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https://doi.org/10.14976/jals.30.4_63

豪州の地球温暖化と水枯渇に対応する腎臓医療

永井 恵*

1) 要旨:近年の地球温暖化により引き起こされる気候変動,とくに陸地乾燥に伴い世界中で水資源が枯渇しつつある.と りわけ豪州はその傾向が強い一方で,生活習慣病などを原因とする重大な疾病に対する治療の需要は高まっており,そ の治療自体が多大な環境負荷を与えている.また,地球温暖化による平均気温上昇は熱中症や感染症の有病率を上昇させ, 健康被害を及ぼす.腎臓は水分・塩分の保持や排泄,老廃物や毒素の除去を担う臓器である.糖尿病などにより腎臓 の機能が失われると,慢性腎不全に至る.腎不全患者の生命維持のために維持透析治療を行うが,一人当たり年間 10.2 tCO2-eq,水消費 500 L/日の環境負荷がかかる.本邦を例にとると,透析患者は 350 人に 1 人であり,決してまれな治療 とは言えず,世界的にみても,さらに患者数は増加の見込みである.環境問題に先進的な豪州や英国では,水の再利用, 太陽光の利用,適切な透析方法の推進などのイノベーションをすすめる取り組み「Green Nephrology(環境に配慮した腎 臓病学)」が推進されてきた.また,この Green Nephrology は主に医療従事者による活動であるが,医療を支える環境学者, 工学者,企業,医療を受ける国民や為政者といった多角的な協力体制の構築が望まれる.さらに,水の再利用としての 腎不全治療に用いられた窒素と電解質とを含む透析排液の活用も考えられ,塩性植物の栽培など乾燥地農学研究に関わ る研究者の参画も必要となってくるであろう.これらの Green Nephrology が豪州や本邦のみならず全世界に広がることで, 医療が与える環境負荷が低減され,ひいては,健康の維持へ貢献できると考えられる. キーワード:腎臓,地球温暖化,水資源,オーストラリア,透析療法

1. 地球温暖化,乾燥地と健康被害

近年,地球温暖化により引き起こされる気候変動と

陸地乾燥に加え,人口増加が相まって世界中で水資源

が枯渇している(Agar, 2015a; Watts et al., 2019).水資

源は,人間を含む動植物の生命活動に不可欠であり,

その不足はさまざまな理由で健康を損ない,貧富の格

差を助長する.豪州を例にとれば,日本の降水量の

約 4 分の 1 程度しかなく,南極を除くと最も乾燥した

大陸と言われる.近年の砂漠地帯は広がり,干ばつの

発生頻度は増多の一途をたどっている(Jianping et al.,

2016).

地球温暖化による人間への影響として,気温上昇

に伴う蚊などに媒介される感染症の広がり(WHO,

2012),水枯渇や汚染による下痢性疾患の増加(Lessler

et al., 2018),大気汚染による心血管病の増加(Berman

et al., 2017)などがあげられる.また,腎臓は人間の

体液や電解質の組成の恒常性を保つ重要な臓器の一つ

である(Firsov, Bonny, 2010).熱ストレスによる腎機

能障害,水不足により脱水症に伴う腎結石症などが,

地球温暖化に伴う腎疾患の代表的な例である(Barra-clough et al., 2017).このように,地球温暖化は,健康

被害をもたらす(Watts et al., 2019).

2. 医療による環境被害,そして健康被害へ

医療行為は中心的な経済活動のうちの一つである.

他の産業と同様に,医療行為は温室効果ガスの産生源

となりうる(Lenzen et al., 2020).その規模の大きさ

は国毎に異なるが,おおよそ 5% 程度と考えられてい

る.特に米国で高く国家全体の CO

2

排出の 10% と試

算され(Eckelman, Sherman, 2016),英国で低く 4% と

試算されている(Pencheon, 2018).また,本邦でも厚

生労働省統計と産業連関表を用いて算定した CO

2

出は国家全体の 4.6% であった(Nansai, 2020).皮肉

なことに,治療自体が環境に多大な影響を与え,地球

温暖化を進め,あらゆる疾患の有病率や重症度を上昇

させうる(図 1).

