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海外在住の国際結婚から生まれた子どものアイデンティティー形成に与える影響要因 : 国際結婚を考える会の場合

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全文

(1)

海外在住の国際結婚から生まれた子どものアイデン

ティティー形成に与える影響要因 : 国際結婚を考

える会の場合

著者

竹田 美知

雑誌名

生活科学論叢

39

ページ

21-33

発行年

2008-03-10

URL

http://doi.org/10.14946/00001634

(2)

海 外 在 住 の 国 際 結 婚 か ら生 まれ た子 ど もの

ア イ デ ンテ ィテ ィー 形 成 に与 え る影 響 要 因

国際結婚 を考 える会の場合

竹  田 美  知

1.は じ め に   家 族 とい う小 集 団 の 中 で 、 全 く異 な る 文 化 的 背 景 を 持 つ 父 と母 に よ っ て 、 社 会 化 され た 子 ど も は どの よ うな ア イ デ ンテ ィ テ ィー を 形 成 す る だ ろ う か 。   筆 者 は 、 す で に 日本 在 住 の 国 際 結 婚 を した 家 族 を対 象 と して 、 子 ど もの 社 会 化 過 程 に お け る 二 重 国 籍 選 択 に焦 点 を あ て て 調 査 した(竹 田,2005)。22歳 まで に ど ち らか の 国 籍 を選 択 しな け れ ば な ら な い と い う現 在 の 国 籍 法 の 下 で も 、 二 重 国 籍 を保 持 し た い とい う子 ど もが 多 い と い う 結 果 を得 た 。 そ して 、 子 ど も達 自身 の 海 外 居 住 希 望 、 海 外 就 職 希 望 と と も に、 親 が 日本 の 文 化 と と もに 出 身 国 の 文 化 や 言 語 を、 社 会 化 の 過 程 で 伝 達 して い る こ とが 、 子 ど もの 二 重 国籍 選 択 に 大 きな 影 響 力 を及 ぼ して い る こ とを 検 証 した。   海 外 に居 住 す る 国 際 結 婚 した 親 も、 子 ど も の社 会 化 過 程 に お い て 二 つ の 文 化 を伝 達 し、 子 ど も達 も二 重 国 籍 を保 持 す る こ と を希 望 して い る の だ ろ うか 。   図1の よ う に 海 外 にお い て 国 際 結 婚 に よ り生 まれ た 子 ど も は、 親 に よ る 国 籍 留 保 に よ っ て 、 二 重 国 籍 が維 持 で き る。 届 出 をす る こ とに よ っ て 、 二 重 国sを 維 持 で き る とい う背 景 に は 、 「海 外 で 生 活 し て い る子 ど も に は 、 海 外 の 国 籍 一 つ で 充 分 で あ り、 生 活 を して い な い 日本 の 国 籍 は、 特 別 の 事 情 で もな い か ぎ り必 要 な い」 とい っ た一・人 一・国 籍 の 原 則 が 伺 え る。   グ ロ ーバ リゼ ー シ ョ ンの 進 ん だ 現 在 、 日本 と海 外 を行 っ た り来 た りす る 機 会 の 多 い 家 族 が 増 加 し て い る。 日本 に 住 む 国 際 結 婚 家 族 が 日本 に ず っ と住 ん で い る とは 限 ら な い よ う に、 海 外 に居 住 す る 国 際 結 婚 家 族 もず っ と海 外 に 住 ん で い る と は 限 らな い 。 国 際 結 婚 家 族 に と っ て 、 ビ ジ ネ ス が グ ロ ー バ ル 化 す る 中 で 、 国 際移 動 の 可 能 性 は 以 前 に も ま して 高 くな りつ つ あ る と い え よ う。 す で に 欧 米 な ど の 国 際社 会 で は 、 二 つ の 文 化 を生 まれ た と き か ら社 会 化 し、 二 重 国 籍 を持 つ こ とが 自然 な こ と と して 認 識 され つ つ あ る 。   これ まで の研 究 で は 、 二 つ の 文 化 が 共 存 す る場 合 よ り も、 衝 突 を起 こ す カ ルチ ャ ー ・シ ョ ック の 問 題 が 大 き く ク ロ ー ズ ア ッ プ され て調 査 研 究 さ れ て きた 。 国 際結 婚 か ら生 ま れ た子 ど も の場 合 、 生 ま れ 育 っ た 文 化 の 中 に す で に異 な る 文 化 が 存 在 し、 二 つ の 文 化 が 社 会 化 の 過 程 で 子 ど も に伝 え られ る 。 本 論 文 の 目的 は 、 二 つ の 文 化 が衝 突 し、 カ ル チ ャ ー ・シ ョッ ク の よ う に ア イ デ ンテ イテ イ ー の

