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小学校低学年での教育におけるコンピュータ利用のあり方 : 特に数学教育における利用について

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(1)Title. 小学校低学年での教育におけるコンピュータ利用のあり方 : 特に数学教 育における利用について. Author(s). 大久保, 和義. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 38(2): 87-101. Issue Date. 1988-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/5069. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 小学校低学年 での教育におけるコン ピュ ータ利用 のあり方 -- 特に数学教育における利用について --. 大久保. 和. 義. 1, は じ め に. 今日のように, コンピュータや情報通信網技術などが急速に発展した高度情報化社会において, コンピュ ータ等の果たす役割は我々 が社会生活を営む上で不可欠なものとなっ てきている, このよ. うな中で, 学校教育がそれらに対していかに対応すべきかということが大きな課題となっ ている, 文部省においても, 昭和60年8月22日に 『情報化社会に対応する初等中等教育のあり方に関する 研究調査』の第一審議とりまとめが出され, そこでは, 「今後一層の進展が予想される情報化に対し て, 学校教育は無縁ではあり得ない…… (中略) ……未来の高度情報社会に生きる子供達に必要な 資質を養うための方途を工夫する必要がある,」 とし, また, 教師教育に対しても, 「教師の職務内 容も情報化に伴 い, 変化をきたすことが考えられ, 教育養成段階も含めて, 教師の情報化への適切 な対応が必要」 とされている, さらに, 学校教育におけるコンピュ ータ等の利用としては, 1. コンピュ ータ等を利用 した学習指導 2, コンピュータ等に関する教育. 3. 教師の指導計画作成等及び学校経営援助. が挙げられている, 各学校段階における基本的な考えとして, 小学校においては, 教具として活用することを通して コンピュータ等に触れ, 慣れ, 親しませること, 中学校においては, コンピュ ータのもつ 特性 (シ ミュ レーショ ンや情報検索等の機能) を学習指導に活用するとともに, それらを通してコンピュ ー. タ等に関する理解や能力を得させること, またコンピュ ータ等に関する教育については, 当面は, 希望する生徒を中心として特別活動等で指導すること, 将来的には, 必要に応じて関係する教科の. 内容の 一部として指導することを検討すべ きであり, 高校では, 将来の社会人として必要な基礎的, 基本的な事項を共通に学習した後に生徒の個性, 能力, 進路等により多用な選択教科, 科目の学習 を通して一人一人の生徒の能力, 適性などの十分な伸長を図る必要があるとしている, このような. とりまとめや, それ以前の昭和60年3月29日に出された社会教育審議会の先進諸外国に比べて教育 におけるコンピュ ータの導入, 利用, 教育の遅れを指摘し積極的に教育へのコンピュ ータ利用をう ながす 『教育におけるマイ クロコンピュ ータ利用について』 の答申にも見られるようにわが国でも しだいに教育におけるコンピュータの利用に関する関心が高まっ てきている。 また, 文部省では学 校現場でのコンピュータ導入について大幅な援助を行うようになり, しだいに学校教育でもコンピ. ュータが導入されていうているのが現状である. ・された臨時教育審議会の最終答申でも情報化社会への対応として「 21 さらに,今年の8月7日に出. 世紀に向けて情報化という新しい時代を迎えつつある. わが国が今後情報化の絶え ざる進展に柔軟 に対応し, 物質的にも精神的にも豊かな社会を築いていくためには, 教育自体をそれに積極的に対. 87.

(3) . 大久保 和 義. 応できるよう改革をはかっ ていかなければならない.」 として 「学校をはじめ様々な教育機関におい で情報活用能力の育成に本格的に取り組む.」 と述べている, これまでの学校教育でのコンピュ ータへの取り組みを具体的に眺めてみると, 昭和45年に告示さ. れた高等学校の学習指導要領において, 数学一般, 数学, A, 応用数学で, 将来生徒が計算機 (電 子計算機) を適切に利用 できるためにという理由で計算機の内容が盛り込ま れた, その中身として. は, 単なる技術指導だけではなくて, 計算機を通して問題を処理する手順を整理する能力を伸ばす, 物事を論理的に考え, 正 しい判 断をする能力を育成するという ことで, 0計算や試行の手順を分析し, 系統化してフローチャートに表すことができるよう にする 0プログラムを作成 し, 実際に計算機にかけて結果を求められるようにする. とされており, 現行の指導要領でも数学, 理数数学 において同様な目標, 内容で取りあげら れてい る,. このような状況の中で, 最近は種々の学会においても教育におけるコ ンピュ ータ利用のあり方の 研究発表がなされ, そのことの是非, あるいは, 実践に対する質問, 意見の交換, 討論が活発にさ れ て い る,. この小論では, コンピュ ータの教育 における利用の実践を通して, その効果, 問題点などについ て述べる.. 2. 教 育 に お け る コ ン ピ ュ ー タ の 利 用. 教育におけるコンピュ ータの利用方法については, 先のとりまとめの3つが考えられるが, それ ぞれにつ いては次のようなものがある, 2, 1. コンピュータを利用 した学習指導. これは, 〔1〕 によると, 「学習指導にコンピュータを利用することにより教師の指導方法を多用 にし, 既存の指導方法だけでは指導が困難な事柄について新たに効果的な手段となること, また,. 一 人一 人の能力, 適性 等に応じた指導において効果的な指導が期待できる,」とある. さらにつけ加 えると, 北海道のように小規模複式学級が多いところでは, その利用の仕方によっ てはより一層の f 効果が望める. ( c . .〔6〕) 具体的な内容について述べよう, ① 教材の提示等……コンピュ ータを教材提示等の道具として活用させたり, 計算の習熟をはか. る場合の ドリルを行うときに利用するなど, シミュ レーショ ン機能, 処理機能を十分に活用させる ことにより, さらに, 観察, 実験, 具体的な操作等と連動させるなどして学習内容の理解を助けた り, 強固にする.. この利用では, 授業の展開にも幅をもたせ, 学習の動機づけ, 生徒の授業への趣味, 関心を高め, 論理的な思考能力, 問題解決能力, 情報処理能力等を育成する.. i 個人差に応 じた学習指導を進める使用……この利用法は普通 CA1(Compu ted ln‐ t s e r Ass i ) と呼ばれている. よく言われているように, 教育の目標は一人一人の持っ ている個性を t t s ruc on 精いっ ぱい引き出すことであり, 今日なされている 一般的な授業形態である一斉授業の中で, どの. ②. ような個々の生徒の特性にあっ た授業を行うかが大きな課題となっている, 先のとりまとめ 〔1〕. において学習者一人一人の能力に応じた個別指導の必要性に ついて, さらに, コンピュ ータ等を利. 88.

