしている。. 一1一.

(4) 母親の精神障害の問題として、よく取り扱われてきたものに、いわゆるマタ. ニティー・ブルーズといわれる症状がある。この症状は、産後3日から2週間 ほどの間に発生する一過性の情緒的混乱の症状で、抑うつ、泣き、頭痛、錯乱、. 焦燥感、不眠、離人感などを主症状とする一連の症候群が現れるものである。 そして、このような精神症状を50∼70%の女性が産褥期に経験するといわれて いる(Brocking七〇n,1.F.,&Kumar, R.,1982、我部山・成田・本多・岡崎,. 1985、池本・飯田・菊池ら,1986)。妊娠・出産期に現れる精神障害の解明の ために、青木・北村・島・菅原(1989)は、首都圏内の総合病院において、妊 婦1,320名に対して調査(ベビー・ブルース・プロジェクトと称される)を行っ ている。その調査において、妊娠中に抑うっ状態を呈した母親から出生した子 どもは、健康な母親から出生した子どもに比べ、外界からの視聴覚的刺激に対 する反応性や活発さなどの対人的相互作用能力に関係する行動において脆弱で ある傾向がみられ、また、出産後に抑うつ状態を呈した場合、母親は子どもに 対する興味が希薄になりやすいこと、育児に対して否定的になりやすいことな どが指摘されている。. 母親の精神状態が様々なレベルで母子相互作用を損なうことは、どの育児期 においても同様に考えられることである。母親の悩みや不安が高じ、精神健康 を害した結果の子どもへの影響は想像に難くないことであろう。ここに、育児. 期の母親の精神健康と育児を困難にしている原因の関連を明らかにする必要性 を見出した。. 2 母親の育児困難に関する先行研究 母親の育児困難に関する先行研究には、以下のようなものがある。. 金子・斎藤・青柳(1982)は、4、5才児を持つ母親214名を対象として、母 親の職業の有無により、育児の満足感と自信、女性が職業を持つことに意義を 感じているかどうか、また、子どもの自主性の各程度を比較検討している。そ の結果、有職の母親が社会志向であるほど、また、無職の母親が家庭志向であ るほど、つまり、母親自身の入生に対する態度と現在の状況が一致しているほ ど、満足して育児を行っているということ、母子関係は母と子の接触時間の差. 一2一.

(5) や、養育の程度などの物理的な差で論じられるのではなく、母親の心理的な安 定と関連づけて考える必要があると指摘している。. 青木・松井・岩男(1986)は、子ども(年齢の幅は0∼23歳)を持つ母親 291名を対象に、母親の子育てに対する意識と、子育てに限らず生活全般におけ る充実感及び性格傾向との関連について検討している。その結果、子育てに対 する意識は、その母親の生活における充実感、自己評価と深く結びついている ことが明らかとなり、子育てへの肯定的意識が低下するのは、生活の様々な側 面に対して、充実感が持てなくなった場合であり、母親のおかれている状況や. 立場、家庭内外での活動状況を視点に入れてゆくことが母性研究にとって必要 であると指摘している。. 牧野(1982)は、育児不安を「子の現状や将来あるいは育児のやり方や結果 に対する漠然とした恐れを含む情緒の状態」で「無力感や疲労感あるいは育児 意欲の低下などの生理現象を伴って、ある期間持続している情緒の状態あるい. は態度」と定義し、3歳以下の乳幼児を持つ母親364名を調査対象として、育児 不安と母親の生活や意識の実態とがどのように関連しているのか、育児不安を. 高める要因は何か、育児不安を減少させ育児への自信を増す要因は何かを検討 している。その結果、母親の年齢や子どもの年齢、子どもの数や家族構成など とはあまり関連がみられないということ、育児不安の程度に関連する大きな要 因は、 1つに夫婦関係であり、他の1つは母親の社会的な人間関係のあり方で あるということ、母親が子どもとの距離を密接にし、子どもだけを生きがいと するような意識を持っている場合には、育児不安が高くなりやすいことを示唆 している。. 牧野・中西(1985)は、乳幼児(年齢の幅は0∼10歳)を持つ母親と父親の 双方、父母269組を対象に、母親の育児不安と夫婦関係との関連を明確にするた めの調査を行っている。その結果、父親の分担意識や家事育児参加の状況を母 親が好意的に受けとめている場合、母親の育児不安は低く、父親が積極的に家 事育児に参加し分担意識をもっている場合、母親の受けとめ方も好意的である ということ、父親が母親の社会参加に理解を示している場合、母親の社会参加 は積極的に行われており、社会参加に積極的な母親は育児不安が低いことを示 唆している。. 一3一.

(6) 数井・無藤・園田・宇佐美(1994)は、母子の家族社会的な要因(家族内機 能度、夫婦の満足度、社会的サポート)の検討と同時に、観察された子ども (年齢の幅は2∼4歳)の行動特徴からも、母親を取り巻く子育て環境の中で、 育児ストレスの現状を把握することを目的とし、母子48組を対象とした調査を 行っている。その結果、育児ストレスは乳幼児を育てている環境で、親がその. 状態にどう適応しているのかという視点で考えられるが、夫や他の友人、家族 との関係と、子どもとの関係という具合に母親自身のことでありながら、関連 する領域は母親を近接する人間関係を巻き込んでいるということを示唆してい る。. 高橋・中(1975)は、東京、静岡、岩手県下の幼稚園、保育園に子どもを通 わせている母親1,409名を対象として、母親の育児不安を地域社会、家族関係、. 経済状態などの要因との関連で見ているが、調査の結果は、そのような外的な 要因とはあまり関係が見られず、育児の不安因としては、母親の誤った知識、. 子どもへの期待のしすぎ、神経質などの母親自身に関連した要因が上げられる ことを指摘している。. 星・清水・植村・小林(1983)は、2歳児育児講座に参加した母親187名を対象 に面接調査を行い、その結果、母親が気になると訴えている子どもの行動は年. 齢相応の当然の行動であることが多く、子どもが客観的に健常児であっても母 親の心配事は起因し、それらは母親の内的要因によって説明できると指摘して いる。. 浦・半田・荒井・出口・加藤(1986)は、1歳6ヶ月検診に参加した母親 341名を対象に、育児の悩みについて、母親の訴えと面接時の子どもの問題点に ついて分析を行っている。母親の知覚した子どもの問題点は「身体面」 「しつ け面」 「発達面」にわたっているが、母親の視点と面接者側の問題点の捉え方. に相違があることを認識し、母親が子どもをどう捉えるかという母親自身の問 題をも含んでいると指摘している。. 大日向(1976)は、母性意識の世代差について、昭和初期、昭和20年代前半、. 昭和45年前後の各世代に初産を迎え、育児を行った女性たち各100名ずつを対象 に比較検討している。その結果、昭和初期の母親と昭和45年前後の母親との間 に顕著な世代差が認められることを示唆している。昭和初期の母親は出生児数 一4一.

(7) が多く、育児の意義を高く評価し、母親役割を肯定的に受容しているが、昭和 45年前後の母親は昭和初期の母親とは対照的に育児に対する評価が低くなって いる。育児の意義を認めないわけではないが、育児以外に自分自身の生きがい を求めたいという欲求が強く、しかし現実には育児協力者が得られないなどの. 理由で育児に専念するため、そのような欲求と現実との不一致が心理的不安定 感を導き出していると指摘している。. 柏木(1980)は、母性意識について、25∼6G歳にわたる広範囲のサンプルの 母親575名を8世代に分けて、その世代差と職業の有無の関連を検討している。 その結果、特に世代差の検討において、母親の子どもへの意識感情は一次元上 に位置づけられる単純なものではなく、むしろ肯定的積極的意識と、否定的消 極的意識という相反する両面がひとりの母親の中に共存しており、これが特に 若い世代の母親の特徴となっているということ、かつての母親に感ずることの 少なかうた、育児や子どもの存在への疎ましさ、母親自身の関心や生活とのコ ンフリクト、そこから来るフラストレーション、また育児に対する自信の喪失 感などが若い世代に増えてきていることを指摘している。 野澤(1989)は、Abidin,R.R.(1983)のParen七ing S七ress I ndexを翻. 訳修正し、親業ストレス尺度(KGPSI)を作成しており、幼稚園・保育園 に子どもを通わせている母親と児童相談所で開かれている母子教室に通ってい. る母親の合わせて588名を対象に、KGPSI得点と母親、対象児、家族に関す る状況変数との関連を検討している。その結果、親業ストレスの高い母親は子 どもよりもむしろ生き方など自分自身にまつわる悩みを持っており、親である ことによる制限から生じる欲求不満、葛藤、焦燥感を抱いており、子育てと自 己追零癖相容れないものという意味においても、親の意識から生じた親業スト 1/ ・,ぎ レスは、現代に特有なものであると指摘している。 丹羽(1・9−9’2)は、1歳半から3歳の乳幼児を持つ母親177名を対象に、育児上. のストレッサーについて、育児行動に影響すると考えられる状況要因を明らか にするための調査を行っている。その結果、母親自身が育児に関して難しいと. 認識している内容と、実際のストレス感情を経験している内容とは異なってい るということ、母親の初めての子育てに対するストレスは、実親が近くにいる. かどうかということには関係はなく、実親を含め、同居人が増えることで、む 一5 一一.

