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育児不安に焦点を当てた母親の子育ての悩みの援助要請行動に影響を与える要因の検討

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Academic year: 2021

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(1)Title. 育児不安に焦点を当てた母親の子育ての悩みの援助要請行動に影響を与 える要因の検討. Author(s). 本田, 真大. Citation. 学校臨床心理学研究 : 北海道教育大学大学院教育学研究科学校臨床心理 学専攻研究紀要, 第15号: 11-21. Issue Date. 2018-03-14. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/9814. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 育児不安に焦点を当てた母親の子育ての悩みの 援助要請行動に影響を与える要因の検討 本 田 真 大*. Mothers’ Help-Seeking Behaviors Concerning Child-Rearing Problems: A Study on the Effects of Parenting Anxiety. 要 約 本研究の目的は母親の子育ての悩みに関する援助要請行動と4つの要因(ソーシャルサポート,育児 不安,子育ての悩み,夫婦間の養育態度の不一致)の関連を検討することである.調査対象者は134名 の3~6歳の子どもを育てる母親であった.質問紙調査の結果,以下のことが明らかになった.⑴ソー シャルサポートは夫,実母,友人への援助要請行動と正の関連があった,⑵育児不安は悩みの経験を介 して援助要請行動に正の関連を示した,⑶夫婦間の養育態度の不一致は夫からのソーシャルサポートと 負の関連を示し,夫への援助要請行動と負の関連を示した.育児不安が援助要請行動に与える効果の重 要性について議論された.. 問題と目的. 子育て支援に貢献しうる研究知見として,ソー シャルサポートの重要性と有効性が示されている. 子育て支援は虐待防止,里親の親子関係と並び. (数井・無藤・園田,1996;沢宮・田上,2005).. 我が国の親子関係をめぐる今日的課題の一つであ. さらに,近年ではソーシャルサポートや専門的援. る(戸田,2009).子ども・子育て支援新制度に. 助を母親が自ら求めること,悩みを抱えても援助. おいても子育て家庭や妊産婦がニーズに合わせて. を求めないことに関心が高まっている(小林,. 必要な支援を選択し利用できるための「利用者支. 2008;猿渡,2004).. 援」がうたわれており(内閣府・文部科学省・厚. 母親が子育ての悩みで援助を求めたり相談した. 生労働省,2015),乳幼児期の子どもと家族への. りする現象は援助要請行動として研究されている.. 子育て支援の必要性はますます高まっていると言. 援助要請行動は, 「情動的または行動的問題を解. えよう.実際に,保育者の多くが子育て支援の必. 決する目的でメンタルヘルスサービスや他の. 要性を認識している (中津,2007) . さらに, 保育・. フォーマルまたはインフォーマルなサポート資源. 教育の現場のみでなく,保健領域でも,乳幼児健. に援助を求めること」と定義されている(Srebnik,. 診から次の専門的な援助への橋渡しの機能を持つ. Cause,& Baydar,1996).援助要請に関する概. 親子教室への母親の参加が注目されている(浜. 念には援助要請行動の他に,意思決定の程度を尋. 本・永田,2011) .. ねる援助要請意図や援助要請意志,援助要請に対. *. Masahiro HONDA:北海道教育大学 キーワード:援助要請行動,母親,育児不安,ソーシャルサポート,夫婦間の養育態度の不一致. 11.

(3) 学校臨床心理学研究 第15号(2017年度). する肯定的・否定的態度である援助要請態度,よ. 媒介変数として子育ての悩みの経験(悩みの多. り広範な概念である被援助志向性などがある(本. さと深刻さ)を取り上げる.悩みの多さや深刻さ. 田・新井・石隈,2011) .本研究では悩みを相談. と援助要請の間には比較的一貫した正の関連が得. するという現象を援助要請行動の観点からとらえ, ら れ て い る と と も に( 例 え ば, 本 田・ 新 井, 母親の子育ての悩みに関する援助要請行動に影響. 2010;中神・天岩,2011),育児不安と子育ての. を与える要因を検討する.. 悩みの間にも正の関連が確認されており(阿部,. 子育てや女性の援助要請研究は近年増加してお. 2009),悩みの経験が媒介変数として機能してい. り(レビューは,本田・本田,2016;本田,2017) ,. る可能性がある.. 小 学 生 の 母 親(Raviv,Raviv,Edelstein-Dolev, ところで,育児不安に影響を与える要因の一つ & Silberstein,2003) ,中学生の父親や母親(飯田, にソーシャルサポートがある(レビューは,吉田, 2006;Owens,Hoagwood,Horwitz,Leaf,. 2012) .ソーシャルサポートとは「特定個人が,. Poduska,Kellam,& Ialongo,2002) ,親密な. 