(3)

混 乱 の よ う な マ イ ナ ス の 影 響 を も た らす の か 、 そ れ と も二 つ の 文 化 が 子 ど も の社 会 化 の 過 程 で 自然 に 内 在 化 さ れ 共 存 し、 ア イ デ ンテ ィテ ィ ー の 確 立 に とっ て む しろ プ ラ ス の 影 響 を もた らす の か 、 そ の 答 え を見 つ け る こ とに あ る。       重 国a者

 !

国籍選択届

 1

国籍選択届

     国籍選択未届

  

  

  

  ↓

一]

催告      官報による催告

1 

11

外国の公職就任  国籍喪失

国籍喪失の宣告

図1

国籍喪失

       国籍再取得の届出

       (重国籍防止条件)

国籍選択届 などの手続 きの概要

  出 典  奥 田安 弘 『家 族 と国 籍 』,有 斐 閣,東京p,95 *  注:重 国 籍 防 止 条 件 と は 、 日本 に 帰 化 す る た め に は 、 従 来 の 国籍 を 失 わ な け れ ば な ら な い と い         う条 件(注 は筆 者)   本 論 文 の 分 析 で は 、 海 外 に居 住 す る 国 際 結 婚 か ら生 ま れ た 子 ど も達 を 対 象 とす る。 多 くの 民 族 が 混 在 して 生 活 して い る 海 外 に お い て は 、 地 域 社 会 に お い て も多 くの 文 化 が 存 在 し家 庭 に お い て も異 な る 文 化 を社 会 化 しや す い状 況 とい え よ う。 そ の よ う な地 域 社 会 の 中 で、 親 が 子 ど もの発 達 過 程 で 二 つ の文 化 を どの よ うに社 会 化 し、 子 ど もの ア イ デ ンテ ィ テ ィー が 形 成 さ れ る か そ の 過 程 を分 析 す る 。

2.先

行 研 究 の 流 れ

  エ リ ク ソ ン に よ る と 、 「身 体 的 自 己 と両 親 の 抱 く イ メ ー ジ と に そ の 文 化 的 含 意 が 与 え ら れ さ ら に 社 会 的 役 割 が 与 え ら れ て 、 児 童 期 の 諸 段 階 を へ て 、 さ ら に 若 い 成 年 期 に ア イ デ ン テ ィ テ ィ ー 形 成 さ れ る 」 と ア イ デ ン テ ィ テ ィ ー 形 成 過 程 を 説 明 し て い る 。(エ リ ク ソ ン,1981,P.301∼P.302)。   ヒ ュ ー ジ と ジ ョ ン ソ ン は 、 ア フ リ カ 系 の ア メ リ カ 人 の 受 け 取 る 差 別 的 メ ッ セ ー ジ と 子 ど も 達 の ア

(4)