(8) しろ干渉によるストレスを受けており、自分と考え方の異なる他の人間に対し て不安や苛立ちを感じているといった、対人関係によるストレスを受けている ということを指摘し、現代の母親は自己の育児信念や期待を持っているほどス トレスは高くなるとしている。. 以上のような先行研究において、母親の育児を困難にしている要因として、 母親を取り巻く環境要因、例えば、夫や家族のサポートが有効かどうかといっ たもの、また、母親自身の問題として、母親の子どもの捉え方に問題があるの ではという指摘をしたものが多い。さらに、育児と母親自身の生活との葛藤な ど、社会背景の変化と同時に、母親の育児困難の内容も多様化したものになっ てきていると指摘されている。. そこで、本研究では、母親の育児困難な状況をより理解するために、理論的 な枠組みを用い、そのメカニズムを明らかにすることにした。よって、本研究 は、母親の育児困難な状態を心理学的ストレスという概念と結び付けて検討す るものである。. 3 ストレスの心理学的概念 ストレス反応には、生物化学的ストレッサーからもたらされるものと心理的 ストレッサーからもたらされるものがあり、生物化学的ストレッサーが直接的 に身体的なストレス反応を引き起こすのに対して、心理的ストレッサーはそれ 自体が直接的にストレス反応を引き起こすことはない。 既存の心理的ストレスの測定方法には、Holmes,T.H.&Rahe, R.H. (1967)によって開発された「人生(生活)事件ストレス尺度」 (ライフ・イ. ベンツ)というものがある(Table1)。これは、人生事件が一番重いまたは厳 しいものから、程度の重さが少なくなる方向で、個人の生活に何か変化を起こ させるような諸事件がリストアップされたもので、その事件を個人が体験する と、どれだけの心理的ストレスを受けるのかというものである。例えば、 「配 偶者の死」は100点、 「離婚」は73点、 「別居」が65点という具合に点数化され. ており、一年間の点数(ストレス値)を加算するとその人が翌年にかかる病気 を予測できるというものである。. 一6一.

(9) Tablel H olmes, T.H.&Rahe, R.H.による社会適応スケール 順位. 生活事件(1ife events). 平均値 100. 1. 配偶者の死亡. 2. 離婚 別居 留置所拘留. 73 65 63. 家族のメンバーの死亡 自分の病気あるいは傷害. 63 53 50 47 45 45 44 40 39 39 39 38 37 36 35 31. 3 4 5 6. 7 8. 9. 結婚 解雇される. 夫婦の和解. 10. 退職. 11 12. 家族の一員が健康を害する. 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42. 43. 妊娠 性的困難. 新しい家族のメンバーが増える 仕事の再適応 経済状態の変化 親友の死亡 異なった仕事への配置換え 配偶者との論争の回数の変化 1万ドル以上の抵当か借金 担保物件の受戻し権喪失 仕事上の責任変化 子どもが家を去ってゆく 姻戚とのトラブル 優れた個人の業績 妻が仕事を始める、あるいは中止する 学校が始まる 生活状況の変化 習慣を改める 上司とのトラブル 仕事の状況が変わる 住居が変わること 学校が変わること リクリエーションの変化 教会活動の変化 社会活動の変化 1万ドル以下の抵当か借金 睡眠習慣の変化 家族が団らんする回数の変化 食習慣の変化 休暇 クリスマス. 30 29 29 29 28 26 26 25 24 23 20 20 2e 19. 19. 18 17 16 15 15 13 12. 11. ちょっとした違反行為. (長谷jli和夫,1983,「ストレスと精神病1医学のあゆみ,125巻,5号,P.403). 一7.

(10) しかし、Lazarus(Lazarus.1966;L azarus&Folkman,1984)は、この測定 の、①ストレスというものを生活の変化であると捉えており、最も重要で大き なストレスの源泉である生きていく上での慢性的な圧力や(環境からの)要求 などが無視されてしまう、②出来事の個人的な意味あいが無視されてしまう、. ③対処行動を無視してしまう、④ストレスの測定はそのストレスが健康にどの ような影響を与えるかを予測するものであるのに、健康への影響を測定するに は実際的なものではない、という問題点を指摘し、次のようなシステム理論を 提唱した。すなわち、L azarusは、 「ストレスとは、外的状況の特性や内的状. 態でもなく、環境からの要求、その認知、およびそれに対する対処能力の認知 との複雑な相互作用からもたらされる過程を指す」と定義している。つまり、 出来事の生起自体よりも、それに対する脅威の知覚こそが重要であるとして、 本人にとっての意味を重視した心理学的ストレス論を展開している。 “認知的. 評価モデル”に従えば、ストレッサーは脅威・危機であると評価される限りに おいてストレッサーたりうることになる(例えば、交通渋滞や他人からの侮辱 など)。この認知的評価は、第一次評価、第二次評価の2段階からなっている。 第一次評価とは、出来事が起こった際に、ある個人がその出来事を「脅威であ る」 「危機である」と判断したり、評定することを意味しており、第二次評価. とは、脅威・危機であると評価した後に、その状況に適合するためには一体何 ができるだろうか、いかなる対処行動が可能か、サポートは受けられるのだろ. うか、という問題に移ることを指している。そして、この2段階の評価の結果 が、出来事への反応を決定し、また、精神健康に影響を及ぼすとしている。. 新名ら(1990)はこのような理論を踏まえた上で、ストレスに関する用語を 次のように定義しており、本研究においても同様に使用するものとする。 ・ストレッサー:個人が経験している刺激で、その個人がネガティブであると 評価したもの. ・ストレス反応:ストレッサーによって個人に生じた心身のネガティブな反応 ・ストレス:個人が経験している個々のストレス反応の総体としての状態. 一8一.

(11) 4 育児ストレスの認知的評価モデル 人はその役割がおかれている状況などによってかなり異なる経験をしており、 当然心理学的ストレスの内容も変わりうる。例えば、老人には老人に特有の、. 母親には母親に特有の心理学的ストレス経験がありうる。母親の「育児関連ス トレス」とは心理学的ストレスという概念の中の育児に関するストレス、とい うことであり、明確に定義すれば、 “子どもや育児に関する出来事や状況など. が、母親によって脅威であると知覚されることやその結果母親が経験する困難 な状態”となる(佐藤ら,1988,1994)。Cutrona(1983,1984)は、産後の母親. が直面する様々な育児上の困難を育児に関するストレスとして考えた独自の育. 児ストレス尺度を開発し、このストレスの量と産後の母親の抑うつ重症度の間 に正の関連があることを示した。この尺度は、 “赤ちゃんを泣き止ませられな い”. @“子どもの健康に問題がある”“夫が手助けしない” “授乳が困難” “家. に閉じこめられている感じがする”といった項目からなり、各項目の加算得点 を育児関連ストレス量として扱っ.ている。つまり、育児に関連したストレスが. その内容にかかわらず全て加算的に精神健康の悪化に寄与していると考えてい. る。佐藤らは、Lazarus&Folkman(1984)の認知的評価モデルを参考に育児 関連ストレスと精神健康の関連についてのモデルを考えている(Fig.1)。. ストレヲサー (子ども). l I l. I. l. →; 子ども関連育児ストレス → 母親関連育児ストレス i. 問題行動や. 状態など. ソーシャルサボ。一トの欠如. 対処不可能など. ;一一一〉. i. ストレス反応 (猜神健康の悪化). [. I I. [ I. L一一一…一一一(育児ストレス)一一一一一一…一 一’. Fig.1 育児ストレスと:精神健康度のモデル(1). 彼らは心理学的ストレスを単一変数としてではなくプロセスとして捉えるべ. きだという主張をしており、彼らのモデルの2つの段階に対応するものとして “子ども関連育児ストレス”と“母親関連育児ストレス”を考えている。前者. は子どもについての素朴な評価(脅威・危機の知覚)に基づくネガティブな経. 一9一.