このような環境問題に対しての意識が高い国が英

国や豪州であり,各産業についての経済活動毎の CO

2

排出量を算定することが義務づけられているため,医

療費から間接的にアセスメントすることができる.乾

燥地の多い豪州では医療行為をする場合にも,しば

しば水資源の枯渇に直面することがある(Agar,

Bar-raclough, 2020).結果として,たとえば豪州の内陸乾

燥地の先住民は,多くの水資源を必要とする治療を受

けることが出来ない場合がある.豪州では,強い環境

意識の一方で生活習慣病などを原因とする重大な疾病

*Corresponding Author: [email protected] (2020 年 9 月 17 日受付:2020 年 12 月 3 日受理)

〒305-8575 茨城県つくば市天王台 1-1-1 Tel: 029-853-3202 Fax: 029-853-3202 1) 筑波大学医学医療系臨床医学域 腎臓内科学

(2)

に対する治療の需要は高まっており,その治療自体が

多大な環境負荷を与えている(Damasiewicz,

Polking-horne, 2020; Malik et al., 2018)

3. 透析治療に投じられる多くの資源

腎臓は水分や電解質の保持や排泄,老廃物や毒素の

除去を担う臓器である.しかし,先に述べたように腎

臓病の治療には,多大な環境負荷が伴う(図 2).糖

尿病を含む生活習慣病や炎症性疾患などにより腎臓の

機能が失われていくと,腎不全に至ることがある.腎

不全患者の生命維持のために維持透析治療を行うが,

一人当たり年間 10.2 tCO2-eq,水消費 80 t もの甚大な

環境負荷がかかる(Agar, 2015a).本邦を例にとると,

維持透析患者は 350 人に 1 人であり,決してまれな治

療とは言えず(Hanafusa, Fukagawa, 2020),世界的に

みても,生活習慣病などを原因として,さらに患者数

は増加の見込みである(Liyanage et al., 2015).

さらに,透析治療は週 3 回程度の通院を必要とし,

大量の水や薬剤,特殊な医療機器や電力を投じ,プラ

スチック製品などの廃棄も著しい(図 2).有限な資

源を消費し続ける透析治療で,今後も増加する患者を

支えていけるか疑問が残る.本邦では具体的な透析

治療における環境負荷は未だに算定されていないが,

経済負担としては,一患者年間に対して約 320 万円

(Nagai et al., 2019),透析患者全体で約 1 兆 5 千億円

以上の社会保障費が必要となる.他国の報告をもとに

すれば(Agar, 2015a),全世界と本邦の透析患者数に

相当する水消費,エネルギー消費および医療ゴミ廃棄

の量は膨大なものである(表 1).従って,日本にお

ける透析治療が存続可能なものであるためには,より

環境負荷と経済負荷の両側面で最善の選択をしなけれ

ばならない.そのためには,世界の透析医療を見渡し,

どのような方法で現状を把握し,活動していくかを検

討していくべきである.

4. 豪州の透析医療―Green Nephrology―

透析医療における環境負荷の削減については,その

国の環境意識の高さに依るところがあり,環境問題に

先進的な英国では Andrew Conner(Connor et al., 2010,

2011; Connor, Mortimer, 2010), 豪 州 で は John Agar

(Agar, 2015a; Agar et al., 2012; Lim et al., 2013)らによ

り,議論されてきた経緯がある.ただし,それを医療

の現場で実践している臨床医やその他の医療従事者

は必ずしも多くないことは事実である(Barraclough et

al., 2019).また,残念ながら世界第 1 位と第 2 位の

透析患者数を擁する米国と本邦において環境負荷軽減

のための取り組みが充分なされているとは言えない

(United States Renal Data System, 2013).英国や豪州で

推進されてきた適切な透析方法,水の再利用,太陽光

の利用などイノベーションをすすめる取り組み「Green

Nephrology(環境に配慮した腎臓病学)」は特筆すべ

きものであり,本論文で紹介してゆく.

透析治療における CO

2

排出量の算定の内訳である

が,半分以上は,医療機器の生産・管理・使用と薬剤

使用を占める(図 3,Lim et al., 2013).次にエネルギー

消費,水消費や移動(自家用車などの使用)が続く.

すなわち,透析治療には多岐にわたる環境負荷に関わ

る要素がある.これらを包括的に考えるには,あまり

に多くの知識や議論が必要となってしまう.あらゆる

医療行為の中において水の必要性は透析療法で特に高

図 1. Cycle of climate change, disease and healthcare

図 2. Function of kidney and environmental impact of he-modialysis to save life of patients with kidney failure

(3)

い.例えば,本邦でも地震などの自然災害時の断水に

より,多くの透析患者が十分な透析を受けられなかっ

た経験がある(Masakane et al., 2016).そのため,本

論文では水資源に着目して議論を進めていく.