(4) . 小学校低学年での教育におけるコンピュータ利用のあり方-特に数学教育における利用について-. 用した学習指導が効果的な手段となる可能性があることを述べている, CAIはそのよう な課題に対. して, 子どもの個々の特性を生かし, 個々のペースにあった授業の展開ができないだろうか, とい う追求のもとに考えられた授業の方法であり, 大まかに言うとコンピュータにより学習の目的に到 達するためにはその学習者にはどのような内容与えるのが最良かを判断して, コンピュ ータと学習 〔3〕 参照) 者のやりとりで学習を進めていくという方法である, ( ③. 一斉授業における学習の個別化……現在の状況で中学校・高校で最も多くコンピュ ータが用. いられているのは, 成績の処理, 管理であろう. 現在, 普及しているシステムの多くは, 成績デー タを集計し, その合計, 偏差値, 順位を求め, さらにそれらを管理するのに留まっ ていて教師が実 際に児童・生徒を指導するのにあまり役だっ ていない. そこで, CA1とは異なって, もし1台のコ ンピュ ータが教室にあっ たらどこまで一斉授業が改善できるかということでコンピュータの利用を 考える. 改善の視点は一斉授業における学習の個別化であり, コンピュータは個別化に際して教師 を支援するものとしての役割をはたす, このようなコンピュ ータの利用は通常 CM1(Compu t r e Managedlns i t ruct on) の 範 祷 に 入 れ ら れ る. 2, 2. コ ン ピュ ー タ に つ い て の 教 育. 先にも述べたように, 今後の社会においては, コンピュータ等が職場だけではなく, 家庭生活, 地域生活に果たす役割が不可欠になることは, ほとんど間違いのないことであろう.. 〔1〕 に お い て, 「こ の た め に は, こ れ ら の 児 童, 生 徒 に と っ て は, 少 なく と も コ ン ピ ュ ー タ 等 の. 利用等の利用にこだわりを持たない態度, 姿勢を持つことが要請される, 従っ て, 今後の学校教育 においてコンピュータ等に関する基礎的な知識が必要となっ てくる,」 とある,. teracy) こ れ ら の コ ン ピ ュ ー タ そ の も の の 教 育 は 一 般 に コ ン ピ ュ ー タ・リ テ ラ シ ー (ComputerLi. の領域に入る, リテラシーとは, 「読み書きの 能力のあること」 を意味する. かつて, 「読み, 書き, ソロ バン」と言われたように, 社会生活を営むうえで最低限必要なスキルと してこれからの情報社会ではすべての人にとっ てコンピュータの理解, 操作が必要であろう, とい. うことである,. コ ン ピ ュ ー タ ・ リ テ ラ シー の 内 容 と し て は. ① ②. コンピュータの機能や役割についての理解 コンピュータを道具として利用する. ③ プログラミン グの技能, 能力を育てる が考えられる, ①に関しては, 情報化社会の進展, コンピュ ータ等の社会的な役割, 原理についての正しい理解 ②に関しては自分達の問題を解決したり, 情報を処理するのに大変便利であるという経験を通して. コンピュータ社会に適応する能力を養うことをねらいにする. ③については, 情報をどう扱ってい くかとか, どう加 工していくか, それがわかるためには, たとえば, プロ グラムを組んでこう いう データを入れたらどのような結果が出てくるかということを考える, そうした場合はやはり プロ グ ラミン グの教育が必要になっ てくるのである.. しかしながら, このコンピュータ・リテラシー教育については, すべての生徒が習得すべき基礎 的な内容は何か, また希望する生徒が学習するべき内容は何か, 指導すべき学年, 時間数, 指導方 法等の学校教育でのあり方については, 現在, まだ研究が十分ではなく今後の課題として残ってい る,. 89.