(12) 験、後者はストレスフルと評価された事態(例えば、子どもの発熱や人見知り) への対処可能性やサポートへの期待などを反映した上での事態への否定的な評 価、あるいはその評価に基づくネガティブな経験である。つまり、このモデル では育児関連ストレスは全てが質的に同じものではないと考えた上で、子ども 関連育児ストレスを経験すると母親関連育児ストレスを経験しやすくなり、結 果として母親の精神健康も冒されやすいと考える。ただし、子ども関連育児ス トレスを経験しても母親関連育児ストレスを経験しなければ精神健康の悪化に までは至らないし、逆に子どもとの状態とは関係なく母親関連育児ストレスを 経験するならば精神健康の悪化が起こりやすいと考えることも可能になる。 佐藤らは、産後.の母親が直面する様々な育児上のストレスの量と産後の母親 の抑うつ重症度の間に正の相関がある(Cu七rona.1983,1984)ことに注目し、. 母親の精神衛生的変数として、抑うつ度を取り上げた。そして、このようなモ デルにおいて、 “子ども関連育児ストレス”と“母親関連育児ストレス”は並 存的に抑うつ度に影響するのではなく、 “子ども関連育児ストレス”が“母親. 関連育児ストレス”に影響しそれが抑うつ度に影響するという、ある種の階層 的な関係があることを示唆している(1988,1994)。. 佐藤らは育児に関連するストレスを「育児関連ストレス」という用語で使用 しているが、本研究では、 「育児ストレス」という用語で使用し、また、子ど もに関連するストレス、母親に関連するストレスを各々、 「子ども関連育児ス トレス」 「母親関連育児ストレス」として使用するものとする。. 5 本研究の目的 本研究は、母親の育児ストレスを佐藤ら(1988,1994)の認知的評価モデルに 則り、再検証することを目的とする。その際に、筆者は次のような問題点を指 摘し、本研究の目的を明確にした。 (1)精神健康度指標における問題点. 佐藤らの一連の研究では、母親の精神健康度の指標としてZung,W.W.K.. (1969)の自己評価式抑うっ尺度(SDS)が用いられている。このSDSの 日本版は、小林ら(1973)によって翻訳、試案され、本邦の患者(神経症患者. 一 10 一一.

(13) 群、うっ病患者群)と正常対照群に対して実施されており、信頼性と妥当性が. 十分に検討されたものである。SDSとは質問紙法による情意テストであり、 20項目から構成されている。被検者は20項目の全てについて検査時の状態にあ てはまるものを、 「1.ない、たまにある」 「2.ときどきある」「3.かな りのあいだ」 「4.ほとんどいつも」 (反転項目の場合は逆に得点化される). の4段階で評定する。従って、最低は20点、最高は80点となり、cu七一〇ff−point. は40点とされている。SDSの項目番号、抑うつ状態像因子、質問項目は Table2に示すとおりである。. Table2 抑うつ状態像の症状とそれによるSDS項目 囎番号 抑うっ状態像因子 1. 憂うつ、抑うつ、悲哀. 2. 日内変動 暗唱 睡眠 食欲 性欲. 3. 4 5 6 7 8. 9. 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20. 体重減少 便秘 心悸充進 疲労 混乱 精神運動性減退 精神運動性興奮 希望のなさ 焦燥 不決断 自己過小評価 空虚 自殺念慮 不満足. 質問項目. 気が沈んで、憂うつだ 朝方はいちばん気分がよい 泣いたり、泣きたくなる 夜よく眠れない 食欲はふつうだ まだ性欲はある やせてきたことに気がつく 便秘している ふだんよりも動悸がする 何となく疲れる 気持ちはいつもさっぱりしている いつもとかわりなく仕事をやれる 落ち着かず、じっとしていられない 将来に希望がある いつもよりもいらいらする たやすく決断できる 役に立つ、働ける人間だと思う 生活はかなり充実している 自分が死んだほうが他の人は楽に暮らせると思う 日頃していることに満足している (小林重雄・福田一彦,1973,「自己評価式抑うつ性尺度の研究」精神神経学雑誌より引用). 育児をする際の母親の感情を考えると、“気が沈んで、憂うつだ”“泣いた り、泣きたくなる”などというような“謡うつ”に代表されるものに限られる. 一11一.

(14) ことはないであろう。故に、母親の精神健康をより理解するためには、精神健 康度の指標にある一部の情動反応をだけを取り上げるだけではなく、より広い 心理的変数を取り上げることが必要であると考えた。. そこで、既存の心理的ストレス反応の測度を検討してみる。ライフーストレス. の心理学的研究の中で広く使用されている心理的ストレス反応尺度で代表的な スケールには次のようなものが上げられる(Table3)。. BDI、 CES−D、 SDS, STAIは、心理的ストレス反応と考えられる 反応を1つだけ測定するスケールであり、ABS, POMS、 SCL−90−Rは 複数の反応を同時に測定するスケールである。しかし、これらのスケールは心 Table3 心理的ストレス反応を評価する代表的スケールとその内容、開発目的 スケール名:略称. 測定内容. 開発目的. Beck Depression Inven七〇ry:BDI. 抑うつ. うつ病の行動的特徴や重症 度を測定する. Cen七er for Epidemiologic Studies D epression. 抑うつ. 疫学的研究において抑うつ 状態を測定する. Scale:CES−D Self−rating D epression. 抑うつ. うつ病の障害の程度を測定. Scale:SDS S七a七e−Trait Anxiety. する. 状態不安. 一時的な情動状態としての 状態不安を測定する. 正と負の感情状態. 正と負の感情状態のバラン スを測定する. 緊張・不安、抑うっ・ 憂うつ、怒り・敵意、 気力・活力、疲労・. 変化する感情状態を多面的. Inventory:STAI Affect B alance S cale. :ABS Profile of Mood States. :POMS. に測定する. 脱力、混乱・当惑 Symptom Checklist−90一. Revised:SCL−90−R. 身体自覚症状、強迫反 応、対人的不適応、. 抑うつ、不安、敵意 恐怖・不安症状、. 妄想的観念、精神病症. (新名理恵,1994,「ストレス反応の灘定 心理的検査1中外医学社より引用). 一 12 一一.