特定時点で,彼/彼女と関係を有している他者か. パートナーからの暴力被害経験のある女性(レ. ら得ている,有形/無形の諸種の援助」と定義さ. ビューは,Rizo & Macy,2011) ,人工妊娠中絶. れ(南・稲葉・浦,1987),一般にはサポートの. を受ける女性(国清・水野・渡辺・常盤,2006) , 入手可能性やサポートが得られる予期(期待)を などがある.それらの中でも近年では乳幼児の保. 意味する「知覚されたサポート」 ,実際に得られ. 護者を対象とした援助要請研究が増加しており,. たサポートである「実行されたサポート」,サポー. 母親の援助要請の実態に関する研究(諸井・杉本, トしてくれる人の存在や人数を意味する「ソー 2009),母親の援助要請・被援助志向性の概念や. シャルサポート・ネットワーク」という3つに分. モデルに関する研究などもあるが(臺・荒木・田. 類 さ れ る(Barrera,1986; 福 岡,2010). ソ ー. 高,2010;本田・三鈷・八越・西澤・新井・濱口, シャルサポートと援助要請に関する研究の中では, 2009),多くは母親の援助要請の促進・抑制要因. ソ ー シ ャ ル サ ポ ー ト・ ネ ッ ト ワ ー ク( 笠 原,. に関する研究である.子育ての援助要請に関する. 2000)と知覚されたサポート(Sheffield,Fiorenza,. 研究知見が蓄積される中で,十分検討されていな. & Sofronoff,2004)は援助要請の促進要因とし. い課題が2つ指摘できる.第1に,子育ての研究. て位置づけられ,実行されたサポートは援助要請. で多く取り上げられている育児不安と援助要請の. 行動の結果得られるものとして検討されることが. 関連が明確にされていない点である.第2に,夫. 多い(本田・新井・石隈,2008).本研究では知. への援助要請行動の抑制要因が明らかにされてい. 覚されたサポートを育児不安及び援助要請行動に. ない点である.本研究ではこれら2点の研究上の. 影響する要因として取り上げる.. 課題を踏まえ,子育ての研究で多く検討されてい. さらに,一般に子育てにおいて最も身近な夫に. る育児不安に焦点を当てて援助要請との関連を検. 援助要請できない母親は子育てで孤立しやすいと. 討する.. 思われる.つまり夫への援助要請の抑制要因を解. 子育ての文脈の研究ではないが,不安と援助要. 明することで子育て中の母親の孤立を防ぐ一助に. 請には負の関連があるという知見がある一方で. なると期待される.しかし,先行研究では夫への. (Schonert-Reichl & Muller,1996;Sears,. 援助要請の抑制要因は十分明らかにされていない.. 2004),援助不安は関連しないなど(木村・水野,. そこで本研究では夫への援助要請の抑制要因とし. 2004),必ずしも一貫した関連が見出されている. て 夫 婦 間 の 養 育 態 度 の 不 一 致( 品 川・ 品 川,. とは言えない.そして,育児不安と援助要請行動. 1992)を取り上げて検討する.幼児を育てる母親. との関連も見られていない(本田・新井,2010) .. は身近な他者に相談しづらい理由として,母親自. しかしこれらの研究では不安と援助要請の直接的. 身を非難される懸念や悩みを軽視される懸念など. な関連を検討しており,媒介変数が考慮されてい. を挙げている(本田他,2009).夫の養育態度と. ない.そこで本研究では育児不安と援助要請行動. の間の不一致を強く認知している母親は,夫に援. の媒介変数を含めてそれらの関連を検討する.. 助を求める際にこれらの懸念をより強く感じて援 12.

(4) 育児不安に焦点を当てた母親の子育ての悩みの援助要請行動に影響を与える要因の検討. 助を求めづらくなると予想される.さらに,養育. おり,「子どもの外界への興味や社会性(他児. 態度の不一致を強く認知することで夫に対する知. や大人との遊び,関わり方など)についての悩. 覚されたサポートも低くなると推測される.. み」などの5項目に対して4件法(1: 「まっ. 以上より本研究では育児不安に焦点を当てて幼. たくなかった」~4:「よくあった」)で回答が. 児を育てる母親の援助要請行動に影響する要因を. 求められた. ⑶ 子育ての悩みの深刻さ:本田・新井(2010). 検討することを目的とする.. による子育ての悩みの深刻さ尺度を用いた.本. 方 法. 尺度は子育ての悩みの多さ尺度(本田・新井, 2010)と同じ項目であり,4件法(1: 「まっ. 1.調査対象者. たく苦しくなかった」~4:「非常に苦しかっ た」)で回答が求められた.. 関東の2つの私立幼稚園に通う幼児の母親281. ⑷ 子育ての悩みに関する援助要請行動:本田・. 名.. 新井(2010)の援助要請行動尺度を用いた.教 2.実施時期. 示文は「あなたはここ6ヶ月くらいの間に,3. 2007年~2008年に実施された.. ~6歳のお子さんの子育てに関する以下のこと で悩んだときに,周りの人にどのくらい相談し. 3.実施方法. ましたか?それぞれの相手について,あてはま. 個別記入方式の質問紙を用いた留置法調査で. る数字一つに○をつけて下さい.」であった.. あった.具体的には,一部ずつ封筒に入れられた. 本研究では「夫」,「実母」,「あなたと一番仲の. 質問紙を幼稚園を通して母親に配布し,所定の期. よい友人(以下,友人)」,さらに保育者として. 日までに回答し,封筒を厳封して再び幼稚園に返. 「あなたと一番関わりのある幼稚園の先生(以. 却するという方法であった.回答は無記名であり,. 下,保育者)」を援助要請相手とし,子育ての. 調査に同意が得られた母親のみに調査への回答が. 悩みの多さ尺度(本田・新井,2010)と同様の. 