(5) . 大久保 和 義. 次章以下では, 具体的な実践を通して教育におけるコンピュータ利用の方法について考察する,. 3, 論理的能力の育成 以前に高校で数学を教えていた時期がある. そのとき, 生徒の多くは. 数学=公式の暗記. という考え方をしていた, 高校3年生で, 学力もあまり高くなく, 数学を苦手とする生徒が多い中 で2年生のときまで教えていた先生がやむ なくそのような方法を取っ たのであろうが, 生徒に生き 生きとした姿が見られなかっ た.. 数学教育の目標の1つに論理的な思考能力の育成がある, 数学教育においては, ただ単に公式に 数値を代入して答えを求めるだけでなく, 数学的な論理の構造を明らかにし, その方法を理解させ. ること が大切なことは言うま でもないであろう, また, そのことを通して, 数学で考えることの楽 しさを生徒に教えたいというのが教師の願いであろう. このようなことから, 他の数学の先生との 02 ) があっ たのでそれを利用 してそ 相談をして, 学校に1台のコンピュ ータ(オリベ ッ ティ 一 P6 の願いを達成させることを目差 した, 実際に指導したのは, フローチャ ートを書くことと, 簡単な プロ グラムを組みそれを実行させるということ であった,. 前者は, 我々 が通常ある行動をするとき, いろいろな方面から状況を分析し, 論理的に思考して 次に行うべき態度を決定するが数学の問題を解決する場合も同様な手順が考えられる. その手順を 分析し, 相互の関連, 全体の構造, 解決への方法を図式かしたものをフローチャー トと言っている が, こ れを書かせることは先の目的にか なり有効である ことが実践を通して感じられた, また, フローチャ ートを書く意義としては次のことがあろう. 1. 問題の処理方法が図により簡潔に示される 2. 手順についての検討ができ, むだをなくせる. 3. 記号が決っ ているので, だれがみてもわかる 後者では, は じめに, 計算機のもっ ている機能と各キーの扱い方を指導してからフローチャート をたよりに, 基本的なプロ グラミ ン グの指導をして, その実習, さらにそれを計算機で操作する,. ということを行っ た. 計算機が1台しかなかったため5, 6人ずつの グループに分けて指導した, 1グルー プ が計算機を扱っ ている間は他の グループには, 問題を与えて, その問題を解くフローチ ャ ートを書かせ, プロ グラムを組ませ, さらに, その プログラムを実際に計算機で実行させたとす ると, 各レジスタには, どういう数が入っているかを調べさせた, この計算機のレジスタの機能は 次のようなものである.. M, A … … 演 算 レ ジ ス タ B, C, D, E, F … … メ モ リ ー レ ジ ス タ. 四則演算はすべてAレジスタの数値を前項, Mレジスタの数値を後項として, A, Mレジスタの 間で行われ, 結果はAレジスタに入る, 次にこの計算機でのプロ グラミン グに関する記号の約束を説明しょう.. 90.

(6) . 小学校低学年での教育におけるコンピュータ利用のあり方-特に数学教育における利用について-. □国 M レジ スタからA レジスタに データ を移 送( 以下M→A のようにかく ) 回m M → B 回回 回 国 回国 B. →. B. ” A(Mも→Aは □ 回 とする). A +B. A. →. A (このときB. →. M). ( 十は×、 ÷、 ー と しても同様 ). 図匠 広. →. A. に のときM に は1が入る). 回 国. Bのデータを印字. □ 回. プログラムの終了を表ゎす 図1. プロ グラムの型としては 1. 直 線型 の プ ロ グ ラ ム 2. 分岐型の プロ グラム. 3. ルー プ型のプロ グラム. の3つについて指導したが, いずれも生徒は意欲的に取り組ん でいて, また, 論理的な考え方を育 てるという点でもかなり効果的に思えた. こ こ に, 1 つ の 例 と し て, 分 岐 型 の プ ロ グラ ム を あ げ よ う. (た と え ば, プ ロ グラ ム に 従 っ て レ ジ. スタに入っ ている数値を考えていくことにより, 計算機が計算している仕組みが理解できるし, こ こで論理的な思考が必要とされる,) 例, a, b, cの最大値を求めるプログラムを書け.. 91.

(7) . 大久保 和 義 レジスタ. プロ グラム ADR. OP. M. A. B. C. a. b. B b. C. b. B. b. a. a. b. C. b. a- b. a. b. b. a- b. b. b. b. a- b. max(a、b). b. c. a- b. max(a、b). b. C. c. a- b. max(a、b). C. B. c. max(a、ゆ. max(a、b). c. C. max(a、b c. max(a、b). C. c. max(a、b c. c. c. c. max(a、b C. A. S. W B. /. W. C. A. S Y. B. / B. → Y ◇. ma煮a 、b、c). c. V. 図2. 4, 教 具 と して の コ ン ピ ュ ー タ 利 用 筆者は一昨年の4月に小学校に入学した 児童5人を対象に, 毎週1回1時間ずつ入学時から現在. まで コ ン ピ ュ ー タ 2 台 (NEC9801F, シ ャ ー プ XITurbo)を 使 っ て コ ン ピ ュ ー タ の 教 育 へ の 利 用 方 法についての研究を進めている. この実践に取り組んだ動機は,. 0小学校1年生でコンピュ ータにどれく らい興味を持つか 0算数の題材でどういう分野にコンピュ ータの利用が効果的か 0 コ ン ピ ュ ー タ の 操 作 で ど こ ま で 子 ども が あ や つ れる か 0 プ ロ グラ ミ ン グ に た い し て ど こ ま で 可 能 か. 92.