(15) 理的ストレス反応の測度として開発されたものではなく、心理的ストレス反応 を表しているであろうという推定のもとに代用されているものである。心理的 ストレス反応は、社会に適応して生活する人であっても、程度の差こそあるに. せよ、誰しも経験する可能性のあるごく普通の反応であると考えられる。確か に、抑うっや不安といった情動状態は心理的ストレス反応の一部と考えれるが、 これだけで心理的ストレス反応を代表させることは妥当であるとはいえない。. 新名ら(1990)は、このような問題点を指摘し、心理的ストレス反応を「個 人がイベントや事態を経験し、それをストレスフルだと認知的に評価したとき に生じるネガティブな心理的反応」と定義し、日常生活において体験される心 理的ストレス反応を質的、量的に評価することを目的として、心理的ストレス. 反応尺度Psychological Stress Response Scale(PSRS)を開発した。 PSRSは、〈情動〉とく認知・行動〉の2領域から心理的ストレス反応を評 価する、13下位尺度、全53項目からなり、その回答方法は4段階評定である。. PSRSの下位尺度の信頼性は、13の下位尺度の信頼性係数αが.57∼.92と高 く、また、妥当性は下位尺度ごとの平均値(M)と標準偏差(SD)を求め、. t検定を行ったところが有意であったことから、PSRSは高い信頼性と十分 な妥当性をもつスケールであることが実証されている。PSRSをさらに修正、 下位尺度の再構成を行ったものが心理的ストレス反応尺度一50項目改訂版. (PSRS−501tems Revised:PSRS−50R)である。 PSRS−50R(新 名ら,1994)は、〈情動〉〈意欲〉〈思考〉〈対人〉の4領域、11の下位尺度、 全50項目からなり、5段階評定にて回答するようになっている(Fig.2)。. PSRS−50Rは、基本属性や特性の異なる被験者を対象に、3回の調査が実施 されており、領域スケール・下位スケールともに、尺度としての十分な信頼性 のあることが確認されている。. 以上のことから、PSRS−50R(新名ら,1994)は、人がストレスフルーイベ ントを経験したときに示す一般的な心理的ストレス反応を、多面的に測定する ことが可能な尺度であり、母親の精神健康度の指標として用いるのに妥当な尺 度であると考えられる。. 一13一.

(16) 〈領域〉. 〈下位項目〉. 心. 理 的. 一一. dii蕎ii難i. レ. 一モiiぎi鋸. ス. 思考領域. ス ト. 反. 応 尺. 。二1畷悪熱冒1. 一{1驚∴りi鋸. 度. Fig.2 心理的ストレス反応尺度一50項目改訂版(PSRS・一50R). (2)調査対象者における問題点. 先行研究において、幅広い年齢の子どもを持つ母親が対象となってる場合、. 調査結果の意味が曖昧になっているとも考えられ、子どもの年齢を限定する方 が結果は有効になると思われる。. また、佐藤らの研究では産後間もない母親が対象となり、認知的評価モデル が検証されていたこと、母親の子どもへの感情は、就学前の子どもをもつ母親 において顕著に見られるという研究(牧野,1982、大日向,1988)、また、社会. 的な問題となってきた現象を考慮し、本研究では、調査対象を3∼6歳の幼児 を育てている母親に焦点を当て認知的評価モデルを検証することにした。. よって、本研究は、母親の育児ストレスを佐藤ら(1988,1994)の認知的評価. モデルに則り、3∼6歳児を育てている母親を対象に検証することを目的とし た。その際に、母親の精神健康度の指標として、新名ら(1994)の心理的スト レス反応尺度を用いることにより、より広い心理的変数を扱うことにした。ま た、母親の属性との関連についても併せて検討することにした。. 一一. @14 一.

(17) E.調査 1 目的 ここでは、育児ストレスの認知的評価モデル(Fig.1)に則り、 (1)子ども関連育児ストレスを測定するために、 「子ども関連育児ストレス尺度」 を作成する。. (2)母親関連育児ストレスを測定するために、 「母親関連育児ストレス尺度」を 作成する。. (3)ストレス反応を測定するために、 「ストレス反応尺度」を作成する。. という手続きを踏み、作成された「子ども関連育児ストレス尺度」 「母親関連 育児ストレス尺度」 「ストレス反応尺度」を用いて、育児ストレスの認知的評. 価モデルを検討すること、母親のデモグラフィック要因との関連を検討するこ とを目的とする。. ロ. 1一一〉. ストレッサー 一→1 子ども同窓育児ストレス 一一一〉 母親関達育児ストレス (子ども). i. 問題行動や. ソーシャルサボ。一トの欠如. ス5Vス反応 (精神健康の悪化). ∵1(育児スト灘ご. 子ども関連育児ストレス尺度. 母親開連育児ストレス尺度. ストレス反応尺度. Fig.1 育児ストレスと精神健康度のモデル(1). 2 方法 (1)調査対象. 大阪府、広島県下にある幼稚園、保育園に子どもを通わせている母親(3∼ 6歳の幼児を育てる母親に限定)を調査対象とした。. 一15一.

(18) (2)調査材料. 質問紙の構成は以下のようになっている。 ①子ども関連育児ストレス尺度;前田・上田(1987)、佐藤(1988)を参考に、. 母親にとってストレスと感じやすい、問題となりやすい子どもの状態や行動に ついて28項目選定。 「1.全く悩んでいない」 「2.ほとんど悩んでいない」. 「3.やや悩んでいる」「4.非常に悩んでいる」の4段階で回答する。 ②母親関連育児ストレス尺度;佐藤(1988)を参考に、育児の仕方や子どもの 問題行動の対処など、母親に関することについて19項目選定。 「1.全く悩んで いない」 「2.ほとんど悩んでいない」. 「3.やや悩んでいる」 「4.非常に. 悩んでいる」の4段階で回答する。. ③ストレス反応尺度;新名(1994)の心理的ストレス反応尺度(PSRS−50R) の50項目のうち、5項目を反転項目とし、1週間の間に経験したかどうかを、 「1.いいえ」 「2.どちらかといえばいいえ1 「3.どちらともいえない」. 「4.どちらかといえばはい」「5.はい」の5段階で回答する。 ④母親のデモグラフィック特性に関する設問;年齢、仕事の有無、家族形態、. 子どもの数、育児経験年数、夫の育児参加、子どもの年齢、子どもの性別、出 生順位について回答を求める。. 尚、①と②を併せて1つの質問紙としており、故に、調査に用いた質問紙は 3部から構成してある(APPENDIX参照)。. (3)実施方法. 1995年7月上旬より約1ヶ月間。実施にあたっては該当園の園長、副園長を 通して依頼した。質問紙1部を封筒に入れたものを調査対象の母親(3∼6歳層 児を育てている母親)に配布、家庭で記入してもらった後、もとの封筒に入れ てもらい、それぞれの園で回収してもらった。その後に筆者が園長、副園長よ り回収した。質問紙は800部配布したうち、727部を回収した(回収率90.8%)。. 一16一.

(19) (4)分析対象. 回収した727名のうち、通園している子どもが双子であった2名の母親と記入 漏れ、記入ミスが1つでもあった母親を除く有効回答者604名(有効回答率 83.1%)を分析対象とした。分析対象の母親の属性は、Table4に示すとおりで ある。. (5)分析方法. 子ども関連育児ストレス尺度の28項目、母親関連育児ストレス尺度の19項目 については、 「1.全く悩んでいない」に1点、 「2.ほとんど悩んでいない」. に2点、 「3.やや悩んでいる」に3点、 「4.非常に悩んでいる」に4点を与 え、ストレス反応尺度の50項目については、 「1.いいえ」に1点、 「2.どち. らかといえばいいえ」に2点、 「3。どちらともいえない」に3点、 「4.どち らかといえばはい」に4点、 「5.はい」に5点を与え、得点化を行った。その 後、分析対象者604名全体のデータの回答を基に分析を行った。. 一17一.

(20) T. b. a. 1. e. 4. Tab!e4−t 母親年齢. 年齢区間. 属. の. Table4−5 育児経験年数. 度数(%). 2e∼ 29歳. 親. 母. 度数(%). 年数区間. 93( 15.4Z). 3 ∼6年. 371C 61.42). 3・va∼34歳. 311C 51.49). 7 ∼12年. 2ユ4(. 35∼39歳. ユ58( 26.ユ6). 13∼19年. Ae−w sB歳. 工.82). 19C 3.15). 42( 6.96) 計. 計. 6日4(1邑②.臼㊨). 6図4(i図日.∈〕0). Table4−6. Table4−2 仕事の有無 仕事有無. 度数(%). 育児参加 協力的 非協力的. 度数(%). 有職 無職. 夫の育児参加. 476( 78.8t} a28( 2・t.19). 2B2C 33.44) 計. 4e2{ 66.56). 計. 6日4(1㊨回.@臼). 6日4(1匂同.屑臼). Table4−7 子ども年齢 度数(%). 年齢区間 Teb1θ4−3. 家族}形態. 3歳 4歳 5歳 6歳. 度数(%). 形態. 核家族. 519〔85.93). 3世K家膿(萎讐と同居) 3世代家籍(円円と同居}. 計. マ8〔 12.91}. 2e8C 34.44) 24t{ 39.9Z) 77( 12.75). 64( 1臼.6臼) 21(. 計. 3.48). 6図4(1邑邑.図E). 6日4(1日匠.日昭). 子どもの細唾. Ta b’ 1 ea−8. 度数(%). 性別. Table4−4 子ども数 男児 女児. 度数(%). 数人. 1人 2人 3人以上. 3t3C 51.8?) 291( 48.28) 計. 66C le.93). 6@4(1臼甦.B臼). 415( 68.7i) 123( 2@.36). Table4−9 子どもの出生順位 計. 6日4(ユOZ.昌昌). 出生順位 工番目. 339( 56.13). 2番目 3番目以降. 2ユ5( 35.6〔聾). 計. 一18一. 度数(%). 5eC 8.28) 6臼4(1@㊨.日日). ’旭ヒ.