求められた.. 項目内容(「子どもの外界への興味や社会性に ついて悩んだ時」,「子どもの生活習慣や習癖に. 4.調査内容. ついて悩んだ時」など)について尋ねた.各相. ⑴ フェイスシート:母親の年齢(1: 「20歳未. 手に関する5項目ずつの合計20項目を5件法. 満」 ,2: 「20代」 ,3: 「30代」 ,4: 「40代」 ,5:. (1: 「全くない」~5: 「非常にたくさんあ. 「50歳以上」 ) , 職業(1: 「勤め(フルタイム) 」 ,. る」)で回答を求めることで,実際に相談する. 2: 「勤め(パートタイム) 」 ,3: 「専業主婦」 ,. 行動の多さを尋ねた.. 4: 「その他」 ) ,同居家族( 「夫」 , 「実父」 , 「実. ⑸ 育児に対するソーシャルサポート:母親の子. 母」 , 「義父」 , 「義母」 , 「その他の人」から複数. 育てに対する知覚されたサポートを測定するた. 回答形式),子どもの人数,年齢,性別につい. めに,目良・小坂・平山・柏木(2003)の育児. て尋ねた.子どもが2人以上いる場合は,子ど. サポートの項目を用いた.本尺度はソーシャル. も全員の年齢と性別を記入した上で,3歳以上. サポート・ネットワークを尋ねる尺度であった. の子どものうち年齢の低い方の子どもについて. ため,教示文を「あなたは,あなたのまわりの. 回答するように求めた.. 人たちが,どのくらいあなたの助けになってい. ⑵ 子育ての悩みの多さ:本田・新井(2010)の. るとお感じになりますか?それぞれの相手につ. 子育ての悩みの多さ尺度を用いて,過去6ヶ月. いて,あてはまる数字一つに○をつけて下さ. 間に子育てに悩んだ経験を尋ねた.本尺度は幼. い.」と修正し,「夫」,「実母」,「あなたの一番. 稚園教育要領(文部省,1998;文部科学省,. 仲のよい友人」の3つのサポート源に対して回. 2008)に示される5つの領域(健康,人間関係,. 答を求めた.具体的な項目は表3に示した.合. 環境,言葉,表現)を参考に項目が作成されて. 計12項目4件法(1:「まったくあてはまらな 13.

(5) 学校臨床心理学研究 第15号(2017年度). の出生順位を基に算出した.. い」~4: 「よくあてはまる」 )で回答を求め, 各項目のサポートが得られる予期(期待)を尋. 1.尺度の構成と信頼性の確認. ねる尺度とした. ⑹ 夫婦間の養育態度の不一致:TK式幼児用親. まず,子育ての悩みの多さ尺度,子育ての悩み. 子関係検査(品川・品川,1992)の下位尺度で. の深刻さ尺度,子育ての悩みの援助要請行動尺度. ある「不一致」を用いた.項目は「両親のうち. (夫,実母,友人,保育者の4つ),夫婦間の養. 片方が厳しく,もう一方が甘いですか」などの. 育態度の不一致,育児不安尺度は先行研究にした. 合計8項目であり,4件法(1: 「ほとんどあ. がい(牧野,1982;品川・品川,1992;本田・新. てはまらない」~4: 「ほとんどあてはまる」 ). 井,2010),それぞれを1因子構造とした.内的. であった.. 整合性は,子育ての悩みの多さ尺度はα =.67,子. ⑺ 育児不安:牧野(1982)による育児不安尺度. 育ての悩みの深刻さ尺度はα =.79であった.子育. を用いた.14項目( 「毎日くたくたに疲れる」 ,. ての悩みの援助要請行動尺度について,夫への援. 「子どもを育てるためにがまんばかりしている. 助要請行動尺度はα =.90,実母への援助要請行動. と思う」など)であり,4件法であった.. 尺度はα =.92,友人への援助要請行動尺度はα =.85,保育者への援助要請行動尺度はα =.87で. 結 果. あった.夫婦間の養育態度の不一致はα =.62,育. 調査対象者281名のうち187名(回収率66.54%). ると判断した.. から回答が得られた. そのうち, 欠損値のあるデー. 育児に対するソーシャルサポート尺度は,本研. 児不安はα =.66であり,いずれも分析に使用でき. タを除いた134名分のデータが分析対象とされた. 究では先行研究の尺度をそのまま使用するのでは 分析対象者の特徴をTable 1,Table 2に示した.. なく,教示文等を修正して使用したため,因子構. なお,表2の「きょうだい数」には質問紙の「子. 造が先行研究と異なる可能性がある.そのため,. どもの人数」で回答された数を示し, 「出生順位」. 改めて因子分析(最尤法・プロマックス回転)を. は子ども全員の年齢及び回答した子ども (対象児). 行った.その結果,固有値が1.00以上の因子が4. Table 1 分析対象者(母親)の特徴(N=134) 母親の年齢. 母親の職業. 同居家族 同居. 別居. 20歳未満. 人数 0. 勤め(フルタイム). 人数 22. 夫. 133. 1. 20代. 4. 勤め(パートタイム). 27. 実父. 8. 126. 30代. 103. 専業主婦. 80. 実母. 13. 121. 40代. 27. 自営業. 4. 義父. 24. 110. 50歳以上. 0. その他. 1. 義母. 28. 106. その他の人. 18. 116. Table 2 対象とする子ども(対象児)の特徴(N=134) きょうだい数. 対象児の出生順位. 人数. 対象児の年齢. 人数. 対象児の性別. 人数. 人数. 1人. 23. 第1子 . 43. 3歳. 34. 男児. 79. 2人. 74. 第2子 . 66. 4歳. 47. 女児. 55. 3人. 31. 第3子 . 20. 5歳. 42. 4人以上. 6. 第4子以上. 5. 6歳. 11. 14.