イ デ ンテ ィ テ ィ ー探 しの 関 連 を調 査 で 明 らか に した 。 家 族 外 か ら受 け た 人種 的 偏 見 に 基 づ くメ ッセ ー ジが 、 親 に よる社 会 化 に影響 し、子 ど もの アイ デ ンテ ィテ ィー形 成 に与 える と結 論 づ けて い る。 そ こで 、 こ の 論 文 に お け る 第1の 目的 と し て 、 地 域 社 会 に お け る 差 別 的 メ ッセ ー ジ が 親 の 社 会 化 方 針 、 子 ど もの ア イ デ ンテ ィ テ ィー 形 成 に与 え る影 響 を検 討 す る。   家 族 の 国 際 移 動 に よ っ て 、 文 化 の異 な る 地 域 に 暮 ら し、 文 化 変 容 を 促 され 、 そ の 結 果 生 じた 変 化 を分 析 し た研 究 は 日本 で も数 多 くみ られ る 。 例 え ば 、 箕 浦 の 調 査 は 日本 人 家 族 が 、 日本 か ら国 際 移 動 に よ っ て あ る 時 点 か ら異 文 化 の 中 で 生 活 す る こ と に な っ た ケ ー ス を 分 析 した 。 す で に15歳 以 上 で 母 文 化 に お け る対 人 関係 の 意 味 空 間 を 身 に つ け た 子 ど も は 、 容 易 に そ の 意 味 空 間 か ら、 異 文 化 の 意 味 空 間 に 移 行 す る こ と は難 し く、 カ ル チ ャ ー ・シ ョ ッ クが 起 こ る可 能 性 を示 唆 した 。 こ の 調 査 の よ う に こ れ まで 研 究 さ れ て きた カ ル チ ャ ー ・シ ョ ック の ケ ー ス は、 家 族 の ラ イ フ コ ー ス の あ る 時 点 で 、 突 然 異 文 化 に 出会 い 、 家 族 外 の 集 団 と の 接 触 に よっ て シ ョ ッ ク を う け る と い う条 件 下 に お か れ て い た 。 しか し国 際 結 婚 か ら生 ま れ た 子 ど もの 場 合 は 、 家 族 の ラ イ フ コ ー ス の ス ター ト時 点 か ら常 に 複 数 の 親 の 文 化 に接 触 し、 そ の 文 化 的 接 触 は家 族 員 に よ っ て さ れ 、 自然 に社 会 化 の 過 程 で 二 つ の 文 化 が 内 在 化 され て い る 。 ゆ え に この 論 文 の 第2の 目的 は 、 両 親 の社 会 化 の 仕 方 が 、 国 際 結 婚 か ら生 ま れ た 子 ど も達 の パ ー ソナ リテ ィ ー 特 性 に 与 え る 影 響 を検 討 す る こ とで あ る。

3.調

査 の概念 枠 組 み

  調 査 研 究 モ デ ル を 表1の よ う に 設 定 し た 。 海 外 在 住 の 国 際 結 婚 か ら生 ま れ た 子 ど もの ア イ デ ン テ ィ テ ィー を 測 定 す る 変 数 と して 、 「自分 が 好 きだ 」 「自 己 決 定 能 力 が あ る 」 「将 来 に 希 望 が あ る」 「自 己 の 意 見 を述 べ られ る」 「自分 の 能 力 を伸 ば し た い 」 とい う5つ の 従 属 変 数 を設 定 し た。 ア イ デ ン テ ィ テ ィー を持 っ た 自己 は 、 「自 己 同 一 性 」 と も訳 され 、 人格 の統 合 と一 貫 性 を示 す 概 念 で あ る。 社 会 に 自 己 を位 置 づ け 、 ま た社 会 に対 して 能 動 的 に 関 与 で き る人 格 を意 味 す る 。   こ の ア イデ ンテ ィ テ ィー確 立 に大 き く影 響 す る独 立 変 数 と して 従 来 の研 究 か ら考 え られ る独 立 変 数 は 、 まず 第1に 差 別 に 関 わ る 変 数 群 、 第2に 親 の 社 会 化 の 仕 方 、 出 身 国 の 文 化 や言 葉 の 伝 達 とい っ た 社 会 化 変 数 、 第3に 親 の価 値 観 ・子 の価 値 観 に関 わ る変 数 、 第4に 地 域 社 会 に 関す る 変 数 を設 定 した。

4.調

査 方 法

  調 査 は 、 海 外 に 在 住 す る 国 際 結 婚 を 考 え る 会 会 員 全 員 に2004年11月 に 日 本 語 質 問 票 、 英 語 質 問 票 が 入 っ た 調 査 票180部 を 配 布 し 、 実 施 し た 。 集 計 は2月12日 ま で に 届 い た 票 す べ て を 集 計 し た 。  合 計91票(子 ど も 票33票 ・親 票58票)が 回 収 さ れ た 。 そ の う ち 親 子 ペ アー で 解 答 し た 票 が26票 あ っ た 。 回 収 票 の67.4%は ヨ ー ロ ッパ 、 つ い で ネ パ ー ル 、 オ ー ス ト ラ リ ア 、 ア ジ ア 、 ア メ リ カ 、 カ ナ ダ 、 イ ス ラ エ ル か ら返 送 さ れ た 。