5. 透析治療における水消費および廃棄の実際

透析治療を行うため,病院内やクリニック内で,水

道水あるいは地下水を原水とする透析液を作成する.

腎不全における異常な体液組成を是正するために,こ

の透析液を用いて血液を浄化することが治療目的とな

る.原水から電解質を除去した上で,活性炭などで

不純物を取り出し,治療用の電解質や pH 調整薬を添

加する事で均質な治療用透析液が作成される(図 2).

また,治療に使用した透析液は pH を調整した上で,

下水放流される.透析液は,世界的にも本邦において

も 500 mL/分の使用が標準治療とされており,1 回の

血液透析治療では理論上,120 L の透析液を必要とす

る(Agar, 2015a).豪州では水枯渇に対応するために,

様々な取り組みがなされている.

6. 水資源に関する取り組み(図 4)

6.1. 逆浸透(RO)膜システムにおける工夫

先に述べた通り,1 回の治療に 120 L の透析液を使

用するが,その背後には透析液を作成する前に廃棄さ

れる水,あるいは透析装置を洗浄するためだけに生産

される水が存在する.そのため,豪州の調査では実に

500 L の原水が消費されていると試算された(Lim et

al., 2013).

各透析室では逆浸透(RO)装置を用いて純水を作

成するが,その方法にいくつかの選択肢がある.安価

な装置は大量の廃棄水を生じ,そのまま下水放流し,

原水の 3 分の 2 を廃棄してしまう場合もある.廃棄水

を再利用する水効率の良い RO 装置は,高価であり発

展途上国ではなかなか普及が進まない.正確な調査は

行われていないものの,本邦では廃棄水を完全に再利

用する RO 装置が比較的多く普及している.

一方,2003 年豪州の長期的な干ばつの際に,小規

模施設で独自に RO 装置から廃棄される配管を再循環

させて,透析液を作成することで水不足から逃れた経

験がある(Agar et al., 2009).眼前に迫る水不足を前

に緊急的に行われた処置ではあるが,細菌などの病原

体の混入はなく,少なくとも禁忌にはあたらないと考

えられる.本邦でも,台風などの異常気象や大震災に

ともなう突発的な水資源の枯渇が,透析治療を困難に

する場合がある(Kimura et al., 2012).そのため,施

設ごとでの RO システムの工夫は積極的に考慮されて

よいかもしれない.

6.2. 治療前後廃水の多用途使用

RO 装置内における廃棄水の再利用が,必ずしも環

境負荷の観点から有益でない場合も存在する.RO 膜

の耐用性が低い場合には頻回の交換が必要となる.経

済的にも環境的にも廃棄が良いと判断される場合に

は,むしろ RO 廃棄水の他の用途を考慮すべきである.

表 1. Estimated annual global and local dialysis resource consumption and waste generation (Modified from Agar, 2015a)

Item per therapyAmount per yearTimes Global patients, estimated Amount per year Japanese patients, estimated Amount per year Water use 500 L 156 2,293,000 178,854,000,000 L 330,798 25,802,244,000 L

Power 5.2 kWh 156 2,293,000 1,860,081,600 kWh 330,798 268,343,338 kWh Medical waste 2.75 kg 156 2,293,000 983,697,000 kg 330,798 141,912,342 kg

図 3. Carbon footprint of dialysis therapy (Modified from Lim et al., 2013)

図 4. Trials for water saving and environmental friendly dialysis therapy in Australia

(4)

透析施設には,病室,洗濯室,滅菌室,その他は庭園

やトイレに至るまで生活用水として,あらゆる水消費

の機会がある.そのため,RO 廃棄水を保存タンクに

接続して使用することができる(Agar, 2015b).

次に治療後の廃水(以降は,治療前の廃水と区別す

るため「透析排液」と呼ぶ)を再利用する方法とし

て,透析液の成分や患者由来の老廃物をカートリッジ

に吸着させて純水化して,再度透析液を作成する方法

がある(Agar, 2010b).1960 年∼ 80 年代には,携行

型の血液透析器が開発された際に,樹立された技術で

あり,安全性試験の後に医療機器として海外では認可

された.しかし,あまりに高いコストがかかることが

一つの理由となり市場に出回ることはなかった.今後

の環境負荷の算定次第ではあるものの,この吸着によ

る再利用システムも水枯渇の状況では考慮されうる.