(6) 育児不安に焦点を当てた母親の子育ての悩みの援助要請行動に影響を与える要因の検討. 因子抽出された.どの項目にも.40以上の負荷量. 2.各変数の単相関係数と記述統計量. を示したが第4因子が2項目と少なかったため,. 共分散構造分析を行うに当たり,各変数間の単. 3因子構造を採用した.第1因子は「実母からの. 相関係数を算出した(Table 4).その結果,夫婦. サポート」 ,第2因子は「夫からのサポート」 ,第. 間の養育態度の不一致は夫からのサポート,夫へ. 3因子は「友人からのサポート」と命名された.. の援助要請行動との間に負の単相関係数があるこ. いずれの下位尺度もα =.82以上であり,十分な内. とが示され,育児不安は悩みの多さ,悩みの深刻. 的整合性が確認された(Table 3) .. さとの間に正の単相関係数が得られた.悩みの多 さ,悩みの深刻さとすべての相手への援助要請行 動との間には正の単相関係数が見られた.これら. Table 3 ソーシャルサポート尺度の因子分析(最尤法・プロマックス回転,N=134) F1. F2. F3. h2. M. SD. 2 育児について困ったことやわからないことがあるとき,実母に気軽に相談できる. .96. .01. -.08. .77. 2.99. 1.01. 5 心配事や不安があるときに,実母に相談したり親身に助言してくれる. .87. .10. -.03. .74. 3.08. 1.05. .60. -.03. .01. .72. 2.54. 1.28. .58. -.14. .05. .73. 2.59. 1.29. 1 育児について困ったことやわからないことがあるとき,夫に気軽に相談できる. .01. .89. -.03. .70. 3.20. .93. 4 心配事や不安があるときに,夫に相談したり親身に助言してくれる. .04. .89. .03. .71. 3.10. .95. 7 仕事や緊急時に夫に子どもを預けることができる. -.07. .57. .02. .55. 2.74. 1.07. -.02. .54. .08. .51. 2.93. 1.05. 3 育児について困ったことやわからないことがあるとき,あなたと一番仲のよい友人に気軽に相談できる. .04. -.05. .96. .78. 3.10. .91. 6 心配事や不安があるときに,あなたと一番仲のよい友人に相談したり親身に助言してくれる. .13. .00. .84. .76. 3.21. .88. 9 仕事や緊急時にあなたと一番仲のよい友人に子どもを預けることができる. -.10. .10. .57. .55. 2.25. 1.05. -.13. .06. .46. .48. 1.77. .93. 1.00. -.05. .23. 項目 実母からのサポート(α=.86). 11 病気になったとき,実母が育児や家事などをしてくれる 8 仕事や緊急時に実母に子どもを預けることができる 夫からのサポート(α=.83). 10 病気になったとき,夫が育児や家事などをしてくれる 友人からのサポート(α=.82). 12 病気になったとき,あなたと一番仲のよい友人が育児や家事などをしてくれる 因子間相関 F1 F2. 1.00. F3. .29 1.00. Table 4 各変数の単相関係数(N=134) (a) (a) 夫婦間の養育態度の不一致 (b) 夫からのサポート (c) 実母からのサポート (d) 友人からのサポート. 1.00. (b) -.43 ** 1.00. (c) .07 -.08 1.00. (d) -.16 .31 ** .18. *. 1.00. (e) 育児不安. (i). (j). .14. (e). -.04. -.05. -.27 **. .17 *. .06. -.08. -.24 **. -.05. -.07. .31 **. -.24 **. .04. .08. -.03. .00. .00. .10. .54 **. .08. .15. -.09. -.16. -.11. -.04. -.17 *. -.02. .38 **. -.06. .12. -.06. .04. 1.00. (f) 悩みの多さ. (f). .28 1.00. (g) 悩みの深刻さ. **. (g). .28. .77 ** 1.00. (h) 夫への援助要請行動. **. (h). .50 ** .43 1.00. (i) 実母への援助要請行動. **. .31 ** .22. *. .38. **. 1.00. (j) 保育者への援助要請行動. (k). .37 **. .45 **. .34. **. .42 **. .43. **. .42 **. .26. **. .33 ** .38 **. 1.00. (k) 友人への援助要請行動. 1.00 **. 15. p<.01,*p<.05..