(5)

表1

5.調

査 結 果

5-1基 礎 的 属 性

学 校 や 職 場 で の 言 葉 は 図2の よ う に現 地 の 言 葉 を話 す 者 が 多 い が 、 図3の よ う に家 庭 で も2力 国

(6)

学 校 ・職 場 で の 言 葉 1 0% 20% 40% 60% .i.. 100% 図2 家庭 での使 用 言語 1 0% 20% 40% 60% .1.. 100% 図3   また 図4の よ う に 、 国 籍 留 保 を して 二 重 国 籍 を持 つ もの が75.8%お り、 図5の よ う に 、 半 数 は 国 籍 選 択 を し な け れ ば な ら な い 日本 の 法 律 を知 っ て い る 。 図6の よ う に 「両 親 の 国籍 二 つ を持 つ こ と は 当 然 」 と考 え る子 ど もは51.5%、 二 つ 持 つ こ とが 望 ま しい と考 え る子 ど も を合 わ せ る と84.8%が 将 来 も重 国籍 を持 つ こ とに 賛 成 して い る。

(7)

図4

国籍選択の 日本 の法律 の認 知

      、 に 卍       ! 騰 鑓灘購 纈 ・  照 ㈱       黙 灘難         撒 糠  ξ   う      琶'

__鞭 蟹 鑛 難 難 難

  轍綴撒灘 霧蕪 雛 蒙

灘 嚢

      `       ぐ       属  0

1     園

      N 45.5 ■ 知 っ て い る □ 知 ら な い ! 0%        20%       40%        60%       80%       100% 図5

両親の国籍取得 に対 す る考 え

■ 二 つ 持 つ こ と は 当 然 だ   .;.;二つ 持 つ こ と が望 ま しい 圏 わ か ら ない ゑ 誘 畏轍∠     舜鯛騨 繊 騰                       ¥¥¥騰    _澱 鱗鰯雛購    レ 鵬       叢㈱ 齢 巡蝦簾 嚇 鰯瀦                         源   ・  ・蕪灘 譲懸 鰯 轍 擁 灘 鑛       巽 懇灘 灘 纏 ,・ ・  懸鐡        ド   ^   戸       鎚   !     ∬  臓  z 辮 ノ     鰯       ¥    熈     懸 灘羅鞭 灘灘     ㈱ 捌 渦蹴 要  雛      辮 綴 .           義 憂繊         膨 購 購 図6

(8)

 図7の よ う に 、 海 外 居 住 希 望 が 高 い ほ ど、 す な わ ち 国 際 移 動 に積 極 的 で あ る ほ ど、 「自分 が 好 き」 と答 え て い る 。 図8の よ う に 、 重 国籍 を持 つ 子 ど も ほ ど、 将 来 に希 望 が あ る と答 え て い る。

海外居住希望の有無×自分が好 き

国 と て も そ う思 う 囮 ま あ そ う思 うDあ ま りそ う思 わ な いi

       苺 轟 琵 賑 葦 購… ほ 諦

海外居住希望無    

灘 灘難 灘騰 鑛1灘灘

海外居住希望有

0% 図7 p<0.05 図8 pGO.05 5-2両 親 の 社 会 化 の 仕方 が 、国 際結 婚 か ら生 ま れ た子 ど も達 の ア イデ ンテ ィテ ィー確 立 に与 え る影 響   図9の よ う に 親 が 出 身 国 の 文 化 を教 育 して い る ほ ど、 子 ど もの 自己 決 定 力 が 高 い 。 親 に よ っ て 居 住 国 と異 な る 出 身 国 の 文 化 が 伝 達 され る ほ ど子 ど も の ア イ デ ンテ ィテ ィー 確 立 に プ ラ ス の 影 響 が 出 て い る 。 家 庭 内 で 二 つ の 文 化 が 共 存 す る こ と は 、 子 ど も の ア イ デ ンテ ィテ ィー を 混 乱 させ る可 能 性 が あ る と従 来 は 考 え られ て きた 。 しか し今 回 の 調 査 結 果 は む し ろ 国 際 結 婚 か ら生 ま れ た 子 ど もの 場 合 は、 居 住 国 以 外 の 文 化 に伝 え な い こ と よ り、 伝 え た 方 が 子 ど もは ア イ デ ン テ ィテ ィー を 確 立 し や す い 。