6.3. 透析排液の灌漑や塩性植物栽培への応用

治療に使用された透析排液は,下水放流されてい

る.透析排液には患者由来の体液成分を含むため,患

者に存在していた病原体,例えば未知のウイルスなど

が含まれている可能性を否定できない.したがって,

同一患者の治療に再利用することは許されていても,

他の透析患者治療や飲用水として使用することは難し

い.先に述べた通り,腎不全では水分(H

2

O),電解

質(Na

+

,K

+

,Cl

,HPO

42–

),尿毒症物質(主に窒素

化合物)が蓄積するため,透析排液にはこれらが含ま

れている.先行研究によれば,この透析排液は WHO

(世界保健機関),FAO(国際連合食糧農業機関)の基

準に照らしても灌漑用水としての基準を満たしている

(Tarrass et al., 2008).干ばつによる作物収量低下に苦

しむモロッコでは,透析排液の灌漑利用の試みがなさ

れた(Agar, 2010a).Agar は,さらに透析排液を用い

て幾つかの塩性植物の栽培を試みているが,そのうち

3 種類の海藻類で成長や発芽が観察されたとしている

(Agar, 2015a).

7. 水資源以外の取り組みによる環境負荷軽減

7.1. 透析治療方法の選択

透析治療には幾つかの方法が選択され,大きく外来

治療と在宅治療に分かれる.どちらの方法にも長所,

短所,医学的適応の違いがあるが,世界的には 9 割の

腎不全患者が外来治療(施設内血液透析),1 割が在

宅透析(腹膜透析および在宅血液透析)を選択してい

る(Barraclough, Agar, 2020).本邦でも透析治療のう

ち約 95% 以上の症例で外来血液透析が選択されてい

る(Hanafusa, Fukagawa, 2020).この方法では,病院

ないしクリニックに患者が自家用車や公共交通機関で

通院し,週 3 回程度の治療を受ける必要がある.対し

て,国土の広い豪州やニュージーランドでは通院困難

なため,在宅血液透析や在宅腹膜透析を選択する割合

が高い(図 5).透析治療において現在のところ,環

境負荷について外来と在宅のどちらが少ないかの結論

は出ていない.ここに特筆すべきは香港の腎不全患

者の大多数が在宅透析を選択する点である.香港で

は,在宅治療に医療経済効率性が高いため,原則的に

医療経済的インセンティブ(医療保険適応)を在宅透

析にのみ与える政策をとっている(Li PK., Chow KM,

2013).つまり,水資源を含む環境負荷の観点から,

従来の透析治療以外の方法が優れていることが明確に

なり,政治の判断が下れば,医療体制の変容が可能と

なる.米国では,医療経済の逼迫から在宅透析と腎移

植を推進し,外来血液透析は減少させる政策が 2019

年 7 月に発表されたばかりであり,その進捗にも着目

したい.

7.2. 太陽光発電の利用

透析治療に必要なエネルギー消費において環境負荷

の点から重要なのは,その透析機器の電気効率だけで

はなく,発電システムそのものである.化石燃料の使

用から再生可能エネルギーの使用への移行は今後,多

くの透析施設で取り入れられるべきである.透析施設

が発電を行う場合は,設備投資を必要とする.したがっ

図 5. Proportion of in-center and home dialysis therapy among patients with end-stage kidney disease (Modi-fied from United States Renal Data System, 2013)

(5)

て,投資金額がどの程度の期間で回収されるかは議論

となる.その先駆けとなった 2010 年当時の Agar らの

経験では,太陽光発電の初期投資(約 125 万円)により,

76% の電力削減が達成され,投資額は 7-8 年で回収可

能であった(Agar et al., 2012).今日,豪州ではさら

に太陽光発電の投資コストは低下しているため,さら

に短期間での回収が見込まれる.また,透析施設が再

生可能エネルギーを電力会社から購入することも考慮

される.

7.3. 適切な透析と薬剤処方

図 3 に示す通り Carbon footprint のうち,薬剤の占

める割合が大きい.過剰処方や患者の服用漏れなどの

残薬,あるいは患者体格に見合わない過剰な透析治療

が行われる場合もある.そのため,医師を中心とした

医療者により環境負荷を軽減できる可能性は十分にあ

る(Barraclough, Agar, 2020).環境負荷の少ない製剤

過程を経た薬剤や透析機器の情報を公開することで,

医療関係者による選別の可能性も生じうる.この情報

公開の実現性は,製薬会社などの環境意識や企業理念

に大きく依存すると考えられる.