(7) 学校臨床心理学研究 第15号(2017年度). の結果から,本研究で想定した変数間の関係と一. 育児不安と負の関連があり,夫への援助要請行動. 致する関連が部分的に認められた.また,分析に. と正の関連があった.さらに育児不安は援助要請. 用いる各尺度得点の記述統計量をTable 5に示し. 行動との間には直接関連は見られず,悩みの多さ. た.. 及び悩みの深刻さと正の関連が認められた.そし て,悩みの多さと夫,実母,保育者,友人への援. 3.母親の援助要請行動に影響を与える要因の. 助要請行動との間に正の関連が得られた.夫,実. 検討. 母,保育者,友人への援助要請行動のR2の値は,. 共分散構造分析によって検討した.第1水準は. 順に .39,.39,.14,.46であった.. 夫婦間の養育態度の不一致,第2水準には夫,実. 考 察. 母,友人からのソーシャルサポート,第3水準に は育児不安,第4水準には悩みの多さと悩みの深 刻さ,第5水準に各相手への援助要請行動をそれ. 本研究の目的は育児不安に焦点を当てて幼児を. ぞれ設定した.分析には尺度得点を観測変数とし. 育てる母親の援助要請行動に影響を与える要因を. て用いた.すべての変数間にパスを設定し,同水. 検討することであった.. 準にある変数の誤差間に相関関係を仮定した.分 析後に有意ではなかったパスを削除し,再度分析. 1.母親の援助要請行動に影響を与える要因. を行った.. 本研究より,ソーシャルサポートと援助要請行. 共分散構造分析の結果,最終的にFigure 1の結. 動の関連,悩みの経験を媒介した育児不安と援助. 2. 果 が 得 ら れ た. χ =44.24,df=35,p=.14で あ り, 要請行動の関連,夫婦間の養育態度の不一致と援 有 意 で は な か っ た. 適 合 度 は,GFI=.95,. 助要請行動の関連の知見が得られた.. AGFI=.90,CFI=.98,RMSEA=.05で あ り, 十 分. まず,先行研究では専門家や保育者のソーシャ. な値が得られた.夫婦間の養育態度の不一致は夫. ルサポート・ネットワークと援助要請行動の関連. からのサポート及び夫への援助要請行動との間に. が明らかにされている(笠原,2000).本研究では,. 負の関連が見られた.実母からのサポートは実母. 夫,実母,友人への知覚されたサポートはいずれ. への援助要請行動との間に正の関連があった.友. も各相手への援助要請行動との間に正の関連があ. 人からのサポートは実母への援助要請行動と負の. ることが明らかになった.これらの結果は各相手. 関連を示し,友人への援助要請行動と正の関連が. がサポートをしてくれると予期(期待)すること. あることが明らかになった.夫からのサポートは. で多く援助を求めることを意味する.加えて,友. Table 5 分析に用いた各尺度の記述統計量(N=134) 項目. M. SD. 得点範囲. 夫婦間の養育態度の不一致. 17.31. 3.53. 8~32. 夫からのサポート. 11.97. 3.27. 4~16. 実母からのサポート. 11.21. 3.90. 4~16. 友人からのサポート. 10.33. 3.05. 4~16. 育児不安. 35.61. 4.83. 14~56. 悩みの多さ. 11.54. 2.89. 5~20. 悩みの深刻さ. 9.21. 2.77. 5~20. 夫への援助要請行動. 12.02. 5.05. 5~25. 実母への援助要請行動. 8.92. 4.74. 5~25. 保育者への援助要請行動. 6.85. 2.80. 5~25. 友人への援助要請行動. 8.56. 3.52. 5~25. 16.

(8) 育児不安に焦点を当てた母親の子育ての悩みの援助要請行動に影響を与える要因の検討. 援助要請 保育者 R2=.14. 養育態度 不一致. e. ‐.18** .37**. ‐.39**. e. 夫からの サポート R2=.16. 援助要請 夫 R2=.39. .28** ‐.23** 育児不安 R2=.05. 実母から のサポート. .29**. e. .28**. .28**. .55**. 悩みの 多さ R2=.08. .51**. e. .29**. .75**. 悩みの 深刻さ R2=.08. ‐.20** 友人から のサポート. .47**. e. .36**. 援助要請 実母 R2=.39. e. .19*. .26**. .51** 援助要請 友人 R2=.46. e. .29**. .36**. e. Figure 1 母親の援助要請行動に影響を与える要因の分析(N=134) χ2=44.24,df=35,p=.14(n.s.),GFI=.95,AGFI=.90,CFI=.98,RMSEA=.05 注)パス付近の数字は標準化パス係数を示した.正の関連は実線,負の関連は点線で表記した.. 人からのサポートは実母への援助要請行動との間. 確にはされていない.そのため,育児不安と子育. に負の関連が見られた.この結果からは,友人か. ての悩みの因果関係は双方向の因果関係も考慮し. らのサポートが十分であれば実母への援助要請行. つつ,今後の研究において慎重に検討する必要が. 動を必要としない可能性が示唆される.. あろう.. また,夫からのサポートは育児不安と悩みの多. また,悩みの多さは夫,実母,保育者,友人へ. さを介して間接的に様々な相手への援助要請行動. の援助要請行動と正の関連を示した.悩みの経験. と関連していた.育児不安と援助要請行動の直接. と援助要請行動の関連は先行研究と一致していた. 的な関連が見られないという結果は本田・新井. (笠原,2000;本田・新井,2010;中神・天岩,. (2010)と同様であるが,悩みの多さを媒介して. 2011).しかし詳細にみると,本田・新井(2010). 援助要請行動と正の関連を示していた.この点は. では悩みの深刻さが夫,実母,友人への援助要請. 本研究において子育ての悩みの要因を媒介変数と. 行動と正の関連を示し,悩みの多さが保育者への. して検討したことで新たに得られた知見である.. 援助要請行動と正の関連を示しており,本研究の. ところで,本研究では育児不安と援助要請行動の. 結果とは異なっている.本田・新井(2010)とは. 媒介変数として悩みの多さを扱ったため,阿部. 同時に分析に使用した変数が異なるために単純に. (2009)のように育児不安を予測変数側に位置付. 比較はできないが,本田・新井(2010)が指摘す. けた.しかし,育児ストレス研究においては子育. るように悩みの経験の多さを保育者による幼児の. て上の困難な経験(子どもの行動や態度)を育児. 行動評定によって行うなど,測定方法を再検討す. ストレッサーとし,育児不安をストレス反応とし. る必要もあると思われる.. た研究も行われており(例えば,渡辺・石井,. 夫婦間の養育態度の不一致と夫からのサポート,. 2005),育児不安と子育ての悩みの因果関係は明. 夫への援助要請行動との間に負の関連が見られ, 17.