(21) 3 結果 (1)子ども関連育児ストレス尺度の作成について. 分析対象者604名全体のデータの28項目に対する回答を基に主成分分析を行っ た。その結果、 “わがまま” “一度ぐずるとなだめにくい” “言うことをきか. ない”などの項目に高い主成分負荷量を示していた(Table5)。 項目の選定は、主成分負荷量が,30以上であることを基準にすると、 “夜泣き がひどい” “指しゃぶりをする”の項目が削除され、後の26項目が採用された。. 信頼性の測定は、クロンバックによる内的一貫性法により行ったところ、信頼 性係数α=.89を算出した。また、26項目についてGP分析を行ったところ、ど の項目も1%水準で統計的に有意であった。よって、子ども関連育児ストレス 尺度は高い内的整合性を持っていると考えられる(Table6)。尚、 G P分析は. 有効回答数604名の母親関連育児ストレス尺度26項目における合計得点に基づい. て、高得点群25%151名と、低得点群25%151名において、2二間の差のt検定 を行ったものである。. (2)母親関連育児ストレス尺度の作成について. 分析対象者604名全体のデータの19項目に対する回答を基に主成分分析を行っ た。その結果、 “この先この子をどう育てたらよいかわからない” “この子に. どう接すればいいのかわからない”“この子の好ましくない面(性格、発育、. 病気など、どんな面でも)をみると、自分のせいではないかと思ってしまう” などの項目に高い主成分負荷量を示していた(Table7)。 項目の選定は、主成分負荷量が.30以上であることを基準にすると、全ての項 目が採用された。信頼性の測定は、クロンバックによる内的一貫性法により行. ったところ、信頼性係数α=.92を算出した。また、19項目についてGP分析を 行ったところ、どの項目も1%水準で統計的に有意であった。よって、母親関 連育児ストレス尺度は高い内的整合性を持っていると考えられる(Table8)。. 尚、GP分析は有効回答数604名の母親関連育児ストレス尺度19項目における合 計得点に基づいて、高得点群25%151名と、低得点群25%151名において、2群 間の差のt検定を行ったものである。. 一19一.

(22) Table5 子ども関連育児ストレス尺度の主成分分析結果(相関係数による}. 成分1. 項 目 内 容. 質瀦号 1. 夜泣きがひどい. .29. 2. 食べ物の好き嫌いがはげしい. .37. 4. 子どもの身体の調子(下痢、湿しん、風邪など)夢悪い. .42. 5. かんしゃくを起こしやすい. .64. 7. 抱きぐせが直らない. .45. 9. 一度ぐずるとなだめにくい. .67. 10. ぐずって寝つきが悪い. .54. 14. ちょっとしたことで激:しく泣く. .62. 15. 発達が遅れている. .43. 18. 人見知りが激しい. .46. 20. 気が散りやすい(食事のときや遊んでいるとき、何かがあると気が散ってしまう). .58. 21. おとなしすぎる. .42. 23. 起きる時間、寝る時聞がまちまちである. .48. 24. 乱暴だ. .52. 25. 指しゃぶりをする. .25. 28. 爪をかむ. ,32. 30. 体が弱い(病弱だ). .40. 31. トイレのしつけがうまくいかない. .36. 32. この子の遊び友達がいない. .47. 34. 母親の姿が見えないとぐずつたり、泣いたりする. .53. 36. いたずらをする. .57. 37. ことばが遅い. .44. 39. 言うことをきかない. .67. 4e. (遊び相手はいるのに)友達と:遊べない. .57. 43. 私(母親)以外の人になついている. .53. 44. わがまま. .7e. 45. あきっぽい. .66. 46. おくびょうだ. .63. 固有値 寄与率(%). 一20一. 7.52. 26.88.

(23) Table 6 子ども関連育児ストレスにおけるα係数およびGP分析結果 項 目 内 容. 質悶鶴. t値. 信頼性係数αニ.89 2. 食べ物の好き嫌いがはげしい. 10. 22**. 4. 子どもの身体の調子(下痢、湿しん、風邪など)が悪い. 12.06**. 5. かんしゃくを起こしやすい. 20. 15**. 7. 抱きぐせが直らない. 9. 一度ぐずるとなだめにくい. 9.06** 21. 92**. 10. ぐずって寝つきが悪い. 12.17**. 14. ちょっとしたことで激しく泣く. 16. 79**. 15. 発達が遅れている. 9.97**. 18. 人見知りが激しい. 11.91**. 20. 気が散Dやすい(食事のときや遊んでいるとき、何かがあると気が散ってしまう). 16. 18**. 21. おとなしすぎる. 11. 45**. 23. 起きる時聞、寝る時間がまちまちである. 12. 42**. 24. 乱暴だ. 14. 44**. 28. 爪をかむ. 30. 体が弱い(病弱だ). 31. トイレのしつけがうまくいかない. 32. この子の遊び友達がいない. 34. 母親の姿が見えないとぐずつたり、泣いたりする. 13. 97**. 36. いたずらをする. 15.68**. 37. ことばが遅い. 39. 言うことをきかない. 40. 8.32**. 11.62** 7.43**. 11.94**. 9.34**. 20.60**. (遊び相手はいるのに)友達と遊べない. 13.63**. 43. 私(母親)以外の人になついている. 14. 73**. 44. わがまま. 22.05**. 45. あきっぽい. 18.86**. 46. おくびょうだ. 18. 81**. **Pく.01. 一21一.

(24) Table7 母親関連育児ストレス尺度の主成分分析結果(相関係数による) 質問翻. 項 目 内 容. 成分1. 3. この子のしつけかたがわからない. .72. 6. この子にどう接すればいいのかわからない. .76. 8. 自分の体調が悪く、育児への意欲がなくなってしまう. .6e. 11. この先この子をどう育てたらよいかわからない. ,79. 12. この子に感情的に接してしまう. .72. 13. (育児に間して)何かにつけ、ああすればよかった、こうすればよかったと思ってしまう. .71. 16. 子どもなんて放り出して自分のやりたいことをしたいと思ってしまうことがある. .54. 17. この子の妊ましくない面(難格、発育、病気など、どんな藩でも)をみると、自労のせいではないかと思ってしまう. .75. 19. 自分は育児に一生懸命なのにだれもわかってくれない. .66. 22. 夫がこの子をかまってくれない. .46. 26. 育児書に書いてあることや、他の入にきいたことがまちまちなので混乱している. .6e. 27. この子と接する時間が思うようにとれない. .56. 29. この子とど:うも相性が合わないような気がしてしまう. .64. 33. この子のことで夫をわずらわせてしまうことがあり串し訳ない. .47. 35. この子のことで睡眠不足になってしまう. .45. 38. この子を育てていて、自分が未熟だと感じるときがある. .73. 41. この子をきょうだいやよその子とくらべてしまう. .66. 42. この子が思ったとおりの子になっていない. .75. 47. 義母と育児についての意見が食い違うことがある. .45. 固有値 寄与率(%). 一一. @22 一一. s.oe. 42.11.

