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認知症および健常高齢者の3分間歩行が脳の活性化におよぼす効果について― 歩行前後の脳波比較から ―

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Academic year: 2021

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(1)

(目的)  日本の高齢化は,周知の事実である.また,それにともなって増加している認知症高齢者数が,2015年には, 65歳以上人口の7.6%(約250万人),さらに2025年には,9.3%(約323万人)に増加するという報告がある(高齢者 介護研究会,2003).この認知症高齢者に対する介護者の負担は,一般介護高齢者の介護と比較して,明らかに 高いストレスや疲労感を有する.すなわち,これからの高齢社会では,認知症高齢者本人および介護者のスト レスなどを軽減することが重要になると思われる.そのためには,いかに認知低下を予防あるいは改善する方 法を導き出せるかが必要である.  この認知症改善方法には,薬物療法,音楽,回想法および運動などがある.そのうち運動は,認知症予防, 身体機能向上および前頭野機能向上などに貢献することが報告されている.しかし,歩行運動が脳機能を改善 する報告は見られない.  そこで,本研究では,認知症および健常高齢者の3分間歩行が脳の活性化におよぼす効果について,歩行前 後の脳波出現傾向の比較から検討を加えた. (対象および方法)  兵庫県明石市にある高齢福祉施設「うみのほし大久保」のショートスティ入所者およびディサービス利用者15 名(認知症患者:10名,健常者5名(平均年齢:77±7歳)を対象として,3分間歩行を実施した.その際,対象 者に対して,歩行前後に前頭野部の脳波測定を実施し,歩行前後の脳波活性度を検討した. (分析方法)  対象者に対して実施した歩行前後に,安静3分後から30秒の脳波測定を行い,α波,β波,θ波およびδ波 の出現パワー(μV2)を導き,歩行前後の脳波出現傾向を比較した. (結果および考察)  認知症患者および健常者ともに歩行後の脳波では,α波およびβ波など速波に属する脳波が増加していた. このことは,3分間歩行が,高齢者の脳を活性化させる可能性を示している.さらに,認知症患者の脳波にお いても同傾向が認められたことは,歩行が認知症改善および予防に貢献する運動であると思われる.

認知症および健常高齢者の3分間歩行が脳の活性化におよぼす効果について

― 歩行前後の脳波比較から ―

柳本 有二

−74− 神戸常盤大学紀要  創刊号 2009

参照

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