(8) . 小学校低学年での教育におけるコンピュータ利用のあり方-特に数学教育における利用について-. を追求することにあっ た.. 今までに実践してきた内容としては, 0座標概念獲得 の素地としての場所とり遊び oloの 補 数 に つ い て の ドリ ル 0 四 則 演 算 に つ い て の ドリ ル 0 グ ラ フ ィ ッ ク の シン ボ ル を 用 い た お 絵 か き. 0カナロ ゴを用いた図形の作成 0ワープロを用いた会誌の発行 0ゲームの要素を取り入れたアルファベ ッ トの位置の練習. 0簡単な BASIC の入門. 等である. この実践を通して次のことが言 えよう,. 0子どもらはほとん ど休まずにきており, またコンピュ ータに関する関心もかなり 高い , 0コンピュ ータ に対しても恐れをいだかずに積極的に取り組ん でいる, 0図, 絵などをディ ス プレィ に作っていくときは, 他人の人のよい点を見習おうとする態度 が 見 ら れ る,. 0 ドリル等でも速く, より正確にしよ うとする,. 5. 概念理解へのコンピュータ利用. 小学校, 中学校, 高校をでの学習指導において教具としてコンピュータを有効に利用 できる単元 , 題材は多くあり, いくつかの実践もされている. たとえば, 小学校における面積概念の指導, 特に 円の面積公式を出すところ では非常に効果的な使い方ができるし, 中学校でも, 正負の数の計算, 立体図形の平面による切り口と展開図, 因数分解の理解, さらに, 高校における一次変換の概念理. 解, 積分の概念理解などである. 1年生の 児童5人に対してコンピュ ータに慣れさせることと同時に, 算数学習に役立たせること を目的にして教材を考えて, ある1年生の教科書の最後の ページに, ”場所とりあそび,というのが あり, それをヒントにしてゲームの要素を取り入れて座標 の概念を習得させることをねらっ た . 〈実践内容, 方法〉 ゲームの概略を説明すると, 1段階目に は, 写真1のように各マスに数字を書いた画面を提示し てディ ス プレィ 上で乱数を用いたサイ コロをふることによ っ て出た目の数だけ自分の色をぬらせ て, どち ら の 色 が 多 い か を 競 わ せ る も の で あ る. こ の 段 階 では, 自 分 の ぬ り た い マ ス を そ の マ ス の. 番号で指定すればいいわけで子どもにもさほど抵抗がない, 2段階目は, 写真・ 2のようにマスの位 置を横, 縦の2次元の表示の指定の仕方について学習し, 1段階目と同じよう に自分の陣地の多さ. を争う, 3段階目は, たしざんの練習と組み合わせたもので, 画面は2段階のものと同 じにして, マ ス 目 の 中 に は 2から12までの数字を書いておき, 乱数を使っ て1から6までの数のたし ざんを行. い答えが正しければその数のところだけを取れることにしておき, 縦でも, 斜めでも, 横でも三つ ′4段階目は そこまでのマス目を指定するのとは違って 普通の座 並べ ば勝ちとするものである, , , 標についての学習をさせる, 3段階目までの学習を基礎 にして座標の示しかたについて理解さ せ, 93.

(9) . 大久保 和 義. そのあとで三並べ等のゲームで習熟させる (写真3参照.). (写真1, 2, 3) 〈考察〉 この実践を通して次のような, 学習に パソコンを利用するいくつかの利点が考えられる. ( 1 )児童が大変興味を持って取り組み, 学習に対する意欲づけがなされる, ( )場所取りゲームでは自分の陣地が速く しかもきちんと塗られるためにわかりやすい, 2. ( )紙に書いてゲームをするのとは違って, 座標を正確に指定しなければならず, 学習の目的にあ 3 っ た指導ができる.. { 4 )簡単に繰り返して学習できる. この実践では, 4つの段階に分けて座標概念の獲得をめ ざした, 実践した時期が6月の末からで. あり, まだ学校の授業ではこの題材は学習されていなかっ たが, 子どもたちはスムー ズに取り組み 概ね当初の目的は達成されたと思う. ただ, 3段階ではたしざんとの複合を考え, しかも三並べと. いうことで, 1年生の始めとしては, 計算とじょ うずに場所をとることを考えるのはこの学年とし ては大変なよう で, できるだけ単純な考えでできるような展開が望ましい, さらに, 4段階では, 普通の座標の考えについて学習する が,この ゲームでも3段階目までとはかなりのギャッ プ があり,. 理解させる困難さの予想はしていた が, かなりの時間をかけて理解はしたものの予 想以上に大変だ っ たようである, この座標概念の理解に対する適切な時期についての研究は今後の課題である, . 2段階目で,若干混乱している子どもも見られたがゲームを通して正確な理解がなされていった, これらの学習の後でその定着度を普 通のテスト形式で調べてみたが, 非常に満足すべき結果であっ た. 一斉授業でのこの題材に ついての 理解度に ついては調査しておらず, かなり定着しやすい分野 かもしれないが, 小学校, 特に低学年では授業にあきさせず, ゲーム的な要素を取り入れて楽しみ ながら学習を進めていくということもあっ ていいだろう. また, 「とりまとめ」の中でも, 小学校に おいては,『教具として活用することを通してコンピュータ等に触れ, 慣れ, 親しませることを基本 とする,』 とあるが, 我々の実践はこの内容に沿うものと考える.. 6, グ ラ フ ィ ッ ク ・ シ ン ボ ル の 利 用. 札幌市には,コンピュ ータに興味を持ち, 実際の授業でコンピュ ータをどのように利用できるか“ 94.