(25) Table8 母親関連育児ストレスにおけるα係数およびGP分析結果 質周番号. t値. 項 目 内 容 信頼性係数α=.92. 3. この子のしつけかたがわからない. 24. 09**. 6. この子にどう接すればいいのかわからない. 24. 08**. 8. 自分の体調が悪く、育児への意欲がなくなってしまう. 15.48**. 11. この先この子をどう育てたらよいかわからない. 22.72**. 12. この子に感情的に接してしまう. 23.76**. 13. (育児に関して)何かにつけ、ああすればよかった、こうすればよかったと思ってしまう. 22.33**. 16. 子どもなんて放り出して自分のやりたいことをしたいと思ってしまうことがある. 13.43**. 17. この子の好ましくない面(性格、発育、病気など、どんな面でも)をみると、自分のせいではないかと思ってしまう. 25. 10**. 19. 自分は育児に一生懸命なのにだれもわかってくれない. 18. 17**. 22. 夫がこの子をかまってくれない. 12. 49**. 26. 育児書に書いてあることや、他の人にきいたことがまちまちなので混乱している. 15. 78**. 27. この子と接する時間が思うようにとれない. 15. 96**. 29. この子とどうも相性が合わないような気がしてしまう. 13. 59**. 33. この子のことで夫をわずらわせてしまうことがあり申し訳ない. 10. 74**. 35. この子のことで睡眠不足になってしまう. 38. この子を育てていて、自分が未熟だと感じるときがある. 25. 63**. 41. この子をきょうだいやよその子とくらべてしまう. 19.09**. 42. この子が思ったとおりの子になっていない. 21. 47**. 47. 義母と育児についての意見が食い違うことがある. 10.24**. 9.45**. **P〈.01. 一23一.

(26) (3)ストレス反応尺度の作成について. ①ストレス反応尺度の因子構造. 分析対象者6e4名全体のデータの50項目に対する回答を基に因子分析(主因子 解→プロマックス回転)を行った。7因子∼4因子解でそれぞれ試みたところ、 解釈可能性の観点から6因子解が妥当であると判断した(Table9)。 第1因子は“絶望的な気持ちがする”“生きているのがいやだと思う”“悲 しい” “びくびくする”などの項目に高い因子負荷量を示していることから、. 「絶望・不安」の因子と命名した。第2因子は“複雑な思考や柔軟な思考がで きない” “筋道だった、あるいは論理的な思考ができない” “自分は役に立た. ない人間だと思う” “何事にも自信がない”などの項目に高い因子負荷量を示 していることから、 「不信・停滞」の因子と命名した。第3因子は“不機嫌で. ある”“むしゃくしゃする”などの項目に高い因子負荷量を示していることか ら、 「怒り」の因子と命名した。第4因子は“入にかまってもらいたいと思う ” “誰かに甘えたいと思う”などの項目に高い因子負荷量を示していることか ら、 「依存」の因子と命名した。第5因子は“やる気が起こらない”“何をす るのもおっくうだ”などの項目に高い因子負荷量を示していることから、 「無. 気力」の因子と命名した。第6因子は“気が沈むことはない” “気がめいるこ とはない”などの因子に高い負荷量を示していることから、 「情緒安定」の因 子と命名した。これら6因子の累積寄与率は、全分散の39.51%であった。. ②ストレス反応尺度の項目選定 因子負荷量が1つの因子に、,40以上でかつ他の因子が.35未満であることを 基準に各因子ごとの具体的項目を選定した。その結果、 “心配な気持ちになる ” “気持ちが落ち着かない” “人の悪い面ばかりに目がいく” “他人に対して. 攻撃的になる” “イライラすることはない(反転項目)” “腹が立つことはな. い(反転項目)”の6項目が齪除され、最終的には第1因子14項目、第2因子. 12項目、第3因子7項目、第4因子4項目、第5因子4項目、第6因子3項目 の計44項目によるストレス反応尺度を作成した。. また、44項目についてGP分析を行ったところ、どの項目も1%水準で統計 的に有意であった。同様に44項目についてクロンバックのα信頼性係数を算出. したところ、第1因子.94、第2因子.92、第3因子.88、第4因子.80、第5因 一 24 一一.

(27) 子.91、第6因子.69となり、故にこの尺度はある程度満足し得る内的整合性を 持っていると考えられる(Table10)。尚、 G P分析は有効回答数604名のスト. レス反応尺度44項目(反転項目は変換)における合計得点に基づいて、高得点. 群25%151名と、低得点群25%151名において、2群間の差のt検定を行ったも のである。. 一25一.

(28) Table 9 質聞翻 項. 35 45 15 25 24 14 13 48 39 29 17 37. 1. 容. 目. 絶望的な気持ちがする 生きているのがいやだと思う あることで頭が一杯で、他のことが考えられない 悲しい. 入生に希望がない. 未来に希望が持てない びくびくする. ある考えが頭にこびりついて離れない 不安を感じる. 次々とよくないことを考える. すぐあることが頚に浮かんできて、注意hS配される. h2. 一.05. 一. e3. .Ol. .53. .65 .64. .14. 一.07. 一.Ol. .06. 一.02. .56. 一.Ol. .61. .08. .57. .14. .07. .66. D 13. .28. .e4. 一.Ol. .60. .el. 一.07. .2e. .54 .54 .52. .31. .14 .07 .12 .08. .03. .12. .Ol. .53. .52 .51. .05 .29. .11. .27. .03. 一.05. .65. .07. .05. .05. 一.03. .62. .10. 一.02. .35. 一.08. .68. 一一. .09 .27. 一. Ol. 一.08. .13. .06. .45. =Ol. .03. 一.07. .51. .e7. .02. .34. .07. 一.06. .68. .31. 一.14. .es. .oo. 一.07. .45. .32. .18. .e3. .17. .03. .55. .18. .19. .05. 一.12. .57. .34. .07. .31. .08. .17. .Ol. .61. 一.04. .62 .58. 一.02. .13. .23. .03. .62. 一.05. .13. .18. .06. .53. .08. .03. .05. .52. 筋道だった、あるいは論理的な思考nsできない. .Ol. 自分は役に立たない人間だと思う. .12. 5. 何事にも自信がない. .03. .08. 33 30 22. .57 .57. .04. 話すことがいやだ. .10. .56. 一.05. 一.11. .03 .06 .25. 一. 05. .02. .49. .49. 自分は取るに足りない人間だと思う. .02. .55. .27. .08. 一.09. .02. .54. 入から悪く思われている気がする. .es .25. .55 .53. .29 .eo. 一.oo. 一.e7. .oo .05. .54. D05. .48 .47 .46. .07. .16. .29. .04. .60. ,gs. .05. .28. D10. 一.17. 8. 入が信じられない. 36. 判断力が低下している. 1. 頭の回転が鈍くなり、考えがまとまらない. 7. 他人に会うのがいやで、わずらわしい. 27 32. VI. .Ol. .12. .15. 気持ち解落ち着かない 複雑な思考や柔軟な思考ができない. V. 一.Ol. .46 .45 .45 .35. 心配な気持ちになる. rv. 一.05. 寂しい気持ちになる. 41 19 26. m. .oo. .50. 瓶詰がある. fi. .80 .69. ゆううつだ. 2. 28 46 47. ストレス反応尺度の因子分析結果(PROMAX回転後). 一一. 自分の殻に閉じこもる ’人の悪い面ばかりに目がいく. 一.02. .12 .26. .09. .2e .es. .36. .31. 一.03. 一.Ol. .06. .73 .69. .10. .43. .14. 23 43 49 10 42 44 20. 不麟である. .14. むしゃくしゃする. .06. 一. oo. おこりっぽい. 一.16. 一. 04. 欝を感じる. .12. .12. 自己嫌悪におちいる. .Ol. .25. むなしい感じがする. .34. .05. 21. 催人に対して攻撃的になる. .09 .22. 38 50 40. 人にかまってもらいたいと思う 誰かに甘えたいと思う. 12. 誰かに自分を支えてほしいと思う. 9. 16. ひとりきりになりたいと思う. .oe. 一.19. ... . 02. .59 .58 .49 .42. .09. 一一. .11 .09. .41. .06. .54. .e6. .32. .03. .54. .03. .43. .05. .71. 一.05. .73 .49. .15. .15. 一.09. D10. 一.04. 一.07. .47. .17. 一.03. 一.02. .60. .05. .11. 一.02. .68 .28. .07 .30. .4g .38. .Ol. .06. .07. 一.10. 一.13. .06. .39. .oo. .e3. 一.02. .81. .05. .04. .67. .es. 一.07. .03. .78. D 04. .el. .13. .11. .02. やる気が起こらない. .Ol. 何をするのもおっくうだ. .11. .23 .13. 3. 無気力だ. .15. .19. 34. 何をしても気分がのらない. .23. 11. 気分が沈むことはない. (R) *. 6. 気がめいることはない. (R). 18 31. 気が動転することはない. (R). 一.08. イライラすることはない. (R). .13. .02. 4. 腹が立つことはない. (R). .10. .14. 人と一緒にいたい. @. 03. .05. .60. .61 .59. 一.es. .06. .28. 一.04. 一.07. .54. .04 .13. 一.oo. .69. 一.03. .75. 一.07. 一.Ol. .75. D01. .05. .68 .58. 一.Ol. .66. .15. .08. .03. .55. .04. .66. 一.03. .06. 一.e2. .05. 一.02. 一.03. .10. 一.06. 一.03. 一.14. .72 .62. .56 .49. .11. .09 .09. .56 .43. .29. D39. 一.37. .04. .e6. .38. .31. 3.38 6.76. 2.51 5.e2. 2.37 4.74. 1.67 3.34. 一.09. 二 乗 高 寄 与 率. 5.37. 10.74. 一一. 一一. 一. 15. 4. 46. 8.91. *(R)は反転項目を示す。. 一26一. 一一. 一一. .12 .03. .42.