(9) 学校臨床心理学研究 第15号(2017年度). 夫婦間の養育態度の不一致は夫への援助要請行動. 加えて,夫婦間の養育態度の不一致を強く認識. の抑制要因であることが明らかになった.今後は. しているほど子育ての悩みについて夫婦間で話し. 夫婦間の養育態度の不一致が母親の被援助志向性. あい,不一致に折り合いをつけていくことが望ま. (本田他,2010)に影響し,援助要請行動を抑制. しいと思われるが,本研究の結果からは夫への援. する可能性を検討することも有益であろう.. 助要請行動と負の関連が見られた.そのため,子. 以上をまとめると,本研究からは先行研究と異. 育て支援のスタッフは母親が抱く養育態度の不一. なる新たな知見が3つ得られた. 第1に, ソーシャ. 致の認識に気づいた場合,その母親は夫に相談し. ルサポートがサポート源とは異なる相手にも影響. づらい可能性があることを念頭に置きながら,母. を及ぼしていた.具体的には,友人からのサポー. 親の悩みに応じた支援を計画・実践していく必要. トと実母への援助要請行動との間に負の関連が. があろう.. あった.第2に,育児不安は悩みの経験を媒介変 数として援助要請行動と関連することが明らかに. 3.本研究の限界と課題. なった.第3に,夫婦間の養育態度の不一致の要. 第1に,本研究で使用した牧野(1982)の尺度. 因が夫への援助要請行動の抑制要因となることが. で測定される育児不安は「ある期間持続している. 示された.. 情緒の状態あるいは態度」とされるものの,育児 不安は時代とともに内容が変遷すると考えられて. 2.コミュニティにおける実践への提言. いたり(渡邉,2011),特性的ではなく状態的な. 本研究の結果から,援助要請行動に影響が強く,. 不安として扱われていたりなど(渡辺・石井,. かつ変容可能な変数としてソーシャルサポート (知. 2005),様々なとらえ方がなされている.本研究. 覚されたサポート)と育児不安が挙げられる.母. では子育ての研究で重要な変数である育児不安と. 親が援助を求めやすくなるような援助サービスを. 援助要請の関連を一部明らかにした点に意義があ. 考える上では,母親の知覚されたサポートを高め. るとはいえ,育児不安と子育ての悩みの因果関係. ること, 及び育児不安を低めることが有効であろう.. についても未だ十分な検討はなされておらず,援. 具体的な方法として,親子教室や子育て広場など. 助要請研究における育児不安の理論上の位置づけ. の利用によりこれらの変数の変容が期待される.. 方には更なる検討が必要であろう.. 例えば親子教室や子育て広場に参加する中で育児. 第2に,ソーシャルサポートと援助要請の測定. 中の他の母親同士との交流が促進され,友人から. 上の課題を指摘したい.本研究で用いたソーシャ. の知覚されたサポートが高まり,友人への援助要. ルサポート尺度に限らず,情緒的サポートに関す. 請行動が促進される可能性がある.一方で,友人. る尺度項目には援助を受けることや相談すること. からのサポートが高まることで実母への援助要請. に関する項目が含まれている(例えば,久田・千. 行動が低下する可能性にも留意すべきであろう.. 田・箕口,1989;嶋田,1998).本研究ではソー. また,親子教室などで子どもの成長・発達に関. シャルサポートを相手から得られる予期(期待). する適切な情報が得られたり,支援スタッフや他. として測定し,実際に援助を求める行動(援助要. の利用者との交流を経験したりすることで,育児. 請行動)との関連を検討したため,測定される概. 不安が低減されて子育ての悩みが少なくなり,援. 念自体は異なるものであったが,ソーシャルサ. 助要請行動を行う必要がなくなる可能性もある.. ポートと援助要請の間に項目レベルで似通った内. 援助要請行動は必ずしも促進すべきものではなく, 容が含まれることで,本研究並びに先行研究にお 必要な時に援助要請できることが重要である.そ. いてもソーシャルサポートと援助要請の間に一貫. のような点で育児不安の低減は有効であろう.こ. した関連が見出されている可能性も否定できない.. れらの取り組みは現在行われているものであり,. この点の理論上,測定上の弁別をより精緻に行う. 本研究の結果はこれらの実践が母親が相談しやす. ことは,本研究に限らずソーシャルサポートと援. くなるという点で効果的であることの1つの根拠. 助要請に関する研究全体における課題であろう.. になると言える.. 第3に,保育者への援助要請行動のモデルの 18.