(10) . 小学校低学年での教育におけるコンピュータ利用のあり方-特に数学教育における利用について-. ということについて研究を進めている 『教育におけるコンピュータ利用研究会/北海道』 という会 (会員は小・中学校, 高校, 大学の教員約60名) がある, この章で述べる実践に用いたソフトウエ. アはこの会の会員 である土田幹憲氏 (札幌市立福移小学校) により作られた .. 〈実践内容, 方法〉 この実践は, 主に, 児童が1年生になっ てまもなくから2年生にかけて時間をおきながら行っ て きた, パソコンに取り組みは じめのときだっ たので, パソコンに抵抗感を持たないようにというこ と か ら こ の ソフ ト を 用 い る こ と に した,. 内容について説明しよう. このソフトは, 簡単に言うとコンピュ ータに備わっている グラフィ ッ ク・シンボルを利用して子どもがディ ス プレィ 上に絵を描くものである. より詳しくは, 始めに新 しい絵をかくのか, 今までに書か れているものを見るのかを番号によ って選択し 見る場合には , ,. 今までに書かれた絵の名前が表示されるので見たい絵を選択すればよくなっている. また, 新しく 絵を描く場合は,/キーを押すこと によりディ ス プレィ の下に パソコンに備わっ ている グラフィ ッ ク・シンボル一覧が表示されるの でその中から使用するシンボルを選 び, 次に一キーにより, 同様 に用いる色を選ん で, あとは, テンキーを用いてディ ス プレィ のうえに絵を描いていくものである . たとえば, GRPH と6のキーを押すことにより予め選んである色のシンボルを左右に描く また , , GRPH と1を押すことにより左斜め下に描い ていくというもので, ちょうど選んだスタンプを押し て絵を描いていくような感じがすることから 『スタンプペタペタ』 と名づけている, 児童の作っ た作品のつく つかを紹介しよう,. (写真4, 5, 6). 〈考察〉 先にも述べたように, この実践は, 児童がパソコンに取り組んだ初期のころに行なっ た パソコ . 95.

(11) . 大久保 和 義. ンに興味を持ち, パソコンと仲良くやっ ていけるということを目的にしていたが, 実際にキー操作 が容易であり, 楽しく絵を描けることから目的に対して は適当な教材であったように思う, 児童は,. 自動車, 世界の国の国旗, 風景, 自分の好きなファ ミコンの画面等, 一人一人がおもいおもいにデ ィ ス プレィ 上に絵を描いていき, お互いに作品をみてほめたり, 批評しあうなど楽しく取り組んで おり, 小学校低学年においてパソコンに親 しむという意味でのコンピュ ータリテラシーという面か らも今後こう した方面の実践的な研究が必要と思 われる.. 7, カナロ ゴの使用 LOGO は1970年 頃, ア メ リ カ の マ サ チ ュ セ ッ ツ 大 学 (MIT) の S,Paper tを中心とするグループ に よ り 開 発 さ れ た プ ロ グラ ミ ン グ言 語 で あ る, プ ロ グラ ミ ン グ言 語 に は, For tran ,Cobol , , Pascal l i B i 等 多く あ が れ ら の 言 語 に そ 色 る そ は れ ぞれ の 特 あ り が コ ン ピ ー の 種 類 使 う タ c s a s c ュ p , , , , ,. 目的, 使用する人の好み等によっ て使用する言語が決められるだろう, こうした中で, LOGO は, 人工知能向きのプログラ ミング言語 LISP を基にして作られており,. その上に人との対話を重視した設計がなされている言語である. 1 9 80年代に パソコンの開発, 普及. が急速に進み, それまでに動かすことができた言語が BASIC だけであっ たのが他にもいろいろと 使えるようになり LOGO もパソコンで使え るようになっ た, LOGO 言語の特徴としては. 0子ども達の創造性や情操の開発を指向する. o人工知能や知能工学の広範囲な普及を目指す 「 などがあり ( 〔4〕) tらの実践により, 子 r , 特に, 創造性の開発や情操の開発」 に関しては, Pape どものすばらしい能力を引き出すことが広く認められてきて いる, ( 〔2〕 参照) LOGO 言語の持 っている特徴的な機能としては, ・リ ス ト処理. ・ タ ー ト ル ・ グラ フ ィ ッ ク が あ る.. リスト処理というのは, LOGO 言語のデータ型として ・ 数 (number ). ・ ワ ー ド (word). l i ・リスト ( ) t s の3つが考えられることである, BASIC と比較すると, BASICの文字列 にあたるものが LOGO のワー ドであり, リストはワー ドま たはリストをいく つか並べたものとして考えられる.. たとえば, A, B, Cをワー ドとすると 〔A, B, C〕 自体を1つのデータとして考えるもので あり, これ自体で1つのデータ, または, A, B, Cの3つの元からなる集合とも考えられるので ある, このようなリスト処理が1つの複雑なプロ グラ ミングを容易にする要因にもなっている,. 次にタートノレ・グラフィ ッ クの説明をしよう, LOGO はタートル ( l t t e 亀) という特別なグラ ur フィ ッ クカーソルを持っ ていて, そのタートルの方向と長さを指定し動かすことによ ってディ ス プ レイ 上に図形を書いていくというものであり, 使用者がタートルになりき って図形を描いていくこ とから, そこに子どもの創造性, 理論的な能力を育成するという期待がかけられている, LOGO に. 96.