(9)

       図9       p<0.05   しか し図10の よ う に、 家 庭 内 に 二 つ の 文 化 が 存 在 す る状 況 で 両 親 の 教 育 方 針 が 異 な る と、 子 ど も は 「自分 が 好 き」 と感 じ る こ とが 難 し くな る。 両 親 の 社 会 化 の 方 法 の 一 致 、 不 一 致 も、 国 際 結 婚 か ら生 ま れ た 子 ど もの ア イ デ ンテ ィ テ ィー に 大 きな 影 響 を及 ぼ して い る。

両親 の教育方針の違いの有無 × 自分 が好 き

■ と て も 思 う  :一.まあ そ う思 う  翻 あ ま り そ う思 わ な い

難 鞭

輿

灘 欝 欝

      N 轄      1 甘 雷       き     z。 茅 撚1

麟盤語1

灘 難織

叢  

一馨灘

騰 灘

      防!

  譲 雛 、

騒        彬語懸 呂,      鼻"醇 癬      N       撚 撒灘 灘職   冒難 撒 灘醸 灘     騰 藁懸 灘懸 繍     撚灘鰍 灘 偲 禦       麟灘 総轍 ㎜ 0% 20% 40% 60% ...1 goo% 図10 p<0.05 5-3地 域 社 会 に お け る差 別 的 メ ッセ ー ジ が 親 の 社 会 化 方 針 、子 ど も の ア イ デ ン テ ィテ ィ ー 形 成 に 与 え る 影 響   図11の よ う に 、 外 見 に よ っ て 注 目 さ れ た 経 験 は 、 「何 度 も あ る 」 と 答 え た 親17.9%よ り も 、 子 ど も 28.1%と 、 子 供 の 方 が 注 目 さ れ た 経 験 は 多 い 。 ま た 図12の よ う に そ の う ち の56.3%の 子 ど も が 「注 目 視 さ れ 嫌 な 思 い を し た 」 と 答 え て い る 。

(10)

外 見 に よ っ て 注 目 さ れ た 経 験 ■ 何 度 も あ る   ;,:,:時々 あ る  團 あ ま り な い □ ま っ た く な い ■

子 ども

0% 20% 40% 60% ...f. 100% 図11 p<0.05

外 見 に よって 注 目 さ れて感 じた こと

□ 嫌 な 思、い を した ■ な ん と も思、わ な か っ た ■1注 目 さ れ て よ か っ た

子 ど も

0% 20% 40% 60% .・ 100       図12       p<0.05   さ ら に 図13の よ う に 、 注 目視 さ れ て 嫌 な 思 い を し て も、 一 層 自分 の 能 力 を 伸 ば し た い と感 じて い る子 ど もが 多 く、 外 見 か ら注 目 さ れ て 嫌 な 思 い を し た 者 ほ ど、 そ の こ と をバ ネ に して 自分 の 能 力 を の ば して い こ う とい う気 持 ち に 昇 華 させ て い る こ とが わ か る。 差 別 さ れ て も、 そ の こ とが 却 っ て 自 分 自身 を高 め て い こ う と い う気 持 ち に繋 が り、 ア イ デ ン テ ィ テ ィ ー を ゆ るが す こ と に は繋 が っ て い な い 。

(11)

          特別 視 された気 持 ち とア イデ ンテ ィテ ィー 1■ 特別視 で嫌 な思 い   岡 なん と も思 わ ない   □ 湘 されて よ かっ た  1 能 力 を少 し伸 ば したい 能 力 を とて も伸 ば したい 燃 襲灘 藻蝋 聡 灘 蕪.