(29) Table10 ストレス反応尺度の因子構造・α係数およびGP分析結果 質問番号. 項目内容. t値. 【F1絶望・不安因子】信頼性係数αニ.94. 1霧難難攣篇ことが考えられない. 13. 88** 13. 86**. 25 悲しい. 15. 81** 16. 86** 17. 09**. 48 ある考えが頭にこびりついて離れない. 16. 68** 24. 91**. 15.48**. 舞舞鐸轡ない. 13.99**. 19欝饗濯いことを考える. 22.04** 22.28** 23.88**. 17 ゆううつだ. 17難煙霧になる 41 すぐあることが頭に浮かんできて、注意が乱される. 13. 70** 17. 50**. 【F2不信・停滞因子】信頼性係数α=.92 28 複雑な思考や柔軟な思考ができない. 1雛難講ミ難鰐考ができない. 灘難論;鰍. 21.43** 17. 18. 18. 14. 21. 20. 14. 23.. 76** 42** 76** 73** 62** 56** 92** 99**. 21.08** 13. 72**. 19.38**. 【F3怒り因子】信頼性係数αニ.88 23 不機嫌である 43 むしゃくしゃする 49 おごりっぽい. 25. 27. 15. 16. 27. 27. 13.. ll苔癬懸題ちいる 44 むなしい感じがする 20 ひとりきりになりたいと思う. 07** 89** 45** 98** 09** 41** 12**. 【F4依存因子】信頼性係数αニ.80 38 人にかまってもらいたいと思う. 19.33**. 50誰かに甘えたいと思う. 16. 03**. ll鐘譜魏建てほしいと思う. 6.22**. 19.83**. 【F5無気力因子】信頼性係数α=.91. 9 やる気が起こらない. 2e. 46** 21. 11**. 16鱗艇のもおっくうだ. 20.40**. 34 何をしても気分がのらない. 18. 82**. 【F6情緒安定因子】信頼性係数α=.69. 11気分が沈むことはない. 9.84** 9.15** 5.73**. ?8蚤織雛菱擁妥、、. **P〈.Ol. 一27一.

(30) 以下、作成された「子ども関連育児ストレス尺度」 「母親関連育児ストレス 尺度」 「ストレス反応尺度」を用いて、 「育児ストレスにおける認知的評価モ. デルの検討」と「母親のデモグラフィック要因との関連の検討」を行った。 検討を行うため、子ども関連育児ストレス尺度の26項目と母親関連育児スト. レス尺度の19項目には、回答に1−4点を与え得点化した。また、ストレス反 応尺度の44項目には回答に1−5点を与え得点化した。 つまり、各変数の合計得点範囲は次のようになる。子ども関連育児ストレス は26−104点、母親関連育児ストレスは19−76点となり、ストレス反応では各因子. 合計得点の範囲は、絶望・不安因子は14−70点、不信・停滞因子は12−60点、. 怒り因子は7−35点、依存因子は4−20点、無気力因子は4−20点、情緒安定 因子は3−15点となる。また、各変数の平均値と標準偏差を示すと次のように なった(Table11,12)。. Table11 子ども及び母親関連育児ストレスの平均値と標準偏差. 変数. 平均値. 【子ども関連育児ストレス】. 【母親関連育児ストレス】. 41.65. 33.11. 標準偏差 9.58 8.83. Table12 ストレス反応・各因子ごとの平均値と標準偏差 因子 【絶望・不安因子】 【不信・停滞因子】 【怒り因子】 【依存因子】 【無気力因子】 【情緒安定因子】. 平均値 23.12 22.72 16.62 10.54 7.57 8.59. 標準偏差 10.35 9.09 6.69 4.08 3.86 3.12. (4)育児ストレスにおける認知的評価モデルの検討. ここでは、育児ストレスにおける認知的評価モデルの検討を行う。その際に、 2つの観点から、認知的評価モデルの検討を行った。. ①認知的評価モデルの検証一1 まず、子ども関連育児ストレス得点、母親関連育児ストレス得点、ストレス. 一28一.

(31) 反応の因子ごとの得点を基に相関分析を行い、各々の変数間の相関係数を算出 した。次に、子ども関連育児ストレス、母親関連育児ストレス、ストレス反応. の3つの変数のうち1つを統制して残り2者の相関係数を算出した。本研究が 仮定する認知的評価モデルとは、子ども関連育児ストレスを経験すると母親関 連育児ストレスを経験しやすくなり、結果として精神健康も冒されやすくなる が、子ども関連育児ストレスを経験しても母親関連育児ストレスを経験しなけ れば精神健康の悪化までは至らないし、逆に子ども関連育児ストレスの経験と は関係なく母親関連育児ストレスを経験するならば、精神健康の悪化が起こり. やすいと考えるものである。この認知的評価モデルが妥当であるならば、母親 関連育児ストレスを統制したときの子ども関連育児ストレスとストレス反応の 偏相関係数は小さくなるが、他の2っの偏相関係数はそうならないと予想され る。. その結果、子ども関連育児ストレス、母親関連育児ストレス、ストレス反応 の各々の因子の各変数における相関係数と偏相関係数はFig.3−1∼3−6に示す とおりになった。. 尚、Fig.3−1∼3−6では、子ども関連育児ストレス(Children−related. reaing Stress)をCS、母親関連育児ストレス(Mothers−related reaing. Stress)をMS、ストレス反応(Stress Response)をSRと略して表示してい る。. この結果から、母親関連育児ストレスを統制した際の子ども関連育児ストレ スとストレス反応の偏相関係数は全て小さくなっているが、他の偏相関係数の. 数値はやや下がったものの、相関係数とほぼ同じ大きさになっていることが明 らかになった。 よって、 「絶望・不安」 「不信・停滞」 「怒り」 「依存」 「無気力」 「情緒. 安定」というストレス反応において、子ども関連育児ストレスが母親関連育児 ストレスに影響し、母親関連育児ストレスがストレス反応に影響するという認 知的評価モデル(Fig.1)が検証されたといえる。. 一29一.

(32) (1). (2) .76. .72. MS. cs. /57. .36. MS. cs 一.13. SR. /48. SR. Fig. 3 一1 子ども及び母蔑関連育児ストレスと絶望・不安因子間の相関係数(1)と偏相闘係数(2). (1). (2). .76 MS CS .70 一. cs. /60. .40. 一,10. SR. MS. /49. SR. Fig. 3 一2 子ども及び母親関連育児ストレスと不信・停滞困子閥の根闘係数(1)と偏根関係数(2). (2). (1). cs .4iX. .76 MS CS.70 一MS. ?/58. 一.06. /45. Fig.3−3 子ども及び母親関連育児ストレスと怒り因子間の相関係数(1)と偏柑関係数(2). 一3e一.