(12) . 小学校低学年での教育におけるコンピュータ利用のあり方-特に数学教育における利用について-. よるプロ グラミングに関してもそうであるが, 特に, このタートノレ・グラフィ ックが教育的 に有効 で あ る と さ れ て い る,. タートル・グラフィ ッ クでは, BASICと異なるディ ス プレィ の上での座標の考え方が相 対座標系 (BASIC では絶対座標系)である, すなわち, 現在タートルのある位置, 方向を基準として, 方向,. 長さを指定することにより図形を描いていく, この方法は, 我々が地面に図を書いていくのと一致 しており, 実際の学習で子ども達にも絶対座標よりは考え易くなっていると思われる, この章では, 特に, 小学校低学年での, 日本語によっ て命令をするタートル・グラフィ ッ クを用 いた図形教育の実践について報告をする. なお, このソフトは,『教育におけるコンピュータ利用研 究会』 の会員 である佐藤義昭 (札幌市立藤野中学校) , 土田幹憲両氏により作ら れた. 〈実践の内容・方法〉. は じめ に, タ ー ト ルの 覚 え て い る 命 令 は 次 の よ う な も の で あ り, 主 な の は フ ァ ン ク シ ョ ン キ ーfl. loに割り当てられている. ~f (プ ロ グラ ム). (説 明). (プ ロ グラ ム). 前 に10歩 進 め. ヌル. ミ ギ 60. 後 ろ に10歩 歩 け o 回れ 右 へ60. ケス. ヒ ダリ. 0 回 れ・ 左 へ60. オ ボエ ル. カク. ペン をお ろせ. カクニン. カ カ ナイ. ペ ン を しま え. マエ. 10. ウ シロ. イロ. 10 60. 2. クリカエ ス オワリ. 線の色を赤にせよ 4 「マ エ. 50. 1. (説 明) タ ー ト ル が囲 ま れ た 中 を 青く ぬ れ. キ. 画面 の絵 を消 せ 「木 の 描 き 方 を 覚 え よ 」 覚 え て い る 仕 事 全 部 の名. キ. 「木 の 描 き 方 を 表 示 せ よ 」. 前を表示 せよ カクニン. 0 回 れ を 4回くり返せ ノ ミ ギ 90」 50歩前 に 進 ん で, 右 へ90. こ れ で LOGO を終わりとせよ. 実践した主な内容 感覚的に命令によっ てディ ス プレィ 上に表される長さ, 方向をつかむために「マエ n」と「ミ ギ 90」 の実習を行う ② 「クリカエス」 を用いることによって能率的に図形が描けることを学び, 実習する. ①. ③. ④. 1 つ の プ ロ グラ ム を 作 る の に, いく つ か の 独 立 し た プロ ン ジ ャ ー に 分 け, そ の プロ シ ジ ャ ー. を利用 して元のプロ グラムを作ることができることを学習し, また, その プロシジャ ーを利用 して, さらに大きなプロシジャ ーを構成 できるという, 構造的なプログラムの組み方ができる 身近にある図形, 自分の考えた図形をタート ル・ グラフィ ッ クを用いた描く こと ができる. で あ る,. ①・②については, 1・2年を通してそれぞれ約6時間, ③・④については3年生で5時間ほど. か け て い る.. ふめ に 「マ エ lnn, 「マ エ T 、.例 下げ‐ 肘- 昆鯖大楠に- f. mn, 「. シ n l鞘, 筆 力 生ゑ〒弐 身. 衛. 97.