8. さいごに:これからの環境に

配慮した腎臓医療に向けて

近年の環境学は,国家レベル,そして全世界レベ

ルで医療行為による環境負荷の算定を実現しつつあ

る.これは,政策に対する提言をなす上で極めて価値

のある基盤的資料となり得る.しかしながら,本稿で

紹介したような臨床医による実践に即した活動こそ

が,環境負荷軽減や水資源の枯渇に対して有効かつ即

時性があると考えられる.Green Nephrology は広がり

を見せ,人間と自然の恒常性を目指している.政府や

学会による後押しが,Green Nephrology を大きく前進

させる可能性もある(Moura-Neto, 2019; Piccoli, 2020;

Blankestijn, 2018; Barraclough, Agar, 2020).まずは環境

問題の取り組みに先進的な諸外国の知見を真摯に受け

止め,本邦でも可能な活動を進めることが望ましい.

また,この Green Nephrology は主に医療従事者によ

る活動であるが,活動を支える環境学者,工学者や製

薬企業,医療を受ける国民や為政者といった多角的な

協力体制の構築が望まれる.さらに興味深い事例とし

て挙げた,透析排液による塩生植物の栽培など,画期

的な実用的研究のために乾燥地研究者の協力は重要で

ある(図 6).

水資源のほか,エネルギー消費,深刻化する廃棄物

処理,水廃棄,増大する医療費,と課題は多いが,持

続可能な医療の展開のために,腎臓医療者(Nephrolo-gist)は立ち向かわなければならない.地球温暖化およ

び水資源の問題について,日本でも職種や領域をまた

ぐ活動がなされることを願う.

謝辞

本論文は,日本透析医会公募研究助成 JADP Grant

2019-1 および科研費(JSPS grant #18KK0431)により

作成された.

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(7)

https://doi.org/10.14976/jals.30.4_63

Kidney healthcare in the context of climate

change and water shortage in Australia

Kei NAGAI*

1)

Abstract: With climate change-related extreme weather and the spread of dehydrated lands, water shortages have become serious all around the world. In addition, especially in Australia, the prevalence of serious diseases related to diabetes and metabolic syndrome has increased. Therefore, demands for healthcare have risen, and in turn, healthcare initiates an adverse feedback cycle by increasing the environmental impacts of healthcare. Climate change exacerbates heat illness and vector-borne infection, which results in health impacts. The kidneys maintain fluid volume and electrolytes and remove waste products and uremic toxins from the body. Kidney damage due to diabetes and inflammatory disease occasionally progresses to end-stage kidney disease. To save the lives of patients with end-stage kidney disease, dialysis therapy is required with an environmental cost of 10.2 tons of CO2 equivalent emissions

annu-ally per patient and 500 L of water usage just for one therapy session. In Japan, the number of patients undergoing dialysis therapy has been growing, reaching one in 350 people in the general population, indicating that dialysis therapy is not rare nowadays. Globally, the number of patients is expected to increase further. In Australia and the United Kingdom, which are advanced in environmental issues, efforts to promote innovation such as water reuse, solar power-assisted dialysis machine use, and appropriate dialysis methods have been encouraged by “Green Nephrology”. Such green activities are usually focused around medical professionals, but it is desir-able to build a system of cooperation that includes environmental scientists, engineers, and drug companies as individuals that support medical care, and local residents and politicians as individuals that receive medical care. Furthermore, it is possible to utilize dialysis drainage containing nitrogen and electrolyte used for dialysis therapy, and this may be realized by the cooperation of researchers in-volved in arid land agriculture such as cultivation of halophytes. By spreading Green Nephrology not only in Australia and Japan but all over the world, it is thought that the environmental load of medical care will be reduced, which in turn will contribute to the main-tenance of health.

Keywords: kidney, climate change, water shortage, Australia, dialysis

*Corresponding Author: [email protected] (Received, September 17th, 2020; Accepted, December 3rd, 2020) 1-1-1 Ten-no dai, Tsukuba, Ibaraki, 305-8575, Japan Tel: +81-29-853-3202 Fax: +81-29-853-3202

図 2.  Function of kidney and environmental impact of he- he-modialysis to save life of patients with kidney failure
図 3.  Carbon footprint of dialysis therapy  (Modified from Lim et al., 2013)

参照

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