邸 灘難

蝶雛 灘

  ・'灘 ㌧  ・ 難;難       麟捌懸鋤蕩灘

難難灘 灘

灘 灘 灘鞭

'ウ'滞,鍵 扱撚 顯 繕   斬 蕪辮 継     憂環業 ,≧鶴 藤 輪 '驚 ㌧ 輪 懸 盛 登 嚇欝灘灘 羅' 鰻灘 灘 鑛灘灘

■■ 麗魏麟

占、       ,禦 難  翻照 腰 0%          20%          40%          60%          80%         100%       図13       p〈0.05 5-4  子 ど もの ア イ デ ンテ ィテ ィ ー 形 成 に 与 え る影 響 要 因 の 重 回 帰 分 析   子 ど もの ア イ デ ンテ ィ テ ィ ー に 関 連 す る従 属 変 数 に 影 響 す る 子 ど も側 の 要 因 で比 較 的 高 い 相 関 を 持 っ た独 立 変 数(表2)を 投 入 して 重 回 帰 分 析 を行 っ た 結 果 、 次 の モ デ ル1か らモ デ ル3ま で の 分 析 結 果 が得 ら れ た 。 表2ア イ デ ン テ ィ テ ィ ー従 属 変 数 と社 会 化 に 関 す る 独 立 変 数 との 関 連(子 票 の 分 析 〉

自分が好 きだ

自己決定能力

将来に希望が

自己 の 意 見 を が あ る あ る 述 べ られ る

親の出身国文化の

*-0.381 0.194 一〇.282 一〇.039

教育経験無 し

両親の教育方針の

**-0.495 一340 一〇.282 一〇.059 違 い 有

居住地域に対す る

〇.022〇.077 *-0.414 一〇.303 考 え一 長 く住 み た い

学校や職場での

0.126 *0.423 *0.498 0.345

現地言語の使用

親の出身国文化へ

の興味の程度

0.343 *0.474 0.024 一〇.044 P<0.05で 有 意 差 の あ っ た も の は*  P<0.01で 有 意 差 が あ っ た も の は**

(12)

① モ デ ル1「 自 分 が 好 き で あ る 」 を 従 属 変 数 と し た 場 合 の 影 響 要 因 の 重 回 帰 分 析   こ の モ デ ル1で は 、 「両 親 の 教 育 方 針 の 違 い の 有 無 」 と 「出 身 国 文 化 に よ る 教 育 経 験 」 と い う 二 つ の 独 立 変 数 で 、 「自 分 が 好 き で あ る 」 と い う 従 属 変 数 の 分 散 の37%を 説 明 して い る 。 最 も 強 い 相 関 で あ っ た の は 、 「両 親 の 教 育 方 針 の 違 い の 有 無 」(Beta=-0,527,  p<0.Ol)で あ っ た 。 次 に 強 い 相 関 で あ っ た の は 、 「出 身 国 文 化 の 親 に よ る 教 育 経 験 の 有 無 」(Beta=-0.413,  p<0.05)で あ っ た 。 モ デ ル1  「自分 が好 き で あ る」 を従 属 変 数 と した場 合 の 影 響 要 因 の 分析(子 ど も票)

独立変数

標準回帰係数

両親問の教育方針の違いが有る

一 〇 .527

出身国文化の親による教育経験無 し

一 〇.413 F値=9.231** 調 整 済 みR自 乗 二〇.370   *p〈0.05 **p<0.01 ② モ デ ル2  「自己 決 定 力 」 を従 属 変 数 と した場 合 の 影 響 要 因 の 重 回 帰 分 析   モ デ ル2で は、 「自己 決 定 力 」 に 関 して は、 「親 の 出 身 文 化 へ の 興 味 」(Beta係 数=0.462)が 、 最 も強 い 相 関 で あ り、 さ らに 「学 校 や 職 場 で の現 地 語 の 使 用 」(Beta係 数=0.404)が 次 に 強 い 相 関 で あ っ た 。 この二 つ の変 数 で 「自己 決 定 の 力 を もっ て い る」 とい う従 属 変 数 の 分 散 を33.9%説 明 して い る。   モ デ ル2  「自 己 決 定 力 が あ る」 を従 属 変 数 と した 場 合 の 影 響 要 因 の 分 析(子 ど も票)

独立変数

標準回帰係数

親の出身国文化への興味

0.462 学 校 ・職 場 で の 現 地 語 の 使 用 0.404 F値=7.912** 調 整 済 みR自 乗=0.339   *p<0.05 **P<0.Ol