(13) . 大久保 和 ・義. ⑦→◎ へは右回りであることを 0 の角について理解させる 理解させ, 90 .. ④ マエ. 100. ミギ. 90. マエ. 100. 図3. 次 に, こ の こ と を 4回繰り返すことによって長さ1 00の正方形をかかせる. さらに, 長さを変えて. いろいろな辺の長さの正方形を書くことができるようにする. 「オ ボ エ ル. シカ ク」 で シ カ ク と い う 名 前 で 描 く 正 方 形 を コ ン ピ ュ ー タ に 覚 え さ せ る こ と が で き. ることを学習し, さらに, このシカクは, 以後はコマン ドの1つとして利用 できること, すなわち, タートルにいろいろなことを覚えさせることによっ てどんどん賢くなっ ていく を知る. ま た, い ま の 正 方 形 の 書 き 方 は, 「マ エ. エ100. 100. ミ ギ90. マ エ100 ミ ギ90. ミ ギ90」 であ っ た が, ク リ カ エ ス を 用 い る こ と に よ っ て,. マ エ100 ミ ギ90 ク リ カ エ ス 4 「マ エ 100. マ. ミ. ギ90 」 と簡単に表すことができることを学習した. このクリカエスを利用して, 適当な図をかかせ. た り, 図 形 の 中 に 色 を ぬ る 方 法 に つ い て 理 解 す る な どか な り ボ リ ュ ー ム の 多い コ ー ス で あ っ た が,. キー操作の仕方が容易であっ たので楽しく取り組んでいた. ③・④では, たと えば, 星座に興味を持っている子には, その星座を別な用紙に写し取らせて, それぞれの長さを測らせたり, 角度については分度器の使い方を指導してから角度を測らせ, その 図に従っ て LOGO での命令をしていっ た, また, 北海道の地図, ロケッ トなどをいく つかの部品に. 分けて5人で1人のものを作成することの実践を行っ た. 児童の作品のいくつかを紹介しよう,. ‐ 1. . ・ . ■ - -. ‐H 一1・【 f1門 喝 【4門 --. 98.

(14) . 小学校低学年での教育におけるコンピュータ利用のあり方-特に数学教育における利用について-. (写真7, 8, 9, 10). 打つ二)□ケ 淳一 ,. カワニ)□丁 , ,に ;. ◆ ‐ キー 乍旧 ”E ‐ ≠ 窟 j :. … キー ヨロ … … : ‐ ヰ{ 12 1 3. ・ : ≠{± …晒. ヒワーリ 三日. . 打力十ず つ : ノ□ ヨ邑 . 報う 日. . れつ し2 フ j . 月「 丁 ・ム【-. / , ノ ケー ワノ , - カ ′□ ; 三 ニ > , , . { ヨ ム ヒ” . ” , n. J ] ノ 十 十 h 幕十 , 一1 ” イ. ・□-” 打つニ コ. / TT ← h ”. ” 〜 = - ゞ、;“ ウ ロ … . て【 - ≠ 三 顧 … ノ ヨ晒 仁 「 ,」 J” ー ウ遁 - 三岐 カ\ ワ 十 T T C ← 十 T f 斗 〜 . J 〜 「ロ 門 ‐ 「 ご ノ 」 在C+. . ; J 門 - リ 「 T- 上□ 十エ 十ー ・ 三 「 江白 頭 F 工 t う a --ン 1 ” ← … ”ロ ゴ .. リ : ‐ずり- 窟 } ・ ギ : T丁 ← ト ー L 「 丁( 工掘十リ ‐ ・ 2 1. 4 江 - .ー , 、. カカナ イ“ ” = m … … t マ エ 2回 キ 9 回 ミ 亡 ー ” “ - 「 J ご ” --ロ ” □ 十^ 〜 . T. h+月 ′.” T I ハ 月 1{L モ セ . ・ 打 力 ナ T ー 扇 … “ ‐ 「 ご h 月 「 ゼ ”一 上 十 十 ノ ←十 ” 1 ルL. 填り二〕□テン ト 5 . マ工 2 E i. 一三川 三 ≠・ … … カカナイ マエ 2回 . フコ □ ・ r 三拝 無から. カ カ ナイ 三川 1 つ 2日. … ≠”≦ … ] … 日 … マ工 1 5 . マ工.祐. わり .. マ工三石. カカナ ‐ ず マ工 2 ヨ .. マ工 85 . ”! … ≠ … … } 日 … … … …F 期さ . ヒダリ 45 、 カカナイ 歩0 2夏 力ワ. 1日 ヌ 」 富・. -. マ工 謙三 」9 1 ヒザー 3 . hワ ・マエヨ日 ミギ E願 カカナイ. 紅 2三. 、 、. : 1 1 三千 ≦ 3. 三日 マエ,. 図3 (ロケ ッ トの プログラム). 〈考察〉 教科書等 で扱っ ている小学校低学年での幾何学的な見方 では, ほとんど量的 .なものが入っ ておら ず, その点から言うと, この実践では, 図形を書くこと が中心であり, どうしても長さ, 角度など 図形の中から量を抽出すること, つまり, 量の側面を重視した図形指 導がなされている,. 長さを測ること, 角度を測ることの等の測定に関する児童の発達段階のこともあるので (事実, 角度の測定に関しては, 3年生段階では, 5人ともかなり苦労していた.)必ずしも低学年において は, この様なコンピュ ータの利用がふさわしくはないかも知れないが, 指導する時期は別 にして, 次のようなことが言える,. 99.

