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<書評・紹介> 真宗教学研究所編 : 浄土論註総索引

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Academic year: 2021

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東本願寺の教学研究所において、浄土論註の読書会が実行に 移されたのは昭和妃年のことである。この読言会の企画は我炎 に一つの関心を抱かせるものであった。それは、この読書会に 京都大学人文科学研究所の福永光司教授と川勝義雄助教授が講 師として参加せられたということである。従来我灸にとって浄 土論註は浄土教の祖師である北魏曇鴬の代表的な著作として、 真宗の宗義学上の聖典という意味に重点をおく傾向があり、し たがって論註を研究する場合、親簿の教行信証を通してこれを 学ぶのが普通であった。けれども、この両氏は中国思想史の専 門家であり、この両氏を交えて行なわれる教学研究所の読書会 は、当然宗義学的解釈にとどまらず、これを中国思想史の上で 見直していくことを予想せられるものであって、そこに我々は 大きな関心を寄せたのである。 論註が浄土信仰の害として宗義を深めるための研究が今後も なされねばならないことはいうまでもない。そこには親鶯によ って見出された曇鶯独自の浄土教が盛られており、汲み尽くせ ない豊かな精神を把握せられていく筈である。しかし一方にお 真宗教学研究所編

﹁浄土論註総索引﹂

福島光哉

いて、中国の北魏にこの言が成立した思想史的情況や、文献学 的な価値をめぐって、論註は尚多くの問題を提供しているので ある。当時の佛教界は中国的個性を充分に発揮した宗派教学が 成立する少し前の時期であり、外来文化としての佛教と中国固 有の宗教思想が溶け合いながら、やがて中国佛教の教学として 完成されていく準備段階に相当するのである。しかも現存して いる北朝系の佛教聖典は非常に少ないし、その上当時の哲学思 想に関する文献さえも極めて乏しい状態である。したがって完 備した形態をとどめている思想書として論註は大いに注目せら れるのである。そして諭註には、中国哲学の諸思想との連関を 思わせるふしが見られ、特に老荘などの思想表現をはじめ、論 語・易などの影響を見出し得るといわれる。ところがそういっ た角度から、論註を取り上げた研究ははなはだ少なく、今後多 くの解明されるべき点を有しているのである。このたび、この 読書会の成果の一つとして本書が出版せられるに至ったことを 思えば、諭註に対する新しい研究への基礎資料としての価値を 充分評価しなければならないと思われる。 本書の柵成は論註の本文とその索引とから成っている。本文 は真宗勧学寮編﹁論註校異﹂を底本とし、﹁論﹂を上段に﹁註﹂ を下段に分けて掲載している。文章の区切りには点を施してあ るが、漢文文献として論註を正確に読む努力の結果がここに現 われていると思われる。また校訂は殆んど論註校異に基づき、 その詳細な検討は省略せられている。索引の方は﹁論﹂﹁註﹂ すべてに亘る完全な一宇索引となっている。したがってすべて 旬 1 ノユ

(2)

の語句を卵音順に配列して収録し魁論の語句と註の語句を一目 して区別できるようになっている。そして各この語句を含むフ レーズを合せて掲載してあるので、利用者にとっては非常に便 利にできている。特に助辞は論註に際して従来余り注意せられ なかったけれども、ここにこれらをすべて分類し網羅している ので、今後の文献学的研究には大いに役立つことであろう。 こういった索引の製作という仕事は、はなはだ地味な仕事で あり、しかも大変な時間と労力を必要とするものである。あと がきに﹁浄土論註は今後ますます深く融広い視野に立って読ま れなければならない。そしてそれが、世界的観点に立って真宗 の教えを根元から理解しようとする努力につながってゆくもの と思う。﹂と記されているような願いのもとに、始めて遂行せら れた成果として研究所員諸氏の努力に謝意を表したいと思う。 ︵昭和四十七年九月、B五版、三、○○○円︶ ワ , 0 今

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