(10) 育児不安に焦点を当てた母親の子育ての悩みの援助要請行動に影響を与える要因の検討. 38-46.. R2が他のモデルと比べても低かった.保育者が より良い支援・援助を行うことはもとより,母親. 本田真大・新井邦二郎(2010).幼児をもつ母親. が保育者に援助を求めやすい環境を構築すること. の子育ての悩みに関する援助要請行動に影響を. も重要である.したがって,今後は保育者への援. 与える要因の検討.カウンセリング研究,43,. 助要請行動に影響を与える要因をより詳細に検討. 51-60. 本田真大・新井邦二郎・石隈利紀(2008) .中学. し,実践的に研究することも求められよう. 第4に,援助要請行動尺度の得点の低さである.. 生の悩みの深刻さ,援助要請時に受けた援助,. 援助要請行動に対する影響因を明らかにすること. 受けた援助の期待との一致,援助評価と学校適. で「相談したいができない」母親が実際に行動で. 応の関連の検討.筑波大学心理学研究,36,. きるための実践に寄与する知見が得られる利点が. 57-66.. ある.しかし,援助要請の相手によっては尺度得. 本田真大・新井邦二郎・石隈利紀(2011) .中学. 点が低くなるため,援助要請行動ではなく援助要. 生の友人,教師,家族に対する被援助志向性尺 度の作成.カウンセリング研究,44,254-263.. 請意図を測定することも検討の余地があると言え. 本田真大・本田泰代(2016).子育ての問題に関. る.. する親の援助要請研究の展望 北海道教育大学. 引用文献. 紀要(教育科学編),67(1),17-27. 本田真大・三鈷泰代・八越忍・西澤千枝美・新井. 阿部範子(2009).育児不安を持つ母親が求める. 邦二郎・濱口佳和(2009) .幼児をもつ母親の. 子育て支援サービス.日本赤十字秋田看護大. 子育ての悩みに関する被援助志向性の探索的検. 学・日本赤十字秋田短期大学紀要,14,23-27.. 討―身近な他者と専門機関に相談しにくい理由 の分析―.筑波大学心理学研究,37,57-65.. Barrera, M. Jr. (1986). Distinctions between social support concepts, measures, and models.. 飯田敏晴(2006) .中学生の保護者における専門. American Journal of Community Psychology,. 機関への来談に対する態度尺度作成の試み.明 治学院大学心理学研究科修士論文.. 14, 413-445. 臺有香・荒木美香子・田高悦子(2010) .幼児の. 笠原正洋(2000).保育者による育児支援:子育. 健康問題に関する保護者の「援助要請(Help-. て家庭保護者の援助要請意識および行動から.. Seeking) 」―概念分析―.横浜看護学雑誌,3,. 中村学園研究紀要,32,51-58. 数井みゆき・無藤隆・園田菜摘(1996) .子ども. 1-7.. の発達と母子関係・夫婦関係:幼児を持つ家族. 福岡欣治(2010).ソーシャルサポート研究の基. について.発達心理学研究,7,31-40.. 礎と応用-よりよい対人関係を求めて.谷口弘 一・福岡欣治 対人関係と適応の心理学―スト. 木村真人・水野治久(2004).大学生の被援助志. レス対処の理論と実践 北大路書房,97-115.. 向性と心理的変数との関連について―学生相. 浜本真規子・永田雅子(2011) .親子教室に参加. 談・友達・家族に焦点をあてて―.カウンセリ ング研究,37,260-269.. する親の援助要請を支える要因.名古屋大学大 学院教育発達科学研究紀要 心理発達科学,58,. 小林佐知子(2008).乳幼児をもつ母親のソーシャ ル・サポートと抑うつ状態との関連.小児保健. 113-118.. 研究,67,96-101.. 久田満・千田茂博・箕口雅博(1989) .学生用ソー シャル・サポート尺度作成の試み(1).日本社. 厚生労働省(2008).保育所保育指針.. 会心理学会第30回大会発表論文集,143-144.. 国清恭子・水野治久・渡辺尚・常盤洋子(2006) .. 本田真大(2017).親の援助要請 水野治久・永. 人工妊娠中絶を受ける女性の援助不安と心のケ. 井智・本田真大・飯田敏晴・木村真人 援助要. アに関する研究.The KITAKANTO Medical. 請・被援助志向性の心理学―困っていても助け. Journal,56,303-312. 牧野カツコ(1982).乳幼児をもつ母親の生活と〈育. を求められない人の理解と援助― 金子書房, 19.

