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イシサンゴ類の白化現象とその回復

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Academic year: 2021

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(1)

イシサンゴ類の白化現象とその回復

著者

塚原 潤三, 小野 修助

雑誌名

南太平洋海域調査研究報告=Occasional papers

46

ページ

65-66

別言語のタイトル

Natural recovery of corals from the bleaching

damages

(2)

65

イ シ サ ン ゴ類 の 白化 現 象 とそ の 回 復

塚原 潤 三1、 小野 修助2

1鹿児島大学理学部

、2都城東高等学校

Natural recovery of corals from the bleaching damages

TSUKAHARA Junzo1, ONO Shusuke2

'Faculty of Science

,2Miyakonojyo-higashi

High School

は じめ に 近 年 、地球 温暖 化 の影 響 につ い て様 々 な側 面 か らの検 討 が行 われ て い る が 、海 洋 にお け る生 命 系 に も大 き な影 響 を あ た え て い る との報 告 が数 多 くな され て い る。1997年∼1998年 に地 球 規 模 で起 っ た サ ン ゴ類 の 白化 現 象 は 多 くの サ ン ゴ礁 に致 命 的 な打 撃 を与 え た。そ して 、そ の 回 復 に つ い て は 、7年 以 上経 っ た現 在 で も は か ば か しい 回復 の報 告 は殆 ど無 い 。本 プ ロジ ェ ク ト が 目指 す 「地 球 温暖 化 学 際 研 究 前 進 拠 点の構 築 」の 一 環 と して 、薩 南諸 島 にお け るイ シサ ン ゴ 類 の 白化 現 象 とそ の 回復 に つ い て調 査 した結 果 を報 告 す る。 調 査 地 点お よび 調 査 方 法 調 査 地 点:薩 南諸 島 が南 北 に長 く連 な っ てい る特 徴 を利 用 し、南 端 の 与 論 島(シ ゴー東 側 海 岸: N27°01'E128°26'、 品覇 海 岸:N27°03'El28°25')と 鹿 児 島本 土 の塩 屋 海 岸(N31°15' E130°22')お よび 櫻 島 ・袴 腰 海 岸(N31°35'El30°35')を 調 査 地 と して選 ん だ。 与 論 島 シ ゴー東 但海 岸 は十 数 年 前 か ら学 生 の 実習 等 で観 察 して き た海 岸 で あ る。塩 屋 海 岸 は生 物 採 集 の た め 、年 に数 回潜 水 観 察 す る機 会が あ る場 所 で あ る。櫻 島 ・袴 腰 海 岸 は共 著 者 の小 野 が1982 年 以 来 主 に ソ フ トコー ラル の生 息 につ い て継 続 調 査 を して い る。 調 査 方法:ラ イ ン トラ ンゼ ク ト調 査− 潮 間 帯 最 上 部 を起 点 と して 、 沖 に 向 か っ て50mの ライ ンを設 置 し、10m間 隔 で1m×lmの 区画 内 のサ ン ゴ類 の被 度 を調 べ た 。 写真 記 録− 水 中カ メ ラ を用 い て 、 サ ン ゴの 生 息 状 況 を記 録 した 。 観 察 結果 与 論 島 シ ゴー東側海 岸:南 東 部 に位 置 す る シ ゴー 東海晦 岸 で は、1998年 の高 海 水 温 に よ り潮 間帯 に お い て90%近 くの 被 度 を示 した ミ ドリイ シ類 は 全 滅 した が 、2004年 の調 査 で は 、 よ うや く ミ ド リイ シ の 小 さな コ ロニ ー を見 い だ した。2005年 の調 査 で は 、台 風 の影 響 で ライ ン トラ ンゼ

(3)

66 ク ト調査 は出来なかったが、水 中観察 では数種 の ミ ドリイ シ類 が直径10-20cm程 の小 さな コ ロニーの点在 が確 認 され た。 品覇海岸:北 部 の品覇海岸 では、ミ ドリイシ類は全滅 したままで、ハマサ ン ゴや キクメイ シ等 のイシサ ンゴ類 が散在す るのみであった。与論 島では場所 によ りサ ン ゴ類 の回復 の状態 が異 な るよ うであ る。 塩屋海岸 薩摩 半島南端 に近 い塩屋海岸 は潮上帯 か ら潮下帯 にかけて溶結凝灰岩の基盤が広が り、潮 下 帯では発達 した ソフ トコー ラル の間に ミ ドリイ シ類やハ マサ ンゴな どのイシサ ンゴ類 が点在 す る。 コロニーの大き さか らミ ドリイシは近年着生 した もの と思 われ 、 この海域 も1998年 の 高海水温 に よるイシサ ンゴ類 の 白化 の影響 があった よ うだ。しか し、その回復 は潮下帯 の広 い 範 囲で見 られ る。 袴腰 海岸 櫻 島の大正溶岩 帯上 に広 が る潮 下帯 にはマ メスナ ギンチ ャク類 を始 め とす る ソフ トコー ラ ル が発 達 してい るが、ここ数年来 ミ ドリイ シ類 の侵 入が 目に付 くよ うになった。この ミ ドリイ シ類 が南方 性の種類 であれ ば、南方海域 か らの幼生 の移動 が考 え られ 、近年 この海域 の水温 が 徐 々に高 くなってい る現 象 と関連 があ るのか もしれ ない。今後詳細 な検討 が必要 である。 拠 点構 築 与論 島では、市民講座等 を通 して古川先生 をは じめ多 くの島民 との交流 が深 め られ 、サ ン ゴ 礁 の現状や歴 史的な経緯 につ いで 盾報 が入手 でき る。また、九州大学 の野 島哲先生 との与論 島 サ ンゴ類 調査 に関す る共 同研究企画 の可能 性につ いて調整 中である。 今後 の展 望 サ ン ゴ類 の 白化現象 は、今 後、地球温暖化 が進む につれ頻繁 に起 る可能 性が あるた め、継続 的に調査 を行 い、薩 南諸 島にお ける貴重 なサン ゴ礁 の保全 を図るための基礎的 なデー タを蓄積 してい く必 要があ る。

参照

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