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③ モ デ ル3「 将 来 に希 望 が あ る」 を従 属 変 数 と した 場 合 の 影 響 要 因 の 重 回 帰 分 析   モ デ ル3で は 「学 校 や 職 場 で の 現 地 語 の使 用 」 がBeta=0.354と 最 も高 い 相 関 を示 し、 次 に 「外 見 の 違 い に よ り注 目視 の 経 験 」 がBeta=0.295と2番 目 に高 い 相 関 を しめ した 。 さ ら に 「居 住 地 か らの 移 動 性 」Be七a=0.294は 、移 動 の 可 能 性 が 高 い ほ ど、子 ど も達 は 将 来 に 希 望 を持 つ こ と を示 して い る 。 こ れ ら3つ の 独 立 変 数 で 、 「将 来 に希 望 が あ る」 とい う従 属 変 数 の 約32%を 説 明 して い る。 モ デ ル3「 将 来 に 希 望 が あ る 」 を 従 属 変 数 と し た場 合 の 影 響 要 因 の 分 析(子 ど も票)

独立変数

標準回帰係数

学校や職場での現地語の使用

0.354 外 見 の 違 い に よ る注 目視 の 経 験 0.295 F値=5.409** 調 整 済 みR自 乗=0.32ユ   *p〈0.05 **p<0.01 6.結 論   今 回 の 海 外 に 居 住 す る 国 際 結 婚 か ら生 ま れ た 子 ど も は先 述 の よ う に、 両 親 か ら二 つ の 文 化 を生 ま れ た 時 か ら社 会 化 され て い る 。 しか も居 住 す る地 域 は 欧 米 で 、 複 数 の 文 化 を持 つ 多 文 化 共 生 環 境 と い え よ う 。 こ の 調 査 で 明 らか に され た よ う に 生 活 様 式 は 双 方 の 文 化 圏 の ラ イ フ ス タ イ ル を維 持 し、 家 族 の 外 はそ の 一 方 の 文 化 圏 の 行 動 様 式 が 主 流 と な っ て い る ケ ー ス が 想 定 さ れ る。   調 査 結 果 か ら得 られ た こ と は、 両 親 に よ る社 会 化 の ア イ デ ンテ ィ テ ィ ー へ の 大 き な影 響 は 「親 の 出 身 国 の 文 化 の伝 達 が どの よ う に さ れ た か 」 とい う点 に 集 約 さ れ た。 居 住 地 の 文 化 と と も に 、 親 か ら出 身 国 の 文 化 を親 か ら教 育 され た子 ど もほ ど、 「自分 が 好 きで あ る」 と思 っ て い る。 しか し なが ら、 そ こで 問題 に な る の は、 「両 親 間 の 教 育 方 針 の 違 い 」 で あ ろ う。 二 つ の 文 化 の うち どち らか に 重 点 を 置 い て 、 一 方 の 文 化 を封 じ込 め て しま う よ う な社 会 化 の 仕 方 は、 子 ど も の ア イ デ ンテ ィテ ィー 確 立 に プ ラ ス の 影 響 を与 え な い 。 特 に 家 族 と言 う小 集 団 の 中 で 、 国 際 結 婚 し た 家 族 で あ る が ゆ え に 二 つ の 文 化 の共 生 は 、 子 ど も の社 会 化 に とっ て 必 須 条 件 と い え る。   また 差 別 的 メ ッ セ ー ジ の ア イ デ ンテ ィテ ィー 形 成 に マ イ ナ ス の 影 響 を与 えて い な い。「違 い が あ り、 注 目視 され 、 そ れ が 嫌 な経 験 」 で あ っ て も、 バ ネ に して 将 来 に 希 望 が あ る と考 え て い る こ とが 重 要 な ポ イ ン トで は な い だ ろ うか 。 そ れ は や は り家 族 内 で 培 わ れ た 二 つ の 文 化 をハ イ ブ リ ッ ト して 社 会 化 さ れ た結 果 とい え よ う。   今 回 、 調 査 を した 海 外 に居 住 す る 国 際 結 婚 か ら生 まれ た 子 ど も た ち は 、 そ の ほ とん どが ヨ ー ロ ッ パ に 居 住 して い た 。 ヨ.__.ロッパ は 重 国 籍 も認 め られ 、 多 くの 民 族 が 共 生 して 住 む 地 域 で あ る 。EU 諸 国 の 中 で は、 物 の 移 動 も人 も移 動 も 自由 で 、 多 文 化 共 生 の 環 境 とい え よ う 。 そ の よ う な 国 に居 住