(11) 学校臨床心理学研究 第15号(2017年度). 26,14-26.. 児不安〉 .家庭教育研究所紀要,3,34-56. 目 良 秋 子・ 小 坂 千 秋・ 平 山 順 子・ 柏 木 惠 子. 沢宮容子・田上不二夫(2005).育児不安を抱え. (2003) .育児期女性におけるソーシャルサポー. る母親への援助過程―注目スタイルの視点か. ト.白百合女子大学研究紀要,39,159-170.. ら―.カウンセリング研究,38,303-310.. 南 隆男・稲葉昭英・浦 光博(1987) . 「ソーシャ. Schonert-Reichl, K. A. & Muller, J. R. (1996).. ルサポート」研究の活性化に向けて-若干の資. Correlates of help-seeking in adolescence.. 料-.哲学,85,151-184.. Journal of Youth and Adolescence,25,705731.. 諸井泰子・杉本信(2009) .児童館と保育所の子 育て支援事業に参加する未就園児を持つ母親の. Sears, H. A. (2004). Adolescents in rural. 育児ストレスの実態と援助要請の意識に関する. communities seeking help: who reports. 研究.保育士養成研究,27,73-81.. problems and who sees professionals? Journal of Child Psychology and Psychiatry,45,396-. 文部省(1998) .幼稚園教育要領.. 404.. 文部科学省(2008) .幼稚園教育要領. 内閣府・文部科学省・厚生労働省(2015) .子ど. Sheffield, J. K., Fiorenza, E., & Sofronoff, K.. も・子育て支援新制度なるほどBOOK平成27年. (2004). Adolescents’ willingness to seek. 10改訂版.http://www8.cao.go.jp/shoushi/. psychological help: Promoting and preventing. shinseido/event/publicity/pdf/naruhodo_. factors. Journal of Youth and Adolescence,33,. book_2710/a4_print.pdf(2015年10月31日閲覧). 495-507. 嶋田洋徳(1998) .小中学生の心理的ストレスと. 中神友梨・天岩靜子(2011) .母親の子育てに関. 学校不適応に関する研究.風間書房. する援助要請及び要請への心理的抵抗.信州心. 品川不二郎・品川孝子(1992).TK式幼児用親子. 理臨床紀要,10,53-64.. 関係検査.田研出版株式会社.. 中津郁子(2007).子育て支援としての相談活動. Srebnik, D., Cause, A. M., & Baydar, N. (1996).. のあり方―保育所・幼稚園の保育者を対象にし た質問紙調査から―.小児保健研究,66,46-. Help-seeking pathways for children and. 53.. adolescents. Journal of Emotional and Behavioral Disorders,4,210-220.. Owens, P., Hoagwood, K., Horwitz, S. M., Leaf, P.. 戸田まり(2009) .親子関係研究の視座.教育心. J., Poduska, J. M., Kellam, S. G. & Ialongo, N. S.. 理学年報,48,173-181.. (2002). Barriers to children’s mental health. 吉田弘道(2012) .育児不安研究の現状と課題.. services. Journal of American Academy of. 専修人間科学論集 心理学篇,2,1-8.. Child & Adolescent Psychiatry,41,731-739. Raviv, A., Raviv, A., Edelstein-Dolev, Y. &. 渡邉茉奈美(2011).「育児不安」の再検討―子ど. Silberstein, O. (2003). The gap between a. も虐待予防への示唆―.東京大学大学院教育学. mother seeking psychological help for her. 研究科紀要,51,191-202.. child and for a friend’s child. International. 渡辺弥生・石井睦子(2005).母親の育児不安に. Journal of Behavioral Development,27,329-. 影響を及ぼす要因について.法政大学文学部紀. 337.. 要,51,35-46.. Rizo, C. Z. & Macy, R. J. (2011). Help seeking. 付 記. and barriers of hispanic partner violence survivors: a systematic review of the literature. Aggression and Violent Behavior,. 本研究にご協力頂きました保護者の皆様ならび. 16,250-264.. に幼稚園の先生方に深く感謝いたします.また本. 猿渡知子(2004).母親による育児支援サービス. 研究を行うにあたり,筑波大学(研究実施当時の. の利用に関する諸要因.家庭教育研究所紀要,. 所属)の新井邦二郎先生のご指導を頂きました. 20.

(12) 育児不安に焦点を当てた母親の子育ての悩みの援助要請行動に影響を与える要因の検討. SUMMARY Mothers’ Help-Seeking Behaviors Concerning Child-Rearing Problems: A Study on the Effects of Parenting Anxiety Masahiro HONDA (Hokkaido University of Education) This study investigates the relationship between mothers’ help-seeking behaviors concerning child-rearing problems and four variables: social supports, parenting anxiety, perceived problems about parenting, and inconsistency of parenting between mother and father. The surveyed participants comprised 134 mothers with children aged between three and six years. The questionnaire results, using structural equation modeling, indicated the following: (a) social supports were positively related to help-seeking behaviors with the father, the grandmother, and friends; (b) parenting anxiety was positively related to help-seeking behaviors mediated by perceived problems; and (c) inconsistencies of parenting between the mother and father were negatively related to social support from the father and negatively related to help-seeking behaviors with the father. Further, the significance of the effect of parenting anxiety on help-seeking behaviors is discussed.. Key words : help-seeking behaviors; mothers; parenting anxiety; social supports; inconsistency of parenting between mother and father. 21.

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参照

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