(33) (1). (2) .76. .73. MS. cs. /44. .29. MS. cs 一一. D07. /35. Fig.3−4 子ども及び母親関連育児ストレスと依存因子閣の椙関係数(1)と偏相関係数(2). (1). (2). ・. 76. .73. CS 一MS .3i. CS 一 MS. w /47. 一.07. SR. /37. SR. Fig. 3 一一5子ども及び母親関連育児ストレスと無気力西子簡の絹関係数(1)と偏鋸関係数(2). (1). (2). cs. .76 . .75. MS CS 一MS /. 24. , /. 27 一.16. .08. Fig.3−6 子ども及び母親関連育児ストレスと情繕安定因子問の相闘係数(1)と傷柑闘係数(2). 一31一.

(34) ②認知的評価モデルの検証一2 さらに、認知的評価モデルを詳しく検証するために次のような分析を行った。 まず、子ども関連育児ストレスの合計得点を高得点から上位50%(302名)・ず. つの2っの群(H群、L群)に分けた。同様にして、母親関連育児ストレスの 合計得点も高得点から上位50%(302名)ずつの2っの群(H群、L群)に分け た。ここで、子ども関連育児ストレスと母親関連育児ストレスの合計得点がと. もにH群のものをHH群とし、子ども関連育児ストレスの合計得点がH群であっ て、母親関連育児ストレスの合計得点がL群のものをHL群とし、子ども関連育. 児ストレスの合計得点がL群であって、母親関連育児ストレスの合計得点がH 群のものを田群とし、子ども関連育児ストレスと母親関連育児ストレスの合計 得点がともにL群のものをLL群とした。. 認知的評価モデルとは、子ども関連育児ストレスを経験しても母親関連育児 ストレスを経験しなければ精神の悪化までは至らないし、逆に子ども関連育児 ストレスの経験とは関係なく母親関連育児ストレスを経験するならば、精神健 康の悪化が起こりやすいというものである(Fig.4)。故に、この4群を独立 変数、ストレス反応の6因子の各々を従属変数として一元配置の分散分析を行 った際に、HH群Pt・ LL半間は勿論のこと、 HH群一・ HL群間、 LH四一LL群肝に差が出. ることが予測される。. 以下、分析結果を各因子ごとにまとめると次のようになった。尚、多重比較 は全てScheffe法により行った。. 子ども関連育児ストレス. Hストレ塙い. 母親開達育児ストレス. H. 鱈■日鳳. A\. ..i,s’. スゆス高い. 二=懸. 精神健康の. 悪化起こりやすい. @、 」 :.〈.. 撃. X.sx Lスゆス抵い. L. 精神健康の. 悪化起こりにくい. ストレス抵い. Fig.4育児ストレスと精神健康度のモデル(2). 一32一.

(35) 【絶望・不安因子】. 群別の平均値と標準偏差はTable13に示すとおりである。. Table13 絶望・不安因子における4群の平均値及び標準偏差 群変数 HH群. 騰. n=256 n= 44. n= 44. n=260. 平均値 27.. 1 9. 2 6. 1 8.. 標準偏差. 75 97 06 59. 1 0. 73. 8. 25. 12. 27 7. 32. Table14. 4群間の絶望・不安因子得点の差を. 絶望・不安因子における多重比較の詰果. 2群の組. F値. 基づいて一元配置の分散分析を行った。. HH群一・LL群. 40. 71**. その結果、4群間に有意な主効果が見. HH群一HL群. 8. 54**. LL二一LH群. 7. 91**. HL群一LH群. 3. 07*. HHev 一 LH群. O. 40. LL群一肌群. 0. 27. 検討するために、Table13のデ■一一・一丸に. られた(F(3,600)=43.79,P<.01)。. また、多重比較を行ったところ、 Table14のような結果となった。. +〈●10. *<●05. **く.01. 【不信・停滞因子】. 群別の平均値と標準偏差はTable15に示すとおりである。. Table15 不信・停滞因子における4群の平均値及び標準偏差 群変数 HH群. n瓢2ら6). 1勲≡211. 標準偏差. 平均値 27. 20. 24. 1 8.. 28 72 70 16. 9. 6. 9. 6.. Table16. 不信・停滞因子における多重比較の結果. 2群の組. 4指間の不信・停滞因子得点の差を 検討するために、Table15のデータに. HH群一 LL群. 基づいて一元配置の分散分析を行った。. 29 93 08 40. F値. その結果、4群間に有意な主効果が見. HH群一肌群. 55. 68** & 37**. られた(F(3,600)=57.49,P<.01)。. LL二一二二. 8. 36**. HL群一LH群. L 80 L 29 L 28. また、多重比較を行ったところ、. HH群一一 LH群. Table16のような結果となった。. LL三一HL群. 一一. @33 一.

(36) 【怒り因子】. 群別の平均値と標準偏差はTable17に示すとおりである。. Table17怒り因子における4群の平均値及び標準偏差 群変数. 平編1:l1. 平均値 1 1 1 1. 9. 6. 8. 3.. 標準偏差. 63 04 31 46. 6. 6. 6. 5. Table18. 4群間の怒り因子得点の差を 検討するために、Table17のデータに. 18 05 40 83. 怒り因子における多重比較の結果. 2群の組. F値. 基づいて一元配置の分散分析を行った。. HH群一LL群. 44. 45**. その結果、4群簡に有意な主効果が見. HH群一肌群. 4. 38**. られた(F(3,600)=45.77,P〈.01)。. LL二一LH二. 8. 02**. 又群一田群. L 03. HH群一LH群. 0. 58. LL群一HL群. 2. 26十. また、多重比較を行ったところ、 Table18のような結果となった。. 【依存因子】. 群別の平均値と標準偏差はTable19に示すとおりである。. Table19 依存因子における4群の平均値及び標準偏差 群変数. HH群 n=256. 騰§≡211. 標準偏差. 平均値 1 1.. 9. 1 2.. 9.. 85 93 09 08. 3. 3, 3. 4. Table20. 依存因子における多重比較の結果. 2群の組. 4群間の依存因子得点の差を 検討するために、Table19のデータに 基づいて一元配置の分散分析を行った。. HHge 一一 LL群. その結果、4群間に有意な主効果が見 られた(F(3,600)= 24. 76.P〈.01)。. また、多重比較を行ったところ、 Table20のような結果となった。. ・一. @34 一. 71 60 63 05. F値 21. 96**. HHge 一肌群. 3. 08*. LL群一一 LH群. 7. 56**. 平群一LH群. 2. 28十. HH群一田群. 〇. 04. LL群一HL群. 0. 59.

図

Table 6 子ども関連育児ストレスにおけるα係数およびGP分析結果 質悶鶴 項 目 内 容 t値 2 4 5 7 9 10 14 15 18 20 21 23 24 28 30 31 32 34 36 37 39 40 43 44 45 46  信頼性係数αニ.89 食べ物の好き嫌いがはげしい子どもの身体の調子(下痢、湿しん、風邪など)が悪いかんしゃくを起こしやすい抱きぐせが直らない一度ぐずるとなだめにくいぐずって寝つきが悪い ちょっとしたことで激しく泣く発達が遅れている人見知りが激しい 気が散Dやすい
Table 9 ストレス反応尺度の因子分析結果(PROMAX回転後) 質聞翻 項 目 容 1 fi m rv V VI h2 35 45 15 25 24 14 13 48 39 29 17 37 2 41 19 26 絶望的な気持ちがする 生きているのがいやだと思う あることで頭が一杯で、他のことが考えられない悲しい入生に希望がない未来に希望が持てないびくびくするある考えが頭にこびりついて離れない不安を感じる次々とよくないことを考えるゆううつだ寂しい気持ちになる瓶詰がある すぐあることが頚に浮かんできて、

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