(14)

して い る 国 際 結 婚 家 族 は 、 ア イ デ ンテ ィ テ ィ ー を確 立 す る地 域 的 環 境 は整 っ て い る とい え る 。 そ の

よ う な環 境 の 中 で も、 「多 文 化 共 生 的 地 域 環 境 に お い て も、 家 族 内 で の 二 つ の文 化 の 共 生 が 、 国 際 結 婚 か ら生 ま れ た 子 ど も の ア イ デ ン テ ィテ ィー 確 立 の キ ー を な っ て い る」 と結 論 づ け る こ とが で き る。

この 論 文 は、 平 成16年 度 科 学 研 究 費 補 助 金 を受 け 、2005年 日本 家 政 学 会 に お い て 報 告 した もので あ る。

参 考 文 献

1Berry,J.W.&Sam,J.W.1997  Acculturation  and  adaptation.  In  J.W  Berry,  M.H.Segall,&       C.Kagitcibasi(Eds),  Handbook  of Cross-Cultural  Psychology.  Vo1.3.Allyn  and  Bacon

2E.H  エ リ ク ソ ン1981仁 科 弥 生 訳   「幼 児 期 と 社 会 」1み す ず 書 房

3Hughes,  D.,&Johnson,  D.,2001,"Correlate  in Children's  Experiences  of Parents'Racial       Socialization  Behaviors"Journal  ofMarriage  and  Family,63,981-995

4伊 佐 雅 子,2000,『 女 性 の 帰 国 適 応 問 題 の 研 究 一 異 文 化 受 容 と 帰 国 適 応 の 実 証 的 研 究 一 』 多 賀 出 版 5国 際 結 婚 を 考 え る 会,1991,『 二 重 国 籍 』 時 事 通 信 社

6木 村 真 理 子,1997,『 文 化 変 容 ス ト レ ス と ソ ー シ ャ ル サ ポ ー ト』 東 海 大 学 出 版 会

7Merton,  R., K.,1957,  Contributions  to the  Theory  of Reference  Group  Behavior,  Social  Theory       and  Social  Structure,  revised  ed.,  The  Free  Press(森 好 夫 ・森 東 吾 ・金 沢 実 共 訳,1969,       『現 代 社 会 学 体 系 第13巻   社 会 理 論 と 機 能 分 析 』 青 木 書 店)

8Michell,  M., Motoyoshi,1990"Experience  of Mixed  Race  People:Some  Thought  and  Theories",       Journal  ofEthnic  Studies

9箕 浦 康 子,1984,『 子 ど も の 異 文 化 体 験 』 思 索 社

10Murry,  V., M.,  Smith,  E., P.,&Hill,  N.,  E.,"Race,  Ethnicity,  and  Culture  in  Studies  of       Families  in Context"Journal  ofMarriage  and  family,63,911-914

11Nagel,  J.,1994,"Constructing  ethnicity:Creating  and  recreating  ethnic  identity  and  cul-  cul-  cul-  ture."Socialcul-  Problems,141,152-176

12鍋 倉 健 悦,1997『 異 文 化 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 入 門 』 丸 善

13奥 田 安 弘,1996,「 家 族 と 国 籍 一 国 際 化 の 進 む な か で 』 有 斐 閣 選 書,有 斐 閣

14Redfield,  R., Linton,  R.,&Herskovits,  M., J.,1936,"Memorandum  for the  study  of accultura-  of accultura-  of accultura-  Lion"Americanof accultura-  Anthropologist,38,149-152

15Park,  Robert  E.1950,  Race  and  Culture

16竹 田 美 知,2005,「 国 際 結 婚 か ら 生 ま れ た 子 ど も の 国 籍 選 択 と そ の 影 響 要 因 一 国 際 結 婚 を 考 え る       会 の 場 合 一 」 日 本 家 政 学 会 誌Vol.56  No.1

参照

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