(15) . 大久保 和 義. 0星座, 北海道の地図などのように, 元の図と同じ図形を描のには, 長さ, 角の大きさがわかれ ばよいことが経験的に理解 でき, 図形の合同, 相似の指導に役立つ,. 0経験的に角度の感じがわ かる,. 0タリカエ ス等を用いて, 回転角が小さいと多角形が円のようにみ えることがわかる.. 0クリカエ ス等を用いてできる図形の美しさに感動する,. 3年生で円の学習をしているが, コン パスを用いたり, コッ プ等をな ぞって円を書くことを 学んできている児童にとっ て, 直線とその回転で円 (画面上ではそう見える) ができることが驚 *. きのよう であっ た,. この実践では, 小学生の低・中学年ということもあり, 日本語による命令の LOGO をもちいた,. 子どもによっ て作られた図形の利用に関しては, たとえばこの実践では, みんなで北海道の地図 を描いたが, そのあとに, 札幌, 旭川, 函館, 釧路等の主な都市だとか自分の住ん でいる町, おじ いち ゃん, おばあち ゃんの住んでいる町を記入する等, 他の教科の学習にも展開させることが可能 であろう,. 8. ま と め. この実践での目的のまず第一は, 小学校の低・中学年ということもあり, 児童がコンピュ ータに 慣れ, 親しみ, 自分で自由に操作 できるということであった, そうした意味 ではここで紹介した実 践につ いては, ソフ トがよく 考えられていて, 子どもがあまり苦労せずに, また, 楽しく取り組め るものであっ たことが, 今まで2か年半取り組んできた子どもの姿勢, 態度からうかがえる, コ ン ピ ュ ー タ に慣 れ, 親 し む と いう こ と では, 先 に 述 べ た こ と 以 外 に ワ ー プ ロ の 活 用 が あ る 5 ,. 人の仲間に「げんきマン」という名前をつけ, その会誌として, 『げんきマン』を3回発行している. この会誌は, 自分達 でワー プロを打って発イテするものである. キーボートの位置に戸惑いながら, 「 また, 漢字に変換するのも 「習っ た漢字とか」 , 習 っていなくても知 っ ている」 とか言いながら, 作 り 上 げ て い っ て い る, こ の ワ ー プ ロ 利 用 な ども, コ ン ピ ュ ー タ に 慣 れ, 親 しむ と いう 点 で は 有 効. なように思えるが, ( f c ,〔5〕) , 一方 で, 漢字の理解(漢字の持っている意味, 筆順, 字の形等)とい う点であまり深いりはすべき でないと考える, 教育における ドリル的な利用の仕方については, 四則を新しく習うごとに取り入れていっ た. 確 かに, 同種の問題を何度も反復でき, しかもすぐに評価され, 子ども達も, 前よりももっ と速く, 正確に解こうとするしそれなりの効果があっ たが, 反面, 同じ様に問題を繰り返すとある程度の問 題で子どもが飽きてしまう, たとえば, かけざんの九九では, 全部の九九をやらせてみようとした が, 30題位が限界であっ た, ただ計算させるだけではなくて, 子ども達を飽きさせない, また, 計 算で学習者はどこがミスしやすいのか, どういうところに時間がかかっ ているか等が, すぐに学習 者に伝えられ等, 学習に役立つソフトの開発が必要であろう,. コ ン ピ ュ ー タ ・ リ テ ラ シ ー に つ い て は, ま だ十 分 に 確 立 し て い な い と 言 っ た が, プ ロ グラ ミ ン グ 100.

(16) . 小学校低学年での教育におけるコンピュータ利用のあり方-特に数学教育における利用について-. についてはコンピュ ータを操作する上 では欠かせない問題であろう. 今回の実践では, 低・中学年 ということもあり, あるテキストにのって BASICのプログラムをそのままコンピュ ータに入力し て楽しむ程度であっ た, この段階では, アルファベ ッ トもよく覚えもおらず, アルファ ベ ッ トを覚 え な が ら の プ ロ グラ ミ ン グ で あ っ た の で コ マ ン ドに つ い て の 学 習 は ほ と ん どさ れて い な い しか し ,. ながら, そうではあっても自分達で打ち込んだプロ グラムがコンピュータ上 で動いたときに示す感 動, 喜 びの姿は, 大切にしたいものである, 先に, 教育におけるコンピュータの利用に関しては, CA1 , CMI等について述べたが, この方面 に関しては, 『教育におけるコ ンピュータ利用研究会』が中心となって実践しておりいくつかの成果 も挙げているがこれらの成果については, 別の機会にゆずる, ( f 〔7〕) c .拙稿 (. 参考・引用文献 情報化社会に対応する初等中等教育の在り方に関する調査研究協力会議第一次審議のとりまとめ ( 19 85 , 8) 「 S P 奥村貴世子役 t( ) マインドストーム ( 1 9 8 2 未来社 ) a e r p 」 ,. 「教育にお けるコ ン ピュ ー タ利用 研 究会/北 海道 研究収 録 第1 集~第 4 集 (1985 2 1985 7 1986 2 」 . . . 1987.5). 石田晴久 「パソコン言語学」 ( 1 9 84 ) アスキー出版局 中山和彦, 東原義則 「マイコン・クラスルーム 未来の教室」 ( 1 98 6 ) 筑波出版会 「 清水純一 僻地小規模校 (小学校, 複式学級) におけるCAIの研究」( 19 8 4 ) 北海道教育大学附属教育工学セン ター紀要5号, 51一6 5 , 「 大久保和義 数学教育におけるCAI実践のある効果」 北海道教育大学附属教育工学センター紀要 (印刷中). ワ ′. (本 学助 教授. 札 幌 分校). 101.

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参照

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